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JP5489665B2 - 携帯型液体噴射装置及び噴射物の製造方法 - Google Patents
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JP5489665B2 - 携帯型液体噴射装置及び噴射物の製造方法 - Google Patents

携帯型液体噴射装置及び噴射物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自己防衛するため不審者に対して粘性のある液状の噴射物を噴射する携帯型液体噴射装置及びこの噴射装置に用いる噴射物の製造方法に関する。
従来、侵入者に対して、刺激性物質(液体、気体)を噴射し、自己防衛するための装置としては、噴射手段に火薬類を使用する防衛装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の防衛装置は、複数のノズル孔から液状の噴射物を噴射するように構成されている。
また、この種の液状の噴射物として、唐辛子、わさび等のエタノール抽出液からなる防犯用スプレー用催涙水溶液とその噴射手段が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、エタノールと水を主成分とした混合溶剤に2−クロロアセトフェノンを溶解させた防犯用・有害鳥獣駆除用の催涙性組成物が知られている(例えば、特許文献3参照)。
WO 01/90674 A1 特開2002−62092号公報 特開2009−84260号公報
しかしながら、特許文献1に記載の防衛装置では、噴射手段に火薬類を使用しているため、一般の人が取り扱うには制限がある。
そのため、一般の人が取り扱える装置が求められている。
また、特許文献1に記載の防衛装置では、ノズル孔が複数あることや、噴射物が液体であるため、噴射時に噴射物が拡散してしまい、噴射距離が短く、風の影響で噴射物が使用者に付着する虞がある。
一方、特許文献2,3に記載された防犯用スプレー用催涙水溶液や従来の催涙性組成物は、粘性がないため、分散しやすく、空気抵抗を大きく受け易い。そのため、風の影響を受け易く、遠くへ噴射できないという問題があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、粘性のある液状の噴射物を遠くへ飛ばすことが可能な携帯型液体噴射装置及びこの噴射装置に用いる噴射物の製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、水と作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置とを備え、前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲とに隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放されることを特徴とする
請求項に係る発明は、水とエタノールと作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置とを備え、前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲とに隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放されることを特徴とする
請求項に係る発明は、水と作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置とを備え、前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲及び前記ピストン受け面と前記ピストンの前端部に隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放されることを特徴とする
請求項に係る発明は、水とエタノールと作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置とを備え、前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲及び前記ピストン受け面と前記ピストンの前端部に隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放されることを特徴とする
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記ゲル化剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガム又はプロピレングリコールであることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記作用効果物質は、催涙成分又は着色剤であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の携帯型液体噴射装置において、前記催涙成分は、2−クロロアセトフェノン、カプサイシン、唐辛子抽出液又はイソチオシアン酸アリルであることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項6記載の携帯型液体噴射装置において、前記着色剤は、食用色素、墨汁又は水性蛍光塗料であることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記噴射物は、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%を含み、粘度が6dPa・s〜40dPa・sであることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1又は請求項2又は請求項5乃至請求項9の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記噴射物は、前記水85.7wt%〜98.69wt%と、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%と、前記作用効果物質0.01wt%〜12.0wt%とで構成されていることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項3又は請求項4又は請求項5乃至請求項9の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記噴射物は、前記水54.0wt%〜61.0wt%と前記エタノール39.0wt%〜46.0wt%とからなるエタノール水溶液84.7wt%〜98.59wt%と、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%と、前記作用効果物質0.01wt%〜12.0wt%とで構成されていることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項乃至請求項11の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、前記発射装置は、二つ割りのケースをネジで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為し、前記ケース内に前記取付部と前記電源部とを配置し、前記ケースの側部に前記噴射装置の挿入穴を有し、前記ケースの側面から前記スイッチ部を露出し、前記スイッチ部の不意の操作を防ぐ安全カバーを前記ケースの側面に移動自在に装着していることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項2又は請求項4乃至請求項9又は請求項11又は請求項12の何れか記載の携帯型液体噴射装置に使用される噴射物の製造方法において、前記エタノールを容器に投入し、撹拌し、前記作用効果物質及び前記ゲル化剤を投入し、撹拌し、前記作用物質を溶解させ、前記ゲル化剤を分散させ、次いで、前記水を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を溶解させることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項8乃至請求項12の何れか記載の携帯型液体噴射装置に使用される噴射物の製造方法において、前記エタノールを容器に投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を分散させ、次いで、前記水を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を溶解させ、最後に前記水性蛍光塗料を投入し、撹拌することを特徴とする。
本発明によれば、催涙効果やマーキング効果を有し、遠い距離を噴射させることが可能である。
本発明によれば、短時間で、簡単に、粘性のある噴射物を製造することが可能である。
本発明の第一実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1を示す斜視図である。 第一実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1を、2つの噴射装置10と、これら2つの噴射装置10を装着する携帯可能な発射装置20とに分解して示す斜視図である。 第一実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1に使用される噴射装置10の断面図である。 図3に示す噴射装置10の非火薬火工式ガス発生器14を拡大して示す断面図である。 図4に示す非火薬火工式ガス発生器14の組立手順を示す説明図である。 第一実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1に使用される携帯可能な発射装置20を分解して示す斜視図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に噴射装置10を組み付けた状態を一方のケース21Bを取り除いて示す平面図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に用いるスイッチ部24、電源部23及びソケット22c,22dとの組み付け状態を示す斜視図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に非火薬火工式ガス発生器14を接続する状態を示す説明図である。 図2における2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に装着前の状態を一方のケース21Bを取り除いて示す斜視図である。 図1における2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に装着した状態を一方のケース21Bを取り除いて示す斜視図である。 図1に示す携帯型液体噴射装置1の操作状態を示す説明図である。 図1に示す携帯型液体噴射装置1の操作時における噴射装置10の作動状態を示す断面図である。 図1に示す噴射装置10における圧力開放機構が機能するピストン13とアダプタ17の関係を示す説明図である。 図1に示す噴射装置10におけるノズル部16の最適な噴射条件(ノズル径、噴射物粘度)を見つける方法を示す説明図である。 図1に示す噴射装置10における圧力開放機構の別の例を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100の安全カバー126を取り外した状態を示す斜視図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100を、2つの噴射装置110と、これら2つの噴射装置110を装着する携帯可能な発射装置120とに分解して示す斜視図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100に使用される噴射装置110の断面図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100に使用される携帯可能な発射装置120を分解して示す斜視図である。 