JP5555632B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、溶融成形時において樹脂成形品の金型からの離型性を向上させる為に、ポリカーボネート樹脂中に内部離型剤が配合される場合が多い。然しながらこれを有効量添加すると熱成形時に離型剤自体の分解により、あるいはその分解物がポリカーボネート樹脂の劣化を誘発することにより、ポリカーボネート樹脂を着色させることがある。
特許文献1および特許文献2には、ポリカーボネート樹脂に、特定のリン系熱安定剤を配合することにより、ポリカーボネート樹脂の耐熱性を向上させることが示されている。これらの熱安定剤の配合は、ポリカーボネートの耐熱性向上に効果的な方法であるが、熱安定剤を添加しても十分に満足できる耐熱性が得られないことがある。また、これらの熱安定剤を多量に使用するとポリカーボネート樹脂の機械物性や耐加水分解性などの悪化を引き起こす場合がある。
これまで、特許文献1や特許文献2に見られるように種々の熱安定剤を用いたポリカーボネート樹脂組成物が提案されてきた。製品の多種多様化が進む中でさらに新しい熱安定剤の開発が望まれており、同時に、既存の各熱安定剤に関しては、その安定剤を用いた樹脂組成物に関し、安定効果やその他の性能を少しでも向上させる工夫が重要となっている。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、熱安定剤として特定のホスホナイト系化合物をポリカーボネート樹脂に少量添加することにより成形時の耐熱性が著しく向上することを見出した。また、ポリカーボネート樹脂粉粒体をブレンド、貯蔵するタンク内等の錆が粉粒体に特定量以上付着すると、溶融成形した成形品が着色し、得られる成形品の色相および透明性が著しく悪化することを見出し、本発明に至った。
1. 内面がFeを含む材料からなるタンク内で、貯蔵またはブレンドされた粉粒体を280〜380℃の温度で溶融し、成形して成形品を製造する方法であって、該粉粒体が、下記条件(I)および(II)を満足することを特徴とする成形品の製造方法。
(I)該粉粒体100重量部を1N硝酸水溶液100重量部で洗浄したときに、1N硝酸水溶液の洗浄液に溶出するFe化合物が、該粉粒体に対しFe原子換算で1〜100ppbである。
(II)該粉粒体は、
(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して、
(B)下記式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、下記式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および下記式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物(b成分)を0.00010〜0.5重量部含有する。
(III)該粉粒体は、
(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)に対して、
(B)式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)と、
(C)下記式(4)で示されるリン系化合物(c−1成分)および下記式(5)で示されるリン系化合物(c−2成分)を含有し、
a成分100重量部に対してb−1成分〜b−3成分とc−1成分〜c−2成分との合計量が0.0005〜0.5重量部であり、且つb−1成分〜b−3成分の合計量(x重量部)とc−1成分〜c−2成分の合計量(y重量部)との重量比(x/y)が0.01〜2.0である。
9. 成形品が眼鏡レンズである前項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
〈成形品の製造方法〉
(ポリカーボネート樹脂(a成分))
本発明に用いる粉粒体は、主にポリカーボネート樹脂(a成分)からなる。ポリカーボネート樹脂(以下、単に「ポリカーボネート」と称することがある)は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等のジヒドロキシ化合物が挙げられる。これら二価フェノールは単独で用いても、二種以上併用してもよい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、二価フェノールは単独または2種以上を使用することができ、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、2種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
また重合反応において、末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。特にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用される。また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、ポリカーボネートの末端停止剤として使用されるものであればよく、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記式(6)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
また、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液は、触媒等の不純物を除去するために酸洗浄やアルカリ洗浄を行うことも好ましい。
また、有機溶媒溶液は不溶性不純物である異物を除去することが好ましく行われる。この異物を除去する方法は、濾過する方法あるいは遠心分離機で処理する方法が好ましく採用される。
水洗浄が施された有機溶媒溶液は、次いで、溶媒を除去してポリカーボネート樹脂の粉粒体を得る操作が行われる。
排出されたスラリーは、次いで熱水処理を行うこともできる。熱水処理工程は、かかるスラリーを90〜100℃の熱水の入った熱水処理容器に供給するか、または供給した後に蒸気の吹き込みなどにより水温を90〜100℃にすることによって、スラリーに含まれる有機溶媒を除去するものである。
