JP5879692B2 - インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、及び記録物 - Google Patents
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Description
しかし、染料インクは普通紙等の紙上でにじみ易く、逆に顔料インクは紙上で広がりにくいという問題があり、ブラックインクとカラーインクとの境界におけるにじみ(カラーブリード)の発生が課題となっている。カラーブリードの解決方法としては、ブラックインクとカラーインクの浸透性の差を小さく調整することで、画像上でブラックインクとカラーインクが相手の領域に浸透しにくくする方法があるが、染料を用いたカラーインクの浸透性が強いため、顔料を用いたブラックインクの浸透性を高めることで対応している。
例えば、堅牢性の改良されたインクジェットカラー画像の形成方法において、特定構造の染料を用いたカラーインクと、樹脂を分散剤として用いたカーボンブラックのインクセットを用いることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、樹脂を単に分散剤として用いた場合、ブラックの画像濃度が不十分であり、保存安定性が悪いという問題がある。
また、黒色濃度と定着性を向上させるため、顔料系ブラックインクとカラー染料系カラーインクとの各滴を被記録材料上で交わるように着弾させて黒色画像を形成する工程を含む画像形成方法が提案されている(特許文献2参照)。即ち、この特許文献2は、pH4以下のカラー染料と、樹脂で分散したカーボンブラックを用いるインクセットに関するものであり、カラーインクとブラックインクにpHの差を持たせ、反応させることでカラーブリードを抑制するとしているが、ブラックの画像濃度が不十分であり、保存安定性が悪いという問題がある。
例えば、カラーブリードが少なく色再現性の良好なインクセットとして、カラー染料を成分とするカラーインクと、黒顔料(表面に親水基を付与したカーボンブラック)を成分とする黒インク用いたインクセットが提案されている(特許文献3参照)。しかし、この場合には、ブラックの画像濃度が不十分であるという問題がある。
更に、インク粘度を高くすることで浸透性を抑えるという方法もあるが、インクジェットでインクを安定に吐出するための粘度にも上限があるため、充分な効果は得られていないのが現状である。
<1> 少なくともブラックインクと、シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクとを有するインクジェット記録用インクセットにおいて、
前記ブラックインクが、少なくともビニル系ポリマー又はポリエステル系ポリマーで被覆されたカーボンブラックを水に分散した着色ポリマーエマルジョン粒子と、水溶性溶剤、界面活性剤及び水を含有し、
前記シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクが、少なくとも該各カラーインクに対応するカラー染料と、水溶性溶剤及び水を含有し、
前記各カラーインク中の前記水溶性溶剤の含有量Sが該各カラーインクの総量に対して40質量%以上であり、前記水溶性溶剤の含有量Sと、前記各カラーインク中の前記水の含有量Wとの比(S/W)が0.7以上1.6以下であり、かつ前記各カラーインクがクリーブランド開放法(JIS−K2265)による測定において引火点を持たないことを特徴とするインクジェット記録用インクセットである。
<2> シアン、マゼンタ、及びイエローの各インクの25℃における粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下、25℃における静的表面張力が35mN/m以上45mN/m以下であり、
ブラックインクの25℃における粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下、25℃における静的表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である前記<1>に記載のインクジェット記録用インクセットである。
<3> イエローインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される化合物からなる前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットである。
<4> マゼンタインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(3)で示される化合物からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットである。
<5> シアンインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(4)で示される化合物からなる前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットの各インクに刺激を印加し、該各インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<7> 記録媒体上に、前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットの各インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物である。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、少なくともブラックインクと、シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクとを有するインクジェット記録用インクセットにおいて、
前記ブラックインクが、少なくともビニル系ポリマー又はポリエステル系ポリマーで被覆されたカーボンブラックを水に分散した着色ポリマーエマルジョン粒子と、水溶性溶剤、界面活性剤及び水を含有し、
前記シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクが、少なくとも該各カラーインクに対応するカラー染料と、水溶性溶剤及び水を含有し、
前記各カラーインク中の前記水溶性溶剤の含有量Sが該各カラーインクの総量に対して40質量%以上であり、前記水溶性溶剤の含有量Sと、前記各カラーインク中の前記水の含有量Wとの比(S/W)が0.7以上1.6以下であり、かつ前記各カラーインクがクリーブランド開放法(JIS−K2265)による測定において引火点を持たないことを特徴とする。
