JP5255237B2 - 耐候性に優れた難燃性樹脂組成物および絶縁電線 - Google Patents
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Description
近年、このような被覆材料を用いた絶縁電線を適切な処理をせずに廃棄した場合の種々の問題が提起されている。例えば、埋立処理した場合には、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤の溶出、また焼却した場合には、多量の腐食性ガスの発生、ダイオキシンの発生などという問題が起こる。
このため、有害な重金属やハロゲン系ガスなどの発生がないノンハロゲン難燃材料で電線を被覆する技術の検討が盛んに行われている(特許文献1及び2参照)。
従来のノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させたものであり、このような被覆材料の難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物が用いられ、また、樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などが用いられている(特許文献3参照)。
しかしながらこのような水酸化マグネシウムを大量に加えた樹脂組成物及びこれを用いた電線は著しく耐候性に乏しく、屋外や照明配線に使用することが出来ない。
そこでこれまで屋外でノンハロゲン難燃材料を被覆した電線・ケーブルを使用する際には、カーボンを加えることにより耐候性を高め使用してきた。しかし、照明系配線等の種々の配線を行い場合においては、電線の多色化が不可欠であり、このような領域にノンハロゲン電線が使用できない等の問題があった。(例えば、特許文献4参照)
さらに本発明の目的は上記の難燃性樹脂組成物を被覆した絶縁電線を提供することである。
すなわち本発明は、
(1)(a)ポリオレフィン樹脂80〜200/19質量%および、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸系アクリルゴム、エチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸系アクリルゴムからなる群から選ばれたエチレン系共重合体80〜30質量%、(c)スチレン系エラストマー0〜30質量%を主成分として含有する樹脂成分(A)100質量部に対し、水酸化マグネシウムが120〜320質量部を加えた難燃性樹脂組成物において、前記水酸化マグネシウムの少なくとも1/3以上が脂肪酸及び/又はリン酸エステルで表面処理されており、その水酸化マグネシウムに対する処理量が1.8質量%以上であることを特徴とする難燃性樹脂組成物、
(2)前記水酸化マグネシウムの少なくとも1/2以上が脂肪酸及び/又はリン酸エステルで表面処理されていることを特徴とする(1)に記載の難燃性樹脂組成物、
(3)前記ポリオレフィン樹脂として、不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂を前記樹脂成分(A)中に30質量%以下で含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃性樹脂組成物、
(4)前記樹脂成分(A)100質量部に対し、前記水酸化マグネシウムの量が150〜200質量部であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(5)前記水酸化マグネシウム中の鉄とマンガンの総量が200ppm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(6)前記樹脂成分(A)において、エチレン系共重合体中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、及び不飽和カルボン酸成分の合計が樹脂成分中の21〜68質量%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(7)前記樹脂成分(A)において、エチレン系共重合体中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、及び不飽和カルボン酸成分の合計が樹脂成分中の38〜68質量%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(8)シランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムを含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(9)前記樹脂成分(A)100質量部に対し、少なくとも1質量部のヒンダートフェノール抗酸化剤を含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(10)前記樹脂成分(A)100質量部に対し、0.4〜8質量部のベンゾフェノン系及び/又はベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項(1)〜(9)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(11)前記樹脂成分(A)100質量部に対し、0.1〜3質量部のヒンダートアミン系光安定剤を含むことを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を導体又は光ファイバの周りに被覆したことを特徴とする絶縁電線、及び
(13)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物が導体又は光ファイバの周りに被覆され、該被覆部樹脂組成物が架橋されていることを特徴とする絶縁電線
により達成される。
本発明において(a)ポリオレフィン樹脂、(b)エチレン系共重合体及び(c)スチレン系エラストマーを主成分とするとは樹脂成分(A)中(a)〜(c)成分の合計が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であることをいう。
ポリオレフィン樹脂としてはポリプロピレン樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
