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JP4457839B2 - 熱融着性繊維 - Google Patents
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本発明は、熱融着性繊維およびこれを用いてなるクッション材に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、車輌用などの比較的高い温度環境下に晒される機会の多い用途に対し、特に耐熱性を有するクッション材などに好適に用いられる熱融着性繊維およびクッション材に関するものである。
合成繊維、特にポリエステル繊維は、その優れた寸法安定性、耐候性、機械的特性および耐久性、さらにはリサイクル性等々の点から、衣料や産業資材などの用途において不可欠なものとなっており、不織布の分野においても広く使用されている。ルーフィング基材、自動車天井材および緩衝材等に用いられる繊維クッション材として使用される不織布繊維構造体においては、該不織布繊維構造体の構成繊維(以下、母材繊維という)相互間を接着する目的で、熱接着性繊維が広く使用されている。
繊維クッション材の母材繊維としては、比較的安価で優れたポリエステル繊維が多く使用されており、該母材繊維を接着する熱融着性繊維もリサイクルの容易性から、ポリエステル系素材を用いたものが多く使用されている。例えば、芯成分がポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)であり、鞘成分がイソフタル酸(以下、IPAという)成分を共重合した低融点の共重合PETとする芯鞘型のポリエステル系の熱融着性繊維では、該熱融着性繊維を接着する温度に合わせて、低融点の共重合PETにおけるIPA成分の共重合率を設計する。
一般にPETに対してIPAの共重合率が多くなると、該共重合PETの示差走査熱量計(以下、DSCという)で測定される融解温度は低下する。融解温度とはこの場合、DSCで測定される吸熱ピークに該当する温度をいう。例えば、共重合成分を含有しないホモPETの融解温度をDSCで測定すると250〜260℃の範囲に吸熱ピークが確認されるが、IPA20モル%共重合PETでは該吸熱ピークは210℃程度まで低下するとともに、吸熱ピークが観測される範囲が広くなる傾向にある。更に、IPA40モル%共重合PETでは、融解温度は110℃程度まで低下するが、融解する温度領域が広くなりすぎるとともに、融解温度の際の吸熱量が低下し、融解ピークが観測できなくなる。この場合、DSCでは融解温度の測定が不可能となるので、融解温度は融点顕微鏡などで測定する。
一方、例えばポリエステル繊維を母材繊維としたクッション材を熱融着性繊維とともに熱処理する場合、母材繊維の耐熱性を考慮して、通常は220℃以下の熱接着温度で熱処理される。このような熱接着温度に対応すべく、IPA40モル%共重合PETを熱融着成分とすることで融解温度を110℃程度にまで低下させて使用する方法がとられている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。しかしながら、IPAを40モル%共重合させると融解温度は低下するが、該融解温度も広くなり、融解開始温度も大幅に低下し、70℃近辺から徐々に融解を開始する。このように、ポリエステル熱融着性繊維は、実用的な接着温度で接着を可能とするとともに、一般的にIPAを30〜50モル%共重合した共重合PETが広く使用されている。しかしながら、該熱融着成分である共重合PETの融解開始温度も70〜80℃に低下しているために、熱接着されたクッション材を90〜100℃の環境に晒すと、接着点の一部が再融解し、接着点が外れてクッション材が変形するなどの欠点を有している。従って例えば、自動車天井材用途などのように、90〜100℃の環境下に晒される用途では、IPA共重合PETで構成されるポリエステル熱融着性繊維は、クッション材の耐熱性の面で使用できなかった。
上記課題の耐熱性を改善すべく、特殊共重合ポリエステルが提案されているが、いずれも特殊な成分を共重合成分に用いる必要があり、原材料コストやポリマーの複雑な製造工程を要し、製造コストが高くなるという問題点がある(特許文献4および特許文献5参照)。
特開昭58−41912号公報 特開平2−139466号公報 特開平6−280147号公報 特開平7−119011号公報 特開2000−160430号公報
本発明の目的は、上述した従来技術では達成成しえなかった耐熱性を有するクッション材に好適に用いられる熱融着性繊維とその熱融着性繊維を用いたクッション材を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、次の構成を有するものである。
