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JP4924733B2 - 内燃機関の異常診断装置 - Google Patents
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JP4924733B2 - 内燃機関の異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の異常診断装置に関し、特に、複数の可変バルブタイミング機構が設けられた内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常を診断する異常診断装置に関する。
複数の気筒が設けられた内燃機関が知られている。一般的には、全ての気筒の空燃比が同じになるように制御される。しかしながら、内燃機関を長期にわたって運転していると、各気筒に設けられたインジェクタの劣化および個体差などに起因して、空燃比が気筒毎に異なり得る。空燃比が気筒毎に異なると、各気筒の燃焼工程において得られるトルクが異なり得る。そこで、空燃比が気筒毎に異なるという異常を検出する方法の一つとして、内燃機関の出力軸の回転変動を利用することが提案されている。
特開2010−24977号公報(特許文献1)は、各気筒毎に燃料噴射量を制御するとともに、気筒間での空燃比又は出力のばらつきの程度ないし有無を診断する内燃機関の診断制御装置であって、各気筒毎にクランク軸が所定角度回転するに要した時間を計測し、この計測された所要時間に基づいて、各気筒毎にクランク軸2回転毎の回転変動成分である0.5次成分又はクランク軸1回転毎の回転変動成分である1.0次成分を抽出するとともに、各気筒毎に設定期間中、0.5次成分又は1.0次成分が設定範囲を逸脱した回数をカウントし、カウント値が所定値を越えたとき、当気筒の空燃比又は出力が異常であると診断する内燃機関の診断制御装置を開示する。
特開2010−24977号公報
インテークバルブやエキゾーストバルブが開閉する位相(クランク角)を運転状態に応じて変更するVVT(Variable Valve Timing)機構が設けられたV型エンジンまたは水平対向エンジンでは、一方のバンクには、他方のバンクに設けられたVVT機構とは別のVVT機構が設けられる。そのため、内燃機関が正常であっても、一方のバンクのバルブの位相と、他方のバンクのバルブの位相とが、許容範囲内で異なり得る。この場合であっても、一方のバンクの気筒と他方のバンクの気筒との間で空燃比が異なり得る。したがって、エンジンの出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断すると、異常を誤って検出し得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異常の有無を精度よく診断することができる内燃機関の異常診断装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の異常診断装置は、第1の気筒に対して設けられた第1のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第1の可変バルブタイミング機構と、第1の気筒とは別の第2の気筒に対して設けられた第2のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第2の可変バルブタイミング機構とが設けられた内燃機関の異常診断装置である。異常診断装置は、内燃機関の出力軸の回転変動量を検出するための手段と、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が第1の位相になるように制御するとともに、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が第1の位相である状態で、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断するための診断手段とを備える。
この構成によると、第1の可変バルブタイミング機構により変化される第1のバルブの位相および第2の可変バルブタイミング機構により変化される第2のバルブの位相の両方が、機械的に定まる最遅角の位相または最進角の位相にされる。この状態で、出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無が診断される。これにより、第1の可変バルブタイミング機構により変化される第1のバルブの位相と、第2の可変バルブタイミング機構により変化される第2のバルブの位相とが同じである状態で、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断することができる。そのため、内燃機関の出力軸の回転変動が生じる要因から、気筒間でのバルブの位相差を除くことができる。その結果、異常の有無を精度よく診断することができる内燃機関の異常診断装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の異常診断装置は、内燃機関の負荷および内燃機関の出力軸の回転数に応じて第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が変化するように制御するための手段をさらに備える。診断手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ第1の負荷よりも大きい第2の負荷以下であるとともに、内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下であると、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が第1の位相になるように制御するとともに、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が第1の位相である状態で、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断する。
