JP4528458B2 - 移植機の苗搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜等の苗を圃場に対して移植する作業を行う移植機の構成に関するものであって、より詳しくは、苗を圃場に植え付ける機能を果たす植付部に備える苗搬送装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図9に示すように、野菜等のポット苗5・5・・・を圃場Gに対して移植する作業を行う移植機の植付部15の構成においては、碁盤目状にポット孔を形成した苗トレイ6から、平行リンク機構81を備えた苗取機構80により、苗トレイ6の一列分のポット苗5・5・・・を、機体進行方向に対する左右方向の位置関係を保ったままにして、後方に備えた苗搬送装置14に受け継ぎ、該苗搬送装置14より所定の位置までポット苗5・5・・・を搬送し、苗搬送装置14の端から一つずつ植付爪50に受け継ぐ構成としたものがある。
このような構成においては、ポット苗5・5・・・は、苗取機構80から開放(放出)された後、苗搬送装置14へ向けて自由落下をして、図において反時計回りに送られている(動いている)無端搬送体22の上に受け継がれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成においては、水平方向に送られている(動いている)無端搬送体22の上に、水平方向に速度を持たない垂直落下するポット苗5・5・・・が載置されることから、受け継ぎの際(載置される瞬間)の両者の間の相対速度による接触面の摩擦により、ポット苗5・5・・・を所定の間隔に保ったまま無端搬送体22に受け継ぐことが困難であった。
この所定の間隔にばらつきがあると、下流行程である植付爪50への受け継ぎのタイミングに影響を与え、不均一な株間・欠株や不十分な植付といった不具合を生じさせてしまう。
本発明は、以上の問題点に鑑み、ポット苗の無端搬送体への受け継ぎにおいて、相対速度がない状態での受け継ぎを可能とする技術を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
すなわち、請求項1に記載のごとく、植付爪にポット苗を搬送する移植機の苗搬送装置であって、無端搬送体と、該無端搬送体の両側に配置する従動搬送回転体と、該従動搬送回転体の間に配置する駆動回転体と、該駆動回転体の駆動手段と、無端搬送体の一側周囲を覆って下側搬送面へポット苗をガイドするガイド枠と、これらを水平移動させる水平移動手段と、前記下側搬送面の下方に配置する固定板と、から構成し、前記無端搬送体の送り速度は、前記水平移動手段による水平移動速度の2倍としたことである。
【0005】
また、請求項2に記載のごとく、前記水平移動手段は左右の往復運動させるとともに、該水平移動手段の水平移動距離は、一列分のポット苗の幅の1/4倍としたことである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明を乗用移植機において実施した例を示す側面図、図2は移植部の構成の詳細図、図3は苗取機構及び苗搬送装置の後面図、図4は苗取機構の駆動構成の実施例を示す側面図、図5は苗搬送装置の駆動構成の実施例を示す側面図、図6は従動搬送回転体を右側に移動させる場合の無端搬送体の挙動を示す図、図7は従動搬送回転体を左側に移動させる場合の無端搬送体の挙動を示す図、図8は苗搬送装置へのポット苗の受け継ぎの1サイクルを時系列で示した図、図9は従来の苗搬送装置の構成を示す後面図である。
【0007】
図1は、乗用移植機の走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して、本発明の掲げる植付部15を配置した実施例を示している。
該走行部1は、上面にエンジンを覆うボンネット9、操縦ハンドル4及び操縦座席8を備えた車体フレーム2と、この車体フレーム2の前部を支持する左右一対の前輪16と、前記車体フレーム2の後部を支持する左右一対の後輪17とによって構成されている。
前記ボンネット9の両側には予備苗載台30が配設されており、該予備苗載台30には、ポット苗を移植する前の苗トレイや、移植後に空となった苗トレイを置くことができるようにしている。
【0008】
また、植付部15の植付ミッションケース20が昇降リンク機構27に連結され、走行部1に対して昇降可能に構成している。
該植付ミッションケース20の上方に、苗トレイを下方に向けて間欠的に搬送する苗載台11を設置し、該苗載台11の後方斜め下方に、苗搬送装置14を搬送方向が機体進行方向に対して直角(左右方向)を成すように設置されている。
更に、該苗搬送装置14の後方斜め下方には、植付ミッションケース20から後方に延設した伝導パイプ55に備えるロータリ植付機構21が設置されている。
