JP4676591B2 - 硬化性組成物および硬化性導電性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性組成物および硬化性導電性組成物に関する。さらに詳しくは、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒、アミンを主成分とする硬化性組成物、また、前記成分にアセチレンアルコールを必須成分として含有させてなる硬化性導電性組成物、さらに、前記成分に導電性付与物質を必須成分として含有させてなる硬化性導電性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルケニル基含有有機化合物、ヒドロシリル基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒による付加型硬化性組成物は、すでに特許公開され公知である(特開平3−188166、特開平3−294320等)。しかしながら、主成分が重合体である場合は、粘度が必ずしも低くなく、その作業性、加工性等について改善する必要があった。
【0003】
上記組成物の粘度を低くするために、従来、主成分に比して粘度の低い可塑剤等により希釈する方法が一般的に用いられてきた。しかし、この方法においては、多量の可塑剤等の添加による硬化物の物性等の信頼性の低下が懸念されていた。
【0004】
一方、これら重合体は、温度が上昇するにつれて粘度が下がっていく性質を持っており、重合体を主成分とする組成物を常温より高い温度で扱うことができれば、物性等の信頼性の低下を招くことなく、良好な作業性を確保することができる。しかし、室温よりも高い温度で硬化性組成物を扱うとすぐにゲル化してしまい、すなわち、室温以上での貯蔵安定性は極めて悪いものであった。
【0005】
また、主成分が重合体ではなく低分子量化合物である場合においても、化合物の軟化温度が高い場合や反応性が低い場合等、高い温度で取り扱う必要がある場合があり、同様に貯蔵安定性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、組成物を室温よりも高い温度で扱うことが可能となる、高温での貯蔵安定性に優れる硬化性組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物と、ヒドロシリル基を有する化合物及びヒドロシリル化触媒といった成分からなる硬化性材料において、貯蔵安定性改良剤としてアミンを添加することで、室温よりも高い温度での貯蔵安定性に優れる組成物が得られることを見出し、また、さらにアセチレンアルコールを添加することでより貯蔵安定性に優れる組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)アミン
からなる硬化性組成物に関するものであり、また、前記硬化性組成物に(E)成分としてアセチレンアルコールを必須成分として含有させてなる硬化性組成物に関するものである。
【0009】
さらに、本発明は、上記(A)〜(E)成分に、(F)成分として導電性付与物質を必須成分として含有させてなる硬化性導電性組成物に関するものである。
【0010】
本発明において、硬化性組成物を流動させるとは、例えば硬化性組成物を混合、撹拌、吐出すること、または型枠等に注入および/またはプレス等により圧縮して硬化性組成物の形状を変化させることあるいは接着させること等をいう。なお本発明では、30℃以上100℃未満の硬化性組成物を単に硬化させる場合は、硬化性組成物を流動させるとはいわない。すなわち、30℃未満の硬化性組成物を用いて製品をシールした後、これを30℃以上100℃未満の温度で加熱硬化させる場合は、硬化性組成物を流動させるとはいわない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる(A)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物である。
【0012】
ここで、アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。本発明における(A)成分は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物であることが望ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
【0013】
本発明に用いる(A)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する、イソブチレン系重合体であってもよい。ここでいうイソブチレン系重合体とは、重合体の骨格をなす単量体単位が主としてイソブチレン単位からなるものを意味する。この場合、単量体のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体の好ましくは50%(重量%、以下同様)以下さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の範囲で含有していても良い。但し、これら重合体骨格において、耐湿性、耐候性、耐熱性の観点から、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない、該アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素から構成されることが特に好ましい。また、本発明中(A)成分として用いるイソブチレン系重合体には、本発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のごとき重合後2重結合が残るような単位単量体を少量、好ましくは10%以下の範囲で含有させても良い。
【0014】
このようなイソブチレン系重合体の主鎖骨格をなす共重合成分の具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0015】
また、本発明に用いる(A)成分はポリオキシアルキレン系重合体であってもよい。ここでいうオキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。
【0016】
上記のようなオキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0017】
前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)、
H2C=C(R1)−CH2− (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましいが、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
【0018】
本発明の(A)成分である有機化合物は、単独で使用してもよく、または、2種を併用してもよい。
【0019】
本発明の(B)成分であるヒドロシリル基を有する化合物としては、分子内に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するものであれば、制限はない。ここで、ヒドロシリル基とは、Si−H結合を有する基を表わすが、本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。
【0020】
(B)成分としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
【0021】
【化2】
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0022】
