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JP6029930B2 - 含硫黄化合物検出装置 - Google Patents
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JP6029930B2 - 含硫黄化合物検出装置 - Google Patents

含硫黄化合物検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、含硫黄化合物検出装置に関する。
電子機器には、抵抗、コンデンサ等をはじめ、銀電極を備えた電子部品が多数使用されている。一方、銀(金属銀)は、硫黄又は硫黄原子を含む化合物等の含硫黄化合物と反応して硫化銀を生じ易いことが知られている。これに対し、含硫黄化合物は、大気中に微量とはいえ含まれていることがあり、さらにダンボールやゴム等の日常品にも含まれていることがあるため、銀電極の硫化により、電子部品が故障することがある。
そこで、含硫黄化合物を検出するための各種装置が検討されており、例えば、絶縁基板と、硫化ガスで硫化される銀等の金属を含有する硫化検出体と、この硫化検出体と接続された電極等を備えた硫化検出センサが開示されている(特許文献1参照)。かかるセンサによれば、銀等の金属の抵抗値の変化や反射光の光量から、チップ抵抗器等の電子部品の累積的な硫化の度合いを検出して、電子部品が硫化による断線で故障する前に、その危険性を検出できるとされている。
特開2009−250611号公報
しかし、特許文献1に記載の硫化検出センサは、電子回路を必要とするなど、複雑な構造を有し、別途各種測定機器を必要とするため、安価に簡便な手法で硫化の度合いを検出できないという問題点があった。ここでは、電子機器について説明したが、金属銀からなる部品又は部材を用いるあらゆる分野で、硫化は大きな問題点であり、含硫黄化合物の新たな検出装置の開発が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡略化された構造で簡便に含硫黄化合物を検出できる含硫黄化合物検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる含硫黄化合物の検出部と、前記検出部と色を比較するための比較部と、の組合せを複数個備え、前記検出部は、金属銀を含む露出面を有し、前記露出面の表面粗さが、一部又はすべての前記組み合わせの間で互いに異なることを特徴とする含硫黄化合物検出装置を提供する。
本発明の含硫黄化合物検出装置においては、前記比較部が金属銀を含む表面を有し、前記比較部が含硫黄化合物との接触を防止する保護手段で覆われていることが好ましい。
本発明の含硫黄化合物検出装置においては、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、が配合されてなる銀インク組成物を用いて、前記検出部における金属銀、又は前記検出部及び比較部における金属銀が、形成されたものであることが好ましい。
本発明の含硫黄化合物検出装置においては、前記銀インク組成物として、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類の配合量が互いに異なるものを用いて、前記露出面の表面粗さが互いに異なる、前記検出部における金属銀が形成されたものであることが好ましい。
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
本発明によれば、簡略化された構造で簡便に含硫黄化合物を検出できる含硫黄化合物検出装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る検出装置を例示する概略図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のI−I線における断面図である。 本発明の他の実施形態に係る検出装置を例示する概略図である。 図1に示す検出装置の使用開始前における状態の一例を示す概略正面図である。 図1に示す検出装置の使用開始前における状態の他の例を示す概略断面図である。 実施例1の検出装置における、第1検出部〜第3検出部の露出面についてのSEMの撮像データである。 実施例1における、第1検出部及び第3検出部についての色差(ΔE)の算出結果を示すグラフである。
<<含硫黄化合物検出装置>>
本発明に係る含硫黄化合物検出装置(以下、「検出装置」と略記することがある)は、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる含硫黄化合物の検出部と、前記検出部と色を比較するための比較部と、の組合せを複数個備え、前記検出部は、金属銀を含む露出面を有し、前記露出面の表面粗さが、一部又はすべての前記組み合わせの間で互いに異なることを特徴とする。
かかる検出装置は、前記露出面(検出部)に含まれる金属銀が、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる現象を利用したものであり、表面粗さが互いに異なる前記露出面が、その表面粗さに依存して、含硫黄化合物の曝露量が同じであっても色変化の度合いに差が生じることを見出してなされたものである。そして、露出面の色を前記比較部の色と比較することにより、露出面の色変化を簡便且つ正確に確認でき、含硫黄化合物を簡便に検出できる。また、かかる検出装置は、構造が簡略化されているため、安価に提供可能である。
本発明において、含硫黄化合物とは、その構造中に硫黄原子又は硫黄イオンを有していれば特に限定されず、その形態は気体、液体及び固体のいずれでもよく、代表的なものとしては硫化水素、二酸化硫黄、硫黄等が例示できるが、これらに限定されない。
また、前記検出部と接触するときの含硫黄化合物は、他の化合物との混合物であってもよいし、混合物でなくてもよい。
図1は、本発明に係る検出装置を例示する概略図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のI−I線における断面図である。
ここに示す検出装置(含硫黄化合物検出装置)1は、基材5上に、第1検出部2A、第2検出部2B及び第3検出部2C(以下、「第1検出部2A〜第3検出部2C」と記載することがある)を備え、第1比較部3A、第2比較部3B及び第3比較部3C(以下、「第1比較部3A〜第3比較部3C」と記載することがある)を備える。
そして、第1比較部3A〜第3比較部3Cは、基材5上において一枚の保護膜4により、一体に覆われており、基材5との間で保護膜4により封止されている。
基材5はシート状であり、厚さは0.02〜5mmであることが好ましい。
なお、ここでは、基材5としてシート状のものを示しているが、基材5は、第1検出部2A〜第3検出部2C、及び第1比較部3A〜第3比較部3Cを安定して保持できるものであれば、その形状はこれに限定されず、ブロック状等他の形状でもよく、複数種の形状が組み合わされた複合形状でもよい。そして、第1検出部2A〜第3検出部2C、及び第1比較部3A〜第3比較部3Cの配置面(表面)5aは、ここでは平面であるが、曲面でもよいし、凹部及び凸部を規則的又は不規則(無秩序)に備えた凹凸面でもよい。
基材5の材質も、第1検出部2A〜第3検出部2C、及び第1比較部3A〜第3比較部3Cを安定して保持できるものであれば、特に限定されず、合成樹脂、ガラス、セラミックス、金属、紙類等、目的に応じて任意に選択できる。
前記合成樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等が例示できる。
