JP6041517B2 - 銀インク組成物 - Google Patents
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Description
金属銀の一般的な製造方法としては、これまで、無機化合物である酸化銀を還元剤の存在下で加熱処理する方法が幅広く適用されている。このような条件下で加熱することにより、酸化銀が還元され、生じた金属銀が相互に融着して、金属銀を含む被膜が形成される。しかし、この方法では、還元剤が必要であり、約300℃程度と極めて高温で加熱する必要がある。さらに、金属銀を導電性材料として使用する場合には、抵抗を低減するために、微細な酸化銀粒子を使用する必要がある。
本発明は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、20℃における粘度が1Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物を提供する。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R6O−」、「R6S−」、「R6−C(=O)−」若しくは「R6−C(=O)−O−」で表される基であり;R6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
本発明の銀インク組成物においては、前記β−ケトカルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ピバロイル酢酸銀及びベンゾイル酢酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明の銀インク組成物においては、前記アミン化合物として、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、n−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N−メチルベンジルアミン及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択される一種以上が配合されたことが好ましい。
本発明の銀インク組成物においては、前記アセチレンアルコール類が、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3−メチル−1−ペンチン−3−オールからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明の銀インク組成物においては、粘度が10Pa・s以上であることが好ましい。
本発明の銀インク組成物は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀」と略記する)と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール類」と略記する)と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、20℃における粘度が100mPa・s以上であることを特徴とする。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R6O−」、「R6S−」、「R6−C(=O)−」若しくは「R6−C(=O)−O−」で表される基であり;R6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
本発明において、β−ケトカルボン酸銀は、前記一般式(1)で表わされる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜6であることが好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の一つの単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様である。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるR6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(C4H3S−)、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C6H5−C6H4−)である。R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、R6におけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R6がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、二つのXは、二つのカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して一つの基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C6H4−NO2」で表される基が例示できる。
本発明において、アセチレンアルコール類は、前記一般式(2)で表わされる。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
本発明における炭素数2〜25のアミン化合物は、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、炭素数2〜25のアンモニウム塩とは、かかる炭素数の第4級アンモニウム塩である。前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子の数は一つでもよいし、二つ以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−プロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクタデシルアミン(ステアリルアミン)、シクロヘキシルアミンが例示でき、n−プロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミンがより好ましい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環の骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミンが例示できる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミンが例示できる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の四つのアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、四つのアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミドが例示できる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記混合物は、前記β−ケトカルボン酸銀、アセチレンアルコール類、並びにアミン化合物及び/又はアンモニウム塩以外に、本発明の効果を妨げない範囲内において、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されていてもよい。
