JP4522005B2 - 光硬化性組成物および光学用樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規プロペニルエーテル化合物を主成分として含有する光硬化性組成物、及び、それから得られる光学用樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは成形が容易なこと、軽いことなどの特徴を生かし、光学製品に広く用いられている。なかでも眼鏡レンズとして用いられる透明プラスチックは耐熱性、耐薬品性が要求されるため,ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のプラスチックが使用されている。
また、これらのプラスチックレンズ成形時には、紫外線吸収剤が用いられており、光硬化による樹脂成形が困難であるため、ラジカル熱重合が可能なメタクリレート基又はアクリレート基含有の単量体を併用して熱重合したプレスチックなどが実用化されている。
【0003】
また、特開平3−236386号公報、特開平12−8801号公報等ではチオウレタンを主成分とする樹脂組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラジカル重合性の低いアリル基を官能基として有する単量体を光学歪みなく注型重合するためには、多量のラジカル重合開始剤を必要とし、かつ数十時間の長時間を要し、生産性に問題があった。
また、光学歪なく重合するためには、均一にかつ十分に重合を行う必要があり、組成物の対流の抑制もしくは、長時間重合をしなければいけないという問題があった。
【0005】
また、特開平3−236386号特公報、特開平12−8801号公報等のチオウレタンを主成分とする樹脂組成物は、硬化後高屈折率を有する樹脂が得られるものの、配合物(硬化前)の安定性が悪いため、取り扱いが困難であるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は分子内に下記式(1)で示されるプロペニルエーテル基および硫黄原子含有基を有する、2,5−ジプロペニルエーテル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(プロペニルエーテル)−1,4ベンゼンジチオール、2,5−ビス(プロペニルエーテルエチル)−1,4−ジチアン、および2,3−ビス(メルカプトメチル)−1−プロペニルエーテルベンゼンから選ばれる化合物(A)、光カチオン重合開始剤(B)、並びに紫外線吸収剤(C)からなることを特徴とする光硬化性組成物;並びに該組成物を光重合してなる光学用樹脂である。なお、上記以外の化合物(A)を用いるものは参考発明である。
CH3−CH=CH−O− (1)
【0007】
【発明の実施の形態】
(A)中の硫黄原子含有基としてはスルフィド基、ジスルフィド基およびメルカプト基の群から選ばれる1種以上の基が挙げられる。
【0008】
(A)としては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
Q(−O−CH=CH−CH3 )n (2)
上記一般式(2)中、nは1または2の整数であり、好ましくは2である。Qは硫黄原子含有基を有した水酸基含有化合物から水酸基を除いた残基である。
【0009】
該水酸基含有化合物としては以下の化合物が挙げられる。
モノ水酸基含有化合物として、4−メルカプトフェノール、2,4−ジメルカプトフェノール、1,3,5−トリメルカプトフェノール、2,3−ビス(メルカプトメチル)−1−ヒドロキシベンゼン、1−メチル−2,3−ジメルカプトフェノール、1,2−ジメルカプトメチルベンジルアルコール、1,3−ジメルカプトメチルベンジルアルコール、3−ヒドロキシ−1,2−ジチオラン、2−ヒドロキシ−1,3−ジチオラン、2−ヒドロキシ−1,4−ジチアン、2,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキノール、2,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキノール、1−(2−メルカプトエチルチオ)−2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロパン、4−ヒドロキシ−8−チオメチル−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、3−メチロール−1,2−ジチオール、2−エチロール−1,3−ジチオール、ペンタエリストールテトラキスメルカプトプロパノール、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジチオラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジチオラン等が挙げられる。
ジ水酸基含有化合物として、2,5−ジヒドロキシ−ベンゼンジチオール、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジチアン、2,5−ビス(ヒドロキシチオエチル)−1,4−ジチアン、2,2−ジヒドロキシ−1,3−プロパンジチオール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジチアン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド等が挙げられる。
【0010】
本発明における光カチオン重合開始剤(B)としては、公知の光カチオン重合開始剤が使用できる。例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムホスフェート(以下TPSPと略す)、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(以下PPSAと略す)、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート、ジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。これらは市販品を用いてもよく、例えば、旭電化社製「SP−150」および「SP−170」;チバ・ガイギー社製「イルガキュアー261」;ユニオンカーバイド社製「UVR−6974」、「UVR−6990」;サートマー社製「CD−1012」等が挙げられる。