なお、前記「水溶性溶剤」は後述のように、「湿潤剤」と表現することがある。
また、インクジェット記録用インクセットに用いるカラーインク(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)に添加する水溶性溶剤(湿潤剤)は、後述の具体例に示すように沸点が高く揮発性の低いものを用いることで、本願のような溶剤の含有率でもインク自体が引火点(JIS−K2265:クリーブランド開放式引火点試験法)を持たず、乾燥しにくいためにインクジェットノズルからの吐出乱れが発生しにくい。
更に、カラーインクには染料自身の有する良好な浸透性に加えて、水溶性溶剤(含有量S)を水(含有量W)に対して同等な量、即ち比率(S/W)が0.7以上1.6以下(0.7≦S/W≦1.6)とすることで浸透性を付与しているため、前記ブラックインクとカラーインク間で浸透性のバランスをとることができる。
その結果、表面張力が高いカラーインクに対して、表面張力の低いブラックインクが浸透していかないことにより、カラーブリードの問題が解消される。
各カラーインク及びブラックインクの粘度が上記範囲よりも低い場合には、流動し易いことによりカラーブリードが悪化し、上記範囲よりも高い場合には、インクジェットノズルからの吐出安定性が悪くなるため、ミストの発生及び着弾位置のズレなどが発生し、画像品質が悪くなる。
また、各カラーインク及びブラックインクの静的表面張力が上記範囲よりも低い場合には、ブラックインクがカラーインク側に侵入し易くなるためカラーブリードが悪くなり、上記範囲よりも高い場合には、逆にカラーインクがブラックインク側に侵入し易くなるためカラーブリードは悪くなる。
〔染料〕
前記インクジェット記録用インクセットに用いるシアン、マゼンタ、イエローの各インクには各インクに対応するカラー染料(略、染料)が含有される。
本発明で用いる染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料のような水溶性染料が好ましい。
具体的には、以下のようなものであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Tは、炭素数1〜3のアルカノールアミノ基、又は水酸基を表し、前記炭素数1〜3のアルカノールアミノ基としては、例えばメタノールアミノ基、エタノールアミノ基、ブタノールアミノ基などが挙げられる。
Dは、−COOM、又は−SO3M(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又は炭素数1〜3のアルカノールアミンを示す)を表す。
前記アルカリ金属としては、例えばLi、Na、Kなどが挙げられる。
前記第4級アンモニウムとしては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記第4級ホスホニウムとしては、例えばホスホニウム、テトラメチルホスホニウムなどが挙げられる。
mは、0、1、2又は3である。
Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又は炭素数1〜3のアルカノールアミンを表す。
前記アルカリ金属としては、例えばLi、Na、Kなどが挙げられる。
前記第4級アンモニウムとしては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記第4級ホスホニウムとしては、例えばホスホニウム、テトラメチルホスホニウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属としては、例えばLi、Na、Kなどが挙げられる。
前記第4級アンモニウムとしては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記第4級ホスホニウムとしては、例えばホスホニウム、テトラメチルホスホニウムなどが挙げられる。
前記アルカノールアミンとしては、炭素数1〜3のアルカノールアミンが好ましい。
mは0、1、2又は3、nは1、2、3又は4である。
本発明のインクジェット記録用インクセットに用いるブラックインクには、ビニル系ポリマー又はポリエステル系ポリマーで被覆されたカーボンブラック(ポリマー被覆顔料粒子)を水に分散した着色ポリマーエマルジョン粒子が含有される。つまり、本発明で用いられるブラックインクの色材としてカーボンブラックを用いる。
本発明で用いられる顔料としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。
前記着色ポリマーエマルジョン粒子は、ポリマーで被覆されたカーボンブラック、所謂ポリマー微粒子中にカーボンブラックが封入された粒子が水に分散したものであり、この場合、全ての顔料が封入乃至吸着している必要はなく、分散安定性を損なわない範囲で顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
前記ポリマー被覆顔料粒子を形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、特開2000−53897号公報及び特開2001−139849号公報に開示されているポリマー等が挙げられる。これらの中でも、本発明においてはポリエステル系ポリマー又はビニル系ポリマーが特に好ましい。
以下、ポリエステル系ポリマー又はビニル系ポリマーについて具体的に説明する。
前記ポリエステル系ポリマーは、多価カルボン酸類と多価アルコール類を出発原料に用いて縮合反応により得られた重合物からなる。
前記多価カルボン酸類としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、その他、芳香族オキシカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、ラクトン系ポリエステルポリオール類等の脂肪族多価アルコール類、その他、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等が挙げられる。
前記ビニル系ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができのではなく、例えば、以下に挙げる重合性モノマーを出発原料に用いて重合反応により得られた重合物が挙げられる。
