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JP5900536B2 - センサ信号検出装置 - Google Patents
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Description

本発明は、センサ信号検出装置に関する。
センサ素子として、例えば抵抗体をブリッジ接続する構成の圧力センサでは、低抗体が圧力に応じて歪を生じて抵抗値が変化するのを、出力端子間に現われる電圧を測定し、これによって圧力を検出する。この場合、センサ素子の出力は、測定環境の温度により変動するので、温度変動が大きい環境で使用する場合や、正確な検出動作を必要とする場合には温度に応じた検出信号の補正を行う必要がある。
この場合、従来では、温度の影響をなくす目的で定電流駆動により検出するものが用いられている。これは、センサ素子出力の感度温特が、定電流駆動条件のもとではキャンセルされる自己感度補償の技術を利用したものである。
センサ素子感度をきめるセンサ素子への印加電圧Vgは、センサ素子に流す定電流Isとセンサ素子抵抗Rgの積、Vg=Is×Rgで決まる。しかしセンサ素子への印加電圧Vgは定電流回路が正常に動作するのに必要な出力段Pchトランジスタの飽和電圧Vsatpおよび閾値電圧Vtpにより制限され、最大でも電源電圧VccからVsatp+Vtpだけ低下した電圧しか得られず、センサ素子感度を最大にすることの制約を受けていた。この問題は、半導体素子の低電圧駆動化が進むことでさらに影響を受けることとなる。
特開2006−84201号公報 特開2003−294559号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、センサ素子に対する印加電圧を最大限に設定できる定電圧駆動方式を採用しつつ、温度変動に対する補正を精度良く行うことができるようにしたセンサ信号検出装置を提供することにある。
請求項1に記載のセンサ信号検出装置は、センサ素子(1)と、前記センサ素子に直列に接続される温度検出素子(3)と、前記センサ素子および前記温度検出素子の直列回路に定電圧を印加する定電圧電源と、前記温度検出素子の両端子間を短絡させる短絡スイッチ(4)と、前記短絡スイッチをオンさせて前記センサ素子の両端子間に前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記センサ素子のセンサ信号を取得可能にしたセンサ検出状態と、前記短絡スイッチをオフさせて前記センサ素子に前記温度検出素子を直列に接続した状態で前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記温度検出素子の温度検出信号を取得可能にした温度検出状態とを切り替える切替スイッチ(5)と、前記切替スイッチを時分割で切替制御して前記センサ検出状態で前記センサ信号を入力すると共に、前記温度検出状態で前記温度検出信号を入力する制御装置(6、10)とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載のセンサ信号検出装置は、センサ素子(1)と、前記センサ素子に直列に接続される温度検出素子(3)と、前記センサ素子および前記温度検出素子の直列回路に定電圧を印加する定電圧電源と、前記温度検出素子の両端子間を短絡させる短絡スイッチ(4)と、前記短絡スイッチをオンさせて前記センサ素子の両端子間に前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記センサ素子のセンサ信号を入力するセンサ検出状態と、前記短絡スイッチをオフさせて前記センサ素子に前記温度検出素子を直列に接続した状態で前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記温度検出素子の温度検出信号を入力する温度検出状態とを時分割で切り替える制御装置(10)とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、制御装置によりセンサ検出状態と温度信号検出状態とを時分割制御する。センサ検出状態ではセンサ素子に定電圧電源の電圧を印加した状態でセンサ信号を取得し、温度検出状態ではセンサ素子に温度検出素子を直列に接続した状態で温度検出素子の温度検出信号を取得する。これにより、センサ信号を取得する際には定電圧電源をそのままセンサ素子に印加した状態で得ることができ、最大の検出感度を保持することができる。このセンサ信号はセンサ素子が温度により特性変動する要因を含んでいるが、その変動要素を時間的に近接した時点での温度検出信号を検出して補正をすることができるので、センサ信号については温度変動に対して補正した情報を取得することができる。これにより、センサ素子に定電流を供給する構成を採用することなく、定電圧電源の電圧をフルに印加できる構成とて、しかも定電流を供給した場合と同様に温度に対する補正を正確に行うことができる。
