JP4381613B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処理装置に関し、特に一般可燃ごみ廃棄物の処理とプラスチック廃棄物の処理とを切替えて行えるようにした廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般可燃ごみ廃棄物は焼却処理した後、投棄されているが、この焼却処理の燃焼中に温度が低かったり不完全燃焼が起きたりするとダイオキシンなどの有害物質が生成するという問題があった。近年、この問題を解決するために、一般可燃ごみ廃棄物を乾留し、この乾留により生じたガスを高温で完全に燃焼させるという方法(ガス化処理法)が提案されている。
【0003】
一方、プラスチック廃棄物は、焼却すると1400℃以上の高温の燃焼温度になるため、焼却処理には適せず、破砕して燃料やプラスチック原料として再利用されることが多かった。しかし、近年になって、炭素化合物であるプラスチック廃棄物を乾留し、この乾留により生成するガスから可燃分を凝縮させ、燃料やプラスチックの原料として再利用することが提案されている。
【0004】
このように、一般可燃ごみ廃棄物とプラスチック廃棄物の処理方法において、乾留によるガス化という共通のステップがあるにも拘わらず、これらの処理としてはそれぞれ一般可燃ごみ廃棄物専用の廃棄物処理装置とプラスチック廃棄物専用の廃棄物処理装置とが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら2種類の廃棄物処理装置を設けるためには、広い用地が必要になり、また、設備費用も高くつくという問題がある。
【0006】
本発明は、この従来技術の課題を解決し、一般可燃ごみ廃棄物の処理とプラスチック廃棄物の処理とを切替えて行える廃棄物処理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係る廃棄物処理装置は、廃棄物を乾留する乾留炉と、乾留炉から排出される乾留ガスを燃焼させる燃焼炉と、プラスチック廃棄物の乾留ガスに含まれた可燃分を凝縮させる油化装置と、乾留炉より乾留ガスを燃焼炉と油化装置とに選択的に導く分岐ダクトとを備え、一般可燃ごみ廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで燃焼炉に接続し、プラスチック廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで油化装置に接続する、という技術的手段を採用する。
【0008】
これによれば、分岐ダクトで乾留炉の接続先を切替えることにより、一般可燃ごみ廃棄物の処理時には分岐ダクトで乾留炉を燃焼炉に接続して、乾留炉より排出する乾留ガスを燃焼炉で燃焼させることができ、プラスチック廃棄物の処理時には乾留炉を油化装置に接続して、乾留炉より排出する乾留ガスを油化装置に導き、乾留ガスから可燃分を凝縮させて回収できる。
【0009】
本発明においては、乾留炉に燃焼炉を接続して一般可燃ごみ廃棄物を処理するか、乾留炉に油化装置を接続してプラスチック廃棄物を処理するかはオペレータが決定すればよいが、乾留により処理物が乾留炉内で発生するガスの特定成分の有無を監視し、特定成分の検出時には乾留炉を油化装置に接続し、非検出時には乾留炉を燃焼炉に接続するように、乾留炉の接続先を自動的に切替えるように構成することも可能である。
【0010】
本発明においては、乾留炉の接続先を切替えるため、例えば分岐ダクトの分岐点に切替え弁が設けられる。もっとも分岐ダクトに代えて、乾留炉を燃焼炉に接続するダクトと、乾留炉を油化装置に接続するダクトとの2本のダクトを設けるとともに、それぞれのダクトを個別に開閉する開閉弁を設け、一方の開閉弁を開弁すると他方の開閉弁が閉弁されるようにこれらの開閉弁を操作してもよい。
【0011】
