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JP5452573B2 - 支柱および支柱用制振装置 - Google Patents
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JP5452573B2 - 支柱および支柱用制振装置 - Google Patents

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本発明は、支柱、例えば、道路標識又は道路設備などの支柱、および支柱用制振装置に関する。
道路標識や道路設備などの支柱は、風の影響や車両の走行の影響などによって振動する。例えば、高架橋などでは、車両の走行に伴って高架橋が揺れる。高架橋に設置された道路標識や道路敷設設備は、高架橋の揺れに伴い振動する。かかる振動は小さいが、長期に、かつ、継続して支柱に与えられる。このため、道路標識や道路設備の支柱は、金属疲労によって支柱やアンカーボルトが破損(支柱が中空管であれば亀裂が生じる)することがある。このため、定期的なメンテナンスが必要であった。
かかる道路標識や道路設備などの支柱について、風や車両の走行などによる入力振動を減衰させる制振装置に関しては種々の提案がある。例えば、重りとバネを組み合わせた形態(特開平9−143939号公報)や、バネとオイルダンパーを組合せた形態(特開平5−187482号公報)や、粘性流体中に浸漬した形態(特開2006−71095号公報)、振り子として支柱外部に取り付ける形態(特開2007−239906号公報)が提案されている。また、支柱と固定部の間に振動吸収体を挟んだ形態(特開2001−73329号公報)、支柱内部に振動吸収体を埋設した形態(特開2001−207688号公報)が提案されている。他に、支柱内部にチェーンを垂らした形態(特許第4493090号、特開2006−226038号公報)、支柱内部に粘性流体とその流れを制限する板を配したブロックを設置する形態(特開2007−127210号公報)、振り子をつるした形態(特開2007−170415号公報、特許第3222863号公報)が提案されている。
特開平9−143939号公報 特開平5−187482号公報 特開2006−71095号公報 特開2007−239906号公報 特開2001−73329号公報 特開2001−207688号公報 特許第4493090号 特開2006−226038号公報 特開2007−127210号公報 特開2007−170415号公報 特許第3222863号公報
重りを支柱上部に取り付けるような形態では、既存の道路標識又は道路設備に取り付ける場合クレーンを介した大掛りなものになる。場合によっては、大掛かりに道路交通を制限する必要が生じる。また、上部に重りが配されるため、外観が悪くなるし、支柱上部に重量が配分されるため、地震の際に大きな揺れが生じる可能性がある。またバネ単体では、オイルダンパーを組合せたものよりも振動吸収の点で劣る。また、バネやダンパーを組合せたものは基本的にストローク方向と平行した成分の振動は吸収できるが、バネやダンパーに対して直交する成分の振動は吸収できない。また、振動吸収体を用いるものは振動吸収体に圧縮力や引っ張り荷重が作用する。振動吸収体にゴムを用いる場合、ゴムは圧縮に対する耐力が弱いため、許容される振幅が制限される。また、オイルや粘性体は温度依存性が高く、気温の変化に対する影響で性能が不安定になる恐れがある。
そこで、上記のように、道路標識又は道路設備が取り付けられる支柱に対して、振動を押さえ、早期に減衰させうる減衰装置を備えた支柱を提案する。
本発明の一実施形態に係る支柱は、被設置部に立てられた支柱本体と、支柱本体の周方向の異なる位置において、被設置部に基端が固定され、支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、各ブラケットと支柱本体の外周面との間に配置され、各ブラケットと支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体とを備えている。
かかる支柱によれば、支柱本体に生じる振動を小さく抑えることができるとともに、早期に減衰させることができる。また、支柱本体に生じる振動を小さく抑えることができるので、支柱の寿命を長くできる。
この場合、ブラケットは、支柱本体の中心軸周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部を備えていてもよい。また、ブラケットは、支柱本体の外周面に沿った円弧形状の板状部を備えていてもよい。
ここで、3つ以上のブラケットが支柱本体の周方向において均等に配置されていてもよい。また、複数のブラケットが、支柱本体の中心軸から見て180度の範囲の領域に均等に配置されていてもよい。また、ブラケットは、スペーサを介在させて、被設置部に取り付けられていてもよい。また、ブラケットは、被設置部に固定される基端部と、支柱本体の外周面に沿って延びた板状部とを備え、基端部と板状部とは蝶番で接続されており、板状部が支柱本体の振動に応じて振れ動いてもよい。
また、被設置部に埋められた基礎と、基礎に設けられたアンカーボルトとを備えている場合には、複数のブラケットはアンカーボルトに取り付けられていてもよい。また、支柱本体が基礎に設けられたアンカーボルトに取り付けられている場合には、支柱本体と複数のブラケットとは、同じアンカーボルトに取り付けられていてもよい。
また、高減衰ゴムは、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.3〜1.0であってもよい。また、高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であってもよい。
高減衰ゴムは、耐候性に優れたゴムで被覆されていてもよい。さらに、高減衰ゴムは、耐候性に加えて空気遮断性にも優れたゴムで被覆されていてもよい。また、支柱は、高減衰ゴムの成形体の少なくとも上部を覆うカバーを備えていてもよい。
また、支柱本体に取り付けられる支柱用制振装置は、支柱本体の周方向の異なる位置に対して、被設置部に基端が固定され、支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、各ブラケットと支柱本体の外周面との間に配置され、各ブラケットと支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体とを備えているとよい。
