JP6051102B2 - 有機光電変換素子および有機薄膜太陽電池 - Google Patents
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Description
近年、石油等の化石エネルギーでは大気中への二酸化炭素の放出が問題となることから、温暖化抑制による地球環境保全のため、太陽電池への需要が高まっている。有機太陽電池には、湿式である色素増感太陽電池(グレッツェルセル)と全固形型である有機薄膜太陽電池が知られている。後者は電解液を使用しないため、この電解液の蒸発や液漏れを考慮する必要がない。また、柔軟性をもたせることが可能であり、太陽電池の構造や製造が前者より簡便となる。
光電変換効率の向上のため以上のような観点から、p型導電性・半導体材料として有機半導体ポリマー(p型ポリマー)の研究が行なわれている。多くの構造の異なるヘテロ芳香環を含む共役系のポリマーが検討されており、例えば、最近では、ベンゾチアジアゾール環を含む特定の構造単位を有するポリマーが検討もしくは提案されている(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
本発明者らは、光電変換効率をさらに高めるために、p型半導体化合物のLUMO準位を深くし(バンドギャップを小さく)、吸収端を長波長化することにより、近赤外領域の光を光電変換できるようにすることが重要であると考えた。そこで、本発明者らは、前記特許文献1、2も含め、従来から提案されている多くのヘテロ芳香環とその置換基の検討を行った。その結果、ヘテロ芳香環の厳選と、置換基および置換様式を厳密に調整することで、上記が達成できることを見出した。さらに、本発明の化合物をP型半導体として用いた光電変換素子は、素子化したときの電流のバラつきが小さく、製造適性に優れることも見出した。
すなわち、本発明は、深いLUMO準位、バンドギャップの低下に加え、吸収スペクトルにおける吸収端が長波長(例えば、865nm以上の近赤外領域)であるp型有機半導体化合物を開発することで優れた性能の有機光電変換素子および有機薄膜太陽電池を提供することを課題とする。
Y1 およびY 2 は水素原子、−C≡CRy1 または−C(=O)Ry2 を表す。
ただし、Y 1 とY 2 が同時に水素原子となることはない。
Ry1 はアルコキシカルボニル基またはアシル基を表す。
Ry2 はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
Arは下記式(2)で表される基を表す。
nは2〜2000の整数を表す。
(4)前記光電変換層が、さらに、n型半導体を含有する(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
(5)前記光電変換層が、前記ポリマーと前記n型半導体との混合層を有する(4)に記載の有機光電変換素子。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機光電変換素子を含有する有機薄膜太陽電池。
なお、多環や縮環の場合、同一の環で構成されていても、上記の異なった環で構成されていてもよい。
またこれらの各環は特段の断りがない限り、置換基を有してもよい。
本発明において、同一の式に、置換基を含めた基、部分構造に同じ符号が存在する、すなわち、複数存在する場合、これらは、互いに同一で異なってもよいことを意味するものである。また、隣接する基同士が互いに結合して、環を形成してもよい。
なお、本願明細書では、ポリマー、オリゴマー等の繰返し単位もしくは構造単位において、規定される基や部分構造が規定されるものであればよく、全く同一の繰返し単位でなくてもよい。例えば、アルキル基と規定されていた場合、個々の単位では、メチル基の単位のものとエチル基の単位のものが混在していてもよい。
さらに、二重結合が存在する場合、E体、Z体のいずれでもよく、またこれらの混合物をも含むものであり、同様に、光学異性体が存在する場合、これらのいずれでも、これらの混合物をも含むものである。
最初に特定の化合物から説明する。
特定の化合物は下記式(A)で表される構成単位を含む化合物である。
特定の下記化合物は、下記繰返し単位を少なくとも2つ含む2量体以上の化合物であり、オリゴマーやポリマーを含む。
Y1は−C≡CRy1、−C(=O)ORy2、−C(=O)SRy2、−C(=S)ORy2、−C(=S)SRy2、−C(=O)N(Ry3)(Ry4)、−C(=S)N(Ry3)(Ry4)、−C(=O)Ry2、−C(=S)Ry2、−CRy5=C(Ry6)(Ry7)、−CRy5=NRy8または−N=NRy9を表す。
Y2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−C(=O)ORy2、−C(=O)SRy2、−C(=S)ORy2、−C(=S)SRy2、−C(=O)N(Ry3)(Ry4)、−C(=S)N(Ry3)(Ry4)、−C(=O)Ry2、−C(=S)Ry2、−CRy5=C(Ry6)(Ry7)、−CRy5=NRy8または−N=NRy9を表す。
Ry2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Ry3およびRy4は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Ry5は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Ry6およびRy7は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはシアノ基を表す。ただし、Ry6およびRy7のいずれいか一方はアルコキシカルボニル基、アシル基またはシアノ基である。
Ry8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Ry9はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