すなわち、本発明の熱融着性繊維は、複数のポリマ成分からなる複合繊維であって、少なくとも一部が繊維表面に露出しているポリマ成分が、全酸成分のうち、テレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上で構成され、グリコール成分がブチレングリコールのみからなり、融解温度が140〜190℃であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなることを特徴とする熱融着性繊維である。
その好ましい態様のひとつは、前記繊維が芯鞘型複合繊維であり、鞘成分が前記ポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなることである。
また、本発明の熱融着性繊維は、全酸成分のうち、テレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上で構成され、グリコール成分がブチレングリコールのみからなり、融解温度が140〜190℃であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなることを特徴とする熱融着性繊維である。
その熱融着繊維は、繊維長3〜100mmの短繊維であることが好ましい。
また、本発明のクッション材は、母材繊維が前記の本発明にかかる熱融着性繊維により接着されているクッション材である。
本発明によれば、車輌用などの比較的高い温度環境下に晒される機会の多い用途、特に優れた耐熱性を有するクッション材や固綿などに適用される熱接着性繊維が得られる。また、本発明によれば、熱接着性繊維を母材繊維に適用して、母材繊維の接点が剥がれにくく、かつヘタラない耐熱性に優れたクッション材や固綿等を得ることができる。
以下、本発明の熱融着性繊維について詳細に詳述する。
本発明の熱融着性繊維は、少なくとも一部が繊維表面に露出している熱融着性ポリマ成分が、融解温度が140〜190℃のポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなる熱融着性の複合繊維もしくは単独繊維である。本発明において、融解温度とは、DSCで測定される融解曲線において、吸熱ピークに該当する温度をいう。また、DSCで測定される融解曲線において、吸熱ピークが確認できないものは融点顕微鏡で測定した温度をいう。
本発明で用いられる、融解温度が140〜190℃のポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルは、主たる構成成分が、ブチレンテレフタレートの繰り返し単位である。一般に改質(共重合)されていないポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)の融解温度は230〜235℃であるため、本発明で用いられる融解温度が140〜190℃のポリブチレンテレフタレートとするには、融解温度を下げなければならない。PBTの融解温度は、PETの場合と同様に第三成分を共重合することで下げることができる。
本発明におけるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルは、全酸成分のうちテレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上共重合されてなることが必要である。テレフタル酸成分以外の他の芳香族ジカルボン酸成分を共重合することにより、融解温度が下がるとともにガラス転移温度も下がる。ガラス転移温度が下がることにより、ポリマーはソフトな特性を示すこととなる。本発明において他の芳香族ジカルボン酸成分を5モル%以上共重合成分として用いることにより、ガラス転移点の降下を抑制することで、融着した際の接点が硬いものとなり、高温下での接点再溶融による軟化を防ぐ働きをする。他の芳香族ジカルボン酸成分は5モル%以上共重合されていることが必要であるが、特に剛性を必要とする固綿等の用途に用いる際には、全酸成分のうちテレフタル酸及び/又はその誘導体を除く共重合成分の全てに他の芳香族ジカルボン酸成分を使用しても良い。すなわち、全酸成分のうちテレフタル酸及び/又はその誘導体を75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分を25〜40モル%用いることができる。
テレフタル酸の誘導体としては、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸メチルエチルエステル等が挙げられる。
他の芳香族ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸(以下、IPA)やフタル酸などを用いることができるが、製造コスト面およびポリマーの耐熱性の面を考慮するとIPAを共重合成分とすることが好ましい。
また、本発明で用いられるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルを構成するためのグリコール成分は、ブチレングリコールである。
その他の共重合成分としては、本発明の性能を損なわない範囲であれば、アジピン酸およびセバシン酸などの二官能性カルボン酸を用いても良い。