【化3】
などで示されるものが挙げられる。
【0023】
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分や(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。また、分散性助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
(A)成分、(C)成分、(D)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものを具体的に示すと、
【0024】
【化4】
などが挙げられる。
【0025】
また、本発明における(B)成分の使用量としては、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。上記(A)成分のアルケニル基総量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8に満たない場合、架橋が不十分となることがある。また、5.0を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には1.0〜2.0当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。
【0026】
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金ービニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
【0027】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10-2〜10-6molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1モル以上用いない方がよい。
【0028】
本発明の(D)成分および(E)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物を主成分とする硬化性組成物について、室温よりも高い温度での保存安定性を改良するための成分である。
【0029】
本発明の組成物に用いる(D)成分であるアミン化合物は、分子中に少なくとも1個以上の窒素原子を含む化合物であれば特に制限はないが、(C)成分のヒドロシリル化触媒の活性を下げないという点から、特に、分子内に窒素−水素結合を含まないアミン化合物が好ましく、また、貯蔵安定性を高めるという点から、分子内に2個の窒素原子を含有するアミン化合物が好ましい。
【0030】
(D)成分であるアミン化合物は、以下の構造を有するものであることが好ましい。
【0031】
【化5】
なお、式中のR1〜R4としては、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基が、R5としては、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、又は炭素数1〜24の芳香環を有する炭化水素基(ただし芳香環以外の不飽和基を含まないもの)が好ましい。
【0032】
好ましい(D)成分の具体例としては、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン、2,2’−ビピリジン等が挙げられる。これらの中でも、、N、N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンがより好ましい。
【0033】
(D)成分の使用量としては特に制限はないが、(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して、1〜50モル当量の範囲で用いることが好ましい。使用量が多すぎると(C)成分のヒドロシリル化触媒の活性を落とし、また、少なすぎると貯蔵安定性が下がる。 (D)成分のアミン化合物は単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0034】
また、本発明の組成物に用いる(E)成分のアセチレンアルコールは、分子内にアセチレン結合を有する不飽和アルコールであり、例えば
【0035】
【化6】
で示される構造を有するものである。特に、これらアセチレンアルコール類においては、R1あるいはR2のかさ高さが貯蔵安定性に大きく関与しており、R1あるいはR2がかさ高いものが高温での貯蔵安定性に優れることから好ましい。しかし、かさ高いものになりすぎると、貯蔵安定性には優れるものの、硬化性が悪くなるという欠点があり、貯蔵安定性と硬化性のバランスのとれたアセチレンアルコールを選ぶことが重要である。R1あるいはR2は同一でも異なっていてもよいが、通常、水素原子又は炭素数1〜25の炭化水素基であるが、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であることが好ましい。貯蔵安定性と硬化性のバランスのとれたアセチレンアルコールの例としては、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール等があげられる。
【0036】
(E)成分の使用量としては、(A)成分および(B)成分に均一に分散する限りにおいては、ほぼ任意に選ぶことができるが、(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して、2〜10000モル当量の範囲で用いることが好ましい。
【0037】
(E)成分のアセチレンアルコールは単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0038】
本発明の組成物に用いる(F)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機化合物を主成分とする硬化性組成物から得られる硬化物に導電性を付与するための成分である。
【0039】
(F)成分である導電性付与物質としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤といった化合物などがあげられる。
【0040】
本発明における(F)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はないが、導電性の抵抗領域が105Ωcm〜1013Ωcmとなるように添加することが好ましい。(F)成分の添加量は、(A)成分の重合体100重量部に対し0.1〜200重量部、さらには1〜100重量部用いることが好ましい。添加量が少なすぎると、得られる導電性材料の導電性にバラツキが出やすくなり、また、添加量が多くなりすぎると組成物の流動性が損なわれ、加工性の低下を招くことになる。
【0042】
また、用いる導電性付与物質の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与物質のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
【0043】
また、本発明の硬化性組成物には、粘度や硬度を調整する目的で軟化剤、又は可塑剤を添加してもよい。軟化剤、又は可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、0.01〜150重量部が好ましい。150重量部以上添加すると、ブリード等の問題を生じる可能性がある。
【0044】