前記重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル系芳香族炭化水素、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等等の(メタ)アクリル酸エステル系、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、(メタ)アクリルアミド、N−置換マレイミド、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、ビニルケトン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン等を、単独で、あるいは、2種類以上を組み合わせて重合させた樹脂などが挙げられる。
前述のように、ブラックインクにはビニル系ポリマー又はポリエステル系ポリマーで被覆されたカーボンブラック(ポリマー被覆顔料粒子)を水に分散した着色ポリマーエマルジョン粒子が含有されるが、このような着色ポリマーエマルジョン粒子は、顔料粒子の周りを親水性のポリマーで被覆するマイクロカプセル化、又はエマルジョン化等の処理を施すことによりポリマー被覆顔料粒子を水系媒体中に分散する方法を用いることにより得ることが可能である。
(1)酸析法:アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性又は酸性にし、有機化合物類を析出させて色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法
(2)転相乳化法:水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するか、もしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法
(3)界面重合法:2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法
(4)in−situ重合法:液体又は気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法
(5)液中硬化被膜法:芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法
(6)コアセルベーション:相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法
(7)液中乾燥法:芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法
(8)融解分散冷却法:加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法
(9)気中懸濁被覆法:粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法
(10)スプレードライング法:カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法
これらの方法の中でも、特にインクジェットに用いられるのは転相乳化法、酸析法及び界面重合法である。
前記インク中のカーボン濃度は、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がより好ましく、3質量%以上10質量%以下が更に好ましい。前記カーボン濃度が、1質量%未満であると、着色力が不十分であるため画像濃度が劣る傾向があり、15質量%を超えると、インクの保存安定性が低下する傾向がある。
本発明のインクジェット記録用インクセットに用いるブラックインク、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)には、液媒体として水が使用されるが、水と共に水溶性溶剤も使用される。即ち、水溶性溶剤はインクの乾燥を防止するための湿潤剤としての役割を担うものであり、下記の水溶性溶剤が使用される。これら水溶性溶剤は複数混合して使用してもよい。
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;あるいは、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[例えば、糖アルコール〔一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここでn=2〜5の整数を表す。)で表される。〕]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
前記水溶性溶剤(湿潤剤)のインク中における配合量は、30質量%〜60質量%が好ましく、この範囲内で乾燥性、保存性、及び信頼性が非常に良好である。
本発明のインクジェット記録用インクセットに用いるブラックインク、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)には、浸透剤を添加することができる。即ち、浸透剤をインクに添加することで、表面張力が低下し、紙等の記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、フェザリング及びカラーブリードを軽減することができる。
前記浸透剤としては、界面活性剤又は水溶性溶剤を用いることができる。本発明における適正な表面張力の範囲としては、25℃で25mN/m以上45mN/m以下が好ましい。
前記水溶性溶剤としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の炭素数8〜11のポリオールを用いることで効果を得ることができる。
前記界面活性剤としては、親水基によりノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤に大別され、疎水基によりシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が有用に用いられる。
これらの中でも、フッ素系界面活性剤は、表面張力を大きく低下させることや、熱に対する安定性が高いことから本発明には有用である。これらの界面活性剤は2種類以上を混合して用いてもよい。
前記フッ素系化合物の市販品としては、例えば、サーフロンS−111,S−112,S−113,S121,S131,S132,S−141,S−145(いずれも、旭硝子社製)、フルラードFC−93,FC−95,FC−98,FC−129,FC−135,FC−170C,FC−430,FC−431,FC−4430(いずれも、住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F−1405、F474(いずれも、大日本インキ化学工業社製)、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれも、デュポン社製)、エフトップEF−351、352、801、802(いずれも、ジェムコ社製)などが挙げられる。