この場合、ブラケットは、支柱本体の中心軸周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部を備えていてもよい。また、ブラケットは、支柱本体の外周面に沿った円弧形状の板状部を備えていてもよい。また、ブラケットは、被設置部に固定される基端部と、支柱本体の外周面に沿って延びた板状部と、基端部と板状部とを接続する蝶番とを備えていてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る支柱を示す図である。 図2は、支柱本体の設置構造を示す図である。 図3は、支柱本体の設置構造を示す図である。 図4は、図1のIV−IV断面矢視図であり、ブラケットの配置を示している。 図5は、支柱用制振装置を示す図である。 図6は、単一のブラケットおよび高減衰ゴムの成形体を示す図である。 図7は、支柱本体の振動に対する高減衰ゴムの成形体の変形を示す図である。 図8は、支柱本体のねじれに対する高減衰ゴムの成形体の変形を示す図である。 図9は、支柱本体に対するブラケットの配置例を示す図である。 図10は、支柱本体に対するブラケットの配置例を示す図である。 図11は、支柱本体に対するブラケットの配置例を示す図である。 図12は、支柱本体に対するブラケットの配置例を示す図である。 図13は、支柱本体に対するブラケットの配置例を示す図である。 図14は、支柱本体に対するブラケットおよび高減衰ゴムの成形体の変形例を示す図である。 図15は、支柱本体に対するブラケットおよび高減衰ゴムの成形体の変形例を示す図である。 図16は、支柱本体に対するブラケットおよび高減衰ゴムの成形体の変形例を示す図である。 図17は、支柱用制振装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る支柱を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、同じ作用を奏する部材又は部位には、適宜に同じ符号を付している。
≪支柱100≫
図1は、本発明の一実施形態に係る支柱を示す図である。この支柱100は、図1に示すように、支柱本体102と、支柱用制振装置200とを備えている。支柱用制振装置200は、ブラケット202と、高減衰ゴムの成形体204とを備えている。ここでは、まず支柱100について説明し、その後、支柱用制振装置200を説明する。
≪支柱本体102≫
支柱本体102は、被設置部300に立てられている。ここで、被設置部300は、地面や道路の路肩など、支柱100が設置される部位(場所)である。
図2は、支柱本体102を被設置部300に取り付ける取り付け構造を示している。図3は、支柱本体102の基端部102aを示し、図2中のIII−III断面を示す断面図である。なお、図1では、支柱用制振装置200が描かれているため、支柱本体102を被設置部300に取り付ける構造は、図2に比べて簡素に描かれている。
この実施形態では、被設置部300は、基礎として、杭基礎302と、コンクリート基礎304とを備えている。杭基礎302は、鋼管で構成されており、被設置部300に深く埋め込まれている。コンクリート基礎304は、図2に示すように、杭基礎302の上端に取り付けられている。コンクリート基礎304の上部には、支柱本体102の基端部102aを取り付ける取付部304aが設けられている。ここで、取付部304aは、支柱本体102の基端部102aに応じて被設置部300から少し盛り上がっている。コンクリート基礎304の取付部304aには、図3に示すように、8つのアンカーボルト306a〜306hが取り付けられている。支柱本体102の基端部102aは、かかるアンカーボルト306a〜306hに取り付けられている。なお、アンカーボルト306について、特に区別を明確にする場合には、参照符号にa〜hの添え字を付している。特に区別を要さない場合には、添え字を付さず「アンカーボルト306」とする。
なお、図2では、支柱100を地面に設置する場合を図示しており、被設置部300は地面に設けられている。支柱100を高架橋に設置する場合には、高架橋に支柱100を設置する被設置部300を設けるとよい。この場合、高架橋に支柱100を設置する位置に、上述したようなアンカーボルト306a〜306hが設けられた被設置部300を高架橋に設けておくとよい。
≪支柱本体102の基端部102a≫
この実施形態では、図3に示すように、支柱本体102は中空の鋼管で構成されている。支柱本体102の基端部102aには、平板121が取り付けられている。この実施形態では、平板121は基端部102aに溶接されている。支柱本体102の基端部102aの外周には、8つのリブ122が設けられている。なお、リブ122について、特に区別を明確にする場合に、a〜hの添え字を付している。特に区別を要さない場合には、添え字を付さず「リブ122」とする。リブ122a〜122hは、それぞれ支柱本体102の基端部102aと平板121とに溶接されており、支柱本体102の基端部102aと平板121との接合部位を補強している。
支柱本体102の基端部102aの平板121には、アンカーボルト306a〜306hを挿し込む穴が形成されている。支柱本体102の基端部102aは、平板121をアンカーボルト306a〜306hに挿し込み、ナット(図示省略)によってアンカーボルト306a〜306hに止められている。
図1に示す例では、支柱100は道路標識用の支柱であり、上部に道路標識105が取り付けられている。道路標識105が取り付けられる標識取付部は、図2に示すように、支柱本体102の上部に、支柱本体102に直交する一方向に延びた枠体111で構成されている。この実施形態では、枠体111は、支柱本体102に直交する一方向に所定の間隔で平行に延びた2本の主軸112、113と、主軸112、113間に架け渡された架設軸114、115とを備えている。この実施形態では、主軸112、113と架設軸114、115とは、矩形の道路標識105の裏面に沿うように、矩形の枠組みに組まれた状態で溶接されている。かかる枠体111は、主軸112、113の基端が支柱100の上部に取り付けられている。
かかる支柱100は、上部に支柱本体102に直交する一方向に沿って2本の軸が平行に延びている。このため、F型標識とも称される。また、図示は省略するが、支柱本体102に直交する一方向に沿って軸が延びており、当該軸に道路標識105が掲げられる場合がある。この場合は、L型標識とも称される。F型標識やL型標識は、片持ち梁型標識とも称される。
かかるF型標識の支柱本体102は、片持ち状態で、被設置部300に設置されている。また、F型標識では、支柱本体102上部において支柱本体102に直交する一方向に沿って2本の軸に、枠体111および道路標識105の重量が掛かっている。このため、図1に示すように、支柱本体102には、当該道路標識105が掲げられた側に力のモーメントNが作用する。また、道路標識105に風が吹き付けられた場合には、道路標識105の法線方向に外力Fが作用する。当該外力によって、支柱本体102にねじれが生じうる。
このように、枠体111および道路標識105の重量によって、支柱本体102にはモーメントNが作用している。また、風の影響によって、支柱本体102にねじれが生じる。さらに、道路標識のように道路に近接して設置される用途では、交通振動が加わり、継続して複雑な振動が支柱本体102に作用し得る。さらに高架橋に取り付けられている場合には、高架橋の揺れが加わるため、振幅が大きくなる。支柱本体102は、片持ち状態であり、特に、基端部102aが破損し易い。この実施形態では、支柱本体102に生じる振動を小さく抑えるべく、支柱用制振装置200が取り付けられている。以下、支柱用制振装置200を説明する。
