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本発明は、検体中の基質成分量を測定することによって定量分析できるバイオセンサに関する。
従来から、検体の血糖値等を測定するバイオセンサが案出されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。このバイオセンサによれば、供給口から導入された血液等に反応部が反応した時の作用電極及び対向電極間の電流値を測定することによって、血糖値等を測定できる。
特公平08−01208号公報 国際公開第2004/017057号パンフレット
バイオセンサによる血糖値等の測定時には、バイオセンサが計測表示器のセンサ取り付け開口部に挿入されることとなるが、バイオセンサは消耗品であるため、測定後には、計測表示器から取り外されて、廃棄処分される。
ここで、測定後にバイオセンサを計測表示器から取り外す作業は、人の手によってバイオセンサを把持しながら行われていたため、バイオセンサに付着した血液から感染症に罹患する恐れがあり、バイオセンサの取り外し作業は、手袋をして行う等、細心の注意を払って行われていた。
また、近年の技術開発によって小型化が進んだバイオセンサでは、バイオセンサに付着した血液等が手に付着する危険性が一段と高まったのに加え、バイオセンサの計測表示器への取り付けや取り外しといった作業性、取扱性も悪化している。特に、高齢者や指先での細かい作業を苦手とする人にとっては、小型のバイオセンサを計測表示器に取り付ける作業や、手に血液等が付着することなくバイオセンサを取り外す作業は、困難を極める。
そこで本願発明者は、上記の問題点に鑑み、計測表示器への取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができ、また、取り外し作業の際には、バイオセンサに付着した血液等が手に付着し難いバイオセンサを提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
即ち、本発明のバイオセンサは、計測表示器に取り付けられて検体中の基質成分量を測定するバイオセンサであって、
絶縁体から成る基板と、絶縁体から成り、前記基板から延出して一体に形成され、支持基板縁部を有する支持基板と、絶縁体から成り、前記基板及び支持基板から延出して一体に形成された把持基板と、を備え、
前記基板、該基板上に設けられた作用電極、該作用電極と一定間隔を空けて設けられた対向電極、該作用電極及び該対向電極上に設けられた反応部、及び検体を該反応部まで導入する供給口、を備えるセンサ部と、前記支持基板、該支持基板上に、前記作用電極から延設された支持部側作用電極、及び該支持部側作用電極と一定間隔を空けて、前記対向電極から延設された支持部側対向電極、を備える支持部と、前記把持基板、を備え、把持される把持部と、を含んで構成され、
前記センサ部は、前記支持部から突出した状態で配設され、前記把持部は、前記支持部から前記センサ部の突出方向に該センサ部を囲う状態で配設され、基質成分量を測定するために、前記支持部と前記把持部との境界部において前記把持部を折り曲げた際に、前記供給口が前記支持部から突出し、該把持部を把持して前記計測表示器から取り外すために、折り曲げていた該把持部を元の状態に戻した際に、該供給口を含むセンサ部が該把持部で囲われることを特徴とする。
本発明のバイオセンサによると、検体中の基質成分量の測定時には、把持部が備える把持基板を支持基板側へ折り曲げることによって、センサ部が備える供給口が、支持部から突出した状態となるため、支持基板及び把持基板が測定作業の妨げとなることはなく、供給口への血液等の点着を容易に行い得る。一方、測定後は、供給口を含むセンサ部が把持部で囲われるため、バイオセンサを計測表示器から取り外す際、センサ部に付着した血液等の手への付着を防止し得る。従って、バイオセンサに付着した血液から感染症に罹患することを予防できる。
また、本発明のバイオセンサは、その構造上、容易に血液等の手への付着、感染症の予防等が図られるため、医療現場等における測定作業の効率化、バイオセンサの取扱性向上等も図られる。
更に、本発明のバイオセンサは、小型のセンサ部が支持部と一体を成し、且つ支持部と把持部が一体を成した状態で構成されているため、バイオセンサの計測表示器への取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができ、特に高齢者や指先での細かい作業を苦手とする人等にとって、取扱性や測定作業の作業性等を向上することができる。
また更に、本発明のバイオセンサにおいて、センサ部を横断する位置に境界部を設け、この境界部で把持部を折り曲げることによって、把持部を所定の位置で容易、且つ確実に折り曲げることができるため、基質成分量の測定時、供給口を支持部から容易、且つ確実に突出させることができる。
以下、本発明のバイオセンサの実施形態について、図面に基づき説明する。図1(a)及び(b)に示した本実施の形態に係るバイオセンサ10は、検体中の基質成分量を測定するバイオセンサであって、センサ部12、支持部14及び把持部15を含んで構成されている。