前記その他の成分は特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、好ましいものとして溶媒が例示できる。
前記溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、一つ以上の水素原子がシアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素又は脂肪族炭化水素等の各種有機溶媒や、水が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記混合物は、前記β−ケトカルボン酸銀、アセチレンアルコール類、アミン化合物及び/又はアンモニウム塩、並びに必要に応じて前記その他の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
本発明の銀インク組成物は、20℃における粘度が100mPa・s(0.1Pa・s)以上となるように、前記混合物に二酸化炭素(CO2)ガスを供給して得られたものである。二酸化炭素ガスが前記混合物中に供給され、溶け込み、混合物中の成分に作用することで、得られる銀インク組成物の粘度が上昇すると推測される。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい
この時の撹拌方法は、混合物調製時の前記混合方法と同様でよい。
これに対して、本発明の銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀、アセチレンアルコール類、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩が配合された混合物に二酸化炭素ガスを供給して得ることで、所望の高粘度と安定した品質を有するものとなる。
[実施例1]
2−エチルヘキシルアミン(55.2g)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(2.4g)をフラスコ内に添加して撹拌し、さらにここへ、氷冷下2−メチルアセト酢酸銀(42.4g)を添加して撹拌することで、混合物を得た。得られた混合物の粘度を下記方法で測定した。なお、撹拌は、SUS製で長さ25mmの撹拌片を3枚供えた撹拌翼を使用して行った。各成分の配合量(モル数)を表1に示す。
次いで、得られた混合物(100g)を15℃において、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、ここへ650mL/分の流量で二酸化炭素(CO2)ガスを供給(バブリング)し、銀インク組成物を得た。二酸化炭素ガスは、直径10mm、高さ180mmの円柱形エアストーンを介して、微細な気泡状として供給した。二酸化炭素ガスのその他の供給条件を表2に示す。この間、二酸化炭素ガスの供給開始から所定時間ごとに銀インク組成物の粘度を下記方法で測定し、二酸化炭素ガスの供給時間(h)と銀インク組成物の粘度との関係を調べた。この時の測定結果を、二酸化炭素ガスの供給開始前(すなわち、混合物)の粘度と共に図1に示す。図1中、「CO2供給時間0(ゼロ)(h)」は、二酸化炭素ガスが供給前であることを示す。
温度20℃の環境下で、測定対象物である5gの前記混合物又は銀インク組成物中に、超音波式粘度計(CBC社製「VISCOMATE VM−10A」)のセンサー(振動体)を挿入して、前記混合物又は銀インク組成物の粘度を測定した。
また、保存前及び保存後の銀インク組成物をそれぞれ使用して、ポリエチレンナフタレート(PEN)製の基材に対してスクリーン印刷を行った。スクリーン版としては、カレンダー処理を行ったステンレス製のものを使用し、乳剤厚10μm、線径18μmの条件で印刷した。そして、得られた印刷パターンを、80℃で30分間の熱風吹き付けによる加熱処理、300℃で100秒間の遠赤外線照射による加熱処理、150℃で30分間の熱風吹き付けによる加熱処理を順次行い、長さが30mm、線幅が0.1mm、0.3mm及び0.5mmの細線パターンをそれぞれ含む金属銀のパターンを形成した。そして、そのうち、異なる4箇所の部位における30mm×0.5mmの細線パターンについて、下記方法により抵抗値を測定した。測定結果を図2に示す。なお、図2中の(1)〜(4)は、抵抗値を測定した金属銀の部位を示す。また、金属銀の光沢度を下記方法で測定した。測定結果を図3に示す。
テスター(SANWA社製「PC5000a」)を使用し、その端子を長さ30mmの細線の両端に接触させて、抵抗値を測定した。
(光沢度の測定)
光沢度計(GARDNER社製「micro−tri−gloss」)を使用し、金属銀のベタ面において、測定角度条件を85°として、光沢度を測定した。
二酸化炭素ガスの供給を、15℃に代えて30℃で行ったこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を図1に示す。なお、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
二酸化炭素ガスの供給を、15℃に代えて40℃で行ったこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を図1に示す。
さらに、実施例1と同様に銀インク組成物を保存し、保存前後の粘度を測定したところ、実施例1と同じ結果が得られた。また、銀インク組成物は、保存の前後を通じて、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
さらに、実施例1と同様に保存前後の銀インク組成物をそれぞれ使用して、金属銀のパターンを形成し、細線パターンの抵抗値を測定した。測定結果を図2に示す。また、金属銀の光沢度を測定した。測定結果を図3に示す。
また、図2から明らかなように、実施例1及び3のいずれにおいても、金属銀の細線パターンの抵抗値は、印刷部位によらず、そして銀インク組成物の保存前後によらず、ほぼ同じ値を示していた。さらに、実施例1及び3で互いにほぼ同じ値を示していた。
また、図3から明らかなように、金属銀の光沢度は、実施例1及び3のいずれにおいても、銀インク組成物の保存前後によらず、ほぼ同じ値を示していた。さらに、実施例1及び3で互いにほぼ同じ値を示していた。
このように、本発明の銀インク組成物は、二酸化炭素ガス供給時の温度が異なっていても、品質が極めて安定しており、線幅0.1〜0.5mm程度の微細な金属銀のパターンを再現性よく形成できた。
2−エチルヘキシルアミン(55.2g)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(2.4g)をフラスコ内に添加し、15℃において、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、ここへ650mL/分の流量で二酸化炭素ガスを供給(バブリング)して、比較用の混合物を得た。
次いで、この混合物に、氷冷下2−メチルアセト酢酸銀の添加を試みたが、少量添加しただけで激しく発泡し、2−メチルアセト酢酸銀を全量添加できず、目的とする銀インク組成物が得られなかった。これは、2−メチルアセト酢酸銀の添加時に、供給した二酸化炭素ガスが抜けてしまっているためである。なお、得られた銀インク組成物の粘度は、約300mPa・sであった。
このように、二酸化炭素ガスの供給時期が変わるだけで、目的とする銀インク組成物が得られなくなってしまうことを確認した。
