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JP5949656B2 - 黒色塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル - Google Patents
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黒色塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル Download PDF

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Description

本発明は、黒色塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネルに関し、特に、塗膜が薄い場合であっても、外観性及び加工後の外観性に優れた黒色塗装鋼板に関するものである。
塗装鋼板は、例えばテレビ用パネル等の用途に用いられる際、プレス加工や曲げ加工を施されることが一般的であり、曲げ加工性及びプレス加工後の外観性が良好であることが要求されている。通常、プレコート鋼板(塗装鋼板)は、外面側の下塗り塗膜に主として変性ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を使用することで、下地鋼板との密着性、耐食性などを確保し、さらに、外面側の上塗り塗膜にポリエステル系、アクリル系塗膜などを使用することで、主として耐汚染性、意匠性、耐疵付き性、耐エタノール性、及び、耐塩酸性又は耐アルカリ性であるバリア性などを付与する2コート鋼板とすることが一般的である。さらに、下塗り塗膜と上塗り塗膜の間に、中塗り塗膜を形成した3コート鋼板も開発されている。
従来の2コート塗装鋼板は、隠蔽性や耐食性を確保する観点から、例えば特許文献1に開示されているように、下塗り塗膜の膜厚を5μm程度、上塗り塗膜の膜厚を最低でも12μm程度必要とし、これら塗膜の総膜厚は20μm以上とするのが一般的である。しかしながら、20μm以上の塗膜を形成するためには、塗装や焼付に長時間を要し、さらに塗膜の膜厚が厚いほど製造コストの点でも不利となることから、塗装作業の合理化や省資源化の観点から塗膜の薄膜化が望まれていた。
その要求に応えるものとして、例えば特許文献2には、塗膜中に樹脂粒子を添加することにより、10μm以下の膜厚であっても、曲げ加工性やプレス加工後の外観に優れ、かつ十分な塗膜硬度を持つ塗装鋼板が提案されている。
また、特許文献3には、有機皮膜の硬度を高めることにより、従来よりも厳しい加工条件においてもプレス加工後の外観に優れ、形成された有機皮膜の膜厚が10μm以下である黒色塗装鋼板が提案されている。
さらに、特許文献4及び特許文献5には、有機皮膜の適正化を図ることにより、該有機皮膜の膜厚が0.5〜5μmと薄い場合であっても、総膜厚が20μm程度ある従来の2コート塗装鋼板と同等レベルの良好な曲げ加工性及び耐プレス疵性を具える黒色塗装鋼板が提案されている。
特開平4−215873号公報 特開2007−269010号公報 特開2010−065254号公報 特開2009−160768号公報 特開2009−161796号公報
しかしながら、特許文献3〜5に記載された黒色塗装鋼板は、外観性(本発明では、白色度(L値)を低く維持すること)についてさらなる向上が望まれていた。また、それらの黒色塗装鋼板は、加工による皮膜の延伸に伴う外観劣化、すなわち白色度(L値)の変動幅については考慮されていなかったため、改良を図る余地があった。
本発明の目的は、上記課題を解決することであり、形成された塗膜が非常に薄い場合であっても、外観性及び加工後の外観性に優れた黒色塗装鋼板、並びに、該黒色塗装鋼板を用いた加工品及び薄型テレビ用パネルを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため検討を重ねた結果、膜厚が0.3〜2μmと非常に薄い単一有機塗膜を形成するとともに、該単一有機塗膜中のカーボンブラック含有量について適正化を図ることで、得られた黒色塗装鋼板は、高い外観性を有し、さらに、延伸時においても優れた外観性を確保できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)鋼板の少なくとも片面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜と、該化成皮膜上に形成された単一有機塗膜とを具え、
該単一有機塗膜は、カーボンブラックを12質量%超え、50質量%以下含有し、膜厚が0.3〜2μmであり、該単一有機塗膜を構成する有機樹脂が、水酸基価が2〜20KOHmg/g、数平均分子量が20000以上50000未満、Tgが20〜70℃であるポリエステル系樹脂であり、前記亜鉛系めっき層が黒色化Zn−Ni合金めっき層であることを特徴とする黒色塗装鋼板。
(2)前記単一有機塗膜が形成された面の、白色度(L値)が25以下であり、40%の一軸延伸時における白色度の変動幅(ΔL)が2以下であることを特徴とする上記(1)に記載の黒色塗装鋼板。
(3)前記単一有機塗膜は、カーボンブラックを15質量%〜50質量%含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の黒色塗装鋼板。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の黒色塗装鋼板にプレス加工を施してなることを特徴とする加工品。
