JP5544380B2 - 支柱用制振装置および支柱 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る支柱用制振装置が取り付けられた支柱100の外観図である。この支柱100は、図1に示すように、支柱本体102と、支柱用制振装置200とを備えている。
支柱本体102は、被設置部300に立てられている。ここで、被設置部300は、地面、道路、高架橋の路肩など、支柱100が設置される部位(場所)である。支柱本体102は、鋼管で構成されている。当該支柱本体102は、所定の高さまでは鉛直に延びており、その先端は湾曲して径方向に張り出しており、街路灯104が取り付けられている。このように、支柱本体102は、鉛直に延びた直立部分121と、湾曲して張り出した張出部分122と、街路灯104が取り付けられた先端部123とを備えている。この実施形態では、支柱用制振装置200は、支柱本体102の鉛直に延びた直立部分121に取り付けられている。
支柱用制振装置200は、図1に示すように、ブラケット202と、ゴム204と、錘206とを備えている。図2は、支柱本体102に取り付けられた支柱用制振装置200の側面図である。図3は、支柱本体102に取り付けられた支柱用制振装置200の平面図である。
ブラケット202は支柱本体102に取り付けられている。この実施形態では、ブラケット202は、図2および図3に示すように、略円板状部材であり、取付部222と、フランジ部224(フランジ)とを有している。
この実施形態では、ゴム204は、ブラケット202のフランジ部224の上部に取り付けられている。ゴム204は、ブラケット202のフランジ部224に配置され得る円柱形状で構成されている。ゴム204は、例えば、ブラケット202のフランジ部224に、加硫接着によって取り付けられているとよい。
錘206は、フランジ部224とは反対側で、ゴム204に取り付けられている。この実施形態では、錘206はゴム204の上端に取り付けられている。また、錘206は、支柱本体102の廻りを囲むように配設された環状の部材である。錘206は、ブラケット202に取り付けられた複数のゴム204によって支持されている。錘206と支柱本体102とには、図2および図3に示すように、所要の隙間S1が設けられている。この実施形態では、支柱本体102に対して錘206が振れ動くので、錘206が支柱本体102に当らない程度に設定している。
ゴム204は、例えば、所定の厚さ、幅、長さを有するシート状の未加硫の高減衰ゴムを用意する。かかる未加硫の高減衰ゴムを巻いて円柱形状にして所定の金型に収める。そして、金型内で円柱形状に収められた高減衰ゴムの一端にブラケット202のフランジ部224を押し当て、他端に錘206を押し当てる。この際、フランジ部224と錘206には、ゴム加硫接着剤(例えば、LORD社(米国:LORD Far East, Inc)製:ゴム加硫接着剤(商品名「ケムロック」))を塗っておく。そして、この状態で、加硫加熱することによって、ゴム204(高減衰ゴム)を成形するとともに、ブラケット202のフランジ部224とゴム204、および、ゴム204と錘206とが接着される。この際、支柱用制振装置200の固有振動数と減衰性能は、例えば、ゴム204の高さや硬さ(例えば、損失係数tanδ)、さらには錘206の重さによって調整できる。
この支柱100によれば、錘206は、支柱本体102に取り付けられたブラケット202に対してゴム204を介して支持されている。このため、交通振動や風な地震などによって支柱本体102に振動が生じた場合に、錘206が支柱本体102に対して振れ動く。さらに、この実施形態では、支柱用制振装置は、支柱本体102の半分の高さよりも高い位置に取り付けられている。特に、錘206は、支柱本体102の直立部分121の最も高い位置に取り付けられている。
また、図6に示すように、ゴム204および錘206は、フランジ部224の上側に取り付けられており、錘206とフランジ部224との間に錘206を支持する滑り支承270を備えていてもよい。ここで、滑り支承270は、フランジ部224に取り付けられる部材271と、錘206に取り付けられる部材272とを重ね合わせて、フランジ部224に取り付けられる部材271によって錘206の荷重を支持する。さらに、錘206のせん断変位に応じて、錘206に取り付けられた部材272が、フランジ部224に取り付けられた部材271に対して相対的に滑り移動するように構成されている。また、滑り支承270は、ゴム204と概ね同じ高さで構成されている。
また、ブラケット202は、上述したようにリング状の部材でもよい。また、ブラケット202は、周方向に分割可能であり、支柱の周側面に取り付けられた状態でブラケット202を拘束する拘束部材(例えば、ボルトナット234)を備えていてもよい。ブラケット202は、かかる形態に限定されない。例えば、図7は、他の形態に係るブラケット202Aを示している。このブラケット202Aは、図7に示すように、周方向に分割可能であり、かつ、周方向に分割された部材を連結するヒンジ276を備えている。