この構成によると、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相は、内燃機関の負荷および出力軸の回転数に応じて変化される。そのため、内燃機関を駆動源として搭載した車両の走行中は、内燃機関の負荷および出力軸の回転数が逐次変化することにともなって、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が逐次変化され得る。よって、第1の可変バルブタイミング機構と第2の可変バルブタイミング機構との個体差に起因して、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相とが異なることもあり得る。しかしながら、内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ第2の負荷以下であるとともに、内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下であると、第1の可変バルブタイミング機構により変化される第1のバルブの位相および第2の可変バルブタイミング機構により変化される第2のバルブの位相の両方が、機械的に定まる最遅角の位相または最進角の位相にされる。この状態で、出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無が診断される。これにより、車両の走行中においても、第1の可変バルブタイミング機構により変化される第1のバルブの位相と、第2の可変バルブタイミング機構により変化される第2のバルブの位相とが同じである状態で、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断することができる。
第3の発明に係る内燃機関の異常診断装置においては、第1のバルブは第1のインテークバルブである。第2のバルブは第2のインテークバルブである。第1の位相は、最遅角の位相である。
この構成によると、異常の診断時には、インテークバルブの位相が最遅角の位相にされる。これにより、インテークバルブとエキゾーストバルブとのオーバーラップを可能な限り小さくすることができる。そのため、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)量を減らし、内部EGRが出力軸の回転変動に対して与える影響を小さくすることができる。そのため、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無をより精度よく診断することができる。
第4の発明に係る内燃機関の異常診断装置は、第1の気筒に対して設けられた第1のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第1の可変バルブタイミング機構と、第1の気筒とは別の第2の気筒に対して設けられた第2のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第2の可変バルブタイミング機構とが設けられた内燃機関の異常診断装置である。異常診断装置は、内燃機関の出力軸の回転変動量を検出するための手段と、第1のバルブの位相を検出するための手段と、第2のバルブの位相を検出するための手段と、第1のバルブの位相と第2のバルブの位相とが同じであるという条件を含む予め定められた条件が満たされると、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断するための診断手段とを備える。
この構成によると、第1のバルブの位相と第2のバルブの位相とが同じであれば、出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無が診断される。第1のバルブの位相と第2のバルブの位相とが異なれば、出力軸の回転変動量に基づく異常の診断はなされない。そのため、内燃機関の出力軸の回転変動が生じる要因から、気筒間でのバルブの位相差を除くことができる。その結果、異常の有無を精度よく診断することができる内燃機関の異常診断装置を提供することができる。
第5の発明に係る内燃機関の異常診断装置は、内燃機関の負荷および内燃機関の出力軸の回転数に応じて第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が変化するように制御するための手段をさらに備える。予め定められた条件は、第1のバルブの位相と第2のバルブの位相とが同じであるという条件に加えて、内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ第1の負荷よりも大きい第2の負荷以下であるとともに、内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下であるという条件を含む。
この構成によると、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相は、内燃機関の負荷および出力軸の回転数に応じて変化される。そのため、内燃機関を駆動源として搭載した車両の走行中は、内燃機関の負荷および出力軸の回転数が逐次変化することにともなって、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相が逐次変化され得る。よって、第1の可変バルブタイミング機構と第2の可変バルブタイミング機構との個体差に起因して、第1のバルブの位相および第2のバルブの位相とが異なることもあり得る。しかしながら、内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ第2の負荷以下であるとともに、内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下である運転領域では、第1のバルブの位相と第2のバルブの位相とが同じであると、出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無が診断される。これにより、車両の走行中においても、第1の可変バルブタイミング機構により変化される第1のバルブの位相と、第2の可変バルブタイミング機構により変化される第2のバルブの位相とが同じである状態で、内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断することができる。