)上記()に記載の加工品のうち、前記単一有機塗膜の形成された面が外部へ露出する凸面となることを特徴とする薄型テレビ用パネル。
本発明によれば、形成された塗膜が非常に薄い場合であっても、黒色塗装鋼板の外観性及び加工後の外観性を高いレベルで確保できる。
以下、本発明の構成と限定理由を説明する。
本発明による黒色塗装鋼板は、鋼板の少なくとも片面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜と、該化成皮膜上に形成された単一有機塗膜とを具える。塗装鋼板の各構成要素の詳細について以下に述べる。
(亜鉛系めっき層)
本発明の亜鉛系めっき層については、特に制限されない。例えば、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、アルミニウム−亜鉛合金めっき(例えば、溶融亜鉛−55質量%アルミニウム合金めっき、溶融亜鉛−5質量%アルミニウム合金めっき)、鉄−亜鉛合金めっき、ニッケル−亜鉛合金めっき等の各種亜鉛系めっきによって形成される層が挙げられる。
その中でも、黒色化Zn−Ni合金めっき層を用いることが、黒色塗装鋼板の外観性を確保する観点から好ましい。該黒色化Zn−Ni合金めっき層は、従来の方法によって形成すればよく、例えば、Zn−Ni合金めっき層に対して、陽極電解処理、陰極電解処理、交番電解処理、陽極酸化処理などの黒色化処理を施して形成することが可能である。
また、前記亜鉛系めっき層の付着量(g/m2)は、特には限定されないが、片面当たり5〜100g/m2の範囲であることが好ましい。5〜100g/m2の範囲であれば経済的な悪化を招くことなく、優れた耐食性が得られるからである。10〜70g/m2の範囲であることがより好ましい。
(化成皮膜)
本発明の化成皮膜は、主として前記亜鉛系めっき層と後述する単一有機塗膜との密着性を向上するために形成される。高い密着性を確保できれば特に限定はされないが、環境保護の観点からクロムを含有しないものとする。
なお、本発明の化成皮膜は、クロムを含有しない従来公知の化成処理液をめっき層表面に塗布し、加熱乾燥することにより形成される。
また、前記化成皮膜は、クロムを含有せず、密着性を向上できるものであれば特に限定はされはないが、密着性だけでなく耐食性を向上できるものがより好ましい。
具体的には、密着性と耐食性の点からシリカ微粒子を含有し、耐食性の点からリン酸及び/又はリン酸化合物を含有することが好ましい。前記シリカ微粒子は、湿式シリカ、乾式シリカのいずれを用いても構わないが、密着性向上効果の大きいシリカ微粒子、特に乾式シリカが含有されることが好ましい。前記リン酸及びリン酸化合物については、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸及びこれらの金属塩や化合物等のうちから選ばれる1種以上を含有すれば良い。
さらに、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂、シランカップリング剤などの添加剤を1種以上適宜添加してもよい。
なお、前記化成皮膜の付着量は、特に限定されないが、片面当たり10〜500mg/m2の範囲であることが好ましい。化成皮膜の付着量が10mg/m2以上であれば、密着性、耐食性が十分に得られ、一方、付着量が500mg/m2以下であれば経済的な悪化を招くことなく上記効果が得られるからである。
前記化成皮膜の形成方法については、例えば、ロールコーター、カーテンフローコーター、浸漬引き上げ法などで化成処理液を前記亜鉛系めっき層表面に塗布し、ローラー等で絞った後、水洗することなく最高到達鋼板温度が80〜140℃となるように乾燥することによって形成することができる。
(単一有機塗膜)
本発明の単一有機塗膜は、カーボンブラックを12質量%超え、50質量%以下含有し、膜厚が0.3〜2μmであることを特徴とする。
上記範囲の量のカーボンブラックを含有することで、従来に比べてカーボンブラック量が多くなり、塗膜の白色度(L値)を十分に低減できる結果、膜厚が0.3〜2μmと非常に薄い場合であっても、優れた外観性を確保できるとともに、プレス加工等に伴って塗膜が延伸した場合であっても、加工がないときと同様に優れた外観性を確保できる(加工後の外観性に優れる)。
前記単一有機塗膜中のカーボンブラックの含有量を12質量%超え、50質量%以下としたのは、前記含有量が12質量%以下の場合、カーボンブラックが少なすぎるために十分な加工後の外観性を確保できず、一方、前記含有量が50質量%を超えると、塗膜の脆化を引き起こすからである。
また、よりすぐれた加工後の外観性を確保しつつ、塗膜強度を確保する点から、前記カーボンブラックの含有量は、15質量%〜50質量%であることが好ましく、16質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜40質量%であることがさらに好ましい。
・カーボンブラック
前記カーボンブラックについては、公知のものを用いればよい。例えば、粒子径が10nm〜800nmであり、pHが3〜10、DBP吸油量が50〜150(ml/100g)、灰分1質量%未満の範囲のものを用いることができる。
