JP4922153B2 - パン粉の吸油性を低下させる方法、パン粉の製造方法およびパン粉 - Google Patents
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Description
種々の素材にパン粉を衣付けして油ちょうするフライ食品の衣の役割として1)油脂の高温が直接材料に伝わらないように温度の緩衝作用を行う、2)うまみ成分やビタミン類などの食品成分の損失を防ぐ、3)高温短時間加熱かつ油脂を含むことにより、独特の食感を有する層を形成する、4)衣自体が吸油し、適度にこげることにより独特の香りを生じ食欲をそそる、などが挙げられる。しかし、近年のヘルシー志向の強まりにより油脂カロリーの過剰摂取が問題にされ、フライ食品のような高い油脂含量の食品は敬遠される傾向がある。油脂分を多く摂取すると血液中にコレステロールや中性脂肪が多くなって動脈硬化を引き起こす原因となり、さらに動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞が心配されるという問題がある。
そのような背景のもと、パン粉及び製粉業界では上記のフライ衣の吸油という問題点を解決するために種々の油ちょう時の吸油量が少ない、いわゆる低吸油パン粉の開発がなされてきた。例えば、豆類から抽出した食物繊維細胞膜を配合する吸油率の低いパン粉(特許文献1)、とうもろこし外皮から調整された食物繊維を含有するフライ用パン粉(特許文献2)、トウモロコシから調製された食物繊維及び大豆から調製されたタンパク質の添加を特徴とする低吸油性フライ用パン粉(特許文献3)、主原料として大豆粉および加工澱粉を添加した穀物類を用い、かつ焼成されるパン比容積を2.8〜3.6ml/gになるように醗酵を抑制して焼成することを特徴とする吸油の少ないパン粉の製造方法(特許文献4)、定法によって得られるパンブロックを圧延した後、粉砕することを特徴とするパン粉の製造方法(特許文献5)、食材本体の表面に、キトサンを含有させたパン粉を付着させたパン粉付き食品(特許文献6)、オキアミ殻粉末を添加するなどの方法により、パンの気泡数を増加し、かつ、各気泡の大きさを小さくするように制御したパンから製造した、低吸油性でありながら良好な食感を維持したパン粉(特許文献7)等がある。
最近のパン粉利用の傾向として、食感の硬いドライタイプから生のソフトタイプへ移行している点などを考慮すると、フライ衣は食感が軽い方が好ましい。すなわち、従来の低吸油フライ衣の技術ではフライ時の吸油量は低下するものの、食感が硬くなるという嗜好面での問題を残しており、そのため、それらのパン粉は広く普及していないのが現状である。
本発明は、食感を変化させずに、すなわち食味を損なわずに油ちょう時の油の吸収を抑制することができるパン粉を提供することを目的としている。
パン粉を食品加工(例 フライ品の製造)に用いる場合にも、パン粉水分が多いとハンドリング悪く、特に食品に機械(ブレッターマシン等)でパン粉付けをする場合には高水分のものほど機械適性が低くなる。そのため、会社によっては水分28%〜33%の半生パン粉を使用することはしばしばある。このようなことから、通常、パン粉に加水するということはパンを取り扱う当業者において考えられないことである。しかしながら、本発明者らは低吸油パン粉の開発研究の過程において、加水したパン粉を加熱乾燥することによりパン粉の吸油性が低下すること、さらにその食感が添加物により低吸油を図ったパン粉に比べて通常のパン粉に近いことを見出し本発明を完成させた。
家庭でフライ等を作るときに、ドライパン粉を用いて生パン粉の風合いを出すために、パン粉を湿らせて用いることがあるが、この加湿はせいぜいドライパン粉を生パン粉に戻す程度の加湿であり、乾燥することなくそのまま油ちょうされるものである。本発明は、低吸油のパン粉を工業規模で製造する方法である。
なお、本発明に用いる原料パン粉とは中種法(sponge-dough method)や直捏法(straight-dough method)、液種法(liquid
sponge-method)などの生地作製法から作製されるパン比容積(specific volume)の大きいパンから作製されるパン粉を指している。英語でbread crumbs(パン粉)という場合、その範疇にはクラッカー粉、ブレッター粉といったイーストを使用することなくベーキングパウダーで膨らませたパンやイーストを使用しているものの発酵を抑制して作製されたパンを粉砕したものについても含むことも多いが、本発明に用いる原料パン粉にはそれらは含まれない。本発明に使用される原料パン粉とはいわゆる日本式パン粉(Japanese-style PANKO)を指している。従来、日本式パン粉は日本でのみ生産されていたが、最近はアメリカ、ニュージーランド、南米など多くの地域で親しまれるようになっており、特に日本式という区別はなくなってきている。