図21に示す携帯可能な発射装置120に噴射装置110を組み付けた状態を一方のケース121Bを取り除いて示す平面図である。 図21に示す携帯可能な発射装置120に用いるスイッチ部124、電源部123及びワイヤーマウントソケット122a,122bとの組み付け状態を示す斜視図である。 図21に示す携帯可能な発射装置120に非火薬火工式ガス発生器114を接続する前の状態を示す説明図である。 図21に示す携帯可能な発射装置120に非火薬火工式ガス発生器114を接続した後の状態を示す説明図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100における噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取り外す手順を示す説明図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100における携帯可能な発射装置120から噴射装置110を取り外して引き抜く手順を示す説明図である。 図17に示す携帯型液体噴射装置100の操作状態を示す説明図である。 本発明における噴射装置110の別の例を示す断面図である。 本発明における噴射装置110のさらに別の例を示す断面図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100の別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100のさらに別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100のさらにまた別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100の別の例を示す斜視図である。 a:粘性のある催涙液(CN添加)(CMC1.3wt%〜2.3wt%、CN0.1wt%〜1wt%、液温20℃)におけるエタノール水溶液の水とエタノールの割合を示す図である。 b:粘性のあるマーキング液(食用色素添加)(CMC1.3wt%〜2.3wt%、食用色素0.01wt%〜5wt%、液温20℃)におけるエタノール水溶液の水とエタノールの割合を示す図である。 c:粘性のあるマーキング液(墨汁又は水性蛍光塗料添加)(CMC1.3〜2.3wt%、墨汁又は水性蛍光塗料1〜12wt%、液温20℃)におけるエタノール水溶液の水とエタノールの割合を示す図である。 d:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(食用色素添加)を付加した液(CMC1.3wt%〜2.3wt%、CN0.1〜1wt%、食用色素0.01〜5wt%、液温:20℃)におけるエタノール水溶液の水とエタノールの割合を示す図である。 e:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(墨汁又は水性蛍光塗料添加)を付加した液(CMC:1.3wt%〜2.3wt%、CN:0.1wt%〜1wt%、墨汁及び水性蛍光塗料:1wt%〜12wt%、液温:20℃)におけるエタノール水溶液の水とエタノールの割合を示す図である。 室内で噴射装置(携帯型液体噴射装置)を固定した位置の先に、標的を設置する。標的の斜め後方に扇風機を設置し、噴射装置に向かって風を送り、向かい風の中、噴射装置を作動させ、標的に噴射物が付着するかを検証する試験装置を示す図である。 図40に示す試験装置による噴射結果を示す。(a)は○:円状に付着する場合を示し、(b)は×:点々と付着する。又は付着しない場合を示す。 室内で噴射装置(携帯型液体噴射装置)を固定した位置の先に、サンプリング容器を設置する。サンプリング容器に向かって、催涙液を噴射し、催涙液をサンプリングする試験装置を示す図である。 粘性(CMC割合)とCN波形面積(強度)との関係を示す図である。 ゲル化剤を添加する割合に応じて、その粘度がどのように変化するかを示す図である。 本発明に係る噴射物の特性を求める測定装置を示す図である。 図45における圧力発生部の代表的な圧力プロファイルを示す図である。 図45に示す測定装置を用いた測定方法を示す図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1〜図15は、本発明の第一実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1を示す。
本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1は、2つの噴射装置10と、これら2つの噴射装置10を装着する携帯可能な発射装置20とで構成されている。
先ず、2つの噴射装置10について説明する。
2つの噴射装置10は、図3に示すように、本実施形態に係る液状の噴射物12を充填する容器11と、液状の噴射物12を押圧して容器11から液状の噴射物12を噴射させるピストン13と、ピストン13を押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器14と、ピストン13によって押圧される液状の噴射物12を噴出するノズル部16と、ノズル部16と容器11とを接続するアダプタ17と、ノズル部16とアダプタ17との間に介装されるシール18とを有する。
本実施形態に係る液状の噴射物12は、例えば、粘度が6〜40dPa・s程度の催涙液、マーキング液等がある。液状の噴射物12は、粘性があるので、液状の噴射物12が塊で噴射され、拡散しにくく、噴射距離も長くなる。
催涙液は、催涙成分をエタノールに溶解し、水を混合し、ゲル化剤を添加して、粘性のある催涙液とされている。催涙成分としては、例えば、2−クロロアセトフェノン、カプサイシン、唐辛子抽出液、イソチオシアン酸アリル等がある。ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、プロピレングリコール、タマリンドガム等がある。
マーキング液は、塗料に粘性がある場合、塗料に粘性がない場合(水希釈可)、塗料に粘性がない場合(エタノール希釈可)等がある。塗料に粘性がある場合には、粘度範囲内であれば、そのまま使用する。塗料に粘性がない場合(水希釈可)には、塗料を水で希釈し、ゲル化剤を添加し、粘性のあるマーキング液とされる。塗料に粘性がない場合(エタノール希釈可)には、塗料をエタノールで希釈し、水と混合し、ゲル化剤を添加して、粘性のあるマーキング液とされている。塗料としては、例えば、紫外線発光塗料、蛍光塗料、蓄光塗料、絵の具、墨汁等がある。ゲル化剤としては、ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、プロピレングリコール、タマリンドガム等がある。
液状の噴射物12を充填する容器11は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に非火薬火工式ガス発生器14をねじ込む雌螺子部11aを設け、他端部にアダプタ17をねじ込む雌螺子部11bを設けている。
ピストン13は、例えば、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチック製の円柱形状を為す本体13aと、液状の噴射物12を押圧する前端部13b側に設けた圧力開放溝13cと、非火薬火工式ガス発生器14のガス噴出口に接する後端部13d側に設けた圧力受け凹部13eとを備えている。そして、容器11の一端部の雌螺子部11aより内方の内壁面11cに装着されている。
非火薬火工式ガス発生器14は、図3、図4に示すように、ガス発生部14aと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の円筒状体からなり、ガス発生部14aを収容するホルダ14oと、電橋線付塞栓14gと電橋線付塞栓14gに連絡する脚線14j1,14j2とをエポキシ樹脂にて固定するとともに、電橋線付塞栓14gに連絡する脚線14j1,14j2を導出する、例えば、ナイロン樹脂等の硬質樹脂又はステンレス、アルミニウム等の金属製のウエッジベース14nと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなり、ウエッジベース14nを被覆して、開口端の内周に設けた雌螺子部14mでホルダ14oに螺合されるキャップ14kとで構成されている。
ガス発生部14aは、例えば、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなるガス発生器管体14b内に、ガス発生剤14cを填薬し、点火薬カップ14d、点火薬14e、点火薬ホルダ14f、電橋線付塞栓14gを順に装填し、ガス発生器管体14bを点火薬ホルダ14fの部位14hと電橋線付塞栓14gの部位14iとにおいてカシメ処理を施して形成されている。
ガス発生器管体14bは、例えば、アルミニウム等の軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤14cの反応熱及び反応ガス圧力が容易にガス発生器管体14bを破壊して外部に伝達し得るようにしてある。ガス発生器管体14bは、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば、銅を用いる電気雷管と全く同一の形状になるため、アルミニウム(例えば、A1−6016−0等)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。また、このアルミニウム製のガス発生器管体14bには、内外面にアルマイト処理が施されている。
ガス発生器管体14bには、ガス発生剤14cが0.3g〜0.5gの範囲で充填されている。このガス発生剤14cは、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を使用しており、これは、火薬類を用いた破砕方法と全く同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤等を破砕する非火薬破砕組成物である。この非火薬破砕組成物は、例えば、特開平11−029389号公報に開示されている。ガス発生剤14cは、岩盤等を破砕する目的ではなく、このガス圧力を液状の噴射物12を噴射する目的に変えるもので、その結果、ガス発生剤14cの粒径を揃えることでガス圧力のバラツキを小さくできることを見出した。また、物体を飛ばす性能に合わせてガス発生剤14cの薬量を変えることは可能である。
ガス発生剤14cは、アルミニウム11.5重量部、酸化第二銅38.5重量部から成るテルミット剤、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部からなるガス発生剤と、予めアセトンに溶かしておいた塩化ビニル粉1.5重量部を同一容器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜることによって構成されている。アセトンがほぼ揮発し固まってきたら8メッシュの篩で造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍化剤としてステアリン酸カリウムを2.5重量部とアセトン適量を加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固まったら造粒し、乾燥してガス発生剤を得る。このガス発生剤14cは、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。
ガス発生器管体14b内には、充填されたガス発生剤14cと点火薬14eとの混合防止のために隔壁となる合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ14dが配置されている。この点火薬カップ14dは、金属、非金属を問わないが、金属材料では良電性であるために、電気的発火信号が電橋線14tには流れず放電エネルギーに費やされて、点火薬14eが不着火となる虞があることから絶縁処理(例えば、アルマイト処理等)する必要がある。
点火薬カップ14dは、肉厚0.1mm以下の薄膜で形成カプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダ14fに挿入される。点火薬カップ14d、点火薬ホルダ14fには、非火薬組成物で構成する点火薬14eと電橋線付塞栓14gの電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)14tが配置されている。点火薬14eとして、ボロン/酸化第二銅=10wt%〜20wt%/80〜90wt%とした。