尚、以上では、乗用型の作業機に、本発明に掲げる移植機を適用した実施例を述べたが、本実施例に限るものではなく、歩行型の移植機に適用しても良いものとする。さらに、植付部15においては、ロータリ植付機構21に限るものではなく、ホッパ型の植付爪であっても良い。
【0009】
次に、植付部15の詳細について、以下に説明する。
図2及び図3に示すごとく、碁盤状目にポット苗5・5・・・を収納した可撓性の合成樹脂等で構成した苗トレイ6が、ポットのピッチ間隔ずつ下向きに間欠的に移送されるように構成されている。
機体進行方向における左右一列分のポット苗5・5・・・は、苗装填機構12により一斉に苗トレイ6から押し出され、苗取機構13に装填(苗ホルダ33)され、機体進行方向に対し左右方向に備えた苗搬送装置14へ載せられる。そして、図1に示すごとく、ロータリ植付機構21の植付爪50に受け継がれて植え付けられる。
以下、苗装填機構12、苗取機構13、そして苗搬送装置14といった順に、ポット苗5・5・・・を植え付ける工程に従って説明する。
【0010】
苗装填機構12は、苗トレイ6の搬送軌跡における折り返し点、即ち、機体後方への移送から、機体前方への移送へと変わる点に備えられた、押出しピン7・7・・・等から構成している。
該押出しピン7・7・・・は、側面視において苗トレイ6の搬送軌跡の内側でその長さを苗トレイ6の横幅方向と略同じとする押出軸58から、苗トレイ6の一列分のポット苗5・5・・・を突き当てるように突設されている。そして、前記押出軸58の両端部(機体進行方向に対して左右端部)を、連結アーム56を介してのクランク57の回転でガイド53内を摺動させることで、側面視において押出しピン7・7・・・が左右方向の運動をするようにしている。
こうして、苗トレイ6の一列分のポット苗5・5・・・が、押出しピン7・7・・・により、その根鉢を押されるようにして、苗取機構13の苗ホルダ33に装填される。
【0011】
苗取機構13は、苗トレイ6と苗搬送装置14との間を平衡状態を保ったまま揺動運動する苗ホルダ33等から構成している。
該苗ホルダ33は、苗トレイ6の幅全体を、上から跨ぐように配置され、平行リンク機構により、その姿勢を保ったまま、苗トレイ6と苗搬送装置14の間を往復揺動する。この苗ホルダ33には、平面視略「C」形であって、ポット苗5・5・・・の一列分の数と同数の貫通溝が構成され、該貫通溝にポット苗5・5・・・が装填される。
また、該貫通溝の「C」形の開口側は、苗トレイ6側としている。これは、ポット苗5・5・・・を迎えに行く際に、苗トレイ6の上に位置するポット苗5・5・・・の葉に干渉しないようにするためである。
【0012】
苗ホルダ33を往復揺動させる駆動の構成は、例えば、図5に示す構成とする。即ち、図示せぬ駆動手段からの駆動によりギア34を回転させ、ギア34の回転軸にクランクアーム35を固定し、該クランクアーム35の先端に連結アーム37を介して平行リンクアーム36aと枢結させ、クランクアーム35を回転させることにより、平行リンクアーム36a・36bを往復揺動させることで行われる構成である。
【0013】
また、この苗ホルダ33の往復揺動は、苗トレイ6の間欠移送、押出しピン7・7・・・の運動と連動して行われる。
即ち、苗ホルダ33は、苗トレイ6が一ピッチ分間欠移送しされた後のタイミングで、ポット苗5・5・・・を迎えに行き、その揺動運動における苗トレイ6側の死点の位置となると同時に、押出しピン7・7・・・が押し出され、ポット苗5・5・・・が装填されるようにしている。
【0014】
次に、ポット苗5・5・・・が装填された苗ホルダ33は、苗搬送装置14側へ移動する。そして、苗ホルダ33からのポット苗5・5・・・の開放は、苗ホルダ33の揺動運動における苗搬送装置14側の死点となる位置に、前記植付ミッションケース20から延出したブラケット52より開放凸部38・38・・・を複数突設し、該開放凸部38・38・・・を、苗ホルダ33の貫通溝に挿嵌させることで行われる。即ち、苗ホルダ33が該開放凸部38・38・・・を通過するときに一列分のポット苗5・5・・・の根鉢底部を支持して一斉に押し出すようにし、ポット苗5・5・・・を苗ホルダ33から開放するのである。
こうして、苗ホルダ33から開放されたポット苗5・5・・・は、苗搬送装置14の搬送面へ向けて自由落下を始める。
【0015】
次に、苗搬送装置14の構成について、図3及び図6を用いて説明する。尚、以下で用いる左右方向及び上下方向とは、機体進行方向に対しての左右方向、及び、機体上下方向を上下方向として説明する。
該苗搬送装置14は、左右に配する二つの従動搬送回転体L・Rにて無端体である無端搬送体22が巻回され、一方の従動搬送回転体Rにて緊張されている。前記従動搬送回転体L・Rの間に、該無端搬送体22の内周面に設けた歯に噛合する駆動回転体Mが配置されている。
【0016】