≪支柱用制振装置200≫
図4は、支柱100(図1参照)について、支柱本体102に取り付けられた支柱用制振装置200を示す平面図である(図1のIV−IV矢視図)。支柱用制振装置200は、図1および図4に示すように、支柱本体102に取り付けられており、ブラケット202と、高減衰ゴムの成形体204とを備えている。なお、この実施形態では、ブラケット202および高減衰ゴムの成形体204は、支柱用制振装置200において、複数用いられている。
≪ブラケット202≫
図5は、ブラケット202および高減衰ゴムの成形体204を示している。図5に示すように、ここでは、ブラケット202は、複数用意されており、支柱本体102の周方向の異なる位置に配置されている。各ブラケット202は、被設置部300に基端が固定され、かつ、支柱本体102の外周面に沿って延びている。
この実施形態では、図4に示すように、ブラケット202は、支柱本体102の周方向の異なる位置に取り付けられている。図4に示す形態では、ブラケット202は、支柱本体102の周りの8箇所に均等配置されている。
各ブラケット202は、金属製の部材であり、支柱本体102の外周面に沿って延びる板状部222と、被設置部300(図5参照)に固定される基端部224とを備えている。この実施形態では、図1に示すように、板状部222と基端部224とは、略L字をなし、例えば、溶接によって接合されている。基端部224は、ボルト226によって被設置部300に固定することができる。
≪被設置部300≫
また、この実施形態では、被設置部300は、被設置部300に埋められた基礎304(コンクリート基礎304)と、基礎304に設けられたアンカーボルト306a〜306hとを備えている。この場合、複数のブラケット202はアンカーボルト306a〜306hに取り付けることによって、被設置部300に固定していてもよい。また、支柱本体102が基礎304に設けられたアンカーボルト306a〜306hに取り付けられている場合には、支柱本体102と複数のブラケット202とは、同じアンカーボルト306a〜306hに取り付けられていてもよい。これにより、既設のアンカーボルト306a〜306hを利用して、支柱用制振装置200を設置することができる。
この実施形態では、板状部222は、平板状であり、基端部224から、支柱本体102の中心軸O周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びている。なお、この実施形態では、支柱本体102は、円柱形状であり、ブラケット202の板状部222は、支柱本体102の外周面の一つの接線に対して概ね平行になるように延びている。
≪高減衰ゴムの成形体204≫
高減衰ゴムの成形体204は、各ブラケット202と、支柱本体102の外周面との間に配置され、各ブラケット202と支柱本体102の外周面とに取り付けられている。この実施形態では、高減衰ゴムの成形体204は、図4および図5に示すように、ブラケット202の板状部222と支柱本体102の外周面との間に配置され、ブラケット202の板状部222と支柱本体102の外周面とに接着されている。この実施形態では、図6に示すように、1つの高減衰ゴムの成形体204は、支柱本体102の外周面に対して、支柱本体102の中心軸Oから見て中心角θが凡そ30度程度の領域を覆っている。
この場合、例えば、所定の厚さ、幅、長さを有するシート状の未加硫の高減衰ゴムを用意する。かかる未加硫の高減衰ゴムの片面を支柱本体102の外周面に沿わせ、さらに、高減衰ゴムの反対側の面に、ブラケット202の板状部222を押し当てる。このようにして、支柱本体102の外周面と、ブラケット202の板状部222との間に、未加硫の高減衰ゴムを挟む。この際、支柱本体102の外周面およびブラケット202の板状部222には、ゴム加硫接着剤(例えば、LORD社(米国:LORD Far East, Inc)製:ゴム加硫接着剤(商品名「ケムロック」))を塗っておく。
≪高減衰ゴムの成形体204の接着≫
次に、かかるブラケット202と未加硫の高減衰ゴムとを、ブラケット202の上から加熱する。かかる加熱装置には、例えば、シリコーン製の面上ヒータ(例えば、日本ヒータ株式会社製のシリコーンラバーヒータ(RSDL型))を用いるとよい。この場合、ブラケット202の上からシリコーン製の面上ヒータを捲きつけて加熱するとよい。これにより、金属製のブラケット202を通じて未加硫の高減衰ゴムに熱が伝わる。そして、支柱本体102の外周面とブラケット202の板状部222とを高減衰ゴムに押し当てた状態で、高減衰ゴムを加熱加硫することができる。これにより、支柱本体102の外周面とブラケット202の板状部222とに高減衰ゴムを接着することができる。
この場合、図4に示すように、支柱本体102の周りに配置される複数の高減衰ゴムの成形体204を一度に接着することができる。すなわち、上述したように、支柱本体102の外周面とブラケット202の板状部222とにゴム加硫接着剤を塗り、支柱本体102の周りの所定位置に、複数の未加硫の高減衰ゴムとブラケット202を配置する。そして、支柱本体102の周りに配置された複数のブラケット202の上からシリコーン製の面上ヒータを捲きつけて加熱するとよい。
また、この場合、支柱本体102に高減衰ゴムの成形体204とブラケット202と取り付け、その後、ブラケット202を被設置部300に取り付ける。この際、適当なスペーサ241、242(図5参照)を介在させて、ブラケット202の位置を調整しつつ、ブラケット202を被設置部300に取り付けるとよい。これにより、初期状態において、高減衰ゴムに大きな変形が入るのを防止できる。また、ブラケット202の基端部224は、例えば、被設置部300に設けられたアンカーボルト306を流用して被設置部300に取り付けるとよい。これにより、既設の支柱本体102に、支柱用制振装置200のブラケット202および高減衰ゴムの成形体204を取り付けることができる。
≪高減衰ゴムの成形体204の物性≫
ここで、高減衰ゴムの成形体204に用いられるゴムは、例えば、せん断歪みが3%〜20%において損失係数tanδが凡そ0.3〜1.0であるとよい。これにより、支柱制振用として、支柱本体102の振動およびねじれによって、入力されるせん断変形に対して適当な抗力を発揮し、支柱本体102に作用する振動およびねじれを小さく抑え、かつ、早期に減衰させることができる。
また、この場合、好適には、高減衰ゴムの成形体204は、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であるとよい。
≪被覆ゴム270≫
