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JP5332332B2 - ミラーキャビネット本体の射出成形方法 - Google Patents
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JP5332332B2 - ミラーキャビネット本体の射出成形方法 - Google Patents

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本発明は、ポリプロピレン樹脂製のミラーキャビネット本体の射出成形方法に関するものである。
従来、ミラーキャビネット本体は、キャビネット内側の収納部とキャビネット外側とに区画する上下方向へ延びる外側壁の構造として、中空部を介して対峙する外側板と内側板を前側板で連結した横断面コ字状に成形して、剛性を大きくして強度を得ると共に壁に厚みを持たせて見栄えよくするものがあり、真空成形や射出成形で成形されている(特許文献1,特許文献2)。ミラーキャビネット本体は、その素材として、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が用いられている。
特開平5−161557号公報 特開平5−300815号公報
ところで、耐衝撃性ポリスチレン製の部分は、化粧品等の薬品が付着したときに割れることがあるため、薬品に強いミラーキャビネットの出現が望まれている。
この要請に応えるために、発明者らは、薬品に強いポリプロピレン樹脂を用いて射出成形してミラーキャビネット本体の製造を試みたが、横断面コ字状の外側壁のうち、奥側端部が自由端となる外側板に大きな反りが発生するため、外側壁の中空部に適宜上下間隔寸法毎にリブを設けて外側板、内側板及び前側板の各裏側を各リブで連結して反りの発生を防止することにした。
しかし、リブを設けた外側壁は、各リブと接合する外側板、内側板及び前側板の各接合箇所の表面にヒケが生じ、殊に外側に面する目立ち易い外側板及び前側板のヒケがミラーキャビネットの見栄えを悪くする問題を招くことになる。
そこで、本発明は、ポリプロピレン樹脂製のミラーキャビネット本体の外側壁における外側板及び前側板のリブ接合箇所の各表面にヒケを生じさせないミラーキャビネット本体の射出成形方法の提供を目的とする。
本発明が採用した手段は、中空部を介して対峙する外側板及び内側板と、外側板及び内側板に連接する前側板と、中空部に配置され外側板、内側板及び前側板に接合する複数の板状リブとを備えた長手方向へ延びる外壁部を有するミラーキャビネット本体をポリプロピレン樹脂で成形する射出成形方法において、閉じた金型のキャビティ内の外側板、前側板及び板状リブの成形領域における板状リブの外側板及び前側板に接合する接合部の肉厚み寸法を接合する相手方である外側板又は前側板の肉厚み寸法の0.29〜0.46倍とし、且つ、該板状リブを、該前側板と反対側ほど肉厚み寸法が小さくなるように成形し、この閉じた金型のキャビティ内に溶融ポリプロピレン樹脂を充填させ、溶融ポリプロピレン樹脂が冷却固化しつつある状態のときに、充填樹脂の内部における外側板と前側板の接合隅部へ向かって圧縮ガスを注入して、外側板及び前側板の各内部の圧力を圧縮ガスで高めた状態で板状リブを冷却固化させることを特徴とするミラーキャビネット本体の射出成形方法である。
本発明は、圧縮ガスの注入により、外側板及び前側板の各内部の長手方向領域内に、外側板と前側板の接合隅部から離反する短手方向に沿って離反終端へ至る手前の途中まで延びるヒケ防止の空洞が設けられる。
なお、前記板状リブの外側板及び前側板に接合する接合部の肉厚み寸法を0.8〜1.3mmとすることで、冷却固化時の板状リブ収縮量を極力小さくすることが好ましい。
本発明に係るミラーキャビネット本体の射出成形方法は、板状リブの外側板及び前側板に接合する接合部の肉厚み寸法を接合する相手方である外側板又は前側板の肉厚み寸法の0.29〜0.46倍と相当薄くすることで、板状リブの冷却固化時の収縮による外側板及び前側板に与えるヒケの影響を小さくできると共に、外側板及び前側板における板状リブとの接合部の内部にヒケ防止用の空洞を設ける領域では、板状リブの冷却固化時の収縮の影響を空洞で遮断して外側板及び前側板の各表面にヒケを生じさせることもなく、また、外側板及び前側板における板状リブとの接合部の内部にヒケ防止用の空洞が設けない領域では、内部の圧力を圧縮ガスで高めた状態の外側板及び前側板を、板状リブの冷却固化時の収縮力と逆方向となる金型のキャビティ内の成形面へ向かって押圧しつつ冷却固化するので、外側板及び前側板の各表面に生じようとするヒケを抑制することができる。その結果、本発明は、外側に面する目立ち易い外側板及び前側板の表面にヒケのないミラーキャビネット本体を提供することができる。