前記無端搬送体22は、内周面に多数の歯を所定間隔をあけて突出された無端体の搬送用ベルトであって、外周の搬送面には複数の突起K・K・・・が、苗トレイ6におけるポット苗5・5・・・の左右方向の間隔(苗ホルダ33におけるポット苗5・5・・・の間隔)と同一間隔に配置され、ポット苗5・5・・・の一定間隔を保ったまま搬送でいきるように突出されている。
尚、以下の説明において、該無端搬送体22の搬送面のうち、上側に位置する搬送面を「上側搬送面」と、下側に位置する搬送面を「下側搬送面」とする。
【0017】
従動搬送回転体L・Rは、無駆動の回転ローラであって、お互いの回転軸間距離及び水平を保ったままにして、左右方向に往復運動が行われる。
該往復運動をさせる構成は、図4に示すごとくである。即ち、モータ61によりレール62に沿って左右方向に往復移動する水平移動手段60に、従動搬送回転体Lの軸ホルダ63を固設し、該軸ホルダ63と、従動搬送回転体Rの軸ホルダ64を連結棒65・66により連結する。そして、連結軸66を、ガイドレール67内で摺動させる構成とし、軸ホルダ63・64の距離及び水平を保ったままでの左右方向の往復運動をさせる。
このようにして、軸ホルダ63・64に枢支される従動搬送回転体L・Rがお互いの回転軸間距離及び水平を保ったままに往復運動をする。
【0018】
駆動回転体Mは、従動搬送回転体L・Rの略中心の位置に配置され、無端搬送体22の内周面から歯部に噛合し、図面(図3)上において、無端搬送体22を反時計回りに一定の速度で送っている。ここで、駆動回転体Mと歯部との噛合は、無端搬送体22の下側搬送面の内側の一点にて行われ、無端搬送体22の上側搬送面の内側には噛合しない構成としている。この下側搬送面側での噛合が、後述する無端搬送体22とポット苗の相対速度のない状態での受け継ぎを可能とする。尚、具体的な、無端搬送体22の挙動については後述する。
また、駆動回転体Mは、図4に示すごとく、回転軸の2点を固定軸受け71・71に枢支されるとともに、一端にプーリー73を備え、該プーリー73と、機体本体側からの伝導軸75端に備えるプーリー72との間を伝導ベルトを巻くことで、駆動される構成としている。
【0019】
また、従動搬送回転体L側の苗搬送装置14の端部には、従動搬送回転体Lとともに往復運動をする後面視において半円形とする板状のガイド枠41が備えられ、無端搬送体22の上側面のポット苗5・5・・・を、ガイド枠41の従動搬送回転体L側に沿わせて折り返し、下方に位置する固定板28の上に案内する。尚、該ガイド枠41は、図4に示すように、軸ホルダ63に固設することにより、従動搬送回転体L・Rの水平移動とともに移動するようにしている。
該固定板28は、左右方向の往復運動をしない固定部材であって、ガイド枠41より折り返されたポット苗5・5・・・を、無端搬送体22の下側に位置する搬送面とともに、その駆動回転体M側の端部である植付爪50への受け継ぎ位置まで案内している。
【0020】
以上のごとく構成した苗搬送装置14の従動搬送回転体L・Rの移動による無端搬送体22の上側搬送面と下側搬送面の具体的な挙動について、従動搬送回転体L・Rを右側に移動させる場合(図6)と、左側に移動させる場合(図7)に分けて説明する。
図6と図7において、Pはポット苗の所定間隔である前記突起K・K・・・のピッチ(1間隔)、V1は駆動回転体Mによる無端搬送体22の送り速度、V2は従動搬送回転体L・Rの往復運動の移動速度を示している。
そして、以上の単位時間T、ピッチP、送り速度V1、移動速度V2は以下の関係としている。
【0021】
【数1】
【0022】
ここで、各関係式について述べると、関係式▲1▼は、単位時間Tあたりに、駆動回転体Mにより、無端搬送体22が1ピッチPだけ送られることを示している。
関係式▲2▼は、移動速度V2は、送り速度V1の半分であることを示している。関係式1と関連づけると、単位時間Tあたりに、従動搬送回転体L・Rは、1ピッチPの半分だけ移動することを示している。
【0023】
(1)従動搬送回転体L・Rを右側に移動させる場合
図6は、単位時間Tにおける苗搬送装置14の挙動を示したものである。
搬送状態SAから搬送状態SBに至るまで、従動搬送回転体L・Rは、単位時間Tの間、右側へ1ピッチPの半分である半ピッチPaだけ、移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに1ピッチP(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、1ピッチPだけ左方向へ送られようとする。
しかし、この1ピッチ1Pのベルトの送りのうち、1ピッチPの半分である半ピッチPaは、従動搬送回転体Rの半ピッチPaの右方向への移動による下側搬送面から上側搬送面へのベルトの送りの吸収により相殺される。もう半ピッチPaは、従動搬送回転体Lの右方向への移動により上側搬送面から下側搬送面へのベルトの送りがないことにより相殺される。
