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JP4421372B2 - 汚水処理装置 - Google Patents
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JP4421372B2 - 汚水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、活性汚泥法を利用した汚水処理装置に関する。
現在、多くの下水処理設備においては、活性汚泥法によって汚水の浄化が行われている。これは、活性汚泥法は微生物の代謝作用を利用するため、処理効率が高く、経済的であるからである。ここで、活性汚泥法について以下に説明する。
先ず、汚水は、生物処理槽(曝気槽)へと連続的に供給され、そこで好気性微生物の集団と接触する。これにより、汚水の基質(BOD成分)は、好気性微生物の集団によって酸化分解される。この好気性微生物の集団は、一般に「活性汚泥」と呼ばれる。生物処理槽で処理された汚水は、微生物集団と共に沈殿槽に流入する。
沈殿槽では、微生物集団は互いにくっつき合ってフロックとなり、沈降する。一方、上澄み(分離液)は溢流する。沈殿槽に沈降した微生物集団、即ち、汚泥はポンプによって再び生物処理槽に返送され(返送汚泥)、再び基質の酸化分解を行う。
但し、微生物は増殖するため、汚泥を全て返送すると、生物処理槽で酸素不足となったり、沈殿槽で固液分離が困難になったりする。このため、増殖した分は、余剰汚泥として系外に取り出され、脱水、焼却等の処理が行われる。最終的には、余剰汚泥は埋め立て処分される。
ところが、近年において、下水処理設備は増加しており、これに伴い余剰汚泥の発生量も着実に増加している。このため、埋め立て用の最終処分地の確保が年々困難となっている。また、各自治体においては、余剰汚泥の運搬や処理にかかる費用が増大している。このような状況から、余剰汚泥の削減方法については種々の研究がなされている。
余剰汚泥を削減するための手段としては、例えば、活性汚泥法の処理プロセスに、再基質化プロセスを追加することが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。再基質化プロセスは、沈殿槽に沈殿した汚泥(濃縮汚泥)の一部を再び生物分解可能な基質に変換(再基質化)するプロセスである。図6は、再基質化プロセスが追加された活性汚泥法の概略を示す図である。
図6に示すように、生物処理槽51で発生した汚泥は、沈殿槽53に送られ、そこで沈降・濃縮される。沈殿槽53に沈降した汚泥のうち、一部は返送汚泥としてそのまま生物処理槽51に送られ、別の一部は再基質化装置52に送られる。
再基質化装置52は、物理的、化学的又は生物学的方法によって、汚泥中の微生物の殺傷、細胞壁の破壊、可溶化・低分子化等を行う。これにより、汚泥中の微生物は死滅し、汚泥は再基質化される。また、この再基質化された汚泥(以下、「再基質化汚泥」という。)は、再度、生物処理槽51に送られ、微生物集団によって酸化分解される。この結果、余剰汚泥の削減が図られる。
再基質化の具体的な方法としては、オゾン酸化法、好熱細菌法、ビーズミル法、水熱処理法、超音波法、高速回転ディスク法、ウォータージェット法、電解法、高圧処理法、酸・アルカリ処理法、マイクロ波法等が知られている。このうち、非特許文献1においては、水熱処理法を利用した方法が開示されている。
また、非特許文献1においては、水熱処理法による再基質化プロセスを導入した場合における汚泥削減のメカニズムを理論化する試みがなされている。また、この理論に基づいて構築されたモデルのシミュレーション解析を行い、これによって、再基質化量等の操作条件を決定している。
更に、非特許文献1においては、シミュレーション解析から得られた値と実測値とを比較することで、シミュレーション解析の正確性の実証も行っている。このことから、活性汚泥法を実施する既存の汚水処理装置に再基質化装置を組み込み、非特許文献1に開示された操作条件で汚水処理装置を稼動すれば汚泥を削減できると考えられる。
奥田友章著 「水熱反応による余剰汚泥削減型活性汚泥法の開発に関する研究」、大阪工業大学大学院工学研究科博士課程学位論文、2002年12月
しかしながら、再基質化装置を組み込んだ汚水処理装置においては、再基質化プロセスを実行する必要があるため、再基質化装置が組み込まれていない汚水処理装置に比べて、管理者の負担が増加してしまう。このため、余剰汚泥の処分にかかるコストを低減できても、管理者の増員等による運用コストの上昇を招来してしまう。
また、非特許文献1に開示された操作条件は、あくまで余剰汚泥を削減するための条件であり、汚水処理装置の省力化に貢献するものではない。更に、非特許文献1においては、余剰汚泥が全く発生しないことを前提にしてモデルを構築し、それに基づいて解析シミュレーションを行っている。このため、実際に汚水処理装置を長時間稼動した場合は、解析結果と実際の状況とが乖離する可能性がある。
本発明の目的は、余剰汚泥の発生を考慮した再基質化処理を行うことができ、且つ、運用コスト上昇の抑制を図り得る汚水処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明における汚水処理装置は活性汚泥法による汚水の浄化処理を行う汚水処理装置であって、生物処理槽と、前記生物処理槽で処理された汚水を濃縮汚泥と分離液とに分離させる固液分離手段と、前記濃縮汚泥に対して再基質化処理を行う再基質化手段と、前記濃縮汚泥を前記再基質化手段へと送るための第1の再基質化ラインと、前記再基質化処理によって生じた再基質化汚泥を前記生物処理槽へと送るための第2の再基質化ラインと、前記濃縮汚泥を前記生物処理槽へと返送するための返送ラインと、前記濃縮汚泥を余剰汚泥として外部へと排出するための排出ラインと、制御手段と、前記制御手段の指示に応じて、前記第1の再基質化ラインによる前記濃縮汚泥の前記再基質化手段への導入及び前記排出ラインによる前記余剰汚泥の外部への排出のうちいずれかに切替えるライン切替手段とを少なくとも有し、前記制御手段は、前記ライン切替手段によって前記排出ラインによる外部への排出を停止した状態で、前記生物処理槽中の非活性汚泥の濃度Xd1と、前記生物処理槽及び前記分離液中の流入基質の濃度Sdと、前記生物処理槽及び前記分離液中の再基質の可溶化成分濃度Seとから、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrと、前記Qrを達成した場合に排出が必要な前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeとを算出し、算出した前記Qr及び前記Qeが満たされるように前記ライン切替手段に切替えを行わせることを特徴とする。