また、pH11以上ではインクジェットのヘッド及びインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質、漏洩、吐出不良等の問題が発生してしまう。
前記アルコールアミン類として、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
ここで、コゲーションとは、ヒーターに電流を流してインクを瞬間的に加熱し、インクが発泡する力を利用してインクを吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、インクが熱せられる際にインク成分に変質が起こり、ヒーターに変質物が付着する現象を言う。コゲーションが生じると、ヒーターによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、最悪の場合インクが吐出しないことが生じてしまう。そのため、コゲーションを防止すべく本発明で用いることができるインクにはコゲーション防止剤を添加することができる。
前記コゲーション防止剤としては、例えば、ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、又はこれらの塩、あるいは、アミノ基を有する酸及び/又はその塩、あるいは、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩などが挙げられる。
また、特にフッ素系シランカップリング剤を含む撥インク層、又はシリコーン樹脂を含む撥インク層を有するインクジェットヘッドを備えた記録装置に対してもヘッド固着を生じないという優れた特性を有する。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明で用いるインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット記録用インクセットの各インクに、刺激を印加し、該各インクを飛翔させて画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット記録用インクセットの各インクに、刺激を印加し、該各インクを飛翔させて画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種ノズル、などが挙げられる。
図1は、インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。図2は、インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。
図1に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キー、表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。なお、図1中、111は上カバー、112は前カバーの前面である。
本発明のインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明の記録物である。本発明の記録物は、記録媒体上に本発明の前記インクジェット記録用インクセットの各インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
まず、以下に示す処方により着色ポリマーエマルジョン粒子(カーボンブラック分散体A、カーボンブラック分散体B)を得た。
<カーボンブラック分散体A>
(1)ポリマーaの合成
−ポリマーaの原料−
・デカン酸エポキシエステル(ジャパンエポキシレジン株式会社製、カージュラE−10P)・・・10.0質量部
・アジピン酸・・・27.0質量部
・ヘキサヒドロ無水フタル酸・・・42.0質量部
・ネオペンチルグリコール・・・2.0質量部
・トリメチロールプロパン・・・26.0質量部
・ジブチル錫ジオキサイド・・・0.1質量部
上記原料を、脱水管、温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌装置を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに入れ、脱水しながら3時間かけて180℃まで昇温させて脱水縮合反応を行い、ポリマーa(ポリエステル樹脂)を得た。
−分散体材料−
・顔料(FW100、カーボンブラック、デグサ社製)・・・12.0質量部
・ポリマーa・・・15.0質量部
・2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール・・・1.0質量部
・イオン交換水・・・72.0質量部
次いで、塩基性化合物として、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを0.5部加え、再び上記混練装置で混練を行った後、ミルベースを取り出し、平均孔径1μmのフィルターで濾過して、顔料濃度15質量%のカーボンブラック分散体A(略:カーボン分散体A)を得た。
(1)ポリマーbの合成
−ポリマーbの原料1−
・スチレン・・・11.2質量部
・アクリル酸・・・2.8質量部
・ラウリルメタクリレート・・・12.0質量部
・ポリエチレングリコールメタクリレート・・・4.0質量部
・スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、AS−6)・・・4.0質量部
・メルカプトエタノール・・・0.4質量部
・スチレン・・・100.8質量部
・アクリル酸・・・25.2質量部
・ラウリルメタクリレート・・・108.0質量部
・ポリエチレングリコールメタクリレート・・・36.0質量部
・ヒドロキシエチルメタクリレート・・・60.0質量部
・スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、AS−6)・・・36.0質量部
・メルカプトエタノール・・・3.6質量部
・アゾビスジメチルバレロニトリル・・・2.4質量部
・メチルエチルケトン・・・18.0質量部
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8質量部と、メチルエチルケトン18.0質量部の混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8質量部を添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364.0質量部を添加し、濃度が50質量%のポリマーb(ビニル樹脂)溶液800質量部を得た。