高減衰ゴムの成形体204は、図6に示すように、耐候性に優れた被覆ゴム270で被覆してもよい。また、かかる被覆ゴム270は、耐候性に加えて空気遮断性にも優れたゴムであってもよい。耐候性や空気遮断性に優れたゴムには、例えば、エチレン−プロピレンゴムやクロロプレンゴムなどを用いることができる。また、空気遮断性に優れたゴムとしては、天然ゴムの5%しか空気を通さないブチルゴムをハロゲン化したクロロブチルゴムやブロモブチルゴムを用いることができる。また、被覆ゴム270は、一番外側を耐候性ゴムで、その内側を空気遮断性に優れたゴムとし、2重に被覆してもよい。これにより、より高い耐候性が得られる。かかる被覆ゴム270には、通常、高減衰性はない。このため、被覆ゴム270の厚みは、例えば凡そ5mm以下であるとよい。また、耐久性を考慮すれば、例えば凡そ1mm以上であるとよい。好適には凡そ2mm〜3mm程度にするとよい。
≪高減衰ゴムの成形体204の変形≫
上述したように、この実施形態では、支柱100は、図1に示すように、道路標識用の支柱であり、上部に道路標識が取り付けられている。このため、風が強い場合や、交通量が多い場合には、特に風の影響や交通振動を受けて、支柱本体102が微小な振幅で振れ動く。この実施形態では、図7に示すように、支柱本体102に作用する振動に対して、支柱本体102の外周面とブラケット202の板状部222との間に相対的なせん断変位が生じる。かかるせん断変位を受けて、高減衰ゴムの成形体204にせん断変形が生じる。この場合、支柱本体102の中心軸Oから見て、支柱本体102の振動方向(振幅方向)に直交する位置に配置された高減衰ゴムの成形体204には、より顕著なせん断変形が生じる。
また、この実施形態では、ブラケット202の板状部222が平板状である。そして、ブラケット202の板状部222が、支柱本体102の中心軸O周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になっている。このため、支柱本体102の中心軸Oから見て振動方向(振幅方向)に直交する位置において、支柱本体102の接線と平行に配置されたブラケット202の板状部222は、当該振動方向において、支柱本体102と干渉しない。このため、当該ブラケット202と、支柱本体102との間の高減衰ゴムの成形体204に、支柱本体102の振幅に応じたせん断変位が適切に入力される。
また、上述したように、F型標識やL型標識では、例えば、風が強い場合において、標識に吹き付ける風の影響で、支柱本体102にねじれが生じる場合がある。上述した支柱用制振装置200によれば、かかる支柱本体102のねじれに対して、図8に示すように、高減衰ゴムの成形体204にせん断変形が生じる。この実施形態では、図4に示すように、支柱本体102の周囲に高減衰ゴムの成形体204が配置されている。このため、支柱本体102の周囲に配置された高減衰ゴムの成形体204に、それぞれ図8に示す高減衰ゴムの成形体204と同様のせん断変形が生じる。
この支柱100は、支柱本体102の振動やねじれに対して、高減衰ゴムの成形体204にせん断変形が生じることによって、適当な抗力が発揮され、支柱本体102の振動やねじれを早期に減衰させることができる。さらに、支柱用制振装置200は、地震などの大きな揺れに対しても機能し、支柱本体102に生じる揺れを小さく抑えることができる。
この実施形態では、複数の高減衰ゴムの成形体204が、支柱本体102の周囲に均等に配置されている。このため、支柱本体102がどの方向に振動しても減衰できる。また、高減衰ゴムは、オイルや粘性体に比べて温度依存性が小さく、オイルまたは粘性体に比べて気温による影響を受けにくい。このため、かかる高減衰ゴムの成形体204は、より広い温度環境で、高い減衰性能を発揮することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る支柱100および当該支柱100に設けられた支柱用制振装置200を説明した。本発明は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態では、図4に示すように、支柱用制振装置200のブラケット202と高減衰ゴムの成形体204とが、支柱本体102の周りに8つ均等に配置されている。支柱用制振装置200は、支柱本体102に作用する振動やねじれを小さく抑え、かつ、早期に減衰させることができればよい。従って、ブラケット202と高減衰ゴムの成形体204の数や配置は、上述した実施形態に限定されない。
≪ブラケット202(高減衰ゴムの成形体204)の配置≫
例えば、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を3つ取り付ける場合には、図9に示すように、当該3つのブラケット202を支柱本体102の中心軸Oから見て均等(120度ずつ離れた位置)に配置してもよい。この場合、支柱本体102の中心軸Oに対して、各ブラケット202の板状部222と平行な3つの方向において、高減衰ゴムの成形体204にせん断変位を生じさせることができ、これにより支柱本体102に生じる振動を小さく抑え、かつ、早期に減衰させることができる。このように、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を複数(ここでは、3つ以上)取り付ける場合には、支柱本体102の周りに均等に配置してもよい。
このように、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を複数取り付ける場合には、支柱本体102の周りに均等に配置してもよい。なお、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を複数取り付ける場合には、必ずしも支柱本体102の周りに均等に配置しなくてもよい。
例えば、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を2つ取り付ける場合には、図10に示すように、当該2つのブラケット202を支柱本体102の中心軸Oから見て90度離れた位置に配置するとよい。この場合、90度離れた位置に配置された当該2つのブラケットによって、支柱本体102の振動方向に対して、少なくとも一方のブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204にせん断変形を生じさせることができる。
これに対して、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を2つ取り付ける場合に、例えば、図11では、支柱本体102の中心軸Oから見て180度離れた位置にブラケット202を配置している。この場合、当該2つのブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204のせん断変形しうる方向が同じ方向になる。すなわち、支柱本体102の中心軸Oから見て当該2つのブラケット202が配置された方向と直交する方向aに、支柱本体102が振動する場合には、当該振動に応じたせん断変形が高減衰ゴムの成形体204に生じる。しかし、支柱本体102の中心軸Oから見て当該2つのブラケット202が配置された方向と同じ方向b(当該ブラケット202の板状部222に直交する方向)に、支柱本体102が振動する場合には、当該振動に応じたせん断変形が高減衰ゴムの成形体204に生じない。