第1実施形態を示す電気的構成図 データ取得処理のフローチャート 検出データの補正処理の説明図 データ取得タイミングの変形例 第2実施形態を示す電気的構成図 第3実施形態を示す電気的構成図 第4実施形態を示す電気的構成図 第5実施形態を示す電気的構成図
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、センサ信号検出装置として圧力センサの検出装置に適用した場合について図1〜図4を参照して説明する。
全体の概略構成を示す図1において、センサ素子としての圧力センサ素子1は、4つのピエゾ抵抗素子1a〜1dをブリッジ接続した自己感度補償型圧力センサである。圧力センサ素子1は、半導体チップに圧力検出用のダイヤフラムを備え、ダイヤフラムにピエゾ抵抗素子1a〜1dが配置されている。センサ素子1は、ダイヤフラムに圧力を受けて変位すると、その変位に応じてピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値が変化する。圧力センサ素子1は、変位に応じた抵抗値の変化に応じた電位信号を出力端子A、Bのそれぞれからセンサ信号として出力する。
圧力センサ素子1は、4つの端子A〜Dを備え、入力端子C、D間に外部から電源電圧Vccが印加され、出力端子A、B間に現れるセンサ信号を出力する。なお、ピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値Rgは、温度Tの変化によって変動するので、温度Tの関数としてRg(T)として表すことができる。
検出回路2は、圧力センサ素子1の4つの出力端子A、Bおよび入力端子C、Dにそれぞれ接続される端子a〜dを備えている。検出回路2は、例えば1チップの半導体素子により構成されており、内部に電源回路を備えていて各部に電源電圧Vccを供給する。端子cには電源回路から電源電圧Vccが供給される。端子dは、温度検出素子としての温度検出用抵抗3を介してグランド端子に接続される。また、端子dは、短絡スイッチであり半導体スイッチング素子であるFET(field effect transistor)4のドレイン−ソース間を介してグランド端子に接続される。
温度検出用抵抗3は、抵抗値Rcを有するもので、温度変化に対して極めて小さい変化をする特性を有する。温度検出用抵抗3の抵抗値Rcは、温度変化に対する変化の割合が極めて小さく、圧力センサ素子1のピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値Rg(T)に比べて例えば1/100程度のものが用いられる。FET4は、温度検出用抵抗3を短絡状態に切り替える機能を有する。FET4がオフ状態つまり、温度検出用抵抗3が圧力センサ素子1に直列に接続された状態で現れる端子電圧が温度検出信号Vtとなる。
圧力センサ素子1の出力端子A、Bから出力されるセンサ信号は、端子a、bのそれぞれに電位信号Vin(+)、Vin(−)として入力され、それらの電位差が圧力検出信号Vp(=Vin(+)−Vin(−))となる。
時分割切り替えスイッチ5は、半導体スイッチング素子として3個のFET5a〜5cを備える。制御部6は、巡回型A/D変換回路7、信号処理回路8および制御回路9を備える。制御部6は、制御装置として機能するものである。時分割切り替えスイッチ5において、FET5aは、端子aと巡回型A/D変換回路7の一方の入力端子との間に接続されている。FET5bは、端子bと巡回型A/D変換回路7の他方の入力端子との間に接続されている。FET5cは、端子dと巡回型A/D変換回路7の一方の入力端子との間に接続されている。