このようにして、搬送状態SAにおける突起K1の駆動回転体Mに対する位置関係は、搬送状態SBに至るまで維持される。
即ち、上側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化はない。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、1ピッチPだけ右方向へ送られる。
ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、1ピッチ1Pとなる。
この下側搬送面の1ピッチPの位置変化により、ポット苗A1が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継げられる。
【0024】
(2)従動搬送回転体L・Rを右側に移動させる場合
図7は、単位時間Tにおける苗搬送装置14の挙動を示したものである。
搬送状態SCから搬送状態SDに至るまで、従動搬送回転体L・Rは、単位時間Tの間、左側へ1ピッチPの半分である半ピッチPaだけ、移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに1ピッチP(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、1ピッチPだけ左方向へ送られようとする。
ここで、従動搬送回転体Rの1ピッチPの半分である半ピッチPaの左方向への移動により、下側搬送面から上側搬送面への半ピッチPaのベルトの送りが行われる。また、従動搬送回転体Lの左方向への移動により上側搬送面が半ピッチPaだけ送られる。この従動搬送回転体L・Rの移動により、合わせて1ピッチPの左方向へ上側搬送面が送られる。
こうして、突起K1は、駆動回転体Mによる1ピッチ1Pと、従動搬送回転体L・Rによる1ピッチPとの合計2ピッチPの駆動回転体Mに対する移動をすることになる。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、1ピッチPだけ右方向へ送られる。
ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、1ピッチPとなる。
また、この下側搬送面の1ピッチPの位置変化により、ポット苗A1が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継げられる。
【0025】
次に、苗搬送装置14へのポット苗5・5・・・の受け継ぎにおいて、従動搬送回転体L・Rを移動させる構成について、一列分のポット苗の受け継ぎを例にとって説明する。
図7は、一列分のポット苗B1乃至B8を受け継ぐ際の苗搬送装置14の搬送状態を、単位時間Tを二倍した時間2T毎の時系列(時間0から時間8Tまで)で示したものである。
また、図において、Pはポット苗の所定間隔である前記突起K・K・・・のピッチ(1間隔)、V1は駆動回転体Mによる無端搬送体22の送り速度、V2は従動搬送回転体L・Rの往復運動の移動速度を示している。
【0026】
(1)搬送状態S1からS2まで
搬送状態S1から搬送状態S2に至るまで、従動搬送回転体L・Rは、時間2Tの間、右側へ移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに2ピッチ2P(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、2ピッチ2Pだけ左方向へ送られようとする。
しかし、この2ピッチ2Pのベルトの送りのうち、1ピッチPは、従動搬送回転体Rの1ピッチPの右方向への移動による下側搬送面から上側搬送面へのベルトの送りの吸収により相殺される。もう1ピッチPは、従動搬送回転体Lの右方向への移動により上側搬送面から下側搬送面へのベルトの送りがないことにより相殺される。
このようにして、搬送状態S1における突起K1の駆動回転体Mに対する位置関係は、搬送状態S2に至るまで維持される。
即ち、上側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化はない。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、2ピッチ2Pだけ右方向へ送られる。ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、2ピッチ2Pとなる。
この下側搬送面の2ピッチ2Pの位置変化により、ポット苗A1・A2が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継げられる。
【0027】