このため、支柱本体102の振動方向が予め一方向に規制されている場合を除き、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を2つ取り付ける場合には、当該2つのブラケット202を支柱本体102の中心軸Oから見て90度離れた位置に配置するとよい。このように、支柱本体102の周りにブラケット202(および高減衰ゴムの成形体204)を複数取り付ける場合には、支柱本体102の中心軸から見て180度の範囲の領域において、複数のブラケット202を均等に配置するとよい。
例えば、図10に示すように、支柱用制振装置200に、ブラケットを2つ設ける場合には、支柱本体102の中心軸Oから見て180度の領域において、2つブラケットを均等配置(90度離して配置)するとよい。また、例えば、支柱本体102の周りに、ブラケット202を3つ取り付ける場合には、図12に示すように、支柱本体102の中心軸Oから見て180度の領域に3つのブラケットを均等配置(60度に1つずつ配置)してもよい。また、例えば、支柱本体102の周りに、ブラケット202を4つ取り付ける場合には、例えば、図13に示すように、支柱本体102の中心軸Oから見て180度の領域に、4つのブラケットを均等配置(45度に1つずつ配置)してもよい。
このように、支柱本体102の中心軸Oから見て180度の領域に、複数のブラケット202および高減衰ゴムの成形体204を均等に配置するとよい。これによって、支柱本体102の中心軸Oから見て、振動方向に直交する方向に位置する、ブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204にせん断変形が生じる。かかる高減衰ゴムの成形体204に生じるせん断変形によって、支柱本体102の振動を小さく抑えることができ、支柱本体102の振動を早期に減衰させることができる。
なお、支柱本体102の振動方向が予め一方向に規制されている場合には、図11に示すように、当該支柱本体102の振動方向に対して、直交する方向に2つのブラケット202を配置するとよく、支柱本体102の中心軸Oから見て180度離れた位置に、2つのブラケット202を配置してもよい。
≪高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域≫
また、図6に示すように、1つの高減衰ゴムの成形体204は、支柱本体102の外周面に対して、支柱本体102の中心軸Oから見て中心角θが凡そ30度程度の領域を覆っている。例えば、図14に示すように、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域が広くなり過ぎると、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102を抱え込み過ぎた状態となり、支柱本体102の振動を受ける際に、高減衰ゴムの成形体204が干渉し、高減衰ゴムの成形体204に適切にせん断変形が生じ難い。このため、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域は、支柱本体102の中心軸Oから見て中心角θが凡そ45度以下の領域にすることが好ましい。例えば、図15に示すように、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域は、支柱本体102の中心軸Oから見て中心角θが40度以下の領域にするとよい。
高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域は、例えば、支柱本体102の中心軸Oから見て中心角θが凡そ15度以上、より好ましくは20度以上の領域であるとよい。なお、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域について、支柱本体102の中心軸Oから見た角度の下限値は、支柱本体102の外径によって変化し得る。
すなわち、支柱本体102が円柱である場合、支柱本体102の外径が十分に大きければ、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域について、支柱本体102の中心軸Oから見た角度が小さくてもよい。なお、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域について、支柱本体102の中心軸Oから見た角度が小さ過ぎると、高減衰ゴムの成形体204に入力される変形が引っ張りや圧縮になりうる。
また、支柱本体102の外径が小さければ、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域について、支柱本体102の中心軸Oから見た角度を大きくするとよい。このように、高減衰ゴムの成形体204に適切にせん断変形が生じるように、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う領域(支柱本体102の中心軸Oから見て、高減衰ゴムの成形体204が支柱本体102の外周面を覆う角度)を定めるとよい。
また、支柱用制振装置200のブラケット202は、支柱本体102の中心軸O周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部222を備えた形態を例示した(例えば、図6参照)。支柱用制振装置200のブラケット202の板状部222は、かかる形態に限定されず、例えば、図16に示すように、支柱本体102の外周面に沿った円弧形状としてもよい。
この場合、図16に示すように、支柱用制振装置200のブラケット202の板状部222が、支柱本体102の外周面に沿った円弧形状である。このため、例えば、高減衰ゴムの成形体204を加硫接着させる際に、高減衰ゴムの成形体204と、支柱本体102の外周面およびブラケット202の板状部222との間に隙間が生じ難い。これによって、高減衰ゴムの成形体204と、支柱本体102の外周面およびブラケット202の板状部222との接着が強固になる。
≪ブラケット202の構造≫
また、ブラケット202は、図17に示すように、被設置部300に固定される基端部224に対して、支柱本体102の外周面に沿って延びた板状部222が自在に折れ曲がる構造でもよい。例えば、図17に示す例では、ブラケット202は、基端部224と、板状部222とは蝶番228で接続されている。そして、板状部222が支柱本体102の振動に応じて振れ動くように取り付けられている。この場合、図17に示すように、支柱本体102の振動方向cに配置されたブラケット202の板状部222は、支柱本体102の振動に応じて振れ動く。このため、当該ブラケット202が支柱本体102の振動に干渉せず、支柱本体102の中心軸Oから見て、支柱本体102の振動方向cに凡そ直交する方向に位置するブラケット(図示省略)に取り付けられた高減衰ゴムの成形体により適切にせん断変形が入力される。