前記セラミックスとしては、シリコン等が例示できる。
前記金属としては、アルミニウム、銅、鉄等の単体金属;ステンレス鋼等の合金等が例示できる。
前記紙類としては、原紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、グラシン紙、光沢紙、合成紙等が例示できる。
また、基材5の材質は、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等の、二種以上の材質を併用したものでもよい。
基材5は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材5が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材5が複数層からなるシート状のものである場合、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材5の厚さとなるようにするとよい。
第1検出部2A〜第3検出部2Cは、基材5の表面5a側から平面視したときの形状が四角形状であり、その面積は目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、色変化の検知の容易さや取り扱い性を考慮すると、1〜100cmであることが好ましい。
なお、ここでは、第1検出部2A〜第3検出部2Cとして、前記形状が四角形状のものを示しているが、四角形以外の多角形状、円形状、だ円形状、複数種の形状が組み合わされた複合形状、不定形状等、他の形状でもよい。
また、ここでは、第1検出部2A〜第3検出部2Cがすべて同一の形状である場合を示しているが、第1検出部2A〜第3検出部2Cの形状は、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
第1検出部2Aの近傍には第1比較部3Aが直列に配置され、検出装置1においては、これらの組合せが含硫黄化合物の検知手段として機能する。以下、第1検出部2A及び第1比較部3Aの組合せを第1検知手段20Aという。
同様に、第2検出部2B及び第2比較部3Bの組合せが第2検知手段20Bを構成し、第3検出部2C及び第3比較部3Cの組合せが第3検知手段20Cを構成する。
第1検知手段20Aにおいて、第1検出部2Aの周縁部と、第1比較部3Aの周縁部との間の最短距離は、1〜20mmであることが好ましい。このようにすることで、第1検出部2Aの色変化の検知がより容易となる。
第2検知手段20B及び第3検知手段20Cにおいて、それぞれの検出部及び比較部は、いずれも第1検知手段20Aの場合と同様に(上記の条件を満たすように)配置される。
そして、第1検知手段20A、第2検知手段20B及び第3検知手段20C(以下、「第1検知手段20A〜第3検知手段20C」と記載することがある)における、検出部及び比較部の配置形態は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
第1検知手段20A及び第2検知手段20Bについて、第1検出部2Aの周縁部と、第2検出部2Bの周縁部との間の最短距離、及び第1比較部3Aの周縁部と、第2比較部3Bの周縁部との間の最短距離、の一方又は両方は、1〜20mmであることが好ましい。このようにすることで、検出装置1は取り扱い性が向上する。
第2検知手段20B及び第3検知手段20Cについても、第1検知手段20A及び第2検知手段20Bの場合と同様の配置形態(上記の条件を満たす配置形態)であることが好ましく、同一の配置形態であってもよい。
第1検出部2Aは、金属銀を含む露出面21Aを有し、露出面21A以外の部位は、露出面21Aと同じ材質でもよいし、異なる材質でもよく、異なる材質の場合、金属銀を含む材質でもよいし、その他の材質でもよい。
第1検出部2Aの露出面21Aは、金属銀を含むことにより、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる。すなわち、第1検出部2Aは、少なくとも露出面21Aが、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる。この色変化は、金属銀と含硫黄化合物との反応により、硫化銀(AgS)が生じるからであると考えられる。
同様に、第2検出部2Bは金属銀を含む露出面21Bを有し、第3検出部2Cは金属銀を含む露出面21Cを有し、第2検出部2B及び第3検出部2Cの材質は、第1検出部2Aと同様である。
そして、第1検出部2A〜第3検出部2Cの材質は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。例えば、前記露出面21A、21B及び21C(以下、「露出面21A〜21C」と記載することがある)の材質は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
前記露出面21B及び21Cも、金属銀を含むことにより、含硫黄化合物との接触により色変化を生じる。
露出面21A〜21Cは、金属銀からなるもの又は金属銀を主成分とするものが好ましい。ここで「金属銀を主成分とする」とは、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高いことを意味し、例えば、金属銀の比率が99質量%以上であることが好ましい。
第1検知手段20A〜第3検知手段20Cの一部又はすべてにおいて、これら露出面の表面粗さは互いに異なる。すなわち、露出面21A〜21Cのいずれか二個又はすべては、表面粗さが互いに異なる。そして、表面粗さが互いに異なるこれら露出面は、その表面粗さに依存して、含硫黄化合物の曝露量が同じであっても色変化の度合いに差が生じる。これは、表面粗さが異なることで、含硫黄化合物の曝露量が同じであっても、含硫黄化合物の接触量に差が生じるためではないかと推測される。通常は、表面粗さが大きいほど、露出面21A〜21Cは色変化を生じ易くなる。
第1検知手段20A〜第3検知手段20Cの露出面は、すべて表面粗さが互いに異なることが好ましい。
なお、本発明において「表面粗さ」とは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に基づくものであり、算術平均粗さ(Ra)を意味し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式によって求められた値をナノメートル(nm)単位で表示したものである。以下、この表面粗さを「表面粗さRa」と記載することがある。
前記露出面21A〜21Cの表面粗さは、目的に応じて任意に設定できるが、例えば、10〜500であることが好ましい。
また、前記露出面21A〜21C間の表面粗さの差は、15以上であることが好ましく、25以上であることがより好ましく、35以上であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、含硫黄化合物の検出量の特定がより容易となる。
前記表面粗さの差の上限値は特に限定されないが、検出装置1の製造の容易さ等を考慮すると490であることが好ましい。
第1比較部3Aは、第1検出部2A(露出面21A)と色を比較することで、露出面21Aの色変化の有無や色変化の程度を明らかにするための手段であり、通常は、含硫黄化合物との接触前の露出面21Aと実質的に同一の色であることが好ましい。ここで「実質的に同一の色」とは、同一の色であるか、又は異なる色であってもその差を目視で認識できない程度の色であることを意味する。
