JP4737838B2 - 防爆型破砕機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、使用済みの各種機器からそれを構成する各種部材を回収する装置と方法に関するものであり、更に詳しくは、回転するハンマーを備えた特定空間内に可燃性微粉末および可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を投入して分別処理に供するための破砕方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用済み各種機器は、それを構成する部材の再利用を目的として各素材別の構成単位にまで破砕を行った後、リサイクルが可能なように素材別に分別を行う。このとき、各種機器を有効に分別が可能な大きさにまで破砕を行う上で有効な方法として、特定の閉塞空間内に回転するハンマーを備えた破砕装置を用いる方法がある。この方法によれば、投入された使用済み機器は回転するハンマーで連続して打たれて部材の結合部が破壊され、さらに破壊された部材同士の衝突も加味されて一層の素材単位の大きさにまで破砕されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の破砕方法によれば、断熱材の発泡剤であるシクロペンタンや冷却用圧縮機の冷媒であるブタンなどのような可燃物である炭化水素、複写機に用いられているトナーなどの可燃性の微粉末を含んだ各種機器を上述した破砕装置内に投入すれば、例えば、断熱材を構成する気泡の内部にあるシクロペンタンが飛散して装置内に蓄積して空気との混合によって爆発範囲内の濃度に到達し、更に鉄などの金属同士が衝突した際に発する火花が着火源となって爆発を引き起こす、という問題点があった。
【0004】
例えば特開平9−87415号公報には、廃棄物から発泡ガスを液化回収する方法及び装置が記載され、シクロペンタンの有無を検知し、検出されたならば雰囲気を不活性ガス雰囲気として処理を行う点が開示されている。しかし、シクロペンタン等の可燃性気体の濃度値を検出して、この濃度値に基づいて、燃焼または爆発に至る限界量に至る前に不燃性気体を注入する技術については、何も記載されていない。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、特に破砕装置に可燃性の気体や微粉末を含んだ各種機器を投入して破砕しても、爆発や燃焼などを来すことなしに安全に処理できる機器の防爆式破砕方法及び防爆型破砕機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る機器の防爆型破砕機は、可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する側部壁面に前記可燃性微粉末または可燃性気体の濃度値を感知する濃度計を収納し、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する複数の凸状物がハンマーの回転方向に対して前方の辺が傾斜して設けられ、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたものである。
【0007】
また、この発明に係る機器の防爆型破砕機は、可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記凸状物に不燃性気体の噴出口を設け、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたものである。
【0008】
また、この発明に係る機器の防爆型破砕機は、可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記凸状物に不燃性気体の噴出口を設け、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する複数の凸状物がハンマーの回転方向に対して前方の辺が傾斜して設けられ、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1乃至3は実施の形態1を示す図で、図1は防爆型破砕機の平面図、図2は防爆型破砕機の縦断面図、図3は破砕処理の流れを示す図である。
図に示すように、直径が2mの円筒形を成して上部に開口部を有する空間内に、中心部に位置しモータ14で駆動される回転軸1の中心から一辺が20cmで80cmの長さである鋼製の軸2の先端部に15cmの厚さで直径が30cmの鋼製の打撃部3を保持して、毎分に100〜1200回転の速度で回転するハンマー4を有する。ハンマー4の回転方向と直交する方向に一辺が10cmで80cmの長辺を有する凸状物5を、ハンマー4との間に15cmの空隙を設けて、上部位置が傾斜して空間を形成する壁面部6に設けてなる破砕機である。
【0010】