(2)搬送状態S2からS3まで
搬送状態S2から搬送状態S3に至るまで、従動搬送回転体L・Rは、単位時間Tの間、右側へ移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに2ピッチ2P(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、2ピッチ2Pだけ左方向へ送られようとする。
しかし、この2ピッチ2Pのベルトの送りのうち、1ピッチPは、従動搬送回転体Rの1ピッチPの右方向への移動による下側搬送面から上側搬送面へのベルトの送りの吸収により相殺される。もう1ピッチPは、従動搬送回転体Lの右方向への移動により上側搬送面から下側搬送面へのベルトの送りがないことにより相殺される。
このようにして、搬送状態S2における突起K1の駆動回転体Mに対する位置関係は、搬送状態S3に至るまで維持される。
即ち、上側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化はない。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、2ピッチ2Pだけ右方向へ送られる。ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、2ピッチ2Pとなる。
また、この下側搬送面の2ピッチ2Pの位置変化により、ポット苗A3・A4が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継げられる。
【0028】
〔ポット苗の受け継ぎについて〕
上述したごとく、上側搬送面においては、搬送状態S1から搬送状態S3まで、左右方向の位置が変化しない。言い換えれば、上側搬送面は停止状態となっており、この停止状態の上側搬送面に、ポット苗B1乃至B8を載置するのである。
こうして、停止した状態の上側搬送面に載置するので、各ポット苗B1・B2・・・と、上側搬送面との間の相対速度はなくなり、ポット苗B1・B2・・・の間隔がずれることなく、植付爪に対する受け継ぎのタイミングが一定となり、受け継ぎの失敗や、欠株といった不具合が生じることはない。
さらに、ポット苗が上側搬送面に接触する際に、上側搬送面より水平方向の力を受けることがないので、根鉢の崩壊を防ぐことができる。
【0029】
(3)搬送状態S3からS4まで
搬送状態S3から搬送状態S4に至るまで、従動搬送回転体L・Rは、単位時間Tの間、左側へ移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに2ピッチ2P(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、2ピッチ2Pだけ左方向へ送られようとする。
ここで、従動搬送回転体Rの1ピッチPの左方向への移動による下側搬送面から上側搬送面への1ピッチPのベルトの送りが行われる。また、従動搬送回転体Lの左方向への移動により上側搬送面が1ピッチPだけ送られる。この従動搬送回転体L・Rの移動により、合わせて2ピッチ2Pの左方向へ上側搬送面が送られる。
こうして、突起K1は、駆動回転体Mによる2ピッチ2Pと、従動搬送回転体L・Rによる2ピッチ2Pとの合計4ピッチPの駆動回転体Mに対する移動をすることになる。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、2ピッチ2Pだけ右方向へ送られる。ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、2ピッチ2Pとなる。
また、この下側搬送面の2ピッチ2Pの位置変化により、ポット苗A5・A6が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継げられる。
【0030】
(4)搬送状態S4からS5まで
搬送状態S4から搬送状態S5に至るまで、従動搬送回転体L・Rは、単位時間Tの間、左側へ移動速度V2にて移動される。この間、無端搬送体22は、駆動回転体Mにより、反時計回りに2ピッチ2P(関係式▲1▼)だけ送られる。
〔上側搬送面〕
上側搬送面の突起K1の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K1は、駆動回転体Mにより、2ピッチ2Pだけ左方向へ送られようとする。
ここで、従動搬送回転体Rの1ピッチPの左方向への移動による下側搬送面から上側搬送面への1ピッチPのベルトの送りが行われる。また、従動搬送回転体Lの左方向への移動により上側搬送面が1ピッチPだけ送られる。この従動搬送回転体L・Rの移動により、合わせて2ピッチ2Pの左方向へ上側搬送面が送られる。