【0011】
本発明において、上記光カチオン重合開始剤(B)としては、オニウム塩を使用することが好ましい。また、上記オニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩のうち少なくとも1種を使用することが好ましい。
【0012】
本発明において、上記化合物(A):上記光カチオン重合開始剤(B)の使用割合は、重合開始効果および経済性の観点から通常、重量比で95:5〜99.9:0.01、好ましくは96:4〜98:2である。
【0013】
さらに含有することができる(C)としては、公知の紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、サリチル酸系{フェニルサリシレート、p-tert-ブチルフェニルサリシレート、p-オクチルフェニルサリシレート}、ベンゾフェノン系{2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(以下DHBPと略す)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキソベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン}、ベンゾトリアゾール系[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール]、シアノアクリレート系[2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート]などが挙げられる。これらは市販品を使用してもよく、例えば、住友化学製「スミソーブ-90」、「スミソーブ-100」、「スミソーブ-130」;Dow Chemical社製「TBS」;ACC社製「Cyasorb UV-9」、「Cyasorb UV-531」、「Cyasorb UV-24」、「Cyasorb UV-284」などが挙げられる。
【0014】
(A)に対する(C)の使用割合は、重量比で好ましくは(A):(C)=100:0.01〜90:10さらに好ましくは99.9:0.1〜90:10である。(C)の比率が0.01以上であれば眼鏡用レンズとして使用した場合に、人体に悪影響となる紫外線を十分遮断する事ができ、10以下であれば経済的である。
【0015】
本発明の光硬化性組成物においては、粘度を調整する目的で、更に、下記一般式(3)で表される反応性希釈剤(D)を含有することができる。
CH3 −CH=CH−O−R1 −O−R2 (3)
【0016】
上記一般式(3)中、R1 は、HO−R1 −OHで表されるアルキレンジオール、アリーレンジオール、重量平均分子量106〜3000のポリエーテルジオール又はポリエステルジオールから水酸基を除いた残基である。R2 は、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基又は水素原子である。
【0017】
上記HO−R1 −OHで表されるアルキレンジオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。アリーレンジオールの例としては、カテコール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビスフェノールA等が挙げられる。ポリエーテルジオールの例としては、ポリ(重合度2〜70)オキシエチレンジオール、ポリ(重合度2〜50)オキシプロピレンジオール、ポリ(重合度2〜40)オキシテトラメチレンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(付加モル数1〜30)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(付加モル数1〜30)等が挙げられる。ポリエステルジオールの例としては、ポリ(重合度3〜100)エチレンアジペートジオール、ポリ(重合度3〜80)ブチレンイソフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。こられのうち好ましくは、ポリオキシエチレンジオール及びポリオキシプロピレンジオールである。
【0018】
上記一般式(3)中の上記R2 の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、1−フェニチル基、2−フェニチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基等のアラルキル基;エチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ノニルフェニル基などのアルキルアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0019】
反応性希釈剤(D)の重量平均分子量は、光カチオン重合開始剤(B)の溶解性の観点から、分子量3000以下であることが好ましい。
【0020】
(D)の配合量は、硬化速度の観点から、上記化合物(A)と上記光カチオン重合開始剤(B)との合計量に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0021】
本発明の光硬化性組成物においては、必要に応じて、更に、ラジカル重合性のビニル系化合物(E)及び光ラジカル重合開始剤(F)を含有することができる。
【0022】
上記ラジカル重合性のビニル系化合物(E)としては、以下の公知のラジカル重合性のビニル系化合物が使用できる。
【0023】
非イオン性ビニル単量体;
(e1)アミド基含有ビニル単量体[非置換もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミド]、
(e2)ヒドロキシル基含有ビニル単量体[ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート、モノ−またはジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール、炭素数4〜12のアルケンジオール、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル]、