本発明に係る熱融着性繊維は、全酸成分のうち、テレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、それ以外の他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上で構成され、グリコール成分がブチレングリコールのみであり、融解温度が140〜190℃であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルを、単独で溶融紡糸するか、あるいは他ポリマーと複合して溶融紡糸し、延伸し、必要に応じ所定長に切断することにより製造することができる。
本発明で用いられる熱融着性繊維は、上記のポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなる熱融着ポリマ成分が少なくとも一部繊維表面に露出していることが重要である。繊維表面にクッション材の強度特性の点からを露出させるには、単独で溶融紡糸するか、他のポリマーと複合して溶融紡糸する。好適な形態の一つとして、同心または偏芯の芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型などの複合繊維とすることが出来る。同心の芯鞘型にすると製糸性が良く、偏芯型にすると潜在捲縮性となるので、用途に応じて適切な複合形態を選択することができる。
芯鞘型形態とする場合には、クッション材の強度特性の点から、該熱融着ポリマ成分としてのポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみを鞘成分として用い、芯成分には融解温度が220℃以上のポリエステル等の他のポリマーを用いることが好ましい。芯成分のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、資源の再利用、環境保護の視点から、芯成分には再生ポリエステルを用いることが出来る。更に、芯成分は、本発明の効果が損なわれない範囲で、2種類以上のポリマーが混合されていても良く、芯成分をバイメタル複合形態としても良い。また、芯成分には、二酸化チタンなどの艶消し材や滑剤などの添加剤を添加しても良い。芯鞘の複合比率は、製糸性の面から、20/80〜80/20が好ましく、接着性および高次加工性の面から、芯鞘の複合比率は、より好ましくは40/60〜60/40である。
本発明の熱接着性繊維の横断面の形状は、円形であっても、異形であっても良い。本発明の熱接着性繊維は紡糸を行った後、延伸することなく用いてもよく、あるいは延伸して用いてもよく、所望に応じたけん縮を付与してもよい。また、本発明の熱接着性繊維は、長繊維のまま用いることができるが、所望の繊維長に切断して短繊維として用いることができる。
繊維長は、3mm以上100mm以下の範囲であることが好ましい。繊維長が3mm未満では、ベース綿との間を架橋する割合が少なくなり、構造体としての剛性に劣るものとなる。また、繊維長が100mmを越える範囲になると、カーディング性等悪化し、製品加工での不具合が生じたりする。製品加工時のカーディング性と不織布の地合を良くするという点から、繊維長は、20〜70mmの範囲であることが好ましい。
本発明の熱接着性繊維を用いてクッション材となしたときの、母材繊維の接点数による強度特性へ与える影響を鑑み、熱接着性繊維の単繊維繊度は50dtex以下が好ましく、ベースとなる母材繊維との混綿性や高次加工性を考慮すると、より好ましくは10dtex以下である。
また、単繊維繊度が0.5d以下の範囲になると、溶融後の接点自体が小さくなるため、目標とする剛性が劣るものとなり、好ましくない。単繊維繊度は、接点の十分な剛性を得るという面から、2dtex以上であることが好ましい。
本発明にかかるクッション材は、本発明の上述した熱接着性繊維により母材繊維が接着されて構成されてなるものである。該クッション材に含まれる熱接着性繊維の重量比率は、用途によって選択することができ、また本発明の効果が損なわれない範囲であれば、本発明の熱接着繊維以外の熱接着繊維と併用してもよい。
本発明のクッション材は、本発明の熱接着性繊維からなる短繊維を、通常のポリエステル繊維等の短繊維(母材繊維)と混綿し、カード機あるいはエアレイ装置にかけ、不織ウェッブとした後、必要に応じて、ニードルパンチや水流絡合を施した後、所定の温度にて熱処理を施し、熱融着性繊維を溶融し接着させることによって得ることができる。
熱処理温度については、接着成分の冷却固化後の結晶性を向上する、すなわち高温雰囲気下での接点を保持するという点から、融解温度+10〜30℃程度の処理温度が好ましい。