電橋線付塞栓14gは、点火薬カップ14dに点火薬ホルダ14fを挿入し、点火薬14eを0.06g〜0.13gの範囲で填薬した後に挿入されてから、ガス発生剤14cが填薬されたアルミニウム製のガス発生器管体14b内に圧入され、アルミニウム製のガス発生器管体14bの外側から2箇所にカシメ部(14h,14i)を形成することによって、ガス発生器管体14bに固着される。このガス発生器管体14bを電橋線付塞栓14gにカシメたものをウエッジベース14n内に挿入し、エポキシ樹脂14uを充填する。ガス発生部14aが発火した際の後方へのガスの噴出は、ウエッジベース14n内に充填したエポキシ樹脂14uによって阻止される。
また、ウエッジベース14n底部に空いた2箇所の穴14vから脚線14j1,14j2を外部へ出し、電気的な接点部分としている。ウエッジベース14nには、脚線14j1,14j2を取り付け、後述するソケット22cと結合するウエッジ部14wを備えている。
ホルダ14oは、ガス発生部14aを装着するとともに開口側に向かって拡大するガス噴出口14qを備えた内壁部14pを有し、ガス噴出口14q側の開口端外周に雄螺子部14rを設けるとともに、キャップ14k側の開口端外周にキャップ14kの雌螺子部14mと螺合する雄螺子部14sを有する。ホルダ14oの材質は、例えば、鉄、ステンレスが使用可能であるが、軽量化及びコスト面からアルミニウムA5056が好ましい。ホルダ14oは、雄螺子部14sにキャップ14kの雌螺子部14mを螺合するので、ガス発生部14aがホルダ14oとキャップ14kによって固定され、ガス発生部14aの作動時にガス発生部14aが後方へ飛び出すのを防止している。
ノズル部16は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製、又はABS樹脂、ナイロン樹脂等の硬質樹脂製の1孔直進ノズルで構成され、ノズル16aの孔径がφ1.5mm〜3mmとされ、端部にアダプタ17との接続用の雄螺子部16bを設けている。
アダプタ17は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に容器11の雌螺子部11bにねじ込む雄螺子部17aを設け、他端部にノズル部16の雄螺子部16bをねじ込む雌螺子部17bを設けている。また、アダプタ17は、内壁面から中心に向かって突出する環状のピストン受け面17cを設けて、ピストン13を衝突させる壁面としている。ピストン受け面17cのノズル部側の壁面は、ノズル部16を取り付ける際に、液状の噴射物12が漏れ出ないように封鎖する、例えば、アルミニウムシール、アルミニウム板、溝付き合成樹脂製シート等からなるシール18を介装させる当接面とされる。
次に、携帯可能な発射装置20について説明する。
携帯可能な発射装置20は、例えば、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の射出成型品からなる二つ割りのケース21A,21Bを複数のネジ21aで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為している。
ケース21Aは、ノズル部16を露出させて2つの噴射装置10を交換可能にそれぞれ取り付ける2つの取付部22と、2つの取付部22にそれぞれ取り付けられる各噴射装置10に電力を供給する電源部23と、電源部23と噴射装置10との間に設けられ、電源部23と噴射装置10とを短絡させるスイッチ部24と、電源部23とスイッチ部24とを取り付け、取付部22と連絡する電源回路基板25とを有する。
取付部22は、各噴射装置10のウエッジベース14nと結合するソケット22c,22dを組み付けたソケット組み付け部22a,22bと、各噴射装置10の側部を拘束するように対向して立ち上がる仕切壁部22eと、各噴射装置10の容器11の先端側側部を固定するOリング22fと、各噴射装置10のアダプタ17を載置し、ノズル部16を露出させる各噴射装置10の挿入穴28を形成する凹部22gとを有する。
ソケット22c,22dは、例えば、図9に示すように、+、−側に分かれた端子22c1,22c2、22d1,22d2をソケット22c,22dの凹部22c3,22d3へ圧入している。端子22c1,22c2、22d1,22d2は、電源回路基板25と導通するためにそれぞれ脚線22c4,22c5、22d4,22d5が半田付けされている。
ここで、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22cとの接続について説明する。図9は、接続部分が分かりやすいように、ソケット22cの樹脂部を除いた場合と、実際の外観とを示す。なお、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22dとの接続については、省略するが、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22cとの接続と同じである。
噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22c1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22cの−側の端子22c2とが接続される。
ソケット組み付け部22aは、ソケット22cをソケット22cの両側から拘束する係止溝を有するブロック形状体で構成されている。
電源部23は、2つの電池23aを並列に固定できるように電極23c,23dをそれぞれ対向配置させている。
スイッチ部24は、仕切壁部22e間に設けられている。スイッチ24aが押圧できるように窓22h内に突出している。
本実施形態では、スイッチ部24は、1個で、2つの噴射装置10を作動させることを可能とするプログラムを備えたスイッチ回路を備えている。このスイッチ回路は、スイッチ24aを押すと、一方の噴射装置10に通電し、非火薬火工式ガス発生器14を発火させ、ガスを生成させ、ピストン13を押圧して液状の噴射物12をノズル部16から噴射させ、通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置10側に切り替わり、もう1度スイッチ24aを押すと、他方の噴射装置10に通電し、非火薬火工式ガス発生器14を発火させ、ガスを生成させ、ピストン13を押圧して液状の噴射物12をノズル16aから噴射させ、通電後、一方の噴射装置10側に切り替わるように構成されている。
ケース21Aは、周囲を立ち上がり壁22iによって囲繞され、立ち上がり壁22iには複数のネジ21aを螺合させるためのネジボス部22jが設けられている。
ケース21Bは、ケース21A内に各構成部品を装着後にこれらの上面側を覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁21fによって囲繞され、立ち上がり壁21fに各ネジ21aを挿通するための複数の穴21bを設け、天板21dにスイッチ24aを露出させる窓21cを設けている。
携帯可能な発射装置20は、スイッチ部24の不意の操作を防ぐ安全カバー26をケース21A,21Bの天板21d及び底板22kに移動自在に装着している。
安全カバー26は、2つのカバー部26a,26bを、組み付けられたケース21A,21Bの厚みと同等の幅を有する連結部26cで結合してなるコ字状を為すとともに、2つのカバー部26a,26bの内面にケース21A,21Bの側面にそれぞれ設けた2つの溝21e,21e(ただし、ケース21Aの溝は省略する)に沿って案内されるそれぞれ2つのガイド26dを設けている。
次に、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1の作用を説明する。
先ず、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1の組立について説明する。
図2、図10に示すように、2つの噴射装置10をそのウエッジ部14wから携帯可能な発射装置20の挿入穴28内に挿入し、携帯可能な発射装置20のソケット組み付け部22a,22bに設けたソケット22c,22dにそれぞれのウエッジ部14wを係合することによって、図1、図7、図11に示すように、ノズル部16を挿入穴28から突出した状態で2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20への組付が完了する。
ウエッジ部14wとソケット22c,22dとの結合は、図9に示すように、一方の噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22c1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22cの−側の端子22c2とが接続される。他方の噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22d1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22dの−側の端子22d2とが接続される。
このように、2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に取り付けることによって、携帯型液体噴射装置1の組立は完了する。
携帯型液体噴射装置1は、使用者が窓21c,22hから指を入れてスイッチ24aを何時でも操作できるようになっている。誤操作を防止するために、安全カバー26をスライドさせて、窓21c,22hを塞ぐことができる。
この状態で、使用者が不審者等に遭遇した場合、図12(a)に示すように、不審者Xに対して使用者Yが携帯型液体噴射装置1のスイッチ24aを押すと、一方の噴射装置10に通電し、電池23aの電流が脚線14j1,14j2を通り、非火薬火工式ガス発生器14の電橋線14tに通電し、電橋線14tが発熱し、点火薬14eが発火し、点火薬14eの発火によりガス発生剤14cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体14bが破れ、ガス圧が開放され、図13(a)に示すように、開放されたガス圧がピストン13を押し、ピストン13が液状の噴射物12を押し、押された液状の噴射物12がシール18を破り、ノズル16aから外部に噴射される。ここで、シール18を破るための力は、1〜3kgf程度としてある。
なお、図13(b)に示すように、アダプタ17内部にピストン13が到達すると、アダプタ17内部とピストン13の隙間をガス圧が通過し、残圧が外部へ開放される。
一方、スイッチ部24では、一方の噴射装置10への通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置10側に切り替わる。
この状態で、図12(b)に示すように、使用者Yが、もう1度スイッチ24aを押すと、他方の噴射装置10に通電し、電池23aの電流が脚線14j1,14j2を通り、非火薬火工式ガス発生器14の電橋線14tに通電し、電橋線14tが発熱し、点火薬14eが発火し、点火薬14eの発火によりガス発生剤14cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体14bが破れ、ガス圧が開放され、図13(a)に示すように、開放されたガス圧がピストン13を押し、ピストン13が液状の噴射物12を押し、押された液状の噴射物12がシール18を破り、ノズル16aから外部に噴射される。
一方、スイッチ部24は、他方の噴射装置10への通電後、スイッチ回路のプログラムが一方の噴射装置10側に切り替わる。
このように、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1は、不審者Xに対して、液状の噴射物12の噴射を続けて2度行うことができるので、自己防衛することが可能となる。
そして、2つの噴射装置10を使用後には、使用後の2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20から抜き取り、新たな噴射装置10をそれぞれ携帯可能な発射装置20に装着する。
これによって、再び本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1を使用可能な状態にすることができる。
