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JP5449714B2 - シートパッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は車両等に設置されるシートパッドに係り、特にパッド本体の裏面に補強布が一体化されているシートパッドに関する。また、本発明はこのシートパッドの製造方法に関する。
車両用シートパッドとしては、ポリウレタンフォームよりなるパッド本体に皮革や布などよりなる表皮材などよりなる表被材を装着したものが用いられている。
このシートパッドの裏面は、車両の揺動や乗員等の体の動きによって支持部材と擦れ合うため、パッド本体だけでは損傷しやすい。そこで、シートパッドの裏面に補強布が設けられることがある。
この補強布は、パッド本体を損傷から保護するものであるので、パッド本体に対してずれたり剥離したりすることがないようにパッド本体と一体に形成されている。すなわち、シートパッドを製造する発泡成形工程において、あらかじめ型内面に補強布をセットした状態で樹脂を型内に注入発泡し、パッド本体の成形及び補強布の一体化を同時に行う方法が採用されている。
シートパッドの裏面は複雑な形状を有しているので、これに合わせるために、従来は多数の小片を形状に合わせるように縫製などによって形成したものが補強布として用いられていた。しかしながら、裁断や縫製に多大の労力と時間を要するばかりでなく、型内面の形状に精度よく適合する補強布が得られにくい。そこで、不織布を型にて金型キャビティ面の形状に成型した賦形補強布を用いることもある(特許文献1)。
特開2006−281768号
不織布を賦形するには、不織布にバインダーを含有させておき、不織布を賦形型に沿わせて加熱する。従って、賦形された不織布にはバインダーが含まれており、これにより賦形不織布はそれ自体、ある程度の硬度、剛性を有している。この賦形不織布よりなる補強布をキャビティ面にセットしてウレタンの発泡成形を行うと、ウレタンが補強布に含浸され、補強布の硬度、剛性がさらに高くなる。このような硬度、剛性の高い補強布を裏面に備えたシートパッドに対し乗員が着座し、補強布に局部的に大きな荷重が加えられた場合、補強布の荷重負荷部分が屈曲する如く変形し、「ペコ」という耳障りな屈曲変形音が発生することがある。
本発明は、補強布一体形のシートパッドにおける屈曲変形音の発生を防止することを目的とする。
請求項1のシートパッドは、樹脂発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体の裏面に一体化された補強布とを有するシートパッドにおいて、該補強布は、それぞれバインダーを含む第1層と第2層とを有しており、該第2層は、該第1層よりもバインダー含有量が少ないものであり、該第2層がパッド本体側に配置されていることを特徴とするものである。
請求項2のシートパッドは、請求項1において、前記補強布は、さらに、前記第1層と第2層との間に第3層を有しており、該第3層のバインダー含有量は、該第1層のバインダー含有量よりも少なく、且つ、該第2層のバインダー含有量よりも多いことを特徴とするものである。
請求項3のシートパッドは、請求項1において、前記補強布は前記第1層と第2層のみからなることを特徴とするものである。
請求項4のシートパッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、該補強布は不織布よりなることを特徴とするものである。
請求項5のシートパッドは、請求項1ないし4のいずれか1項において、該パッド本体はポリウレタンフォームよりなることを特徴とするものである。
請求項6のシートパッドは、請求項5において、該ポリウレタンフォームは前記第2層にのみ含浸されていることを特徴とするものである。
請求項7のシートパッドの製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシートパッドを製造する方法であって、前記補強布を前記第1層が金型と接するように金型のキャビティ面に配置する工程と、該金型内にて発泡樹脂用原液を発泡させることにより、該補強布が一体となった該パッド本体を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明のシートパッドは、パッド本体と一体の補強布が、バインダーを含む第1層と、バインダー含有量の少ない第2層とを有し、この第2層がパッド本体側となるように配置されているものである。
パッド本体を成形する発泡樹脂は、この第2層に含浸するが、第1層には全く又は殆ど含浸しない。そのため、第2層の硬度、剛性は樹脂の含浸により増大するが、第1層の硬度、剛性は全く又は殆ど増大しない。この結果、補強布がパッド本体と共に変形する場合、しなやかに変形するようになり、屈曲変形音が発生しない。
第2層のバインダー含有量を第1層のバインダー含有量よりも少なくすることにより、樹脂含浸後における第2層の硬度、剛性が抑制され、屈曲変形音発生が防止される。
補強布は、第1層と第2層のみからなるものが、構成が簡易であり、好ましい。
補強布の構成材料としては不織布が好適である。パッド本体は好ましくはポリウレタンフォームよりなる。このポリウレタンフォームが第2層にのみ含浸し、第1層には含浸しないようにすることにより、第1層の硬度、剛性が抑制され、屈曲変形音の発生が防止される。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は参考例に係る車両用シートパッド1の断面図である。
この車両用シートパッド1は、ウレタンフォーム等よりなるパッド本体2と、このパッド本体2の裏面に一体化された補強布3とで構成されている。この補強布3は、不織布よりなり、バインダーを含有する第1層3aと、バインダーを含有しない第2層3bとからなる。この第2層3bがパッド本体2側に配置されている。ウレタン等は好ましくは第1層3aにのみ含浸している。
