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JP5089253B2 - タイヤのための音源特定装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車輌が走行するときにタイヤから生じる異常音音源を特定するための装置に関する。
タイヤのトレッドには、多数の溝が刻まれている。これら溝により、タイヤにトレッドパターンが形成される。タイヤの転動により、ノイズが発生する。ノイズは、トレッドが路面に衝突することで生じる。溝の空気が圧縮されることでも、ノイズが生じる。ノイズは、ドライバーに不快感を与える。ノイズの小さなタイヤが、望まれている。特開平10−90125号公報には、タイヤのノイズが測定されるための方法が開示されている。
単一のユニットが周方向に繰り返されるトレッドパターンが存在する。互いのパターンが異なる複数のユニットが組み合わされたトレッドパターンも、存在する。複数のユニットが組み合わされたトレッドパターンでは、ユニットの配置に起因した異常音が生じることがある。この異常音は、ドライバーに特に不快感を与える。この異常音は、特定の速度で車輌が走行するときに生じる。この異常音は、特定の周波数を有する。この異常音の音圧は、大きい。この異常音の音源は、タイヤの軸方向及び周方向において偏在している。音源の数は、通常は1箇所から数カ所である。異常音の生じにくいタイヤが、望まれている。
タイヤの開発では、試作タイヤのノイズが測定される。この試作タイヤで異常音が生じたとき、トレッドパターンの改良がなされる。トレッドパターンの改良には、異常音の音源が特定される必要がある。例えば、ノトレッドパターンの一部の溝が埋められ、ノイズ測定が再度行われる。再度の測定で異常音が生じなければ、埋められた溝が音源である。
特開平10−90125号公報
音源の特定では、試行錯誤が繰り返される。音源の特定には、多大の時間と労力とがかかる。音源の特定が事実上不可能なトレッドパターンも存在する。本発明の目的は、確実かつ容易に音源が特定される装置の提供にある。
本発明に係る音源特定装置は、
(1)回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が測定されるためのマイクロホン、
(2)上記タイヤの回転量が測定されるための回転量測定計
及び
(3)上記音圧の時間軸データと回転量の時間軸データとを関連づけるコンピュータ
を備える。
好ましくは、この装置は、回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が連続的に測定されるための複数のマイクロホンを備える。これらマイクロホンは、タイヤの軸方向に添って並んでいる。この装置では、軸方向における音圧分布の時間軸データが算出されうる。
好ましくは、この装置は、回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が連続的に測定されるための多数のマイクロホンを備える。これらマイクロホンは、タイヤの軸方向及び軸方向と直交する方向に添って並んでいる。この装置では、軸方向及び軸方向と直交する方向における音圧分布の時間軸データが算出されうる。
好ましくは、この装置は、音響ホログラフィー装置をさらに備える。この音響ホログラフィー装置によって、音圧分布のイメージデータが得られる。
本発明に係る音源特定方法は、
(1)回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が測定されるステップ、
(2)上記音の測定と同時に、このタイヤの回転量が測定されるステップ
及び
(3)上記音圧の時間軸データと回転量の時間軸データとの関連づけに基づき、特定周波数の音源の周方向位置が特定されるステップ
を含む。
本発明に係る装置では、音圧の時間軸データと回転量の時間軸データとの関連づけにより、異常音の音源が確実かつ容易に特定されうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る音源特定装置2が示された概念図である。この装置2は、多数のマイクロホン4、音響ホログラフィー装置6、回転量測定計としてのロータリーエンコーダー8、コンピュータ10及びモニタ12を備えている。マイクロホン4は、指向性である。
