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JP5586239B2 - 炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物 - Google Patents
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JP5586239B2 - 炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物 - Google Patents

炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物 Download PDF

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Description

本発明は、素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物に関するものである。
ガソリンや灯油をはじめとする燃料は良質なものを得ようとした場合、分子量や分岐構造などの精密な制御が必要である。しかし、これらの主要成分である炭化水素化合物は、主に炭素−炭素単結合からなっており、ある特定の部分だけを切断したり酸化して高機能化することは困難である。
一方、燃料より分子量が大きいポリマーについても、分子量や構造が特性に強く影響するので、その構造制御は非常に重要である。また、制御された条件で酸化させることにより極性基をポリマー骨格に反応性の官能基を導入できれば、接着性や濡れ性など機能を付与できるにも関わらず、酸化反応を制御することは非常に難しい。
上記のような問題は、結合エネルギーや電子の状態が非常に近いものを区別して反応しようとしているからである。
一方で、制御された条件下で有機物を酸化する場合にはグリニヤール反応を用いる方法が考えられるが、この方法はハロゲンや有機金属化合物を用いるので環境問題が重要な昨今では新しい方法が求められている。
このようなニーズに答えるために特許文献1,2,3のように、超臨界二酸化炭素中で、廃棄ポリマーを窒素酸化物による酸化分解反応を用いる方法が提案されている。この方法は、超臨界二酸化炭素が強い酸化剤である二酸化窒素や過酸化水素の反応性を抑制できることを利用している。
特開2002−212334号公報 特開2008−38006号公報 特開2009−191174号公報
しかし、この方法では入手性が悪く高価な窒素酸化物を用いたり、酸性物質など腐食性の強い酸性物質を用いるので工業化が困難である。
また、二酸化窒素を用いる場合には得られた生成物が黄色く変色することが問題であった。
一方、過酸化水素を用いる場合には、始に二酸化窒素を収着してから過酸化水素で酸化させる必要が有り結果的に入手性が悪い二酸化窒素を利用する必要がある上に反応時間が3時間以上必要であり、かつ工程を2工程にする必要があるという点で経済的に工業化が難しいという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの炭素−炭素結合分岐点を優先的に切断できると共に入手が容易で安価な物質で炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを処理できる炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、第一に、本発明は、圧力が5.0MPa以上で、温度が140℃より高く200℃よりも低いガス雰囲気中で、かつそのガス雰囲気中の酸素濃度を40g/L以上にして、そのガス雰囲気中に含まれる酸素を用いて炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体を酸化処理する炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法である。
第二に、本発明は、圧力が5.0MPa以上で、温度が140℃以下のガス雰囲気中で、かつそのガス雰囲気中の酸素濃度を4g/L以上にして、そのガス雰囲気中に含まれる酸素を用いて炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体を酸化する際に、上記ガス雰囲気中にアルデヒド又はアルコールからなる分解促進剤を加えて架橋ポリマーを処理することを特徴とする炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法である。
上記本発明において、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの炭素−炭素結合の分岐点を優先的に酸化反応させて、炭素−炭素間結合を切断してもよい。
上記本発明において、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの3級、4級炭素を優先的に酸化反応させてもよい。