<ブラックインク1−Kの作製>
・カーボン分散体A・・・20.0質量部
・ディスパノールTOC(ポリオキシエチレンアルキレン誘導体、固形分100質量%、日本油脂株式会社製)・・・0.5質量部
・水酸化リチウム・・・0.2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・グリセリン・・・7.0質量部
・1,3−ブタンジオール・・・21.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・1.0質量部
・イオン交換水・・・50.2質量部
上記処方により各組成分材料をイオン交換水に溶解し、平均孔径1μmのフィルターでろ過して、インクジェット記録用ブラックインク1−Kを得た。
・下記構造式(5)で示される染料・・・2.5質量部
・水酸化リチウム・・・0.2質量部
・プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)・・・0.1質量部
・グリセリン・・・10.0質量部
・1,3−ブタンジオール・・・30.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・1.0質量部
・イオン交換水・・・56.2質量部
前記シアンインク1−Cの前記構造式(5)で示される染料を、下記構造式(6)で示される染料に変えた以外は、シアンインク1−Cと同様の材料と方法を用い、インクジェット記録用マゼンタインク1−Mを得た。水溶性溶剤のインク全体に占める割合は41.0質量%であり、水溶性溶剤の含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)=0.73であった。
前記シアンインク1−Cの前記構造式(5)で示される染料を、下記構造式(7)で示される染料に変えた以外は、シアンインク1−Cと同様の材料と方法を用い、インクジェット記録用イエローインク1−Yを得た。水溶性溶剤のインク全体に占める割合は41.0質量%であり、水溶性溶剤の含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)=0.73であった。
実施例1で作製した各インク(1−K、1−C、1−M、1−Y)について、引火点を測定した結果を表2に掲載した。測定方法は、クリーブランド開放式引火点試験法を用い、JIS−K2265に記載される方法に従い実施した。
実施例1で作製した各インク(1−K、1−C、1−M、1−Y)について、25℃における粘度を測定した結果を表2に掲載した。粘度の測定は、東機産業社製RC−500を用いた。
実施例1で作製した各インク(1−K、1−C、1−M、1−Y)について、25℃における表面張力を測定した結果を表2に掲載した。表面張力の測定は協和界面科学社製CBVP−Z型を用いた。
実施例1で作製したインクセット(1−K、1−C、1−M、1−Y)を前述した図1及び図2に示す構造のプリンタ(IPSiO G707、株式会社リコー製)に充填してセットし、以下の方法で吐出安定性の評価を行った。
上記ノズルプレートをセットしたプリンタを用いて10分間連続印字を行い、ヘッド面にインクが付着した状態で保湿キャップをしてプリンタを50℃で60%RH環境下にて1ヶ月間放置した後、クリーニングを実施して放置前と同等に復帰させた。この後、以下の条件で間欠印写試験を行い、吐出安定性を評価した。
即ち、4色すべてのインクが使用され、各1色のインクが占める面積が5%であるパターンチャートを20枚連続で印字後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1,000枚印写後、もう1枚、4色全てのインクが使用され、各1色のインクが占める面積が5%であるパターンのチャートを印写してベタ部の筋,白抜け,噴射乱れの有無を目視にて以下の基準で評価した。なお、印刷パターンは、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。評価基準を以下に示す。なお、ランクAA、Aが許容範囲である。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
AA:ベタ部にスジ,白抜け,噴射乱れが無く、濃度ムラも認められない
A:ベタ部にスジ,白抜け,噴射乱れが無い
B:ベタ部にスジ,白抜け,噴射乱れが若干認められる
C:ベタ部全域にわたってスジ,白抜け,噴射乱れが認められる
実施例1で作製したインクセット(1−K、1−C、1−M、1−Y)を充填した上記プリンタを用いマゼンタ、シアン、イエロー及び、マゼンタとイエローを記録媒体上で混色させて形成する赤、シアンとイエローを記録媒体上で混色させて形成する緑のカラーベタ画像部中にブラックインクの文字を印字する印刷パターンを用い、試験用紙としてマイペーパー(株式会社リコー製)を用いて印字を行った。印字条件は100%duty、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。カラーインク及びカラーインクを記録媒体上で混色させて形成した赤、緑のベタ画像部とブラックインクの文字間のカラーブリード(にじみ)を目視にて、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。なお、本発明においては、AA、Aが許容範囲である。
〔評価基準〕
AA:カラーブリードの発生がなく、黒文字の輪郭が明瞭である。
A:カラーブリードの発生がなく、黒文字が鮮明に認識できる。
B:カラーブリードが若干発生し、黒文字が少しにじむ。
C:カラーブリードが発生し、黒文字の認識が困難である。
実施例2〜4における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比率(S/W)を下記表1に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の各インクを作製した。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製した実施例2〜4の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
<カーボンブラック分散体C>
・顔料(FW100、カーボンブラック、デグサ社製)・・・15.0質量部