ところで、本発明において、乾留炉を油化装置に接続している時に乾留ガスの濃度(特に乾留ガスに含まれた可燃分の濃度)は処理するプラスチックの種類や処理条件により異なってくる。又、処理開始後の時間の経過によっても乾留ガスの濃度は異なっている。
【0012】
油化装置の処理能力を一定に設定するとすれば、乾留ガスの最大濃度に対応できるようにしなければならないが、この場合には乾留ガスの濃度が小さい時には油化装置の処理能力が過大になり、可燃分を回収する効率が低下する。
【0013】
そこで、本発明においては、乾留ガスの濃度に対応して、油化装置の処理能力を切替えることが推奨される。
【0014】
具体的には、分岐ダクトの乾留ガス濃度を監視するガス検知器を設けるとともに、油化装置に複数のコンデンサー(凝縮器)を設け、分岐ダクトに設けたガス検知器が検出するガス量(乾留ガスの濃度)の大小によりコンデンサーの使用数を切替えられるようにすることが好ましい。
【0015】
たとえば、3基のコンデンサーが設けられる場合には、乾留ガスの濃度が大きい時には3基のコンデンサーを並列的に又は段階的に使用し、中くらいの時には2基のコンデンサーを並列的に又は段階的に使用し、小さい時には1基の油化装置を使用するように使用数を切替えることが好ましいのである。
【0016】
本発明の油化装置で凝縮させた可燃分は廃油として投棄してもよいが、燃料やプラスチックの原料として再利用することができる。そこで、本発明の油化装置には凝縮させた可燃分を一時的に貯留する凝縮油槽を設けることが推奨される。
【0017】
もちろん、油化装置で凝縮させた可燃分は乾留炉や燃焼炉の燃料として用いることが可能であるから、本発明のランニングコストを節約するために、本発明においては、油化装置より乾留炉及び/又は燃焼炉に可燃分を燃料として供給する油化回路を設けることが推奨される。
【0018】
ところで、本発明において、油化装置で可燃分を分離したガスは、引火する危険がある。そこで、本発明においては、油化装置で分離されたガス分を乾留炉及び/又は燃焼炉に導くガス回路を備え、このガス分を燃焼させた後、大気中に放出することが推奨される。
【0019】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の一実施例に係る廃棄物処理装置を図面に基づいて具体的に説明する。
【0020】
図1の構成図に示すように、この廃棄物処理装置は、処理物を乾留する乾留炉1と、乾留炉1から排出される乾留ガスを燃焼させる燃焼炉2と、乾留ガスを油分とガス分とに分離させる油化装置3と、乾留炉1より乾留ガスを燃焼炉2と油化装置3とに選択的に導く分岐ダクト4とを備える。
【0021】
また、この廃棄物処理装置は、燃焼炉2から排出される排ガスの熱を利用する温水ボイラ5と、排ガスを冷却する冷却塔6と、排ガス中の粉塵を除去する集塵装置7と、排ガスを流動させる排ガスファン8と、排ガスを大気中に放出する煙突9とを備えている。
【0022】
図2の縦断面図に示すように、廃棄物は、一般可燃ごみ廃棄物又はプラスチック廃棄物であり、乾留炉1の横側からスキップリフト11で乾留炉1の上部に設けた投入口12の上側に運び揚げられ、この投入口12より乾留炉1内に投下される。
【0023】
なお、この投入口12には、投入口12の上端開口を開閉する上蓋13と、投入口12の中間高さを開閉するシャッター14とが設けられ、たとえばシャッター14を閉じた状態で上蓋13を開けて所定量のプラスチック廃材を投入口12に投下した後、上蓋13を閉じてからシャッター14を開いて廃棄物を乾留炉1内に落下させるようにしている。
【0024】
さて、前記乾留炉1の炉底15は耐火物からなり、炉側壁16及び天井17は冷却水が流通するウォータージャケットで構成され、これら炉側壁16、天井17、火格子18、これを支持する炉内壁19及び前記シャッター14に冷却水を流通させるようにしている。