上記発明において、前記架橋ポリマーが、パーオキサイド架橋、電子線架橋、シラン水架橋によって架橋したポリマーであってもよい。
上記発明において、反応時間が3時間以下であってもよい。
に、本発明は、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法により生成され、炭化水素の一部にカルボキシル基を有することを特徴とする生成物である。
本発明によれば、入手性が悪く高価な窒素酸化物を用いたり、あるいは腐食性の強い酸性物質を用いずに、酸化反応を用いて炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを機能化することが可能となる。また、安価で取り扱いやすい酸素を用いるので、容易に工業化が可能となるという優れた効果を発揮するものである。
本発明の実施例1で得られた生成物のFTIRスペクトルを示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を詳述する。
本発明は、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマー(架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体)を反応容器内に収容し、所定の温度圧力条件に保持して酸素と炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを反応させて炭素−炭素結合分岐点を優先的に酸化して炭素−炭素結合を切断することによって、成形条件で変色や発泡、ゲル化が起きず、かつ反応容器が腐食しにくく、入手が容易で安価な物質で、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを処理物とするものであり、例えば架橋ポリマーのような廃棄ポリマーを熱可塑化することにより、マテリアルリサイクルを実現することができるものである。
すなわち、本発明は、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマー(架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体)を反応容器に入れ、反応容器内において、酸素を含むガスを所定の温度圧力条件とすることで、酸素を炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーに浸透させるとともに反応させるものである。
反応においては、酸素に加えて不活性ガスを用いるのが好ましい。不活性ガスとしては二酸化炭素や窒素が考えられる。特に二酸化炭素はラジカルケージ効果によってラジカル反応を制御することが期待できるので反応温度をプロセスに合わせて最適化する際には有効であると予想される。
まず、反応容器(加圧容器)に炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを入れ、ここに酸素および液化二酸化炭素を一定量加えて密封し、所定の温度圧力条件まで加熱し反応させ、反応容器内のガスを排出したのち生成物を取出す。このとき、圧力は、はじめに加える酸素と二酸化炭素の量でコントロールすることができる。
このときの条件は、温度は140℃より高く200℃よりも低く、圧力は6MPa以上の条件が必要となる。温度が140℃以下の場合、酸化反応が進まず、200℃以上では反応が進み過ぎて主鎖や側鎖に関わらずランダムに分解反応が起きてしまい、炭素−炭素結合の分岐点や3級炭素を優先的に酸化することができない。
ただし、温度が140℃以下の場合でも、後述する分解促進剤を添加することにより、酸化反応を行うことが可能である。この場合、分解促進剤を用いたとしても、温度が100℃を超えないと酸化反応が遅いので、温度は100℃を超えることが好ましい。
また、圧力が5MPaより低い場合は酸化反応が遅い。圧力は、装置の設計など実用性を考えると40MPa以下が好ましい。
酸素は、過酸化水素や二酸化窒素に比べて反応速度が速い。よって反応時間は10分以上、3時間以下とするのが好ましい。酸素の反応速度が過酸化水素や二酸化窒素に比べて速いのは、酸素は極性が低く、極性の低い炭化水素化合物や架橋ポリマーの中に浸透しやすいためであると考えられる。
一方、本発明の反応工程の前に、炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーを反応容器に入れ、その反応容器内に、分解促進剤と二酸化炭素を加えて、反応容器内を二酸化炭素の超臨界圧以下に保持して架橋ポリマーに分解促進剤を収着(吸収・吸着)させる工程を行い、しかる後、酸素と二酸化炭素を本発明の所定の温度圧力条件に保持して酸素と架橋ポリマーを反応させて炭素−炭素結合分岐点(特に橋かけ構造を持つ場合にはその部分)を優先的に酸化して炭素−炭素結合を切断するようにしてもよい。このとき収着とは、分解促進剤が架橋ポリマーに溶解或いは含浸して架橋ポリマーに保持させることを言う。