また、第1比較部3Aは、前記露出面21Aの含硫黄化合物との接触時に色変化を実質的に生じないものが好ましい。ここで「色変化を実質的に生じない」とは、色変化を全く生じないか、又は色変化を生じてもそれを目視で認識できない程度の変化であることを意味する。
これら第1比較部3Aの色に関する特性は、少なくともその表面31Aにおいて満たされていればよい。これは、以下に説明する第2比較部3B及び第3比較部3Cも同様である。図1中、第2比較部3Bの表面を符号31Bで、第3比較部3Cの表面を符号31Cで、それぞれ示す。
第2検知手段20Bにおける第2比較部3B、及び第3検知手段20Cにおける第3比較部3Cも、第1検知手段20Aにおける第1比較部3Aと同様である。
すなわち、第2比較部3Bは、第2検出部2B(露出面21B)と色を比較することで、露出面21Bの色変化の有無や色変化の程度を明らかにするための手段であり、通常は、含硫黄化合物との接触前の露出面21Bと実質的に同一の色であることが好ましい。また、第2比較部3Bは、前記露出面21Bの含硫黄化合物との接触時に色変化を実質的に生じないものが好ましい。
そして、第3比較部3Cは、第3検出部2C(露出面21C)と色を比較することで、露出面21Cの色変化の有無や色変化の程度を明らかにするための手段であり、通常は、含硫黄化合物との接触前の露出面21Cと実質的に同一の色であることが好ましい。また、第3比較部3Cは、前記露出面21Cの含硫黄化合物との接触時に色変化を実質的に生じないものが好ましい。
第1比較部3A〜第3比較部3Cは、上記の色に関する特性を有していれば、その材質は特に限定されず、例えば、染料、顔料等、公知の着色剤を用いることができ、前記露出面21A〜21Cと同じ材質とすることもできる。また、第1比較部3A〜第3比較部3Cは、第1検出部2A〜第3検出部2Cと同様に、すべての部位が同じ材質でもよいし、表面31A〜31Cとその他の部位とで異なる材質であるなど、材質が異なる部位を有していてもよい。そして、第1比較部3A〜第3比較部3Cの間でこれらの材質は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
ここに示す第1比較部3A〜第3比較部3Cは、保護膜4で覆われており、含硫黄化合物との接触が防止されているため、これら比較部の材質は、例えば、含硫黄化合物との接触により色変化を生じるものであってもよいし、生じないものであってもよい。これら比較部の材質が、含硫黄化合物との接触により色変化を生じるものであっても、前記露出面21A〜21Cの含硫黄化合物との接触時において、これら比較部は、保護膜4により含硫黄化合物との接触が防止されるため、色変化が生じることが無く、前記露出面21A〜21Cの色変化の有無や程度を明らかにするための比較対象色である状態を維持できる。そして、これら比較部の材質を、前記露出面21A〜21Cのいずれかと同じ材質とすることにより、検出装置1をより容易に製造できる。
保護膜4は、フィルム状又はシート状であり、含硫黄化合物を透過させないもので、透明であれば、その材質は特に限定されず、例えば、基材5の材質として挙げた前記合成樹脂のうち、透明なものが例示でき、無色のものが好ましい。
保護膜4は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、これら複数層は、上記の基材5と同様の構成とすることができる。
保護膜4の厚さは特に限定されず、その材質に応じて適宜選択すればよい。
保護膜4は、ここでは、第1比較部3A〜第3比較部3Cの表面との間に隙間を設けて、これら比較部と接触せずに配置されているが、図2(a)に例示するように、これら比較部表面の少なくとも一部に接触して配置されていてもよいし、図2(b)に例示するように、これら比較部の表面全面に接触して配置されて(表面全面を被覆して)いてもよい。なお、図2において、図1に示す要素と同じものには図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは、図3以降においても同様である。
保護膜4と第1比較部3A〜第3比較部3Cの表面との間に隙間を設ける場合、この隙間は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスが充填されていることが好ましい。
また、保護膜4は、ここでは、第1比較部3A〜第3比較部3Cを一体に(一枚の保護膜4で第1比較部3A〜第3比較部3Cをすべて)覆っているが、第1比較部3A〜第3比較部3Cの一部又はすべてを別々に(複数枚の保護膜4で第1比較部3A〜第3比較部3Cの一部又はすべてを別々に)覆っていてもよい。
本発明においては、フィルム状又はシート状の保護膜4に代えて、例えば肉厚のものなど、その他の形態のものを保護手段として用いてもよい。
第1検出部2A〜第3検出部2C(露出面21A〜21C)は、検出装置1の使用開始前までは、外気及び含硫黄化合物との接触が防止されていることが好ましい。すなわち、検出装置1は、所望の時期に取り外し可能で、第1検出部2A〜第3検出部2Cの外気及び含硫黄化合物との接触を防止する手段(接触防止手段)を備えていることが好ましい。特に検出装置1を長時間保存する場合には、このようにすることで、検出装置1の使用開始前まで、第1検出部2A〜第3検出部2Cの含硫黄化合物による変色や、外気による酸化等の変質が抑制され、含硫黄化合物をより高精度に検出できる。
図3は、このような検出装置1を例示する概略正面図である。
ここに示す検出装置1は、第1検出部2A〜第3検出部2Cが保護膜6で覆われている。以下、第1検出部2A〜第3検出部2Cが保護膜(保護手段)で覆われている場合、これを第2保護膜(第2保護手段)といい、第1比較部3A〜第3比較部3Cを覆っている保護膜(保護手段)を第1保護膜(第1保護手段)ということで、これらを互いに区別する。
ここで、第1検出部2A〜第3検出部2Cは、第1比較部3A〜第3比較部3Cが第1保護膜4で覆われているのと同様の方法で、第2保護膜6で覆われている。
第2保護膜6等の第2保護手段としては、第1保護膜4等の第1保護手段と同様のものを用いることができるが、材質は必ずしも透明でなくてもよく、例えば、基材5の材質として挙げた前記合成樹脂のうちから、目的に応じて適宜選択できる。
前記接触防止手段としては、第2保護手段以外のものを用いてもよく、例えば、第1検出部2A〜第3検出部2C(露出面21A〜21C)は、検出装置1全体が封止されていることにより、外気及び含硫黄化合物との接触が防止されていてもよい。
図4は、このように封止された検出装置1を例示する概略断面図である。
ここに示す検出装置1は、封止袋9に封入されて全体が封止されている。そして、封止袋9の内部は、上記の保護膜4を用いた場合の隙間と同様に、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスが充填されていることが好ましい。
なお、本発明においては、袋状の封止袋9に代えて、例えば肉厚のもので成型されたケース状のものなど、その他の形態のものを封止手段として用いてもよい。
封止袋9等の封止手段の材質や厚さ等は、第2保護手段と同様とすることができる。
検出装置1を含硫黄化合物に曝露することにより、第1検出部2A〜第3検出部2C(露出面21A〜21C)の少なくともいずれかは含硫黄化合物との接触により、色変化を生じる。一方、第1比較部3A〜第3比較部3Cは、この間、色変化を生じない。したがって、検出装置1を含硫黄化合物に曝露した後、第1検知手段20A〜第3検知手段20Cにおいて、それぞれ検出部及び比較部(例えば、第1検知手段20Aにおいては、第1検出部2A及び第1比較部3A)の色を比較することで、色変化を生じた検出部を簡便且つ正確に特定できる。検出部は、当初、検出装置1の含硫黄化合物への曝露時間の経過と共に徐々に濃色化が進行し、通常は曝露時間を十分に長くすることで濃色化が停止して、含硫黄化合物への曝露前からの色変化が最大となる。そして、露出面21A〜21Cにおいて、その表面粗さに応じて、色変化を生じるときの含硫黄化合物の曝露量(濃度)の値(好ましくは最小値)が予め特定されていれば、この特定値を参考に、含硫黄化合物の曝露量を高精度に、且つ簡便に特定できる。具体的には、以下のとおりである。