以上のように本発明における汚水処理装置によれば、制御手段によって、生物処理槽に供給できる再基質化汚泥の一日あたりの量が算出される。また、生物処理槽に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量の算出は、余剰汚泥の発生を考慮して行われている。更に、制御手段は、算出した再基質化汚泥の一日あたりの量を達成するために排出が必要となる余剰汚泥の一日あたりの量も算出する。このため、余剰汚泥の発生を考慮した再基質化処理を行うことができ、実際の状況と算出結果との乖離は抑制される。また、このように、算出を制御手段によって行うことができるため、算出分の再基質化汚泥の生物処理槽への供給や、算出分の余剰汚泥の排出を容易に自動化できるため、運用コスト上昇の抑制を図ることもできる。
上記本発明における汚水処理装置においては、前記生物処理槽における汚水の流入側に、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水の基質濃度Saと、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水の一日あたりの量Qaとを測定する第1の測定手段が設けられ、前記第2の再基質化ラインに、前記再基質化汚泥中の汚泥濃度X4、及び再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Scを測定する第2の測定手段が設けられ、前記生物処理槽に、前記生物処理槽中の活性汚泥の濃度Xa1と前記生物処理槽中の非活性汚泥の濃度Xd1との和である前記生物処理槽中の汚泥濃度X1を測定する第3の測定手段が設けられ、前記固液分離手段の前記分離液の排出側に、前記分離液中の汚泥濃度X2、及び前記Sdと前記Seとの和である前記生物処理槽及び前記分離液中の基質濃度Sを測定する第4の測定手段が設けられ、前記固液分離手段の前記濃縮汚泥の排出側に、前記濃縮汚泥中の汚泥濃度X3を測定する第5の測定手段が設けられ、前記制御手段が記憶部を有し、前記記憶部には、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の汚泥転換率a1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の汚泥転換率a2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の汚泥転換率a3、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の分解速度k1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の分解速度k2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の分解速度k3、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の飽和定数Ks1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の飽和定数Ks2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の飽和定数Ks3、活性汚泥の自己酸化率b、前記生物処理槽中の汚水の体積V1、前記Seと前記Sとの比(Se/S)、前記Xa1と前記X1との比(Xa1/X1)が格納されており、前記制御手段が、前記第1の測定手段から前記第5の測定手段によって測定された値と、前記記憶部に記憶された値とを、下記式(1)〜(8)に代入することによって、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrと、前記Qrを達成した場合に排出が必要な前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeとを算出する態様とするのが好ましい。この態様によれば、適切なQr及びQeを簡単に算出することができる。
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また、上記本発明の汚水処理装置においては、前記制御手段が検出部を有し、前記第1の測定手段、前記第2の測定手段、前記第3の測定手段、前記第4の測定手段、及び前記第5の測定手段のうち少なくとも一つが、それぞれの測定値に応じた信号を前記検出部に出力し、前記検出部が前記信号から前記測定値を検出する態様とするのが好ましい。この場合、制御手段によって自動的に係数を検出できる。
更に、前記再基質化手段は、超音波処理装置または水熱処理装置であるのが好ましい。この場合、再基質化処理の確実性を高めることができる。
また、上記本発明の汚水処理装置においては、前記第1の再基質化ラインに、前記第1の再基質化ラインによって前記再基質化手段に導入される前記濃縮汚泥の一日当たりの量を測定する第1の流量計が設けられ、前記排出ラインに、前記排出ラインから排出される前記余剰汚泥の一日当たりの量を測定する第2の流量計が設けられており、前記制御手段は、前記第1の流量計で測定された値が、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrに到達したかどうかを判定し、到達した場合に、前記ライン切替手段に、前記第1の再基質化ラインによる前記濃縮汚泥の導入を停止させ、更に、前記第2の流量計で測定された値が、前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeに到達したかどうかを判定し、到達した場合に、前記ライン切替手段に、前記排出ラインによる前記余剰汚泥の排出を停止させる態様とするのが好ましい。この態様によれば、再基質化手段に自動的に必要量の濃縮汚泥を供給できる。また、自動的に、必要量の余剰汚泥を排出できる。