図2は、図1の装置2が用いられた音源特定方法の様子が示された正面図であり、図3はその左側面図である。図2及び図3には、タイヤ14、回転軸16、ドラム18、マイクロホン4及びロータリーエンコーダー8が示されている。タイヤ14は、トレッド20を備えている。図示されていないが、トレッド20には溝が刻まれており、トレッドパターンが形成されている。タイヤ14は、回転軸16に装着されている。回転軸16は、フリーである。回転軸16を通じ、タイヤ14に所定の荷重が負荷される。トレッド20は、ドラム18に接地している。マイクロホン4は、トレッド20の接地面の近くに配置されている。マイクロホン4は、図示されないケーブルによって音響ホログラフィー装置6に接続されている。ロータリーエンコーダー8は、回転軸16に装着されている。ロータリーエンコーダー8は、図示されないケーブルによって、コンピュータ10に接続されている。
図4(a)は図1の装置2のマイクロホン4が示された正面図であり、図4(b)はその左側面図である。この装置2は、48本のマイクロホン4を備えている。これらマイクロホン4は、AからLの12の列に配置されている。各列には、#1から#4の4本のマイクロホン4が配置されている。図4(a)において、左右方向はタイヤ14の軸方向であり、上下方向は軸方向と直交する方向である。多数のマイクロホン4が、軸方向及び軸方向と直交する方向に添って並んでいる。
マイクロホン4は、本体22、アダプター24及びウインドスクリーン26を備えている。本体22は、アダプター24に固定されている。アダプター24は、孔28を備えている。ウインドスクリーン26は、多孔質であり、柔軟である。ウインドスクリーン26は、本体22を覆っている。隣接する本体22同士の間隔が小さいので、ウインドスクリーン26は圧縮されて変形している。従って、隣接するウインドスクリーン26同士の間には、空間は存在しない。
図2及び3に示されたタイヤ14は、異常音が生じるものである。この異常音は、タイヤ14が特定速度で走行したときに生じる。この異常音は、特定周波数を有する。図1から4に示された装置2により、この異常音の音源が特定されうる。以下、音源特定方法が説明される。
ドラム18は、図示されない駆動手段(例えばモータ)により、図3中の矢印A1の方向に回転させられる。前述のようにドラム18にはトレッド20が接地しているので、ドラム18の回転によってタイヤ14は矢印A2の方向に回転させられる。異常音が生じるときの車輌の速度と、タイヤ14の周速とが一致するように、ドラム18が回転させられる。
タイヤ14の回転により、接地面でノイズが発生する。このノイズは、48本のマイクロホン4により、連続的に測定される。それぞれのマイクロホン4におけるノイズの時間軸データが、保存される。
タイヤ14の回転に伴い、回転軸16が回転する。回転軸16の回転に伴い、ロータリーエンコーダー8も回転する。ロータリーエンコーダー8からは、回転角度(回転量)に対応したパルス信号が発せられる。このパルス信号は、コンピュータ10に送られる。パルス信号は、時間軸データとして、保存される。
コンピュータ10は、それぞれのマイクロホン4におけるノイズの時間軸データと、パルス信号の時間軸データを関連づける。コンピュータ10は、回転角度ごとのノイズのデータを周波数分析する。この分析により、周波数ごとの音圧が得られる。これにより、回転角度ごとかつ周波数ごとの音圧分布が得られる。音圧分布は、例えば等圧線によって表示されうる。多数の音圧分布のイメージが、回転角度の順に、モニター12に向けて出力される。換言すれば、音圧分布がタイヤ14の周方向位置と関連づけられる。
このモニタ12により、オペレータは、音圧が最大であるポイントを知ることができる。このポイントは、異常音の音源である。前述のようにそれぞれのイメージはタイヤ14の周方向位置と関連づけられているので、オペレータは音源の周方向位置を知ることができる。さらにオペレータは、音源の軸方向位置を知ることができる。周方向位置及び軸方向位置の把握により、オペレータは異常音の音源を特定できる。
図5は、図4のマイクロホン4が示された分解平面図である。図5において、左右方向が軸方向である。図5には、2つのマイクロホン4とバー30とが示されている。バー30は、アダプター24の孔28を通されている。アダプター24は、バー30に対してスライド可能である。図5では、ウインドスクリーン26は本体22から離れている。
矢印A3で示されるように、ウインドスクリーン26は本体22に差し込まれる。さらに、矢印A4で示されるように、マイクロホン4がスライドさせられる。スライドにより、隣接するウインドスクリーン26同士が当接する。さらなるスライドにより、ウインドスクリーン26は圧縮され、変形する。変形により、軸方向において、隣接するマイクロホン4同士の間に空間が生じない。これにより、マイクロホン4による風切り音の収音が抑制される。マイクロホン4が回動することにより、ウインドスクリーン26が圧縮されてもよい。