FET4および時分割切り替えスイッチ5の3つのFET5a〜5cは、制御回路9によりオン/オフされ、検出動作の切り替え制御が行われる。制御回路9は、後述するように、圧力信号検出時には、FET5aオン、FET5bオン、FET5cオフ、FET4オンの状態に制御する。また、制御回路9は、温度信号検出時には、FET5aオフ、FET5bオフ、FET5cオン、FET4オフの状態に制御する。この場合、FET4、5a〜5cは、オン抵抗の値が圧力センサ素子1の抵抗Rg(例えば数kΩ)に比べて十分に小さい抵抗値(例えば数Ω)となるものが選定されている。したがって、FET4、5a〜5cがオンとなっている状態で発生する電圧降下による影響は無視できる程度である。
巡回型A/D変換回路7は、2つの入力端子に入力される信号電圧の差の電圧Vpおよび温度検出信号Vtをアナログ入力信号としてこれを増幅およびデジタル信号に変換する。信号処理回路8は、デジタル変換された圧力の検出信号を取り込んで温度補償処理を行い圧力のデータを取得する。制御回路9は、前述のようにFET4および時分割切り替えスイッチ5の3つのFET5a〜5cのオン/オフ制御、巡回型A/D変換回路7、信号処理回路8の制御を行う。制御回路9は、これらの制御を、内部に記憶された制御プログラムに従って実行する。
次に、図2〜図4も参照して上記構成の作用について説明する。この実施形態においては、圧力センサ素子1による圧力の測定では、定電圧電源Vccの定電圧Vccを圧力センサ素子1の入力端子C、D間に印加することで、定電流ではなく定電圧Vccの印加状態で行う。したがって、圧力センサ素子1に対する印加電圧は定電圧電源電圧Vccそのものになり、圧力センサ素子1の出力感度を最大とすることができる。そして、測定環境が温度変化することにも対応できるように、温度検出に相当する検出電圧Vtを検出して温度補正処理を行う。図2は制御回路9によるこれらの制御動作を示したものである。
制御回路9は、圧力検出状態と温度検出状態とを所定の時間間隔で交互に切り替えるようにFET4、5a〜5cのオン/オフ制御を行う。各FET4、5a〜5cの制御は次の通りである。
圧力検出時 温度検出時
FET4 オン オフ
FET5a オン オフ
FET5b オン オフ
FET5c オフ オン
これにより、巡回型A/D変換回路7への圧力検出信号Vpおよび温度検出信号Vtの入力を時分割により切り替えている。この結果、圧力検出状態では、圧力センサ素子1の出力端子A、Bから出力されるセンサ信号が、電位信号Vin(+)、Vin(−)としてそれぞれFET5a、5bを介して巡回型A/D変換回路7に入力される。巡回型A/D変換回路7においては、入力される電位信号Vin(+)、Vin(−)の差の電圧を増幅しながらデジタル変換して圧力検出信号Vpとして出力する。
また、温度検出状態では、圧力センサ素子1に温度検出用抵抗3が直列に接続された状態で定電圧Vccが印加された状態となる。これにより、温度検出用抵抗3の端子電圧VtがFET5cを介して巡回型A/D変換回路7に入力される。この状態では、圧力センサ素子1および温度検出用抵抗3の直列回路に定電圧Vccを印加したことで電流Iが流れる。このときの電流Iは、圧力センサ素子1の抵抗値Rg(T)が圧力と温度Tによって変動しているのでその変化分を含んだ電流値となっている。温度検出用抵抗3は前述のように温度変化に対して圧力センサ素子1の抵抗値Rg(T)の変化よりも極めて小さい変化であるから、実質的に無視することができる。これにより、電流値Iは、圧力センサ素子1の抵抗値Rg(T)の変化を反映した電流値となり、その電流値Iに対応した電圧を温度検出電圧Vtとして検出することができる。
以上のような圧力検出状態および温度検出状態を、FET4、5a〜5cのオン/オフの切り替えによる時分割制御している状態で、制御回路9により図2に示すプログラムに基いてデータの取り込み処理が行われる。
制御回路9は、検出動作を開始すると、まず、初期設定として変数sに「1」を設定する(A1)。続いて、制御回路9は、巡回型A/D変換回路7による圧力検出信号Vpのデジタル変換が終了しているか否かの判断(A2)、温度検出信号Vtのデジタル変換が終了しているか否かの判断(A3)を行う。巡回型A/D変換回路7によるデジタル信号の変換処理が圧力検出信号であった場合(A2でYes)には、制御回路9は、圧力検出信号Vpのデジタルデータを巡回型A/D変換回路7から取得し(A4)、後述する圧力補正演算の処理を行う(A5)。続いて、制御回路9は、圧力補正演算の結果を出力するか否かを判断し(A6)、出力する場合には信号処理回路8により外部に出力させる(A7)。