【0025】
なお、この冷却水のうち、乾留炉1の炉側壁16及び天井17に供給されるものは、給水タンク38から給水ポンプ39で送り出されて、炉側壁16の上部に導入され、加熱されて蒸発すると天井17に連通させた気水分離器40を経て大気中に放散される。
【0026】
給水ポンプ39から送り出される冷却水の一部分は冷却水を空冷するクーリングタワー36に供給され、このクーリングタワー36より冷却水循環ポンプ37を経て火格子18内に形成した水路、炉内壁19内に形成した水路、シャッター14に分流して供給され、これら火格子18、炉内壁19、シャッター14を冷却した後、集合させてクーリングタワー36に還流させる。
【0027】
ところで、前記投入口12より乾留炉1内に投下された廃棄物は、火格子18に受止められ、火格子18の下方から乾留炉1内に火炎を噴出す一次バーナー20により乾留炉1内を加熱することにより乾留される。
【0028】
なお、この一次バーナー20には、油タンク51より、燃料ポンプ52、調圧器53、流量検知器54を介して燃料、すなわち、油が供給され、一次ファン21より燃焼用空気が供給される。
【0029】
乾留炉1内で廃棄物を数百度、たとえば300〜600℃に加熱すると、炭素化合物である一般可燃ごみ廃棄物又はプラスチック廃棄物が、ダイオキシンを発生することなく乾留されて、揮発する部分と揮発しない炭素質とに熱分解され、揮発せずに残る炭素質が火格子18の間から炉底15上に落下する。
【0030】
さて、炉底15に落下した炭素質の部分は、回転式の灰出しレーキ56で灰出口22に掻き出され、この灰出口22を開閉する灰出しゲート23を開くことにより、灰出口22の下方に出し入れされる灰出箱24に投下される。
【0031】
また、乾留により揮発した部分は乾留ガスとして分岐ダクト4により燃焼炉2または油化装置3に導かれる。
【0032】
この分岐ダクト4は耐火物で形成され、図1に示すように、その分岐点には、モータM1により駆動される切替え弁25が設けられ、図示しない切替えスイッチをオペレータが手動操作してこの切替え弁25の位置を切替え、乾留ガスの排出先を燃焼炉2または油化装置3に切替えるようにしている。
【0033】
すなわち、一般可燃ごみ廃棄物を処理する場合には、乾留ガスがB側に流れて燃焼炉2に導かれるように、又、プラスチック廃棄物を処理する場合には、乾留ガスがA側に流れて油化装置3に導かれるように切替え弁25の位置が切替えられる。
【0034】
排ガスの流れを示す図3のフロー図に示すように、この廃棄物処理装置の運転が開始されると、先ずモータM1が故障しているか否かがチェックされ(S1)、故障がないことが確認されるとオペレータが与える指示に基づいて油化装置3を使用するか否かが確認される(S2)。
【0035】
使用しない場合、即ち、一般可燃ごみ廃棄物処理の場合には、乾留ガスがB側に流れて燃焼炉2に導かれるように切替え弁25が切替えられ(S3)、乾留ガスは分岐点からB側に流れて燃焼炉2に向かい、使用する場合、即ち、プラスチック廃棄物処理の場合には、乾留ガスがA側に流れて油化装置3に導かれるように切替え弁25が切替えられ(S4)、乾留ガスは分岐点からA側に流れて油化装置3に導かれる。
【0036】
なお、前記分岐ダクト4と切替え弁25とに代えて、図4の構成図に示すように、乾留炉1に燃焼炉2を接続するダクト4B、及び乾留炉1に油化装置3を接続するダクト4Aと、各ダクト4A、4Bに当該ダクトの入口(乾留炉1に開口する口)、または出口(燃焼炉2または油化装置3に開口する口)、もしくはその中間を個別に開閉する一対の弁(たとえば電動弁)25A、25Bを設けてもよい。この場合、油化装置3を使用するときには油化装置3側の弁25Aを開くとともに燃焼炉2側の弁25Bを閉じ、油化装置3を使用しないときには油化装置3側の弁25Aを閉じるとともに燃焼炉2側の弁25Bを開く。
【0037】