造粒工程で排出されたスラリーまたは熱水処理後のスラリーは、好ましくは濾過、遠心分離等によって水および有機溶媒を除去し、次いで乾燥されて、粉粒体(パウダー状やフレーク状)を得ることができる。
乾燥機としては、伝導加熱方式でも熱風加熱方式でもよく、粉粒体が静置、移送されても攪拌されてもよい。なかでも、伝導加熱方式で粉粒体が攪拌される溝形または円筒乾燥機が好ましく、溝形乾燥機が特に好ましい。乾燥温度は130℃〜150℃の範囲が好ましく採用される。乾燥後に得られた粉粒体は、溶融押出機により、ペレット化することができる。このペレットは成形用に供される。
溶融法による反応は、通常二価フェノールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとジフェニルカーボネートを混合し、減圧下、通常、120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1.3×102Pa以下にして生成したフェノール類を系外に除去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(a成分)の分子量は、粘度平均分子量(M)で1.0×104〜5.0×104の範囲が好ましく、1.4×104〜3.5×104の範囲がより好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、押出・成形加工時に比較的良好な流動性を保ちながら、得られた成形品に関して一定の機械的強度を有するので好ましい。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
粉粒体は、パウダー、ペレット、フレーク等の形状を包含する。ペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
また、本発明で好適に使用されるポリカーボネート樹脂は、そのOH末端量がOH基の重量で好ましくは1〜5,000ppmの範囲であり、より好ましくは5〜2,000ppmの範囲であり、さらに好ましくは10〜1,000ppmの範囲である。
本発明において、粉粒体は、下記条件(I)を満足する。即ち粉粒体は、(I)粉粒体100重量部を1N硝酸水溶液100重量部で洗浄したときに、1N硝酸水溶液の洗浄液に溶出するFe化合物が、粉粒体に対しFe原子換算で1〜100ppbである。
Fe化合物の量は、粉粒体に対しFe原子換算で1〜100ppb、好ましくは1〜50ppb、より好ましくは1〜40ppb、さらに好ましくは1〜25ppb、特に好ましくは1〜10ppbである。Fe原子換算の量が100ppbを超えると、耐熱性が低下し、粉粒体を溶融成形した成形品の色相が悪化し易くなり好ましくない。
Fe化合物の量は、次の方法により測定することができる。即ち、予め1N硝酸水溶液で石英ガラス製三角フラスコおよび石英製ガラス棒を洗浄し、1N硝酸水溶液の洗浄液中にFe成分が0.1ppb以下であることを確認しておく。次に確認した三角フラスコに、粉粒体100重量部を入れ、次いで1N硝酸水溶液100重量部を加えて、確認したガラス棒で1分間攪拌し、2時間静置した後に再度1分間攪拌し、その後、静置して液相部分をICP発光分析によりFeを定量する。
粉粒体の表面のFe化合物は、粉粒体とFeを含むステンレス鋼(SUS)等の材質を内面に有するタンク、コンテナ、配管等と接触することにより増加する。特にタンク、コンテナ、配管等の内部が一部錆びを発生することや、内面の溶接部等にクラックが発生することにより、粉粒体の表面に付着するFe化合物の増加が顕著となる。
粉粒体の表面に付着したFe化合物の量は、粉粒体を硝酸水溶液で洗浄することにより低減せしめることができる。
また内表面を不動態化処理した貯蔵タンク、ブレンドタンクを用い粉粒体を、保存、ブレンドすることが好ましい。この場合、タンクに貯蔵した粉粒体の表面のFe化合物の量を定期的に測定して、基準値を超えるFe化合物が付着した粉粒体は色相、透明性が要求される成形品の製造には用いないようにする。また、基準値を超えるFe化合物が付着した粉粒体は、Fe化合物の付着量の少ない粉粒体とブレンドして成形に用いることもできる。本発明においては成形に用いる粉粒体は、表面に付着したFe化合物が特定の範囲のものを用いることを特徴とする。
本発明は、タンクに保存したポリカーボネート樹脂からなる粉粒体を280℃〜380℃の温度で溶融し、成形して成形品を製造する方法であって、成形前に粉粒体が上記条件(I)を満足することを確認した後に成形を行う方法を包含する。
本発明において、粉粒体は、下記条件(II)を満足する。即ち粉粒体は、(II)(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して、
(B)前記式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、前記式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および前記式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物(b成分)を0.00010〜0.5重量部含有する。
かかるリン系化合物(b成分)は樹脂用の安定剤として、成形耐熱性の向上に効果を発揮する。b成分の含有量は、ポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して0.00010〜0.5重量部の範囲であり、0.001〜0.3重量部の範囲が好ましく、0.003〜0.1重量部の範囲が最も好ましい。かかるリン系化合物の含有量が0.00010重量部より少ないとポリカーボネート樹脂の成形耐熱性が不十分となり好ましくない。
なお、リン系化合物(b成分)において、前記式(1)、(2)および(3)のリン系化合物は互変異性体である。これらの互変異性体において、各々の存在割合は任意の割合であって構わない。
