JP4514282B2 - 脂肪酸アルカノールアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄剤基剤、化粧料基剤等として有用な脂肪酸アルカノールアミド化合物の製造方法に関するものである。更に詳しく述べるなら、本発明は、従来方法よりも低温で縮合反応を行うことができ、色相安定性が良く、副生成物としてアミドエステルの生成を抑制できる、高純度脂肪酸アルカノールアミド化合物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脂肪酸アルカノールアミド類はすぐれた界面活性作用を有し、洗浄活性成分、化粧料基剤、乳化剤、潤滑剤などのさまざまな産業分野で利用されている。
これらの中でも、脂肪酸モノエタノールアミド型界面活性剤、脂肪酸ジエタノールアミド型界面活性剤、脂肪酸モノイソプロパノールアミド型界面活性剤、及び脂肪酸グルカミド型界面活性剤は、液体洗浄剤の洗浄力向上剤、起泡剤、泡安定剤として広く、かつ大量に用いられている。又、上記脂肪酸アルカノールアミド化合物に酸化エチレンあるいは酸化プロピレンを付加重合して得られる非イオン系界面活性剤は、他の界面活性剤及び無機ビルダーとの相溶性に優れ、洗浄性、分散性、粘度の調整、高分解性、低毒性という性質を有しているため、液体洗浄剤及び化粧品基剤として広く実用されている。
【0003】
従来、脂肪酸アルカノールアマイド化合物の製造方法として下記方法が知られている。
1)脂肪酸エステルとアルカノールアミンとをアルカリ触媒の存在下で反応させて脂肪酸アルカノールアミドを製造する方法(米国特許第284609号)。
2)脂肪酸と、それに対して大過剰量のアルカノールアミンとを無溶媒で反応させて直接脂肪酸アルカノールアミドを製造する方法(油化学、第24巻、第12号、869〜873、1975)。
3)脂肪酸とアルカノールアミンとを反応させてアミドエステルを生成させ、その後、この反応系にアルカリ触媒を溶解又は分解させたアルカノールアミンを添加して脂肪酸アルカノールアミドを製造する方法(特開昭53−44513号公報)。
4)アルカノールアミン中に、脂肪酸を、分割して、又は連続して添加することにより脂肪酸アルカノールアミドを製造する方法(特開平8−301827)。
5)脂肪酸エステルとアルカノールアミンとを反応させる際に、アルカリ触媒を、原料の水分量と脂肪酸エステルの酸価の和よりも過剰の量をもって添加することにより脂肪酸アルカノールアミドを製造する方法(特開平9−143133)。
【0004】
しかしながら、前記方法(1)では、副生成物としてアミドエステルが多量に生成し、このアミドエステルは、水溶解性が低いため、液状製品の濁りの原因となること、及び脂肪酸アルカノールアミドに更にアルキレンオキシドを付加し、必要により、更にカルボキシメチル化、硫酸エステル化、又はリン酸エステル化などによって誘導体化する際に、不純物量の増大に影響すること、などの不都合を生ずる。
【0005】
前記方法(2)では、アルカノールアミンを過剰に使用するため、得られる目的脂肪酸アルカノールアミド化合物の純度が低くなるという欠点がある。また前記方法(3)では、アミドエステル化終了後、アルカリ触媒を投入する際に、残存脂肪酸とアルカリ触媒との反応により石鹸が生成するため、残存脂肪酸に対して過剰のアルカリ触媒を使用しなければならないという欠点がある。
【0006】
前記方法(4)では脂肪酸を一括投入した場合、不純物の生成量が増加してしまうため、脂肪酸を分割又は滴下して添加する必要がありこのため反応操作に長時間を要することと、この間実質上160℃前後の高温で反応を行う必要があるため、製品に着色及びにおいの悪化等が生起してしまうという欠点がある。さらに前記方法(5)では、反応速度が原料中の水分量に大きく左右され、水分量が多い場合には多量の触媒を要するという欠点がある。
【0007】
したがって、脂肪酸アルカノールアミド化合物を、簡便な操作で、高純度かつ高収率で製造する方法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便な装置及び操作を用いて、脂肪酸エステル類と、アルカノールアミン類とを縮合反応させ、高純度及び高収率をもって、品質の良好な、脂肪酸アルカノールアミド化合物を製造する方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪酸エステルとアルカノールアミン化合物とを縮合反応させる際、予じめアルカノールアミン化合物にアルカリ処理剤による前処理を施しておき、脂肪酸エステルと、アルカノールアミン化合物のアルカリ前処理生成物とを縮合反応させると、この縮合反応工程反応温度を低く設定でき、かつ、副生物の生成率が減少し、経時安定性の良好な脂肪酸アルカノールアミド化合物が合成できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
本発明の脂肪酸アルカノールアミド化合物の製造方法は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール及びN−メチル−D−グルカミンから選ばれたアルカノールアミン化合物に対して、アルカリ金属の水酸化物の1種以上からなるアルカリ処理剤により、13.332〜61328.1Pa(0.1−460mmHg)の減圧下、かつ50〜250℃の温度において、水の留出が止まるまで前処理を施し、
前記アルカノールアミン化合物の前記アルカリ前処理生成物と、
一般式(I)で示される脂肪酸:
【化2】
〔但し、式(I)において、R1は5〜21個の炭素原子を有し、無置換の、又は少なくとも1個のヒドロキシル基により置換された、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表す〕と、1〜3個の炭素原子を有するアルキルアルコールとのエステル、或は前記式(I)の脂肪酸のトリグリセライドと、を縮合反応させて、脂肪酸アルカノールアミド化合物を製造することを特徴とするものである。本発明の製造方法における前記アルカリ処理剤による前処理において、前記アルカノールアミン化合物1モルに対して、前記アルカリ処理剤が0.0001〜0.2モル用いられることが好ましい。