(e3)ポリオキシアルキレン鎖含有ビニル単量体[ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、もしくはポリオキシアルキレンポリオール、またはそれらのアルキル(炭素数1〜6)エーテルの(メタ)アクリレート]、
(e4)エポキシ基含有ビニル単量体、
(e5)ハロゲン含有ビニル単量体、
(e6)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類[炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル、炭素数1〜12のアルキル、アリールもしくはアルコキシアルキルのビニルエーテル、および炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン]、
(e7)不飽和カルボン酸のエステル[不飽和モノカルボン酸の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、このうち炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなど、および不飽和ジカルボン酸の炭素数1〜8のアルキルジエステル]、
(e8)脂肪族炭化水素系ビニル単量体[オレフィン系単量体、例えば、炭素数2〜20のアルケン、および炭素数4〜12のアルカジエン]、
(e9)脂環式炭化水素系ビニル単量体[炭素数6〜20のもの、例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、およびエチリデンビシクロヘプテンなど]、
(e10)芳香族炭化水素系ビニル単量体[炭素数8〜20のスチレン系単量体、ならびにナフタレン系単量体例えば2−ビニルナフタレンなど]
(e11)ニトリル基またはニトロ基含有ビニル単量体[(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、および4−ニトロスチレン]などが挙げられる。
【0024】
イオン性ビニル単量体;
(e12)アニオン性ビニル単量体[カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、燐酸基もしくはそれらの1価金属塩基を有するビニル単量体など]、カチオン性ビニル単量体[1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、もしくは含窒素複素環含有ビニル系単量体、およびこれらの塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸塩 ]などが挙げられる。
【0025】
(E)の配合量は、(A)100重量部に対し、0〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜50重量部である。
【0026】
光ラジカル重合開始剤(F)としては、公知の光ラジカル重合開始剤が使用できる。例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系;2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタール等のアントラキノン系等が挙げられる。
【0027】
(F)の配合量は、(A)、(B)および(E)との合計量に対して、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは2〜5重量%である。
【0028】
本発明の光硬化性組成物には、更に必要に応じて、有機溶剤類(例えば、トルエン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、アニソール等)、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等)、有機または無機顔料、着色剤(例えば、粉体状着色剤、顆粒状着色剤、潤性粉末状着色剤、液状着色剤)、染料(例えば、分散染料、カチオン染料、塩基性染料、酸性染料等)、その他、酸化防止剤、可塑材、紫外線安定剤、帯電防止剤、等各種添加剤を添加することができる。
【0029】
本発明の光硬化性組成物は、各成分を、例えば、混合溶解することにより得ることができる。また、本発明の光硬化性組成物は、常法により紫外線又は電子線を照射することにより容易に硬化させて硬化物を得ることができる。紫外線照射装置としては特に限定されず、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。電子線照射装置としては特に限定されず、例えば、走査型照射装置(日新電機社製)、カーテン型照射装置(岩崎電機社製)等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。部はいずれも重量部を表す。また、合成例および比較合成例での生成物はいずれもH1−NMR、C13−NMRにより目的の構造のものであることを確認した。
【0031】
合成例1;
2,5−ジプロペニルエーテル−1,4−ジチアン(以下PMDと略す)の合成:
環流冷却管、温度計、滴下ロート、撹拌装置を備えたガラス製反応槽に2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチアン156.2g(0.75モル)を仕込み、KOH42.1g、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド4.84g、トルエン40gを投入し、塩化アリル114.8g(1.5モル)を80℃で1時間かけて徐々に滴下し、5時間熟成した。その後、水を200g加えて過剰のアルカリと生成した塩とを水洗して分液除去した。50℃、100mmHgの圧力下で有機層から未反応の塩化アリルとトルエンとを除いた後、生成物をガラス製ナスフラスコに仕込み、触媒としてカリウム−t−ブトキシドを25.9g、溶媒としてジメチルスルホキシド50gを添加し90℃で15分加熱(転位反応)した。その後、水を200g加えて過剰のアルカリを水洗して分液除去した。水洗された生成物から、80℃、10mmHgの減圧下で、含有するジメチルスルホキシドを除去し、反応生成物PMDを240.5g得た。