式(1)、(2)および(3)において、Ar1、Ar2およびAr5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基における芳香環としては、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、なかでもフェニルが好ましい。また、前記芳香環に置換してもよいアルキル置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、なかでもメチル基、tert−ブチル基が好ましく、特にtert−ブチル基が好ましい。
4−ビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4’−モノ(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、
4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
なかでもトリス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、具体的には、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトおよび3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましい。
4,4’−ビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4,4’−ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,3’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、
4,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,3’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
なかでも、(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが特に好ましい。具体的には2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよび2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましい。
本発明において、前記b成分として使用されるリン系化合物は、式(4)または式(5)のリン系化合物(c成分)を加水分解することにより得ることができる。すなわち、式(1)のリン系化合物(b−1成分)および式(2)のリン系化合物(b−2成分)は式(4)のリン系化合物(c−1成分)を加水分解することにより得ることができる。また式(3)のリン系化合物(b−3成分)は式(5)のリン系化合物(c−1成分)を加水分解することにより得ることができる。
従って粉粒体は、条件(I)および(II)に加えて下記条件(III)を満足することが好ましい。
(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)に対して、
(B)式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)と、
(C)下記式(4)で示されるリン系化合物(c−1成分)および下記式(5)で示されるリン系化合物(c−2成分)を含有し、
a成分100重量部に対してb−1成分〜b−3成分とc−1成分〜c−2成分との合計量が0.0005〜0.5重量部であり、且つb−1成分〜b−3成分の合計量(x重量部)とc−1成分〜c−2成分の合計量(y重量部)との重量比(x/y)が0.01〜2.0であることが好ましい。
テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
なかでも、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。かかるテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトが好ましい。これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。
なかでも、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましい。これらの化合物は2種以上の混合物であってもよい。
この場合、ポリカーボネート樹脂(a成分)に配合するリン系化合物は、b成分とc成分とを含有するリン系化合物となる。このリン系化合物は、b−1成分〜b−3成分の合計量(x重量部)とc−1成分〜c−2成分の合計量(y重量部)との重量比(x/y)が0.01〜2.0の範囲が好ましく、0.03〜1.8の範囲とすることがより好ましい。また、このリン系化合物は、ポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して、b−1成分〜b−3成分とc−1成分〜c−2成分との合計量が0.0005〜0.5重量部の範囲、好ましくは0.001〜0.3重量部の範囲、より好ましくは0.003〜0.2重量部の範囲となるように配合される。かかるリン系化合物の含有量が0.0005重量部より少ないとポリカーボネート樹脂の成形耐熱性が不十分となり好ましくない。かかるリン系化合物の含有量が0.5重量部を超えても、ポリカーボネート樹脂の特性には悪影響はないが、リン系化合物が吸湿し、融着固化するため取り扱い性が低下する。
また、本発明において、ポリカーボネート樹脂(a成分)に熱安定剤として前記b成分やc成分以外のリン系化合物を配合してもよい。かかるリン系化合物として、具体的には、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト等のトリス(ジアルキル置換フェニル)ホスファイト等が挙げられる。また、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