原料のパン粉の水分量を45〜65重量%になるように加湿する。乾燥雰囲気温度は一般に糊化が始まる温度である40℃以上が好ましく、実用的には100℃以上、特に好ましいのは、150〜250℃である。パン粉の水分量は10〜40重量%になるまで乾燥するのが好ましい。本方法により、原料のパン粉(生)の油ちょう時の吸油量を30%以上低下させることができる。
本発明は、上述の低吸油パン粉を使用した食品、特に油ちょう食品を要旨とする。
食物繊維、タンパク質などを添加して低吸油にしたパン粉の吸油性をさらに低下させることもできる。
直捏生地法や中種生地法などの従来の製パン方法に準じて、パンの原料を混合し、第一次発酵、分割、丸め、第二次発酵、成形、型詰め、最終発酵、焼成により製パンしたパンを冷却、粉砕して生パン粉、あるいはさらに乾燥してドライパン粉が製造される。焼成方法は焙焼式、電極式などがあり、それぞれ特徴があるが、いずれの方法で製造したパンでも本発明の原料パン粉として使用できる。
基本的には小麦粉、イースト、イーストフード、糖、食塩、水が原料である。主原料である小麦粉にはタンパク質含量11%程度もしくはそれ以上の強力粉が望ましいが、強力粉に薄力粉、もしくは中力粉を混合してトータルのタンパク質含量を11%程度にしても構わない。上記原料の他、乳化剤、ショートニング、色素、pH調節剤等の副原料が適宜使用される。通常のパン粉の水分は10〜40重量%(ドライパン粉10〜15重量%、セミドライパン粉15〜30重量%、生パン粉30〜35重量%)である。
低吸油パン粉を製造する目的でポリデキストロース、大豆繊維等の各種食物繊維や大豆タンパク質、卵白等のタンパク質を添加することが知られているが、本発明はそれらのパン粉を原料として使用することもできる。
本発明の低吸油パン粉は、実施例においても示すように、パン粉の原料、焼成方法、添加物を選ばず、パン粉に水分を与え、加熱乾燥することにより、吸油を抑えることができる。
本実施例において「パン粉の吸油量」、「澱粉の糊化度」は以下の方法により測定・換算した。
パン粉を任意の量(約4g)秤量し、目開き0.5mm以下(パン粉がふるいから落ちない程度)のふるいに入れ、大豆白絞油175℃中で2分間油ちょうした。油ちょう後、パン粉を残らず濾紙上に移した。濾紙上で2分間油切りをし、濾紙を取り替えて再び油切りをおこない、パン粉の重さを測定した(n=3)。
下記にパン粉固形物換算重量当たりの吸油量等を定義し、下記式に従って算出した。
パン粉固形物換算重量(g)=秤量したパン粉の重さ(g)×(100−パン粉水分含量(%))/100
吸油量(g)=油ちょう後のパン粉の重量(g)−油ちょう前のパン粉の固形物換算重量(g)
固形物換算重量当たりの吸油量(g/g)=吸油量(g)/パン粉の固形物換算重量(g)
(なお、油ちょう後のパン粉の水分率は0.1%以下であったため0%とした。)
参考に家庭用に市販されているパン粉について本方法により水分量と吸油量を測定したところ、表1に示すような結果であった。
表3に示した原料配合、表4に示した製造方法により、焙焼式パン粉および電極式パン粉をそれぞれ製造した。
要領1:原料パン粉(水分量34%)を乾燥機の温度110℃で水分量1.6%まで乾燥し、その後、水分量56.1%になるまで加湿した。
要領2:原料パン粉(水分量34%)の水分量が51.2%になるまで加湿し、その後、乾燥機の温度110℃で水分量1.8%まで乾燥した。
要領3:原料パン粉(水分量34%)の水分量が61.8%になるまで加湿し、その後、乾燥機の温度110℃で水分量8.7%まで乾燥した。
要領1の前半の乾燥は生パン粉からドライパン粉を製造する場合に合致する。生パン粉よりもドライパン粉の方が吸油が少ないことはよく知られたことであり、本試験の結果とも一致する。乾燥後、加湿すると生パン粉と同程度の水分量までは加湿にしたがって、吸油量も増加するが、40%以上あたりから吸油量の減少が認められる。要領2、3は最大加湿量が異なっているため、吸油量が異なるが、いずれも加湿に伴い吸油量の低下が認められ、その低下は乾燥しても保持され、乾燥するにしたがって、さらに吸油量の低下が認められる。