【0032】
合成例2;
2,5−ビス(プロペニルエーテル)−1,4ベンゼンジチオール(以下PBDと略す)の合成:
合成例1における2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチアンの代わりに、2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチオール231.3g(0.75モル)を用いた以外は合成例1と同様にして反応生成物PBDを303.5g得た。
【0033】
合成例3;
2,5−ビス(プロペニルエーテルエチル)−1,4−ジチアン(以下PSDと略す)の合成:
合成例1における2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチアンの代わりに、2,5−ビス(ヒドロキシエチル)−1,4−ジチアン180.2g(0.75モル)を使用した以外は合成例1と同様にして反応生成物PSDを259.5g得た。
【0034】
合成例4;
2,3−ビス(メルカプトメチル)−1−プロペニルエーテルベンゼン(以下MPBと略す)の合成:
合成例1と同様の反応槽に、2,3−ビス(メルカプトメチル)フェノール279.3g(1.5モル)を仕込み、KOH84.2g、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド4.84g、トルエン50gを投入し、塩化アリル114.8g(1.5モル)を80℃で1時間かけて徐々に滴下し、7時間熟成した。その後、水を200g加えて過剰のアルカリと生成した塩とを水洗して分液除去した。50℃、100mmHgの圧力下で有機層から未反応の塩化アリルとトルエンとを除いた後、生成物をガラス製ナスフラスコに仕込み、触媒としてカリウム−t−ブトキシドを25.9g、反応溶媒としてジメチルスルホキシド50gを添加し90℃で20分加熱(転位反応)した。その後、合成例1と同様にして精製し、反応生成物を371.1g得た。
【0035】
比較合成例1;
1,4−ジプロペニルエーテルシクロヘキサン(以下PMCと略す)の合成:
合成例1における2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチアン156.2g(0.75モル)の代わりに、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン87g(0.75モル)を用いた以外は合成例1と同様にして反応生成物PMCを得た。
【0036】
比較合成例2;
2,5−ジアクリロイルオキシ−1,4−ジチアン(以下AMDと略す)の合成:
温度計、滴下ロート、環流冷却器付きの懸垂管、撹拌装置を備えたガラス製反応槽に、2,5−ジヒドロキシ−1,4ベンゼンジチアン156.2g(0.75モル)を仕込み、p−トルエンスルホン酸10g、トルエン140gを投入し、アクリル酸144g(2.0モル)を100℃で2時間かけて徐々に滴下しながら、反応生成水を除去し、10時間エステル化反応した。冷却後、10%の苛性ソーダ水溶液200gを加えて過剰のアクリル酸と触媒とを水洗して分液除去した。80℃、50mmHgの減圧下で残存するアクリル酸とトルエンとを除いて、濾過をした。反応生成物AMDを240.5g得た。
【0037】
実施例1〜6および比較例1〜3;
表1に示す配合組成に従って各成分を混合、溶解して本発明の光硬化性組成物を得た。この組成物を鏡面仕上げした径100mmの2枚の平面ガラス内部の厚み5mmになるように挟み合わせた鋳型内に注入した。その後、鋳型に紫外線照射(80W/cmの高圧水銀ランプ1灯使用)を、鋳型からの距離10cm、照射強度160mW/cm2の条件で行い硬化を完了させた(但し、比較例3は30分後でも硬化しなかった)。硬化完了は樹脂表面がタックフリーとなった時点とした。鋳型にて硬化したプラスチック平板を脱型し、これらの屈折率、外観について以下のとおり評価を行った。得られた結果を表1に示す。屈折率は25℃でアッベ屈折率計を用い測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から、本発明の光硬化性組成物は、硬化時間が短く、また屈折率も高い、さらに紫外線吸収剤を添加しても硬化させることが可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明の光硬化性組成物は、従来の光硬化性組成物よりも速硬化性を有するため生産性が高い。また、紫外線吸収剤を多量に添加しても硬化が可能である。
さらに、酸素による重合阻害がないので、良好な表面硬化性を有している。
また、その光硬化物は、無色透明で1.6以上の高屈折率を有しており光学的性質に優れ、さらに変形しにくく、黄変しにくく、耐候性にも優れている。 また、プロペニルエーテル基と硫黄原子含有基の間の骨格の構造を変化させることにより、さらにはプロペニルエーテル基の数とポリマー側鎖の構造との最適化により、硬化性組成物の流動特性及び硬化物の物性を広い範囲で調節することが可能である。また、主鎖にポリエステル構造を有する場合には、金属との密着性に優れた硬化物を得ることができる。
Claims (5)
- 分子内に下記式(1)で示されるプロペニルエーテル基および硫黄原子含有基を有する、2,5−ジプロペニルエーテル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(プロペニルエーテル)−1,4ベンゼンジチオール、2,5−ビス(プロペニルエーテルエチル)−1,4−ジチアン、および2,3−ビス(メルカプトメチル)−1−プロペニルエーテルベンゼンから選ばれる化合物(A)、光カチオン重合開始剤(B)、並びに紫外線吸収剤(C)からなることを特徴とする光硬化性組成物。
CH3−CH=CH−O− (1) - (C)の添加量が(A)に対して0.01〜10重量%である請求項1記載の光硬化性組成物。
- 光重合して光学用樹脂として使用される請求項1または2記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか記載の光硬化性組成物を光重合してなる光学用樹脂。
- 樹脂がプラスチックレンズである請求項4記載の光学用樹脂。
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