前記本発明方法に用いられる一般式(I)の脂肪酸のエステル及びトリグリセライドを、以下「式(I)の脂肪酸のエステル」と記すことにする。
【0011】
本発明方法に用いられるアルカノールアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール及びN−メチル−Dグルカミンから選ばれる。
【0012】
本発明方法における前処理において、アルカノールアミン化合物の前処理に用いられるアルカリ処理剤は、アルカリ金属の水酸化物から選ばれる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化フランシウム等が挙げられるが、入手のしやすさより特に水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましい。
【0013】
本発明方法における前処理は、13.332〜61328.1Pa(0.1〜460mmHg)に減圧して行われ、好ましくは13.332〜39996.6Paである。
【0014】
前処理工程において、アルカノールアミン化合物1モルに対するアルカリ処理剤の添加量は、0.0001モル〜0.2モルであることが好ましく、より好ましくは0.0003モル〜0.1モルである。アルカリ処理剤の添加量がアルカノールアミン化合物1モルに対して0.0001モル未満であると、前処理反応の進行が遅くなり、縮合反応における副生物の生成防止効果が不十分になることがあるので好ましくない。またそれが0.2モルをこえると得られた脂肪酸アルカノールアミド化合物の中和に影響が出るだけではなく、反応生成物の色相も悪くなることがある。
【0015】
アルカリ前処理の加熱処理温度は50〜250℃であり、70〜200℃が好ましく、特に80〜170℃がさらに好ましい。前処理温度が50℃未満ではアルカノールアミン化合物の活性化効果が不十分になり、次の縮合反応が有利に進行せず、発明の効果の発現が不十分になる。またそれが250℃をこえると、アルカノールアミン化合物に着色及び分解等を生ずる。アルカリ前処理時間は、加熱温度により異なるが、通常10分〜30時間であることが好ましい。
【0016】
本発明方法において、アルカリ前処理の反応の終点は、アルカノールアミン化合物とアルカリ処理剤との反応により生成する水の留出が止まったことを確認することにより認定することができる。
【0017】
本発明方法において、縮合反応に用いられる脂肪酸エステルに関して下記に説明する。本発明方法に用いられる脂肪酸エステルは、式(I)で定義される脂肪酸とC1 −C3 アルキルアルコールエステル又はこの脂肪酸のトリグリセライドから選ばれる。式(I)において、R1 はC5 −C21の、無置換又は1個以上のヒドロキシル基で置換された、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を表す。
【0018】
式(I)の脂肪酸のC1 −C3 アルキルエステルは、例えばカプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、12−ヒドロキシステアリン酸メチル、12−ヒドロキシステアリン酸エチル等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
また、式(I)の脂肪酸のトリグリセライドとしては、例えばヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、なたね油等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
アルカリ前処理されたアルカノールアミン化合物と脂肪酸エステルとを縮合反応させる事により目的の脂肪酸アルカノールアミド化合物が得られる。反応に供する前処理されたアルカノールアミン化合物量は、反応完結時間を短くするために、脂肪酸エステルの脂肪酸残基のモル量に対して過剰量であることが好ましい。このため反応仕込みにおいて、脂肪酸エステル;活性化アルカノールアミン化合物のモル比率を1:1〜1:2に設定することが好ましく、特に1:1.001〜1:1.5で行うことがより好ましい。このモル比が1:2をこえても、反応の進行には問題はないが、過剰のアミンを留去するために長時間を要し、コストが高くなるという不利を生ずることがある。逆に脂肪酸エステルをアルカノールアミンとのモル比率1:1より多量に反応に供すると未反応エステル及びそれに派生する脂肪酸類が副生され、製造される脂肪酸アルカノールアミド化合物の純度及び性能が悪化するだけではなく、本発明の効果が十分に発揮されないことがある。上記モル比において、脂肪酸エステルのモル数は、脂肪酸残基(R1 −CO−)のモル数である。
【0021】
上記縮合反応は、無溶媒でも行うことができるが、原料の混合を十分にするために、溶媒を使用することもできる。使用される溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられ、脂肪酸誘導体の重量に対して0.1〜10重量倍用いることが好ましい。
【0022】
本発明方法において、脂肪酸エステルと活性化アルカノールアミン化合物の縮合反応は、空気雰囲気下または不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下のいずれで行われてもよく、常圧、及び減圧下において行うことが可能であるが、脂肪酸アルキルエステル類を脂肪酸エステルとして用いる場合、減圧下において、生成する低級アルコールを留去しながら行うことが好ましい。反応温度は30℃〜150℃であることが好ましく、40℃〜140℃であることがより好ましく、特に45℃〜130℃であることが更に好ましい。反応温度が150℃をこえると、このような高温・アルカリ条件下では、得られた脂肪酸アルカノールアミド化合物の分解が起こることがあるので好ましくない。また、それが30℃未満では、反応が十分に進行しないことがあるので好ましくない。
【0023】
ここで本発明の製造方法の流れを示すと下記の通りである。