また、カーボンブラックの表面処理として、シリコン処理、アルキルシラン処理、チタネート処理、POE変性シラン処理、シランカップリング剤処理等を施すことが好適である。
なお、市販されているカーボンブラックとしては、「カラー用”トーカブラック“」(登録商標、東海カーボン(株)製)、「SUNBLACK(カラー用)」(登録商標、旭カーボン(株)製)、「ショウブラック」(登録商標、昭和キャボット(株)製)、「ニテロン」「HTC」(登録商標、新日化カーボン(株)製)、「ダイアブラック」(登録商標、三菱化学(株)製)等を好適に使用できる。
・有機樹脂
前記単一有機塗膜に用いられる有機樹脂としては、特に限定せず、例えば、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、フッ素系、ポリウレタン系等が挙げられる。良好な曲げ加工性を確保できる点からは、ポリエステル系樹脂を含有する
前記ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコールを周知の方法で加熱反応させて得られる共重合体である。
多塩基酸成分としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸などを用いることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオピンチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等を用いることができる。
また、市販されているポリエステル樹脂としては、「アルマテックス」(登録商標、三井東圧化学(株)製)、「アルキノール」(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、「デスモフェン」(登録商標、住友バイエルウレタン(株)製)および「バイロン」(登録商標、東洋紡績(株)製)等を、いずれも好適に使用できる。
より好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られるウレタン変性ポリエステル樹脂が挙げられる。上記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、シクロヘキサン‐1、4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。
・有機樹脂
また、前記ポリエステル樹脂は、水酸基価が2〜20KOHmg/gである水酸基価が2KOHmg/g以上であれば、架橋反応が十分となるために十分な塗膜硬度が得られ、一方、水酸基価が20KOHmg/g以下であれば十分な曲げ加工性が得られるからである。
さらに、前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、20000以上50000未満である数平均分子量が20000以上であれば、塗膜の架橋間分子量が短すぎることがなく、架橋密度が大きくなりすぎることがないため、伸びが低下せず曲げ加工性が劣化することがなく、塗膜強度が高くなりすぎることがなく加工変形部の塗膜が剥離しないからであり、さらに、数平均分子量が50000以下であれば、十分な架橋密度が得られる結果、十分なバリア性が得られ、塗膜が膨潤することがないからである。
さらにまた、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、20〜70℃であるTgが20℃以上であれば、塗膜の強靭性が低下せず、十分なプレス加工性が得られる上、被膜硬度、加工後塗膜密着性などの特性も低下することがないからであり、一方、Tgが70℃以下であれば、十分な曲げ加工性が得られるからである。
・その他の充填材
なお、前記単一有機塗膜は、その目的や用途に応じて、防錆顔料や防錆剤を含有することができる。
前記防錆顔料及び防錆剤としては、りん酸亜鉛、りん酸アルミ、亜りん酸アルミ、モリブデン酸塩、りん酸モリブデン酸塩、バナジン酸/りん酸混合顔料、シリカ、カルシウムシリケートと呼ばれるCaを吸着させたタイプのシリカ等の、一般に公知のものを使用することができる。
また、亜鉛華、二酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛などの着色顔料を併用しても差支えない。
また、前記単一有機塗膜は、光沢調整剤、樹脂粒子および潤滑剤等をさらに含有することができる。
・硬化剤
また、前記単一有機塗膜は、耐汚染性、耐摩耗性などを付与する目的で、硬化剤成分を含有し、焼付け硬化塗膜とすることも可能である。
硬化剤成分としては、イソシアネート化合物および/またはアミノ樹脂を用いることができる。また、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
イソシアネート化合物としては、一般的製法で得られるイソシアネート化合物を用いることができるが、その中でも特に、一液型塗料としての使用が可能である。フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級アルコール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロックされたポリイソシアネート化合物が好ましい。
