JP6117567B2 - 銀インク組成物及び導電体 - Google Patents
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Description
金属銀の一般的な製造方法としては、これまで、無機化合物である酸化銀を還元剤の存在下で加熱処理する方法が幅広く適用されている。このような条件下で加熱することにより、酸化銀が還元され、生じた金属銀が相互に融着して、金属銀を含む被膜が形成される。しかし、この方法では、還元剤が必要であり、約300℃程度と極めて高温で加熱する必要がある。さらに、金属銀を導電性材料として使用する場合には、抵抗を低減するために、微細な酸化銀粒子を使用する必要がある。
本発明は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、が配合されてなる銀インク組成物であって、前記カルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、2−アセチルピバロイル酢酸銀及び2−アセチルイソブチリル酢酸銀からなる群から選択される一種以上であり、前記含窒素化合物が2−エチルヘキシルアミンであり、前記含窒素化合物の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり3モル以下であることを特徴とする銀インク組成物を提供する。
本発明に係る銀インク組成物は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀(以下、単に「カルボン酸銀」と略記することがある)と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)と、が配合されてなり、前記含窒素化合物の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり4モル未満であることを特徴とする。
モル数をこのように規定することで、銀インク組成物は、前記含窒素化合物に該当しない溶媒を別途配合しなくても、高粘度で高濃度のまま、製造直後から保存時に至るまで、金属銀以外の結晶の析出が抑制され、品質変化が抑制される。したがって、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等への適用に好適である。また、銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られた導電体(金属銀)は、導電性が高く、実用性に優れる。なお、後述するように、銀インク組成物中での金属銀の析出は、銀インク組成物の取り扱い性や、銀インク組成物を用いて形成する導電体の品質を悪化させるものではない。本明細書においては、特に断りの無い限り、銀インク組成物中での「結晶の析出」とは、金属銀以外の結晶の析出を意味するものとする。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY2−」、「CY3−」、「R1−CHY−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY−」若しくは「R6−C(=O)−CY2−」で表される基である。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−COOAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
本発明において、前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記銀インク組成物は、例えば、二酸化炭素を供給することで、粘度をさらに高くすることが可能であるが、この二酸化炭素供給時において、銀インク組成物中の成分がより均一に分散して、品質が安定する点において、前記アミン化合物は分岐鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
これに対して、前記含窒素化合物の配合量を上記の範囲外とした場合には、組成物は結晶が析出し易く、さらに時間の経過と共に結晶の析出量が増加し易いので、印刷への適用に適さない。組成物に別途溶媒を配合することで、析出した結晶を溶解又は低減することは可能であるが、銀濃度及び粘度が低下してしまうため、このような組成物はスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等への適用には適さず、印刷法が限定されてしまう。また、組成物を加熱することでも、析出した結晶を溶解又は低減することは可能であるが、組成物の取り扱い性が悪くなってしまい、実用性が低下してしまう。
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀及び含窒素化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記銀インク組成物は、前記カルボン酸銀及び含窒素化合物、並びに必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、5〜120分であることが好ましい。
本発明に係る導電体は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とし、金属銀を主成分とするものである。ここで、「金属銀を主成分とする」とは、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高いことを意味し、例えば、導電体中の金属銀の比率は99質量%以上であることが好ましい。
基材は、フィルム状又はシート状であることが好ましく、厚さが10〜5000μmであることが好ましい。
また、基材の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が例示できる。
また、基材は、ガラスエポキシ樹脂等の、二種以上の材質からなるものでもよい。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
また、前記導電体は、銀インク組成物を厚盛りすることで、厚さを好ましくは80nm以上、より好ましくは100nm以上とすることができる。