また、分岐ダクト4の分岐点よりも乾留炉1側部分あるいは乾留炉1内にガス検知器を設け、このガス検知器が検出する乾留ガスに含まれる特定のガス成分の濃度によって前記切替え弁25を自動的に位置切替えさせてもよい。
【0038】
ところで、図6の構成図に示すように、このプラスチック廃材処理装置の油化装置3には、直列に接続される3段のコンデンサー30が設けられ、前記ガス検知器26が検出する乾留ガスの濃度の大小により使用するコンデンサー30の段数が切替えられるようにしている。
【0039】
ここで、各段のコンデンサー30は同様に構成され、縦軸筒状のタンクA、タンクB、タンクCと、各タンクA、タンクB、タンクCの下端に連続する漏斗状の各集油槽31と、各集油槽31内の油面が所定の高さ以上に達した時にオンになる各油面リレー32と、各集油槽31の下端に接続した各排出路33と、各排出路33を個別に開閉する電動弁EVA、EVB、EVCとを備えている。
【0040】
各コンデンサー30のタンクA、タンクB、タンクCの周壁内には前記クーリングタワー36より冷却水が供給され、その内部に導入された乾留ガスを冷却して、乾留ガス中の可燃分を凝縮させて得た油分を集油槽31内に貯留する。
【0041】
なお、冷却水は、冷却水を空冷するクーリングタワー36より第3段のタンクAの下部に導入され、タンクAの上部からタンクBの上部に移し、また、タンクBの下部からタンクCの下部に移し、タンクCの上部から前記クーリングタワー36に還流させている。換言すると、油化装置3内では、コンデンサー30を三段使用している時の乾留ガスの流れと逆方向に流れさせている。
【0042】
さて、図1、図2に示すように、分岐ダクト4の分岐点よりも上流側の部分にはガス検出器26が設けられ、このガス検出器26が検出する乾留ガスの濃度により油化装置3で使用するコンデンサー30の段数が切替えられる。
【0043】
この段数の切替えのために、図6に示すように、前記分岐ダクト4の分岐点と油化装置3との間には分岐ダクト4を開閉する電動弁MHが設けられ、また、分岐ダクト4の分岐点とこの電動弁MHとの間に、必要に応じて、段数切替え用のマニホールド34が接続される。
【0044】
このマニホールド34には、幹管部34aを開閉する電動弁MNと、各段のタンクA、タンクB、タンクCに連通する各枝管部34b、34c、34dを個別に開閉する各電動弁MB、MC、MDとが設けられる。また、このマニホールド34の幹管部34aは電動弁MAを介して燃焼炉2に連通するガス回路35に接続させてあるが、通常は、この電動弁MAを閉じることにより燃焼炉2から遮断されている。
【0045】
更に、前記分岐ダクト4の油化装置3側端末は第1段のタンクCの上部に連通させ、第1段のタンクCの下部と第2段のタンクBの下部とを電動弁MFを介して連通させ、第2段のタンクBの上部と第3段のタンクAの上部とを電動弁MEを介して連通させてある。そして、この第3段のタンクAの下部も電動弁MGを介して前記ガス回路35に連通されている。
【0046】
図3に示すように、ガス検知器26が検出する乾留ガスの濃度を判定し(S5)、ガス濃度が特に大きい非常時には、乾留ガスをマニホールド34側から電動弁MN、MDを経て第1段のタンクCに導入し、このタンクCから電動弁MFを経て第2段のタンクBに流し、更にタンクBから電動弁MEを経て第3段のタンクAに流す(D側3段、S6)。
【0047】
すなわち、分岐ダクト4を開閉する電動弁MHを閉弁させ、マニホールド34の電動弁MNを開いて、乾留ガスをマニホールド34側(D側)に導入する。そして、マニホールド34の各枝管部に設けた各電動弁MB、MC、MDのうち電動弁MDのみを開き、ガス回路35の電動弁MAを閉じて、第1段のコンデンサー30のタンクCに乾留ガスを導入する。また、第1段のコンデンサー30のタンクCと第2段のコンデンサー8のタンクBとを連通させる電動弁MF、及び第2段のタンクBと第3段のタンクAとを連通させる電動弁MEを開弁して、乾留ガスが第1段、第2段、第3段の順に各コンデンサー30を流れるようにする。