また、より好ましいポリイソシアネート化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)及びその誘導体、トリレンジイソシアネート(以下、TDI)及びその誘導体、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、XDI)、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDI)及びその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(以下、TMDI)及びその誘導体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘導体、水添XDI及びその誘導体、等を挙げることができる。さらに、「スミジュール」(登録商標)(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、「デスモジュール」(登録商標)(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、「コロネート」(登録商標)(商品名、日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシアネート化合物を利用することもできる。
硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドとの反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタノール等のアルコールによりアルキルエーテル化したものが使用される。
具体的には、メチル化尿素樹脂、n―ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、iso‐ブチル化メラミン樹脂などを挙げられる。さらに、「サイメル」(商品名、三井サイアミド(株)製)、「ユーバン」(登録商標)(商品名、三井東圧化学(株)製)、「スミマール」(登録商標)(商品名、住友化学工業(株)製)、「メラン」(登録商標)(商品名、日立化成工業(株)製)などの市販のアミノ樹脂も使用できる。
前記硬化剤を用いて前記単一有機塗膜を硬化させる場合、該単一有機塗膜中の有機樹脂と硬化剤との配合比(固形分の重量比)は、有機樹脂/硬化剤:99/1〜60/40、望ましくは95/5〜75/25とするのが好ましい。硬化剤の配合量は、塗膜固形分中の割合で0.75〜20質量%とすることが好ましい。この硬化剤の配合量が0.75質量%以上であれば塗膜硬度が十分となり、一方、20質量%以下であれば曲げ加工時に塗膜割れが発生することがない。
・膜厚
前記単一有機塗膜の膜厚は、0.3〜2μmであり、好ましくは、1〜2μmである。前記膜厚が0.3μm未満の場合、素地隠蔽性が不十分であるのみでなく、プレス加工による塗膜の延伸に伴う外観劣化、すなわち白色度(L値)の変動幅が大きくなるため不適である。一方、前記膜厚が2μmを超えると、塗膜の形成に長時間が必要となるばかりでなく、曲げ加工部の塗膜変形による応力のため、曲げ加工部登頂部の塗膜に剥離が発生するため好ましくない。
なお、前記単一有機塗膜の膜厚の測定は、塗膜を形成した鋼板の断面を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用い、1視野につき任意の3箇所の膜厚を測定し、少なくとも5視野で、合計15箇所以上で測定した膜厚の平均値を算出して求める。
・単一有機塗膜の形成
前記単一有機塗膜を形成するための、塗料の塗布方法は特に限定しないが、好ましくはロールコーター塗装で塗布するのがよい。
前記塗料の塗布後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱等の加熱手段により加熱処理を施し、樹脂を架橋させて硬化させた着色塗膜を得る。加熱条件は、15〜150秒で、200℃(到達板温)以下であり、好適には、到達板温を180℃以上とすることが好ましい。
・白色度(L値)、延伸時における白色度の変動幅(ΔL)
本発明の黒色塗装鋼板は、前記単一有機塗膜が形成された面の、白色度(L値)が25以下であり、40%の一軸延伸時における白色度の変動幅(ΔL)が2以下であることが好ましい。
前記L値が25以下であれば、十分な黒色を得ることができ、外観性の劣化を招くことがないからである。
また、前記40%の一軸延伸時における白色度の変動幅(ΔL)が、2以下であれば、十分な加工後の外観性を得ることができるからである。ここで、前記40%の一軸延伸時の白色度の変動(ΔL)は、延伸前と40%の一軸延伸との白色度の差を取ることで算出できる。
(加工品、薄型テレビ用パネル)
本発明の加工品は、上述した本発明の黒色塗装鋼板にプレス加工を施してなる。また、本発明の薄型テレビ用パネルは、前記加工品のうち、前記単一有機塗膜の形成された面を外部へ露出する凸面とするものである。
本発明の加工品及び薄型テレビ用パネルは、上述した黒色塗装鋼板を用いているため、外観性及び加工後の外観性に優れる。
本発明の実施例について説明する。
(サンプル1〜24)
鋼板の両面に、表1に示す亜鉛系めっき層を設け、この一方の面のめっき層の上に化成処理液を塗布し、加熱10秒後に到達板温が100℃となるように加熱して形成されたクロムを含有しない表2に示す組成の化成皮膜を形成した。その後、化成皮膜上に、着色単一有機塗膜として、ポリエステル樹脂、硬化剤(イミノ基含有メラミン樹脂)、カーボンブラックを含有する着色単一有機塗膜用塗料を塗布した後、加熱開始から20秒後に到達板温が190℃となるように加熱処理を行うことで、着色単一有機塗膜を形成した。
