ところが、上記コアレス配線基板は、コア基板を省略して製造されているため、その強度を十分に確保することができない。ゆえに、多層配線基板をコアレス配線基板とする場合には、たとえ枠部の表面に上記した枠部側導体層を設けたとしても、多層配線基板の中間製品の強度を確保できなくなる。その結果、例えば中間製品に対して半導体集積回路素子やチップコンデンサなどを接合する場合、接合に用いたはんだが冷却される際に、製品形成領域と枠部との熱膨張係数差に起因する熱応力の影響を受けて中間製品に反りが生じてしまうため、多層配線基板の歩留まりが低下してしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反りを防止して製品の歩留まりを向上させることができる多層配線基板の中間製品を提供することにある。また、本発明の別の目的は、歩留まりを向上させることができる多層配線基板の製造方法を提供することにある。
そして、上記課題を解決するための手段(手段1)としては、複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有し、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられている多層配線基板の中間製品であって、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定したことを特徴とする多層配線基板の中間製品がある。
従って、手段1の多層配線基板の中間製品によれば、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率が、製品形成領域に占める製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定されるため、各層の樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキが小さくなる。その結果、各層の熱膨張係数差が小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力も小さくなるため、製品部側導体層に部品を接続する際に上記の熱応力が加わったとしても、中間製品が反りにくくなる。ゆえに、中間製品から得られる製品の歩留まりを向上させることができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有し、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられ、前記製品部内の領域における前記樹脂絶縁層と前記製品部側導体層とを交互に積層した構造を有し、同一の前記樹脂絶縁層を主体として形成され、同一方向に拡径したビアのみによりそれぞれの前記製品部側導体層が接続される多層配線基板の中間製品であって、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層上における前記枠部内の領域に、前記枠部側導体層が存在しない複数のスリット状の非形成領域が前記製品部の外形線に沿って設定された切断予定線の延長線上に配置され、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率のバラツキを、15%以内に設定したことを特徴とする配線基板の中間製品がある。
従って、手段2の多層配線基板の中間製品によれば、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキが、15%以内に設定されて小さくなる。その結果、各層の熱膨張係数差が小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力も小さくなるため、製品部側導体層に部品を接続する際に上記の熱応力が加わったとしても、中間製品が反りにくくなる。ゆえに、中間製品から得られる製品の歩留まりを向上させることができる。
ここで、「前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率」とは、製品形成領域の表面において所定の領域を設定した場合にその領域に占める製品部側導体層の比率(露出比率)のことをいうものとする。同様に、「前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率」とは、枠部の表面において所定の領域を設定した場合にその領域に占める枠部側導体層の比率(露出比率)のことをいうものとする。さらに、「前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率」とは、樹脂絶縁層の主面において所定の領域を設定した場合にその領域に占める導体層の比率(露出比率)のことをいうものとする。
前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率はいずれも限定されるべきではないが、例えば50%以上に設定することがよい。仮に、枠部側導体層の面積率が50%未満であると、製品形成領域と枠部との熱膨張係数差が大きくなり、その熱膨張係数差に起因する熱応力も大きくなるため、熱応力の影響を受けて中間製品に反りが生じてしまう可能性がある。