図6は、図4のマイクロホン4が示された分解左側面図である。図6において、紙面垂直方向が軸方向である。アダプター24は、バー30に対して回動可能である。図6では、ウインドスクリーン26は本体22から離れている。
矢印A5で示されるように、ウインドスクリーン26は本体22に差し込まれる。さらに、矢印A6で示されるように、マイクロホン4が回動させられる。回動により、隣接するウインドスクリーン26同士が当接する。さらなる回動により、ウインドスクリーン26は圧縮され、変形する。変形により、軸方向と直交方向において、隣接するマイクロホン4同士の間に空間が生じない。これにより、マイクロホン4による風切り音の収音が抑制される。マイクロホン4がスライドすることにより、ウインドスクリーン26が圧縮されてもよい。
図4において矢印Pで示されているのは、隣接するマイクロホン4同士のピッチである。ピッチPが過小であると、一方のマイクロホン4の収音範囲が他方のマイクロホン4の収音範囲と大幅に重複する。大幅な重複は、測定精度を阻害する。測定精度の観点から、ピッチPは25mm以上が好ましい。なお、将来において、現状のマイクロホン4よりも指向性能に優れたマイクロホンが開発されれば、ピッチPが25mm未満に設定されうる。ピッチPが過大であっても、十分な測定精度が得られない。精度の観点から、ピッチPは130mm以下が好ましい。
マイクロホン4の列の数は、トレッド20の幅が考慮されて決定される。通常は、列の数は3以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。図4の例では、列の数は12である。主溝を備えたトレッドでは、列の数がこの主溝の数以上であることが好ましい。主溝は環状であり、タイヤ14の周方向に延在する。マイクロホン群の軸方向幅W(図4参照)がトレッド20の幅よりも大きいことが好ましい。
1つの列当たりのマイクロホン4の数は、2以上が好ましく、3以上が好ましく、4以上が特に好ましい。図4の例では、この数は4である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
車輌の速度が80km/hのときに異常音が生じるタイヤ14を用意した。このタイヤのサイズは、「225/55R17」である。既知の方法に基づくノイズ測定の結果、この異常音の周波数は630Hzであった。このタイヤ14のトレッドパターンは、図7に示されるUSS、US、UM、UL及びULLの5つのユニットの組み合わせからなる。図7における左右方向は、タイヤ14の周方向である。これらのユニットは、周方向長さが互いに異なる。このトレッドパターンにおけるユニットのレイアウトは、US、USS、USS、US、US、US、UM、UM、ULL、UL、UL、UL、UM、US、US、US、USS、USS、USS、US、US、UM、UL、UL、ULL、UL、UM、US、US、USS、US、UM、UL、UM、USS、US、UL、ULL、ULL、UL、UM、US、US、US、UM、UL、ULL、UL、、US、USS、USS、US、UM、UM、ULL、ULL、UL、US、US、USS、USS、USS、US、UL、UL、ULL及びULの順である。図8には、このトレッドパターン32の一部の展開図が示されている。このトレッドパターン32は、4本の主溝34、多数の副溝36及び多数のサイピング38を備えている。主溝34は周方向に延びており、環状である。
このタイヤ14を、図1から6に示された装置2に装着した。この装置2では、マイクロホン4として、「20kHz Array Microphone」が用いられている。この装置2では、音響ホログラフィー装置6として、ブリュエル・ケア社の「PULSE Non-Stationary STSF」が用いられている。この装置2では、コンピュータ10として、ヒューレット・パッカード社の「HP xw8200/CT Workstation」が用いられている。
タイヤ14の周速が80km/hとなるようにドラム18を回転させた。48本のマイクロホン4で測定された音の信号を、音響ホログラフィー装置6に送信した。この音響ホログラフィー装置6にて、ロータリーエンコーダー8のパルス信号に基づき、タイヤ14の回転角度において1°ごとの周波数分析を行った。この分析により、630Hzの周波数の音圧分布のイメージデータを得た。タイヤ14が10回転する間のイメージデータに基づき、平均値を求めた。この平均値によって得られたイメージを、モニタ12に表示した。モニタ12には、360枚の静止画イメージが連続して表示された。これらのイメージを観察し、音圧が最大値を示すイメージを選択した。このイメージが、図9に示されている。