【0048】
前記濃度が大きい場合には、電動弁MHを開き、電動弁MN、MA、MB、MC、MDを閉じて、乾留ガスを分岐ダクト4側(C側)から第1段のタンクCに導き、第1段、第2段、第3段の順に各コンデンサー30に流す(C側3段、S7)。
【0049】
前記濃度が中程度の場合には、分岐ダクト4の電動弁MHを閉じ、マニホールド34の電動弁MNを開いて乾留ガスをマニホールド34側(D側)に導入し、電動弁MC、MEを開き、他の電動弁MA、MB、MD、MFを閉じることにより、乾留ガスを第2段のタンクB、第3段のタンクAに順に流す(D側2段、S8)。
【0050】
前記濃度が小さい場合には、分岐ダクト4の電動弁MHを閉じ、マニホールド34の電動弁MNを開いて乾留ガスをマニホールド34側(D側)に導入し、電動弁MBを開き、他の電動弁MA、MC、MD、ME、MFを閉じることにより、乾留ガスを第3段のタンクAのみに流す(D側1段、S9)。
【0051】
オペレータは、タンクA内の乾留ガスを目視観察して、その良否を判定し(S10)、良好な場合には電動弁MGを開いてタンクAをガス回路35経由で燃焼炉2に連通させ(S11)、タンクAより排出されるガス分を燃焼炉2で燃焼させる。
【0052】
タンクAの乾留ガスの状態が不良である場合には、電動弁MGを閉じて乾留ガスの燃焼炉2への供給を停止する(S12)。
【0053】
ところで、図5の縦断面図に示すように、前記燃焼炉2は、分岐ダクト4の燃焼炉2側端末が開口する炉室27と、この炉室27に火炎を噴出する二次バーナ28と、二次バーナ28の燃料を完全燃焼させるために炉室27内に空気を供給する二次ファン29と、燃焼炉2の排ガス温度を監視するための別の温度検知器TICAR1を備えている。
【0054】
また、燃焼炉2の排ガスは、電動弁MKを介して乾留炉1に還流できるようにしてある。そして、図3に示すように、この温度センサTICAR1によって燃焼炉1の排ガス温度を監視し(S13)、たとえば800℃以上の高温が2秒以上連続する高温の場合には、前記電動弁MKを開いて(S14)、燃焼炉2の排ガスの一部分を乾留炉1に還流させ、煙突9からの排ガス温度が一定値を上回らないようにしている。これによって、上記乾留炉1への還流排ガスはバーナ20の燃焼補助となり、また,所定の温度以上ではバ−ナ20がなくても燃焼を持続することができる。また、油化装置を使用する際の初期に、上記弁25を燃焼炉2側に切り替えておき、乾留炉1が油化に必要な温度になるまでの間この焼却炉2の排ガスを乾留炉1に還流させて、当該焼却炉2から上記乾留炉1に還流するガスを利用して、プラスチック廃棄物を予熱することができるようになっている。もちろんこの場合油化装置が油を回収できる温度になると,上記弁23を油化装置側に切り替えることになる。
【0055】
また、燃焼炉2の炉内温度が一定時間以上連続して所定の温度以上にならない低温の場合には、前記電動弁MKを閉じ(S15)、排ガスの全量を煙突9から大気中に排気させる。
【0056】
なお、前記二次バーナ28には、前記油タンク51より燃料ポンプ52、調圧器53及び流量検知器54を経て燃料が供給されるとともに、前記コンプレッサー50から燃焼用空気が供給される。
【0057】
ところで、乾留ガスが流れる各コンデンサー30内では、乾留ガスが冷却されることにより可燃分が凝縮し、これによりガス分と分離された油分が集油槽31に貯留される。そして、図7の操作フロー図に示すように、油面リレー32により各集油槽31内の油面が所定の高さ以上に達したか否かを監視し(S21、S22、S23)、油面リレー32がオフになる減の時には対応する電動弁EVA、EVB、EVCを閉じて集油槽31に油分を蓄積させ(S24、S26、S28)、対応する油面リレー32がオンになる満の時には、対応する電動弁EVA、EVB、EVCを所定の時間、たとえばT秒間にわたって開き、対応する集油槽31の油分を排出路33から図6の凝縮油槽41に移す(S25、S27、S29)。