センサ部12は、絶縁体から成る基板16、基板16上に設けられた作用電極18、基板16上に、作用電極18と一定間隔を空けて設けられた対向電極20、作用電極18及び対向電極20上に設けられた反応部22、及び血液や尿等の検体を反応部22まで導入する供給口24、を備えており、反応部22が供給口24から導入された検体に反応することにより、検体中の基質成分量(例えば、血糖値等。)を測定することができる。
支持部14は、絶縁体から成り、且つセンサ部12における基板16と一体を成す支持基板28、支持基板28上に、センサ部12における作用電極18から支持基板28の縁部(=支持基板縁部28a)まで延設された支持部側作用電極30、及び支持基板28上に、支持部側作用電極30と一定間隔を空けて、センサ部12における対向電極20から支持基板縁部28aまで延設された支持部側対向電極32、を備えている。
把持部15は、絶縁体から成り、且つ支持部14における支持基板28と一体を成す把持基板26を備えている。なお、この把持基板26は、本実施形態のバイオセンサ10において、センサ部12を形成する前段階では基板16とも一体を成しているが、センサ部12の形成時に、センサ部12と把持部15との境界線に沿って切断されることにより、基板16及び把持基板26が各々形成されることとなる。
また、符号33は、支持部14と把持部15の境界部、即ち支持部14が備える支持基板28と、把持部15が備える把持基板26との境界部であって、本実施形態では、図4に示したように、把持部15を支持部14側へ折り曲げる際の折り曲げ部となる。この境界部33の作用効果については後述する。
基板16、支持基板28及び把持基板26を構成する絶縁体は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ユニット及び芳香族ユニットから成る生分解性ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂シート、より耐熱性、耐薬品性、強度等に優れるポリアミドイミドシート、ポリイミドシート等のプラスチックシート、セラミック等の無機系基板等である。
作用電極18、対向電極20、支持部側作用電極30、及び支持部側対向電極32は、各々帯状をなし、作用電極18及び対向電極20は基板16上において、また支持部側作用電極30及び支持部側対向電極32は支持基板28上において、各々一定間隔を空けて並行に配置されている。作用電極18等は、基板16又は支持基板28上に、例えば白金、金、ニッケル、パラジウム、インジウム−スズ酸化物等の良電導体によって形成される。形成方法としては、ホットスタンピングが考えられる。真空蒸着又はスパッタリングによる方が微細な電極パターンを精度良く形成できるので好ましい。スパッタリングの場合は、電極形成外をマスキングすることで一挙に形成できる。
反応部22は、酸化還元酵素及び電子受容体を含んで構成される。例えば、酸化還元酵素及び電子受容体を含む液体状の材料を塗布して乾燥させることにより構成される。酸化還元酵素は、例えば、グルコースを測定する場合には、グルコースオキシダーゼが挙げられる。グルコースオキシダーゼは、グルコースと反応して、グルコン酸及び過酸化水素が生成する。また、アルコール値を測定する場合には、アルコールオキシダーゼ又はアルコールデヒドロゲナーゼを使用する。また、乳酸を測定する場合には、乳酸オキシダーゼ又は乳酸デヒドロゲナーゼを使用する。また、尿酸を測定する場合には、ウリカーゼを使用する。一般には酵素の酸化還元を促進させる無機又は有機の微細粉末状化合物である。例えば、フェリシアン化アルカリ金属塩(特にフェリシアン化カリウム金属塩が好ましい。)、フェロセン又はそのアルキル置換体、p−ベンゾキノン、メチレンブルー、β−ナフトキノン−4−スルホン酸カリウム、フェナジンメトサルフェート、2、6−ジクロロフェノール−インドフェノール等が挙げられる。フェリシアン化アルカリ金属塩、フェロセン系が、電子移動媒体としての働きが安定しており、水、アルコール類、又はこれら混合溶媒等の水性溶媒に良く溶けるため、電子受容体として有効に作用する。
供給口24は、図1(b)及び図2に示したように、基板16上にスペーサ34を介して設けられたカバー36の先端縁36aと、基板16の先端縁16aとによって形成される。即ち、スペーサ34によって先端縁36aと先端縁16aとの間に生じた隙間により供給口24が形成される。供給口24から導入された血液等の検体は、十分な量であれば、毛細管現象によってスペーサ34の先端縁34aまで到達することが可能である。