また、電池23aの交換は、ネジ21aを取り外し、ケース21Bをケース21Aから取り除くことによって行われる。
次に、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1において、ピストン13(外径、長さ、溝サイズ)とアダプタ17内径部分(内径、内径長さ)のクリアランスの最適条件を検討した。
圧力開放機構が機能するピストンとアダプタの関係を検討する。
図14(a)において、〔1〕〔2〕〔3〕で示すガス流路部分の条件により圧力開放機構が機能するか作動試験を行った。
その結果を表1、表2、表3に示す。
〔1〕ピストン長とアダプタ内径長の関係
Figure 0005489665
表1に示す結果から、ピストン長<アダプタ内径長が求められた。
〔2〕ピストン外径とアダプタ内径の関係
Figure 0005489665
表2に示す結果から、ピストン外径<アダプタ内径が求められた。
〔3〕ピストンの圧力開放溝形状
Figure 0005489665
表3に示す結果から、ピストン外周からノズルへの流路が確保できる形状であれば溝形状に制限はないことが求められた。
各表における評価を○、×で示す。
○:噴射装置内に噴射物が残っていない。(圧力開放機構が機能した)
×:噴射装置内に噴射物が残っている。(圧力開放機構が機能すれば、噴射装置内に噴射物は残らない)
以上より、圧力開放機構が機能するアダプタ17とピストン13の関係は、下記の通りである。
ピストン長<アダプタ内径長
ピストン外径<アダプタ内径
ピストン外周からノズル16aへの流路が確保できる形状であれば溝形状に制限はない。
次に、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置1において、ノズル径と噴射物粘度条件を変え噴射試験を行い、ノズル径φ1.5mm〜3mm、噴射物粘度6dPa・s〜40dPa・sの条件の噴射状況が良いことを確認した。
最適な噴射条件(ノズル径、噴射物粘度)を見つける。
試験方法
図15(a)に示すように、一方に噴射装置を固定し、噴射装置から5mの位置にA3用紙を貼り付けた板を設置する。
噴射装置から噴射した噴射物のA3用紙への付着状況を確認する。
ノズル
噴射時、噴射物が拡散しにくく、噴射可能なノズル径を求める。
噴射物が拡散しにくいように、1孔直進ノズルを使用し、ノズル径を変化させる。
噴射物
噴射時、拡散しにくく、噴射可能な噴射物粘度を求める。
粘度調整を行い試験をするため、試験には墨汁を水で希釈したものにゲル化剤を添加し、添加量により粘度調整を行った。
ゲル化剤: キサンタンガム
溶媒 : 墨汁+水
図15(b)に示すグラフは、上記条件でのゲル化剤添加量と粘度の関係であり、ゲル化剤の種類、溶媒の種類によって関係は変化する。噴射物粘度は20℃で測定した。
結果評価
図15(c)に示すように、噴射結果を、A3用紙への噴射物の付着状況に応じて○×で評価した。
結果を表4に示す。
Figure 0005489665
表4において、
※1.ガス発生剤薬量0.3g〜0.5gで試験
※2.噴射物量は最大6mlで試験
以上より最適な噴射条件は、下記の通りである。
ノズル径:φ1.5mm〜3mmの直進1孔ノズル
噴射物粘度:6dPa・s〜40dPa・s
なお、上記実施形態では、ピストン13の衝突時に、ガス圧をノズル部16から外部へ開放させる圧力調整機構を、ピストン13とアダプタ17とに設ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図16に示すように、アダプタ17の内壁とピストン受け面17cとに連なる複数の圧力開放溝17dで構成しても良い。
(第二実施形態)
図17〜図28は、本発明の第二実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100を示す。
本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100は、2つの噴射装置110と、これら2つの噴射装置110を装着する携帯可能な発射装置120とで構成されている。
先ず、2つの噴射装置110について説明する。
2つの噴射装置110は、図19、図20に示すように、本実施形態に係る液状の噴射物112を充填する容器111と、液状の噴射物112を押圧して容器111から液状の噴射物112を噴射させるピストン113と、ピストン113を押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器114と、ピストン113によって押圧される液状の噴射物112を噴出するノズル部116と、ノズル部116と容器111との間に介装されるカップ117とを有する。2つの噴射装置110は、携帯可能な発射装置120への装着の目印となる△シール119を容器111に貼り付けている。
本実施形態に係る液状の噴射物112は、第一実施形態における液状の噴射物12と同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
液状の噴射物112を充填する容器111は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に非火薬火工式ガス発生器114をねじ込む雌螺子部111aを設け、他端部にノズル部116をねじ込む雌螺子部111bを設けている。また、容器111は、内壁面から中心に向かって突出する環状のピストン受け面111dを設けて、ピストン113を衝突させる壁面としている。
そして、ピストン受け面111d側の内径がピストン113側の内径より僅かに大きくして圧力開放部111eを形成している。この圧力開放部111eは、第一実施形態において説明した圧力開放機能が機能するアダプタ17とピストン13との関係に基づき、下記のように設定されている。
ピストン113の長さ<圧力開放部111eの内径の長さ
ピストン113の外径<圧力開放部111eの内径
ピストン受け面111dのノズル部116側の壁面は、ノズル部116を取り付ける際に、液状の噴射物112が漏れ出ないように封鎖する、例えば、弾性のある合成樹脂製の溝付きカップ117を介装させる当接面とされる。
ピストン113は、例えば、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチック製の円柱形状を為す本体113aと、液状の噴射物112を押圧する前端部113b側に設けた圧力開放溝113cと、非火薬火工式ガス発生器114のガス噴出口に接する後端部113d側に設けた圧力受け凹部113eとを備えている。そして、ピストン113は、容器111の一端部の雌螺子部111aより内方の内壁面111cに装着されている。
非火薬火工式ガス発生器114は、ガス発生部114aと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の円筒状体からなり、ガス発生部114aを収容、固定するホルダ114oと、電橋線付塞栓114gと電橋線付塞栓114gに連絡する脚線114j1,14j2とをエポキシ樹脂にて固定するとともに、電橋線付塞栓114gに連絡する脚線114j1,14j2を接続する、ワイヤーマウントプラグ114kとで構成されている。
ガス発生部114aは、例えば、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなるガス発生器管体114b内に、ガス発生剤114cを填薬し、点火薬カップ114d、点火薬114e、点火薬ホルダ114f、電橋線付塞栓114gを順に装填し、ガス発生器管体114bを点火薬ホルダ114fの部位114hと電橋線付塞栓114gの部位114iとにおいてカシメ処理を施して形成されている。
ガス発生器管体114bは、例えば、アルミニウム等の軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤114cの反応熱及び反応ガス圧力が容易にガス発生器管体114bを破壊して外部に伝達し得るようにしてある。ガス発生器管体114bは、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば、銅を用いる電気雷管と全く同一の形状になるため、アルミニウム(例えば、A1−6016−0等)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。また、このアルミニウム製のガス発生器管体114bには、内外面にアルマイト処理が施されている。
ガス発生器管体114bには、第一実施形態と同様に、ガス発生剤114cが0.3g〜0.5gの範囲で充填されている。このガス発生剤114cは、第一実施形態のガス発生剤14cと同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
ガス発生器管体114b内には、第一実施形態と同様に、充填されたガス発生剤114cと点火薬114eとの混合防止のために隔壁となる合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ114dが配置されている。この点火薬カップ114dは、第一実施形態の点火薬カップ14dと同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
点火薬カップ114dは、第一実施形態と同様に、肉厚0.1mm以下の薄膜で形成カプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダ114fに挿入される。点火薬カップ114d、点火薬ホルダ114fには、非火薬組成物で構成する点火薬114eと電橋線付塞栓114gの電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)114tが配置されている。点火薬114eとして、ボロン/酸化第二銅=10wt%〜20wt%/80wt%〜90wt%とした。
電橋線付塞栓114gは、点火薬カップ114dに点火薬ホルダ114fを挿入し、点火薬114eを0.06〜0.13gの範囲で填薬した後に挿入されてから、ガス発生剤114cが填薬されたアルミニウム製のガス発生器管体内に圧入され、アルミニウム製のガス発生器管体114bに固着される。このガス発生器管体114bを電橋線付塞栓114gにカシメたものをホルダ114o内に挿入し、エポキシ樹脂を充填する。電橋線付塞栓114gから伸びた脚線114j1,114j2にワイヤーマウントプラグ114kをカシメ接続する。ガス発生部114aが発火した際の後方へのガスの噴出は、ホルダ114o内に充填したエポキシ樹脂によって阻止される。
ワイヤーマウントプラグ114kは、図24、図25に示されるように、内部に仕切壁を設けた箱形のプラグ本体114mと、プラグ本体114mの開口端まで延出するようにプラグ本体114m内の仕切壁に上下に取り付けられる+側の雄端子114u及び−側の雄端子114vと、プラグ本体114mの外天板において、プラグ本体114mの開口端側から噴射装置110側に向かって折り返して上下方向に伸縮自在に取り付けられるロック用の舌片114wと、ロック用の舌片114wの先端に取り付けられる解除用の爪部114xと、ロック用の舌片114wの途中に取り付けられるロック用の凸部114yとを有する。
ホルダ114oは、ガス発生部114aを固定するとともに開口側に向かって拡大するガス噴出口114qを備えた内壁部114pを有し、ガス噴出口114q側の開口端部外周に雄螺子部114rを設けている。ホルダ114oの材質は、例えば、ステンレス、アルミニウムが使用可能である。
ノズル部116は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製、又はABS樹脂、ナイロン樹脂等の硬質樹脂製の1孔直進ノズルで構成され、ノズル孔116aの孔径がφ1.5mm〜3mmとされ、端部に容器111との接続用の雄螺子部116bを設けている。
ノズル部116のノズル孔116aの端面には、噴射装置110の作動前後の識別、ノズル部116内への異物の侵入を防ぐために、例えば、紙製、合成樹脂製の円形の粘着シールからなる封シール118が貼り付けられている。
次に、携帯可能な発射装置120について説明する。