なかでもトリス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましく使用される。かかるリン系化合物は1種または2種以上の混合物であってもよい。かかるリン系化合物はポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して、0.0005〜0.2重量部の範囲が好ましく、0.005〜0.1重量部の範囲がより好ましい。
本発明において、溶融成形時において樹脂成形品の金型からの離型性を向上させるために、ポリカーボネート樹脂に内部離型剤を配合することができる。内部離型剤としては、その90重量%以上がアルコールと脂肪酸のエステルからなるものが好ましい。アルコールと脂肪酸のエステルとしては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが挙げられる。前記一価アルコールと脂肪酸のエステルとは、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルが好ましい。また、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルとは、炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等があげられ、ステアリルステアレートが好ましい。
多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。
これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。特に、ステアリン酸モノグリセリドが好ましく用いられる。
内部離型剤中の前記エステルの量は、内部離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
上記脂肪酸エステルの酸価は、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。ステアリン酸モノグリセリドの場合は、酸価1.5以下、純度95重量%以上が好ましく、酸価1.2以下、純度98重量%以上が特に好ましい。脂肪酸エステルの酸価の測定は、公知の方法を用いることができる。
上記エステル以外の内部離型剤としては、オレフィン系ワックス、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン、パラフィンワックス、蜜蝋等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂中の内部離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜1.0重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.6重量部の範囲がより好ましく、0.1〜0.5重量部の範囲が最も好ましい。
粉粒体は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は、公知のものを任意に一種以上選択することができる。具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。なかでも、ポリカーボネート樹脂の成形耐熱性等の効果をより発揮させることから、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜1.5重量部であり、より好ましくは0.05〜0.7重量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部である。かかる配合量の範囲であれば、本発明における各リン系化合物の効果が十分に発現し、発明の目的を達成することができ、且つポリカーボネート樹脂に十分な耐候性が付与され好ましい。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、より好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。特に好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ルである。
かかるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、105℃、2時間乾燥した時の乾燥減量が0.5重量%以下のものが好ましく、0.1重量%以下のものがより好ましく、0.03重量%以下のものが特に好ましい。また、500nmの溶解色(トルエン100mlに紫外線吸収剤5gを溶解し、1cmのセルで測定した光線透過率)が95%以上のものが好ましく、98%以上のものがより好ましく、99%以上のものが特に好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
また、粉粒体は、発明の目的を損なわない範囲でヒンダードフェノール系安定剤を含有していてもよい。
ヒンダードフェノール系安定剤として、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシアルキルエステル(アルキルは炭素数7〜9で側鎖を有する)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが挙げられる。その中でも好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。
ヒンダードフェノール系安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.015〜0.15重量部の範囲が好ましく、0.03〜0.08重量部の範囲がより好ましい。
粉粒体には、酸化防止の目的で、酸化防止剤を配合することができる。かかる酸化防止剤として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.05重量部が好ましい。