例えば、露出面21A〜21Cの表面粗さがすべて互いに異なり、検出部の色変化を目視で確認する場合を考える。第1検出部2A〜第3検出部2Cのうち1個の検出部のみで色変化を生じた場合、この検出部は、露出面の表面粗さが最大のものであり、含硫黄化合物の曝露量(濃度)は、その検出部の前記特定値以上であり、露出面の表面粗さが2番目に大きい検出部の前記特定値よりも小さいと判断できる。
一方、第1検出部2A〜第3検出部2Cのうち2個の検出部で色変化を生じた場合、含硫黄化合物の曝露量(濃度)は、これら色変化を生じた検出部のうち、露出面の表面粗さが小さい方の検出部の前記特定値以上であり、色変化を生じなかった残りの1個の検出部の前記特定値よりも小さいと判断できる。
そして、第1検出部2A〜第3検出部2Cのすべてで色変化を生じた場合、含硫黄化合物の曝露量(濃度)は、露出面の表面粗さが最小の検出部の前記特定値以上であると判断できる。
なお、目視で色変化を確認できなかった検出部も、例えば、分光濃度計を用いて、L、a、b等を測定すれば、小さいながらも色変化を生じていると確認できる場合がある。
検出装置1は、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部構成が変更されていてもよい。
例えば、第1比較部3A〜第3比較部3Cの1個以上が、含硫黄化合物との接触により色変化を生じないものである場合には、その比較部は保護膜(第1保護膜)4で覆われていなくてもよい。
また、ここでは、第1比較部3A〜第3比較部3Cが基材5との間で保護膜4により封止されているものを示しているが、これら比較部は保護膜4等の保護手段により封止されていなくてもよい。このような比較部としては、一部に切れ込みや切欠きが設けられた保護膜4で覆われたもの、一部が基材5との間で密着されずに隙間が設けられた保護膜4で覆われたものなど、封止されてはいないが保護手段で覆われたものが例示できる。この場合の保護手段としては、フィルム状又はシート状の保護手段で、その一部の周縁部を基材5に対して固定し、第1比較部3A〜第3比較部3Cをのれん状に覆ったものが例示できるが、これに限定されない。このように封止されずに保護された比較部でも、例えば、含硫黄化合物が液体である場合や、含硫黄化合物が液体中に含まれている場合等であれば、含硫黄化合物との接触が十分に防止される。
また、ここでは、保護膜4として透明なものを示しているが、本発明においてはこれに限定されない。第1比較部3A〜第3比較部3Cの色を確認するためには、例えば、検出装置1の含硫黄化合物への曝露終了後であれば、保護膜4を取り外してもよいし、上記のように保護膜4が第1比較部3A〜第3比較部3Cを封止していない場合には、保護膜4をめくったり、封止している場合でも、一部に切れ込みや切欠きを設けて保護膜4をめくるなど、保護膜4を変形させてもよく、これらの場合には、保護膜4が透明でなくてもよい。このように、透明ではない保護手段の材質としては、基材5の材質として挙げたもの全般や、皮革など、含硫黄化合物の比較部3A〜第3比較部3Cへの接触を防止できるものであれば、任意に選択して使用できる。
また、ここでは、検知手段として第1検知手段20A〜第3検知手段20Cの3個を備えたものを示しているが、検知手段の数は2個以上であればよく、検出部として露出面の表面粗さが異なるものを備えた検知手段の数が多いほど、含硫黄化合物の曝露量をより高精度に特定できる。検出装置1の製造の容易さも考慮すると、検出部として露出面の表面粗さが異なるものを備えた検知手段の数は、3〜6個であることが好ましい。
<<含硫黄化合物検出装置の製造方法>>
検出装置1は、例えば、以下に示す方法で製造できる。
まず、基材5上に、第1検出部2A〜第3検出部2C、及び第1比較部3A〜第3比較部3Cを形成する。これらを形成する順序は特に限定されず、例えば、第1検出部2A〜第3検出部2Cを先に形成してもよいし、第1比較部3A〜第3比較部3Cを先に形成してもよい。また、これら検出部及び比較部を区別することなく、これら6個を任意の順序で形成してもよい。例えば、第1検出部2A及び第1比較部3Aを同じ材質で構成するなど、検知手段ごとに同じ材質を用いる場合には、検知手段ごとに任意の順序で形成することにより、検出装置1をより簡便に製造できる。
<検出部の形成>
まず、第1検出部2A〜第3検出部2Cの形成方法について、説明する。
第1検出部2A〜第3検出部2Cは、金属銀の形成材料を用いて形成する。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成するものである。
本発明において、金属銀の形成材料は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
[カルボン酸銀]
金属銀の形成材料としては、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀が例示できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−C(=O)−OAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」、「CY−」及び「R−C(=O)−CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R−C(=O)−CY−」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
前記β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
第1検出部2A〜第3検出部2Cは、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を調製し、これを基材5上に付着させて、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理を適宜選択して行うことで形成できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
銀インク組成物としては、液状のものが好ましく、金属銀の形成材料が均一に分散されたものが好ましい。
銀インク組成物において、金属銀の形成材料に由来する銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、例えば、銀インク組成物の粘度がより高くなり、後述するようなインクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用が容易になるなど、基材5へ銀インク組成物を付着させる方法の選択肢が広がる。また、銀インク組成物を厚盛りした場合には、乾燥条件を調節することにより、第1検出部2A〜第3検出部2Cの露出面21A〜21Cについて、表面状態の調節が容易となり、含硫黄化合物の検出精度をより向上させることができる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると25質量%であることが好ましい。