本発明の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーは、連続した炭素−炭素結合をその化学構造の少なくとも一部に持つ物質であり、特に炭素−炭素結合分岐点が、パーオキサイド架橋、電子線架橋、シラン水架橋によって架橋結合した化学構造をもつポリオレフィンやエチレン共重合体、またはビチューメンやアスファルトなど天然の3次元的な架橋構造を持つポリマーなどが挙げられる。
連続した炭素−炭素結合を持つポリマーとは、ポリエチレンを代表とするポリマーで、炭素−炭素結合の分岐点とは、例えばポリエチレンの側鎖と主鎮の分岐点や、架橋結合の部分をいう。
一般に炭化水素の炭素−炭素結合の一方の炭素の置換度(すなわち1級、2級、3級、4級炭素)の違いのみによって、3級あるいは4級の炭素との結合から優先的に酸化開裂させることは困難である。
特に酸素による酸化反応は、酸化の度合いをコントロールすることは非常に困難であり、また一般的な空気中の酸素による酸化反応で知られるように酸化の際に変色を伴うとともに、わずかな条件の違いで燃焼にいたる。
しかし、本発明では、適切な温度圧力条件の下で、好ましくは不活性ガスの一例として挙げられる炭酸ガス中に酸素ラジカルを分散させることによって、酸素ラジカルの反応性を精密に調整することが可能となり、その結果として3級あるいは4級の炭素の結合から優先的に反応させて炭素−炭素結合を切断することができる。
これは、3級の炭素ラジカルが1級や2級の炭素ラジカルよりもわずかに安定であり、その結合エネルギーの差を利用するための反応性のコントロールが適切な温度圧力条件の下で、好ましくは不活性ガスの一例である二酸化炭素によって可能になることを発見し、利用しているために実現できたと考えられる。
このような反応は、特にパーオキサイド架橋や電子線架橋によって架橋され、架橋構造に炭素−炭素結合を持つ架橋ポリマーを熱可塑化するために利用可能であると考えられる。
架橋ポリマーは熱による分子運動の結果、架橋部には張力やひずみが生じ、架橋結合の炭素−炭素結合は枝分かれの炭素−炭素結合よりラジカルにより開裂されやすく、この結果、架橋部が優先的に切断されるのでポリマー主鎖の分解、すなわち劣化を最小限に抑えた炭素−炭素結合からなる骨格を有するポリマーの処理物を得ることができ、これらを再生ポリマーとしてリサイクルすることが可能になる。
また、本発明は、例えばビニルシランを用いてポリマーにアルコキシシランをグラフトし、その後水分の存在下でシラノール基の縮合反応によって架橋するような場合にも炭素−炭素結合の分岐点が生成するので、本発明が有効利用できると考えられる。
このような理由から、例えばビニルシランで架橋したものとパーオキサイド架橋がお互いに混ざった場合にも架橋を優先的に切ることが可能である。
不活性ガスを用いた場合、特に二酸化炭素の圧力を上げることにより、ラジカル分子の周辺に存在する二酸化炭素濃度も変化させることが可能になり、このために任意にラジカルの反応性をコントロールすることができる。
また、二酸化炭素は、臨界圧力7.38MPa、臨界温度31.1℃と、臨界点が低く、ラジカルによる化学反応が抑制できるような低温の条件(本発明の条件)でも超臨界流体として利用可能であるため、反応性が高い酸素を用いて選択的な分解反応を行う場合に有効である。
酸素による分解を促進させるための分解促進剤としては、アルデヒドやアルコールを挙げることができる。
また、本発明においては、酸素に加えて不活性ガスを用いることが好ましく、不活性ガスとしては二酸化炭素や窒素などを挙げることができる。
ここで、連続した炭素−炭素結合を持ったポリマーとは、例えばポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンや、塩素化ポリエチレン、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−オクテンゴムなどエチレン共重合体が挙げられる。
ここで、分解促進剤としてのアルデヒドやアルコールとは、例えばブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、ピバルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ホルムアルデヒド、メタノール、2−プロパノール、1−フェニルエタノールなどが挙げられる。
アルデヒドやアルコールは、酸素と反応してラジカルを発生し反応を促進するので最適な反応温度を下げることが期待でき、その結果処理に必要なエネルギーを低減できる可能性が考えられる。
また、反応容器内の酸素濃度は10g/L以上であることが好ましい。10g/L未満では反応が遅くなる可能性がある。好ましくは40g/L以上である。
また、分解促進剤を添加した際の酸素濃度は、4g/L以上であることが好ましい。4g/L未満では反応が遅くなる可能性がある。
本発明の炭素−炭素結合からなる骨格を有するポリマーの処理方法により得られた生成物は、炭化水素の一部にカルボキシル基を有する。これは、酸化反応により、炭化水素がカルボキシル基まで酸化が進んだことによる。このようなカルボキシル基を有する生成物は、接着性を有するため、接着性ポリマーなどの高機能材料として再利用することが可能である。