ハイブリッド車のパワートレーンを示す概略構成図である。 動力分割機構の共線図である。 変速機の共線図である。 ハイブリッド車両のエンジンを示す概略構成図である。 インテークバルブの位相を定めたマップを示す図である。 位相が変化する範囲を示す図である。 第1の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 空燃比の異常の診断が行なわれる運転領域を示す図である。 第1の実施の形態においてECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第2の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 第2の実施の形態においてECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る異常診断装置を搭載したハイブリッド車のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る異常診断装置は、たとえば、ECU(Electronic Control Unit)100のROM(Read Only Memory)102に記録されたプログラムをECU100が実行することにより実現される。なお、ECU100は複数のECUに分割するようにしてもよい。また、ECU100により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。ハイブリッド車の代わりに、エンジンのみが駆動源として搭載された車両を用いてもよい。
図1に示すように、パワートレーンは、エンジン1000と、第1MG(Motor Generator)200と、これらエンジン1000と第1MG200との間でトルクを合成もしくは分配する動力分割機構300と、第2MG400と、変速機500とを主体として構成されている。
エンジン1000は、燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、例えば、マイクロコンピュータを主体とするECU100によって行なわれる。なお、エンジン1000の詳細については後述する。
第1MG200は、一例として三相交流回転電機であって、電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能とを生じるように構成される。インバータ210を介してバッテリなどの蓄電装置700に接続されている。インバータ210を制御することにより、第1MG200の出力トルクあるいは回生トルクを適宜に設定するようになっている。その制御は、ECU100によって行なわれる。なお、第1MG200のステータ(図示せず)は固定されており、回転しないようになっている。
動力分割機構300は、外歯歯車であるサンギヤ(S)310と、そのサンギヤ(S)310に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ(R)320と、これらサンギヤ(S)310とリングギヤ(R)320とに噛合しているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリヤ(C)330とを三つの回転要素として差動作用を生じる公知の歯車機構である。エンジン1000の出力軸がダンパを介して第1の回転要素であるキャリヤ(C)330に連結されている。言い換えれば、キャリヤ(C)330が入力要素となっている。
これに対して第2の回転要素であるサンギヤ(S)310に第1MG200のロータ(図示せず)が連結されている。したがってサンギヤ(S)310がいわゆる反力要素となっており、また第3の回転要素であるリングギヤ(R)320が出力要素となっている。そして、そのリングギヤ(R)320が、駆動輪(図示せず)に連結された出力軸600に連結されている。
図2に、動力分割機構300の共線図を示す。図2に示すように、キャリヤ(C)330に入力されるエンジン1000の出力するトルクに対して、第1MG200による反力トルクをサンギヤ(S)310に入力すると、これらのトルクを加減算した大きさのトルクが、出力要素となっているリングギヤ(R)320に現れる。その場合、第1MG200のロータがそのトルクによって回転し、第1MG200は発電機として機能する。また、リングギヤ(R)320の回転数(出力回転数)を一定とした場合、第1MG200の回転数を大小に変化させることにより、エンジン1000の回転数を連続的に(無段階に)変化させることができる。すなわち、エンジン1000の回転数を例えば燃費が最もよい回転数に設定する制御を、第1MG200を制御することによって行なうことができる。その制御は、ECU100によって行なわれる。
走行中にエンジン1000を停止させていれば、第1MG200が逆回転しており、その状態から第1MG200を電動機として機能させて正回転方向にトルクを出力させると、キャリヤ(C)330に連結されているエンジン1000にこれを正回転させる方向のトルクが作用し、第1MG200によってエンジン1000を始動(モータリングもしくはクランキング)することができる。その場合、出力軸600にはその回転を止める方向のトルクが作用する。したがって走行のための駆動トルクは、第2MG400の出力するトルクを制御することにより維持でき、同時にエンジン1000の始動を円滑におこなうことができる。なお、この種のハイブリッド形式は、機械分配式あるいはスプリットタイプと称されている。
図1に戻って、第2MG400は、一例として三相交流回転電機であって、電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成される。インバータ310を介してバッテリなどの蓄電装置700接続されている。インバータ310を制御することにより、力行および回生ならびにそれぞれの場合におけるトルクを制御するように構成されている。なお、第2MG400のステータ(図示せず)は固定されており、回転しないようになっている。
変速機500は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。それぞれ外歯歯車である第1サンギヤ(S1)510と第2サンギヤ(S2)520とが設けられており、その第1サンギヤ(S1)510に第1のピニオン531が噛合するとともに、その第1のピニオン531が第2のピニオン532に噛合し、その第2のピニオン532が
各サンギヤ510,520と同心円上に配置されたリングギヤ(R)540に噛合している。