なお、本明細書において、「金属銀の形成材料に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合された金属銀の形成材料中の銀を意味し、配合後に引き続き金属銀の形成材料を構成している銀と、配合後に金属銀の形成材料が分解して生じた分解物中の銀及び銀自体と、の両方を含む概念とする。
[含窒素化合物]
前記銀インク組成物は、特に金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらに、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)が配合されてなるものが好ましい。
以下、炭素数25以下のアミン化合物を「アミン化合物」、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩を「第4級アンモニウム塩」、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩を「アミン化合物由来のアンモニウム塩」、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩を「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本発明において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
また、後述する二酸化炭素供給時において、銀インク組成物(第二の混合物)中の成分がより均一に分散して、品質が安定することから、前記アミン化合物は分岐鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.4〜15モルであることが好ましく、0.8〜5モルであることがより好ましい。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は、銀インク組成物の安定性がより向上する。さらに、高温による加熱処理を行わなくても、より安定して第1検出部2A〜第3検出部2Cを形成できる。
[還元剤]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものでもよい。還元剤を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、低温での加熱処理でも十分な導電性を有する金属銀(導電体)を形成できる。
そして、前記還元剤は、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)であることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
(還元性化合物)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(HN−NH)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。
21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基が例示できる。
21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(HN−NH・HO)を用いてもよい。
前記還元性化合物は、ギ酸(H−C(=O)−OH)、ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCHCH)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CHCH)、プロパナール(H−C(=O)−CHCH)、ブタナール(H−C(=O)−(CHCH)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CHCH)、ホルムアミド(H−C(=O)−NH)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH)又はシュウ酸であることが好ましい。
銀インク組成物において、前記還元性化合物の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.04〜3.5モルであることが好ましく、0.06〜2.5モルであることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物は、より容易に、より安定して第1検出部2A〜第3検出部2Cを形成できる。
[アルコール]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
(アセチレンアルコール(2))
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.02〜0.7モルであることが好ましく、0.03〜0.3モルであることがより好ましい。このような範囲とすることで、銀インク組成物の安定性がより向上する。
本発明においては、銀インク組成物におけるアセチレンアルコール(2)の配合量を調節することで、第1検出部2A〜第3検出部2Cの露出面21A〜21Cの表面粗さを調節できる。すなわち、アセチレンアルコール(2)の配合量が互いに異なる銀インク組成物を用いて、基材5上に金属銀をそれぞれ形成することで、得られた露出面は、表面粗さが互いに異なるものとなる。具体的には、銀インク組成物におけるアセチレンアルコール(2)の配合量を多くするほど、露出面21A〜21Cの表面粗さを小さくできる。
前記アルコールは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
[その他の成分]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤及びアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましいものとしては、アルコール以外の溶媒が例示でき、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、及び前記金属銀の形成材料以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10〜120分であることが好ましい。
[二酸化炭素]
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
二酸化炭素は、銀インク組成物製造時のいずれの時期に供給してもよい。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合されてなる第一の混合物に、二酸化炭素を供給して第二の混合物とし、必要に応じて前記第二の混合物に、さらに、還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第一の混合物及び第二の混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
前記第一の混合物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。
第一の混合物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
第一の混合物製造時の配合温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