【0058】
図6に示すように、凝縮油槽41は、その内部に油面検知器42を備え、油回路43を介して乾留炉1の一次バーナー20と燃焼炉2に設けた廃油バーナー44に接続されている。
【0059】
この油回路43には、油化回収タンク45と、凝縮油槽41から油化回収タンク45に油分を圧送する油ポンプ46と、油化回収タンク45から一次バーナー20及び廃油バーナー44に油分を圧送する別の油ポンプ47と、油化回収タンク45内の油面が所定の高さ以上に達したことを検出する油面リレー48と、油ポンプ47が吐出する油分を外部に取出す油取出路49と、この油取出路49を開閉する電動弁MPと、廃油バーナー44への油分の供給をオン・オフさせる電動弁MQと、一次バーナー20への油分の供給をオン・オフさせる電動弁MRとが設けられる。
【0060】
油分の流を示す図7のフロー図に示すように、凝縮油槽41内の油面が所定の高さを上回るか否かを凝縮油槽41内の油面検知器42で監視し(図6、S30)、この油面検知器42がオフになる減のときには、一旦、各電動弁EVA、EVB、EVCを閉じて(S31)、凝縮油槽41内に油分が所定量以上貯まるのを待ち、この油面検知器42がオンになる満のときには前記油化回収タンク45の油面リレー48により、油化回収タンク45内の油面が所定の高さ以上に到達しているか否かを判定し(S32)、この油面リレー48がオンになる満のときには、油ポンプ46を停止させて(S33)、凝縮油槽41から油化回収タンク45への油分の供給は停止する。
【0061】
油化回収タンク45内の油面リレー48がオフになる減のときには油ポンプ46を作動させて凝縮油槽41より油化回収タンク45に油分を送り込む(S34)。
【0062】
更に、オペレータによって油取出しの指令が出されているか否かを確認し(S35)、油取出しの指令が出されている場合には、油ポンプ47を作動させるとともに電動弁MPを開いて(S36)、外部へ油を取出し(S37)、油取出しの指令が出されていない場合には、油ポンプ46を停止させ、電動弁MPを閉弁する(S38)。
【0063】
ところで、図5に示すように、燃焼炉2には、二次ファン29のほかに、二次バーナ28よび廃油バーナー44に燃焼用空気を供給するコンプレッサー50が設けられている。
【0064】
廃油バーナー44で油化回収タンク45の油分を燃焼処理するためには、このコンプレッサー50が運転中であることが必要であるので、図7に示すように、このコンプレッサー50が運転中であるか停止中であるかを監視し(S39)、運転中の場合には、油ポンプ47を運転するとともに電動弁MQを開いて(S40)、油化回収タンク45より油分を廃油バーナー44に供給して燃焼炉2内で燃焼させ(S41)、停止中の場合には油ポンプ47を停止するとともに、電動弁MQを閉じる(S42)。
【0065】
また、オペレータが油化回収タンク43に回収された油分を一次バーナー20の燃料として再利用することを指示しているか否かを監視し(S43)、再使用する場合には油ポンプ47を運転するとともに、電動弁MRを開いて(S44)、回収された油を一次バーナー20の燃料として利用し、油タンク51から供給する燃料を節約する(S45)。再利用の指示がない場合には電動弁MRは閉じ、油ポンプ47を停止する(S46)。
【0066】
ここで、外部への油の取出しと、回収した油分を廃油バーナー44で燃焼させることと、回収した油分を一次バーナー20の燃料として再利用することとは、択一的に行ってもよく、また、競合させてもよい。
【0067】