また、巡回型A/D変換回路7によるデジタル信号の変換処理が温度検出信号であった場合(A3でYes)には、制御回路9は、カウンタ値sの値が設定値nに達したか否かを判断し(A8)、達していない場合にはカウンタ値sの値を「1」インクリメントして(A9)、次のデジタル信号の変換処理がなされるまで待ち状態となる(A2、A3を繰り返して待機する)。
この後、制御回路9は、ステップA8を実行したときにカウンタ値sの値が設定値nに等しくなると(A8でYes)、カウンタ値sを「1」に再設定する(A9)。続いて、制御回路9は、温度検出信号Vtのデジタルデータを巡回型A/D変換回路7から取得し(A11)、後述する温度補正係数演算の処理を行う(A12)。制御回路9は、温度補正係数の演算が終了すると、得られた温度補正係数のデータを内部の記憶領域に記憶格納し(A13)、ステップA2に戻る。
以上のようにして、制御回路9は、巡回型A/D変換回路7からのデジタル変換データを取得しながら演算処理を必要に応じて実施し、圧力検出の結果を得る。
次に、上記した各処理での演算の方法について説明する。
まず、上記の処理の流れにおいて、温度検出信号Vtのデータ取得の際に判断の基準としている設定数nについて述べる。この設定数nは、温度検出信号Vtを毎回取り込んで演算処理をすることを避けて、演算処理の負担を軽減するための設定値としている。例えば、毎回温度検出信号Vtを取り込む場合には、n=1として設定する。すると、制御回路9は、A8において最初からYesとなり、sの値は「1」のままに保持されるから、毎回ステップA11を実行することになる。これにより、毎回温度検出信号Vtをデジタル変換したデータを取り込む。
また、1回置きに取り込む場合には、設定数n=2として設定する。これにより、n=1の状態ではステップA9を経てカウンタ値sを「2」に書き換え、この後、ステップA8になるとYesと判断されるから、制御回路9は、2回目つまり1回置きに温度検出信号Vtのデジタル変換データを取り込むことになる。このようにして何回目毎に温度検出信号Vtを取り込むかを設定値nにより設定することができる。
図3はブリッジ接続した圧力センサ素子1の検出動作の説明をするための接続図である。上記したFET4、5a〜5cの切り替え制御動作により設定される各状態での接続状態を示している。
図3(a)は、圧力検出動作時の接続状態である。定電圧電源Vccの定電圧Vccが圧力センサ素子1の両端子間に印加された状態である。この状態で圧力センサ素子1に流れる電流Iにより出力端子A、B間に発生する圧力検出信号Vp[V]が圧力信号として取り出される。この場合、圧力センサ素子1の検出感度をS[μV/kPa/A]とする。
一方、図3(b)は、温度検出動作時の接続状態を示している。定電圧電源Vccの定電圧Vccが圧力センサ素子1および温度検出用抵抗3の直列回路の両端子間に印加された状態である。この状態で圧力センサ素子1に流れる電流Iにより端子Dに発生する温度検出信号Vt[V]が取り出される。この場合、圧力センサ素子1の検出感度をS[μV/kPa/A]とする。
以下、上記した圧力検出状態および温度検出状態における制御回路9の処理で得られるデータに基づいて、圧力検出信号Vpを温度検出信号Vtで補正処理する内容について説明する。
<値の定義>
まず、以下の説明で示す各値について次のように定義する。
Vcc:定電圧[V]、I:定電圧Vccを印加したときの圧力センサ素子の電流[A]、Rg(T):ピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値[Ω]、α:圧力センサ素子1の出力感度比例係数[μV/kPa/A]、So:定電流電源でのセンサ素子出力感度[μV/kPa]、S:定電圧電源でのセンサ素子出力感度[μV/kPa]、Rc:温度検出用抵抗3の抵抗値[Ω]、VT(T):温度出力電圧[V]。
<温度補正処理>
定電流駆動方式でのセンサ素子出力感度Soは、センサ素子で一定となる出力感度比例係数αを用いると、定電流値Ioに対して次式(1)の比例関係を満たしている。
So∝Io×α[μV/kPa] …(1)
つまり、定電流値Ioが大きい程、センサ素子出力感度Soを大きく取ることができることがわかる。したがって、圧力センサ素子1の抵抗値Rg(T)に印加される電圧が大きい程、センサ出力感度Soを大きく取ることができる。
これに対して、本実施形態では図3(a)に示す定電圧駆動方式を採用するので、圧力センサ素子1に定電圧Vccを印加するため、センサ素子出力感度を大きくとることができるが、この場合に流れる電流Iは定電流とならない。これは、測定環境の温度変動に伴い、圧力センサ素子1のピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値Rg(T)が変動するからである。したがって、定電圧駆動での電流Iの値は、次式(2)のようになる。