さらに、粉塵および可燃性気体の各々の濃度を測定する濃度計7がハンマー4の回転方向に対して凸状物5の裏側側部に相当する位置に設けられている。これら濃度計7は微粉末および可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器が特定空間8内で破砕された時に飛散して燃焼または爆発に限界量に至る前の任意の濃度を感知するものである。
【0011】
凸状物5はハンマー4の回転方向に対して前方の辺が傾斜しているため部材の破砕片が衝突して中心方向に跳ね返すので、ハンマー4との衝突回数を増して破砕の効率を上げることができる。
【0012】
また、濃度計7を凸状物5の間隙、特に下部の位置に設置すれば、各部材の破砕片が衝突するのを抑止できるので、破損防止に有効である。
【0013】
使用済みで廃棄された機器であって低温貯蔵装置である冷蔵庫9のうち、シクロペンタンを用いて発泡した発泡ウレタンを断熱材に用いたものを上述した回転するハンマー4を備えた破砕装置に投入すれば、前記破砕装置の特定空間8内で断熱箱体を構成する薄板鋼板の外箱とABS樹脂シートの真空成形品である内箱の間隙にある断熱材である発泡ウレタン、さらに外箱や内箱に接着やビス止めされた内装材であるポリスチレンの各種射出成型品の結合部が破壊されて破砕されると共に、破砕された部材も一層に粉砕される。このとき、冷蔵庫の断熱材である発泡ウレタンからはそれを構成するセルが破壊されて内部にある発泡剤であるシクロペンタンが放出される。
【0014】
このシクロペンタンは1.4〜9.8vol%の濃度範囲で急激に燃焼、つまり爆発を招く特性があるので、これを濃度計7で感知した濃度値に基づいて爆発に至る限界量に至る前に不燃性気体である窒素ガスを前記破砕装置の窒素ガス噴出口11から空間内に注入するとともに、その注入の勢いによって軽量物である発泡ウレタンの粉砕物とともに上方の軽量物排出口10を通じて排出する。
【0015】
具体的には、図3に示すように爆発の下限値である1.4vol%の1/5である0.28vol%に到達した段階で窒素ガスの注入を指示する信号を発するように設定すれば、爆発濃度範囲に至るまでに窒素ガスの注入を達成できるので一層の安全化が確保できる。
【0016】
このとき、不燃性気体として炭酸ガスを注入しても同様の効果が得られる他、水蒸気を含んで用いれば、破砕された樹脂成型品の破砕品がこすれた際に発生する静電気の蓄積を抑制することができるので、たとえシクロペンタンの濃度が爆発範囲内に至っても、前記静電気の放電による着火の機会を減少して、爆発を抑止できるという効果が得られる。
【0017】
上述の実施の形態では、可燃性気体としてシクロペンタンを例に挙げて説明したが、シクロペンタンに限らず、ブタン等の他の不燃性気体にも適用できることは言うまでもない。
また、可燃性微粉末についても同様である。
【0018】
実施の形態2.
実施の形態1と同様の破砕機であり、空間を形成する壁面の同位置にシクロペンタン等の濃度計7を設置し、さらに凸状物5のハンマー4の回転に対して裏側にあってハンマー4が回転する外周位置に相対する壁面に窒素ガス噴出口11を設け、さらに窒素ガスの排出口はハンマー4の回転外周位置から上方向100cmの位置にある軽量物排出口10から排出するように構成されている。
【0019】
冷蔵庫9の投入直後は、窒素ガス噴出口11から圧縮空気が噴出しており、内箱および外箱から破砕により分別された断熱材である発泡ウレタンの破砕粉とともに破壊したセルから飛散したシクロペンタンも排出されて、爆発濃度範囲の下限値に到達するのを抑制している。
【0020】
しかしながら、大型冷蔵庫や処理量が増加するとシクロペンタンの排出量も増加して破砕機内部に滞留することとなる。このとき、シクロペンタンの濃度計が前記可燃性発泡剤が爆発範囲内濃度の下限値に対して1/5の濃度である0.28vol%を危険値として設定しており、これに到達したことを濃度計7が感知すれば、窒素ガスを噴出、場合によっては圧縮空気の噴出を停止して空気濃度を低下させて危険を回避する。
【0021】
このとき、図3に示すように冷蔵庫9の投入は警報と共に停止させたり、場合によってはハンマーの回転速度を低下させて破砕機内部の撹拌を行うと共に破砕を停止するようにすれば、一層の危険回避に効果がある。
【0022】
また、特定空間8を形成する壁面が、ハンマー4の上部にあって軽量物排出口10の下部、具体的にはハンマー4の50cmから70cmの高さ位置になるに従って内径を中心方向に傾斜した面、具体的には直径が2mから1.2mに収縮する構造を備えることによって、上述した窒素の噴出に伴う破砕片が滞留する位置での空気との置換を効率よく行うことができる。
【0023】
また、窒素ガス噴出口11が破砕機内部の壁面に設けた凸状物5の側部にあって、ハンマー4の回転に対して裏側に相当する位置に設けることによって、破砕物が衝突して破壊されるのを防止できる。
【0024】
上述の実施の形態では、窒素ガス噴出口11を凸状物5の側部にあって、ハンマー4の回転に対して裏側に相当する位置に設けたものを示したが、図2に示すように空気又は不燃性気体噴出口12に設けてもよい。
【0025】
参考の形態.