以下、本発明の汚水処理装置の一例について、図1〜図5を参照しながら説明する。最初に、本発明の汚水処理装置の物質収支モデルについて図1を用いて説明する。図1は、本発明の汚水処理装置の物質収支モデルを示す図である。
図1に示すように、汚水処理装置の外部から汚水が生物処理槽1へと流入すると、汚水中の基質は、生物処理槽1内の微生物によって酸化分解される。これにより、汚泥が発生する。また、生物処理された汚水は、図1には図示していない固液分離手段に送られ、分離液と濃縮汚泥とに分離する。分離液は処理水として排出される。
一方、濃縮汚泥の一部は引き抜き汚泥として再基質化装置2へと送られ、再基質化される。再基質化された濃縮汚泥(再基質化汚泥)は、再度酸化分解が可能であるため、生物処理槽1に返送される。また、濃縮汚泥の他の一部は、図1には図示していないが、返送汚泥としてそのまま生物処理槽1へと送られ、生物処理に利用される。残りの濃縮汚泥は余剰汚泥として外部に排出される。
よって、余剰汚泥の一日当たりの量Qe(L/day)の削減を図るためには、再基質化装置2へ送る濃縮汚泥(引き抜き汚泥)の一日当たりの量Qr(L/day)を適切な値とする必要がある。なお、図1中に記載されている各パラメータの定義を表1に示す。
Figure 0004421372
なお、表1に示すパラメータにおいて、XN=XaN+XdN(N=1、2、3、4)であり、S=Sd+Seである。
図1に示す生物処理槽1における汚泥の増殖と分解は、表1に示すパラメータを用いて下記式(1)〜(3)によって示すことができる。また、図1に示す生物処理槽1における溶解性の基質の分解は、表1に示すパラメータを用いて下記式(4)〜(6)によって示すことができる。
なお、下記式(1)〜(6)で使用されている各種係数の定義を表2に示す。
Figure 0004421372
また、表2中のa1、a2、a3の単位は特に限定されるものではないが、これらの単位としては「g-SS/g-BOD」、「g-SS/g-SS」、「g-SS/g-COD」、「g-SS/g-TOC」等が挙げられる。
Figure 0004421372
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図2は、再基質化汚泥を概念的に示す図である。図2に示すように、再基質化装置2(図1参照)へと送られた濃縮汚泥(活性汚泥)のうち、一部は、再基質化処理によって、微生物による酸化分解が可能な再基質化汚泥となる。残りは、微生物による酸化分解が不可能な未基質汚泥のままである。このとき、濃縮汚泥の再基質化率をε、濃縮汚泥の未基質化率をδとすると、ε+δ=1となる。
なお、図2において、γは濃縮汚泥の再基質化汚泥への転換係数を示す。再基質化汚泥への転換係数γは、再基質化汚泥の汚泥濃度と基質濃度とを測定し、その比率を算出することによって得ることができる。再基質化汚泥への転換係数γの単位としては、例えば、[g-BOD/g-SS]、[g-COD/g-SS]、[g-TOC/g-SS]等が挙げられる。通常、再基質化汚泥の転換係数γは、0.4[g-TOC/g-SS]程度となる。
また、図2に示すように、再基質化汚泥は、懸濁成分と可溶化成分に分かれる。再基質化汚泥の懸濁率をζ、再基質化汚泥の可溶化率をηとすると、ζ+η=1となる。更に、可溶化成分には、汚水中に溶け込んだ溶解成分とガス成分とが含まれる。再基質化汚泥の可溶化成分の溶解率をθ、ガス化率をιとすると、θ+ι=1となる。
ここで、図1に示す物質収支モデルにおける物質収支を検討する。生物処理槽1中の汚泥濃度X1(mg/L)に着目すると、物質収支は下記式(9)及び(10)によって表される。また、上記式(3)と、下記式(9)及び(10)とから、下記式(7)が導かれる。
Figure 0004421372
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また、生物処理槽1及び分離液中の基質濃度S(mg/L)に着目すると、物質収支は下記式(11)及び(12)によって表される。また、上記式(6)と、下記式(11)及び(12)とから、下記式(8)が導かれる。
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Figure 0004421372
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従って、余剰汚泥の発生を考慮した上で、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量Qr(L/day)(即ち再基質化装置2に送る濃縮汚泥の一日当たりの量)を適切な値とするためには、Qrが上記の物質収支の式(7)及び(8)を満たすように、汚水処理装置を稼動させてやることが望ましいと考えられる。このため、以下の図3に示す本発明の汚水処理装置の一例においては、上記式(1)〜(8)を用いて、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量Qr(L/day)と余剰汚泥の量Qe(L/day)とが決定される。
次に、本発明の汚水処理装置の構成について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本発明の汚水処理装置の一例を示す構成図である。図4は、再基質化装置の一例を示す図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は下面図である。
