JP4459173B2 - 地盤改良用木杭およびカーボンストック方法 - Google Patents
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個々の樹木についてみれば、そのカーボンストック量は成長に伴い漸次増加するが(区間a)、老齢化するとそのストック速度は鈍くなる(区間b)。
この時点で伐採すると、その樹木にストックされているカーボンは腐敗の進行あるいは燃焼に伴い大気中に戻る(大気中に戻る平均量は直線cのこう配として表される)が、その腐敗が進行しにくい状態におけば(傾きdを小さくすれば)、カーボンを長い期間ストック状態にしておくことができ結局大気中のCO2を削減できることが明らかである。
一方で、伐採したものを腐敗が進行しにくい状態にして利用することによって、森林および伐採後の樹木全体としての総カーボンストック量を継続的に増大させることができる(区間e,f)。
この森林の老齢化は花粉症の原因にもなっているので、大量の木材を有効利用しつつ、植林を進めて森林の若返りを促進する方策が必要とされているところでもある。
もちろん、このような地盤に単にカーボンストックを目的に木材を打設してもよい。
(ここで、Δσh:水平全応力増加分、Δu:過剰間隙水圧、Δσh’:水平有効応力増加分)
また、従来利用先のなかった大量の木材を使用することができるので、あわせて植林を進めることにより老齢化した森林を若返らせ、花粉症等の問題をも解消しうる。
図8に示したAは、たとえば直径約20cm,長さ約5mの丸太の側面に、深さ約3cmの排水手段たる排水溝1……を8本、その軸方向に全長にわたって彫設形成するとともに、その排水溝1……に、必要に応じて砂,スラグ,木くず等のドレーン材を袋状のドレーン材充填ネット2に充填したものを詰めてなる本発明地盤改良用木杭(以下、単に「木杭」という。)である。
上記排水溝1……にはドレーン材を充填したドレーン材充填ネット2を詰めてあるので、当該木杭Aの地盤中への打設時に排水溝1……に土砂が詰まってしまうことが防止される。
上記木杭A,Bは排水溝1,1’を彫るのにやや手間が掛かり、木くずが発生してしまうが、この木杭Cはその製作が簡単かつ安価に行え、木くずも発生しない。
この木杭Cの排水溝1”……にも、上記ドレーン材をドレーン材充填ネット2に充填して、あるいはそのネット2に充填せずそのまま詰めるのが好ましい。ただし、排水溝1”……に何も詰めないこととしてもよい。
この木杭Dを構成する3本の丸太3……の隙間は排水手段たる排水路6になっている。木杭Dの下端には上記のとおりボトムキャップ5が取り付けられているので、木杭Dの打込みによってもその排水路6には土砂が入り込まないようになっている。
上記排水路6には、木杭A〜Cと同様にドレーン材を詰めるのが好ましい。これにより、丸太3……同士がしっかりと固定されぐらつきが防止される。
なお、束ねる丸太3……の本数は適宜変更でき、また、各丸太3……の側面には、上記木杭A〜Cのように排水溝を彫設形成してもよい。
互いに隣接する重合丸太8……はその丸太7……の重合部の位置を長さ方向にずらしてあるので、上記緊束ワイヤ4により複数箇所で緊束することでしっかりと固定されているが、各丸太7……の上下端に互いに嵌合する凹凸を形成しておくことで、ずれないようにしておくのが好ましい。
また、各丸太7……の側面に、排水溝を彫設形成しておくのも好ましい。
9は、各重合丸太8の下端を覆うように取り付けられた円錘形のボトムキャップである。
また、上記重合丸太8……の長さ方向上部側の丸太7……としては、腐植しないか、あるいは腐植し難い材質のものを用いるのが好ましい。
このように上部の丸太7……を腐植しないか、あるいは腐植し難い材質のものとすることにより、その部分が地下水位面より上に出た場合の腐植防止を図ることができる。
すなわち、単に木材を打設した場合に片面排水を仮定すると軟弱地盤の厚さの二乗の消散時間を要していたものが、(杭間距離/2)2の消散時間になり、圧倒的に消散時間が短くなる(なお、一般的に、軟弱地盤厚さ》(杭間距離/2)2である。)。
さらに、地盤は拘束圧が増すほどせん断抵抗および液状化抵抗が増すが、木杭の打設により間隙比の減少と同時に、木杭A……間の内部の有効応力の増加により拘束圧が増加し、せん断抵抗および液状化抵抗が増加する。
したがって、打設する木杭A……が、排水溝1……を備えていることにより、早期に地盤が強化改良されることになる。
すなわち、木杭A……の打設により各木杭A間の地盤密度が増加すること、木杭A……間の水平応力が増加し拘束圧が増加すること、木杭A……打設により地盤全体のせん断剛性が増加することにより地盤の液状化抵抗が増加する。
さらに、木杭A……の排水溝1……は、液状化時の過剰間隙水圧を早期に低減し、地盤の確実な強化に寄与する。
この場合、打設に先立ち、木杭A……を真空チャンバーに入れて一度真空下におき、その後吸水させる飽和化処理を予め行っておくことができる。このとき、水の代わりに樹脂等を含浸させれば飽和化が進むとともに木杭A……の強度も格段に上がる。
また、この飽和化処理は、真空チャンバーを使用することなく、木杭A……の側面を所要の膜で上下端を開口させたストロー状に被覆し、その上端または下端から水または樹脂を吸い込ませることもできる。
この飽和化処理は、上記木杭B〜Eについても、同様に施すことができる。