本発明のクッション材に用いられる母材繊維は、コストとリサイクル性の面でポリエステル繊維が好ましく用いられる。母材繊維は用途によっても相違するが、一般的には、例えば、クッション材や嵩高が要求されるものであれば、6〜30dtexのポリエステル繊維が用いられ、あるいはソフトな風合いが要求されるものであれば、1〜6dtexのポリエステル繊維が母材繊維として用いられる。また、資源の再利用や環境保護の視点から再生ポリエステル繊維を母材繊維として用いてもよい。さらに2種類以上の母材繊維を用いてもよい。これらの母材繊維は、母材の剛性と接着程度のバランスから、母材繊維/熱接着性繊維の混合比が20/80〜80/20重量%の範囲で混合されることが好ましい。
以下、本発明の熱接着性繊維について実施例を用いて詳細を説明する。本発明で定義する各特性値は、以下の方法で求めたものである。
(1)融解温度
A.示差走査型熱量計(DSC)で窒素気流下、10℃/分の昇温速度で測定した。
B.上記のDSCで融解温度が確認出来ないものは融点顕微鏡を用い、10℃/分の昇温速度下で、融解開始温度と融解完了温度を観測し、下式で求めた。
融解温度(℃)=(融解開始温度+融解完了温度)/2
(2)耐熱ヘタリ性評価
適宜条件にて作成したクッション材から、130mm×25mm×10mmの形状に切り出して得られたサンプルの縦方向(130mm)の一端から20mmの領域を台上に固定し、残りの110mmを台から突出させた。次いで、この状態を維持したまま、90℃の温度に設定した恒温槽に8時間放置し、直方体の台から突出した部分の先端における垂れ下がり量(mm)を測定した。判定は次のとおりである。垂れ下がり量が12mm以下のものは耐熱性に優れていると評価できる。
◎;非常に良好(垂れ下がり量 9mm以下)
○;良好 (垂れ下がり量が 9mmより大きく12mm以下)
×;不良 (垂れ下がり量 12mmより大きい)。
(3)単繊維繊度
JIS L−1015(1999)−8−5−1に示される方法により単繊維繊度の測定を行った。
(4)固有粘度
o−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した溶液粘度から算出した。
(実施例1)
酸成分としてテレフタル酸ジメチル65mol%とイソフタル酸35mol%を用い、グリコール成分としてブチレングリコール100mol%を用いてエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させ得られた固有粘度[η]が0.62である共重合ポリエステル(A成分、融点160℃)と、別に用意した固有粘度[η]が0.64でかつ融点が260℃のポリエチレンテレフタレート(PET、B成分)とを、紡糸温度280℃で紡糸口金から吐出させ、引取速度1500m/分にて、複合溶融紡糸し、芯成分がB成分からなり、かつ鞘成分がA成分からなる、芯鞘の複合比率が50:50の芯鞘型複合未延伸糸を得た。
次いで、得られた芯鞘複合未延伸糸を、80℃の温度の温水中で3倍に延伸して4.4dtexの延伸糸とし、油剤(アニオン系界面活性剤)を油剤有効成分が繊維重量比率0.15wt%付着するように付与した後、クリンプ処理(捲縮数:10山/25mm)を施し、次いで、繊維長38mmに切断し短繊維形状の熱融着性繊維を得た。
得られた熱融着性繊維70重量%と、別に開繊機で開繊して得られた繊維長38mm、繊度14.4dtexのポリエチレンテレフタレート繊維30重量%を混綿し、カード機で厚みが30mmで目付が800g/mのウェッブとなし、このウェッブを表面温度が180℃となった鉄板間に挟み、厚み10mmまで圧縮して熱風乾燥機内で180℃の温度で2分間熱処理し不織布を得た。次いで、得られた不織布を、表面温度が220℃となった鉄板間に挟み、厚み10mmまで圧縮して熱風乾燥機内にて220℃の温度で3分間熱処理しクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は、7mmと非常に良好な特性を示した。
(実施例2)
実施例1と同様の製法によって、固有粘度[η]が0.62の共重合ポリエステル(A成分、融点160℃)を得た。この共重合ポリエステルを用いて、紡糸温度280℃で紡糸口金から吐出させ、引取速度1500m/分で、溶融紡糸し未延伸糸を得た。
次いで、得られた未延伸糸を80℃の温度の温水中で3倍に延伸し、4.4dtexの延伸糸とし、油剤(アニオン系界面活性剤)を油剤有効成分が繊維重量比率0.15wt%付与した後、クリンプ処理(捲縮数:10山/25mm)を施し、次いで、繊維長38mmに切断し短繊維形状の熱融着性繊維を得た。
得られた熱融着性繊維70重量%と、別に開繊機で開繊して得られた繊維長38mm、繊度14.4dtexのポリエチレンテレフタレート繊維30重量%を混綿し、カード機でウェッブを積層し、厚みが30mm目付が800g/mのウェッブとなし、このウェッブを表面温度が180℃となった鉄板間に挟み、厚み10mmまで圧縮して熱風乾燥機内にて180℃の温度で2分間熱処理し不織布を得した。次いで、得られた不織布を、表面温度が220℃となった鉄板間に挟み、厚み10mmまで圧縮して熱風乾燥機内にて220℃の温度で3分間熱処理しクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は、9mmと非常に良好な特性を示した。