図3に示すように、汚水処理装置は、活性汚泥法を行うための生物処理槽1と、再基質化装置2と、沈殿槽3と、制御装置15とを備えている。生物処理槽1内には、微生物が存在している。よって、外部から流入する汚水中の基質はこの微生物によって酸化分解される。生物処理槽1によって処理された汚水は沈殿槽3に流入する。
沈殿槽3は、生物処理槽1で処理された汚水を濃縮汚泥22と分離液21とに分離させる固液分離手段として機能している。分離液21は溢水によって外部に排出される。一方、濃縮汚泥22は、沈殿槽3の底に接続された引き抜きライン27を介して、ポンプ4による吸引によって、沈殿槽3の外に排出される。
なお、本発明においてラインは流路を意味している。また、図3の例では、固液分離手段として沈殿槽3が用いられているが、固液分離手段はこれに限定されるものではない。本発明においては、固液分離手段として、膜分離装置、加圧浮上分離装置、遠心分離装置等を用いても良い。更に、生物処理槽1と沈殿槽3との代わりに、生物処理槽と固液分離手段とを一体化した回分式処理装置を用いても良い。
再基質化装置2は、沈殿槽3で得られた濃縮汚泥22に対して再基質化処理を行う。本発明において再基質化装置2の種類は特に限定されるものではなく、水熱処理によって再基質化を行う水熱処理装置であっても良いし、超音波処理によって再基質化を行う超音波処理装置であっても良い。さらに、再基質化装置2としては、オゾン酸化法、好熱細菌法、ビーズミル法、高速回転ディスク法、ウォータージェット法、電解法、高圧処理法、酸・アルカリ処理法、またはマイクロ波法等を用いて再基質化処理を行う装置を用いることもできる。
図3の例では、再基質化装置2としては、図4に示す超音波処理装置が用いられている。図4の例では、超音波処理装置は、濃縮汚泥を貯留する処理槽31の底面に、複数の超音波振動子32を取り付けて構成されている。この構成により、処理槽31内に送り込まれた濃縮汚泥では、超音波振動子32からの超音波によってキャビテーションが発生する。この結果、濃縮汚泥中の微生物は破壊され、可溶化される。図3及び図4の例では、再基質化装置2の稼動、出力調整は、制御装置15によって行われている。
また、再基質化装置2として超音波処理装置を用いる場合、超音波周波数は20kHz〜100kHz、特には20kHz〜40kHzに設定するのが好ましい。なお、再基質化装置2として用いることができる超音波処理装置は、図4に示す例に限定されるものではない。
また、再基質化装置2として、水熱処理によって再基質化を行う水熱処理装置を用いる場合、反応温度は100℃〜300℃、特には100℃〜200℃に設定するのが好ましい。なお、水熱処理装置の構成は特に限定されるものではない。更に、水熱処理装置において、加熱方式も特に限定されず、連続式でも回分式でも良い。また、水熱処理を行うための加熱手段も特に限定されず、加熱手段としては、ボイラー、ヒーター、電磁誘導装置、又はマイクロ波照射装置等を用いることができる。
また、図3に示すように、引き抜きライン27は、返送ライン23と、第1の再基質化ライン24と、排出ライン26とに分岐している。返送ライン23は、濃縮汚泥22をそのままの状態で生物処理槽1へと返送するためのラインである。第1の再基質化ライン24は、濃縮汚泥を再基質化装置2に導入するためのラインである。排出ライン26は、濃縮汚泥22を余剰汚泥として外部へと排出するためのラインである。
また、各分岐ラインそれぞれには、バルブ5〜7が設けられている。バルブ5〜7は、信号の入力によって開閉が可能な自動弁であり、ライン切替手段として機能する。図3の例では、各バルブ5〜7の開閉は、制御装置15によって制御されている。25は、再基質化装置2によって再基質化された汚泥(再基質化汚泥)を生物処理槽1へと送るための第2の再基質化ラインである。
また、図3に示す汚水処理装置においては、第1の測定手段8〜第5の測定手段12までの5つの測定手段が設けられている。更に、図3の例では、第2の測定手段9を除き、各測定手段は、測定した値に応じた信号を制御装置15の検出部16へと出力する機能を備えている。第2の測定手段9によって測定された値は、汚水処理装置の操作者によって入力部20から制御装置15に入力される。入力された値は、記憶部18に格納される。
なお、第2の測定手段9に、測定した値に応じた信号を制御装置15の検出部16へと出力する機能を付与することもできる。また、第2の測定手段9以外の測定手段が、制御装置15に信号を出力する機能を有していない態様であっても良く、この場合も、測定された値は汚水処理装置の操作者によって入力部20から入力される。
第1の測定手段8は、生物処理槽1における汚水の流入側に設けられている。第1の測定手段8は、外部から生物処理槽1へと流入する汚水の基質濃度Sa(mg/L)を測定する負荷測定器と、外部から生物処理槽へと流入する汚水の一日あたりの量Qa(L/day)を測定する流量計とで構成されている。
第2の測定手段9は、第2の再基質化ライン25から分岐したラインに取り付けられている。第2の測定手段9は、再基質化汚泥中の汚泥濃度X4(mg/L)と、再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Sc(mg/L)とを測定する。図3の例では、第2の測定手段9は、第1測定槽(図示せず)と第2測定槽(図示せず)とを備えている。各測定槽それぞれには、負荷測定器が備えられている。
第1測定槽の供給口には、粒子保持能力が5μm以上、好ましくは1.2μm以上のフィルター(図示せず)が備えられており、このフィルターを通過した成分の基質濃度が、再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Sc(mg/L)として測定される。更に、第2の測定槽の供給口には、粒子保持能力が125μm以上、好ましくは37μm以上のフィルター(図示せず)が備えられており、このフィルターを通過した成分の汚泥濃度が、再基質化汚泥中の汚泥濃度X4(mg/L)として測定される。