粉粒体には、帯電防止剤を配合することができる。かかる帯電防止剤として、ポリエーテルエステルアミド、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、無水マレイン酸モノグリセライド、無水マレイン酸ジグリセライド、カーボン、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。さらに、グリセリンモノステアレート等の「多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル」を挙げることができる。該多価アルコールや脂肪酸は、低分子量のものでも高分子量のものでもよく、また、部分的に芳香環が導入されていてもよい。また、アルコール部分だけでなく脂肪酸部分が分岐構造を有していてもよい。かかる帯電防止剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
粉粒体には、発明の目的を損なわない範囲でブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤は、樹脂組成物の黄色味を消すために有効である。特に耐候性を付与した組成物の場合は、一定量の紫外線吸収剤が配合されているため「紫外線吸収剤の作用や色」によって樹脂製品が黄色味を帯びやすい現実があり、特にシート製品やレンズ製品に自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の配合は非常に有効である。ブルーイング剤の配合量は、粉粒体に対して好ましくは0.05〜1.5ppmであり、より好ましくは0.1〜1.2ppmである。ブル−イング剤としては代表例として、バイエル社のマクロレックスバイオレットやテラゾールブルーRLS等が挙げられるが、特に制限されるものではない。
粉粒体には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を配合することができる。難燃剤としては、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃剤、ハロゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤あるいは芳香族リン酸エステル系難燃剤等が挙げられ、それらを一種以上配合することができる。
ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤として、テトラブロモビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAとの共重合ポリカーボネート型難燃剤等が挙げられる。
有機塩系難燃剤として、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸カリウム、ビス(2,6−ジブロモ−4−クミルフェニル)リン酸カリウム、ビス(4−クミルフェニル)リン酸ナトリウム、ビス(p−トルエンスルホン)イミドカリウム、ビス(ジフェニルリン酸)イミドカリウム、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)リン酸カリウム、ビス(2,4−ジブロモフェニル)リン酸カリウム、ビス(4−ブロモフェニル)リン酸カリウム、ジフェニルリン酸カリウム、ジフェニルリン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウムあるいはカリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウムあるいはカリウム等が挙げられる。
ハロゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤として、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
芳香族リン酸エステル系難燃剤として、トリフェニルホスフェート、トリス(2,6−キシリル)ホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)レゾルシンジホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)ヒドロキノンジホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)−4,4’−ビフェノールジホスフェート、テトラフェニルレゾルシンジホスフェート、テトラフェニルヒドロキノンジホスフェート、テトラフェニル−4,4’−ビフェノールジホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがヒドロキノンとフェノールでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、同様のフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、(以下に示す「芳香族ポリホスフェート」は、フェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェートと含まない芳香族ポリホスフェートの両方を意味するものとする)、芳香環ソースがビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブロモビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがヒドロキノンと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがビスフェノールAと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブロモビスフェノールAと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート等が挙げられる。
粉粒体には、他の樹脂やエラストマーを本発明の目的が損なわれない範囲で少割合配合することもできる。