本発明に用いることのできるポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体や、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、またポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴムの共重合体の混合物等が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EPR(エチレン・プロピレンゴム)、EBR(エチレン・ブタジエンゴム)、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体等がある。このなかでも、シングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
本発明において用いられるシングルサイト触媒の存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体としては、Dow Chemical社から、「AFFINITY」「ENGAGE」(商品名)が、Exxon Chemical社から、「EXACT」(商品名)が、日本ポリケムから「カーネル」がそれぞれ上市されている。
ポリオレフィン樹脂(a)の含有量は、樹脂成分(A)中、80〜5質量%であり、より好ましくは50〜5質量%の範囲であり、本発明においては80〜200/19質量%である。
本発明に用いられるエチレン系共重合体としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル系アクリルゴム、エチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸系アクリルゴムである。エチレン系共重合体の中で難燃性や耐候性を向上させるためにはエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用するのがよい。
エチレン系共重合体(b)の含有量は、樹脂成分(A)中、好ましくは95〜30質量%であり、より好ましくは90〜50質量%の範囲であり、本発明においては80〜30質量%である。
さらに難燃性においても樹脂成分中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、不飽和カルボン酸成分の合計が高いほど難燃性が向上する。
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を主体とする共重合体の水素添加物が好ましく用いられる。
具体的には共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック構造を主体とする共重合体又はランダム構造を主体とする共重合体の水素添加物であって、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどがあげられ、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどがあげられ、これらのうちから、1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
芳香族ビニル化合物成分の含有量は、スチレン系エラストマー中50質量%以下が好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。この量が多すぎると柔軟性が低下する。
また、スチレン系エラストマーの数平均分子量は5,000〜1,000,000程度が好ましく、単分散度(Mw/Mn)の値が10以下が好ましい。また、230℃、荷重21.18Nでのメルトフローレート(以下、MFRと記す)(ASTM D 1238準拠)は12g/10分以下が好ましく、さらに好ましくは6g/10分以下が好ましい。
このような材料としては例えばクラレからセプトン(商品名)、JSR(株)からダイナロン(商品名)が販売されているものがある。
スチレン系エラストマー(c)の含有量は、樹脂成分(A)中、0〜30質量%であり、より好ましくは0〜25質量%の範囲である。
樹脂成分(A)にスチレン系ブロック共重合体を使用する場合、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いることができる。その含有量は、好ましくは樹脂成分(A)中30質量%以下であり、より好ましくは0〜15質量%の範囲である。
ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明に用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤は上記区分でパラフィン系およびナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用によりスチレン系ブロック共重合体が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。鉱物油系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に好ましい。
これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動的粘度が20〜500cSt、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が170〜300℃を示すものが好ましい。
樹脂成分(A)には、前記の(a)のポリオレフィン樹脂の具体例の1種として、不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂を含有させてもよい。その含有量は、好ましくは樹脂成分(A)中30質量%以下であり、より好ましくは0〜20質量%の範囲である。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されるポリオレフィン樹脂としては、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる(以下、これらを併せて不飽和カルボン酸等という)。変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などを挙げることができる。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸またはその誘導体による変性量は通常0.1〜7質量%程度である。