アルキニル基は、炭素数2〜24のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル、2−プロピニル、2−ペンテン−4−イニル、5−ヘキシニル、7−オクチニル、2−ノニル−3−ブチニルが挙げられる。
アリール基は炭素数6〜18のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
このような置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールのスルホンアミド基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アルキルもしくはアリールのスルフィニル基、アルキルもしくはアリールのスルホニルオキシ基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、イミノ基、アゾ基等が挙げられる。
Ry1におけるヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、テトラゾリル、テトラジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルが好ましい。
Ry2〜Ry5、Ry8およびRy9におけるアリール基は、前記R1X〜R3Xにおけるアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
ヘテロアリール環の芳香環は5員環または6員環が好ましく、単環でも縮環していてもよい。
ヘテロアリール環としては、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、セレノフェン環、ピロール環、フラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環が挙げられる。これらの環はヘテロアリール環同士で縮環していてもよく、アリール基と縮環していてもよい。
Ry2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表すが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Ry3およびRy4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表すが、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Ry6およびRy7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基を表すが、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基が好ましい。ただし、Ry6とRy7のいずれか一方はアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基である。
Ry8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表すが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基がより好ましい。
Ry9はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表すが、アリール基、ヘテロアリール基が好ましい。
Arにおけるヘテロアリーレン基のヘテロアリール環において、環構成原子のヘテロ原子としては、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、セレン原子が挙げられ、アリール環を構成するヘテロ原子数は1〜4が好ましく、2または3がより好ましく、1が特に好ましい。
ヘテロアリール環の芳香環は5員環または6員環が好ましく、単環でも縮環していてもよい。
ヘテロアリール環としては、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、セレノフェン環、ピロール環、フラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が挙げられる。
該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基が特に好ましい。
nは2〜2000の整数を表す。nは10〜2000の整数が好ましい。
Arの最高占有軌道(HOMO)のエネルギー準位が−5.3〜−4.6eVとすることで、エネルギー準位および吸収波長が好ましい化合物を得ることができる。
なお、Arの最高占有軌道(HOMO)のエネルギー準位とは、該環に置換する置換基をも含めた環であり、結合手を水素原子に置き換えた環に対して、分子軌道計算ソフトGaussian09(ガウシアン社製)により、B3LYP法に基底関数系6−31G(d)を用いて求めた計算値である。
例えば、代表的な環の最高占有軌道(HOMO)のエネルギー準位を示すと以下の通りである。なお、計算はR=メチルにて行った。*はポリマー主鎖形成部を示す。
特に、本発明では、Arは式(A)における=N−X−N=を含む5員環に縮環したY1およびY2を有するベンゼン環に連結する部分にチオフェン環が連結する場合が好ましい。
このような好ましいArは、下記式(1)として表される。
W1は硫黄原子、セレン原子、酸素原子または−NRa−を表す。W2は=CR1D−または=N−を表し、R1Dは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはハロゲン原子を表す。meは0〜2の整数を表す。mdは0または1を表す。ただし、mdが0のときmeは1または2を表す。
W1は硫黄原子、セレン原子、酸素原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