通常のドライパン粉ではパン粉固形重量あたりの吸油量はせいぜい1.0g/g前後までにしかならないが、加湿後乾燥することによりさらに低吸油のパン粉にすることができる。
市販のパン粉についても本発明の製造方法を適用し、吸油量の低下が認められることを確認した。図2にはライオンフーヅ(株)の商品名「生E2」(生パン粉、電極式2号、パン粉サイズ12mm)を原料パン粉とした結果、図3には(株)トリイパン粉の商品名「寿」(生パン粉、電極式)を原料とした結果、図4にはライオンフーヅ(株)の商品名「dryB3」(ドライパン粉、焙焼式3号、パン粉サイズ8mm)を原料パン粉とした結果を示した。
実施例2の焙焼式生パン粉と同様に電極式生パン粉でも、また、ドライパン粉でも、さらにパン粉のサイズが異なっていても、加湿後に乾燥することにより、吸油性が低下することが示された。
表5に示した各種添加物を水溶液とし、パン粉(ライオンフーヅ(株)の商品名「生E3」)の水分量が約50%となるよう噴霧し、その後、乾燥機温度設定150℃でパン粉の水分量が約30%程度になるまで乾燥した。各条件で製造したパン粉の水分量と吸油量を図5に示した。
図5のとおり、いずれの添加物を添加しても加湿と乾燥による吸油量低下効果が認められた。また、ポリデキストロース、プルラン、卵白、デキストリン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、α化ワキシーコーンスターチなどを添加することにより、水添加による効果をさらに増強させることが示された。
加湿に用いる水のpHが吸油量低下効果に影響を及ぼすかどうかについて検討した。
加湿に用いる水のpHを酢酸を用いてpH3.5に、また、炭酸カリウムを用いてpH10.0に調製して吸油量を測定した。表6に示すように多少の差が認められたが、いずれのpHでも本発明の加湿+乾燥による吸油量低下効果が認められた。また、表7に示すように通常の水道水のpH範囲であれば、ほぼ同程度の効果が得られることを確認した。
乾燥温度と吸油量の関係を確認するため、焙焼式中種法による水分量35%の生パン粉(パン粉サイズ12mm)を原料パン粉として用いて試験を行った。原料パン粉の水分量が50重量%になるまで加湿し、その後各温度で乾燥し、ふるいにかけパン粉サイズを4.0〜8.0mm程度に揃え、吸油量を測定した。
結果を表8に示す。乾燥温度が高いほど、吸油量の低下がより大きくなる傾向ことが認められた。高温のほうが乾燥時間の短縮も図れるので、パン粉が焦げるような高温でなければ高めの温度での乾燥が好ましいといえる。
本発明品と通常のパン粉および繊維成分などを添加した低吸油パン粉として販売されているものの代表として大豆繊維を添加したパン粉およびオキアミ殻粉末を添加したパン粉について、吸油量と食感についての官能検査を行った。
対照品:通常の焙焼式ドライパン粉、サイズ5mm
本発明品1:通常の焙焼式生パン粉(水分33重量%)を原料パン粉とし、水分50重量%となるように加水し、再乾燥させたドライパン粉、サイズ5mm
比較品1:大豆繊維を15%添加して比容積を小さくしたパンからできたパン粉をドライパン粉にしたもの、サイズ5mm
比較品2:出願人の発明品(特開2003-284519)であるオキアミ殻粉末を5%添加した低吸油ドライパン粉、サイズ5mm
の4種のパン粉について比較した。それぞれのパン粉の配合は表9に示した。
評価は対照品の通常のドライパン粉に対しての比較評価でおこなった。結果を表10に示す。本発明品はその他の製法による低吸油パン粉よりもより通常のパン粉に近い食感であった。
テンシプレッサー((有)タケトモ電機社製)は食品のテクスチャーを客観的に測定する装置で、サンプルの硬さや凝集性、付着性などを客観的に数値として表すことが可能である。油ちょう後の本発明品1のパン粉を入れたアルミ製容器(直径39mm、高さ12mm)をステージに装着し、プランジャーエリア960mm2の円柱形プランジャーで上から1.5mm圧縮した(1バイト測定)。そのときのHardness(最大圧縮応力)は1.89×106dyn/cm2であった。
本発明品2:通常の焙焼式生パン粉(ライオンフーヅ(株)生パン粉「生E3」、水分33重量%)を原料パン粉とし、水分60重量%となるように加水し、水分量13.5%まで加熱乾燥させたドライパン粉、サイズ5mm
比較品3:出願人の発明品(特開2003-284519)であるオキアミ殻粉末を添加した低吸油ドライパン粉、サイズ5mmの2種のパン粉について比較した。それぞれのパン粉の配合は表11に示した。