かかる他の樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、エラストマーとしては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コア−シェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/ステレン/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴム等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(a成分)とリン系化合物(b成分)、その他の添加剤をブレンドするには、任意の方法が採用される。例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合する方法が適宜用いられる。こうして得られたパウダー状、ペレット状の粉粒体は、そのまま、または溶融押出機で一旦ペレット状にしてから、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、シート押出し法等の通常知られている方法で成形品やシートにすることができる。
リン系化合物およびその他の添加剤とポリカーボネート樹脂とのブレンドにあたっては、一段階で実施してもよいが、二段階以上に分けて実施してもよい。二段階に分けて実施する方法には、例えば、配合予定のポリカーボネート樹脂パウダーやペレットの一部と添加剤とをブレンドした後、つまり、添加剤をポリカーボネート樹脂パウダーで希釈して添加剤のマスターバッチとした後、これを用いて最終的なブレンドを行う方法がある。
例えば、一段階でブレンドする方法においては、各所定量の各添加剤を予め混合したものをポリカーボネート樹脂パウダーやペレットとブレンドする方法、また、各所定量の各添加剤を各々別個に計量し、ポリカーボネート樹脂パウダーやペレットに順次添加後ブレンドする方法等を採用することができる。
リン系化合物、およびその他の添加剤の配合にあたっては、添加剤を押出機に直接添加、注入する方法をとることができる。その場合、各添加剤を加熱融解後注入することも可能である。
また、溶液重合法(界面重合法)においては、重合終了後のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を撹拌された温水中に導入し、撹拌流中でポリカーボネート粉状体を製造する方法がしばしば用いられる。この際、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液に、予め上記c成分を含有するリン系化合物を添加溶解し、これを温水中に導入する事によりc成分のリン系化合物の一部を加水分解させ、上記b成分に変性させる事により、ポリカーボネート樹脂に導入する方法も採用される。
粉粒体は、280〜380℃の温度で溶融し成形する。成形は、射出成形、圧縮成形、押出圧縮成形、回転成形、ブロー成形、シート押出し等の方法により行うことができる。
成形品としては、眼鏡レンズ、カメラレンズ、双眼鏡レンズ、顕微鏡レンズ、プロジェクターレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラレンズ、fθレンズ、ヘッドランプレンズおよびピックアップレンズ等の光学レンズ、自動車の窓ガラス、ルーフ、ヘッドランプカバー、携帯電話等のボタン類、あるいは位相差板、偏光板、光拡散板、各種銘板(計器類の保護カバー)、ヘルメット用シールドおよび二輪車用風防板等の各種シート等が挙げられる。
なかでも、本発明の製造方法は、耐熱性、色相および全光線透過率(透明性)に優れた成形品が得られることから、光学レンズ、特に眼鏡レンズの成形に好適に用いられる。
本発明によれば、厚さ5mmの平板で、ASTM D1925による透過法で、色相(YI値)が好ましくは0.3〜3.0、より好ましくは0.5〜2.0の成形品を得ることができる。また本発明によれば、厚さ2mmの平板で、ISO13468による全光線透過率が90%以上の成形品を得ることができる。
本発明は、粉粒体を成形する際の成形品の着色を防止する方法であって、該粉粒体が、上記条件(I)および(II)を満足することを特徴とする成形品の着色防止方法を包含する。
該粉粒体が、条件(I)および(II)に加えて上記条件(III)を満足することが好ましい。b−1成分、b−2成分、b−3成分、c−1成分およびc−2成分は前述の通りである。この方法において、成形品は光学レンズ、特に眼鏡レンズであることが好ましい。
I.評価
(1)ペレット表面のFe化合物の定量方法
予め1N硝酸水溶液100mlで石英ガラス製の300ml三角フラスコおよび石英製ガラス棒を洗浄し、1N硝酸水溶液の洗浄液中のFe成分が0.1ppb以下であることを確認した。石英ガラス製の三角フラスコを空にし、それにペレット100gを入れ、次いで1N硝酸水溶液100gを加えて、石英ガラス製のガラス棒で1分間攪拌した。2時間静置した後に再度1分間攪拌し、その後、静置して液層部分のFe原子含量をICP発光分析により定量し、1N硝酸水溶液の洗浄液中に溶出したFe化合物中のFe原子の重量をペレット重量あたりの濃度(ppb)として表した。
(2)リン系化合物(実施例で使用したリン系安定剤)組成の定量
リン系化合物10mgをヘキサン25mlに溶解し、表1に示す条件で高速液体クロマトグラフ(HPLC)測定を行った。各ピーク成分をHPLC装置に接続したフラクションコレクターを用い、ピーク毎に分取を行い単離した。単離した各成分から溶媒を除去、乾固した後、各成分を一定重量計り取り、ヘキサンに溶解して標準液とし、検量線を作成した。なお、使用したアセトニトリル(AN)、イソプロパノール(IPA)、ヘキサンについてはモレキュラーシーブスで脱水処理したものを使用した。
使用試薬
ヘキサン ; 和光純薬(株)製 高速液体クロマトグラフ用
アセトニトリル ; 和光純薬(株)製 高速液体クロマトグラフ用
イソプロパノール ; 和光純薬(株)製 高速液体クロマトグラフ用
モレキュラーシーブス ; 和光純薬(株)製 4A 1/16
ペレットを120℃で5時間乾燥した後、JSW社製射出成形機J85−EL2によりシリンダー温度300℃、金型温度105℃で縦70mm×横50mm×厚み5mmの平板を成形した。この厚さ5mmの平板の色相(YI値)をグレタグマクベス社製Color−Eye7000Aを用いてC光源、視野角2°、透過法でASTM D1925に従い測定した。なお、YI値は添加剤の添加量で変化するが、添加剤の添加量が同じであればYI値が低いほど成形時の変色が少なく、耐熱性が良好となる。