なお、各ピニオン531,532は、キャリヤ(C)550によって自転かつ公転自在に保持されている。また、第2サンギヤ(S2)520が第2のピニオン532に噛合している。したがって第1サンギヤ(S1)510とリングギヤ(R)540とは、各ピニオン531,532と共にダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また第2サンギヤ(S2)520とリングギヤ(R)540とは、第2のピニオン532と共にシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
さらに、変速機500には、第1サンギヤ(S1)510を選択的に固定するB1ブレーキ561と、リングギヤ(R)540を選択的に固定するB2ブレーキ562とが設けられている。これらのブレーキ561,562は摩擦力によって係合力を生じるいわゆる摩擦係合要素であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキ561,562は、油圧による係合力に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。さらに、第2サンギヤ(S2)520に前述した第2MG400が連結される。キャリヤ(C)550が出力軸600に連結される。
したがって、上記の変速機500は、第2サンギヤ(S2)520がいわゆる入力要素であり、またキャリヤ(C)550が出力要素となっており、B1ブレーキ561を係合させることにより変速比が“1”より大きい高速段が設定される。B1ブレーキ561に替えてB2ブレーキ562を係合させることにより、高速段より変速比の大きい低速段が設定される。
この各変速段の間での変速は、車速や要求駆動力(もしくはアクセル開度)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。
図3に、変速機500の共線図を示す。図3に示すように、B2ブレーキ562によってリングギヤ(R)540を固定すれば、低速段Lが設定され、第2MG400の出力したトルクが変速比に応じて増幅されて出力軸600に付加される。これに対してB1ブレーキ561によって第1サンギヤ(S1)510を固定すれば、低速段Lより変速比の小さい高速段Hが設定される。この高速段Hにおける変速比も“1”より大きいので、第2MG400の出力したトルクがその変速比に応じて増大させられて出力軸600に付加される。
なお、各変速段L,Hが定常的に設定されている状態では、出力軸600に付加されるトルクは、第2MG400の出力トルクを変速比に応じて増大させたトルクとなるが、変速過渡状態では各ブレーキ561,562でのトルク容量や回転数変化に伴う慣性トルクなどの影響を受けたトルクとなる。また、出力軸600に付加されるトルクは、第2MG400の駆動状態では、正トルクとなり、被駆動状態では負トルクとなる。
本実施の形態において、ハイブリッド車は、エンジン1000のみの駆動力を用いる第1走行モード、エンジン1000が停止した状態で第2MG400のみの駆動力を用いる第2走行モード、エンジン1000および第2MG400の両方の駆動力を用いる第3走行モードのうちのいずれかのモードで走行する。アクセル開度、蓄電装置700の残存容量などの種々のパラメータに基づいて、走行モードが選択される。
なお、走行モードの選択方法については、ハイブリッド車の技術分野において周知の技術を利用すればよいため、ここでは更なる詳細な説明は繰り返さない。また、モードの数は3つに限らない。
図4を参照して、エンジン1000についてさらに説明する。
エンジン1000は、Aバンク1011と、Bバンク1012とが設けられたV型エンジンである。なお、水平対向エンジンを用いるようにしてもよい。
エンジン1000には、エアクリーナ1020から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ1030により調整される。スロットルバルブ1030はモータにより駆動される電子スロットルバルブである。
空気は、吸気通路1032を通って、Aバンク1011に設けられた4つの気筒(シリンダ)1041、および、Bバンク1012に設けられた4つのシリンダ1042に導入される。シリンダの合計数は6、10または12であってもよい。また、シリンダの合計数は、それら以外であってもよい。
空気は、シリンダ1041,1042において燃料と混合される。Aバンク1011のシリンダ1041の各々には、シリンダ1041の各々に対して一つずつ設けられたインジェクタ1051から燃料が直接噴射される。同様に、Bバンク1012のシリンダ1042の各々には、シリンダ1042の各々に対して一つずつ設けられたインジェクタ1052から燃料が直接噴射される。燃料は吸気行程において噴射される。なお、燃料が噴射される時期は、吸気行程に限らない。
本実施の形態においては、インジェクタ1051,1052の噴射孔がシリンダ1041,1042内に設けられた直噴エンジンとしてエンジン1000を説明するが、直噴用のインジェクタ1051,1052に加えて、ポート噴射用のインジェクタを設けてもよい。さらに、ポート噴射用のインジェクタのみを設けるようにしてもよい。
Aバンク1011のシリンダ1041内の混合気は、シリンダ1041の各々に対して一つずつ設けられた、点火プラグ1061により着火され、燃焼する。同様にBバンク1012のシリンダ1042内の混合気は、シリンダ1042の各々に対して一つずつ設けられた点火プラグ1062により着火され、燃焼する。燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、三元触媒1070により浄化された後、車外に排出される。混合気の燃焼により、
Aバンク1011の各シリンダ1041に対して設けられたピストン1081および、
Bバンク1012の各シリンダ1042に対して設けられたピストン1082が押し下げられ、クランクシャフト1090が回転する。
シリンダ1041,1042の各々の頭頂部には、インテークバルブ1101,1102およびエキゾーストバルブ1111,1112が設けられる。
Aバンク1011内のシリンダ1041に対して設けられたインテークバルブ1101は、インテークカムシャフト1121により駆動される。Aバンク1011内のシリンダ1041に対して設けられたエキゾーストバルブ1111は、エキゾーストカムシャフト1131により駆動される。