さらに、この実施形態では、当該ブラケット202の板状部222は、支柱本体102の外周面と概ね平行な状態を保ったまま、板状部222が支柱本体102の振動に応じて振れ動く。このため、支柱本体102の振動に伴い、高減衰ゴムの成形体204に圧縮応力や引っ張り応力が作用するのを防止できる。また、支柱本体102の振動に応じて板状部222が振れ動くので、当該ブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204にも微小ながらせん断変形が生じ得る。このように、当該支柱本体102の振動方向cに位置するブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204についても、せん断変形を伴わせることができる。そして、当該せん断変形が伴う高減衰ゴムの成形体204にも、支柱本体102に作用する振動のエネルギを吸収させることができる。
≪カバー208≫
さらに、図17に示す形態では、支柱用制振装置200には、カバー208が取り付けられている。図17に示す形態では、カバー208は、少なくとも高減衰ゴムの成形体204の上部を覆っているとよい。この実施形態では、カバー208は、ブラケット202の板状部222の上部と、支柱本体102の外周面を覆うように、支柱本体102およびブラケット202に取り付けられている。これにより、ブラケット202に取り付けられた高減衰ゴムの成形体204を保護している。なお、カバー208は、支柱用制振装置200全体を覆うように、構成してもよい。支柱用制振装置200は、支柱本体102の振動に応じて、微小ではあるが振れ動くこのため、かかるカバー208は、耐候性を有するゴム材料で構成するとよい。また、このようなカバー208を設けることにより、高減衰ゴムの成形体204の酸化劣化、紫外線およびオゾン破壊を抑え、支柱用制振装置200の耐久性を向上させることができる。また、支柱用制振装置200を完全に覆うように、カバーを設けることによって、虫や小動物が、カバー内に入り込むのを防止でき、高減衰ゴムの成形体204を保護できる。また、カバー208は、支柱用制振装置200を外観上、隠すことができるので、支柱100の美感を保つことができる。
≪試験および評価≫
本発明者は、上述した支柱用制振装置200について、その効果を検証する試験を行なった。以下に、その試験を説明する。
さらに、本発明者は、図1に示すような、F型標識(片持ち梁型標識)を用いて、上記支柱用制振装置200を取り付けて試験をした。ここでは、高減衰ゴムの成形体204の大きさ、組成および物性を変えたサンプル1〜5を用意した。なお、適宜、図1、図4および図5を参照するものとし、同じ作用を奏する部材又は部位には、同じ参照符号を付している。
≪F型標識(片持ち梁型標識)≫
ここで、試験対象として用意されたF型標識(片持ち梁型標識)は、支柱用制振装置200が取り付けられる基端部224における支柱本体102の外径が凡そ320mm、支柱本体102の高さが凡そ6500mm、支柱本体102に取り付けられる枠体111の横方向の長さが凡そ3500mmの片持ち梁型標識を用いた。また、標識として、凡そ120kgの標識105を枠体111に取り付けた。なお、ここでは、標識自体の重量は凡そ120kgであり、標識105、枠体111、支柱本体102を合わせると凡そ316kgとなる。
≪サンプル1≫
図4に示すように、ブラケット202と高減衰ゴムの成形体204とを、支柱本体102の中心軸Oから見て45度ずつ均等に8箇所設置した。ここでは、上述したように、高減衰ゴムの成形体204は、未加硫の高減衰ゴムを用意し、支柱本体102に取り付け、ブラケット202を押し当てた。そして、金属ブラケットの上からシリコーン製の面上ヒータを全面に巻きつけて固定し、加熱加硫を行なった。この際、加熱条件は、160℃で30分間の加熱とした。
ここでは、各高減衰ゴムの成形体204は、高さh:800mm(図5参照)、幅W:84mm(支柱本体102の中心軸Oから見て中心角が30度程度を覆う幅に相当している(図6参照))、厚みt:20mm(図5参照)とした。また、高減衰ゴムの成形体204に用いる高減衰ゴムとして天然ゴムをベースゴムとして採用し、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδ=0.35の高減衰成形体(高減衰ゴム1)を用いた。また、このように、高減衰ゴムの成形体204を成形後、ブラケット202を支柱本体102のアンカーボルト306a〜306h(図2および図3参照)を利用して、被設置部300に固定した。
≪サンプル2≫
サンプル2では、高減衰ゴムの成形体204の高さh:800mm、幅w:112mm(支柱本体102の中心軸Oから見て中心角が30度程度を覆う幅に相当している(図示省略))、厚み20mmとした。また、ブラケット202および高減衰ゴムの成形体204は、支柱本体102の周りに、60度ずつ均等に6箇所配置した。また、高減衰ゴムの成形体204には、サンプル1と同じ高減衰ゴム1を用いた。その余は、概ねサンプル1と同じ構成とした。
≪サンプル3≫
サンプル3は、高減衰ゴムの成形体204の高さh:800mm(図5参照)、幅w:134mm(支柱本体102の中心軸Oから見て中心角が48度程度を覆う幅に相当している(図示省略))、厚みt:20mm(図5参照)とした。また、ブラケット202および高減衰ゴムの成形体204は、支柱本体102の周りに、72度ずつ均等に5箇所配置した。また、高減衰ゴムの成形体204には、サンプル1と同じ高減衰ゴム1を用いた。その余は、概ねサンプル1と同じ構成とした。
≪サンプル4≫
サンプル4では、サンプル1の高減衰ゴムの成形体204について、高減衰ゴムの成形体204に用いる高減衰ゴムとしてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)をベースゴムとして採用し、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδ=0.25の高減衰成形体(高減衰ゴム2)を用いた。その余は、概ねサンプル1と同じ構成とした。
≪サンプル5≫
サンプル5は、上述した支柱用制振装置200を取り付けない状態である。
以下、高減衰ゴムの成形体204の高減衰ゴムとして、サンプル1〜3で用いられた天然ゴムをベースゴムとする高減衰ゴム1と、サンプル4で用いられたEPDMをベースゴムとする高減衰ゴム2の配合例を表1に示す。ここで、添加剤はベースゴムの他には、シリカ粉、プロセスオイル、加硫材(硫黄)、加硫促進剤を用いた。シリカをゴムに配合させる際にはプロセスオイルは必要であり、プロセスオイルは、シリカ重量比で凡そ1/3程度用いるとよい。表1中は、各添加剤の添加量は、ベースゴムである天然ゴムまたはEPDMを100重量部に対する添加量を示している。