また、図7に示すように、ブラケット202Aの取付部(ここでは、ボス部226Aの挿通穴227Aの内周)に緩衝材278を取り付けてもよい。緩衝材278を取り付けることによって、支柱本体102に傷がつくのを防止できる。かかる緩衝材278は、例えば、所要の強度を備えたゴム製のシートで構成してもよい。緩衝材278に適当なゴムを採用することによって、ブラケット202Aと支柱本体102との滑りを抑えることができ、ブラケット202Aが支柱本体102からずれるのを防止できる。
ここで、上述したゴム204には、例えば、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.2以上1.2以下である高減衰ゴムを用いるとよい。かかるゴムを用いることによって、支柱本体102の振動を効果的に抑えることができる。より好ましくはせん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.3以上であるとよく、また、より好ましくはせん断歪み3%〜20%において損失係数tanδは1.0以下であるとよい。
ここで、サンプル1は、支柱用制振装置が取り付けられていない場合であり、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振動加速度が10%以下(1/10の0.03G)に収束するまでの時間は、300秒であった。ここで、支柱本体102は、直立部分121の高さh1が10m、基部直径(外径)が150mmであり、1/100のテーパ(高さ100mmに対して、直径が1mm小さくなる程度のテーパ)を有した、厚みが5mmの中空鋼管で構成されている(図1参照)。支柱の上部先端は湾曲し、径方向の一方に張り出し、凡そ15Kgの街路灯が取り付けられている。この支柱本体102の水平方向の一次振動モードの固有振動数Bは2.0Hzであった。表1のサンプル2〜8についても、同様の支柱本体102を用いた。
ここで、例えば、支柱本体102の上部に加速度ピックアップ(加速度センサ)を取り付け、当該加速度ピックアップの近傍でインパクトハンマーによって支柱本体102を叩く。その際、当該加速度ピックアップによって測定された振動加速度をフーリエ変換することによって、支柱本体102の固有振動数Bは求められる。但し、支柱本体102の固有振動数Bは、下記数式(数1)によって求めても良い。
サンプル2では、図2に示すように、環状の錘を用いた形態の支柱用制振装置200を、支柱本体102の直立部分121の上部(凡そ10mの位置:h1)に取り付けた。ここでは、支柱用制振装置200のブラケット202は、直径が300mmの略円板形状のフランジ部224を備えている。また、支柱用制振装置200のゴム204は、自然長において直径80mm、高さ40mmの円筒形状とした。ゴム204は、略円板形状のフランジ部224(支柱本体102)の中心から半径125mmの同心円上に中心が配置されるように、周方向に4つ均等に取り付けた。外径(直径)が300mm、内径(直径)が200mmの円筒形状の錘206を用いた。錘206は、ゴム204が配置される円と同心円で、ゴム204の上端に取り付けられている。なお、錘206はサンプルによって重さが異なり、ここでは何れも同じ材料で作成されており、錘206の厚さ(高さ)によって重さが調整されている。
ここで、例えば、支柱用制振装置200のブラケット202を台に固定し、錘206に加速度ピックアップ(加速度センサ)を取り付ける。そして、インパクトハンマーによって錘206を叩く。この際、錘206に取り付けた加速度ピックアップによって測定された振動加速度をフーリエ変換することによって、支柱用制振装置200の固有振動数Aを求めることができる。
サンプル3は、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.35の高減衰ゴム(高減衰ゴム1)をゴム204に用いた点を除き、サンプル2と同じように構成した。かかるサンプル3では、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は10秒になった。このように、サンプル3では、支柱用制振装置200を取り付けないサンプル1に比べて、振動が収束するまでの時間が凡そ1/30になった。
サンプル4は、支柱本体102の直立部分121の中間部(凡そ5mの位置:h2)に支柱用制振装置200を取り付けた点を除き、サンプル3と同様に構成した。かかるサンプル4では、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は25秒になった。このように、支柱用制振装置200を取り付けないサンプル1に比べて、振動が収束するまでの時間が凡そ1/12になった。