この車両用シートパッド1の裏面は、図示しない金属フレームに固定される。このとき、パッド本体2と金属フレームとの間に補強布3が介在することになるため、パッド本体の損傷が防止されると共に、これらパッド本体2と金属フレームとが直接に擦れ合って異音(擦れ音)が発生することが防止される。また、後に詳述する通り、補強布3の硬度、剛性が過大ではなく、屈曲変形音も発生しない。
次に、この車両用シートパッド1の製造方法を説明する。
図2はこの車両用パッド1の製造方法の一例を説明する断面図である。図2において、金型10は、下型10a及び上型10bにより構成されている。図中、符号11はキャビティである。
補強布3は、第1層3aが金型と接し、第2層3b側がキャビティ側となるようにして上型10bの内面に保持される。なお、補強布3は、両面テープやマグネットテープ等を利用して上型10bに取り付けられる。次いで、キャビティ11内にウレタン原液等の軟質フォーム用原料を供給し、型閉めして発泡成形する。その後、脱型することにより、補強布3とパッド本体2とが一体化したシートパッド1が得られる。
この発泡成形に際し、ウレタン等のフォーム材料は第2層3bには含浸するが、第1層3aには全く又は殆ど含浸しない。この結果、第1層3aは、発泡成形によって硬度、剛性が全く又は殆ど増大しない。第2層3bは、フォーム材料の含浸により硬度、剛性が増大するが、第2層3bにはバインダーが含有されていないので、硬度、剛性が増大したとしても、その硬度、剛性はそれ程高いものとはならない。
このように、補強布3は発泡成形後においても硬度、剛性はそれ程高いものとはならないので、乗員が着座しても屈曲変形音は発生しない。
次に、上記のパッド本体2、補強布3及びバインダーの好適な材料等について詳細に説明する。
<パッド本体2>
このパッド本体2は、ポリウレタンフォームよりなることが好ましい。このポリウレタンフォームの原液は、ポリオールとイソシアネートとを主成分とするポリウレタンフォーム配合物である。
上記ポリオールとしては、例えば2価〜6価等の多価アルコール、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。中でもポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリエーテルポリオールを用いることが特に好ましい。これらのポリオールは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネートとしては、公知のイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
ポリウレタンフォーム成形品の硬度を調節する(高くする)観点から、上記ポリウレタンフォーム配合物中に架橋剤を配合することもできる。このような架橋剤としては例えばトリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ショ糖(シュガー)、ペンタエリスリトール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、エチレンジアミン、グリセリン等や、これらにPO又はEO等を付加させたもの、アルキレンオキシドの単独重合体(EOの単独重合体やPOの単独重合体)等が挙げられる。中でも、架橋剤としてEOの単独重合体を用いた場合、ポリウレタンフォーム配合物の発泡硬化時の初期反応を程よく抑制することが可能となり、液の広がりが良くなって金型内の隅々まで発泡原液が行き渡りやすくなる結果、モールド成形体の外形異常(隅部の「欠け」など)が起こりにくくなって好適である。
上記ポリウレタンフォーム配合物中には、通常のポリウレタンフォーム配合物と同様にして、必要に応じて発泡剤、触媒、整泡剤等を配合することができる。
発泡剤はとしては水が好適であるが、メチレンクロライド、モノフッ化トリ塩化メタンなどの低沸点の化合物を使用することもできる。
触媒としては、例えばアミン系、錫系触媒が好適に用いられる。
整泡剤としては、例えば、オルガノポリシロキサン、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができる。
補強布を構成する不織布としては、各種の合成繊維の不織布が好適である。なお、第1層3aの不織布と第2層3bの不織布とは同種類のものであってもよく、異種類のものであってもよい。第1層3aの目付は50〜80g/m特に60〜80g/m程度が好適である。第2層3bの目付は50〜80g/m特に60〜80g/m程度が好適である。
第1層3aにはバインダーが含有されている。第1層のバインダー付着量は30〜60%(重量%、以下同様)特に30〜40%程度が好適である。
本発明では、第2層は、第1層よりも少量のバインダーを含有している
補強布3は、第1層と第2層のみからなることが好ましいが、第1層と第2層との間に第3層を有していてもよい。この第3層としては、バインダー含有量が第1層3aよりも少なく、第2層3bよりも多いものが例示される。第3層は1層だけでなく2層以上設けられてもよい。
第1層3a、第2層3b及び必要に応じ介在される第3層は、ニードルパンチ等によって一体化される。
補強布3を賦形するには、補強布3の原材シートを賦形用の型に沿わせ、加熱すればよい。
第1層3a等に含有されるバインダーとしては、粒状の熱可塑性樹脂や、低融点繊維が例示される。なお、低融点繊維をバインダーとして含む不織布はさらに高融点繊維を含有している。
粒状の熱可塑性樹脂としては、粒状ホットメルト接着樹脂(接着剤)を用いることが好ましい。例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニールクロリド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンビニールアクセテート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブチラール樹脂等があり、これらの混合物であってもよい。また、融点は70〜100℃のものが好ましい。粒状ホットメルト接着剤の粒径としては200μm以下が好ましく、必要に応じて粒径分布を変えてもよい。