この不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したポリオレフィン樹脂を加えることにより、得られる樹脂組成物の伸びを大きくすると共に強度を保持する効果があり、さらに体積固有抵抗を高く保つことが可能となる。このポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したものは、金属水和物による機械特性の低下を緩和する効果や電線の白化を防ぐ効果もある。
本発明においては、樹脂組成物、配線材に難燃性を付与することを目的として、前記熱可塑性樹脂成分(A)に所定量の水酸化マグネシウム(B)を配合する。水酸化マグネシム(B)の配合量は樹脂成分(A)100質量部に対し、120〜320質量部、好ましくは150〜300質量部、さらに好ましくは180〜280質量部である。
ポリオレフィン樹脂やエチレン系共重合体などの樹脂成分に通常の水酸化マグネシウム等の金属水和物を120重量部以上加えてゆくと、樹脂組成物の耐候性が著しく低下する。
ところが水酸化マグネシウムに脂肪酸及び/又はリン酸エステルを1.5質量%以上表面処理を施した水酸化マグネシウムを用いると、大幅に耐候性が向上する。この場合、水酸化マグネシウム中の鉄とマンガンの総量が200ppm以下とすることにより、さらに耐候性が向上する。
脂肪酸としてはステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、アラキジン酸及びナトリウム塩やカリウム塩などの金属塩化合物が挙げられる。
リン酸エステルは下記式(2)のものが挙げられ、ステアリルアルコールリン酸エステルやその金属塩やラウリルアルコールリン酸エステルやその金属塩等が挙げられる。
さらに処理された又は処理される本水酸化マグネシウムに対して、シランカップリング等で処理しても良い。
特に水酸化マグネシウムの配合量が150質量部を超えると、この効果が非常に顕著となり、当該処理の水酸化マグネシウムが必要不可欠となる。
本発明においてヒンダートフェノール抗酸化剤を含有させるのが好ましい。
その具体例としてはペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)―1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス(3−(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
このヒンダートフェノール抗酸化剤は本樹脂組成物の耐熱性を保持するだけでなく、光によって劣化したラジカルをトラップする働きがある。さらにシランカップリング剤によって結合された金属水和物とポリマー間の光による劣化により生じたラジカルをトラップし、これを修復する事により、ポリマーと金属水和物間の欠陥を抑え、紫外線等の光で当たった後の樹脂組成物の伸びの低下やストレスクラックを抑えることが出来る。
本発明において含有させることができるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
このベンゾフェノン系及び/又はベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の含有量は樹脂成分100質量部中、好ましくは0.4〜8質量部、より好ましくは0.8〜6質量部、さらに好ましくは1.2〜5質量部、特に好ましくは1.5〜5質量部である。
本発明に使用されるヒンダートアミン光安定剤はコハク酸ジメチル1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6,(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4―ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
このヒンダートアミン系光安定剤はシランカップリング剤を介しての金属水和物とポリマーの結合が紫外線等の光で切断された際、修復する作用がある。特に樹脂表面近傍におけるこの結合の修復に大きな効果がある。その使用量は樹脂成分(A)100質量%中、好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明で用いるホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
本発明で用いることのできるホウ酸亜鉛として、具体的には例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B2O3・3.5H2O)、FRC−600(いずれも商品名、水澤化学社製)などがある。またスズ酸亜鉛(ZnSnO3)、ヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH)6)として、アルカネックスZS、アルカネックスZHS(いずれも商品名、水澤化学社製)などがある。
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
本発明の絶縁電線は、導体及び光ファイバの外側に上記の本発明の絶縁樹脂組成物を被覆されたものである。被覆部樹脂組成物は架橋されていることが好ましい。本発明の絶縁樹脂組成物を通常の電線製造用押出成形機を用いて導体や光ファイバ周囲に押出被覆することができる。
樹脂被覆層の架橋の方法は特に制限はなく、電子線架橋法や化学架橋法などの常法で行うことができる。
実施例及び比較例
まず、表に示す各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、各絶縁樹脂組成物を製造した。
次に、電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径1.14mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:30本/0. 18mmφ)上に、予め溶融混練した絶縁樹脂組成物を押し出し法により被覆して、各々絶縁電線を製造した。外径は2.74mm(被覆層の肉厚0.86mm)とした。電線製造後、一部の電線には電子線照射を行うことにより架橋を行った。
(01)エチレン−酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル成分(VA)含有量 33質量%
EV−180(三井デユポンポリケミカル製)
(02)エチレン−エチルアクリレート共重合体
エチルアクリレート成分(EA)含有量 25質量%
A−714(三井デユポンポリケミカル製)
(03)エチレン−酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル成分(VA)含有量 80質量%
レバプレン800HV(バイエル製)
(04)アクリルゴム