なお、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、全て同一となるように設定することが好ましい。このようにすれば、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキが殆どなくなるため、各層の熱膨張係数を略一定にすることができる。ゆえに、各層の熱膨張係数差に起因して発生する熱応力がほぼ零となるため、上記の熱応力に起因する中間製品の反りを極めて小さくすることができる。なお、「前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、全て同一となるように設定」したとは、面積率を完全に同一にしたことだけでなく、面積率を略同一にしたことも含むものとする。
また、前記多層配線基板が、コア基板を有さず、前記製品部内の領域における前記樹脂絶縁層と前記製品部側導体層とを交互に積層した構造を有し、同一の前記樹脂絶縁層を主体として形成され、同一方向に拡径したビアのみによりそれぞれの前記製品部側導体層を接続する配線基板である場合、強度を十分に確保することができず、多層配線基板の中間製品の反りがより顕著になる。よって、多層配線基板がコア基板を有しない場合に、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率を製品形成領域に占める製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定したり、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキを15%以内に設定したりすれば、より効果的に中間製品の反りを防止することができる。
ここで、「多層配線基板の中間製品」とは、多層配線基板の完成品に対する概念であって、具体的には、製品形成領域から枠部を除去するとともに、製品形成領域を製品部の外形線に沿って設定された切断予定線に沿って切断することにより、製品部同士を分割する分離工程が完了していない状態の多層配線基板のことを指す。一般的に、多層配線基板の中間製品、製品形成領域及び製品部は、いずれも平面視略矩形状となるように形成される。また、製品部の面積は、製品形成領域の面積に比べてかなり小さく設定される。従って、製品形成領域内には、製品部が例えば数十個から数百個配置される。
一方、「枠部」は、製品とはならず製造時に製品形成領域から分離、除去されてしまう部分であって、製品形成領域の周囲を取り囲んでいる。前記枠部には、枠部側導体層がいわゆるダミー導体層として形成されている。
また、多層配線基板の中間製品は、複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有する。前記樹脂絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。前記樹脂絶縁層の形成材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。なお、樹脂絶縁層には、層間接続のためのビア導体を形成するために、あらかじめビア穴が形成されていてもよい。
前記導体層(前記製品部側導体層及び前記枠部側導体層)は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって、樹脂絶縁層の主面にパターン形成される。前記製品部側導体層及び前記枠部側導体層の形成に用いられる金属材料の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。
なお、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層上における前記枠部内の領域に、前記枠部側導体層が存在しない複数のスリット状の非形成領域を前記製品部の外形線に沿って設定された切断予定線の延長線上に配置するとともに、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きくなるに従って、前記非形成領域の幅を大きく設定することにより、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定してもよい。このようにした場合、一般的に等間隔に配置される製品部に合わせて複数の非形成領域が配置されるため、複数の非形成領域を互いに等間隔に配置しやすくなる。その結果、枠部に占める枠部側導体層の面積率を枠部のどの部分においても均一にしやすくなり、ひいては、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキをよりいっそう小さくすることができる。その結果、各層の熱膨張係数差がよりいっそう小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力もよりいっそう小さくなるため、上記の熱応力が多層配線基板の中間製品に加わったとしても、中間製品がよりいっそう反りにくくなる。
ここで、前記複数のスリット状の非形成領域は、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層上に配置される。非形成領域の深さは、特に限定される訳ではないが、例えば、枠部の幅(枠部と製品形成領域との境界部分から枠部の外周縁までの距離)と等しく設定されていてもよい。即ち、枠部側導体層は、複数の非形成領域によって分断されていてもよい。