図9には、93dBから100dBまでの等圧線が示されている。図9より、異常音の音圧が100dB台であることが解った。図9より、音源の軸方向位置が、E列のマイクロホン4とF列のマイクロホン4との中間地点であることが解った。図9にはさらに、このイメージが得られたときのタイヤ14の回転角度が示されている。基準からの回転角度は、51°であった。この回転角度より、異常音の音源の周方向位置が基準から51°の地点であることが解った。軸方向位置及び周方向位置の判明により、音源が特定された。この例では、図8において符号38Xで示されたサイピングが、異常音の音源であった。このサイピング38Xは、最も短いユニットUSSが3つ連続している箇所に存在している。
このサイピング38Xの形状が変更された他のタイヤを製作した。このタイヤを図1から6に示された装置2に装着し、回転角度が51°である場合のイメージを表示した。このイメージが、図10に示されている。図10には、93dBから96dBの等圧線が示されている。図10から明らかなように、音圧の最大値は、96dB台であった。このタイヤでは、サイピング38Xに起因する異常音は生じていない。
本発明に係る装置により、種々のタイヤにおいて、異常音の音源が特定されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る音源特定装置が示された概念図である。 図2は、図1の装置が用いられた音源特定方法の様子が示された正面図である。 図3は、図1の装置が用いられた音源特定方法の様子が示されたその左側面図である。 図4(a)は図1の装置のマイクロホンが示された正面図であり、図4(b)はその左側面図である。 図5は、図4のマイクロホンが示された分解平面図である。 図6は、図4のマイクロホンが示された分解左側面図である。 図7は、本発明の実施例に係る方法に供されるタイヤのユニットが示された展開図である。 図8は、図7のタイヤのトレッドパターンの一部が示された展開図である。 図9は、図1の装置にて表示された音圧分布のイメージが示された模式図である。 図10は、図1の装置にて表示された音圧分布のイメージが示された模式図である。
符号の説明
2・・・音源特定装置
4・・・マイクロホン
6・・・音響ホログラフィー装置
8・・・ロータリーエンコーダー
10・・・コンピュータ
12・・・モニタ
14・・・タイヤ
16・・・回転軸
18・・・ドラム

Claims (5)

  1. 回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が測定されるためのマイクロホン、
    上記タイヤの回転量が測定されるための回転量測定計
    及び
    上記音圧の時間軸データと回転量の時間軸データとを関連づけるコンピュータ
    を備えたタイヤのための音源特定装置。
  2. 回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が連続的に測定されるための複数のマイクロホンを備えており、
    これらマイクロホンがタイヤの軸方向に添って並んでおり、
    この軸方向における音圧分布の時間軸データが算出されうる請求項1に記載の装置。
  3. 回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が連続的に測定されるための多数のマイクロホンを備えており、
    これらマイクロホンがタイヤの軸方向及び軸方向と直交する方向に添って並んでおり、
    この軸方向及び軸方向と直交する方向における音圧分布の時間軸データが算出されうる請求項2に記載の装置。
  4. 音響ホログラフィー装置をさらに備えており、この音響ホログラフィー装置によって上記音圧分布のイメージデータが得られる請求項3に記載の装置
  5. 回転するタイヤから生じる特定周波数の音圧が測定されるステップ、
    上記音の測定と同時に、このタイヤの回転量が測定されるステップ
    及び
    上記音圧の時間軸データと回転量の時間軸データとの関連づけに基づき、特定周波数の音源の周方向位置が特定されるステップ
    を含む音源特定方法。
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