【化7】
【0024】
この時副生する脂肪酸アルカノールアミドエステル化合物の量は、アルカリ前処理を行わない縮合反応の場合、1〜3重量%を占めるが、本発明方法による前処理によるとそれは0.1重量%以下に低減する。
また、本発明方法に用いられる脂肪酸エステルの代りに脂肪酸その物を使用したときは、本発明の効果が発現しない事が実験的に確認されている。この現象は、恐らくアルカリ前処理により得られたアルカノールアミン化合物の活性種が脂肪酸による中和反応等で失活し、発明の効果が発現しないものと考えられる。
【0025】
本発明方法により得られた脂肪酸アルカノールアミド化合物は高純度であるのでそのまま使用してもよく、或は、製品の性能、品質などを一層向上させることが必要な場合には、これをカラムクロマトグラフィー、又は蒸留等の常法に従ってさらに精製して使用することもできる。
【0026】
本発明方法により得られた脂肪酸アルカノールアミド化合物を洗浄剤・化粧料等に配合する場合、その配合量には特に限定はないが、通常0.1〜90重量%、特に0.5〜50重量%の配合量で用いられることが好ましい。本発明方法により得られた式(III )の脂肪酸アルカノールアミン化合物を化粧料に配合する場合には、本発明の効果を損ねない範囲で、必要に応じて化粧料成分として、一般的に常用されているその他の界面活性剤、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、増粘剤、パール化剤、酸化防止剤、防腐剤、ふけ防止剤、色素、香料、アニオン性ポリマー、シリコーン誘導体等と配合することができ、またクリーム、化粧水、化粧乳液、口紅、ファンデーション、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、コンディショニングブロー剤等の用途に用いることができる。
【0027】
【実施例】
本発明方法を下記実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0028】
実施例1
ラウリン酸モノエタノールアミド(3a)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、モノエタノールアミン62.91g(1.03mol )と水酸化ナトリウム0.8g(0.01mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。反応系を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、反応系を80℃まで冷却し、この反応系にラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )を減圧下に添加し、この反応系を、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、75〜80℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら、1時間熟成し、反応生成物を薄層クロマトグラフィーにより反応終了確認後、70℃まで冷却したところ、ラウリン酸モノエタノールアミド(3a)が244.5gの収量(収率99.1%)で得られた。
【0029】
実施例2
ラウリン酸ジエタノールアミド(3b)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ジエタノールアミン106.2g(1.01mol )と、水酸化ナトリウム0.4g(0.01mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、これを2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、反応系を60℃まで冷却し、これにラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )を減圧下に添加し、この反応系を2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、65〜70℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら、1時間熟成した。薄層クロマトグラフィーで反応終了確認後、反応系を40℃まで冷却したところ、ラウリン酸ジエタノールアミド(3b)が287.3gの収量(収率99.5%)で得られた。
【0030】
実施例3
ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(3c)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、モノイソプロパンノールアミン78.87g(1.05mol )と、水酸化ナトリウム0.8g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。反応系の温度を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、反応系を60℃まで冷却した。これにラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )を減圧下に添加し、この反応系を2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、75〜80℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら、1時間熟成した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した後、反応生成物を70℃まで冷却したところ、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(3c)が、259.2gの収量(収率99.0%)で得られた。
【0031】
実施例4