二酸化炭素ガスの流量を650mL/分に代えて1040mL/分としたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を実施例1のものと共に図4に示す。
図4から明らかなように、二酸化炭素ガスの流量を増加させることで、同じ二酸化炭素ガスの供給時間で比較すると、銀インク組成物の粘度がさらに向上することを確認できた。また、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
二酸化炭素ガス供給時の撹拌翼での撹拌速度を100rpmに代えて300rpmとしたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を実施例1のものと共に図5に示す。
図5から明らかなように、回転数を増加させることで、同じ二酸化炭素ガスの供給時間で比較すると、銀インク組成物の粘度がさらに向上することを確認できた。また、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
実施例1と同様の方法で混合物を調製し、混合物の使用量を100gに代えて7gとし、二酸化炭素ガスの流量を650mL/分に代えて200mL/分としたこと以外は、実施例1と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を図6に示す。図6中、「CO2供給時間0(ゼロ)(min)」は、二酸化炭素ガスが供給前であることを示す。
図1及び6から明らかなように、混合物の単位使用量あたりの二酸化炭素ガスの流量を増加させることで、同じ二酸化炭素ガスの供給時間で比較すると、銀インク組成物の粘度がさらに向上することを確認できた。また、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
2−メチルアセト酢酸銀に代えて、アセト酢酸銀を同じモル数使用したこと以外は、実施例6と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を図6に示す。
図6から明らかなように、異なる種類のβ−ケトカルボン酸銀を使用しても、銀インク組成物の粘度が同様に向上することを確認できた。また、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
[実施例8]
2−エチルヘキシルアミン(3.86g)、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)(0.17g)をフラスコ内に添加して撹拌し、さらにここへ、氷冷下ピバロイル酢酸銀(3.26g)を添加して撹拌することで、混合物を得た。得られた混合物の粘度を下記方法で測定した。なお、撹拌は、SUS製で長さ25mmの撹拌片を3枚供えた撹拌翼を使用して行った。各成分の配合量(モル数)を表3に示す。
次いで、得られた混合物(7.29g)を15℃において、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、ここへ200mL/分の流量で二酸化炭素(CO2)ガスを供給(バブリング)し、銀インク組成物を得た。二酸化炭素ガスは、実施例1の場合と同様に、微細な気泡状として供給した。二酸化炭素ガスのその他の供給条件を表4に示す。この間、二酸化炭素ガスの供給開始から所定時間ごとに銀インク組成物の粘度を、実施例1と同様の方法で測定し、二酸化炭素ガスの供給時間(分)と銀インク組成物の粘度との関係を調べた。この時の測定結果を、二酸化炭素ガスの供給開始前(すなわち、混合物)の粘度と共に図7に示す。図7中、「CO2供給時間0(ゼロ)(min)」は、二酸化炭素ガスが供給前であることを示す。また、図7の縦軸(粘度)は、対数表示である。
さらに、表5から明らかなように、金属銀の抵抗値及び光沢度は、印刷部位によらず、ほぼ同じ値を示していた。
ピバロイル酢酸銀に代えて、ベンゾイル酢酸銀を同じモル数使用したこと以外は、実施例8と同様に銀インク組成物を製造し、混合物と銀インク組成物の粘度を測定した。測定結果を図7に示す。
図7から明らかなように、さらに異なる種類のβ−ケトカルボン酸銀を使用しても、銀インク組成物の粘度が同様に向上することを確認できた。また、銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀の沈降が認められなかった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀と、下記一般式(2)で表わされるアセチレンアルコール類と、炭素数2〜25のアミン化合物及び/又はアンモニウム塩と、が配合されてなる混合物に、二酸化炭素ガスを供給して得られ、20℃における粘度が1Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物。
(式中、Rは一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY2−」、「CY3−」、「R1−CHY−」、「R2O−」、「R5R4N−」若しくは「(R3O)2CY−」で表される基であり;Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R6O−」、「R6S−」、「R6−C(=O)−」若しくは「R6−C(=O)−O−」で表される基であり;R6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。) - 前記Rが直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はフェニル基であり、前記Xが水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることを特徴とする請求項1に記載の銀インク組成物。
- 前記β−ケトカルボン酸銀が、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ピバロイル酢酸銀及びベンゾイル酢酸銀からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀インク組成物。
- 前記アミン化合物として、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、n−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N−メチルベンジルアミン及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択される一種以上が配合されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
- 前記アセチレンアルコール類が、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3−メチル−1−ペンチン−3−オールからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
- 粘度が10Pa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の銀インク組成物。
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