本発明に係るミラーキャビネット本体の射出成形方法(以下、「本発明成形方法」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1乃至図9は本発明成形方法の実施の形態を示すものであり、図1は本発明成形方法で成形して得たミラーキャビネット本体1に鏡11,12,13を取付けたミラーキャビネットを示す一部破断した斜視図である。図2は成形して得たミラーキャビネット本体1の左の外壁部2の近辺を示すものであって、図(A)は一部破断した斜視図、図(B)は外壁部2を形成する外側板15及び前側板17の内部に設けたヒケ防止用の空洞24を示す斜視図である。図3は外壁部2の各断面を示すものであって、図(A)は図2の図(A)のIII−III線で断面して拡大した平面図、図(B)は図(A)のb−b線で断面した正面図、図(C)は図(A)のc−c線で断面した側面図である。図4は図2の図(A)の外壁部のIV−IV線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した正面図、図5は外壁部の成形状態を中間省略して示す左側図である。図6は図2の図(A)の外壁部のVI−VI線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図、図7は図2の図(A)の外壁部のVII−VII線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図、図8は図2の図(A)の外壁部のIII−III線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図である。
本発明成形方法で得たミラーキャビネット本体1は、図1に示す如く、ポリプロピレン樹脂を射出成形して得られたものであって、左右の外壁部2,3と、左右の外壁部2,3を繋ぐ上下の横壁部4,5と、上下の横壁部4,5の中間部を繋ぐ仕切り壁6,7とを備え、外壁部2(3)と仕切り壁6(7)の間に上下の横壁部4,5で囲まれた左右の収納部8(9)を設けると共に、仕切り壁6,7の間に上下の横壁部4,5で囲まれた中央の収納部10を設け、左右の鏡11,12及び中央の鏡13を取り付けて各収納部8,9,10を開閉するようにしてある。ミラーキャビネット本体1の左右の外壁部2,3は、左右対称に形成されているので、左側の外壁部2のみを説明すると次のとおりである。
前記外壁部2は、図2〜図3に示す如く、中空部19を介して対峙する外側板15及び内側板16と、外側板15及び内側板16に連接する前側板17と、中空部19に配置され外側板15、内側板16及び前側板17に接合する複数枚の板状リブ18とを備え、上下方向に沿う長手方向Aへ延びている。外壁部2は、上下が横壁部4,5に連接すると共に、内側板16の奥側の長手縁が背板22に連接している。外壁部2は、高さ寸法H(例えば、H=800mm)、奥行き寸法D(例えば、D=100mm)、手前の幅寸法W(例えば、W=25mm)及び板状リブ18の上下間隔寸法K(図3(B)参照)(例えば、K=110mm)としてあてる。
前記外壁部2は、外側板15、内側板16及び前側板17の肉厚みT1(例えば、T1=2.5〜4.0mm、好ましくはT1=2.8mm)としてある。また、外壁部2の板状リブ18は、肉厚みT3(図3(C)参照)について、最も厚くなる手前側(前側板17と接合する接合部)の肉厚みT3a(例えば、T3a=0.8〜1.3mm、好ましくはT3a=1.1mm)とすると共に、最も薄くなる奥側(外側板15又は内側板16と接合する接合部)の肉厚みT3b(例えば、T3b=0.5〜1.0mm、好ましくはT3b=0.8mm)とし、板状リブ18の肉厚みを外側板15及び前側板17の肉厚みより相当薄く(T3=0.8〜1.3mm)すると共に、脱型用の抜き勾配を設けてある。