また、前記枠部側導体層をメッシュ状に形成するとともに、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きくなるに従って、前記枠部側導体層の線幅を細く設定することにより、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定してもよい。このようにした場合、パターン設計の負担を軽減できるため高コスト化の防止を達成しやすくなる。
ここで、メッシュ状の枠部側導体層は、導体層がある領域と導体層がない領域とが規則的に連続するものであれば何でもよいが、パターン設計負担の軽減という観点から、複数のラインパターンを交差させてなるものが好適である。より具体的にいうと、メッシュ状の枠部側導体層は、互いに等間隔に配置された複数の第1ラインパターンと、同じく互いに等間隔に配置された複数の第2ラインパターンとを垂直に交差させてなるものが好ましい。この場合、ラインパターンの線幅は特に限定されるべきではないが、例えば0.1mm以上1.5mm以下、さらには0.2mm以上1.3mm以下、特には0.3mm以上1.0mm以下に設定されることが好適である。
上記課題を解決するための別の手段(手段3)としては、複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有し、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられ、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定した多層配線基板の中間製品を準備する準備工程と、前記製品形成領域から前記枠部を除去するとともに、前記製品形成領域における切断予定線に沿って切断することにより、前記製品部同士を分割する分離工程とを含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法がある。
従って、手段3の多層配線基板の製造方法によれば、準備工程において、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率を製品形成領域に占める製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定した中間製品を準備することにより、各層の樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキが小さくなる。その結果、各層の熱膨張係数差が小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力も小さくなる。よって、準備工程後に製品部側導体層に対して部品を接続する際に、上記の熱膨張係数差に起因する熱応力が多層配線基板の中間製品に加わったとしても、中間製品が反りにくくなるため、中間製品から得られる多層配線基板の歩留まりを向上させることができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段4)としては、複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有し、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられ、前記製品部内の領域における前記樹脂絶縁層と前記製品部側導体層とを交互に積層した構造を有し、同一の前記樹脂絶縁層を主体として形成され、同一方向に拡径したビアのみによりそれぞれの前記製品部側導体層が接続され、前記複数の樹脂絶縁層のうち少なくとも1つの樹脂絶縁層上における前記枠部内の領域に、前記枠部側導体層が存在しない複数のスリット状の非形成領域が前記製品部の外形線に沿って設定された切断予定線の延長線上に配置され、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率のバラツキを、15%以内に設定した多層配線基板の中間製品を準備する準備工程と、前記製品形成領域から前記枠部を除去するとともに、前記製品形成領域における切断予定線に沿って切断することにより、前記製品部同士を分割する分離工程とを含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法がある。
従って、手段4の多層配線基板の製造方法によれば、準備工程において、樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキを15%以内に設定した中間製品を準備することにより、各層の樹脂絶縁層の主面に占める導体層の面積率のバラツキが小さくなる。その結果、各層の熱膨張係数差が小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力も小さくなる。よって、準備工程後に製品部側導体層に対して部品を接続する際に、上記の熱膨張係数差に起因する熱応力が多層配線基板の中間製品に加わったとしても、中間製品が反りにくくなるため、中間製品から得られる多層配線基板の歩留まりを向上させることができる。
以下、手段3,4にかかる多層配線基板の製造方法について説明する。
準備工程では、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定した多層配線基板の中間製品、または、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率のバラツキを、15%以内に設定した多層配線基板の中間製品を準備する。