図21に示すように、携帯可能な発射装置120は、例えば、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の射出成型品からなる二つ割りのケース121A,121Bを複数のネジ121aで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為している。
ケース121Aは、ノズル部116を露出させて2つの噴射装置110を交換可能にそれぞれ取り付ける2つの取付部122と、2つの取付部122にそれぞれ取り付けられる各噴射装置110に電力を供給する電源部123と、電源部123と噴射装置110との間に設けられ、電源部123と噴射装置110とを短絡させるスイッチ部124と、電源部123とスイッチ部124とを取り付け、取付部122と連絡する電源回路基板125とを有する。
取付部122は、各噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kと結合するワイヤーマウントソケット122a,122bと、各噴射装置110の側部を拘束するように対向して立ち上がる仕切壁部122eと、各噴射装置110の容器111の先端側部を固定するOリング122fと、ノズル部116を露出させる各噴射装置110の挿入穴128を形成する凹部122gとを有する。ワイヤーマウントソケット122a,122bは電源回路基板125に半田付けされている。
ワイヤーマウントソケット122a,122bは、図24、図25に示すように、ワイヤーマウントプラグ114kを嵌合させる凹部を設けた箱形のソケット本体122cと、ソケット本体122cの凹部の壁面に上下に取り付けられる+側の雌端子122c1及び−側の雌端子122c2と、ソケット本体122cの天井に設けられ、プラグ本体114mに取り付けられたロック用の凸部114yを嵌め込む穴部122c3とを有する。ワイヤーマウントソケット122a,122bは、図24、図25に示すように、支持板122dに取り付けられている。支持板122dは、ワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1及び−側の雌端子122c2を電源回路基板125に連絡する脚線(図示せず)を備えている。
ここで、噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,112bとの接続について説明する。
図24は接続前の状態、図25は接続後の状態を示す。
噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの+側の雄端子114uとワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1とが接続され、同様にワイヤーマウントプラグ114kの−側の雄端子114vとワイヤーマウントソケット122a,122bの−側の雌螺子122c2とが接続される。また、ワイヤーマウントプラグ114kのロック用の舌片114wの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3に入り込むことで、ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bが接続、固定される。
電源部123は、2つの電池123aを並列に固定できるように電極123c,123dをそれぞれ対向配置している。スイッチ部124は、仕切壁部122e間に設けられている。スイッチ124aが押圧できるように、噴射装置110のノズル部116側側面に突出している。
本実施形態において、スイッチ部124は、第一実施形態のスイッチ部24と同一構成となっているので、その説明を省略する。
ケース121Aは、周囲を立ち上がり壁122iによって囲繞され、立ち上がり壁122iには複数のネジ121aを螺合させるためのネジボス部122jが設けられている。
ケース121Bは、ケース121A内に各構成部品を装着後にこれらの上面側を覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁121fによって囲繞され、立ち上がり壁121fに各ネジ121aを挿通するための複数の穴121bを設けている。また、天板121dの一端部側には、スイッチ124aを露出させる開口121cを設けている。
ケース121Bは、ケース121A内に各構成部品を装着後にこれらを覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁121fによって囲繞され、立ち上がり壁121fに各ネジ121aを挿通するための複数の穴121bを設け、天板121dに解除ボタン取付け用の窓121yを設けている。解除ボタン121gは、図26、図27に示すように、噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取り外すためのもので、弾性の合成樹脂製の部品であり、周囲に窓121yに係止される環状溝121iを設けたボタン本体121hと、このボタン本体121hの中央部に設けた解除用の凸部121jとを有する。
解除ボタン121gを押すことで、図26、図27に示すように、解除ボタン121gの凸部121jがワイヤーマウントプラグ114kのロック用の舌片114wに設けた爪部114xを押し、ロック用の舌片114wの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3から外れる。この状態で噴射装置110のノズル部116を携帯可能な発射装置120から引き抜くことで、噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取外すことができる。
携帯可能な発射装置120は、スイッチ部124の不意の操作を防ぐ安全カバー126をケース121A,121Bのスイッチ部取付側面に装着している。
安全カバー126は、図17、図18に示すように、2つのカバー部126a,126bを、組み付けられたケース121A,121Bの厚みと同等の幅を有する連結部126cで結合してなるコ字状を為すとともに、2つのカバー部126a,126b及び連結部126cの内面にケース121A,121Bの挿入穴128を形成する立ち上がり壁121f,122eの外側面にそれぞれ設けた溝121x,122xに沿ってそれぞれ案内される爪部126dを設けたガイド126eを設けている。ガイド126eの間には、スイッチ124aが収容されるようになっている。
図17、図18、図19に示すように、携帯可能な発射装置120の2つの挿入穴128の近くには、噴射装置110の携帯可能な発射装置120への装着時に、噴射装置110の容器111に貼り付けられた△シール119と頂点位置を合わせを行う目印として△部129が設けてある。
また、携帯可能な発射装置120の2つの挿入穴128の近くには、発射される噴射装置110の順番を示す数字1,2が設けられている。
また、携帯可能な発射装置120には、カバー121Aに照準器を構成する凸部121lと凹部121kが設けられている。この照準器は、図28に示すように、凸部121lを狙い位置とし、凸部121lの上面と凹部121kの上面とが一直線になることで、上下の狙いを付け、また、凹部121kの中心に凸部121lがくることで左右の狙いを付けることができる。
次に、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100の作用を説明する。
先ず、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100の組立について説明する。
図19に示すように、2つの噴射装置110をそのワイヤーマウントプラグ114kから携帯可能な発射装置120の挿入穴128内に挿入し、図24、図25に示すように、携帯可能な発射装置120のワイヤーマウントソケット122a,122bに結合することによって、図18、図22、図23に示すように、ノズル部116を挿入穴128から突出した状態で2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120への組付が完了する。
ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bとの結合は、図24、図25に示すように、それぞれの噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの+側の雄端子114uとワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1とが接続され、同様にワイヤーマウントプラグ114kの−側の雄端子114vとワイヤーマウントソケット122a,122bの一側の雌端子122c2とが接続される。また、ワイヤーマウントプラグ114kの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3に入り込み、固定される。
このように、2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120に取り付けることによって、携帯型液体噴射装置100の組立は完了する。
携帯型液体噴射装置100は、使用者が発射装置のノズル部116側のスイッチ124aを何時でも操作できるようになっている。誤操作を防止するために、安全カバー126をスイッチ124a、ノズル部116側に取り付けている。
この状態で、使用者が不審者等に遭遇した場合、図18に示すように、安全カバー126を取り外す。
そして、図28に示すように、不審者Xに対して使用者Yが携帯型液体噴射装置100を向けてスイッチ124aを押すと、一方の噴射装置110に通電し、電池123aの電流が脚線114j1,114j2を通り、非火薬火工式ガス発生器114の電橋線114tに通電し、電橋線114tが加熱し、点火薬114eが発火し、点火薬114eの発火によりガス発生剤114cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体114bが破れ、ガス圧が開放され、開放されたガス圧がピストン113を押し、ピストン113が液状の噴射物112を押し、押された液状の噴射物112がカップ117を破り、封シール118を破り、ノズル116aから外部に噴射される。
ここで、カップ117を破るための力は、1〜3kgf程度、封シール118を破るための力は、0.5kgf程度としてある。
上述の作用時において、容器111の圧力開放部111eにピストン113が到達すると、圧力開放部111eとピストン113の隙間をガス圧が通過し、残圧が外部へ開放される。
一方、スイッチ部124では、一方の噴射装置110への通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置110側に切り替わる。
この状態で、使用者が、もう1度スイッチ124aを押すと、他方の噴射装置110に通電し、電池123aの電流が脚線114j1,114j2を通り、非火薬火工式ガス発生器114の電橋線114tに通電し、電橋線114tが発熱し、点火薬114eが発火し、点火薬114eの発火によりガス発生剤114cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体114bが破れ、ガス圧が開放され、開放されたガス圧がピストン113を押し、ピストン113が液状の噴射物112を押し、押された液状の噴射物112がカップ117を破り、封シール118を破り、ノズル116aから外部に噴射される。
一方、スイッチ部124は、他方の噴射装置110への通電後、スイッチ回路のプログラムが一方の噴射装置110側に切り替わる。
このように、本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100は、不審者Xに対して、液状の噴射物112の噴射を続けて2度行うことができるので、自己防衛することが可能となる。
従って、図28に示すように、使用者Yが、携帯可能な発射装置120に設けた照準器を構成する凸部121lと凹部121kと駆使して上下左右の狙いを定めることによって液状の噴射物112の噴射がより正確になり、自己防衛することが可能となる。
そして、2つの噴射装置110を使用後には、使用後の2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120から抜き取り、新たな噴射装置110をそれぞれ携帯可能な発射装置120に装着する。