また、第2の測定手段9によるX4及びScの測定は、ライン切替手段によって排出ライン26による外部への排出を停止した状態、即ち、バルブ7のみを閉じた状態で行われる。第2の測定手段9によって測定された値は、上述したように汚水処理装置の操作者によって入力部20から制御装置15に入力される。
また、第2の測定手段によって測定されたX4及びScから、図2を用いて説明した、濃縮汚泥の再基質化率ε、再基質化汚泥の懸濁率ζ、及び再基質化汚泥の可溶化率η(図2参照)を算出できる。再基質化汚泥の可溶化成分の溶解率θ、及び再基質化汚泥の可溶化成分のガス化率ι(図2参照)は、再基質化処理におけるTOCの損失量から算出できる。但し、再基質化装置2として、超音波処理装置や水熱処理装置を用いる場合は、通常、ガス化は起きないため、θ=1、ι=0となる。
第3の測定手段10は、生物処理槽1に取り付けられている。第3の測定手段10はSS計であり、生物処理槽1中の汚泥濃度X1(mg/L)を測定する。第4の測定手段11は、沈殿槽3の分離液21の排出側に設けられている。第4の測定手段11は、分離液21中の汚泥濃度X2(mg/L)を測定するSS計と、分離液21中の基質濃度S(mg/L)を測定する負荷測定器とで構成されている。なお、このとき測定されたX2は、生物処理槽1中の汚泥濃度にも該当する。また、Sは、生物処理槽1中の基質濃度にも該当する。
第5の測定手段12は、沈殿槽3における濃縮汚泥22の排出側、即ち、引き抜きライン27上に設けられている。第5の測定手段12は、濃縮汚泥22中の汚泥濃度X3を測定するSS計である。
なお、図3の例で用いられる負荷測定器は特に限定されるものではない。負荷測定器としては、例えば、BOD計、COD計、SS計、TOC計等が挙げられる。また、SS計を用いる場合、その測定方式は特に限定されない。SS計としては、例えば、吸光度測定法や散乱光測定法を利用したものを用いることができる。また、COD計を用いる場合も、その測定方式は特に限定されない。COD計としては、例えば、吸光度測定法を利用したものを用いることができる。
また、図3に示すように、第1の再基質化ライン24におけるバルブ6と再基質化装置2との間には、流量計13が設けられている。流量計13は、再基質化装置2へ送られる濃縮汚泥の量(L/day)を測定する。更に、排出ライン26におけるバルブ7の下流側には、流量計14が設けられている。流量計14は、排出ライン26を通る余剰汚泥の量(L/day)を測定する。また、流量計13及び14は、測定した値に応じた信号を検出部16へと出力する。なお、流量計13及び14の種類は特に限定されるものではない。具体的には、超音波式や電磁式の流量計が挙げられる。
また、制御装置15は、図3の例では、検出部16、演算部17、記憶部18、駆動部19、及び入力部20を備えている。検出部16は、第1の測定手段8〜第5の測定手段12(第2の測定手段9を除く)、流量計13及び14と接続されており、各測定手段及び流量計が出力した信号は検出部16に入力される。
また、検出部16は、入力された信号から、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量Qr(L/day)と、排出する余剰汚泥の量Qe(L/day)との算出に必要な係数の検出を行う。具体的には、検出部16は、第1の測定手段8からの信号によって、外部から生物処理槽1へと流入する汚水の基質濃度Sa(mg/L)、及び外部から生物処理槽1へと流入する汚水の一日あたりの量Qa(L/day)を検出する。
更に、検出部16は、第3の測定手段10からの信号によって、生物処理槽1中の汚泥濃度X1(mg/L)を検出し、第4の測定手段11からの信号によって、分離液中の汚泥濃度X2(mg/L)と分離液21中の基質濃度S(mg/L)とを検出する。また、検出部16は、第5の測定手段12からの信号によって濃縮汚泥22中の汚泥濃度X3(mg/L)を検出する。
また、検出部16は、第2の測定手段9によって測定された、再基質化汚泥中の汚泥濃度X4(mg/L)と、再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Sc(mg/L)との検出も行う。但し、図3の例では、X4及びScの検出は、検出部16が記憶部18からX4及びScを読み出すことによって行われる。また、図3の例では、検出部16は、X4及びScが記憶部18に格納されているかどうかの判定も行う。
記憶部18には、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量Qr(L/day)と、排出する余剰汚泥の一日当たりの量Qe(L/day)との算出に必要な係数であって、各測定手段からは得ることができない係数が格納されている。また、記憶部18には、上述した式(1)〜(8)も格納されている。なお、図3の例では、各測定手段から得ることができない係数は、入力部20を介して、操作者によって入力される。また、記憶部18は、検出部16によって検出された係数も記憶することができる。
図3の例において、記憶部18に格納される係数としては、流入基質汚泥転換率a1(g-SS/g-TOC)、再基質懸濁成分汚泥転換率a2(g-SS/g-SS)、及び再基質可溶化成分汚泥転換率a3(g-SS/g-TOC)が挙げられる。また、流入基質分解速度k1(1/day)、再基質懸濁成分分解速度k2(1/day)、及び再基質可溶化成分分解速度k3(1/day)も挙げられる。
更に、記憶部18に格納される係数としては、流入基質飽和定数Ks1(mg/L)、再基質懸濁成分飽和定数Ks2(mg/L)、再基質可溶化成分飽和定数Ks3(mg/L)、及び活性汚泥の自己酸化率b(1/day)も挙げられる。また、記憶部18には、生物処理槽1中の汚水の体積V1、SeとSとの比(Se/S)、及びXa1とX1との比(Xa1/X1)も格納されている。
演算部17は、検出部16によって検出された測定値と、それ以外の記憶部18に格納されている係数とを用いて、再基質化装置2へ送る濃縮汚泥の量Qr(L/day)と、排出する余剰汚泥の量Qe(L/day)とを算出する。図3の例では、演算部17による算出は、上述した式(1)〜式(8)に検出した測定値と読み出した係数とを代入することによって行われる。