同様に、Bバンク1012内のシリンダ1042に対して設けられたインテークバルブ1102は、インテークカムシャフト1122により駆動される。Bバンク1012内のシリンダ1042に対して設けられたエキゾーストバルブ1112は、エキゾーストカムシャフト1132により駆動される。Aバンク1011のインテークカムシャフト1121と、エキゾーストカムシャフト1131とは、チェーンやギヤ等により連結され、同じ回転数で回転する。同様に、Bバンク1012のインテークカムシャフト1122と、エキゾーストカムシャフト1132とは、チェーンやギヤ等により連結され、同じ回転数で回転する。
Aバンク1011内のインテークバルブ1101の位相(開閉タイミング)は、インテークカムシャフト1121に設けられたVVT機構2001により制御される。同様に、Bバンク1012内のインテークバルブ1102の位相は、インテークカムシャフト1122に設けられたVVT機構2002により制御される。
本実施の形態においては、インテークカムシャフト1121,1122がVVT機構2001,2002により回転されることにより、インテークバルブ1101,1102の位相が制御される。なお、位相を制御する方法はこれに限らない。
なお、Aバンク1011内のエキゾーストバルブ1111の位相を制御するVVT機構、および、Bバンク1012内のエキゾーストバルブ1112の位相を制御するVVT機構を設けてもよい。
Aバンク1011のVVT機構2001およびBバンク1012のVVT機構2002は、油圧により作動する。VVT機構2001,2002には、周知の一般的なVVT機構を用いればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。なお、VVT機構2001,2002を電動モータにより作動するように構成してもよい。
VVT機構2001,2002は、ECU100により制御される。より具体的には、VVT機構2001,2002に供給される油圧、またはVVT機構2001,2002から排出される油圧が、ECU100によって制御される。
ECU100には、クランク角センサ5000からクランクシャフト1090のクランク角を表すパルス信号が入力される。ECU100は、クランク角センサ5000から入力されたパルス信号に基づいて、エンジン1000の回転数(回転速度)NEを検出する。なお、エンジン回転数NEを検出する方法については周知の一般的な方法を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
また、ECU100には、Aバンク1011のカムポジションセンサ5011からインテークカムシャフト1121の位相(回転方向におけるカムシャフトの位置)を表すパルス信号(インテークバルブ1101の位相を表わす信号)が入力される。同様に、ECU100には、Bバンク1012のカムポジションセンサ5012からインテークカムシャフト1122の位相を表すパルス信号(インテークバルブ1102の位相を表わす信号)が入力される。
さらに、ECU100には、水温センサ5020からエンジン1000の水温(冷却水の温度)を表す信号が、エアフローメータ5030からエンジン1000の吸入空気量(エンジン1000に吸入される空気量)を表す信号が入力される。
ECU100は、これらのセンサから入力された信号、ROM102に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン1000が所望の運転状態になるように、スロットル開度、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、インテークバルブ1101,1102の位相などを制御する。
図5に示すように、ECU100は、エンジン1000の負荷KLおよびエンジン回転数NEをパラメータに有するマップに基づいて、インテークバルブ1101,1102の位相を決定する。すなわち、インテークバルブ1101,1102の位相は、エンジン回転数NEおよび負荷KLに応じて変化するように制御される。また、インテークバルブ1101,1102の位相を決定するためのマップは、水温別に複数記憶される。後述するように、図5において斜線で示す低回転中負荷領域においては、空燃比の異常の有無が診断される。
図6に示すように、インテークバルブ1101,1102の位相は、最遅角の位相から最進角の位相の間で変化するように制御される。最遅角の位相および最進角の位相は、VVT機構2001,2002の構造から必然的に定まる。
図7を参照して、ECU100の機能について説明する。なお、以下に説明するECU100の機能はハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアにより実現してもよい。
ECU100は、制御部110と、回転変動量検出部120と、診断部130とを備える。
制御部110は、エンジン回転数NEおよび負荷に応じてインテークバルブ1101,1102の位相が変化するように、VVT機構2001,2002を制御する。
回転変動量検出部120は、クランク角センサ5000から入力される信号に基づいて、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト1090)の回転変動量を検出する。たとえば、予め定められた角度だけクランクシャフト1090が回転するのに要する時間が計測され、計測された時間の最大値と最小値との差が回転変動量として検出される。なお、たとえば、計測された時間から、クランクシャフト1090が予め定められた回数だけ回転する間(たとえば2回転する間)における角速度を求め、角速度の最大値と最小値との差を回転変動量として検出するようにしてもよい。その他、回転変動量は、周知の一般的な技術を利用して検出すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。
診断部130は、予め定められた診断実行条件が満たされた場合、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相、および、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相が、最遅角の位相になるように、VVT機構2001,2002を制御する。なお、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相、および、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相が、最進角の位相になるように、VVT機構2001,2002を制御するようにしてもよい。ただし、位相が最進角である場合には、インテークバルブ1101,1102とエキゾーストバルブ1111,1112とのオーバーラップが大きいため、内部EGR量が増大する。この場合、シリンダ1041,1042間の内部EGR量の差によりクランクシャフト1090の回転変動量が大きくなり得る。したがって、位相を最遅角にすることが好ましい。