低融点繊維と高融点繊維からなる不織布としては、次のような材料を用いることができる。
低融点繊維としては、高融点繊維よりも融点が低く、特定の軟化点及び溶融粘度を有するものが用いられる。具体的には、高融点繊維と混合して高融点繊維の融点より低い温度に加熱することにより溶融して高融点繊維間を融着することができるホットメルト型の接着性繊維が用いられる。また、使用される繊維の太さは、1.5〜10d(デニール)程度が好ましい。
このような低融点繊維としては、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性繊維があげられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、高融点繊維と組合せることでコンジュゲート型、芯鞘型構造等としたものでもよい。この低融点繊維の繊度、繊維長は特に限定されない。この低融点繊維の融点は、100〜160℃程度(もしくは、軟化点が80〜140℃程度)であることが好ましい。
高融点繊維としては、例えばポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン等が用いられる。この高融点繊維の繊度、繊維長も特に限定されない。この高融点繊維の融点は180℃以上(もしくは、軟化点が160℃以上)であればよい。また、低融点繊維と高融点繊維との融点の差(もしくは軟化点の差)が50℃以上あることが好ましい。
低融点繊維と高融点繊維との混合率は、低融点繊維20〜70重量%、高融点繊維30〜80重量%が好ましい。低融点繊維の混合率が20重量%より少ないと融着部分が少なくなり所望の剛性が得られないおそれがある。また、低融点繊維の混合率が70重量%より大きいと剛性が顕著に出るため型からの脱型が困難になるだけでなく、成型後のシート表面がプラスチック化して繊維が残らなくなるためにシートパッド補強布として用いた時にこすれ音が発生しやすくなる。
以下に、参考例及び比較例について説明する。
参考例1
第1層3aにのみバインダーを含有させた補強布3を用いて車両用シートパッド1を製造した。即ち、図1及び図2に示す通り、賦形された補強布3を、第2層3bがキャビティ11側となるようにして上型10bの内面に配置した。次いで、下型10aと上型10bとを型合わせし、キャビティ11内にウレタンフォーム用原料を供給して発泡成形させた。その後、脱型し、補強布3とパッド本体2とが一体化した車両用シートパッド1を得た。
なお、第1層3a及び第2層3bとしては、タフネルESE323(目付80g/m)を用いた。
第1層3aに含有させるバインダーの付着量は40%とした。
軽質フォーム用原料としては、ポリオールと架橋剤、触媒、整泡剤及び水の配合物100質量部と、イソシアネート35質量部とを混合したものを用いた。
また、発泡成形において、この原料の液温を25℃とし、金型10の温度を60℃に維持した。
このようにして成形されたシートパッド1に体重70kgの人が座ったところ、屈曲変形音は発生しなかった。
参考例2
第1層3aのバインダー付着量を40%としたこと以外は参考例1と同様にして、車両用シートパッド1を得た。
このようにして成形されたシートパッド1に体重70kgの人が座ったところ、屈曲変形音は発生しなかった。
比較例1
第2層3bにも第1層3aと同量のバインダーを付着させたこと以外は参考例1と同様にして、車両用シートパッドを製造した。このシートパッドに体重70kgの人が座ったところ、尻下部から屈曲変形音が発生した。
以上から明らかな通り、参考例1,2の車両用シートパッドは、補強布の第1層がバインダーを含有していても、屈曲変形音の発生がない。
参考例に係る車両用シートパッドの模式的な断面図である。 図1の車両用シートパッドの製造方法の一例を説明する断面図である。
符号の説明
1 車両用シートパッド
2 パッド本体
3 補強布
3a 第1層
3b 第2層

Claims (7)

  1. 樹脂発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体の裏面に一体化された補強布とを有するシートパッドにおいて、
    該補強布は、それぞれバインダーを含む第1層と第2層とを有しており、
    該第2層は、該第1層よりもバインダー含有量が少ないものであり、
    該第2層がパッド本体側に配置されていることを特徴とするシートパッド。
  2. 請求項1において、前記補強布は、さらに、前記第1層と第2層との間に第3層を有しており、
    該第3層のバインダー含有量は、該第1層のバインダー含有量よりも少なく、且つ、該第2層のバインダー含有量よりも多いことを特徴とするシートパッド。
  3. 請求項1において、前記補強布は前記第1層と第2層のみからなることを特徴とするシートパッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該補強布は不織布よりなることを特徴とするシートパッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該パッド本体はポリウレタンフォームよりなることを特徴とするシートパッド。
  6. 請求項5において、該ポリウレタンフォームは前記第2層にのみ含浸されていることを特徴とするシートパッド。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシートパッドを製造する方法であって、
    前記補強布を前記第1層が金型と接するように金型のキャビティ面に配置する工程と、
    該金型内にて発泡樹脂用原液を発泡させることにより、該補強布が一体となった該パッド本体を形成する工程と
    を有することを特徴とするシートパッドの製造方法。
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