W2は=CR1D−が好ましい。
R1Dは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フッ素原子が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。
mdが1の場合、meは0か1が好ましい。mdが0の場合、meは1または2が好ましい。
L1A〜L1Cは、単結合、−O−、−S−、−N(Ra)−が好ましく、単結合、−O−、−S−がより好ましく、単結合、−O−がさらに好ましい。
Raは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
R1A〜R1Cは、アルキル基が好ましく、アルキル基の炭素数は1〜24が好ましく、6〜24がより好ましい。
R3Z、R4Zにおけるアシル基は、炭素数1〜18のアシル基が好ましく、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基がより好ましく、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、ミリスチリル、ステアロイル、アクリロイル、ベンゾイルが挙げられる。
R3Z、R4Zにおけるアルコシキカルボニル基は、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、s−ブチルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル、2−ブチルオクチルオキシカルボニル、2−ヘキシルデシルオキシカルボニル、2−オクチルドデシルオキシカルボニル、2−デシルテトラデシルオキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルが挙げられる。
式(D2)中および(D3)中、W1およびW2は、式(1)におけるW1およびW2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(3)中、L1B、R1Bは、前記式(1)におけるL1B、R1Bと同義であり、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
式(5)中、R5AおよびR5Bはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
式(6)中、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。
式(3)中、R3は水素原子、アルキル基がより好ましい。
式(4)中、R4は水素原子、アルキル基がより好ましい。
式(5)中、R5Aは水素原子、アルキル基がより好ましく、R5Bは、ハロゲン原子、水素原子がより好ましい。
式(6)中、R6は水素原子、アルキル基がより好ましい。
特に、質量平均分子量をこのように大きくすることで、光電変換効率が向上する。
なお、質量平均分子量は、特に断らない限りGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)法を用いて測定した値とし、分子量はポリスチレン換算の質量平均分子量とする。GPC法に用いるカラムに充填されているゲルは芳香族化合物を繰り返し単位に持つゲルが好ましく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなるゲルが挙げられる。カラムは2〜6本連結させて用いることが好ましい。用いる溶媒は、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドンのアミド系溶媒が挙げられるが、ポリマーの溶解性の観点から芳香族溶媒が好ましい。測定は、溶媒の流速が0.1〜2mL/minの範囲で行うことが好ましく、0.5〜1.5mL/minの範囲で行うことがより好ましい。測定温度は溶媒の沸点によって適宜変更されるが、10〜200℃で行うことが好ましく、20〜150℃で行うことがより好ましい。使用するカラム、およびキャリアは測定対象となる高分子化合物の物性に応じて選定することができる。本発明では、カラム:TSK−GEL SUPER H−RC 6.0*150+TSK−GEL BMHHR−H(20)7.8*300(2本),溶媒:1、2−ジクロロベンゼン、温度:145℃、流速:サンプル側:1mL/min、リファレンス側:0.5mL/minで求めたものである。
これらのポリマー末端は、主に合成原料と重合条件に基づくものである。
なお、本発明で使用する特定の化合物は、前述の式(AB)で表されるポリマーであって、式(AB)において、Xは硫黄原子であり、Y 1 およびY 2 は水素原子、−C≡CR y1 または−C(=O)R y2 である。ただし、Y 1 とY 2 が同時に水素原子となることはない。ここで、R y1 はアルコキシカルボニル基またはアシル基であり、R y2 はアルキル基またはシクロアルキル基である。Arは前述の式(2)で表される基であって、式(2)において、Z a は−C(R 1Z )(R 2Z )−である。ここで、R 1Z およびR 2Z は各々独立に、アルキル基である。
nは2〜2000の整数である。
具体的には、遷移金属触媒を使用した、亜鉛反応剤を用いる根岸カップリング、スズ反応剤を用いる右田−小杉−Stilleカップリング、ホウ素反応剤を用いる鈴木−宮浦カップリング、マグネシウム反応剤を用いる熊田−玉尾−Corriuカップリング、ケイ素反応剤を用いる檜山カップリングなどのクロスカップリングや、銅を使用したUllmann反応、ニッケルを使用した山本重合などを利用して合成することができる。本発明においては、右田−小杉−Stilleカップリング、鈴木−宮浦カップリングを用いることがより好ましい。遷移金属触媒としては、パラジウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄(Journal of the American Chemical Society,2007年,129巻,9844頁)などの金属を使用することができる。また金属は配位子を有していても良く、PPh3、P(t−Bu)3、P(o−tol)3、P(2−furyl)3、S−Phos,X−Phosなどのリン配位子や、N−ヘテロサイクリックカルベン配位子(Angewandte Chemie International Edition,2002年,41巻,1290頁)などが好ましく用いられる。反応はMacromolecular Rapid Communications,2007年,28巻,387頁に記載されているようにマイクロウェーブ照射下で行ってもよい。