また、平板のくすみの有無を目視で観察した。
(4)全光線透過率
ペレットを120℃で5時間乾燥した後、JSW社製射出成形機J85−EL2によりシリンダー温度350℃、金型温度80℃で縦90mm×横50mm×厚み2mmの平板を成形した。この厚さ2mmの平板の全光線透過率をISO13468に従い、日本電色社製NDH−2000を用いて測定した。
(5)成形耐熱性(滞留耐熱性)
ペレットを120℃で5時間乾燥した後、JSW社製射出成形機J85−EL2により350℃、1分サイクルで「滞留前の色相測定用平板」(縦70mm×横50mm×厚み2mm)を成形した。さらに、シリンダー中に樹脂を10分間滞留させた後、「滞留後の色相測定用平板」(縦70mm×横50mm×厚み2mm)を成形した。滞留前後の平板の色相を日本電色(株)製SE−2000を用いてC光源により測定し、次式により色差ΔEを求めた。ΔEが小さいほど成形耐熱性が優れることを示す。
ΔE={(L−L’)2+(a−a’)2+(b−b’)2}1/2
「滞留前の色相測定用平板」の色相:L、a、b
「滞留後の色相測定用平板」の色相:L’、a’、b’
(6)成形耐熱性(滞留分子量差)
上記(5)の試験において得られた、「滞留前の色相測定用平板」の粘度平均分子量(M)と「滞留後の色相測定用平板」の粘度平均分子量(M’)を測定し、その差△M(M−M’)を求めた。ΔMが小さいほど成形耐熱性が優れることを示す。
また、実施例および比較例で用いたリン系安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤は以下の通りである。
1.リン系安定剤A(比較例用)
ホスホナイト系化合物の商品名:HOSTANOX P−EPQ(クラリアントジャパン(株)製)を使用した。なお、上記のHPLC測定条件におけるピーク1〜6は下記のリン系化合物である(図1参照)。
(1)b成分
(1−i)b−1成分(ピーク4)
4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトおよび3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトの4成分の混合物
(1−ii)b−2成分(ピーク2)
4,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトおよび3,3’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトの3成分の混合物
(1−iii)b−3成分(ピーク1)
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよび2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3−フェニル−フェニルホスホナイトの2成分の混合物
(2−i)c−1成分(ピーク6)
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよび、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの3成分の混合物
(2−ii)c−2成分(ピーク3)
ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの2成分の混合物
(3)他の主な成分(ピーク5)
(3−i)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
*(b成分とc成分との合計量)/(リン系安定剤Aの重量)の重量比=0.91
*(b成分)/(c成分)の重量比=0.004
リン系安定剤Aを50℃、90%RHの雰囲気下の恒温恒湿機に24時間曝露させたものを使用した。なお、上記のHPLC測定条件におけるチャートを図2に示した。
*(b成分とc成分との合計量)/(リン系安定剤Bの重量)の重量比=0.91
*(b成分)/(c成分)の重量比=0.234
3.リン系安定剤C(実施例用)
リン系安定剤Aを50℃、90%RHの雰囲気下の恒温恒湿機に36時間曝露させたものを使用した。
*(b成分とc成分との合計量)/(リン系安定剤Cの重量)の重量比=0.89
*(b成分)/(c成分)の重量比=0.386
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:イルガフォス168(商品名))
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:イルガノックス1076(商品名))
ステアリン酸モノグリセリド(酸価0.8、純度97.0重量%)
(理研ビタミン(株)製:リケマールS−100A(商品名))
7.離型剤B(脂肪酸エステルB)
ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物(酸価2.0)(理研ビタミン(株)製:リケマールSL−900(商品名))
8.離型剤C(脂肪酸エステルC)
ペンタエリスリトールテトラステアレート(酸価0.6)(理研ビタミン(株)製:リケスターEW−400(商品名))
9.紫外線吸収剤A
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル(ケミプロ化成(株)製:ケミソーブ79(商品名))
10.紫外線吸収剤B
2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:チヌビン326(商品名))
11.ブルーイング剤
アントラキノン系化合物(バイエル社製:マクロレックスバイオレットB(商品名))
ビスフェノールA、p−tert−ブチルフェノール(末端停止剤)とホスゲンから界面重合法により得られたポリカーボネート樹脂100重量部に対し、リン系安定剤、離型剤、紫外線吸収剤等を表2、表3に示した量の通り添加混合し、押出機にて280℃で溶融押出し、得られたペレットを製品貯蔵タンクにて貯蔵後、ブレンド用タンクに輸送し、ブレンドを行った後、上記の各種評価を行い、その結果を表2、表3に示した。