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(3d)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量1lの反応容器に、モノエタノールアミン173.2g(1.05mol )と、水酸化ナトリウム2.2g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、60℃まで冷却後、これにヤシ油591.8g(0.90mol )を減圧下に添加し、この反応系を、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、75〜80℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら、1時間熟成した。薄層クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応生成物を70℃まで冷却したところアルカノールアミド(3d)が765.6gの収量(収率99.8%)で得られた。
【0032】
実施例5
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ラウリン酸アミド(3e)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、3−アミノ−1,2−プロパンジオール95.7g(1.05mol )と、水酸化ナトリウム0.8g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、60℃まで冷却後、これにラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )を減圧下に添加し、この反応系を2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、105〜110℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら1時間熟成した。薄層クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応生成物を100℃まで冷却したところ、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ラウリン酸アミド(3e)が277.0gの収量(収率99.4%)で得られた。
【0033】
実施例6
N−メチルラウリン酸グルカミド(3f)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、N−メチル−D−グルカミン205.0g(1.05mol )と、水酸化ナトリウム0.8g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を120〜130℃に昇温し、この温度を1時間保持した。水の留出が完全に止まったことを確認し、110℃まで冷却後、この反応系にラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )を減圧下に添加し、得られた反応系を2666.4〜3999.7Pa(20〜30mmHg)、125〜130℃の条件下、生成するメタノールを留去しながら、1時間熟成した。薄層クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応生成物を120℃まで冷却したところ、N−メチルラウリン酸グルカミド(3f)が386.0gの収量(収率99.5%)で得られた。
【0034】
比較例1
ラウリン酸モノエタノールアミド(3a)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )と、モノエタノールアミン62.91g(1.03mol )と28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。反応系を100〜110℃の温度で、生成するメタノールを留去しながら2時間熟成した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した後、反応生成物を70℃まで冷却したところ、ラウリン酸モノエタノールアミド(3a)が235.4gの収量(収率95.4%)で得られた。
【0035】
比較例2
ラウリン酸ジエタノールアミド(3b)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )と、ジエタノールアミン106.2g(1.01mol )と、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、反応容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。その後反応系を100〜110℃に昇温し、生成するメタノールを留去しながら3時間熟成した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した後、反応生成物を40℃まで冷却したところ、ラウリン酸ジエタノールアミド(3b)が281.0gの収量(収率97.3%)で得られた。
【0036】
比較例3
ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(3c)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )と、モノイソプロパンノールアミン78.87g(1.05mol )と、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、反応容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を100〜110℃に昇温し、生成するメタノールを留去しながら3時間熟成した。薄層クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応生成物を80℃まで冷却したところ、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(3c)が、248.0gの収量(収率94.7%)で得られた。