本実施形態のバイオセンサ10は、センサ部12の基板16、支持部14の支持基板28及び把持部15の把持基板26が一体を成した状態から、まず、図3(a)に示したように、センサ部12と把持部15との境界線17に沿って切断し、センサ部12の基板16と把持部15の把持基板26とを形成する。つまりこの段階で、センサ部12の基板16及び支持部14の支持基板28が一体を成し、支持基板28及び把持部15の把持基板26が一体を成している。センサ部12における基板16上には、一定間隔を空けて作用電極18及び対向電極20が設けられ、支持部14における支持基板28上には、センサ部12に設けられた作用電極18及び対向電極20から支持基板縁部28aまで、一定間隔を空けてそれぞれ支持部側作用電極30及び支持部側対向電極32が延設される。そして、図3(b)に示したように、作用電極18及び対向電極20上に反応部22を塗布して、スペーサ34を介してカバー36で覆うことによって、センサ部12及び支持部14が形成されると共に、センサ部12が支持部14から突出した状態で配設され、且つ把持部15が支持部14からセンサ部12の突出方向にセンサ部12を囲う状態で配設された、本実施形態のバイオセンサ10が形成される。
以上の構成から成る本実施形態のバイオセンサ10は、血糖値等の基質成分量を測定する際、不図示の計測表示器が備えるセンサ取り付け開口部に挿入される。以下に、このバイオセンサ10を使用して血糖値を測定する場合の作用について説明する。
血糖値の測定者は、まず、バイオセンサ10における支持部14の支持基板縁部28a側を、計測表示器(不図示)のセンサ取り付け開口部に挿入する。次に、支持部14の支持基板28と一体を成す把持部15の把持基板26を、これら支持基板28と把持基板26との境界部33、換言すれば支持部14と把持部15との境界部33で折り曲げて、図4に示したように、センサ部12における供給口24を支持部14から突出させる。具体的には、把持基板26における境界部33と反対側の縁部、即ち把持基板26の先端部29側を、境界部33で支持基板縁部28a側に折り曲げる。センサ部12における供給口24は支持部14から突出した状態で配設されているため、境界部33で把持部15を支持部14側へ折り曲げることによって、境界部33より把持部15側へ突出し、且つこの把持部15で囲われていた供給口24が、支持部14から突出した状態となる。なお、把持部15の折り曲げ方向は特に限定されず、図示した方向と反対側に折り曲げられてもよい。
上記のようにして、センサ部12の供給口24を支持部14から突出させた状態で、針等を指先に突刺して出た血液を供給口24に点着する。供給口24に点着した血液は、基板16とカバー36との隙間を毛細管現象によって、作用電極18及び対向電極20に沿ってスペーサ34の先端縁34aに向って流動する。そして、反応部22において酵素反応させ、その際の電気化学変化を作用電極18及び対向電極20で検出することによって血糖値が測定され、測定結果が計測表示器に表示される。
血糖値の測定後は、境界部33で折り曲げていた把持部15を元の状態に戻す。そして、元に戻された把持部15を把持して、バイオセンサ10を計測表示器のセンサ取り付け開口部から取り外すことによって、一連の血糖値測定作業が終了する。
以上のように、本実施形態のバイオセンサ10によると、血糖値等の基質成分量の測定時には、供給口24が支持部14から突出した状態となるため、支持部14及び把持部15が測定作業の妨げとなることはなく、従来のバイオセンサと同様、供給口24への血液等の点着を容易に行い得る。一方、測定後は、供給口24を含むセンサ部12が把持部15で囲われるため、バイオセンサ10を計測表示器から取り外す際、センサ部12に付着した血液等の手への付着を防止し得る。従って、センサ部12に付着した血液から感染症に罹患することを予防できる。
また、バイオセンサ10の構造上、従来のバイオセンサに比べて、容易に血液等の手への付着、感染症の予防等が図られるため、医療現場等における測定作業の効率化、バイオセンサ10の取扱性向上等も図られる。
更に、本実施形態のバイオセンサ10は、小型のセンサ部12が支持部14と一体を成し、且つ支持部14と把持部15が一体を成した状態で構成されているため、バイオセンサ10の計測表示器への取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができ、特に高齢者や指先での細かい作業を苦手とする人等にとって、従来のバイオセンサに比較して、取扱性や測定作業の作業性等を向上することができる。
以上に例示した本発明の実施形態に係るバイオセンサ10は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、境界部33の位置は、図1及び図4に示した位置に限定されない。上述の通り、本発明における境界部は、把持部を支持部側へ折り曲げるための折り曲げ部である。従って、図5(a)に示した境界部33aのように、センサ部12を横断する方向に設けられていれば、支持部14の長手方向に対して斜め方向に形成されてもよい。この境界部33aによって把持部15を支持部14側へ折り曲げた場合も、センサ部12の供給口24が支持部14から突出した状態となり、基質成分量の測定時、供給口24への血液等の点着が支持基板28や把持基板26によって妨げられることはない。