以下、本発明の実施例と比較例を説明する。
実施例1;
ゲル分率85%の板状のパーオキサイド架橋PE試料0.50g(2mm×5mm×1mm)にパーオキサイド架橋ポリエチレンを作製した。このペレットを、50mlのステンレス製オートクレーブ(反応容器)に充填したのちに、オートクレーブ内の空気を二酸化炭素で置換し、その後、酸素と炭酸ガスを加えて表1に示す反応温度、圧力、時間でパーオキサイド架橋ポリエチレンと反応させた。反応後に反応容器を冷却し、ポリマーを回収して分子量分布、架橋度の指標となるゲル分率を測定した。
これらの測定条件は、次の通りである。
分子量分布は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、高温GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定した。その結果、回収した生成物の数平均分子量が低下しても300,000以上の高分子量成分が残っているものを○、高分子量成分が残らなかったものを×とした。また、ゲルが30%以上残ったものに関してはo−ジクロロベンゼンに溶けないので測定できなかったので−とした。
ゲル分率は、JIS C3005に準拠し、反応後の試料を110℃のキシレンに24時間浸潰し、残ったサンプルを真空乾燥し、初期重量との比から求めた。
ゲル分率としては、30%以下を○、30%を超えて35%未満を△、35%以上を×とした。
この実施例1で得られた生成物のフーリエ変換型赤外分光器によるFTIRスペクトルを図1に示した。
実施例2;
実施例2は実施例1において加える二酸化炭素の量を増加させることにより、圧力を10MPaとした例である。
実施例3;
実施例3は実施例2に対して温度を170℃に上げることにより反応時間を短縮した例である。
実施例4,5;
実施例4,5は実施例1において二酸化炭素を用いずに反応させた例である。
実施例6;
実施例6は実施例3において、不活性ガスとして二酸化炭素のかわりに窒素を用いた、すなわち圧縮空気を用いた例である。
比較例1;
比較例1は実施例2に対して温度を140℃に下げた場合の例である。
比較例2;
比較例2は実施例3に対して温度を140℃に下げた場合の例である。
比較例3;
比較例3は温度を200℃に上げた場合の例である。
比較例4;
比較例4は、実施例1に対して二酸化炭素を用いない場合の例である。このとき、高圧容器への酸素の充填量は圧力は4MPaに到達するまでの3.0gとした。
比較例5;
比較例5は、実施例1に対して二酸化炭素の代わりに窒素を使用した、すなわち圧縮空気を用いた場合の例であり、このとき、圧力は10MPa、温度は170℃とした。
以上の実施例1〜6と比較例1〜5の実験結果を表1に示す。
Figure 0005586239
表1より、実施例1は、酸素(2.8g/50ml、56g/L)を用いて架橋ポリエチレンの架橋を切断し変性したものであり、分子量は高いままに保ちながら架橋を切断できることが分かった。また、酸素と二酸化炭素のみを利用し、NO2など入手性の悪い物質を必要とせず、反応時間も1時間でゲル分率を30%以下に下げることができた。
また、図1の生成物のFTIRスペクトルより、2800〜2900cm-1にC−H吸収帯があることが観察され、またカルボキシル基の吸収帯である1705cm-1に吸収ピークが観察され、架橋を切断すると同時にカルボキシル基が生成していることが分かる。
得られた生成物は、ポリオレフィンとブレンドすることによって、ポリオレフィンの塗装性や接着性を改善するために、すなわち接着性ポリマーとして利用できると期待される。
実施例1に対し、比較例1、2では、温度条件が140℃以下であり、架橋を切断することができなかった。
実施例2では圧力を上げる(10MPa)ことによってさらにゲル分率を下げて架橋を完全に切断できることが分かった。
一方、比較例4では圧力が4MPaと低いため、架橋を切断できなかった。
次に実施例3では、温度を170℃に上げた結果、より短時間でゲル分率を30%以下に下げることができた。一方、比較例3は、温度を200℃まであげたため、分子量が低下してしまう問題があることが分かった。また、生成物も黄色く変色していた。
実施例4、5のように酸素のみでも反応させることが可能である。また、実施例6のように、圧縮空気を用いることができる。
また比較例4は、実施例1に対して二酸化炭素を用いないで酸素(3g/50ml、60g/L)のみとした例であるが、圧力が4MPaと低く、反応が十分進まないことがわかった。
なお、実施例には記載はないが、実施例6及び比較例4の結果から、圧力5MPaにおいて、実用上問題の無い範囲であるゲル分率35%未満を達成することは容易に類推できる。
また、比較例5では、実施例6と同様に圧縮空気を用い、酸素を1.2g/50ml(24g/L)にし、圧力を10MPaとした例であるが、酸素濃度が低いために反応が十分に進まないことが分かった。
以上より、反応容器内の雰囲気ガスの圧力は5.0MPa以上、温度は140℃より高く、200℃よりも低いのがよいことがわかった。