エチレン−アクリル酸メチル共重合体ゴム
ベイマックDP(デュポン製)
(05)無水マレイン酸で変性されたポリエチレン
アドテックスL−6100M(日本ポリエチレン製)
(06)スチレン系エラストマー
ダイナロン1320P(クラレ製)
(07)ブロックポリプロピレン
BC8A(日本ポリプロピレン製)
(08)脂肪酸処理水酸化マグネシウム
ステアリン酸処理3% (神島化学工業製)
(09)脂肪酸処理水酸化マグネシウム
ステアリン酸処理2.3% (神島化学工業製)
(10)脂肪酸処理水酸化マグネシウム
ステアリン酸処理1.8% (神島化学工業製)
(11)脂肪酸処理水酸化マグネシウム
ステアリン酸処理0.7% (協和化学工業製)
(12)リン酸エステル処理水酸化マグネシウム
リン酸エステル処理2.3%
キスマ5J (協和化学工業製)
(13)リン酸エステル処理水酸化マグネシウム
リン酸エステル処理0.9% (協和化学工業製)
(14)末端にビニル基を有するシランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウム
キスマ5L(商品名、協和化学社製)
(15)ヒンダートフェノール系老化防止剤
イルガノックス1010(商品名、チバガイギー社製)
(16)チオエーテル系老化防止剤
アデカスタブAO−412S(旭電化製)
(17)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
アデカスタブ1413(旭電化製)
(18)ヒンダートアミン光安定剤
アデカスタブLA52(旭電化製)
(19) 多価アクリル化合物
NKエステル3G(新中村化学製)
(20)ステアリン酸カルシウム
ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)
(21)CR−60
ルチル型酸化チタン
1)伸び、抗張力
各絶縁電線の伸び(%)と被覆層の抗張力(MPa)を、標線間20mm、引張速度200mm/分の条件で測定した。
伸びおよび抗張力の要求特性はそれぞれ、各々200%以上、8MPa以上である。
2)耐候性
電線工業会 技資第130号『照明器具用電線・ケーブルの紫外線劣化促進試験』の方法を用い、110℃60日間加熱処理を行った後、各絶縁電線の被覆層の伸び(%)と被覆層の抗張力(MPa)を、標線間20mm、引張速度200mm/分の条件で測定した。伸び50%以上、抗張力残率65%以上が合格である。
3)難燃性
JIS C 3005の60度傾斜難燃試験に基づき試験を行った。火をつける燃焼時間は7秒とした。
N=3燃焼試験を行い、全数合格することが必要である。
また、また樹脂成分中の、エチレン系共重合体中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、不飽和カルボン酸成分の合計の量(質量%)を「系の酸/エステル含有量(%)」として表1〜3に合わせて示した。
Claims (13)
- (a)ポリオレフィン樹脂80〜200/19質量%および、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸系アクリルゴム、エチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸系アクリルゴムからなる群から選ばれたエチレン系共重合体80〜30質量%、(c)スチレン系エラストマー0〜30質量%を主成分として含有する樹脂成分(A)100質量部に対し、水酸化マグネシウムが120〜320質量部を加えた難燃性樹脂組成物において、
前記水酸化マグネシウムの少なくとも1/3以上が脂肪酸及び/又はリン酸エステルで表面処理されており、その水酸化マグネシウムに対する処理量が1.8質量%以上であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 前記水酸化マグネシウムの少なくとも1/2以上が脂肪酸及び/又はリン酸エステルで表面処理されていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン樹脂として、不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂を前記樹脂成分(A)中に30質量%以下で含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)100質量部に対し、前記水酸化マグネシウムが150〜200質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記水酸化マグネシウム中の鉄とマンガンの総量が200ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)において、エチレン系共重合体中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、及び不飽和カルボン酸成分の合計が樹脂成分中の21〜68質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)において、エチレン系共重合体中の酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、及び不飽和カルボン酸成分の合計が樹脂成分中の38〜68質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- シランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)100質量部に対し、少なくとも1質量部のヒンダートフェノール抗酸化剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)100質量部に対し、0.4〜8質量部のベンゾフェノン系及び/又はベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂成分(A)100質量部に対し、0.1〜3質量部のヒンダートアミン系光安定剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を導体又は光ファイバの周りに被覆したことを特徴とする絶縁電線。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物が導体又は光ファイバの周りに被覆され、該被覆部樹脂組成物が架橋されていることを特徴とする絶縁電線。
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