Figure 0005452573
ここで、EPDMには、住友化学株式会社製のエスプレン301Aを用いた。また、シリカ粉には、日本アエロジル株式会社製のアエロジルR972を用いた。また、プロセスオイルには、出光興産株式会社のダイアナプロセスオイルNSを用いた。また、加硫促進剤1には、大内新興化学工業株式会社のノクセラーDZを用いた。また、加硫促進剤2には、大内新興化学工業株式会社のノクセラーTSを用いた。
≪評価≫
ここで、各サンプルについて、軽風(3m/s)時に、支柱本体102の頂部の最大振幅を評価した。また、支柱上端に強制的に振幅30mm、支柱用制振装置200を除く支柱100の固有振動数に相当する周波数(この試験例では、2Hz)を与えた。これにより、支柱本体102あるいはアンカーボルトに金属疲労が発生するまでの振動回数をカウントした。
その結果、表2に示すように、サンプル1では、軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅は凡そ10mmであった。また、金属疲労が発生する振動回数は凡そ100万回であった。
サンプル2では、軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅は凡そ15mmであった。また、金属疲労が発生する振動回数は凡そ60万回であった。
サンプル3では、軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅は凡そ25mmであった。また、金属疲労が発生する振動回数は凡そ45万回であった。
サンプル4では、軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅は凡そ30mmであった。また、金属疲労が発生する振動回数は凡そ30万回であった。
サンプル5では、軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅は凡そ70mmであった。また、金属疲労が発生する振動回数は凡そ10万回であった。
Figure 0005452573
このように、支柱用制振装置200を付けていないサンプル5に比べて、支柱用制振装置200を取り付けた場合には、何れのサンプルにおいても軽風(3m/s)時に支柱本体102の頂部に生じる最大振幅が小さくなり、また、金属疲労が発生するまでの振動回数が格段に増えた。このように、本発明の一実施形態に係る支柱用制振装置200を取り付けることによって、支柱100の耐久性を向上させることができる。
また、サンプル1からサンプル3までの比較から、ブラケット202および高減衰ゴムの成形体204は、支柱本体102の周りに5箇所に均等する場合よりも、支柱本体102の周りに6箇所に均等配置する場合の方が凡そ良い結果が得られ、さらに支柱本体102の周りに6箇所に均等配置する場合よりも、8箇所に均等配置する場合の方が凡そ良い結果が得られた。
また、サンプル1とサンプル4の比較から、天然ゴムをベースゴムとして採用し、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδ=0.35の高減衰ゴム1と、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)をベースゴムとして採用し、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδ=0.25の高減衰ゴム2では、高減衰ゴム1を用いた方が好適な結果が得られた。
以上のように、本発明の一実施形態に係る支柱100は、図1に示すように、被設置部300に立てられた支柱本体102と、支柱用制振装置200を備えている。支柱用制振装置200は、複数のブラケット202と、高減衰ゴムの成形体204とを備えている。複数のブラケット202は、支柱本体102の周方向の異なる位置において、被設置部300に基端が固定され、支柱本体102の外周面に沿って延びている。高減衰ゴムの成形体204は、各ブラケット202と支柱本体102の外周面との間に配置され、各ブラケット202と支柱本体102の外周面とに取り付けられている。
かかる支柱100によれば、支柱本体102に生じる振動を小さく抑えることができるとともに、早期に減衰させることができる。また、支柱本体に生じる振動を小さく抑えることができるので、支柱の寿命を長くできる。
この場合、ブラケット202は、図6に示すように、支柱本体102の中心軸周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部222を備えていてもよい。また、ブラケット202は、図16に示すように、支柱本体102の外周面に沿った円弧形状の板状部222を備えていてもよい。
また、支柱用制振装置200は、図4に示すように、3つ以上のブラケット202が支柱本体102の周方向において均等に配置されていてもよい。また、図10、図12、図13に示すように、複数のブラケット202が、支柱本体102の中心軸から見て180度の範囲の領域に均等に配置されていてもよい。かかる構成によって、支柱本体102に生じる振動を、より効果的に小さく抑えることができ、より早期に減衰させることができる。
また、ブラケット202は、図5に示すように、スペーサ241、242を介在させて、被設置部300に取り付けられていてもよい。かかるスペーサ241、242を適切に調整することによって、初期状態において、高減衰ゴムに大きな変形が入るのを防止できる。
また、図17に示すように、ブラケット202は、被設置部300に固定される基端部224と、支柱本体102の外周面に沿って延びた板状部222とを接続する蝶番228とを備えていてもよい。この場合、板状部222が支柱本体102の振動に応じて振れ動くように構成するとよい。これにより、より効率よく、支柱本体102の振動を減衰させることができる。
また、被設置部300に埋められた基礎と、基礎に設けられたアンカーボルト306a〜306hとを備えている場合には、複数のブラケット202はアンカーボルト306a〜306hに取り付けられていてもよい。また、支柱本体102が基礎に設けられたアンカーボルト306a〜306hに取り付けられている場合には、支柱本体102と複数のブラケット202とは、同じアンカーボルト306a〜306hに取り付けられていてもよい。これにより、既設のアンカーボルト306a〜306hを利用して、支柱用制振装置200を設置することができる。
また、高減衰ゴムの成形体204に用いられる高減衰ゴムは、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.3〜1.0であってもよい。また、高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であってもよい。これにより、支柱本体102の振動を小さく抑え、かつ、早期に減衰させることができ、支柱100の寿命を長くできる。