次に分解促進剤を加えた実施例7〜12と比較例6を説明する。
実施例7;
実施例7は実施例1の反応をより低温条件にして処理に必要なエネルギーを低下させ、かつ必要な酸素量を低減させる代わりに、ブチルアルデヒドを分解促進剤として加えた例である。
実施例8;
実施例8は実施例7におけるブチルアルデヒドにかわりベンズアルデヒドを加え、140℃で酸化した例である。
実施例9;
実施例9は反応をより低温条件(100℃)にして処理した例である。
実施例10;
実施例10は実施例7におけるブチルアルデヒドにかわりアセトアルデヒドを加えた例である。
実施例11;
実施例11は実施例7におけるパーオキサイド架橋ポリエチレンにかわりシラン架橋ポリエチレンを用いた例である。
実施例12;
実施例12は実施例7における二酸化炭素にかわり窒素を用いた、すなわち圧縮空気を用いた例である。
比較例6;
比較例6は実施例7に対してブチルアルデヒドのかわりに蟻酸を添加剤として用いた場合の例である。
この実施例7〜12と比較例6の実験結果を表2に示す。
Figure 0005586239
表2より、実施例7〜12では、酸素濃度が0.2g/50ml(4g/L)と低くても、添加剤として、アルデヒド系の分解促進剤を加えることで分解反応ができることがわかった。また圧力は5.0MPa以上でよいことがわかった。さらに、実施例11のようにパーオキサイド架橋ポリエチレン以外にシラン架橋ポリエチレンも適用できることが分かった。
これに対して、比較例6は、アルデヒドの替わりに酸(蟻酸)を加えたが反応温度低減の効果は確認できなかった。
これらの結果を、分解促進剤を用いていない比較例1と比べると分解促進剤が有効であることが分かった。
これは、分解促進剤としてのアルデヒドは、酸素と反応してラジカルが生成しやすいためと考えられる。
また表には示していないが、アルデヒドを加えて、低い酸素濃度(0.1g/50ml、2g/L)による架橋の分解を試みたが架橋の分解反応が十分に進まなかったが、酸素濃度が、0.2g/50ml(4g/L)以上となると反応を進めることが可能であり、よって、分解促進剤を添加した際の酸素濃度は、4g/L以上であることが好ましい。
以上より、二酸化炭素など不活性ガスと酸素の組み合わせによる酸化反応の利用が有効であり、特に架橋の選択的な分解に使用しやすいことがわかった。

Claims (7)

  1. 圧力が5.0MPa以上で、温度が140℃より高く200℃よりも低いガス雰囲気中で、かつそのガス雰囲気中の酸素濃度を40g/L以上にして、そのガス雰囲気中に含まれる酸素を用いて炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体を酸化処理することを特徴とする炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  2. 圧力が5.0MPa以上で、温度が140℃以下のガス雰囲気中で、かつそのガス雰囲気中の酸素濃度を4g/L以上にして、そのガス雰囲気中に含まれる酸素を用いて炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体を酸化する際に、上記ガス雰囲気中にアルデヒド又はアルコールからなる分解促進剤を加えて架橋ポリマーを処理することを特徴とする炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  3. 炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体の炭素−炭素結合の分岐点を優先的に酸化反応させて、炭素−炭素間結合を切断する請求項1又は2に記載の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  4. 炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体の3級、4級炭素を優先的に酸化反応させる請求項1又は2に記載の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  5. 前記架橋ポリオレフィン又は架橋エチレン共重合体が、パーオキサイド架橋、電子線架橋、シラン水架橋によって架橋した架橋ポリマーである請求項に記載の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  6. 反応時間が3時間以下である請求項1〜いずれかに記載の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法により生成され、炭化水素の一部にカルボキシル基を有することを特徴とする生成物。
JP2010002962A 2010-01-08 2010-01-08 炭素−炭素結合からなる骨格を有する架橋ポリマーの処理方法及び該処理方法により得られた生成物 Expired - Fee Related JP5586239B2 (ja)

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