さらに、診断部130は、診断実行条件が満たされた場合、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相、および、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相が、最遅角の位相である状態で、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて、空燃比の異常の有無を診断する。たとえば、クランクシャフト1090の回転変動量がしきい値以上であると、シリンダ間での空燃比の差が大きいという異常が生じていると判断される。なお、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて空燃比の異常の有無を診断する方法には、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。
診断実行条件は、たとえば、エンジン1000の運転状態が、図8において斜線で示す、低回転中負荷領域にあるという条件である。すなわち、診断実行条件は、エンジン1000の負荷が予め定められた負荷KL1以上であり、かつ負荷KL1よりも大きい負荷KL2であるとともに、エンジン1000の回転数が予め定められた回転数NE1以下であるという条件である。したがって、本実施の形態において、空燃比の異常の診断は、ハイブリッド車の走行中に行なわれる。負荷KL1、負荷KL2および回転数NE1は、実験およびシミュレーションなどに基づいて、開発者により予め定められる。なお、その他の条件を診断実行条件が含むようにしてもよい。
図8において斜線で示す低回転中負荷領域は、エンジン1000の運転状態が安定し得ると考えられる運転領域である。ハイブリッド車においては、走行中および停車中にエンジン1000が停止される頻度が高いため、空燃比の異常を診断する機会を得がたい。そこで、走行中においても空燃比の異常を診断する機会を確保すべく、低回転中負荷領域において、空燃比の異常が診断される。
図9を参照して、ECU100が実行する処理の手順について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU100は、診断実行条件が満たされたか否かを判断する。診断実行条件が満たされていると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
S102にて、ECU100は、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相、および、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相が、最遅角の位相になるように、VVT機構2001,2002を制御する。
S104にて、ECU100は、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相、および、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相が、最遅角の位相である状態で、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて、空燃比の異常の有無を診断する。
これにより、Aバンク1011のVVT機構2001により変化されるインテークバルブ1101の位相と、Bバンク1012のVVT機構2002により変化されるインテークバルブ1102の位相とが同じである状態で、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて異常の有無を診断することができる。そのため、クランクシャフト1090の回転変動が生じる要因から、シリンダ1041,1042間でのインテークバルブ1101,1102の位相差を除くことができる。その結果、異常の有無を精度よく診断することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10を参照して、本実施の形態におけるECU100の機能について説明する。なお、以下に説明するECU100の機能はハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアにより実現してもよい。
ECU100は、制御部110と、回転変動量検出部120と、第1位相検出部121と、第2位相検出部122と、診断部132とを備える。制御部110および回転変動量検出部120は、前述の第1の実施の形態における制御部110および回転変動量検出部120と同じである。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
第1位相検出部121は、Aバンク1011のカムポジションセンサ5011から入力されるパルス信号に基づいて、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相を検出する。
第2位相検出部122は、Bバンク1012のカムポジションセンサ5012から入力されるパルス信号に基づいて、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相を検出する。
診断部132は、予め定められた診断実行条件が満たされた場合、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて、空燃比の異常の有無を診断する。本実施の形態において、診断実行条件は、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相と、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相とが同じであるという条件を含む。すなわち、本実施の形態において、診断実行条件は、Aバンク1011のインテークバルブ1101の位相と、Bバンク1012のインテークバルブ1102の位相とが同じであるという条件に加えて、エンジン1000の負荷が負荷KL1以上であり、かつ負荷KL1よりも大きい負荷KL2であるとともに、エンジン1000の回転数が予め定められた回転数NE1以下であるという条件を含む。