前記外壁部2は、外側板15及び前側板17に股がって外側板15及び前側板17の各内部に、上下方向に沿う長手方向Aと、長手方向Aに直交する前後方向に沿う短手方向Bと、長手方向Aに直交する左右方向に沿う短手方向Cとに延びるヒケ防止用の空洞24が設けられている。ヒケ防止用の空洞24は、外側板15と前側板17が接合する接合隅部20から、離反する短手方向B,Cに沿って外側板15及び前側板17の各離反終端(図3(A)に示す外側板15の後端15a及び前側板17の右端17a)に至る手前の途中まで延びるように形成され、外側板15及び前側板17における板状リブ18との接合箇所の反対側となる表面にヒケを生じさせないようにしてある。ヒケ防止用の空洞24の大きさは、図3(A)に示すように、短手方向Bに沿う外側板15の前後寸法E1、空洞24の前後寸法E2とすると、E2がE1の10〜60%程度であり、また、短手方向Cに沿う前側板17の左右寸法F1、空洞24の左右寸法F2とすると、F2がF1の10〜80%程度にしてある。
前記外壁部2を射出成形して得る本発明成形方法の手順は、次の通りである。先ず、図4〜図8に示す如く、金型23を準備して、閉じた金型23のキャビティ23a内に、外側板15、前側板17及び板状リブ18の成形領域が形成され、板状リブ18の外側板15及び前側板17に接合する接合部18aの成形領域の肉厚み寸法T3(図5参照)を外側板15又は前側板17の成形領域の肉厚み寸法T1の0.29〜0.46倍とすると共に、板状リブ18の成形領域における肉厚み寸法T3を0.8〜1.3mm(例えば、最も厚くなる手前側の肉厚みT3a(例えば、T3a=0.8〜1.3mm、好ましくはT3a=1.1mm)とすると共に、最も薄くなる奥側(後側)の肉厚みT3b(例えば、T3b=0.5〜1.0mm、好ましくはT3b=0.8mm))とすることで、冷却固化時の板状リブ18の収縮量を極力小さくなるようにしてある。また、閉じた金型23のキャビティ23a内には、外側板15と内側板16を接合する湾曲した接合隅部20(図6及び図7参照)の成形領域における肉厚みを外側板15及び前側板17の成形領域における肉厚みT1より0.3〜0.7mm程度厚くすることで、長手方向Aに沿ってヒケ防止用の空洞24を設けやすくしてある。更に、金型23は、閉じたキャビティ23a内の接合隅部20(図6及び図7参照)の成形領域に至るガス注入路25が設けられている。なお、前記肉厚み寸法T3が肉厚み寸法T1の0.46倍を超えて板状リブ18の肉厚みT3が厚くなると外側板15及び前側板17の表面にヒケが生じ、逆に、前記肉厚み寸法T3が肉厚み寸法T1の0.29倍に達せずに板状リブ18の肉厚みT3が薄いときには、外側板15及び前側板17の表面にヒケを生じさせることがない。
次に、この閉じた金型23のキャビティ23a内に溶融ポリプロピレン樹脂M(例えば、ブロックPPであるMFR15〜70で、温度が210℃)を射出して充填させ、金型23の温度を40〜45℃程度に冷却して溶融ポリプロピレン樹脂Mが冷却固化しつつある状態のときに、ガス注入路25を介して外側板15と前側板17の接合隅部20の成形領域へ向かって圧縮ガスG(例えば、圧力が3.8〜4.2Mpa、好ましくは4.0Mpaの窒素ガス)を圧入し、接合隅部20の充填樹脂内部で長手方向Aへ押し進めるように圧縮ガスGを注入すると共に、この接合隅部20から離反する短手方向B,Cに沿ってこの接合隅部20から短手方向B,Cの離反終端へ至る手前の途中まで押し進めるようにして外側板15及び前側板17の各内部の長手方向領域内に圧縮ガスGを注入して、長手方向A及び短手方向B,Cへ延びるヒケ防止用の空洞24(図3(A)及び図2(B)参照)を設け、外側板15及び前側板17の各内部の圧力を圧縮ガスGで高めた状態で各板状リブ18を冷却固化させる。圧縮ガスGの注入は、図3(A)に示すヒケ防止用の空洞24の大きさとして、前記E2がE1の10〜60%程度で、且つ、前記F2がF1の10〜80%程度となるように、注入のタイミング、圧力及び圧力が調整される。
溶融ポリプロピレン樹脂Mを冷却固化するときには、各板状リブ18の外側板15及び前側板17に接合する接合部18aの肉厚み寸法を外側板15又は前側板17の肉厚み寸法の0.29〜0.46倍と相当薄くしてあるため、板状リブ18の冷却固化時の収縮による外側板15及び前側板17に与えるヒケの影響を小さくできると共に、外側板15及び前側板17における板状リブ18との接合部の内部にヒケ防止用の空洞24を設けた領域では、板状リブ18の冷却固化時の収縮の影響を空洞24で遮断して外側板15及び前側板17の各表面にヒケを生じさせることもなく、また、外側板15及び前側板17における板状リブ18との接合部の内部にヒケ防止用の空洞24が設けない領域では、内部の圧力を圧縮ガスGで高めた状態の外側板15及び前側板17を、板状リブ18の冷却固化時の収縮力と逆方向となる金型キャビティ23a内の成形面へ向かって押圧しつつ(図6及び図7中の矢符P参照)冷却固化するので、外側板15及び前側板17の各表面に生じようとするヒケを抑制することができる。