駆動部19は、演算部17の指示に応じて、ライン切替手段として機能するバルブ5、6、及び7の開閉操作を行うための信号を出力する。例えば、演算部17が再基質化装置2へ濃縮汚泥を導入することを指示した場合は、駆動部19は、バルブ6を開け、バルブ7を閉じる。また、演算部17が余剰汚泥を排出することを指示した場合は、駆動部19は、バルブ6を閉じ、バルブ7を開ける。
また、第1の再基質化ライン24を介して再基質化装置2へ導入された濃縮汚泥の量は、流量計13によって測定され、検出部16によって検出される。同様に、排出ライン26から排出される余剰汚泥の量は、流量計14によって測定され、検出部16によって検出される。このため、演算部17は、算出されたQrとQeが達成されるようにフィードバック制御を行う。
次に、図3に示す汚水処理装置の動作について図5を用いて説明する。図5は、図3に示す汚水処理装置の動作を示すフロー図である。なお、以下の説明においては、適宜図3を参酌する。
図5に示すように、先ず、演算部17は、記憶部18から、濃縮汚泥の量Qr及び余剰汚泥の量Qeの算出に必要な係数を読み出す(ステップS1)。読み出される係数は、上述した、a1(g-SS/g-TOC)、a2(g-SS/g-SS)、a3(g-SS/g-TOC)、k1(1/day)、k2(1/day)、k3(1/day)、Ks1(mg/L)、Ks2(mg/L)、Ks3(mg/L)、b(1/day)、V1、Se/S、Xa1/X1である。
次に、演算部17は、駆動部19に対してバルブ7のみを閉じるように指示を与える(ステップS2)。次いで、この状態で、演算部17は検出部16に以下のステップS3〜S6を行わせる。なお、ステップS3〜S6の順序は特に限定されるものではなく、これらは同時に実施することもできる。
ステップS3では、検出部16は、第1の測定手段8からの信号によって、外部から生物処理槽1へと流入する汚水の基質濃度Sa(mg/L)と、生物処理槽1へと流入する汚水の一日あたりの量Qa(L/day)を検出する。
ステップS4では、検出部16は、第4の測定手段11からの信号によって、分離液21中の汚泥濃度X2(mg/L)と、分離液21中の基質濃度S(mg/L)とを検出する。ステップS5では、検出部16は、第3の測定手段10によって、生物処理槽1中の汚泥濃度X1(mg/L)を検出する。ステップS6では、検出部16は、第5の測定手段12によって、濃縮汚泥22中の汚泥濃度X3(mg/L)を検出する。
次に、検出部16は、再基質化汚泥中の汚泥濃度X4(mg/L)と、再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Sc(mg/L)とが入力され、これらが記憶部18に格納されているかどうかを判定する(ステップS7)。格納されている場合は、検出部16は、X4及びScを記憶部18から読み出す(ステップS8)。格納されていない場合は、検出部16は待機状態となる。
なお、ステップS7及びS8は、ステップS3〜S6いずれかのステップの前に実行することもできる。また、X4及びScの測定及び入力は、図5に示すステップの実行前に行っても良い。
次に、演算部17は、記憶部18に格納された式(1)〜(8)を読み出し、ステップS1、S3〜S6、及びS8によって得られた測定値及び係数をこれらの式に代入する(ステップS9)。これにより、生物処理槽1に供給できる一日当たりの再基質化汚泥の量Qr(L/day)と、Qrを達成した場合に排出が必要な余剰汚泥の一日当たりの量Qe(L/day)とが算出される。なお、Xa1、Xd1の値は、上述したようにX1=Xa1+Xd1であることから、検出されたX1の値と、読み出された(Xa1/X1)の値とから算出される。Se及びSdの値も同様である。
次に、演算部17は、再基質化ライン用のバルブ6が開状態、排出ライン用のバルブ7が閉状態となるように、駆動部19に指示を与える(ステップS10)。この結果、第1の再基質化ライン24に濃縮汚泥22が流れ、第2の再基質化ライン25には再基質化汚泥が流れ、再基質化汚泥は生物処理槽1に流入する。また、余剰汚泥の排出は停止される。なお、この場合において、バルブ5は開いた状態であっても良いし、閉じた状態であっても良い。
次に、演算部17は、流量計13によって測定され、且つ検出部16によって検出された濃縮汚泥の量が、ステップS8で算出された濃縮汚泥の量Qr(L/day)に到達したかどうかを判定する(ステップS11)。到達していない場合は、駆動部19にステップS10の状態を維持させたまま、演算部17は待機状態となる。
到達した場合は、演算部17は、再基質化ライン用のバルブ6が閉状態、排出ライン用のバルブ7が開状態となるように、駆動部19に指示を与える(ステップS11)。また、演算部17は、再基質化装置2に対しては稼動を停止するよう信号を出力する。なお、この場合においても、バルブ5は開いた状態であっても良いし、閉じた状態であっても良い。
次に、演算部17は、流量計14によって測定され、且つ検出部16によって検出された余剰汚泥の量が、ステップS8で算出された余剰汚泥の量Qe(L/day)に到達したかどうかを判定する(ステップS13)。到達していない場合は、駆動部19にステップS12の状態を維持させたまま、演算部17は待機状態となる。到達した場合は、演算部17は、排出ライン用のバルブ7が閉状態となるように、駆動部19に指示を与えて処理を終了する。
このように図3に示す汚水処理装置によれば、制御装置15によって、自動的に、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日当たりの量Qrと、Qrを達成した場合に排出が必要な余剰汚泥の一日当たりの量Qeとが算出される。また、制御装置15によって、自動的に、算出分の再基質化汚泥が生物処理槽1に供給され、算出分の余剰汚泥が排出される。このため、余剰汚泥の発生を考慮した再基質化処理を行うことができると同時に、管理者の負担の増加を抑制できるので運用コストの上昇も抑制できる