上記木杭A……は、その全長またはほぼ全長が地下水位以下に位置するよう打設するのが木杭A……の腐敗防止のために好ましいが、盛土を行う場合には、たとえば、その頭部を軟弱地盤から突出状態にして打設し、その頭部同士を、鉄筋等の可撓性を有する連結部材で網状にしかも連結部材を下方へ撓ませて連結することもできる。
そして、その杭頭部および連結部材をサンドマットで埋め込み、その上に土木用シートを敷設した後に盛土12を行うことにより、盛土荷重を、軟弱地盤の表層ではなく群杭効果によってその深層に広範囲に作用させることができる。
したがって、老齢化した樹木を大量に使用する一方、植林を進めることで、森林の若返りを促進し、花粉症等の森林問題の解決にも寄与する。
従来、道路,水道,下水道,鉄道,建築,各種開発等を目的とする土木・建設工事は、重機の使用等によりCO2を大量に排出する地球環境に対する負荷が高い産業であるとされ、その環境イメージは低いものであったが、本発明工法は、その実施によりカーボンを大量にストックすることができるものであるから、積極的に施工を推進すれば、結果として、社会基盤整備を行いつつ、同時に、多くのカーボンをストックし地球環境の改善を図ることができるものである。
このような場合に本発明木杭A(またはB,C,D,E)……を、所定の間隔をおいて軟弱地盤21に打設することにより、カーボンストックを行うことができる。また、打設する木杭A(またはB,C,D,E)……は排水手段を備えているから早期に地盤を強化することができる。
なお、22は排水溝である。
そこで、必要に応じて杭頭処理や基礎底盤の引き下げ等により本発明木杭A(またはB,C,D,E)……を軟弱地盤31中に地下水位以下にして打設することでカーボンストックを行いつつ、これを戸建て住宅(図3(a))や工場・低層ビル(図3(b))の基礎とすることができる。
しかし、その構造物41の周辺地盤は、無対策の場合が多いため地盤沈下が発生し構造部41の一階部分と周辺の地表面との間に段差が生じてしまう場合が多い。
このようなとき、段差を縮めるために周辺地盤の表面舗装43の舗装厚を増したり盛土したりすることが行われるが、これによってさらに沈下が進むので、イタチごっこになってしまう。バリヤフリーの構造物でも、このような入り口での段差が問題となっている。
このように、本発明木杭は支持杭とすることも摩擦杭とすることも可能である。
これにより、地盤表面の沈下量は構造物から離れるほど徐々に多くなるので、段差の問題が解消されるとともに、カーボンストックを行うことができる。
一般のコンクリート杭や鋼製の杭を使用する場合は、長さの異なる杭を製作するのは手間が掛かるが、本発明木杭A(またはB,C,D,E)……であれば、現場にて容易に切断して長さ調整が可能である。
この勾配の変化を防止するために水路,管路等の下方地盤に本発明木杭A(またはB,C,D,E)……を打設するとよい。
また、このような線状構造物が構築される地盤は、線状であるがゆえに地盤内の地層が変化に富む場合が多いが、木杭A(またはB,C,D,E)……はその地層に応じて切断して適宜長さを調整しながら打設することができる。
図6において、61は更新統、62は砂層、63は粘土層、64は砂層、65は埋土層、66は固化改良層であり、本発明木杭A(またはB,C,D,E)……は、上記埋土層65より更新統61に達するように打設されている。
その木杭A(またはB,C,D,E)……は、完全に水中に打設されることになるから腐朽のおそれがないのでカーボンを長期にストックできることになる。
このような地盤は、地震の後液状化し平坦になろうとするので航路の水深が確保できなくなる可能性が考えられる。
そこで、本実施例はカーボンをストックするとともに浚渫法面71を安定化するために、そこに本発明木杭A(またはB,C,D,E)……を打設したものである。
本発明木杭A(またはB,C,D,E)……の打設により浚渫法面71が安定化し、斜面勾配を急にすることも可能になる。
また、液状化しやすい地盤では、木杭A(またはB,C,D,E)……の打設により液状化抵抗を増すことができ、地震によって航路が確保できなくなることを防止できる。
1,1’,1” 排水溝
2 ドレーン材充填ネット
3,7 丸太
4 緊束ワイヤ
5,9 ボトムキャップ
6 排水路
8 重合丸太
11,21,31,44 軟弱地盤
12 盛土
22 排水溝
41 構造物
42 杭基礎
43 表面舗装
45 支持層
51 水路
53 埋戻し層
54 ドレーン
61 更新統
62,64 砂層
63 粘土層
65 埋土層
66 固化改良層
71 浚渫法面
72 海底地盤
Claims (3)
- 砂やシルトのような軟弱な地盤を改良するための地盤改良用木杭であって、
老齢化した伐採木材からなりカーボンストック用丸太の側面に軸方向のキズをつけて気中に放置し乾燥収縮させることにより広がった前記キズを排水溝とし、この排水溝にドレーン材を充填したことを特徴とする地盤改良用木杭。 - 砂やシルトのような軟弱な地盤を改良するための地盤改良用木杭であって、
老齢化した樹木の伐採によって得られた伐採木材からなりカーボンストック用丸太の側面に木材の筋を横切るように螺旋状の排水溝を形成し、この排水溝にドレーン材を充填したことを特徴とする地盤改良用木杭。 - 請求項1または2記載の地盤改良用木杭を砂やシルトのような軟弱な地盤に打設することを特徴とするカーボンストック方法。
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