こうして、突起K1は、駆動回転体Mによる2ピッチ2Pと、従動搬送回転体L・Rによる2ピッチ2Pとの合計4ピッチPの駆動回転体Mに対する移動をすることになる。
〔下側搬送面〕
下側搬送面の突起K2の挙動を、位置固定された駆動回転体Mとの位置関係を例にとって説明する。
突起K2は、駆動回転体Mの搬送により、2ピッチ2Pだけ右方向へ送られる。ここで、上述したごとく、上側搬送面は従動搬送回転体L・Rの移動により影響を受けるが、下側搬送面は、その内側にて駆動回転体Mと噛合し、従動搬送回転体L・Rの影響を受けることがない。
こうして、下側搬送面の、駆動回転体Mに対しての左右方向の位置変化は、2ピッチ2Pとなる。
また、この下側搬送面の2ピッチ2Pの位置変化により、ポット苗A7・A8が固定板28の端部から植付爪(図示しない)に受け継がれる。
【0031】
以上のようにして、搬送状態S1におけるポット苗A1・A2・・・が、搬送状態S5においてポット苗B1・B2・・・と入れ替わっている。即ち、搬送状態S1からS4までを受け継ぎにおける従動搬送回転体L・Rの往復の1サイクルとして、搬送状態S5を、搬送状態S1と同じ状態(搬送状態の1サイクルの開始状態に戻る)とし、次のポット苗5・5・・・の受け継ぎに備えるようになっている。
この1サイクルにおける水平移動手段の水平移動距離は、受け継がれる一列分のポット苗の幅の1/4倍に対応させており、この対応が、搬送状態S1から搬送状態S5の状態となること(元に戻ること)を可能としている。
例えば、図5においては、一列を8個のポット苗としていることから、従動搬送回転体L・Rは、「8」個のポット苗の幅の1/4である「2」個分(2ピッチP)の水平移動距離、即ち、左右方向の移動範囲を2ピッチPとすることで、一列分のポット苗を植付爪に受け継いだ後に、新たな一列分のポット苗の苗搬送コンベアへの受け継ぎを可能としているのである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1のごとく、植付爪にポット苗を搬送する移植機の苗搬送装置であって、無端搬送体と、該無端搬送体の両側に配置する従動搬送回転体と、該従動搬送回転体の間に配置する駆動回転体と、該駆動回転体の駆動手段と、無端搬送体の一側周囲を覆って下側搬送面へポット苗をガイドするガイド枠と、これらを水平移動させる水平移動手段と、前記下側搬送面の下方に配置する固定板と、から構成し、前記無端搬送体の送り速度は、前記水平移動手段による水平移動速度の2倍としたので、各ポット苗の受け継ぎ前の間隔を保ったままの受け継ぎが可能となる。そして、植付爪に対する受け継ぎのタイミングが一定となり、受け継ぎの失敗や、欠株といった不具合が生じることはない。
さらに、ポット苗が上側搬送面に接触する際に、上側搬送面より水平方向の力を受けることがないので、根鉢の崩壊を防ぐことができる。
【0033】
また、請求項2に記載のごとく、前記水平移動手段は左右の往復運動させるとともに、該水平移動手段の水平移動距離は、一列分のポット苗の幅の1/4倍としたので、1往復運動を1サイクルとして、一列分のポット苗を植付爪に受け継いだ後に、新たな一列分のポット苗の苗搬送コンベアへの受け継ぎに備えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を乗用移植機において実施した例を示す側面図である。
【図2】移植部の構成の詳細図である。
【図3】苗取機構及び苗搬送装置の後面図である。
【図4】苗取機構の駆動構成の実施例を示す側面図である。
【図5】苗搬送装置の駆動構成の実施例を示す側面図である。
【図6】従動搬送回転体を右側に移動させる場合の無端搬送体の挙動を示す図である。
【図7】従動搬送回転体を左側に移動させる場合の無端搬送体の挙動を示す図である。
【図8】苗搬送装置へのポット苗の受け継ぎの1サイクルを時系列で示した図である。
【図9】従来の苗搬送装置の構成を示す後面図である。
【符号の説明】
5 ポット苗
14 苗搬送装置
22 無端搬送体
L 従動搬送回転体
R 従動搬送回転体
M 駆動回転体
Claims (2)
- 植付爪にポット苗を搬送する移植機の苗搬送装置であって、無端搬送体と、該無端搬送体の両側に配置する従動搬送回転体と、該従動搬送回転体の間に配置する駆動回転体と、該駆動回転体の駆動手段と、無端搬送体の一側周囲を覆って下側搬送面へポット苗をガイドするガイド枠と、これらを水平移動させる水平移動手段と、前記下側搬送面の下方に配置する固定板と、から構成し、前記無端搬送体の送り速度は、前記水平移動手段による水平移動速度の2倍とした移植機の苗搬送装置。
- 前記水平移動手段は左右の往復運動させるとともに、該水平移動手段の水平移動距離は、一列分のポット苗の幅の1/4倍とした請求項1に記載の移植機の苗搬送装置。
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