ここで、記憶部18に予め格納させておく係数について説明する。本発明において、記憶部18に予め格納させておく係数の値は、汚水の種類に応じて、実験によって適宜設定できる。例えば、流入基質汚泥転換率a1、再基質懸濁成分汚泥転換率a2、再基質可溶化成分汚泥転換率a3、及び自己酸化率b、は、上述した「非特許文献1」の第91頁から第102頁に記載された、異なる条件下での回分式の生物処理実験によって、基質の変化量、汚泥の変化量を測定することにより求めることができる。
また、同様にして、流入基質分解速度k1、再基質懸濁成分分解速度k2、及び再基質可溶化成分分解速度k3、流入基質飽和定数Ks1、再基質懸濁成分飽和定数Ks2、及び再基質可溶化成分飽和定数Ks3も求めることができる。非特許文献1に記載の生物処理実験によって得られた係数の一例を下記の表3に示す。
Figure 0004421372
また、SeとSとの比(Se/S)は、再基質化汚泥の可溶化成分の比率である。(Se/S)は、例えば、図5に示すステップを実行する日の前日に汚水処理装置を稼動させたときに得られたデータを用いて下記式(13)から算出できる。
下記式(13)において、PQrは、前日に算出された、生物処理槽1に供給できる再基質化汚泥の一日あたりの量Qr(g/day)である。また、PQaは、前日に検出された、外部から生物処理槽1へと流入する汚水の一日あたりの量Qa(g/day)である。PScは、前日に検出された、再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Sc(mg/L)である。PSaは、前日に検出された、外部から生物処理槽1へと流入する汚水の基質濃度Sa(mg/L)である。
Figure 0004421372
また、上記式(13)による算出は、演算部17によって行うことができる。演算部17による上記式(13)を用いた算出ステップは、図5に示したステップの実行前に行っても良いし、図5に示したステップS1〜S6のうちいずれかのステップの実行後に行っても良い。
但し、図5に示すステップを実行する日の前日のデータがない場合は、演算部17が、ステップS3〜S8で取得されたデータと予め入力された予測再基質化汚泥量とから、ステップS9の実行前に(Se/S)を算出する態様とするのが好ましい。具体的には、演算部17は、PQa及びPSaの代わりに、ステップS3で検出されたQa及びSaを上記式(13)に代入する。また、PScの代わりに、ステップS8で検出(読出し)されたScを上記式(13)に代入する。更に、PQrの代わりに、予測再基質化汚泥量を代入する。
なお、予測再基質化汚泥量は、生物処理槽1へ流入する汚水の基質濃度Sa(mg/L)に流入基質汚泥転換率a1を乗じて予測余剰汚泥量を求め、この予測余剰汚泥量に任意の係数を乗じることで算出できる。予測余剰汚泥量に乗じる係数は、1〜10の範囲内、好ましくは2〜4の範囲内で再基質化装置の性能などを考慮して適宜設定できる。
また、Xa1とX1との比(Xa1/X1)は、生物処理槽1における汚泥中の活性汚泥の割合を示している。図3の例では、活性汚泥を非再基質化汚泥と考えて、(Xa1/X1)を求めている。具体的には、粒子保持能力が125μm以上、好ましくは37μm以上のフィルターによって阻害される懸濁成分の比率を測定し、この測定値を(Xa1/X1)として記憶部18に入力している。また、生物処理槽1における懸濁成分中の生菌数、またはATP(アデノシン三リン酸)等を測定し、この測定値を(Xa1/X1)として記憶部18に入力することもできる。
なお、(Se/S)及び(Xa1/X1)の値は、生物処理槽1や再基質化装置2の運転状況の変動と伴に変動する。このため、これらの値については、随時測定及び算出して更新するのが好ましい。
本発明において、制御装置15は、入出力のインターフェイスを備えたコンピュータに、図5に示すステップS1〜S13を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって、実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(central processing unit)は、検出部、演算部、及び駆動部として機能し、処理を行う。また、コンピュータ備えられたメモリやハードディスク等の記憶装置が、記憶部として機能する。また、コンピュータに備えられたマウスやキーボード等が入力部として機能する。なお、制御装置15へのデータの入力は、有線又は無線で接続された別のコンピュータから行うこともできる。
以上のように、本発明における汚水処理装置によれば、余剰汚泥の発生を考慮した再基質化処理を行うことができ、この結果、余剰汚泥の発生を最小限に抑えることができる。このため、余剰汚泥の処分にかかるコストを低減でき、又余剰汚泥の処分地の確保が難しいという問題の解決にも貢献できる。更に、運用コストの上昇が抑制されるため、導入が容易である。
本発明の汚水処理装置の物質収支モデルを示す図である。 再基質化汚泥を概念的に示す図である。 本発明の汚水処理装置の一例を示す構成図である。 再基質化装置の一例を示す図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は下面図である。 図3に示す汚水処理装置の動作を示すフロー図である。 再基質化プロセスが追加された活性汚泥法の概略を示す図である。
符号の説明
1 生物処理槽
2 再基質化装置
3 沈殿槽(固液分離手段)
4 ポンプ
5、6、7 バルブ
8 第1の測定手段
9 第2の測定手段
10 第3の測定手段
11 第4の測定手段
12 第5の測定手段
13、14 流量計
15 制御装置
16 検出部
17 演算部
18 記憶部
19 駆動部
20 入力部
21 分離液
22 濃縮汚泥
23 返送ライン
24、48 第1の再基質化ライン
25、49 第2の再基質化ライン
26 排出ライン
27 引き抜きライン
31 処理槽
32 超音波振動子

Claims (5)

  1. 活性汚泥法による汚水の浄化処理を行う汚水処理装置であって、