サンプル5は、支柱本体102の直立部分121の下部(凡そ50cmの位置:h5)に取り付けた点を除き、サンプル3と同様に構成した。かかるサンプル5では、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は45秒になった。このように、支柱用制振装置200を取り付けないサンプル1に比べて、振動が収束するまでの時間が凡そ3/20になった。
サンプル6は、錘206を3.0kgと軽くし、かつ、支柱用制振装置200の固有振動数を2.6Hz(支柱本体の固有振動数の凡そ1.3倍)にしたことを除き、サンプル3と同様に構成した。この場合、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は30秒であった。このように錘206を軽くし、支柱用制振装置200の固有振動数を高くした場合でも支柱用制振装置200を取り付けないサンプル1に比べて、振動が収束するまでの時間が凡そ1/10になった。
サンプル7は、さらに支柱用制振装置200の固有振動数を3.0Hz(支柱本体の固有振動数の凡そ1.5倍)にしたことを除き、サンプル6と同様に構成した。この場合、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は50秒であり、支柱用制振装置200を取り付けないサンプル1に比べて、振動が収束するまでの時間が凡そ1/6になった。
サンプル8は、図8および図9に示すように、複数の独立した錘206Bが取り付けられた形態の支柱用制振装置200Bを用いた。ここでは、錘206Bが図9に示すように4つ周方向に均等に配置されており、錘206Bの合計の重さがサンプル3と同様に12kgとした。また、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.35の高減衰ゴムをゴム204Bに用い、支柱用制振装置200Bの固有振動数を凡そ2.0Hzにした。サンプル8では、かかる支柱用制振装置200Bを支柱本体102の直立部分121の上部に取り付けた。その結果、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は10秒であった。このように、複数の独立した錘206Bが取り付けられた支柱用制振装置200Bについても、支柱本体102の振動を早期に収束させるのに良好な結果が得られた。
ここで、図8および図9に示される形態の支柱用制振装置200Bの固有振動数Aは、ゴム204Bと錘206Bとフランジ部224Bとで構成される一組の制振部(1)〜(4)が複数(図示例では4つ)取り付けられている。この場合、ゴム204Bと錘206Bとフランジ部224Bとで構成される各制振部(1)〜(4)について、それぞれ固有振動数を求めるとよい。制振部(1)〜(4)の固有振動数は、支柱用制振装置200Bのブラケット202Bを台に固定し、各錘206Bに加速度ピックアップ(加速度センサ)を取り付ける。そして、インパクトハンマーによって各錘206Bを叩く。この際、錘各206Bに取り付けた加速度ピックアップによって測定された振動加速度をフーリエ変換することによって、支柱用制振装置200Bの固有振動数Aを求めることができる。なお、各制振部(1)〜(4)で、ゴム204Bと錘206Bとフランジ部224Bの構成が凡そ同じである場合には、各制振部(1)〜(4)の固有振動数Aを凡そ同じとしてもよい。
サンプル9は、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが1.1の高減衰ゴム(高減衰ゴム3)をゴム204に用いた点を除いて、凡そサンプル3と同様に構成した。この場合、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は50秒であり、支柱用制振装置200を取り付けたことによって、振動が収束するまでの時間が凡そ1/6になった。
サンプル10は、錘206を24kgと重くし、かつ、支柱用制振装置200の固有振動数を1.4Hz(支柱本体の固有振動数の凡そ0.7倍)にしたことを除き、サンプル3と同様に構成した。この場合、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は30秒であった。このように錘206を重くし、支柱用制振装置200の固有振動数を低くした場合でも支柱用制振装置200を取り付けたことによって、振動が収束するまでの時間が凡そ1/10になった。
サンプル11は、錘206を36kgとさらに重くし、かつ、支柱用制振装置200の固有振動数を1.0Hz(支柱本体の固有振動数の凡そ0.5倍)にしたことを除き、サンプル3と同様に構成した。この場合、支柱(支柱本体)に所定の振動を与えた際に、振幅が10%以下に収束するまでの時間は50秒であった。このように錘206をさらに重くし、支柱用制振装置200の固有振動数をさらに低くした場合でも支柱用制振装置200を取り付けたことによって、振動が収束するまでの時間が凡そ1/6になった。