なお、前記準備工程としては、片面に金属箔を有する基材上に前記複数の樹脂絶縁層を積層する積層工程と、前記積層工程後、前記基材を除去して前記金属箔を露出させる基材除去工程と、前記基材除去工程後、前記金属箔に対するパターニングを行うパターニング工程と、前記パターニング工程後、最表層の前記樹脂絶縁層の主面に形成された前記導体層上に部品接続用のはんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程とからなる工程などが挙げられる。
ここで、金属箔としては、例えば、銀、金、白金、銅、チタン、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タングステンのいずれかからなるものを挙げることができる。特に金属箔は、銅からなることが好ましい。このようにすれば、金属箔が他の材料からなる場合よりも、金属箔の低抵抗化が図られるとともに、金属箔の導電性が向上する。
また、前記はんだバンプ形成工程では、最表層の前記樹脂絶縁層上に形成された前記製品部側導体層上に部品接続用のはんだバンプを形成する。このはんだバンプを介して製品部側導体層と部品との電気的接続が図られる。
前記はんだバンプをなす金属としては、搭載される部品の接続端子の材質等に応じて適宜選択すればよいが、90Pb−10Sn、95Pb−5Sn、40Pb−60SnなどのPb−Sn系はんだ、Sn−Sb系はんだ、Sn−Ag系はんだ、Sn−Ag−Cu系はんだ、Au−Ge系はんだ、Au−Sn系はんだなどが挙げられる。
また、好適な前記部品としては、コンデンサ、半導体集積回路素子(ICチップ)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。さらに、ICチップとしては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory )などを挙げることができる。ここで、「半導体集積回路素子」とは、主としてコンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される素子をいう。
その後、製品形成領域から枠部を除去するとともに、製品形成領域を製品部の外形線に沿って設定された切断予定線に沿って切断することにより、製品部同士を分割する分離工程を行えば、複数ピースの製品(多層配線基板)を得ることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態のコアレス配線基板101(多層配線基板)を示す概略断面図である。コアレス配線基板101は、コア基板を有さず、エポキシ樹脂からなる3層の樹脂絶縁層41,42,43と銅からなる配線層51とを交互に積層した構造を有する配線基板である。樹脂絶縁層41〜43は、同一の厚さ(48μm)及び材料からなる層間絶縁層である。
コアレス配線基板101の主面102(第3層の樹脂絶縁層43の主面47)には、端子パッド52がアレイ状に配置されている。さらに、樹脂絶縁層43の主面47はソルダーレジスト128によってほぼ全体的に覆われている。このソルダーレジスト128には、各端子パッド52を露出させる開口部129が形成されている。各端子パッド52の表面上には、複数のはんだバンプ130が配設されている。各はんだバンプ130は、矩形平板状をなすICチップ131(部品)の面接続端子132に電気的に接続されている。なお、各端子パッド52及び各はんだバンプ130が形成されている領域は、ICチップ131を搭載可能なICチップ搭載領域133である。
図1に示されるように、コアレス配線基板101の裏面103(第1層の樹脂絶縁層41の下面)には、BGA用パッド53がアレイ状に配設されている。また、樹脂絶縁層41の下面は、ソルダーレジスト142によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト142には、各BGA用パッド53を露出させる開口部145が形成されている。各BGA用パッド53の表面上には、複数のはんだバンプ155が配設されており、各はんだバンプ155により、コアレス配線基板101は図示しないマザーボード上に実装される。
さらに、各樹脂絶縁層41〜43には、それぞれビア穴146及びビア導体147が設けられている。各ビア穴146は、逆円錐台形状をなし、各樹脂絶縁層41〜43に対してYAGレーザまたは炭酸ガスレーザを用いた穴あけ加工を施すことで形成される。各ビア導体147は、同一方向(図1では上方向)に拡径した導体であって、各配線層51、前記端子パッド52及びBGA用パッド53を相互に電気的に接続している。
次に、コアレス配線基板101の中間製品11について説明する。
図2,図3に示されるように、コアレス配線基板101の中間製品11は、縦213.6mm×横52.0mmの平面視略矩形状であって、製品形成領域28と、その製品形成領域28の周囲を取り囲む枠部29とからなっている。製品形成領域28には、製品(コアレス配線基板101)となるべき正方形状の製品部27が平面方向に沿って5個配置されている。また、枠部29は、製品形成領域28を取り囲むように配置される4つの縁部30と、縁部30同士の接続部分に位置する4つの角部31とを有している。