たとえば、回収された油を外部に取出しながら、廃油バーナー44または一次バーナー20で燃焼させたり、回収された油を外部に取出しながら、廃油バーナー44及び一次バーナー20で燃焼させたり、回収された油を外部に取出さずに、廃油バーナー44または一次バーナー20で燃焼させたり、回収された油を外部に取出さずに、廃油バーナー44及び一次バーナー20で燃焼させたりすることができるのである。
【0068】
なお、前記廃油バーナー44には、廃油バーナー44に油化装置3から油回路43を経て油分が供給されないときにも前記コンプレッサー50より燃焼用空気が供給されている。
【0069】
なお、乾留ガスの良否はたとえば乾留ガスの色を観察して判定され、たとえば乾留ガスの色が黒っぽい場合には不良であり、逆に白っぽい場合には良好と判定される。
【0070】
また、切替え弁25を駆動するモータM1が故障の場合には、切替え弁25がA側、すなわち、油化装置3側に位置するかが確認され(S51)、油化装置3側のときには、先ず、乾留ガスの濃度が非常に濃い非常時と同様に、乾留ガスをマニホールド34側から第1段のタンクC、第2段のタンクB、第3段のタンクAに順に流す(D側3段、S52)。
【0071】
すなわち、分岐ダクト4を開閉する電動弁MHを閉弁させ、マニホールド34の電動弁MNを開いて、乾留ガスをマニホールド34側(D側)に導入する。
【0072】
そして、マニホールド34の各枝管部に設けた各電動弁MB、MC、MDのうち電動弁MDのみを開き、ガス回路35の電動弁MAを閉じて、第1段のコンデンサー30のタンクCに乾留ガスを導入する。また、第1段のコンデンサー30のタンクCと第2段のコンデンサー8のタンクBとを連通させる電動弁MF、及び第2段のタンクBと第3段のタンクAとを連通させる電動弁MEを開弁して、乾留ガスが第1段、第2段、第3段の順に各コンデンサー30を流れるようにする。
【0073】
更に、乾留ガスの良否を判定し(S53)、不良の場合には電動弁MAを閉じたままにし(S54)、良好の場合には電動弁MAを開いて(S55)、乾留ガスがマニホールド34及びガス回路34を通って燃焼炉2内に流れ、燃焼炉2で燃焼処理されるようにしている。
【0074】
上述したように、燃焼炉2の炉内温度は800℃以上に保持されるように制御されているが、燃焼炉2の排ガスを温水ボイラー5の熱源に利用することにより、排ガス温度が、たとえば200℃以下に冷やされる。
【0075】
更に、この実施例では、図5に示すように、集塵装置7に流入する排ガス温度を監視する温度検知器TICAR2と、集塵装置7を迂回する高温煙道55とこの高温煙道55を開閉する電動弁MOが設けられ、図3に示すように、この温度検知器TICAR2でこの排ガス温度を監視し(S16)、この排ガス温度が集塵装置7の耐熱性能を上回る、たとえば240℃以上を、T秒以上連続して検出する高温のときには、電動弁MOを開いて(S17)、排ガスの一部が集塵装置7を迂回して流れ、集塵装置7の熱負荷が過剰にならないようにしている。
【0076】
なお、排ガス温度が集塵装置7の耐熱性能を下回る低温であるときには電動弁MOは閉弁し(S18)、全排ガスが集塵装置7を通って排ガス中の煤塵が除去されるようにしている。
【0077】
なお、図6に示すように、前記第1段のコンデンサー30のタンクCには、乾留ガスが発火したときにタンクC内に窒素ガスを噴射する鎮火用窒素ガス回路57が接続されている
このようにして、このプラスチック廃材処理装置によれば、オペレータの判断に従って油化装置3を使用するか、否かが決定され、この決定に従って乾留炉1内で生成した乾留ガスを燃焼炉2に導いて、乾留ガス化燃焼法によりプラスチック廃材を処理したり、乾留ガスを油化装置3に導いて油化法によりプラスチック廃材を処理したりすることができる。
【0078】
そして、乾留炉1を乾留ガス化燃焼法における乾留処理と油化法における乾留処理とに併用することにより、各法専用の2基の乾留炉を設置する場合に比べて、乾留炉1の設置用地を狭くすることができるとともに、装置全体として安価にできるのである。