また、上記の実施形態において、境界部33、33aには、把持部15を所定の位置で容易に折り曲げ可能とするための切り込みを予め形成したが、本発明のバイオセンサは、図5(b)(c)に示したバイオセンサ10a、10bのように、敢えて境界部に切り込みを設けずとも、所定の位置で折り曲げ容易とした把持部を備える態様であってもよい。図5(b)に示したバイオセンサ10aにおいて、支持部14aと把持部15aとの境界部41が位置する支持基板40の側縁部43、43’(=把持基板42の側縁部)に、各々凹み44、44’が設けられている。従って、把持部15aを折り曲げようとした際には、側縁部43、43’に設けられた凹み44、44’を結ぶ折り曲げ部が誘発されることとなり、結果として、把持部15aが境界部41で折り曲げられ、供給口24を支持部14aから突出させることができる。
図5(c)に示したバイオセンサ10bは、四角形状の支持基板46を備える支持部14bと、略円形状の把持基板48を備える把持部15bを含んで構成されており、センサ部12の供給口24を支持部14bから突出させ、支持部14bと把持部15bとの境界部47より把持部15b側へ位置させている。従って、把持部15bを折り曲げようとした際には、境界部47において折り曲げ部が誘発されることとなり、結果として、供給口24を支持部14bから突出させることができる。
以上に例示した本発明の実施形態に係るバイオセンサ10、10a、10bは、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、支持部及び把持部が成す正面視形状は、バイオセンサ10、10aのような四角形状に限定されず、バイオセンサ10bにおける支持部14bと把持部15bのように、四角形と円形とを組み合わせた形状、四角形と楕円形、扇形、その他の多角形とを組み合わせた形状等、何れであってもよい。更には、図6に示したバイオセンサ10cのように、支持部14cにおける支持基板50と、把持部15cにおける把持基板52が屈曲した状態で一体を成す態様であってもよく、或いは湾曲した状態で一体を成す態様であってもよい。
また、センサ部12における作用電極18及び対向電極20の形状、電極数等も特に限定されず、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
(a)は本発明の一実施形態に係るバイオセンサの正面図、(b)は(a)におけるA−A’断面図である。 図1におけるセンサ部の拡大正面図である。 図1に示したバイオセンサの組み立て方法の説明図であり、(a)は反応部を設ける前の正面図、(b)はスペーサ及びカバーを設ける状態を示す正面図である。 図1に示したバイオセンサを境界部で折り曲げた状態を示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の他の実施形態に係るバイオセンサを示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係るバイオセンサを示す正面図である。
符号の説明
10、10a〜10c:バイオセンサ
12:センサ部
14、14a〜14c:支持部
15、15a〜15c:把持部
16:基板
18:作用電極
20:対向電極
22:反応部
24:供給口
26、42、48、52:把持基板
28、40、46、50:支持基板
30:支持部側作用電極
32:支持部側対向電極
33、33a、41、47:境界部

Claims (1)

  1. 計測表示器に取り付けられて検体中の基質成分量を測定するバイオセンサであって、
    絶縁体から成る基板と、
    絶縁体から成り、前記基板から延出して一体に形成され、支持基板縁部を有する支持基板と、
    絶縁体から成り、前記基板及び支持基板から延出して一体に形成された把持基板と、
    を備え、
    前記基板、該基板上に設けられた作用電極、該作用電極と一定間隔を空けて設けられた対向電極、該作用電極及び該対向電極上に設けられた反応部、及び検体を該反応部まで導入する供給口、を備えるセンサ部と、
    前記支持基板、該支持基板上に、前記作用電極から延設された支持部側作用電極、及び該支持部側作用電極と一定間隔を空けて、前記対向電極から延設された支持部側対向電極、を備える支持部と、
    前記把持基板、を備え把持される把持部と、
    を含んで構成され、
    前記センサ部は、前記支持部から突出した状態で配設され、
    前記把持部は、前記支持部から前記センサ部の突出方向に該センサ部を囲う状態で配設され、
    基質成分量を測定するために、前記支持部と前記把持部との境界部において前記把持部を折り曲げた際に、前記供給口が前記支持部から突出し、
    該把持部を把持して前記計測表示器から取り外すために、折り曲げていた該把持部を元の状態に戻した際に、該供給口を含むセンサ部が該把持部で囲われることを特徴とするバイオセンサ。
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