図3に示されるように、前記各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47における製品部27内の領域には、製品部側導体層である前記配線層51(厚さ15μm)が形成されている。さらに、最表層の樹脂絶縁層43の主面46における製品部27内の領域には、製品部側導体層である前記各端子パッド52(厚さ15μm)が形成され、最表層の樹脂絶縁層41の下面における製品部27内の領域には、前記各BGA用パッド53(厚さ15μm)が形成されている。また、各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47における枠部29内の領域には、枠部側導体層54(厚さ15μm)が形成されている。枠部側導体層54は、枠部29内の略全体の領域において略矩形枠状に形成されたプレーン状導体である。枠部側導体層54は、いずれも最終製品に残るものではなく、いわばダミー導体層と言うべきものである。
図2,図3に示されるように、このコアレス配線基板101の中間製品11は、各製品部27の外形線120に沿って切断される。このような外形線120に沿った線のことを切断予定線121と定義する。詳述すると、各製品部27同士を互いに分割するための切断予定線121は、隣接する製品部27の外形線120同士の間に設定されている。また、前記製品形成領域28から枠部29を分離するための切断予定線121は、製品部27の外形線120と枠部側導体層54の内周縁との間であって、製品形成領域28と枠部29との境界部分に設定されている。
そして図2に示されるように、全ての樹脂絶縁層41〜43上における枠部29内の領域には、枠部側導体層54が存在しない複数の非形成領域61が配置されている。各非形成領域61は、前記各縁部30において互いに等間隔に配置されるとともに、切断予定線121の延長線上に配置されたスリット状の領域である。そして、各非形成領域61の一部は、縁部30と前記角部31との境界部分に配置されている。なお、各非形成領域61は、枠部29の内周縁及び外周縁において開口しているため、各非形成領域61の長さは、枠部側導体層54の幅(枠部側導体層54の内周縁から枠部側導体層54の外周縁までの距離)と等しく設定されている。即ち、枠部側導体層54は、各非形成領域61によって分断されている。また、各非形成領域61の幅は、隣接する製品部27の外形線120同士の間隔、及び、製品部27の外形線120と枠部側導体層54の内周縁との間隔と等しく設定されている。
なお本実施形態では、製品形成領域28に占める前記製品部側導体層の面積率A1が、各層ごとに同一ではないように設定されている。具体的に言うと、第1層の樹脂絶縁層41の主面45上では、前記製品形成領域28に占める製品部側導体層(配線層51)の面積率A1が86%に設定されている。また、第2層の樹脂絶縁層42の主面46上では、製品形成領域28に占める製品部側導体層(配線層51)の面積率A1が64%に設定され、第3層の樹脂絶縁層43の主面47上では、製品形成領域28に占める製品部側導体層(配線層51及び端子パッド52)の面積率A1が78%に設定されている。よって、面積率A1の最高値は86%となり、面積率A1の最低値は64%となる。
また本実施形態では、樹脂絶縁層に設けられた製品部側導体層の面積率A1が大きくなるに従って、その樹脂絶縁層の主面と同一面内に存在する前記非形成領域61の幅が大きく設定されるとともに、前記枠部29に占める前記枠部側導体層54の面積率A2が小さく設定される。具体的に言うと、第1層の樹脂絶縁層41の主面45上では、面積率A1が最も大きいため、非形成領域61の幅が最も大きい値(0.9mm)に設定されるとともに、面積率A2が最も小さい値(60%)に設定される。また、第2層の樹脂絶縁層42の主面46上では、面積率A1が最も小さいため、非形成領域61の幅が最も小さい値(0.3mm)に設定されるとともに、面積率A2が最も大きい値(100%)に設定される。さらに、第3層の樹脂絶縁層43の主面47上では、面積率A1が2番目に大きいため、非形成領域61の幅が2番目に大きい値(0.6mm)に設定されるとともに、面積率A2が2番目に大きい値(86%)に設定される。なお、枠部29に占める枠部側導体層54の面積率A2は、50%以上に設定されている。
さらに本実施形態では、各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47に占める導体層(製品部側導体層及び枠部側導体層54の全て)の面積率A3が、面積率A1の最高値(86%)と最低値(64%)との間に設定されている。具体的に言うと、第1層の樹脂絶縁層41の主面45に占める導体層(配線層51及び枠部側導体層54)の面積率A3が、80%に設定されている。また、第2層の樹脂絶縁層42の主面46に占める導体層(配線層51及び枠部側導体層54)の面積率A3が72%に設定され、第3層の樹脂絶縁層43の主面47に占める導体層(配線層51、端子パッド52及び枠部側導体層54)の面積率A3が80%に設定されている。つまり、最上層の樹脂絶縁層41の主面45に占める導体層の面積率A3と、最下層の樹脂絶縁層43の主面47に占める導体層の面積率A3とが、互いに同一となっている。また、各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47に占める面積率A3のバラツキは、8%となるため、面積率A3はほぼ同一となる。