第一の混合物に供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状及び固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状及び固形状の両方でもよい。二酸化炭素が供給されることにより、この二酸化炭素が第一の混合物に溶け込み、第一の混合物中の成分に作用することで、得られる第二の混合物の粘度が上昇すると推測される。
二酸化炭素ガスの供給は、液体中にガスを吹き込む公知の各種方法で行えばよく、適した供給方法を適宜選択すればよい。例えば、配管の一端を第一の混合物中に浸漬し、他端を二酸化炭素ガスの供給源に接続して、この配管を通じて二酸化炭素ガスを第一の混合物に供給する方法が例示できる。この時、配管の端部から直接二酸化炭素ガスを供給してもよいが、例えば、多孔質性のものなど、ガスの流路となり得る空隙部が多数設けられ、導入されたガスを拡散させて微小な気泡として放出することが可能なガス拡散部材を配管の端部に接続し、このガス拡散部材を介して二酸化炭素ガスを供給してもよい。また、第一の混合物の製造時と同様の方法で、第一の混合物を撹拌しながら二酸化炭素ガスを供給してもよい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
二酸化炭素ガスの供給量は、供給先の第一の混合物の量や、目的とする銀インク組成物又は第二の混合物の粘度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、20〜25℃における粘度が5Pa・s以上である銀インク組成物を90〜1000g程度得るためには、二酸化炭素ガスを50L以上供給することが好ましく、70L以上供給することがより好ましい。なお、ここでは銀インク組成物の20〜25℃における粘度について説明したが、銀インク組成物の使用時の温度は、20〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
二酸化炭素ガスの流量は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量を考慮して適宜調節すればよいが、第一の混合物1gあたり0.5mL/分以上であることが好ましく、1mL/分以上であることがより好ましい。流量の上限値は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると、混合物1gあたり40mL/分であることが好ましい。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい
二酸化炭素ガス供給時の第一の混合物の温度は、5〜70℃であることが好ましく、7〜60℃であることがより好ましく、10〜50℃であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、より効率的に二酸化炭素を供給でき、上限値以下とすることで、不純物が少ないより良好な品質の銀インク組成物が得られる。
二酸化炭素ガスの流量及び供給時間、並びに二酸化炭素ガス供給時の前記温度は、それぞれの値を相互に考慮しながら適した範囲に調節すればよい。例えば、前記温度を低めに設定しても、二酸化炭素ガスの流量を多めに設定するか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。また、二酸化炭素ガスの流量を少なめに設定しても、前記温度を高めにするか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。すなわち、二酸化炭素ガスの流量、二酸化炭素ガス供給時の前記温度として例示した上記数値範囲の中の数値を、二酸化炭素ガスの供給時間も考慮しつつ柔軟に組み合わせることで、良好な品質の銀インク組成物が効率的に得られる。
二酸化炭素ガスの供給は、第一の混合物を撹拌しながら行うことが好ましい。このようにすることで、供給した二酸化炭素ガスがより均一に第一の混合物中に拡散し、より効率的に二酸化炭素を供給できる。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイス(固形状二酸化炭素)の供給は、第一の混合物中にドライアイスを添加することで行えばよい。ドライアイスは、全量を一括して添加してもよいし、分割して段階的に(添加を行わない時間帯を挟んで連続的に)添加してもよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、第一の混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
第二の混合物の粘度は、銀インク組成物又は第二の混合物の取り扱い方法など、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、銀インク組成物をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、第二の混合物の20〜25℃における粘度は、3Pa・s以上であることが好ましい。なお、ここでは第二の混合物の20〜25℃における粘度について説明したが、第二の混合物の使用時の温度は、20〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
前記第二の混合物には、さらに、還元剤を配合して、銀インク組成物とすることができる。
このときの銀インク組成物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。そして、得られた銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
還元剤配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
前記その他の成分は、先に説明したように、前記第一の混合物及び第二の混合物のいずれかの製造時に配合されてもよく、両方の製造時に配合されてもよい。すなわち、第一の混合物及び第二の混合物を経て銀インク組成物を製造する過程において、二酸化炭素以外の配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率([その他の成分(質量)]/[金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤、アルコール、及びその他の成分(質量)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
例えば、還元剤の配合時には、得られる配合物(銀インク組成物)は比較的発熱し易い。そして、還元剤の配合時の温度が高い場合、この配合物は、後述する銀インク組成物の加熱処理時と同様の状態になるため、還元剤による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電体(金属銀)を形成できることがある。また、還元剤の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電体を形成できることがある。このように、前記カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱処理で、あるいは加熱処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電体を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
前記第二の混合物に、還元剤をはじめ、何らかの成分を配合する必要がない場合には、第二の混合物をそのまま銀インク組成物とすることができる。