噴射装置110の携帯可能な発射装置120からの抜き取りは、図27に示すように、携帯可能な発射装置120の解除ボタン121gを押したままの状態で、噴射装置110のノズル部116をつまんで、携帯可能な発射装置120から引き抜くことで達成される。
図26に示すように、解除ボタン121gを押すことで、噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの爪部114xが押され、ワイヤーマウントプラグ114kの凸部114yが、携帯可能な発射装置120のワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3から外れる。この状態のまま、噴射装置110を引き抜くことで、携帯可能な発射装置120から噴射装置110を抜き取ることができる。
また、噴射装置110の携帯可能な発射装置120への装着は、噴射装置110の容器111に貼り付けられた△シール119と、携帯可能な発射装置120の挿入穴128の近くに設けた△部129の頂点位置を合わせた状態のまま、噴射装置110を携帯可能な発射装置120の挿入穴128へ挿入することによって行われる。
これによって、再び本実施形態に用いる携帯型液体噴射装置100を使用可能な状態にすることができる。
また、電池123aの交換は、ネジ121aを取り外し、ケース121Bをケース121Aから取り除くことによって行われる。
次に、本案施形態に用いる携帯型液体噴射装置100において、ピストン113(外径、長さ、溝サイズ)と容器圧力開放部(内径、内径長さ)のクリアランスの最適条件を検討した。
本実施形態では、第一実施形態におけるアダプタ17の機能を容器111に付加し、容器111に圧力開放部111eを備えた一部品にしているので、第一実施形態における圧力開放機構が機能するピストン13とアダプタ17との関係と同じ結果となる。
従って、本実施形態においても、第一実施形態と同様の結果を得ることができた。
なお、上記実施形態では、ピストン113の衝突時に、ガス圧をノズル部116から外部へ開放させる圧力開放機構を、ピストン113と容器111に設けた圧力開放部111eとで構成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、容器111の圧力開放部111eの内壁とピストン受け面111dとに連なる複数の圧力開放溝を形成することによって構成しても良い。
上記実施形態では、容器111に圧力開放部111eを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図30に示すように、容器111を第一実施形態と同様に、アダプタ17を設ける構成としても良い。
また、上記実施形態では、噴射装置110と携帯可能な発射装置120との結合に、ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bとの結合を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図29に示すように、第一実施形態と同様に、噴射装置110にウエッジベース14nとソケット22cとの結合としても良い。
また、上記実施形態では、凸部121lと凹部121kとで照準器を構成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図31に示すように、凹部側の凹部121kに代えて2つの凸部121mを設け、2つの凸部121mの中心に凸部121zが来ることで狙いを付けるようにしても良い。また、図32に示すように、凹部121kに代えてリング部121nを設け、リング部121nの円の中心に凸部121zが来ることで狙いを付けるようにしても良い。さらに、図33に示すように、レーザーポインター121oを取り付けて狙いを付けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、安全カバー26又は126を取り外し自在にした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図34に示すように、ヒンジ(図示せず)によって開閉できるように、ヒンジ(図示せず)に繋がる連結部材126fを設け、ヒンジ(図示せず)によって開閉できるようにしても良い。
また、上記実施形態では、安全カバー26又は126を取り外し自在にした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、安全カバー26又は126を横にスライドされるようにしても良い。
なお、第一実施形態では、墨汁を水で希釈したものにキサンタンガム(ゲル化剤)を添加し、添加量により粘度調整を行った液状の噴射物12を用いて、ノズル径φ1.5mm〜3mm、噴射物粘度6dPa・s〜40dPa・sの条件で噴射した場合について説明した。
本発明の液状の噴射物はこれに限らず、本発明においては、基本的に、第一実施形態のように、水+作用効果物質(墨汁など)+ゲル化剤の場合と、水+エタノール+作用効果物質+ゲル化剤の場合とに分けられる。
以下、本発明における噴射物について詳細に説明する。
先ず、作用効果物質が食用色素の場合の、溶媒が水だけの場合の組成比とエタノール混合の場合の組成比について検討する。
(1)作用効果物質を食用色素とした場合の基本要件について説明する。
ゲル化剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMCと称する))及び食用色素は、水に溶解するため、エタノールは混合しなくとも、粘性のある噴射物ができる。その場合の成分組成要件は、実験により、CMC1.3wt%〜2.3wt%、食用色素(作用効果物質)0.01wt%〜5wt%、水92.7wt%〜98.69wt%でなることが判明した。
(2)エタノールを混合することによる利点について説明する。
エタノールを混合することにより、次の利点が生ずる。
1)凝固点の低下
エタノールの凝固点:−117℃
2)長期保存安定性の向上
エタノールによる殺菌効果
3)溶媒の揮発性向上
エタノールの揮発性が高いため、付着後の作用効果物質の作用効果がより早く現 れやすい。
4)水溶性固形分(CMC、食用色素)の分散
固形分を分散させた状態で、水を添加し、溶解させることで、早く溶解する。
エタノールの添加割合は、上記1)〜3)においては、その目的(値)により異なる。
一方、上記4)においては、噴射物の製造方法との拘わりがあり、次の通りとなる。
本発明における噴射物の製造方法では、水溶性固形分(CMC、食用色素)を水又はエタノール水溶液に投入すると、その固形分が塊状(後述する製造方法1又は製造方法2)になるため、製造効率が悪いことを示している。その現象を回避する方法として、水溶性固形分をエタノール中に分散させた上で、水溶性固形分の溶媒である水を投入することとし、短時間で水溶性固形分を溶解させている。水溶性固形分を分散させるために最低限必要なエタノールの混合割合が、溶媒をエタノール水溶液とした場合のエタノールの最小組成比となる。
水溶性固形分の最小組成比は、CMC1.3wt%、食用色素0.01wt%であり、それを水を投入する前にエタノールに分散させるために必要なエタノールの割合は、水溶性固形分と同体積である必要があると考えられ、表5に示す試製を行った。
Figure 0005489665
※CMC+食用色素=1.3g+0.01g≒2.5cc
2.5cc×0.79g/cc≒2.0g
表5において、水準2では、エタノールへの分散が十分でなく、水を投入した後の溶解時間が長く掛かった。
従って、溶媒を水及びエタノール(分散媒)とした場合の成分組成要件は、表6の通りとする。
Figure 0005489665
※水の下限割合及びエタノールの上限割合は、後述する「エタノール水溶液の水とエタノールの割合検証」による
次に、作用効果物質が墨汁又は水性蛍光塗料の場合の、溶媒が水だけの場合の組成比とアルコール混合の場合の組成比について考察する。
(1)作用効果物質を墨汁又は水性蛍光塗料とした場合の基本要件
CMC及び水性蛍光塗料は、水に溶解し、エタノールに不溶である。また、墨汁は水及びエタノールに溶解するため、エタノールは混合しなくとも、粘性のある噴射物ができる。その場合の成分組成要件は、実験により、CMC1.3wt%〜2.3wt%、墨汁又は水性蛍光塗料(作用効果物質)1wt%〜12wt%、水85.7wt%〜97.7wt%となることが判明した。
(2)エタノールを混合することによる利点
上述したエタノールを混合することによる利点と全く同様であり、同様にその割合を検証した。表7に示す。
Figure 0005489665
※CMC+墨汁又は水性蛍光塗料=1.3g+1g≒3.5cc
3.5cc×約0.79g/cc≒2.8g
表7において、水準2では、エタノールへの分散が十分でなく、水を投入した後の溶解時間が長く掛かった。
従って、溶媒を水及びエタノール(分散媒)とした場合の成分組成要件は、表8の通りとなる。
Figure 0005489665
※水の下限割合及びエタノールの上限割合は、後述する「エタノール水溶液の水とエタノールの割合検証」による
次に、マーキング効果の検証について説明する。
(1)作用効果物質として、催涙成分として2-クロロアセトフェノン(以下、CNと称する)を添加した粘性のある噴射物は無色透明であったため、噴射物を噴射した後、操作者が対象物に付着したかどうか判断ができるようにする必要があった。その対応として、着色という手段を用いた。着色する上で、その組成割合を設定する必要があり、また同様に作用効果物質としてCNを添加しない食用色素のみの場合も設定する。
粘性のある噴射物にマーキング効果を付加する場合に、添加する食用色素の添加割合を検証する。
食用色素として食紅を使用し、食紅の添加割合を変化させた噴射液を本使用例に示した携帯型液体噴射装置の有効射程距離である4m先に、白色の標的を設置し、噴射位置4mから、付着したかどうか視認できるか評価を行った。
標的は、多種多様な色・模様等が考えられるが、ここでは、最低限必要な食用色素の割合を求めたいので、色素とは全く異なる白色とした。
その際の噴射物の組成は、表9に示す通りである。
Figure 0005489665
評価結果の表し方は、付着したことを視認できたものを○、付着したことを視認できなかったものを×とした。
その結果を表10に示す。
Figure 0005489665
表10から明らかなように、試験者3名ともに、今回試した最低の0.01wt%であっても視認できる結果となった。
従って、食用色素の添加割合の下限値は、0.01wt%である。
一方の、上限値については、3wt%以上は、色の濃さとしては大差がなく、食用色素を増やした場合に減量するエタノール水溶液より単価が高い食用色素を増やすことは経済的に好ましくない。
従って、食用色素の添加割合の上限値は、5wt%であるが、好ましくは3wt%である。
(参考:食紅40,000円/kg、CMC4,000円/kg、エタノール水溶液1,500円/kg)
故に、食用色素の添加割合は、0.01wt%〜5wt%である。
(2)作用効果物質として、CNを添加した粘性のある噴射物は無色透明であったため、噴射物を噴射した後、操作者が対象物に付着したかどうか判断ができるようにする必要があった。その対応として、着色という手段を用いた。着色する上で、その組成割合を設定する必要があり、また同様に作用効果物質としてCNを添加しない墨汁又は水性蛍光塗料のみの場合も設定する。
粘性のある噴射物にマーキング効果を付加する場合に、添加する墨汁又は水性蛍光塗料の添加割合を検証する。
墨汁又は水性蛍光塗料(黄色)の添加割合を変化させた噴射液を本使用例に示した携帯型液体噴射装置の有効射程距離である4m先に、白色の標的を設置し、噴射位置4mから、付着したかどうか視認できるか評価を行った。
標的は、多種多様な色・模様等が考えられるが、ここでは、最低限必要な墨汁又は水性蛍光塗料の割合を求めたいので、色素とは全く異なる白色とした。
噴射物の組成は、表11に示す通りである。
Figure 0005489665
評価結果の表し方は、付着したことを視認できたものを○、付着したことを視認できなかったものを×とした。
その結果を表12に示す。
Figure 0005489665
試験者3名ともに、今回試した最低の1.0wt%であっても視認できる結果となった。
従って、墨汁又は水性蛍光塗料の添加割合の下限値は、1wt%である。
一方の、上限値については、10wt%以上は、色の濃さとしては大差がなく、墨汁又は水性蛍光塗料を増やした場合に減量するエタノール水溶液より単価が高い墨汁又は水性蛍光塗料を増やすことは経済的に好ましくない。