次に、コアレス配線基板101の製造方法について説明する。
準備工程では、図2,図3に示したようなコアレス配線基板101の中間製品11を作製し、あらかじめ準備しておく。コアレス配線基板101の中間製品11は以下のように作製される。まず、図4に示されるように、ガラスエポキシ基板などの十分な強度を有する支持基板70を準備する。次に、支持基板70上に、エポキシ樹脂からなるシート状の絶縁樹脂基材を半硬化の状態で貼り付けて下地樹脂絶縁層71を形成することにより、支持基板70及び下地樹脂絶縁層71からなる基材69を得る。そして、図5に示されるように、基材69の片面(具体的には下地樹脂絶縁層71の上面)に、積層金属シート体72を配置する。ここで、半硬化の状態の下地樹脂絶縁層71上に積層金属シート体72を配置することにより、以降の製造工程で積層金属シート体72が下地樹脂絶縁層71から剥がれない程度の密着性が確保される。積層金属シート体72は、2枚の銅箔73,74(金属箔)を剥離可能な状態で密着させてなる。具体的には、金属めっき(例えば、クロムめっき)を介して各銅箔73,74を積層することで積層金属シート体72が形成されている。
その後、図6に示されるように、積層金属シート体72上にシート状の絶縁樹脂基材40を積層し、真空圧着熱プレス機(図示略)を用いて真空下にて加圧加熱することにより、絶縁樹脂基材40を硬化させて第1層の樹脂絶縁層41を形成する(積層工程)。そして、図7に示されるように、レーザ加工を施すことによって樹脂絶縁層41の所定の位置にビア穴146を形成し、次いで各ビア穴146内のスミアを除去するデスミア処理を行う。その後、従来公知の手法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことで、各ビア穴146内にビア導体147を形成する。さらに、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)によってエッチングを行うことで、中間製品11の製品部27内となる領域における樹脂絶縁層41上に配線層51をパターン形成する(図8参照)。これと同時に、中間製品11の枠部29内となる領域における樹脂絶縁層41上に、枠部側導体層54をパターン形成するとともに、枠部側導体層54が存在しない複数の非形成領域61を形成する。
また、第2層,第3層の樹脂絶縁層42,43及び配線層51についても、上述した第1層の樹脂絶縁層41及び配線層51と同様の手法によって形成し、樹脂絶縁層41上に積層していく。そして、端子パッド52が形成された樹脂絶縁層43上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト128を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト128に開口部129をパターニングする。以上の製造工程によって、支持基板70上に積層金属シート体72、樹脂絶縁層41〜43及び配線層51を積層した積層体80を形成する(図9,図10参照)。なお図9に示されるように、積層体80において積層金属シート体72上に位置する領域が、コアレス配線基板101の中間製品11となるべき配線積層部81となる。また図10に示されるように、積層体80には、中間製品11を平面方向に沿って3個配置したブロック82が平面方向に沿って2個配置され、各ブロック82の周囲が周囲部83によって取り囲まれている。
続く第1分離工程では、積層体80をダイシング装置(図示略)により切断し、各ブロック82の周囲領域を除去する。この際、図10に示すように、各ブロック82とその周囲部83との境界において、配線積層部81の下方にある下地樹脂絶縁層71及び支持基板70ごと切断する。これにより、各ブロック82同士が分割され、2個のブロック82(図11参照)となる。
次に、各ブロック82において基材69を除去し、銅箔73を露出させる(基材除去工程)。具体的に言うと、積層金属シート体72における2枚の銅箔73,74の界面にて剥離して、配線積層部81を支持基板70から分離する(図12参照)。そして、図13に示されるように、配線積層部81(樹脂絶縁層41)の裏面103(下面)上にある銅箔73に対してエッチングによるパターンニングを行うことにより、最表層の樹脂絶縁層41における前記製品部27内の領域にBGA用パッド53を形成する(パターニング工程)。その後、図14に示されるように、BGA用パッド53が形成された樹脂絶縁層41上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、配線積層部81の裏面103を覆うようにソルダーレジスト142を形成する(ソルダーレジスト形成工程)。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト142に開口部145をパターニングする。
次に、最表層の樹脂絶縁層43上に形成された複数の端子パッド52上に、ICチップ接続用のはんだバンプ130を形成する(はんだバンプ形成工程)。具体的には、図示しないはんだボール搭載装置を用いて各端子パッド52上にはんだボールを配置した後、はんだボールを所定の温度に加熱してリフローすることにより、各端子パッド52上にはんだバンプ130を形成する。同様に、配線積層部81の裏面103側に形成されている複数のBGA用パッド53上にもはんだバンプ155を形成する。