=Vcc/Rg(T) [A] …(2)
これにより、式(1)の定電流Ioに代えて電流Iを代入し、電流Iとして式(2)の関係を代入すると、センサ素子出力感度Sは、次式(3)に示すような比例関係となる。
∝I×α[μV/kPa]
=[Vcc/Rg(T)]×α[μV/kPa] …(3)
次に、ピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値Rg(T)を、温度信号検出時に検出した温度信号Vt(T)から求める。
温度信号Vt(T)は、図3(b)に示すように、温度検出用抵抗3の抵抗値Rcとピエゾ抵抗素子1a〜1dの抵抗値Rg(T)との直列抵抗に電圧Vccを印加したときの電圧であるから、次式(4)のようにあらわすことができる。
Vt(T)=Vcc×R/(Rg(T)+Rc)[V] …(4)
したがって、式(4)からRg(T)をVt(T)から次式(5)のように算出することができる。
Rg(T)=[(Vcc/Vt(T))−1]×Rc[Ω] …(5)
上記したセンサ素子出力感度Sの比例関係の式(2)に式(5)の関係を代入すると、次式(6)の比例関係を得ることができる。
∝Vcc/[(Vcc/Vt(T)−1)×R]×α[μV/kPa]…(6)
上式(6)の分母に現れる値をβとして次式(7)のように置き換える。
β=[Vcc/Vt(T)]−1 …(7)
この結果、温度検出信号時に検出したVt(T)の値を式(7)に代入して得られるβを求めて、式(6)に代入すると、次式(8)の関係を得ることができる。
∝(Vcc/(β×R))×α[μV/kPa] …(8)
式(8)の比例関係は、βを乗ずることで温度補正を行ったセンサ素子出力感度Sとして次式(9)を得ることができる。
∝(Vcc/R)×α[μV/kPa] …(9)
この結果、センサ素子出力感度Sにβを乗じたものが、温度Tに依存しないセンサ素子出力感度Sとして得ることができる。したがって、圧力検出信号Vpについて、センサ素子出力感度Sに基づいて温度補正を行うことで、温度補正された圧力情報を算出することができる。
<A/D変換実施とA/D変換データ取得の頻度の組み合わせについて>
次に、信号取得の切り替えとデータ取得の頻度の変形例について図4を参照して説明する。FET4および時分割切り替えスイッチ5の3つのFET5a〜5cの切り替えの仕方として、例えば、図4(a)、(b)では交互に行う場合を示している。この場合には、巡回型A/D変換回路7は、圧力検出信号および温度検出信号が交互に入力端子に入力され、これをA/D変換している。また、図4(c)、(d)では、圧力検出状態を3回数分取った後に温度検出状態を1回分実施する場合を示している。この場合には、巡回型A/D変換回路7は、圧力検出信号を所定回数として例えば3回連続してA/D変換し、この後温度検出信号を1回A/D変換する動作を繰り返し実行する。
また、このようなA/D変換の頻度に対して、データの取り込み処理は次のように実施することができる。すなわち、図4(a)、(c)に示す方式では、A/D変換して得られた圧力検出信号および温度検出信号を全て取り込む。この状態は、図2における設定数nが「1」の場合に相当する。また、図4(b)、(d)に示す方式では、A/D変換された圧力検出信号および温度検出信号のうち、圧力検出信号については全てを取り込み、温度検出信号については1回おきに取り込むようにしている。この状態は、図2における設定数nが「2」の場合に相当する。
なお、上述のように圧力検出信号および温度検出信号について、A/D変換処理の頻度およびデータの取り込み頻度を変化させるのは、圧力の変化が発生する速さに対して温度の変化は比較的緩やかに変化することを考慮して、温度検出状態を減らしてその分圧力検出状態を増やして精度良く検出しようというものである。また、データの取り込み頻度を、温度検出信号について間引きするのは、温度変動が比較的緩やかなことを考慮して取り込みを減らすことで制御回路9やデータ取り込みの回路の処理負担を軽減しようというものである。