従って、墨汁又は水性蛍光塗料の添加割合の上限値は、12wt%であるが、好ましくは10wt%である。
(参考:墨汁1,800円/kg、水性蛍光塗料:5,600円/kg、CMC4,000円/kg、エタノール水溶液1,500円/kg)
故に、墨汁又は水性蛍光塗料の添加割合は、1wt%〜12wt%である。
次に、粘性のある噴射物に催涙効果を付加する場合に添加するCN量を検証する。
CN添加量を変化させた噴射物を1滴、人間の粘膜部(舌)に付着させ、刺激を感じるまでの時間、刺激の程度・刺激が治まるまでの時間を測定した。なお、刺激を感じたらすぐに水で洗い流した。眼球での試験は困難なため、粘膜部であり、噴射物を除去し易い舌で行った。
試験噴射物の組成表を表13に示す。また、その結果を表14に示す。
Figure 0005489665
Figure 0005489665
CN添加量にかかわらず、付着してすぐ(1秒以下)に強い刺激を感じた。
刺激を感知後、すぐに水で洗い流したが、刺激が治まるまでは時間を要し、CN添加量が多いほど、回復する時間は長くなる。
以上の結果より、CN添加割合が0.1wt%は回復時間が短いが、感知時間、刺激程度は十分であり、これを添加割合の下限とする(0wt%は、全く効果が得られない)。
また、CN添加割合の上限については、CNを使用した市販の催涙スプレーが1wt%〜2wt%とされており(参考:(財)日本中毒情報センター、会員向けHPに催涙剤の概要情報)、これの下限値であれば人体への影響が少ないと考え、1wt%を上限とした。
故に、CN添加量は、0.1wt%〜1wt%とした。
次に、エタノール水溶液の水とエタノールの割合に付いて検証する。
先ず、各種(催涙液、マーキング液)粘性のある噴射物に添加するエタノール水溶液の水とエタノールの割合を検証する。
そのために、各種粘性のある噴射物(a〜e)が製造可能な水とエタノールの割合を求める。水とエタノールの割合により、CMC、作用効果物質(CN、食用色素、墨汁、水性蛍光塗料)が溶解しない。
a:粘性のある催涙液(CN添加)
b:粘性のあるマーキング液(食用色素添加)
c:性のあるマーキング液(墨汁又は水性蛍光塗料添加)
d:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(食用色素添加)を付加した液
e:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(墨汁又は水性蛍光塗料添加) を付加した液
試験結果を説明する。
各種粘性のある噴射液が製造可能な水とエタノールの割合を示した。(水+エタノール=100wt%)
図35は、a:粘性のある催涙液(CN添加)(CMC1.3wt%〜2.3wt%、CN0.1wt%〜1wt%、液温20℃)について示す。
CMCは水に可溶だがエタノールには不溶である。CNは水に不溶だがエタノールには可溶である。
このため、図35から明らかなように、水が54wt%未満ではCMCが完全に溶解せず、61wt%を超えるとCNが完全に溶解しない。
また、エタノールが39wt%未満ではCNが完全に溶解せず、46wt%を超えるとCMCが完全に溶解しない。
CMCとCNが溶解するための水とエタノールの割合は、水54wt%〜61wt%、エタノール39wt%〜46wt%であることが判明した。
図36は、b:粘性のあるマーキング液(食用色素添加)(CMC1.3wt%〜2.3wt%、食用色素0.01wt%〜5wt%、液温20℃)について示す。
CMCは水に可溶だがエタノールには不溶である。食用色素は水にもエタノールにも可溶である。
このため、図36から明らかなように、水が54wt%未満又は、エタノールが46wt%を超えるとCMCが完全に溶解しない。また、エタノールが2wt%未満では、CMCが効率良く溶解せず、時間が掛かった。
CMCと食用色素が溶解するための水とエタノールの割合は、水54wt%〜98wt%、エタノール2wt%〜46wt%であることが判明した。
図37は、c:粘性のあるマーキング液(墨汁又は水性蛍光塗料添加)(CMC1.3〜2.3wt%、墨汁又は水性蛍光塗料1wt%〜12wt%、液温20℃)について示す。
CMC及び水性蛍光塗料は水に可溶だがエタノールには不溶である。墨汁は水にもエタノールにも可溶である。
このため、図37に示すように、水が54wt%未満又は、エタノールが46wt%を超えるとCMC及び水性蛍光塗料が完全に溶解しない。また、エタノールが2.8wt%未満では、CMC、水性蛍光塗料が効率良く溶解せず、時間が掛かった。
CMCと墨汁又は水性蛍光塗料が溶解するための水とエタノールの割合は、水54wt%〜97.2wt%、エタノール2.8wt%〜46wt%であることが判明した。
図38は、d:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(食用色素添加)を付加した液(CMC1.3wt%〜2.3wt%、CN0.1wt%〜1wt%、食用色素0.01wt%〜5wt%、液温:20℃)について示す。
CMCは水に可溶だがエタノールには不溶である。CNは水に不溶だがエタノールには可溶である。食用色素は水にもエタノールにも可溶である。
このため、図38に示すように、水が54wt%未満ではCMCが溶解せず、61wt%を超えるとCNが溶解しない。
また、エタノールが39wt%未満ではCNが溶解せず、46wt%を超えるとCMCが溶解しない。
CMCとCN、食用色素が溶解するための水とエタノールの割合は、水54wt%〜61wt%、エタノール39wt%〜46wt%であることが判明した。
図39は、e:粘性のある催涙液(CN添加)にマーキング効果(墨汁又は水性蛍光塗料添加)を付加した液(CMC:1.3wt%〜2.3wt%、CN:0.1wt%〜1wt%、墨汁及び水性蛍光塗料:1wt%〜12wt%、液温:20℃)について示す。
CMC、水性蛍光塗料は水に可溶だがエタノールには不溶である。CNは水に不溶だがエタノールには可溶である。墨汁は水にもエタノールにも可溶である。
このため、図39に示すように、水が54wt%未満ではCMC、蛍光塗料が溶解せず、61wt%を超えるとCNが溶解しない。
また、エタノールが39wt%未満ではCNが溶解せず、46wt%を超えるとCMC、水性蛍光塗料が溶解しない。
CMCとCN、墨汁及び水性蛍光塗料が溶解するための水とエタノールの割合は、水54wt%〜61wt%、エタノール39wt%〜46wt%であることが判明した。
次に、粘性のある噴射物とない噴射物の耐風性能を検証する。
そのために、図40に示すように、室内で噴射装置(携帯型液体噴射装置)を固定した位置の先に、標的を設置する。標的の斜め後方に扇風機を設置し、噴射装置に向かって風を送る。向かい風の中、噴射装置を作動させ、標的に噴射物が付着するか検証する。
この試験では、噴射距離は3m、4m、風速は噴射装置の位置で3m/sとした。
噴射物の組成を表15に示す。
Figure 0005489665
噴射結果を、標的への噴射物の付着状況に応じて○×で評価し、図41及び表16に示す。
図41において、(a)は○:円状に付着する場合を示し、(b)は×:点々と付着する。又は付着しない場合を示す。
Figure 0005489665
表16に示すように、粘性のない噴射物を、向かい風の中で噴射すると、風により拡散してしまい、標的に付着しない。
また、風により、噴射物のほとんどが噴射装置側に流される。
粘性のある噴射物は、向かい風の中で噴射しても、風により拡散することなく、標的に付着する。
故に、粘性のある噴射物の方が耐風性能があり、噴射距離が長いことが分かる。
次に、粘性のある催涙液とない催涙液の噴射距離を検証する(噴射距離をCN強度(到達量の指標)で検証)。
そのために、図42に示すように、室内で噴射装置(携帯型液体噴射装置)を固定した位置の先に、サンプリング容器を設置する。サンプリング容器に向かって、催涙液を噴射し、催涙液をサンプリングする(催涙液噴射後、すぐにサンプリング容器の蓋をする)。サンプリング容器内のガスをガスクロマトグラフにより分析する。
この試験では、サンプリング距離1m、2m、3m、4m、サンプリング容器サイズ8l(250×W170×H180mm)とした。
噴射物の組成を表17に示す。
Figure 0005489665
分析の結果、サンプリング容器内の催涙成分であるCNの波形面積を得た。この波形面積をCNの強度(到達量の指標)として、粘性のある催涙液と、ない催涙液の各噴射距離におけるCNの強度変化を、図43に示した。
噴射距離3mまでは、どちらの催涙液も同程度のCNの強度であるが、4mになると粘性のない催涙液のCN強度が、8〜9割程度減少した。
一方、粘性のある催涙液は4mでもCN強度減少はほとんどなかった。
故に、粘性のある噴射物の方が、噴射距離が伸びることが分かった。
次に、本発明に係る噴射物の製造方法について説明する。
ここでは、粘性のある噴射物を、短時間で、簡単に製造できる方法を検証する。
製造方法の検証には、以下の(1)〜(7)の粘性のある噴射物の中から(1)粘性のある催涙液の製造方法について短時間で、簡単な製造方法を検証し、良好だった製造方法を他の(2)〜(7)の噴射液に適用し、同様に製造可能か検証する。
(1)粘性のある催涙液
(2)〜(4)粘性のあるマーキング液
(5)〜(7)粘性のある催涙液にマーキング効果を付加した液
(1)〜(7)の噴射物の組成を表18に示す。
Figure 0005489665
次に、製造方法について説明する。
粘性のある催涙液(1)の1回の製造量を400mlとし、3つの製造方法を検証する(作業環境20℃)。
<製造方法1>
エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCNを計量、投入し、撹拌、溶解する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌、混合する。次に、CMCを計量、投入、50度程度に加熱、撹拌し、CMCを溶解して、噴射物を製造する。
<製造方法2>
エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCNを計量、投入し、撹拌、溶解する。一方で、水を計量、容器に投入、50度程度に加熱、撹拌し、そこへCMCを計量、投入し、撹拌、溶解する。次にCNを溶解した液を、CMCを溶解した液に滴下、混合して、噴射物を製造する。
<製造方法3>
エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCN、CMCを計量、投入し、撹拌、CNを溶解し、CMCを分散する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌し、CMCを溶解して、噴射物を製造する。
製造方法の比較を表19に示す。
Figure 0005489665
表19に示すように、製造方法3が、短時間で、簡単であり、最も効率良く噴射物を製造できた。
引き続き、製造方法3で、他の(2)〜(7)の噴射物を製造した。
(2)〜(4)粘性のあるマーキング液の製造方法を示す。
エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCMC、食用色素又は墨汁又は水性蛍光塗料を計量、投入し、撹拌、食用色素又は墨汁又は水性蛍光塗料を溶解し、CMCを分散する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌し、CMCを溶解して、噴射物を製造する。
(5)〜(7)粘性のある催涙液にマーキング効果を付加した液の製造方法を示す。
エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCMC、CN、食用色素又は墨汁又は水性蛍光塗料を計量、投入し、撹拌、CN、食用色素又は墨汁又は水性蛍光塗料を溶解し、CMCを分散する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌し、CMCを溶解して、噴射物を製造する。
製造方法3により、(1)〜(3)、(5)、(6)の噴射物を(1)の噴射物と同様に製造できた。
しかし、(4)、(7)の水性蛍光塗料を添加した噴射物は製造できなかった。
原因は水性蛍光塗料のアクリル樹脂がエタノールにより分離してしまうためであり、投入順を変える必要がある。