続く第2分離工程では、ダイシング装置(図示略)を用いて、ブロック82を中間製品11同士の境界線に沿って切断する。これにより、各中間製品11同士が分割され、図2,図3に示したコアレス配線基板101の中間製品11を得ることができる。
続くICチップ搭載工程では、中間製品11を構成する各製品部27(コアレス配線基板101)のICチップ搭載領域133にそれぞれICチップ131を載置する。このとき、ICチップ131側の面接続端子132と、製品部27側のはんだバンプ130とを位置合わせするようにする。そして、加熱して各はんだバンプ130をリフローすることにより、面接続端子132とはんだバンプ130とが接合され、製品部27にICチップ131が搭載される。
続く第3分離工程では、従来周知の切断装置などを用いて製品形成領域28から枠部29を切断除去するとともに、製品形成領域28における切断予定線121に沿って切断する。これにより、製品部27同士が分割され、複数ピースのコアレス配線基板101となる(図1参照)。
次に、コアレス配線基板の中間製品の反りについての評価方法及びその結果を説明する。
まず、複数の測定用サンプル(図15参照)を次のように準備した。本実施形態の中間製品11を切断して、縦及び横の長さを半分にした測定用サンプルを準備し、これを実施例1とした。なお実施例1は、第1層(樹脂絶縁層41)、第2層(樹脂絶縁層42)及び第3層(樹脂絶縁層43)の主面に占める導体層の面積率A3のバラツキを15%以内(8%)に設定した測定用サンプルである。また、面積率A3のバラツキを0%に設定した測定用サンプルを準備し、これを比較例1,2,3とした。さらに、面積率A3のバラツキを15%よりも大きく設定した測定用サンプルを準備し、これを比較例4,5,6,7,8,9とした。なお、比較例4の面積率A3のバラツキは22%に設定され、比較例5の面積率A3のバラツキは17%に設定され、比較例6〜9の面積率A3のバラツキは17%に設定されている。
次に、各測定用サンプル(実施例1、比較例1〜9)を室温(25℃)から190℃に加熱した。そして、各測定用サンプルの反り量をそれぞれ測定した。具体的には、測定用サンプルを支持台(図示略)上に載置し、支持台の表面から測定用サンプルにおいて持ち上がり量が最も大きい箇所までの高さを、反り量として測定した。
反り量の測定を行った結果、比較例4の反り量が10.3μm、比較例5の反り量が7.7μm、比較例6の反り量が8.0μm、比較例7の反り量が8.2μm、比較例8の反り量が8.5μm、比較例9の反り量が8.7μmとなった。一方、実施例1の反り量が2.7μm、比較例1〜3の反り量が0μmとなった。以上により、実施例1、比較例1〜3の反り量は、比較例4〜9の反り量よりも小さいことが確認された。従って、面積率A3のバラツキを15%以内とすれば、中間製品に反りが生じにくくなることが証明された。
また、複数の測定用サンプル(図16参照)を次のように準備した。各測定用サンプルでは、製品形成領域28に占める製品部側導体層の面積率A1が一定(第1層で86%、第2層で64%、第3層で78%)に設定されるとともに、枠部29に占める枠部側導体層54の面積率A2が複数通りに設定されている。例えば、各樹脂絶縁層41〜43上において面積率A2を50%以上に設定した測定用サンプルを準備し、これを実施例2とした。なお、実施例2の面積率A2は、第1層で77%、第2層及び第3層で100%に設定されている。また、樹脂絶縁層41上において面積率A2を50%未満に設定した測定用サンプルを準備し、これを比較例10とした。なお、比較例10の面積率A2は、第1層で43%、第2層で100%、第3層で69%に設定されている。さらに、樹脂絶縁層41,43上において面積率A2を50%未満に設定した測定用サンプルを準備し、これを比較例11とした。なお、比較例11の面積率A2は、第1層で1%、第2層で73%、第3層で26%に設定されている。また、各樹脂絶縁層41〜43上において面積率A2を50%未満に設定した測定用サンプルを準備し、これを比較例12〜16とした。なお、比較例12の面積率A2は各層で40%に設定され、比較例13の面積率A2は各層で30%に設定され、比較例14の面積率A2は各層で20%に設定され、比較例15の面積率A2は各層で10%に設定され、比較例16の面積率A2は各層で0%に設定されている。
次に、各測定用サンプル(実施例2、比較例10〜16)を室温(25℃)から190℃に加熱し、各測定用サンプルの反り量をそれぞれ測定した。反り量の測定を行った結果、比較例10の反り量が4.5μm、比較例11の反り量が13.8μm、比較例12の反り量が9.0μm、比較例13の反り量が9.2μm、比較例14の反り量が9.4μm、比較例15の反り量が9.7μm、比較例16の反り量が10.0μmとなった。一方、実施例2の反り量は2.0μmとなった。以上により、実施例2の反り量は、比較例10〜16の反り量よりも小さいことが確認された。従って、各樹脂絶縁層41〜43上において面積率A2を50%以上に設定すれば、中間製品に反りが生じにくくなることが証明された。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のコアレス配線基板101の中間製品11では、各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47に占める導体層の面積率A3のバラツキが、8%に設定されることで小さくなる。その結果、各層の熱膨張係数差が小さくなるとともに、熱膨張係数差に起因する熱応力も小さくなるため、ICチップ131の接続に用いたはんだバンプ130が冷却される際に上記の熱応力が加わったとしても、中間製品11が反りにくくなる。ゆえに、中間製品11から得られる製品(コアレス配線基板101)の歩留まりを向上させることができる。