なお、図4(a)〜(d)で示したような圧力検出状態および温度検出状態の切り替えの頻度の設定やデータの取り込みの頻度の設定は、一例として示したものであって、これ以外に適宜の頻度で設定することができる。また、検出の頻度の設定については、固定的に設定することもできるし、状況に応じて変化させる設定とすることもできる。たとえば温度変化が少ない状況では、温度検出状態への切り替え頻度を少なくしたり、データ取り込みの頻度を少なくすることができる。また、温度変動の仕方に応じて頻度の設定を変更することでより効率的な検出動作を行うことができる。
このような本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
時分割切り替えスイッチ5および短絡スイッチとしてのFET4により、圧力検出状態と温度検出状態とを時分割で切り替えて測定する構成とした。圧力検出状態では、圧力センサ素子1の端子間に定電圧Vccを印加して圧力検出信号Vpを検出し、温度検出状態では圧力センサ素子1および温度検出用抵抗3の直列回路に定電圧Vccを印加して温度検出用抵抗3の端子電圧を温度検出信号Vtとして検出する。これにより、圧力検出状態では、定電圧電源の定電圧Vccを直接圧力センサ素子1に印加して最大の感度を得ることができる状態で圧力検出信号Vpを得ることができる。また、このとき圧力センサ素子1の抵抗値Rg(T)が検出環境の温度Tにより変動するのを直近の温度検出信号Vtにより補正することができる。
また、巡回型A/D変換回路7を設けて、A/D変換された温度検出信号Vtを用いて、信号処理回路8内で圧力検出信号Vpの温度補正処理を実施し、自己感度補償を行う場合と同等の感度温特を得ることが可能となり、また同様にオフセット温特も補正することが可能となる。
巡回型A/D変換回路7を設けてA/D変換を行うので、圧力検出信号Vpや温度検出信号Vtのデジタル変換をする際に増幅も同時に行うことができる。
FET4および時分割切り替えスイッチ5のFET5a〜5cにより、圧力検出状態と温度検出状態とを交互に切り替えるようにしたので、圧力検出状態で検出する圧力検出信号Vpを直近の圧力センサ素子1の温度で測定される温度検出信号Vtで温度補正処理をすることができる。
また、FET4および時分割切り替えスイッチ5のFET5a〜5cにより、圧力検出状態と温度検出状態とを複数回毎に切り替えるようにすることで、温度変化が少ない場合に温度検出信号Vtの取得を間引くことで圧力検出信号Vpを更に多く取得することができる。
制御回路9により、温度検出状態で得られる温度検出信号Vtを、毎回取得することできめ細かい温度補正を行うことができ、複数回毎に取得することで温度変動が少ない場合に処理負担を軽減させることができる。
なお、上記実施形態では、温度検出信号Vtを温度補正に用いているが、これ以外にも、利用することができる。例えば、温度検出信号Vtをセンサ素子1の温度信号出力として用いることができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、温度検出用抵抗3およびFET4の接続位置である。すなわち、図5に示しているように、温度検出用抵抗3およびFET4は、定電圧電源Vccと端子cとの間に接続されている。この場合には、温度検出信号Vt´は、圧力センサ素子1に印加された電圧を検出することになる。したがって、温度検出信号Vtは、次式(10)のようにして得ることができる。
Vt=Vcc−Vt´[V] (10)
なお、上記の点を除くと、検出動作は第1実施形態とほぼ同じである。したがって、第2実施形態によっても第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図6は第3実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、制御部10の構成として巡回型A/D変換回路7に加えて同様の構成の巡回型A/D変換回路11を付加した構成としたところである。この構成においては、図6に示しているように、巡回型A/D変換回路7および11は、それぞれ圧力検出信号Vp、温度検出信号Vtを個別に入力するように構成している。
このような第3実施形態によっても第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第3実施形態においては、第1実施形態の構成よりも、A/D変換処理の負担が軽減されるので、検出頻度をより多く設定することができる。
(第4実施形態)
図7は第4実施形態を示すもので、第3実施形態と異なるところは、温度検出用抵抗3およびFET4の接続位置である。すなわち、図7に示しているように、温度検出用抵抗3およびFET4は、定電圧電源Vccと端子cとの間に接続されている。この場合には、温度検出信号Vt´は、圧力センサ素子1に印加された電圧を検出することになる。したがって、温度検出信号Vtは、前述の式(10)のようにして得ることができる。