結果を表12に示した。同程度の吸油量に調製した本発明品のパン粉は比較品のパン粉に比較し平均密度が低く、官能検査による硬さの食感の違いが裏づけられる結果であった。
<非破壊測定 X線CTスキャナーによるパン粉の断面観察と3次元構造解析>
原料パン粉(ライオンフーヅ(株)製、生パン粉、商品名「生B2」)とそれを原料パン粉とし水分60重量%となるように加水し、水分量13.5%まで加熱乾燥させた本発明品の低吸油パン粉の油ちょう前のものと後のものについて、バイオイメージリサーチ製「ACTIS+3」と(株)東芝製イメージインテンシファイヤーを用い構造解析をおこなった(条件 管電圧:50kV、菅電流:0.13mA、拡大率15倍、スライス数:120枚、ビュー数:900、フレーム積算枚数:4枚/ビュー)。測定試料は特に調整の必要はなく、測定ステージに固定し、観察した。
図6、7の断面図の写真が示すように、原料パン粉は大きい空隙が多くありパンの梁部(空隙を構成している壁にあたる部分)が細い。一方、本発明のパン粉(図10、11)は空隙が小さく、少なくなり梁部が太くなっている。図8、9、12、13の油ちょう後の写真からこれらの空隙に油が保持されていることがわかる。これらの解析から求めた気孔率(パン粉の体積に占める空隙部分の体積)は、それぞれ92%(油ちょう前の原料パン粉)、90%(油ちょう後の原料パン粉)、64%(油ちょう前の本発明パン粉)、54%(油ちょう後の本発明パン粉)であった。図14(原料パン粉)、図15(本発明)の3次元構造を構築した写真は、図6〜13とは異なるロットのパン粉についてSKYSCAN社製1072型DESKTOP X-RAY HIGH-RESOLUTION MICROTOMOGRAPHを用いて三次元構造の構築を行った写真である。本発明のパン粉の梁部が厚くなり、油の保持される空隙が少なくなっている様子が観察される。この解析から単位体積当たりのパン粉の気孔の割合を計算すると、原料パン粉では81.3%、本発明のパン粉では58.9%であった。
X線CTスキャナーによる構造解析に用いたサンプルと同様のサンプルについて、HITACHI社製 S-3200Nを用い表面構造撮影を行った。測定試料は特に調整の必要はなく、測定ステージに固定した後、観察を行った。
図16、17の写真に示されるように、原料パン粉(コントロール)では表面に澱粉粒が認められるが、本発明のパン粉(調湿パン粉)では澱粉粒が糊化して糊状になり粒が見えにくくなっていた。
糊化度の測定方法:BAP法
澱粉の糊化度測定法の一つとしては、澱粉科学(J. Jap. Soc. Starch Sci.)28 (4), p235-240に記載された「β−アミラーゼ−プルラナーゼ(BAP)系を用いた澱粉の糊化度、老化度の新測定法」にしたがって測定した。
本方法は、生デンプンを全く分解しないβ-アミラーゼとアミロペクチンの立体構造変化に非常に影響を受けるプルラナーゼの混合酵素を用い、分解度の比から糊化デンプンと老化デンプンを識別する方法である。脱脂脱水後(DSCと同様)の試料60mgと蒸留水6mlをガラスホモジナイザーに採取しよく分散させ、試料溶液とした。また、この試料溶液に10N水酸化ナトリウムを加えて完全に糊化させた完全糊化試料溶液も調製した。これら2種類の試料溶液にβ-アミラーゼ・プルラナーゼ混合溶液(β-アミラーゼ0.8IU;ナガセ生化学工業、プルラナーゼ3.4IU;林原生物化学研究所)を加えて分解させた。各試料の全糖量はフェノール・硫酸法により、還元糖量はSomogyi-Nelson法により測定した。糊化度は、完全糊化試料の分解度を100とした際に試料溶液がどの程度分解したかで表した。
また、もう一つの糊化度測定法として、Inouchiらの方法、Differential Scanning Calorimetry;示差走査熱量測定法(DSC法)を用いて測定した(J. Appl. Glycosci., 51, 303-313 (2003)、Starch/Starke, 43, 468-472 (1991) 参照)。
温度上昇に伴う熱量変化から転移、融解、結晶化、凝固などの変化エネルギーを測定する方法であり、デンプンの糊化は吸熱を伴うので、DSC測定からデンプンの糊化特性を知ることができる。
アセトンを用いて脱脂後、水分値7%程度まで乾燥、微細に粉末化(80メッシュスルー)したものを各試料とした。密封耐圧型試料容器に脱脂脱水後の試料を乾物重量当たり50mg採取し、2.5倍量の水を加えて十分水和させた。その後Micro-DSCIII(SETRAM社製)を用いて、5℃〜80℃の範囲(一部5℃〜100℃)で熱量測定を行った。