なお上記で用いた製品貯蔵タンク、ブレンド用タンク、付帯設備等は洗浄後1ヶ月経過していた。
ビスフェノールA、p−tert−ブチルフェノール(末端停止剤)とホスゲンから界面重合法により得られたポリカーボネート樹脂100重量部に対し、リン系安定剤、離型剤、紫外線吸収剤等を表2、表3に示した量の通り添加混合し、押出機にて280℃で溶融押出し、得られたペレットを製品貯蔵タンクにて貯蔵後、ブレンド用タンクに輸送し、ブレンドを行った後、上記の各種評価を行い、その結果を表2、表3に示した。
なお上記で用いた製品貯蔵タンク、ブレンド用タンク、付帯設備等は洗浄後1年経過していた。
ビスフェノールA、p−tert−ブチルフェノール(末端停止剤)とホスゲンから界面重合法により得られたポリカーボネート樹脂100重量部に対し、リン系安定剤、離型剤、紫外線吸収剤等を表2、表3に示した量の通り添加混合し、押出機にて280℃で溶融押出し、得られたペレットを製品貯蔵タンクにて貯蔵後、ブレンド用タンクに輸送し、ブレンドを行った後、上記の各種評価を行い、その結果を表2、表3に示した。
なお上記で用いた製品貯蔵タンク、ブレンド用タンク、付帯設備等は洗浄後3年経過していた。
2 b−2成分のピーク
3 c−2成分のピーク
4 b−1成分のピーク
5 トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト成分のピーク
6 c−1成分のピーク
Claims (9)
- 内面がFeを含む材料からなるタンク内で、貯蔵またはブレンドされた粉粒体を280〜380℃の温度で溶融し、成形して成形品を製造する方法であって、該粉粒体が、下記条件(I)および(II)を満足することを特徴とする成形品の製造方法。
(I)該粉粒体100重量部を1N硝酸水溶液100重量部で洗浄したときに、1N硝酸水溶液の洗浄液に溶出するFe化合物が、該粉粒体に対しFe原子換算で1〜100ppbである。
(II)該粉粒体は、
(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)100重量部に対して、
(B)下記式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、下記式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および下記式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物(b成分)を0.00010〜0.5重量部含有する。
[式中、Ar1、Ar2およびAr5はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。] - 該粉粒体が、条件(I)および(II)に加えて下記条件(III)を満足する請求項1記載の製造方法。
(III)該粉粒体は、
(A)ポリカーボネート樹脂(a成分)に対して、
(B)式(1)で示されるリン系化合物(b−1成分)、式(2)で示されるリン系化合物(b−2成分)および式(3)で示されるリン系化合物(b−3成分)と、
(C)下記式(4)で示されるリン系化合物(c−1成分)および下記式(5)で示されるリン系化合物(c−2成分)を含有し、
a成分100重量部に対してb−1成分〜b−3成分とc−1成分〜c−2成分との合計量が0.0005〜0.5重量部であり、且つb−1成分〜b−3成分の合計量(x重量部)とc−1成分〜c−2成分の合計量(y重量部)との重量比(x/y)が0.01〜2.0である。
[式中、Ar3およびAr6はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。] - 前記b−1成分は、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、4−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトまたは3−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3’−モノ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトである請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記b−2成分は、4,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、3,4’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトまたは3,3’−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記b−3成分は、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−フェニル−フェニルホスホナイトまたは2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3−フェニル−フェニルホスホナイトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記c−1成分は、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトまたはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトである請求項2に記載の製造方法。
- 前記c−2成分は、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトである請求項2に記載の製造方法。
- 成形品が光学レンズである請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 成形品が眼鏡レンズである請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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