【0037】
比較例4
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(3d)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量1lの反応容器に、ヤシ油591.8g(0.90mol )と、モノエタノールアミン173.2g(1.05mol )と、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、反応容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。その後反応系の温度を100〜110℃に昇温し、この温度を3時間保持した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した後、反応生成物を70℃まで冷却したところ、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(3d)が738.0gの収量(収率96.2%)で得られた。
【0038】
比較例5
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ラウリン酸アミド(3e)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )と、3−アミノ−1,2−プロパンジオール95.7g(1.05mol )と、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、反応容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。その後反応系を110〜120℃に昇温し、生成するメタノールを留去しながら4時間熟成した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した後、反応生成物を100℃まで冷却したところ、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ラウリン酸アミド(3e)が260.5gの収量(収率93.5%)で得られた。
【0039】
比較例6
N−メチルラウリン酸グルカミド(3f)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置を備えた容量500mlの反応容器に、ラウリン酸メチル214.2g(1.00mol )と、N−メチル−D−グルカミン205.0g(1.05mol )と、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液3.9g(0.02mol )とを仕込み、容器内を窒素置換後、47995.9Pa(360mmHg)に減圧した。その後反応系を130〜140℃に昇温し、生成するメタノールを留去しながら5時間熟成した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認後、反応生成物を120℃まで冷却したところ、N−メチルラウリン酸グルカミド(3f)が357.3gの収量(収率92.1%)で得られた。
【0040】
試験
(1)アミドエステル化合物の定量
実施例1〜6及び比較例1〜6の脂肪酸アルカノールアミド化合物の収率及び副生成物として生成したアミドエステル化合物の含有量をガスクロマトグラフィーにより定量した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1において本発明方法におけるアルカリ処理剤による前処理によって、目的化合物の収率が向上し、副生成物(アミドエステル化合物)の生成量が、著しく低下することが確認された。
【0043】
(2)アルカノールアミド化合物の色相・においの経時変化
実施例1〜6及び比較例1〜6の製品を50℃及び−5℃に1ケ月間保存した、50℃保存品の色相・においを−5℃保存品と比較した。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2により、本発明方法により製造された脂肪酸アルカノールアミン化合物が、その色相及びにおいにおいて、その経時安定性が著しく改善されていることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明の脂肪酸アルカノールアミド型界面活性化合物の製造方法は、洗浄剤助剤、化粧品基剤、潤滑剤などとして広い用途を有し、経時的安定性の高い脂肪酸アルカノールアミド化合物を簡便な工程で、かつ高純度、高収率で製造することができ、きわめて高い実用性を有するものである。
Claims (2)
- モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール及びN−メチル−D−グルカミンから選ばれたアルカノールアミン化合物に対して、アルカリ金属の水酸化物の1種以上からなるアルカリ処理剤により、13.332〜61328.1Pa(0.1−460mmHg)の減圧下、かつ50〜250℃の温度において、水の留出が止まるまで前処理を施し、
前記アルカノールアミン化合物の前記アルカリ前処理生成物と、
一般式(I)で示される脂肪酸:
〔但し、式(I)において、R1は5〜21個の炭素原子を有し、無置換の、又は少なくとも1個のヒドロキシル基により置換された、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表す〕と、1〜3個の炭素原子を有するアルキルアルコールとのエステル、或は前記式(I)の脂肪酸のトリグリセライドと、を縮合反応させて、脂肪酸アルカノールアミド化合物を製造することを特徴とする、脂肪酸アルカノールアミド化合物の製造方法。 - 前記アルカリ処理剤による前処理において、前記アルカノールアミン化合物1モルに対して、前記アルカリ処理剤が0.0001〜0.2モル用いられる、請求項1に記載の製造方法。
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