図11を参照して、本実施の形態においてECU100が実行する処理の手順について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)200にて、ECU100は、診断実行条件が満たされたか否かを判断する。診断実行条件が満たされていると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS200に戻される。
S202にて、ECU100は、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて、空燃比の異常の有無を診断する。
このようにしても、前述の第1の実施の形態と同様に、Aバンク1011のVVT機構2001により変化されるインテークバルブ1101の位相と、Bバンク1012のVVT機構2002により変化されるインテークバルブ1102の位相とが同じである状態で、クランクシャフト1090の回転変動量に基づいて異常の有無を診断することができる。そのため、クランクシャフト1090の回転変動が生じる要因から、シリンダ1041,1042間でのインテークバルブ1101,1102の位相差を除くことができる。その結果、異常の有無を精度よく診断することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 ECU、102 ROM、110 制御部、120 回転変動量検出部、121 第1位相検出部、122 第2位相検出部、130,132 診断部、1000 エンジン、1011 Aバンク、1012 Bバンク、1040,1042 シリンダ、1090 クランクシャフト、1101,1102 インテークバルブ、1121,1122 インテークカムシャフト、2001,2002 VVT機構、5000 クランク角センサ、5011,5012 カムポジションセンサ。

Claims (5)

  1. 第1の気筒に対して設けられた第1のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第1の可変バルブタイミング機構と、前記第1の気筒とは別の第2の気筒に対して設けられた第2のバルブの位相を、前記第1の位相から前記第2の位相まで変更可能な第2の可変バルブタイミング機構とが設けられた内燃機関の異常診断装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転変動量を検出するための手段と、
    前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が前記第1の位相になるように制御するとともに、前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が前記第1の位相である状態で、前記内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断するための診断手段とを備える、内燃機関の異常診断装置。
  2. 前記異常診断装置は、前記内燃機関の負荷および前記内燃機関の出力軸の回転数に応じて前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が変化するように制御するための手段をさらに備え、
    前記診断手段は、前記内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ前記第1の負荷よりも大きい第2の負荷以下であるとともに、前記内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下であると、前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が前記第1の位相になるように制御するとともに、前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が前記第1の位相である状態で、前記内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断する、請求項1に記載の内燃機関の異常診断装置。
  3. 前記第1のバルブは第1のインテークバルブであって、
    前記第2のバルブは第2のインテークバルブであって、
    前記第1の位相は、最遅角の位相である、請求項2に記載の内燃機関の異常診断装置。
  4. 第1の気筒に対して設けられた第1のバルブの位相を、第1の位相から第2の位相まで変更可能な第1の可変バルブタイミング機構と、前記第1の気筒とは別の第2の気筒に対して設けられた第2のバルブの位相を、前記第1の位相から前記第2の位相まで変更可能な第2の可変バルブタイミング機構とが設けられた内燃機関の異常診断装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転変動量を検出するための手段と、
    前記第1のバルブの位相を検出するための手段と、
    前記第2のバルブの位相を検出するための手段と、
    前記第1のバルブの位相と前記第2のバルブの位相とが同じであるという条件を含む予め定められた条件が満たされると、前記内燃機関の出力軸の回転変動量に基づいて異常の有無を診断するための診断手段とを備える、内燃機関の異常診断装置。
  5. 前記異常診断装置は、前記内燃機関の負荷および前記内燃機関の出力軸の回転数に応じて前記第1のバルブの位相および前記第2のバルブの位相が変化するように制御するための手段をさらに備え、
    前記予め定められた条件は、前記第1のバルブの位相と前記第2のバルブの位相とが同じであるという条件に加えて、前記内燃機関の負荷が第1の負荷以上であり、かつ前記第1の負荷よりも大きい第2の負荷以下であるとともに、前記内燃機関の出力軸の回転数が予め定められた回転数以下であるという条件を含む、請求項4に記載の内燃機関の異常診断装置。
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