(2)本実施形態では、それぞれの樹脂絶縁層41〜43上において、製品部側導体層(配線層51や端子パッド52)をパターン形成すると同時に、枠部側導体層54(及び非形成領域61)をパターン形成しているため、コアレス配線基板101の製造工程を短縮することができる。また、非形成領域61が、スリット状という比較的単純な形状の領域であるため、パターン設計の負担を軽減することができ、コアレス配線基板101の高コスト化を防止しやすくなる。
なお、本実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の非形成領域61は、枠部29において製品部27の外形線120に沿って設定された切断予定線121の延長線上に配置されていたが、切断予定線121の延長線から平面方向にずれた位置に配置されていてもよい。
・上記実施形態のコアレス配線基板101の中間製品11では、プレーン状に形成された枠部側導体層54が枠部29内の領域に形成されていたが、枠部側導体層を枠部側導体層54とは異なる形態の枠部側導体層とした中間製品であってもよい。図17は、その中間製品151を示している。この中間製品151においては、メッシュ状に形成された枠部側導体層152が枠部29内の領域に形成されている。この場合、製品形成領域28に占める製品部側導体層の面積率A1が大きくなるに従って、枠部側導体層54の線幅を細く設定することにより、各樹脂絶縁層41〜43の主面45〜47に占める導体層の面積率A3が、面積率A1の最高値と最低値との間に設定される。このようにした場合、パターン設計の負担を軽減できるため高コスト化の防止を達成しやすくなる。
・上記実施形態のコアレス配線基板101の製造方法では、最表層の樹脂絶縁層44上に形成された複数の端子パッド52上に、ICチップ接続用のはんだバンプ130を形成していたが、端子パッド52をマザーボード等の他の接続部品に実装されるBGA用パッドとし、BGA用パッド上にはんだバンプを形成してもよい。この場合、配線積層部81の裏面103側にはICチップ接続用の端子パッドが形成される。
・上記実施形態の製品部側導体層形成工程では、銅箔73に対してエッチングによるパターニングを行うことによってBGA用パッド53を形成していた。しかし、銅箔73をエッチングによって完全に除去した後で、別途BGA用パッド53を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態の積層工程において、銅箔73上にBGA用パッド53となる金属層を形成した後で、樹脂絶縁層41を形成してもよい。この場合、樹脂絶縁層41に金属層を露出させるビア穴146を形成した後、ビア穴146内にビア導体147を形成する。このようにすれば、銅箔73をエッチングによって完全に除去して金属層を露出させ、金属層をBGA用パッド53とすることができる。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)複数の樹脂絶縁層を積層した構造を有し、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられている多層配線基板の中間製品であって、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定し、最上層の樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率と、最下層の樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率とを、互いに同一となるように設定したことを特徴とする多層配線基板の中間製品。
(2)コア基板を有さず、同一の樹脂絶縁層を主体として形成され、製品となるべき製品部が平面方向に沿って複数配置された製品形成領域と、その製品形成領域の周囲を取り囲む枠部とからなり、それぞれの樹脂絶縁層の主面に、導体層として前記製品部内の領域に形成された製品部側導体層と前記枠部内の領域に形成された枠部側導体層とが設けられ、前記製品部内の領域における前記樹脂絶縁層と前記製品部側導体層とを交互に積層した構造を有し、同一方向に拡径したビアのみによりそれぞれの前記製品部側導体層を接続する多層配線基板の中間製品であって、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が同一ではなく、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率が大きいものほど、それと同一面内に存在する前記枠部に占める前記枠部側導体層の面積率が小さく設定され、前記樹脂絶縁層の主面に占める前記導体層の面積率を、前記製品形成領域に占める前記製品部側導体層の面積率の最高値と最低値との間に設定したことを特徴とする多層配線基板の中間製品。