    生物処理槽と、前記生物処理槽で処理された汚水を濃縮汚泥と分離液とに分離させる固液分離手段と、前記濃縮汚泥に対して再基質化処理を行う再基質化手段と、前記濃縮汚泥を前記再基質化手段へと送るための第1の再基質化ラインと、前記再基質化処理によって生じた再基質化汚泥を前記生物処理槽へと送るための第2の再基質化ラインと、前記濃縮汚泥を前記生物処理槽へと返送するための返送ラインと、前記濃縮汚泥を余剰汚泥として外部へと排出するための排出ラインと、制御手段と、前記制御手段の指示に応じて、前記第1の再基質化ラインによる前記濃縮汚泥の前記再基質化手段への導入及び前記排出ラインによる前記余剰汚泥の外部への排出のうちいずれかに切替えるライン切替手段とを少なくとも有し、
    前記制御手段は、前記ライン切替手段によって前記排出ラインによる外部への排出を停止した状態で、前記生物処理槽中の非活性汚泥の濃度Xd1と、前記生物処理槽及び前記分離液中の流入基質の濃度Sdと、前記生物処理槽及び前記分離液中の再基質の可溶化成分濃度Seとから、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrと、前記Qrを達成した場合に排出が必要な前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeとを算出し、算出した前記Qr及び前記Qeが満たされるように前記ライン切替手段に切替えを行わせる汚水処理装置。
  2. 前記生物処理槽における汚水の流入側に、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水の基質濃度Saと、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水の一日あたりの量Qaとを測定する第1の測定手段が設けられ、
    前記第2の再基質化ラインに、前記再基質化汚泥中の汚泥濃度X4、及び再基質化汚泥中の再基質の可溶化成分濃度Scを測定する第2の測定手段が設けられ、
    前記生物処理槽に、前記生物処理槽中の活性汚泥の濃度Xa1と前記生物処理槽中の非活性汚泥の濃度Xd1との和である前記生物処理槽中の汚泥濃度X1を測定する第3の測定手段が設けられ、
    前記固液分離手段の前記分離液の排出側に、前記分離液中の汚泥濃度X2、及び前記Sdと前記Seとの和である前記生物処理槽及び前記分離液中の基質濃度Sを測定する第4の測定手段が設けられ、
    前記固液分離手段の前記濃縮汚泥の排出側に、前記濃縮汚泥中の汚泥濃度X3を測定する第5の測定手段が設けられ、
    前記制御手段が記憶部を有し、前記記憶部には、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の汚泥転換率a1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の汚泥転換率a2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の汚泥転換率a3、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の分解速度k1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の分解速度k2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の分解速度k3、外部から前記生物処理槽へと流入する汚水中の基質の飽和定数Ks1、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の懸濁成分の飽和定数Ks2、前記生物処理槽における前記再基質化汚泥の可溶化成分の飽和定数Ks3、活性汚泥の自己酸化率b、前記生物処理槽中の汚水の体積V1、前記Seと前記Sとの比(Se/S)、前記Xa1と前記X1との比(Xa1/X1)が格納されており、
    前記制御手段が、前記第1の測定手段から前記第5の測定手段によって測定された値と、前記記憶部に記憶された値とを、下記式(1)〜(8)に代入することによって、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrと、前記Qrを達成した場合に排出が必要な前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeとを算出する請求項1に記載の汚水処理装置。
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
    Figure 0004421372
  3. 前記制御手段が検出部を有し、
    前記第1の測定手段、前記第2の測定手段、前記第3の測定手段、前記第4の測定手段、及び前記第5の測定手段のうち少なくとも一つが、それぞれの測定値に応じた信号を前記検出部に出力し、
    前記検出部が前記信号から前記測定値を検出する請求項2記載の汚水処理装置。
  4. 前記再基質化手段が、超音波処理装置または水熱処理装置である請求項1から3のいずれかに記載の汚水処理装置。
  5. 前記第1の再基質化ラインに、前記第1の再基質化ラインによって前記再基質化手段に導入される前記濃縮汚泥の一日当たりの量を測定する第1の流量計が設けられ、前記排出ラインに、前記排出ラインから排出される前記余剰汚泥の一日当たりの量を測定する第2の流量計が設けられており、
    前記制御手段は、前記第1の流量計で測定された値が、前記生物処理槽に供給できる前記再基質化汚泥の一日あたりの量Qrに到達したかどうかを判定し、到達した場合に、前記ライン切替手段に、前記第1の再基質化ラインによる前記濃縮汚泥の導入を停止させ、更に、前記第2の流量計で測定された値が、前記余剰汚泥の一日あたりの量Qeに到達したかどうかを判定し、到達した場合に、前記ライン切替手段に、前記排出ラインによる前記余剰汚泥の排出を停止させる請求項1から4のいずれかに記載の汚水処理装置。
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