ただし、この場合の二酸化炭素が供給されてなる銀インク組成物は、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、20〜25℃における粘度が、1Pa・s以上であることが好ましい。
銀インク組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材5上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
第1検出部2A〜第3検出部2Cは、基材5上に付着させる銀インク組成物の量、又は銀インク組成物における前記金属銀の形成材料の配合量を調節することで、厚さを調節できる。
基材5上に付着させた銀インク組成物を乾燥処理する場合には、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
基材5上に付着させた銀インク組成物を加熱(焼成)処理する場合、その条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が60〜200℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜10時間であることがより好ましい。また、3分間以内程度の短時間、前記範囲よりも高い温度でさらに加熱処理してもよい。前記カルボン酸銀の中でもβ−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等の従来の金属銀形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、従来のものより極めて低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱、遠赤外線照射による加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。そして、常圧下及び減圧下のいずれで行ってもよい。
このように金属銀の形成材料を用いることで、基材5上には、露出面をはじめとするすべての部位が金属銀からなる、又は金属銀を主成分とする、第1検出部2A〜第3検出部2Cが形成される。
そして、第1検出部2A〜第3検出部2Cの露出面21A〜21Cの表面粗さは、上記のように、銀インク組成物におけるアセチレンアルコール(2)の配合量により調節されるが、それ以外では、例えば、基材5や後述する受容層等の、第1検出部2A〜第3検出部2Cの形成面の種類、銀インク組成物のアセチレンアルコール(2)以外の配合成分の種類及び配合量、銀インク組成物を基材5上に付着させる方法(例えば、印刷法での版形状等)、銀インク組成物を加熱処理するときの温度及び時間によっても、調節される。ただし、アセチレンアルコール(2)の配合量によれば、簡便に精度よく表面粗さを調節できる。
第1検出部2A〜第3検出部2Cのいずれかにおいて、露出面以外の部位が露出面とは異なる材質からなる場合、このような検出部は、例えば、露出面以外の部位を公知の方法に従って基材5上に形成し、この部位の上に、銀インク組成物を用いて、上記と同様の方法で金属銀を形成して、前記露出面とすればよい。このような材質が異なる部位を有する検出部としては、基材5上に受容層を介して銀層が積層されてなり、前記受容層が銀層と基材5との密着強度を向上させるためのものである検出部(受容層及び銀層が積層されてなる検出部)が例示できる。受容層は、例えば、受容層を構成するための成分が配合された受容層形成用組成物を用い、これを基材5上に付着させて、加熱処理等の後処理を適宜行うことで形成できる。
<比較部の形成>
次に、第1比較部3A〜第3比較部3Cの形成方法について、説明する。
第1比較部3A〜第3比較部3Cの形成方法は、これらの材質に応じて、適した方法を選択すればよい。
例えば、第1比較部3A〜第3比較部3Cを前記露出面21A〜21C(第1検出部2A〜第3検出部2C)と同じ材質とする場合には、上記の銀インク組成物を用いて、第1検出部2A〜第3検出部2Cを形成する方法と同様の方法で、第1比較部3A〜第3比較部3Cを形成すればよい。
また、第1比較部3A〜第3比較部3Cを前記露出面21A〜21Cとは異なる材質とする場合には、例えば、染料、顔料等、公知の着色剤を用い、各種印刷法を適用して、第1比較部3A〜第3比較部3Cを形成できる。ここで、印刷法としては、銀インク組成物を基材5上に付着させる印刷法として挙げたものが例示できる。
そして、第1検出部2A〜第3検出部2Cと同様に、第1比較部3A〜第3比較部3Cのいずれかにおいて、表面以外の部位が表面とは異なる材質からなるものとすることもできる。
<保護膜(第1保護膜)の配置>
第1比較部3A〜第3比較部3Cの少なくともいずれかを保護膜(第1保護膜)4で覆う場合には、対象となる比較部の形成後であれば、いずれのタイミングでその比較部を覆ってもよい。
保護膜4は、公知の方法で基材5上に固定化して配置すればよく、接着層を介して基材5上に固定化する方法、熱融着により基材5上に固定化する方法、硬化性樹脂を基材5及び比較部上に塗布し、硬化させて保護膜4を形成することにより固定化する方法等が例示できるが、これらに限定されない。保護膜4の配置時には、必要に応じて、基材5又は比較部との間に不活性ガスを導入する。
<接触防止手段の配置>
第1検出部2A〜第3検出部2C(露出面21A〜21C)について、前記接触防止手段を配置して外気及び含硫黄化合物との接触を防止する場合には、これら検出部の形成後であれば、いずれのタイミングで接触防止手段を配置してもよい。
接触防止手段として第2保護膜6を用いる場合には、上記の第1保護膜4の場合と同様の方法で、第2保護膜6を基材5上に配置すればよい。
接触防止手段として封止袋9を用いる場合には、検出装置1が封入され、必要に応じて不活性ガスが導入された開口状態の封止袋9において、熱融着等の公知の手法により、開口部を封止すればよい。
本発明に係る検出装置は、電子回路が不要であり、別途各種測定機器を設ける必要もないなど、簡略化された構造を有するため、上記の説明のように簡便な工程で安価に製造可能である。そして、検出対象物に曝露するだけで、高精度で簡便に含硫黄化合物を検出できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<銀インク組成物の製造>
[製造例1]
2−エチルヘキシルアミン(0.428モル)をフラスコ内に添加し、さらにここへ、氷冷下2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)を添加して撹拌することで、混合物を得た。なお、撹拌は、SUS製で長さ25mmの撹拌片を3枚供えた撹拌翼を使用して行った。各成分の配合量のモル比を表1に示す。なお、表1中、「−」はその成分が未配合であることを意味する。
次いで、得られた混合物の全量を15℃において、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、ここへ650mL/分の流量で二酸化炭素(CO)ガスを120分間供給(バブリング)し、銀インク組成物を得た。二酸化炭素ガスは、直径10mm、高さ180mmの円柱形エアストーンを介して、微細な気泡状として供給した。得られた銀インク組成物の粘度を下記方法で測定したところ、10Pa・sであった。
(粘度の測定方法)
測定対象物(5g)について、温度20℃の環境下で、超音波振動式粘度計(CBC社製「VISCOMATE VM−10A」)のセンサー(振動体)を挿入して、粘度を測定した。
[製造例2]