溶融ポリプロピレン樹脂Mが冷却固化したならば、金型23を開いてキャビティ23a内からミラーキャビネット本体1を脱型して射出成形を完了する。このようにして、本発明成形方法では、外側に面する目立ち易い外側板15及び前側板17の表面にヒケのないミラーキャビネット本体1を得ることができる。
本発明者らは、本発明の効果を確認するために、下記の条件で試験を行い図9の表に示す試験結果を得た。
1.試験で成形して得た成形品における外壁部2の外形寸法(図2(A)参照)
高さ寸法H=800mm、奥行き寸法D=100mm、手前の幅寸法W25mm
2.試験で成形して得た成形品における板状リブ18の上下間隔寸法K(図3(B)参照 )
上下間隔寸法K=110mm
3.樹脂の条件
溶融ポリプロピレン樹脂(MFR60)で溶融温度は210℃
本発明成形方法の実施の形態を示すものであり、成形して得たミラーキャビネット本体に鏡を取付けたミラーキャビネットを示す一部破断した斜視図である。 成形して得たミラーキャビネット本体の左の外壁部の近辺を示すものであって、図(A)は一部破断した斜視図、図(B)は外壁部を形成する外側板及び前側板の内部に設けたヒケ防止用の空洞を示す斜視図である。 成形して得たミラーキャビネット本体の左の外壁部の各断面を示すものであって、図(A)は図2の図(A)のIII−III線で断面して拡大した平面図、図(B)は図(A)のb−b線で断面した正面図、図(C)は図(A)のc−c線で断面した側面図である。 図2の図(A)の外壁部のIV−IV線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した正面図である。 外壁部の成形状態を中間省略して示す左側図である。 図2の図(A)の外壁部のVI−VI線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図である。 図2の図(A)の外壁部のVII−VII線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図である。 図2の図(A)の外壁部のIII−III線の断面箇所に相当する箇所を成形している状態を示す中間省略した平面図である。 試験結果を示す表である。
符号の説明
15…外側板、17…前側板、18 …板状リブ、20…接合隅部、23…金型、23a…キャビティ、24…ヒケ防止用の空洞、A…長手方向、B,C…短手方向、G…圧縮ガス、M…溶融ポリプロピレン樹脂

Claims (2)

  1. 中空部を介して対峙する外側板及び内側板と、外側板及び内側板に連接する前側板と、中空部に配置され外側板、内側板及び前側板に接合する複数の板状リブとを備えた長手方向へ延びる外壁部を有するミラーキャビネット本体をポリプロピレン樹脂で成形する射出成形方法において、
    閉じた金型のキャビティ内の外側板、前側板及び板状リブの成形領域における板状リブの外側板及び前側板に接合する接合部の肉厚み寸法を接合する相手方である外側板又は前側板の肉厚み寸法の0.29〜0.46倍とし、且つ、該板状リブを、該前側板と反対側ほど肉厚み寸法が小さくなるように成形し、
    この閉じた金型のキャビティ内に溶融ポリプロピレン樹脂を充填させ、溶融ポリプロピレン樹脂が冷却固化しつつある状態のときに、充填樹脂の内部における外側板と前側板の接合隅部へ向かって圧縮ガスを注入して、外側板及び前側板の各内部の圧力を圧縮ガスで高めた状態で板状リブを冷却固化させることを特徴とするミラーキャビネット本体の射出成形方法。
  2. 請求項1において、前記外壁部を、前記外側板、内側板及び前側板が前記中空部の三方を囲み、該中空部の該前側板と反対側が開放された横断面コ字状の構造とすることを特徴とするミラーキャビネット本体の射出成形方法。
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