【0079】
また、燃焼炉2が油化法により分離回収される油分とガス分とを燃焼処理するための燃焼炉と、乾留ガス化燃焼法で乾留ガスを燃焼させる燃焼炉とに併用されるので、各法専用の燃焼炉を設置する場合に比べて、燃焼炉2の設置用地を狭くすることができるとともに、装置全体として安価にできるのである。
【0080】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を乾留する乾留炉と、乾留炉から排出される乾留ガスを燃焼させる燃焼炉と、プラスチック廃棄物の乾留ガスに含まれた可燃分を凝縮させる油化装置と、乾留炉より乾留ガスを燃焼炉と油化装置とに選択的に導く分岐ダクトとを備え、一般可燃ごみ廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで燃焼炉に接続し、プラスチック廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで油化装置に接続するので、本発明によれば、一般可燃ごみ廃棄物を乾留炉で乾留し、乾留炉で生成された乾留ガスを燃焼炉に導いて燃焼炉で燃焼させるという一般可燃ごみ廃棄物のガス化燃焼処理法と、プラスチック廃棄物を乾留し、その乾留ガス中の可燃分を凝縮させて回収する油化法とを切替えて行うことができる、という効果が得られる。
【0081】
従って、一般可燃ごみ廃棄物専用の廃棄物処理装置とプラスチック廃棄物処理装置専用の廃棄物処理装置との2基の廃棄物処理装置を設置する場合に比べて、設置用地を狭くすることができるとともに、装置全体として安価にできる等の効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】本発明の乾留炉の縦断面図である
【図3】本発明の乾留ガスの流れを示すフロー図である。
【図4】本発明の構成図である。
【図5】本発明の燃焼炉の縦断面図である。
【図6】本発明の油化装置の構成図である。
【図7】本発明の可燃分の流を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 乾留炉
2 燃焼炉
3 油化装置
4 分岐ダクト
35 ガス回路
43 油化回路
Claims (5)
- 廃棄物を乾留する乾留炉と、乾留炉から排出される乾留ガスを燃焼させる燃焼炉と、プラスチック廃棄物の乾留ガスに含まれた可燃分を凝縮させる油化装置と、乾留炉より乾留ガスを燃焼炉と油化装置とに選択的に導く分岐ダクトとを備え、
一般可燃ごみ廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで燃焼炉に接続し、プラスチック廃棄物の処理時には乾留炉を分岐ダクトで油化装置に接続することを特徴とする廃棄物処理装置。 - 前記油化装置で回収した可燃分を乾留炉および/又は燃焼炉に燃料として供給する油化回路を備える請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- 上記燃焼炉から排ガスを乾留炉に導入して燃焼補助に利用する構成とした請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- プラスチック廃棄物の処理時に、装置を使用する際の初期に燃焼炉側に乾留ガスを導入して燃焼させるとともに、該燃焼炉の排ガスを乾留炉に戻してプラスチック廃棄物の予熱に利用する請求項3に記載の廃棄物処理装置。
- プラスチック廃棄物の処理時に前記油化装置で可燃分を分離した後の残留ガス分を燃焼炉に導くガス回路を備えた請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置。
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