[実施例1]
5℃で冷却しながら、2−エチルヘキシルアミンに2−メチルアセト酢酸銀を添加して、25℃で2−メチルアセト酢酸銀がすべて溶解するまで撹拌することにより、銀インク組成物を得た。2−メチルアセト酢酸銀の添加中及び添加後は、混合物の温度を60℃以下となるように維持した。2−エチルヘキシルアミンの配合量は、2−メチルアセト酢酸銀の配合量に対して0.8倍モル量とした。得られた銀インク組成物は、2−メチルアセト酢酸銀の添加直後は黄色であったが、次第に乳白黄色となった。2−メチルアセト酢酸銀の添加後5分で撹拌を停止し、その後20℃で1日静置したところ、銀インク組成物は褐色になった。2−メチルアセト酢酸銀(カルボン酸銀)の配合量1モルあたりの2−エチルヘキシルアミン(含窒素化合物)の配合量(モル数)([含窒素化合物の配合量(モル)]/[カルボン酸銀の配合量(モル)])を、「モル比」として表1に示す。なお、以降の表における「モル比」も同様の意味である。
撹拌停止から2時間後のもの、撹拌停止後に20℃で1日静置後のもの、さらに20℃で6日(撹拌停止後に20℃で7日)静置後のもの、の三種類の銀インク組成物(5g)について、温度24℃の環境下で、超音波式粘度計(CBC社製「VISCOMATE VM−10A」)のセンサー(振動体)を挿入して、粘度を測定した。結果を表2に示す。
(印刷適性の評価基準)
○:良質なパターンを容易に印刷可能である。
×:パターンの質に問題があるか、パターンを印刷できない。
形成したパターンについて、線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm2)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、パターンの体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出した。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(三和電気計器社製「PC5000a」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて測定した。さらに、形成したパターンの厚さ(膜厚)を測定した。
これらの結果を表2に示す。
なお、表2中の「銀濃度(質量%)」とは、原料成分の配合量から算出した、銀インク組成物中の銀の濃度である。
前記モル比が表1に示す値となるように、2−エチルヘキシルアミンの配合量を変えたこと以外は、実施例1と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表2に示す。
[実施例13]
5℃で冷却しながら、2−エチルヘキシルアミンにイソブチリル酢酸銀を添加して、25℃でイソブチリル酢酸銀がすべて溶解するまで撹拌することにより、銀インク組成物を得た。イソブチリル酢酸銀の添加中及び添加後は、混合物の温度を60℃以下となるように維持した。2−エチルヘキシルアミンの配合量は、イソブチリル酢酸銀の配合量に対して1.5倍モル量とした。上記の点以外は、実施例1と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
前記モル比が表3に示す値となるように、2−エチルヘキシルアミンの配合量を変えたこと以外は、実施例13と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
5℃で冷却しながら、2−エチルヘキシルアミンにピバロイル酢酸銀を添加して、25℃でピバロイル酢酸銀がすべて溶解するまで撹拌することにより、銀インク組成物を得た。ピバロイル酢酸銀の添加中及び添加後は、混合物の温度を60℃以下となるように維持した。2−エチルヘキシルアミンの配合量は、ピバロイル酢酸銀の配合量に対して2.0倍モル量とした。上記の点以外は、実施例1と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
前記モル比が表3に示す値となるように、2−エチルヘキシルアミンの配合量を変えたこと以外は、実施例15と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
5℃で冷却しながら、2−エチルヘキシルアミンにアセト酢酸銀を添加して、25℃でアセト酢酸銀がすべて溶解するまで撹拌することにより、銀インク組成物を得た。アセト酢酸銀の添加中及び添加後は、混合物の温度を60℃以下となるように維持した。2−エチルヘキシルアミンの配合量は、アセト酢酸銀の配合量に対して1.5倍モル量とした。上記の点以外は、実施例1と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
前記モル比が表3に示す値となるように、2−エチルヘキシルアミンの配合量を変えたこと以外は、実施例16と同様に、導電体(金属銀)のパターンを形成し、銀インク組成物及びパターンを評価した。結果を表4に示す。
Claims (3)
- 式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、が配合されてなる銀インク組成物であって、
前記カルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、2−アセチルピバロイル酢酸銀及び2−アセチルイソブチリル酢酸銀からなる群から選択される一種以上であり、
前記含窒素化合物が2−エチルヘキシルアミンであり、
前記含窒素化合物の配合量が、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり3モル以下であることを特徴とする銀インク組成物。 - 前記カルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀及びアセト酢酸銀からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の銀インク組成物。
- 請求項1又は2に記載の銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とする導電体。
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