そこで、(4)、(7)の噴射液の製造方法として次の製造方法<製造方法4>を検証した。
<製造方法4>
製造方法3の応用で、(4)の噴射物については、エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCMCを計量、投入し、撹拌、CMCを分散する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌し、CMCを溶解して、最後に水性蛍光塗料を計量、投入し、撹拌し、噴射物を製造する。
同様に、(7)の噴射物についても、エタノールを計量、容器に投入、撹拌し、そこへCMC、CNを計量、投入し、撹拌、CNを溶解し、CMCを分散する。そこへ、水を計量、投入し、さらに撹拌し、CMCを溶解して、最後に水性蛍光塗料を計量、投入し、撹拌し、噴射物を製造する。
製造方法4であれば、最後に水性蛍光塗料の撹拌を行うため、製造方法3より製造時間が10分ほど増えてしまうが、水性蛍光塗料を使用する場合は、この製造方法が短時間で簡単であった。
次に、CMC割合と粘度の関係について説明する。
本発明は、噴射物を遠くへ噴射することを目的としている。
従来の噴射物では、遠くへ噴射できない理由として、噴射物が小さな粒子に分散し、空気抵抗を大きく受けることが考えられる。
その解決策として、本発明では、噴射物の粘度を高くすることにより、噴射物の分散を抑えることに注目した。
噴射物は、液体である。その成分の約9割以上が水又はエタノール水溶液であり、それぞれ粘度は約0dPa・sであり、そのままでは課題を解決できない。
そこで、粘度を高くするために、ゲル化剤を添加した。
先ず、ゲル化剤を添加する割合に応じて、その粘度がどのように変化するか確認した。
その結果が、図44に示したグラフである。
ゲル化剤の添加割合が多くなるにつれて、粘度が指数関数的に増加する結果が得られた。
続いて、粘度を高め、噴射物を遠くへ噴射できるかどうか(できているかどうか)を、第二実施形態における確認事項を用い、次の基準で評価を行った。
図15(C)に示している円状に付着した場合を、噴射物の分散が抑えられたと評価した。
付着状態が良好な結果であったCMCの添加割合が、1.3wt%〜2.3wt%であり、その時の粘度は、6dPa・s(20℃)〜40dPa・s(20℃)であることが分かった。
次に、本発明に係る噴射物の特性を求める方法について説明する。
図45に示すように、測定装置は、図46の圧力プロファイルを出力する圧力発生部300と、噴射物体積4ccの噴射物容器301と、圧力発生部300からの圧力を受け止め、噴射物側へリークしない噴射物を押し出すピストン302と、単孔直進ノズル/内径1.5mm〜3mmのノズル303とを備える。
図46は、圧力発生部の代表的な圧力プロファイルを示す。
図46において、本発明の第二実施形態における噴射物を4m飛ばすためには、圧力14MPa以上が必要である。なお、噴射物を飛ばす性能に合わせてガス発生剤の薬量を変えて圧力を変えることは可能である。
上記圧力プロファイルは、第二実施形態の噴射装置110から得た。圧力発生部300は、カートリッジ内の非火薬火工式ガス発生器である。
次に、図47に基づいて、測定方法を説明する。
先ず、カートリッジのピストン初期位置側面に圧力センサーを取り付ける。次に、圧力センサーをオシロスコープに接続する。次に、カートリッジのコネクターと直流電源を電線で接続する。次に、直流電源をONし、所定の電流を印加する。次に、非火薬火工式ガス発生器が発火し、ガスを発生する。次に、オシロスコープの波形から、圧力プロファイルを得る。
1,100 携帯型液体噴射装置
10,110 噴射装置
11,111 容器
12,112 液状の噴射物
13,113 ピストン
14,114 非火薬火工式ガス発生器
14a,114a ガス発生部
14k キャップ
14o,114o ホルダ
14n ウエッジベース
14j1,14j2 脚線
16,116 ノズル部
16a,116a ノズル
17 アダプタ
17c ピストン受け面
17d 圧力開放溝
18 シール
20,120 携帯可能な発射装置
21A,21B,121A,121B ケース
22,122 取付部
22a,22b ソケット組み付け部
22c,22d ソケット
23,123 電源部
23a,123a 電池
24,124 スイッチ部
24a,124a スイッチ
25,125 電源回路基板
28,128 挿入穴
111e 圧力開放部
114k ワイヤーマウントプラグ
121g 解除ボタン
121y 窓
122a,122b ワイヤーマウントソケット

Claims (14)

  1. 水と作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、
    前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置と
    を備え、
    前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲とに隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放される
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  2. 水とエタノールと作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、
    前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置と
    を備え、
    前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲とに隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放される
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  3. 水と作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、
    前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置と
    を備え、
    前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲及び前記ピストン受け面と前記ピストンの前端部に隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放される
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  4. 水とエタノールと作用効果物質とゲル化剤とで構成される噴射物を充填する容器と、前記噴射物を押圧する前端部に圧力開放溝を設け、前記容器の一端から前記容器内を移動するとともに前記噴射物を押圧して前記容器から前記噴射物を噴射させるピストンと、前記ピストンを押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器と、前記ピストンによって押圧される前記噴射物を噴出するノズル部と、前記ガス圧によって前記噴射物を押圧する前記ピストンを受け止めるピストン受け面を設け、前記ノズル部と前記容器とを接続するアダプタとを有する噴射装置と、
    前記ノズル部を露出させて前記噴射装置を交換可能に取り付ける取付部と、前記取付部に取り付けられる前記噴射装置に電力を供給する電源部と、前記電源部と前記噴射装置との間に設けられ、前記電源部と前記噴射装置とを短絡させるスイッチ部とを有する携帯可能な発射装置と
    を備え、
    前記ピストンの前記アダプタへの衝突時に、前記アダプタの内壁と前記ピストンの周囲及び前記ピストン受け面と前記ピストンの前端部に隙間が形成され、前記ガス圧が前記圧力開放溝及び前記隙間を介して前記ノズル部から外部へ開放される
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記ゲル化剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガム又はプロピレングリコールである
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記作用効果物質は、催涙成分又は着色剤である
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置。
  7. 請求項記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記催涙成分は、2−クロロアセトフェノン、カプサイシン、唐辛子抽出液又はイソチオシアン酸アリルである
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  8. 請求項6記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記着色剤は、食用色素、墨汁又は水性蛍光塗料である
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記噴射物は、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%を含み、粘度が6dPa・s〜40dPa・sである
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  10. 請求項1又は請求項2又は請求項5乃至請求項9の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記噴射物は、前記水85.7wt%〜98.69wt%と、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%と、前記作用効果物質0.01wt%〜12.0wt%とで構成されている
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  11. 請求項3又は請求項4又は請求項5乃至請求項9の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記噴射物は、前記水54.0wt%〜61.0wt%と前記エタノール39.0wt%〜46.0wt%とからなるエタノール水溶液84.7wt%〜98.59wt%と、前記ゲル化剤1.3wt%〜2.3wt%と、前記作用効果物質0.01wt%〜12.
    0wt%とで構成されている
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  12. 請求項乃至請求項11の何れか記載の携帯型液体噴射装置において、
    前記発射装置は、二つ割りのケースをネジで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為し、前記ケース内に前記取付部と前記電源部とを配置し、前記ケースの側部に前記噴射装置の挿入穴を有し、前記ケースの側面から前記スイッチ部を露出し、前記スイッチ部の不意の操作を防ぐ安全カバーを前記ケースの側面に移動自在に装着している
    ことを特徴とする携帯型液体噴射装置
  13. 請求項2又は請求項4乃至請求項9又は請求項11又は請求項12の何れか記載の携帯型液体噴射装置に使用される噴射物の製造方法において、
    前記エタノールを容器に投入し、撹拌し、前記作用効果物質及び前記ゲル化剤を投入し、撹拌し、前記作用物質を溶解させ、前記ゲル化剤を分散させ、次いで、前記水を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を溶解させる
    ことを特徴とする噴射物の製造方法。
  14. 請求項8乃至請求項12の何れか記載の携帯型液体噴射装置に使用される噴射物の製造方法において、
    前記エタノールを容器に投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を分散させ、次いで、前記水を投入し、撹拌し、前記ゲル化剤を溶解させ、最後に前記水性蛍光塗料を投入し、撹拌する
    ことを特徴とする噴射物の製造方法。
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