したがって、第3実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図8は第5実施形態を示すもので、第3実施形態と異なるところは、時分割切り替えスイッチ5を設けない構成としたところである。すなわち、巡回型A/D変換回路7および11はそれぞれ圧力検出信号Vpおよび温度検出信号VtをA/D変換する回路として設けているので、FET5a〜5cを設けて切り替え制御を行わずに、そのまま入力する構成としている。この場合には、巡回型A/D変換回路7および11では制御回路9の制御により所定のタイミングで信号を取り込んでA/D変換処理を行う構成である。
したがって、このような第5実施形態においても第3実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。また、この実施形態においても、第2実施形態あるいは第4実施形態と同様に温度検出用抵抗3およびFET4を定電圧電源Vcc側に接続する構成とすることもできる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
半導体スイッチング素子として、FET4、FET5a〜5cを用いる構成としたが、これに限らずバイポーラトランジスタあるいはIGBT(insulated gate bipolar transistor)などの半導体素子を半導体スイッチング素子として用いることができる。
制御回路9により実施した図2に示す制御内容は、ソフト的に実施するものとして示したが、これに代えてハード回路により実施することもできるし、ソフトおよびハードを組み合わせた構成により実施することもできる。
温度検出信号Vtに基づいた温度補正の処理は、1回の温度検出信号Vtによって補正することもできるし、複数回の温度検出信号Vtの平均を算出して用いることもできるし、一定以上の変化が生じたときの温度検出信号Vtを採用して補正処理をすることもできるなど、種々の応用が可能である。温度の変化が検出精度に与える影響を考慮して検出頻度や検出信号の使い方を選定することができる。また、これにより検出精度の向上と処理負担の軽減とを考慮した制御を行うことができる。
センサ素子として圧力センサ素子1を用いる例を示したが、これに限らず、温度により検出信号の変動が想定される各種のセンサ素子に適用することができる。
温度検出用抵抗3は、グランド端子側に設ける例と、定電圧電源端子側に設ける例とを示したが、グランド端子側および定電圧電源端子側の双方に設ける構成とすることもできる。
上記各実施形態では、検出した圧力検出信号Vpをリアルタイムで温度補正して温度情報として出力する場合の例を示しているが、これに限らず、圧力検出信号と温度検出信号をデジタル変換したデータを時刻と共に記憶しておいて、測定後にまとめて温度補正の処理を行うこともできる。
上記各実施形態では、温度検出信号Vtについては、圧力検出信号Vpの温度補正に利用する情報の例として示したが、これに限らず、温度情報についても外部に出力可能な構成とすることができる。これにより、測定環境の温度変動の推移をモニタすることもできる。また、得られた温度情報を内部に記憶保持することもできる。
検出回路2を1チップの半導体素子で構成する例として記述したが、複数の半導体素子を組み合わせて構成することもできる。
上記各実施形態では、圧力検出信号Vpおよび温度検出信号Vtをデジタル変換する回路として、巡回型A/D変換回路7を用いる構成で示したが、これに限らず、通常のA/D変換回路と増幅回路とを組み合わせて構成することもできる。
図面中、1は圧力センサ素子(センサ素子)、1a〜1dはピエゾ抵抗素子、2は検出回路、3は温度検出用抵抗(温度検出素子)、4はFET(半導体スイッチング素子、短絡スイッチ)、5は時分割切り替えスイッチ(切り替えスイッチ)、5a〜5cはFET(半導体スイッチング素子)、6は制御部(制御装置)、7、11は巡回型A/D変換回路、8は信号処理回路、9は制御回路である。

Claims (11)

  1. センサ素子(1)と、
    前記センサ素子に直列に接続される温度検出素子(3)と、
    前記センサ素子および前記温度検出素子の直列回路に定電圧を印加する定電圧電源と、
    前記温度検出素子の両端子間を短絡させる短絡スイッチ(4)と、