・ジョンクリル819(スチレン−アクリル系高分子分散剤、BASF・ジャパン社製)・・・5.0質量部
・イオン交換水・・・80.0質量部
実施例2のブラックインク2−Kのカーボン分散体Aを、上記の方法で高分子分散剤を用いて、顔料を分散して得たカーボンブラック分散体Cに変更した以外は、実施例2と同様にして、ブラックインク5−Kを作製した。比較例1における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製したブラックインク5−Kと、実施例2と同様のカラーインク(2−C、2−M、2−Y)を用いて、比較例1の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
<カーボンブラック分散体D>
顔料(FW100、カーボンブラック、デグサ社製)300gを水1,000gによく混合した後、次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12モル%)450gを滴下して、100℃〜105℃で8時間撹拌した。
次いで、この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12モル%)100gを加え、直系0.5mmジルコニアビーズを充填したダイノーミル KDL A型(WAB社製)用いて、2,000rpmで2時間分散した。
次いで、得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムでpHを調整した後、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜で脱塩濃縮した。
更に、遠心処理により粗大粒子を除き、平均孔径1μmのフィルターで濾過して、顔料濃度15質量%のカーボンブラック分散体D(略:カーボン分散体D)を得た。
実施例2のブラックインク2−Kを、上記の方法で表面親水化処理を実施して得たカーボンブラック分散体Dに変更した以外は、実施例2と同様にして、ブラックインク6−Kを作製した。
比較例2における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製したブラックインク6−Kと、実施例2と同様のカラーインク(2−C、2−M、2−Y)を用いて、比較例2の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
実施例2におけるブラックインク2−Kのカーボン分散体A(20.0質量部)の配合を下記表1に示した染料[下記構造式(8)で示される化合物]5.0質量部に変更し、イオン交換水を40.7質量部から55.7質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ブラックインク7−Kを作製した。
比較例3における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
実施例1におけるブラックインク1−Kの組成から界面活性剤ディスパノールTOCを抜き、イオン交換水を50.7質量部に増やしてブラックインク8−Kを作製した。
比較例4における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製したブラックインク8−Kと、実施例1と同様のカラーインク(1−C、1−M、1−Y)を用いて、比較例4の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
実施例1における1−C、1−M、及び1−Yインクの組成を下記表1に示す組成に変更して水溶性溶剤量を37.0質量%に削減し、イオン交換水を下記表1に示す量まで増量して、8−C、8−M、及び8−Yの各インクを作製した。
比較例5における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比率(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製した8−C、8−M、及び8−Yの各インクと、実施例1と同様のブラックインク1−Kを用いて、比較例5の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
実施例3における3−C、3−M、及び3−Yの各インクの組成を下記表1に示す組成に変更して水溶性溶剤量を63.5質量%に増量し、イオン交換水を下記表1に示す量まで削減することで9−C、9−M、及び9−Yの各インクを作製した。比較例6における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製した9−C、9−M、9−Yの各インクと、実施例3と同様のブラックインク3−Kを用いて、比較例6の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
実施例4において、4−C、4−M、及び4−Yの各インクに用いた水溶性溶剤の1,3−ブタンジオールをエチレングリコールモノブチルエーテルに変更した以外は、実施例4と同様にして、10−C、10−M、及び10−Yの各インクを作製した。比較例7における主要なインク組成分、カラーインクについては水溶性溶剤量S、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を下記表1に示す。なお、表1における略号は後述の通りである。
作製した10−C、10−M、及び10−Yの各インクと、実施例4と同様のブラックインク4−Kを用いて、比較例7の各インクについて、実施例1と同様にして評価(引火点の測定、粘度の測定、表面張力の測定、吐出安定性の測定、カラーブリード)を行った。結果を表2に示す。更に、実施例1と同様にしてカラーインクとブラックインク間のカラーブリード(にじみ)を目視にて評価した。結果を表3に示す。
また、表1における略号は以下の通りである。
GLY:グリセリン
MBD:3−メチル−1,3−ブタンジオール
13BD:1,3−ブタンジオール
2P:2−ピロリドン
EGMBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
224TM13PD:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール
2E13HD:2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
TOC:ディスパノールTOC(ポリオキシエチレンアルキレン誘導体、固形分100質量%、日本油脂株式会社製)