また、本発明の硬化性組成物には、各種充填剤、導電性付与物質などの各種機能性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤、シリコン化合物を適宜添加してよい。前記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、カーボンブラック、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらの充填剤の中では、特にシリカ微粉末、とりわけ粒子径が50〜70nm(BET比表面積が50〜380m2/g)程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処理を施した疎水性シリカが、強度を好ましい方向に改善する働きが大きいので特に好ましい。
【0045】
本発明においては、ヒドロシリル化触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬化性組成物が硬化するので、硬化速度が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合である。特に、熱硬化させる温度は、100℃〜200℃の範囲内が好ましく、100℃〜180℃の範囲内がより好ましい。100℃より低い温度では、組成物が貯蔵安定性に優れているため、硬化反応はほとんど進行しないが、100℃程度以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化物を得ることができる。
【0046】
本発明による硬化性組成物は、比較的高温でも貯蔵安定性に優れることから、組成物をより低い粘度で扱うことが可能となり、高温での液状射出成形等に好適である。
【0047】
本発明において、硬化性組成物を流動させる際には、30℃以上200℃未満の温度で行うのが好ましいが、30℃以上100℃未満の温度で行うのがより好ましく、40℃以上80℃未満の温度で流動させることがさらに好ましい。
【0048】
また、本発明においては、硬化性組成物を30℃以上200℃未満の温度で、より好ましくは30℃以上100℃未満の温度で流動させるとともに、さらに30℃以上で流動させながら硬化反応をおこなうことができる。すなわち本発明の硬化性組成物を、射出成形(RIM、LIM等)用樹脂として用いることも可能である。
【0049】
【実施例】
以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(A)成分としては、分子量5400のアリル末端ポリイソブチレン(化合物A)を使用し、(A)成分100重量部に対し、可塑剤PW−380(出光興産製)30重量部、酸化防止剤としてMARK AO−50(アデカアーガス化学(株))を1重量部加えて、手混ぜ混練した。この際、酸化防止剤を溶解させるため70℃程度に加温した。ついで、この混合物に(B)成分として下記に構造を示す化合物B
【0050】
【化7】
を(A)成分100重量部に対し9.3重量部混合した。更に、(C)成分としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(Ptビニルシロキサン錯体)(17.9×10-5mmol/μl、キシレン溶液)を白金が(A)成分のアルケニル基量のモル数に対して5×10-4当量となるように、(D)成分としてN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンを白金に対して5モル当量となるように、及び(E)成分として、1−エチニル−1−シクロヘキサノールを白金に対し50モル当量となるように、それぞれ秤量し、均一混合した。このようにして得られた硬化性組成物を50℃のオーブン内に保管し、各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。また、同時に各経過時間において、150℃でのスナップアップタイムを計測した。配合表および評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
(実施例2)実施例1における(D)成分のN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンの配合量を白金に対して10当量に代えて、同様の操作および評価を行った。配合表および評価結果を表1に示す。
(実施例3)実施例1における(D)成分のN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンの配合量を白金に対して20当量に代えて、同様の操作および評価を行った。配合表および評価結果を表1に示す。
(比較例1)実施例2における(D)成分を添加せず、同様に操作および評価を行った。配合表および評価結果を表1に示す。
(比較例2)実施例2における(E)成分を添加せず、同様に操作および評価を行った。配合表および評価結果を表1に示す。
【0052】
表1より、アセチレンアルコールのみの使用では貯蔵安定性が十分に得られないが、本発明における硬化性組成物は高温での貯蔵安定性に優れ、かつ、時間の経過による硬化遅延を起こさないことが明らかである。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、高温での貯蔵安定性に優れる硬化性組成物を提供することができ、高温でのハンドリングが可能となるため、多量の希釈剤等を用いることなく作業性を確保することができる。
Claims (6)
- 下記の成分(A)〜(E)
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するイソブチレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)下記構造式
を有するアミン
(E)アセチレンアルコール
を必須成分としてなる硬化性組成物であって、
(B)成分の使用量は、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となる量であり、
(C)成分の使用量は、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−8モルであり、
(D)成分の使用量は、(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して、1〜50モル当量であり、
(E)成分の使用量は、(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して、2〜10000モル当量である硬化性組成物。 - (A)成分の重合体中、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が分子末端に含有されてなる請求項1に記載の硬化性組成物。
- (A)成分の重合体中、イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- (B)成分の分子中にヒドロシリル基を有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (E)成分のアセチレンアルコールが、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールのうちから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (D)成分がN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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