高減衰ゴムの成形体204は、例えば、図6に示すように、耐候性に優れた被覆ゴム270で被覆されていてもよい。さらに、高減衰ゴムの成形体204は、耐候性に加えて空気遮断性にも優れた被覆ゴム270で被覆されていてもよい。また、支柱100は、図17に示すように、高減衰ゴムの成形体204の少なくとも上部を覆うカバー208を備えていてもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る支柱および支柱用制振装置を説明したが本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態では、道路標識用の支柱を例示したが、本発明に係る支柱および支柱用制振装置は、道路標識用の用途に限定されず、例えば、アンテナの支柱や、旗を立てる支柱など、種々の支柱に適用できる。
100 支柱
102 支柱本体
105 道路標識
111 枠体
112、113 主軸
114、115 架設軸
121 平板
122 リブ
200 支柱用制振装置
202 ブラケット
204 成形体
208 カバー
222 板状部
224 基端部
226 ボルト
228 蝶番
241、242 スペーサ
270 被覆ゴム
300 被設置部
302 杭基礎
304 コンクリート基礎
306 アンカーボルト

Claims (18)

  1. 被設置部に立てられた支柱本体と、
    前記支柱本体の周方向の異なる位置において、前記被設置部に基端が固定され、前記支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、
    前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面との間に配置され、前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体と
    を備え、
    前記ブラケットは、前記支柱本体の中心軸周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部を備えた、支柱。
  2. 前記ブラケットは、前記被設置部に固定される基端部と、前記支柱本体の外周面に沿って延びた板状部とを備え、前記基端部と前記板状部とは蝶番で接続されており、前記板状部が支柱本体の振動に応じて振れ動く、請求項1に記載された支柱。
  3. 被設置部に立てられた支柱本体と、
    前記支柱本体の周方向の異なる位置において、前記被設置部に基端が固定され、前記支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、
    前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面との間に配置され、前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体と
    を備え、
    前記ブラケットは、前記被設置部に固定される基端部と、前記支柱本体の外周面に沿って延びた板状部とを備え、前記基端部と前記板状部とは蝶番で接続されており、前記板状部が支柱本体の振動に応じて振れ動く、支柱。
  4. 前記ブラケットは、支柱本体の外周面に沿った円弧形状の板状部を備えている、請求項1から3までの何れか一項に記載された支柱。
  5. 前記ブラケットが、前記支柱本体の周方向において均等に3つ以上配置されている、請求項1から4までの何れか一項に記載された支柱。
  6. 前記複数のブラケットが、前記支柱本体の中心軸から見て180度の範囲の領域に均等に配置されている、請求項1から4までの何れか一項に記載された支柱。
  7. 前記ブラケットは、スペーサを介在させて、前記被設置部に取り付けられている、請求項1からまでの何れか一項に記載された支柱。
  8. 前記被設置部に埋められた基礎と、
    前記基礎に設けられたアンカーボルトと
    を備え、
    前記複数のブラケットは、前記アンカーボルトに取り付けられている、請求項1から7までの何れか一項に記載された支柱。
  9. 前記支柱本体は前記基礎に設けられた前記アンカーボルトに取り付けられており、
    前記支柱本体と前記複数のブラケットとは、同じアンカーボルトに取り付けられている、請求項8に記載された支柱。
  10. 前記高減衰ゴムは、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.3〜1.0である、請求項1から9までの何れか一項に記載された支柱。
  11. 前記高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上である、請求項1から10までの何れか一項に記載された支柱。
  12. 前記高減衰ゴムは、耐候性に優れたゴムで被覆されている、請求項1から11までの何れか一項に記載された支柱。
  13. 前記高減衰ゴムは、耐候性に加えて空気遮断性にも優れたゴムで被覆されている、請求項12に記載された支柱。
  14. 少なくとも前記高減衰ゴムの成形体の上部を覆うカバーを備えた、請求項1から13までの何れか一項に記載された支柱。
  15. 支柱本体に取り付けられる制振装置であって、
    前記支柱本体の周方向の異なる位置に対して、被設置部に基端が固定され、前記支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、
    前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面との間に配置され、前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体と
    を備え
    前記ブラケットは、前記支柱本体の中心軸周りの仮想円の一つの接線に対して概ね平行になるように延びた平板状の板状部を備えている、支柱用制振装置。
  16. 前記ブラケットは、前記被設置部に固定される基端部と、前記支柱本体の外周面に沿って延びた板状部と、前記基端部と前記板状部とを接続する蝶番とを備えた、請求項15に記載された支柱用制振装置。
  17. 支柱本体に取り付けられる制振装置であって、
    前記支柱本体の周方向の異なる位置に対して、被設置部に基端が固定され、前記支柱本体の外周面に沿って延びた複数のブラケットと、
    前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面との間に配置され、前記各ブラケットと前記支柱本体の外周面とに取り付けられた高減衰ゴムの成形体と
    を備え、
    前記ブラケットは、前記被設置部に固定される基端部と、前記支柱本体の外周面に沿って延びた板状部と、前記基端部と前記板状部とを接続する蝶番とを備えた、支柱用制振装置。
  18. 前記ブラケットは、前記支柱本体の外周面に沿った円弧形状の板状部を備えた、請求項17に記載された支柱用制振装置。
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