(実施例3)
酸成分としてテレフタル酸ジメチル65mol%とフタル酸35mol%を用い、グリコール成分としてブチレングリコール100mol%を用いてエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させ固有粘度[η]が0.65である共重合ポリエステル(融点160℃)を得た。得られた共重合ポリエステルをA成分として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、芯鞘型複合繊維を得、次いで、実施例1同様の方法にてクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は、10mmと良好な特性を示した。
(比較例1)
酸成分としてテレフタル酸ジメチル100mol%を用い、グリコール成分としてブチレングリコールを33mol%とエチレングリコール67mol%を用いてエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させ固有粘度[η]が0.66の共重合ポリエステル(融点178℃)を得た。得られた共重合ポリエステルをA成分の代わりに使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、芯鞘型複合繊維を得、次いで、実施例1同様の方法でクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は、15mmと垂れ下がり量が大きく、耐熱性に劣るものとなった。
(比較例2)
酸成分としてテレフタル酸ジメチル60mol%とイソフタル酸40mol%を用い、グリコール成分としてエチレングリコール100mol%を用いてエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させ固有粘度[η]が0.60の共重合ポリエステル(融点110℃)を得た。得られた共重合ポリエステルをA成分の代わりに使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で芯鞘型複合繊維を得、次いで、実施例1同様の方法でクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は、27mmと極めて垂れ下がり量が大きく、耐熱性に劣るものとなった。
(比較例3)
酸成分としてテレフタル酸ジメチル60mol%とイソフタル酸40mol%を用い、グリコール成分としてエチレングリコール100mol%を用いてエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させ固有粘度[η]が0.60である共重合ポリエステル(融点110℃)を得た。得られた共重合ポリエステルをA成分の代わりに使用したこと以外は、実施例2と同様の方法にて、繊維を得、次いで、実施例1同様の方法にてクッション材を得た。得られたクッション材の耐熱ヘタリ性を表1に示す。耐熱性は30mmと極めて垂れ下がり量が大きく、耐熱性に劣るものとなった。
Figure 0004457839
本発明によって、優れた耐熱性を有するクッション材や固綿などを得ることが出来る熱接着性繊維と、それを用いてなるクッション材や固綿などを得ることが出来、産業上有用である。

Claims (5)

  1. 複数のポリマ成分からなる複合繊維であって、少なくとも一部が繊維表面に露出しているポリマ成分が、全酸成分のうち、テレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上で構成され、グリコール成分がブチレングリコールのみからなり、融解温度が140〜190℃であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなることを特徴とする熱融着性繊維。
  2. 繊維が芯鞘型複合繊維であり、鞘成分が前記ポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなる請求項記載の熱融着性繊維。
  3. 全酸成分のうち、テレフタル酸及び/又はその誘導体が75〜60モル%、他の芳香族ジカルボン酸成分が5モル%以上で構成され、グリコール成分がブチレングリコールのみからなり、融解温度が140〜190℃であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルのみからなることを特徴とする熱融着性繊維。
  4. 繊維が繊維長3〜100mmの短繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の熱融着性繊維。
  5. 母材繊維が、請求項1〜4のいずれかに記載の熱融着繊維により接着されていることを特徴とするクッション材。
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