    前記短絡スイッチをオンさせて前記センサ素子の両端子間に前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記センサ素子のセンサ信号を取得可能にしたセンサ検出状態と、前記短絡スイッチをオフさせて前記センサ素子に前記温度検出素子を直列に接続した状態で前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記温度検出素子の温度検出信号を取得可能にした温度検出状態とを切り替える切替スイッチ(5)と、
    前記切替スイッチを時分割で切替制御して前記センサ検出状態で前記センサ信号を入力すると共に、前記温度検出状態で前記温度検出信号を入力する制御装置(6、10)と
    を備えたことを特徴とするセンサ信号検出装置。
  2. センサ素子(1)と、
    前記センサ素子に直列に接続される温度検出素子(3)と、
    前記センサ素子および前記温度検出素子の直列回路に定電圧を印加する定電圧電源と、
    前記温度検出素子の両端子間を短絡させる短絡スイッチ(4)と、
    前記短絡スイッチをオンさせて前記センサ素子の両端子間に前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記センサ素子のセンサ信号を入力するセンサ検出状態と、前記短絡スイッチをオフさせて前記センサ素子に前記温度検出素子を直列に接続した状態で前記定電圧電源から定電圧を印加した状態として前記温度検出素子の温度検出信号を入力する温度検出状態とを時分割で切り替える制御装置(10)と
    を備えたことを特徴とするセンサ信号検出装置。
  3. 請求項1または2に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記制御装置は、取得した前記センサ信号について前記温度検出信号に基いて温度補償処理を行う温度補償処理部(8)を備えていることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記制御装置は、所定時間間隔で前記センサ検出状態と前記温度検出状態とを交互に切り替えることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  5. 請求項1または2に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記制御装置は、所定時間間隔で前記センサ検出状態を複数回分設定する毎に前記温度検出状態に切り替えることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  6. 請求項4または5に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記温度検出信号の取得は、前記温度検出状態に切り替えられた毎もしくは複数回毎に行うことを特徴とするセンサ信号検出装置。
  7. 請求項1、3から6のいずれか一項に記載のセンサ素子の信号処理装置において、
    前記制御装置は、取得した前記センサ信号および前記温度検出信号を増幅すると共にデジタル信号に変換するA/D変換回路(7)を備えていることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  8. 請求項に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記切替スイッチは、前記制御装置によりオン・オフ制御される半導体スイッチング素子(5a〜5c)であることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記短絡スイッチは、前記制御装置によりオン・オフが制御される半導体スイッチング素子(4)であることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記センサ素子は、抵抗体をブリッジ接続してなる圧力センサ(1)であることを特徴とするセンサ信号検出装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のセンサ信号検出装置において、
    前記温度検出素子は、温度検出用の抵抗素子(3)であることを特徴とするセンサ信号検出装置。
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