図4は参考の形態を示す図で、防爆型破砕機の縦断面図である。空間を形成する壁面に凸状物5を、ハンマー4の回転方向に対して裏側にあってハンマー4が回転位置と相対する位置にシクロペンタンの濃度計7を設置した実施の形態1と同態様の破砕機であり、さらに不燃性気体である窒素ガス噴出口11を円筒形を成す破砕機内部壁面の上方向、具体的には1.5mの位置から注入するように設定しているとともに、ハンマー4の回転する下または外周にある壁面に軽量物排出口10及び重量物排出口13を設けて破砕物を排出させる構造を有している。
【0026】
冷蔵庫9の投入直後は、前記窒素ガス噴出口11から圧縮空気が噴出しており、内箱および外箱から破砕により分別された断熱材である発泡ウレタンの破砕粉とともに破壊したセルから飛散したシクロペンタンも排出されて、爆発濃度範囲の下限値に到達するのを抑制している。
【0027】
また、このときに冷蔵庫9の投入口を開閉用蓋16で閉塞すれば、窒素の置換が容易で効率よく行うことができるので好ましい。
【0028】
このとき、上述の軽量物排出口10が任意間隙を有して、具体的には10〜100mmの任意の幅を有する格子から成ることを特徴としており、これによって過度に大きな粒子が外部に排出されるのを防止している。この軽量物排出口10は円筒外周部からわずかに突き出した位置に設ければ、粒子が滞留して格子を目詰まりさせることが無い。
【0029】
また、この軽量物排出口10は比重の違いに基づく空気浮遊の差異を応用した選別機に直結して成るので、注入した空気や窒素ガスを無駄にすること無しに効率よく活用できる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、可燃性微粉末および可燃性気体を濃度計で感知した濃度値に基づいて、燃焼または爆発に至る限界量に至る前に不燃性気体を特定空間内に注入して可燃性微粉末および可燃性気体を排出して限界量以内を維持して安全状態を確保するので、破砕装置に可燃性の気体や微粉末を含んだ各種機器を投入して破砕しても、爆発や燃焼などを来すことなしに安全に処理できる機器の防爆式破砕方法及び防爆型破砕機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1,2を示す図で、防爆型破砕機の平面図である。
【図2】 実施の形態1,2を示す図で、防爆型破砕機の縦断面図である。
【図3】 実施の形態1,2を示す図で、破砕処理の流れを示す図である。
【図4】 参考の形態を示す図で、防爆型破砕機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸、2 軸、3 打撃部、4 ハンマー、5 凸状物、6 壁面部、7 濃度計、8 特定空間、9 冷蔵庫、10 軽量物排出口、12 空気又は不燃性気体噴出口、13 重量物排出口、14 モータ、15 回転方向に対して前方の辺、16 開閉蓋。
Claims (3)
- 可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する側部壁面に前記可燃性微粉末または可燃性気体の濃度値を感知する濃度計を収納し、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する複数の凸状物がハンマーの回転方向に対して前方の辺が傾斜して設けられ、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたことを特徴とする防爆型破砕機。
- 可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記凸状物に不燃性気体の噴出口を設け、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたことを特徴とする防爆型破砕機。
- 可燃性微粉末または可燃性気体を含む部材を用いた使用済み各種機器を特定空間内で回転するハンマーを用いて破砕する防爆型破砕機において、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する凸状物を特定空間内を形成する壁面部に設け、前記凸状物に不燃性気体の噴出口を設け、ハンマーの回転方向と直交する方向に長辺を有する複数の凸状物がハンマーの回転方向に対して前方の辺が傾斜して設けられ、不燃性気体の噴出口が、ハンマーの回転方向に対して裏側に相当する凸状物の側部に設けられたことを特徴とする防爆型破砕機。
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