なお、上記ポリエステル樹脂のTg、数平均分子量、水酸基値については表3に示す。上記イミノ基含有メラミン樹脂としては、三井サイアミド(株)製サイメル327を用いた。また、上記カーボンブラックとしては、粒子径が41nm、pHが7.6、DBP吸油量が126(ml/100g)、灰分0.12質量%である新日化カーボン(株)製ニテロン#10を用いた。着色単一有機塗膜の組成、焼付温度(到達板温)および膜厚については表3に示す。
上述の手順によって得られた各黒色塗装鋼板のサンプル1〜24について、種々の性能を調査した。
Figure 0005949656
Figure 0005949656
Figure 0005949656
(評価)
以上のようにして得られた黒色塗装鋼板のサンプルについて、各種評価を行った。評価方法を以下に示す。
(1)外観性:白色度(L値)
各サンプルについて、JIS Z 8729に準拠し、縦:50mm、横:50mmの大きさに切り出した試験片を用いて、L値の測定を行った。
評価は以下の基準に従って行い、結果を表4に示す。
○:L値≦25
×:L値>25
(2)加工後の外観性:40%の一軸延伸時における白色度の変動幅(ΔL)
各サンプルについて、縦:300mm、横25mmの大きさに切り出した試験片とし、該試験片に対して、5mmのスクライブドサークルを描画した後、引張り試験機にて長辺方向に一軸引張りを施し、スクライブドサークルにより判定した伸び40%の部位における白色度を測定した。その後、白色度の変動幅(ΔL)を以下の式に従って算出した。
ΔL=(伸び40%部位のL値)−(加工前のL値)
算出された白色度の変動幅(ΔL)は、以下の基準にしたがって評価を行い、結果を表4に示す。
◎:ΔL≦1.0
○:1<ΔL≦1.5
△:1.5<ΔL≦2.0
×:ΔL>2.0
(3)曲げ加工性
各サンプルについて、JIS Z2248-1996に準拠し、前記塗装鋼板を、縦:60mm、横:30mmの大きさに切り出した試験片とし、前記塗装鋼板を室温で180°に折り曲げる、いわゆる、0T曲げをしたときの曲げ加工部の頭頂部を目視により観察した。
評価は以下の基準に従って行い、結果を表4に示す。
○:有機塗膜の割れが観察されない
×:有機塗膜の割れが観察される
(4)素地隠蔽性
各サンプルについて、化成皮膜形成前の亜鉛系めっき層表面に、先端が金属のペンで傷をつけた後、化成皮膜および前記着色単一有機塗膜を形成して、目視により観察した。
評価は以下の基準に従って行い、結果を表4に示す。
○:傷が観察されない
×:傷が観察される
(5)耐溶剤性
各サンプルについて、有機塗膜の表面に対し、エタノールラビング試験を9.8N(1kgf)の荷重で20回行った後のL値を測定し、試験前のL値からの変動幅(ΔL)を算出した。ここで、エタノールラビング試験とは、ガーゼにエタノール5mlをしみ込ませた状態で一定荷重をかけながら往復摺動させるものである。
評価は以下の基準に従って行い、結果を表4に示す。
◎:ΔL≦1.5
○:1.5<ΔL≦2.5
×:2.5≦ΔL
Figure 0005949656
表4の結果から、施例及び参考例の各サンプル(1〜12、15、16、19〜24)は、加工後の外観性、曲げ加工性、素地隠蔽性及び耐溶剤性の評価結果がバランスよく優れていた。一方、比較例の各サンプル(13、14、17、18)は、評価項目のうちの少なくとも一つが、不良となる結果を示すことがわかった。
本発明によれば、形成された塗膜が非常に薄い場合であっても、外観性及び加工後の外観性に優れた黒色塗装鋼板を提供できる。その結果、該黒色塗装鋼板を用いた加工品及び薄型テレビ用パネルについても、従来製品に比べて外観性及び加工後の外観性に優れる。

Claims (5)

  1. 鋼板の少なくとも片面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜と、該化成皮膜上に形成された単一有機塗膜とを具え、
    該単一有機塗膜は、カーボンブラックを12質量%超え、50質量%以下含有し、膜厚が0.3〜2μmであり、該単一有機塗膜を構成する有機樹脂が、水酸基価が2〜20KOHmg/g、数平均分子量が20000以上50000未満、Tgが20〜70℃であるポリエステル系樹脂であり、前記亜鉛系めっき層が黒色化Zn−Ni合金めっき層であることを特徴とする黒色塗装鋼板。
  2. 前記単一有機塗膜が形成された面の、白色度(L値)が25以下であり、40%の一軸延伸時における白色度の変動幅(ΔL)が2以下であることを特徴とする請求項1に記載の黒色塗装鋼板。
  3. 前記単一有機塗膜は、カーボンブラックを15質量%〜50質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の黒色塗装鋼板。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の黒色塗装鋼板にプレス加工を施してなることを特徴とする加工品。
  5. 請求項に記載の加工品のうち、前記単一有機塗膜の形成された面が外部へ露出する凸面となることを特徴とする薄型テレビ用パネル。
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