ΔHの算出は、Inouchiらの方法によって試料澱粉の糊化温度(糊化ピーク温度;Tp、糊化温度範囲;Tc−To)と糊化熱量(ΔH)の測定を行った。昇温速度は5℃/分で測定し、吸熱曲線の編曲点より、糊化開始温度(To)、および糊化終了温度(Tc)を吸熱ピーク温度(Tp)を読み取り、吸熱曲線とベースラインによって囲まれる面積より糊化熱量(ΔH)を算出した。ベースラインは引く人によって20%程度の値の違いが生じるが、同様の手順で引けば、傾向が変わることはない。
結果を表15に示す。DSC法により測定した糊化度においても本発明の処理をすることにより、パン粉の糊化度が高くなり、糊化が進んでいることがわかる。
表17に示すように本発明の低吸油パン粉を使用することにより油ちょう食品の脂質含量を低下させることができた。特に低吸油バッターとの組み合わせにより、脂質含量を効果的に低下させることができる。
Claims (17)
- 原料のパン粉に水分量が45〜65重量%になるように加湿し、加湿が均一になるまで寝かせた後、パン粉に含まれる澱粉の糊化温度以上の温度で乾燥することを特徴とするパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 原料のパン粉が小麦粉、イースト、糖、食塩、水を基本原料とし、焙焼式あるいは電極式焼成方法により焼成した通常のパン粉である請求項1のパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 乾燥雰囲気温度が40℃以上である請求項1又は2のパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 乾燥雰囲気温度が100℃以上である請求項3のパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 乾燥雰囲気温度が150〜250℃である請求項3のパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- パン粉の水分量が10〜40重量%になるまで乾燥する請求項1ないし5いずれかのパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 吸油性の低下が、原料パン粉(生)の油ちょう時の吸油量を30%以上低下させるものである請求項1ないし6いずれかのパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法。
- 請求項1ないし7いずれかのパン粉の油ちょう時の吸油性を低下する方法を用いて製造した低吸油パン粉。
- パン粉乾燥重量当たりの吸油量が1.2g/g以下である請求項8の低吸油パン粉。
- パン粉乾燥重量当たりの吸油量が1.0g/g以下である請求項9の低吸油パン粉。
- BAP法により測定した糊化度が生パン粉(水分量30〜35重量%)の状態で平均45%以上であるか、ドライパン粉(水分量10〜15重量%)の状態で平均55%以上であるか、あるいは、DSC法により測定した糊化熱量ΔHが平均2.9J/g以下である請求項8、9または10の低吸油パン粉。
- テンシプレッサーにより測定したパン粉のHardnessが2×106dyn/cm2以下である請求項8ないし11いずれかの低吸油パン粉。
- 請求項8ないし12いずれかの低吸油パン粉を使用した食品。
- 請求項8ないし12いずれかの低吸油パン粉を使用した油ちょう食品。
- 小麦粉、イースト、糖、食塩、水を基本原料とし、食物繊維、タンパク質、澱粉等のパン粉の比容積を小さくする添加物あるいは食品素材を原料として含まないパンから製造されたパン粉であって、BAP法により測定した糊化度が生パン粉(水分量30〜35重量%)の状態で平均45%以上であるか、ドライパン粉(水分量10〜15重量%)の状態で平均55%以上であるか、あるいは、DSC法により測定した糊化熱量ΔHが平均2.9J/g以下であり、パン粉乾燥重量当たりの吸油量が1.2g/g以下であるパン粉。
- パン粉乾燥重量当たりの吸油量が1.0g/g以下である請求項15のパン粉。
- テンシプレッサーにより測定したパン粉のHardnessが2×106dyn/cm2以下である請求項15または16のパン粉。
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