102、102B、102C 支柱本体
104 街路灯
121 直立部分
122 張出部分
123 先端部
200、200A、200B、200C 支柱用制振装置
202、202A、202B、202C ブラケット
204、204B、204C ゴム
206、206B、206C 錘
222 取付部
224、224A、224B、224C フランジ部(フランジ)
226、226A、226C ボス部
227、227A 挿通穴
228、228A、228C 拘束部
231、231a、231b 合わせ片
232、232a、232b 合わせ片
234、234A ボルトナット
236 連結部材
237 分割面
238、239 拘束板
252 取付プレート(取付部材)
254 取付プレート(取付部材)
262 調整用錘
270 滑り支承
276 ヒンジ
278 緩衝材
300 被設置部
C 同心円
O 中心軸
Claims (20)
- 支柱に取り付けられる取付部と、前記取付部から径方向外側に延びたフランジ部とを有するブラケットと、
前記フランジ部の上部または下部に取り付けられたゴムと、
前記フランジ部とは反対側で、前記ゴムに取り付けられた錘とを備え、
前記ゴムおよび前記錘は、前記フランジ部の上側に取り付けられており、
前記フランジ部に対して前記錘が傾かないように、前記錘と前記フランジ部との間に前記錘を支持する滑り支承を備えている、
支柱用制振装置。 - 前記錘は、交換可能である、請求項1に記載された支柱用制振装置。
- 前記ゴムは、交換可能である、請求項1または2に記載された支柱用制振装置。
- 前記ブラケットは、前記ブラケットが取り付けられる支柱の周側面に取り付けられるリング状の部材である、請求項1から3までの何れか一項に記載された支柱用制振装置。
- 前記ブラケットは、周方向に分割可能であり、支柱の周側面に取り付けられた状態でブラケットを拘束する拘束部材を備えた、請求項4に記載された支柱用制振装置。
- 前記ブラケットは、周方向に分割された部材を連結するヒンジを備えた、請求項5に記載された支柱用制振装置。
- 前記ゴムと前記錘は、それぞれ複数配置されている、請求項1から6までの何れか一項に記載された支柱用制振装置。
- 前記ゴムと前記錘は、前記ブラケットが取り付けられる支柱の軸線に対して、同心円に沿って配置されている、請求項7に記載された支柱用制振装置。
- 前記錘は環状の部材であり、前記ゴムは、前記ブラケットが取り付けられる支柱に対して周方向の複数の位置で前記錘を支持している、請求項1から6までの何れか一項に記載された支柱用制振装置。
- 前記ゴムは、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.2以上1.2以下である高減衰ゴムである、請求項1から9までの何れか一項に記載された支柱用制振装置。
- 被設置部に立てられた支柱本体と、
前記支柱本体に取り付けられ、前記支柱本体から径方向外側に延びたフランジと、
前記フランジの上部または下部に取り付けられたゴムと、
前記フランジとは反対側で、前記ゴムに取り付けられた錘とを備え、
前記ゴムおよび前記錘は、前記フランジの上側に取り付けられており、
前記フランジに対して前記錘が傾かないように、前記錘とフランジとの間に前記錘を支持する滑り支承を備えている、
支柱。 - 前記錘は、交換可能である、請求項11に記載された支柱。
- 前記ゴムは、交換可能である、請求項11または12に記載された支柱。
- 前記フランジは前記支柱本体の周方向に連続したリング状の部材である、請求項11から13までの何れか一項に記載された支柱。
- 前記ゴムと前記錘は、前記支柱本体の周方向に沿ってそれぞれ複数配置されている、請求項11から14までの何れか一項に記載された支柱。
- 前記ゴムと前記錘は前記支柱本体の軸線に対して同心円に沿って配置されている、請求項15に記載された支柱。
- 前記錘は環状の部材であり、前記ゴムは、前記支柱本体に対して周方向の複数の位置で前記錘を支持している、請求項11から14までの何れか一項に記載された支柱。
- 前記フランジは、前記支柱本体の高さの半分の位置または前記支柱本体の高さの半分よりも高い位置に取り付けられている、請求項11から17までの何れか一項に記載された支柱。
- 前記ゴムは、せん断歪み3%〜20%において損失係数tanδが0.2以上1.2以下である高減衰ゴムである、請求項11から18までの何れか一項に記載された支柱。
- 前記フランジと、前記ゴムと、前記錘とで構成される、支柱用制振部分の固有振動数Aと、当該支柱用制振部分を構成する部材が取り付けられていない状態における前記支柱本体の固有振動数Bとの比(A/B)が、0.5≦(A/B)≦1.5である、請求項11から19までの何れか一項に記載された支柱。
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