2−エチルヘキシルアミン(0.428モル)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(0.0079モル)をフラスコ内に添加して撹拌し、さらにここへ、氷冷下2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)を添加して撹拌することで、混合物を得たこと以外は、製造例1と同様の方法で銀インク組成物を製造した。得られた銀インク組成物の粘度を測定したところ、10Pa・sであった。
[製造例3]
2−エチルヘキシルアミン(0.428モル)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(0.019モル)をフラスコ内に添加して撹拌し、さらにここへ、氷冷下2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)を添加して撹拌することで、混合物を得たこと以外は、製造例1と同様の方法で銀インク組成物を製造した。得られた銀インク組成物の粘度を測定したところ、10Pa・sであった。
<検出装置の製造>
[実施例1]
製造例1〜3で得られた銀インク組成物を用いて、図1に示す検出装置を製造した。具体的には、以下のとおりである。
第1検出部及び第1比較部の形成に、製造例1で得られた銀インク組成物を用い、第2検出部及び第2比較部の形成に、製造例2で得られた銀インク組成物を用い、第3検出部及び第3比較部の形成に、製造例3で得られた銀インク組成物を用い、ポリエチレンナフタレート(PEN)製の基材(厚さ0.1mm)に対して、これら銀インク組成物を用いてスクリーン印刷を行った。スクリーン版としては、カレンダー処理を行ったステンレス製のものを用い、乳剤厚10μmの条件で印刷した。そして、得られた印刷パターンを、80℃で30分間の熱風吹き付けによる加熱処理、150℃で30分間の熱風吹き付けによる加熱処理を順次行い、3cm×3cmの四角形状の金属銀のパターンを6個形成し、第1検出部〜第3検出部、及び第1比較部〜第3比較部とした。
次いで、第1比較部〜第3比較部を、一枚のPEN製の透明フィルムで一体に覆うことにより、検出装置とした。
<検出装置の評価>
(検出部の露出面の観察、表面粗さの測定)
実施例1で得られた検出装置のうち、第1検出部〜第3検出部の露出面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。このとき取得した撮像データを図5に示す。図5中、(a)は第1検出部、(b)は第2検出部、(c)は第3検出部の露出面の撮像データである。なお、第1比較部〜第3比較部の表面も同様にSEMで観察したところ、第1比較部の表面は第1検出部の露出面と同様であり、第2比較部の表面は第2検出部の露出面と同様であり、第3比較部の表面は第3検出部の露出面と同様であった。
また、第1検出部〜第3検出部の露出面について、形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて、表面粗さ(算術平均表面粗さRa)を測定した。結果を表2に示す。
(含硫黄化合物の検出)
実施例1で得られた検出装置を密閉容器内に配置し、この密閉容器内の条件を、硫化水素ガスの濃度が3ppm、相対湿度(RH)が80%、温度が40℃となるようにそれぞれ調節して、検出装置(第1検出部〜第3検出部)を硫化水素に所定時間曝露した。この間、曝露開始から4時間後、8時間後及び16時間後に密閉容器内から検出装置を取り出し、第1検出部〜第3検出部の露出面について、色変化の度合いを以下の方法で確認した。
すなわち、検出装置を密閉容器内に配置する直前の前記露出面(以下、「曝露開始直前の露出面」と略記する)と、検出装置を密閉容器内に配置してt時間後の前記露出面(以下、「曝露開始t時間後の露出面」と略記する)について、分光濃度計「X−rite 530」(エックスライト社製)を用いて、L、a、bを測定した。
次いで、得られたL、a、bの測定値から、下記式(I)にしたがって色差(ΔE)を算出した。第1検出部及び第3検出部についての結果を図6に示す。図6中、横軸の「時間0h」とは、t=0時間、すなわち、検出装置を密閉容器内に配置する直前(前記露出面の硫化水素への曝露開始直前)であることを意味する。
ΔE=[(L −L +(a −a +(b −b 1/2 ・・・(I)
(式中、L は曝露開始t時間後の露出面のLの値であり、L は曝露開始直前の露出面のLの値であり、a は曝露開始t時間後の露出面のaの値であり、a は曝露開始直前の露出面のaの値であり、b は曝露開始t時間後の露出面のbの値であり、b は曝露開始直前の露出面のbの値である。)
表2に示すように、第1検出部〜第3検出部は、形成に用いた銀インク組成物のアセチレンアルコール(2)の配合量が多いほど、露出面の表面粗さが小さかった。
一方、検出装置の硫化水素への曝露中(0<t≦16)に、第1比較部〜第3比較部の表面は、色変化を生じていなかったのに対し、第1検出部〜第3検出部の前記露出面は、色変化を生じていることが目視で確認でき、第1検出部、第2検出部、第3検出部の順に色変化の度合いが大きかった。そして、図6に示すように、曝露開始16時間後(t=16)の段階で、第1検出部の露出面は色変化(濃色化)がまだ進行中であることが示唆されたのに対し、第3検出部の露出面は色変化(濃色化)が停止していることが示唆された。
このように、実施例1の検出装置は、簡略化された構造でありながら、簡便に含硫黄化合物を検出できることが確認できた。
本発明は、含硫黄化合物の検出に利用可能であり、例えば、電子機器の品質管理分野において、有用である。
1・・・含硫黄化合物検出装置、2A・・・第1検出部、2B・・・第2検出部、2C・・・第3検出部、20A・・・第1検知手段、20B・・・第2検知手段、20C・・・第3検知手段、21A・・・第1検出部の露出面、21B・・・第2検出部の露出面、21C・・・第3検出部の露出面、3A・・・第1比較部、3B・・・第2比較部、3C・・・第3比較部、31A・・・第1比較部の表面、31B・・・第2比較部の表面、31C・・・第3比較部の表面、4・・・保護膜

Claims (4)

  1. 含硫黄化合物との接触により色変化を生じる含硫黄化合物の検出部と、前記検出部と色を比較するための比較部と、の組合せを複数個備え、
    前記検出部は、金属銀を含む露出面を有し、前記露出面の表面粗さが、一部又はすべての前記組み合わせの間で互いに異なることを特徴とする含硫黄化合物検出装置。
  2. 前記比較部が金属銀を含む表面を有し、前記比較部が含硫黄化合物との接触を防止する保護手段で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の含硫黄化合物検出装置。
  3. 式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、が配合されてなる銀インク組成物を用いて、前記検出部における金属銀、又は前記検出部及び比較部における金属銀が、形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の含硫黄化合物検出装置。
  4. 前記銀インク組成物として、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類の配合量が互いに異なるものを用いて、前記露出面の表面粗さが互いに異なる、前記検出部における金属銀が形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の含硫黄化合物検出装置。
    (式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
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