FS−300:ゾニールFS−300(ポリオキシアルキレン(C2〜C3)−2−パーフルオロアルキル(C4〜C16)エチルエーテル、固形分40質量%、デュポン社製)
LiOH:水酸化リチウム
TEA:トリエタノールアミン
AEPD:2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール
LV:プロキセルLV(アベシア社製、防腐防黴剤)
表1中に記載の界面活性剤の〔化17〕は下記化学式を示す。
[C4F9-CH2CH(OH)CH2O-(CH2CH2O)23-CH2CH(OH)CH2-C4F9]
表1中に記載の色材の構造(〔化5〕、〔化6〕、〔化7〕)は、それぞれ、本文中に記載した構造式(5)、(6)、及び(7)に該当する。
また、表1中に記載の色材の構造(〔化1−1〕、〔化2−1〕、〔化3−1〕、〔化3−2〕、〔化4−1〕、〔化4−2〕)は、それぞれ、下記構造式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(3−2)、(4−1)、及び(4−2)に該当する。
これに対し、比較例1(ブラックインクのカーボン分散体において樹脂を単に分散剤として用いたもの)、比較例2(ブラックインクのカーボン分散体において次亜塩素酸ソーダを添加したもの)、比較例3(ブラックインクの色材に染料を用いたもの)、比較例4(ブラックインクのカーボン分散体において界面活性剤を添加しないもの)、比較例5(各カラーインクの水溶性溶剤含有量Sを37%、水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を0.62又は0.61としたもの)、比較例6(各カラーインクの水溶性溶剤含有量Sと水の含有量Wとの比(S/W)を1.91又は1.86とし、印加点を95℃としたもの)、及び比較例7(各カラーインクの印加点を90℃又は92℃としたもの)は、いずれもブリードが発生し許容範囲外であった。また、比較例1のブラックインク(5−K)と、比較例6のブラックインク(3−K)及びカラーインクの吐出安定性は劣り、ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが認められた。
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
Claims (6)
- 少なくともブラックインクと、シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクとを有するインクジェット記録用インクセットにおいて、
前記ブラックインクが、少なくともビニル系ポリマー又はポリエステル系ポリマーで被覆されたカーボンブラックを水に分散した着色ポリマーエマルジョン粒子と、水溶性溶剤、界面活性剤及び水を含有し、
前記シアン、マゼンタ、及びイエローの各カラーインクが、少なくとも該各カラーインクに対応するカラー染料と、水溶性溶剤及び水を含有し、
前記シアン、マゼンタ、及びイエローの各インクの25℃における粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下、25℃における静的表面張力が35mN/m以上45mN/m以下であり、
前記ブラックインクの25℃における粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下、25℃における静的表面張力が20mN/m以上30mN/m以下であり、
前記各カラーインク中の前記水溶性溶剤の含有量Sが該各カラーインクの総量に対して40質量%以上であり、前記水溶性溶剤の含有量Sと、前記各カラーインク中の前記水の含有量Wとの比(S/W)が0.7以上1.6以下であり、かつ前記各カラーインクがクリーブランド開放法(JIS−K2265)による測定において引火点を持たないことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。 - イエローインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される化合物からなる請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
ただし、前記一般式(1)及び式(2)中、Aは、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、及び炭素数1〜2のアルコキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Tは、炭素数1〜3のアルカノールアミノ基又は水酸基を表す。Dは、−COOM又は−SO 3 M(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又は炭素数1〜3のアルカノールアミンを示す)を表す。mは、0、1、2又は3である。 - マゼンタインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(3)で示される化合物からなる請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
ただし、前記一般式(3)中、B 1 及びB 2 は、いずれも、水素原子、フェニル基、フッ素原子、ハロゲン原子、及び水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又は炭素数1〜3のアルカノールアミンを表す。 - シアンインクに用いられるカラー染料が、下記一般式(4)で示される化合物からなる請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
ただし、前記一般式(4)中、Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はアルカノールアミンを表す。mは、0、1、2又は3であり、nは、1、2、3又は4である。 - 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットの各インクに刺激を印加し、該各インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 記録媒体上に、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットの各インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物。
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