V1は、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、パーフルオロアルカンスルホニルオキシ基(例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基など)、トリアルキルスズ基(例えば、トリメチルスタニル基、トリブチルスタニル基など)、トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基など)、−B(ORx)2を表す。ここで、Rxは水素原子、アルキル基を示す。Rxは連結して環を形成してもよい。
式(M1)で表される化合物は、式(A)で表される構造単位を含む化合物を合成するのに、合成原料として有用であり、好ましい。
また、アルキル基は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、アリール基は炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
Z1およびZ2はハロゲン原子、パーフルオロアルカルカンスルホニルオキシ基が好ましく、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、臭素原子が特に好ましい。
Z3およびZ4は各々独立に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはパーフルオロアルカンスルホニルオキシ基を表す。
Z3およびZ4がフッ素原子の場合、Y3は塩素原子、臭素原子、パーフルオロアルカンスルホニルオキシ基、ヨウ素原子を表し、Z3およびZ4が塩素原子またはパーフルオロアルカンスルホニルオキシ基の場合、Y3は臭素原子またはヨウ素原子を表し、Z3およびZ4が臭素の場合、Y3はヨウ素原子を表す。
特定の化合物を含む組成物は、少なくとも前記式(A)で表される構造単位を含む化合物と有機溶媒を含む。
特定の化合物を含む組成物は、どのような用途、目的で使用されるものでも構わないが、有機半導体用組成物として用いるのが好ましい。
組成物に含有する有機溶媒は特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、アニソール、チオアニソール、ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの芳香族溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼンなどの芳香族ハロゲン溶媒などが挙げられ、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼンなどが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
また、後述のp型半導体相とn型半導体相の相分離構造制御のために、上記溶媒に0.1質量%〜10質量%の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、ジヨードアルカン(例えば、1,8−ジヨードオクタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,10−ジヨードデカンなどが挙げられる)、アルカンジチオール(例えば、1,8−オクタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオールなどが挙げられる)、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
特定の化合物を含む組成物は、前記式(A)で表される構造単位を含む化合物を単独で含有してもよいが、前記式(A)で表される構造単位を含む化合物以外のp型有機半導体化合物、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)や、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MDMO−PPV)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](F8BT)等と併用してもよく、また、半導体以外の化合物を併用しても構わない。半導体以外の化合物としては、ポリエステル系樹脂やメタクリル樹脂等の他のポリマーが挙げられる。
n型半導体(n型半導体化合物)を併用することで、有機光電変換素子の光電変換層を形成するのに好ましい。
ここで、組成物中に含有する含有量は、各成分は上記の範囲ではあるが、当然合計して100質量%となるものである。
特定の化合物を含む上記組成物は、塗布膜を形成するのに好ましく使用され、中でも有機半導体材料、特に有機光電変換素子の光電変換層の塗布膜として使用される。
塗布膜を形成するために、特定の化合物を含む組成物を使用して、スピンコート法、キャスト法、スプレー法、バーコート法、インクジェット法などにて塗布することが好ましい。
また、塗布膜の厚みは、0.01〜1μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。
図1は、本発明の有機光電変換素子、これを用いた有機薄膜太陽電池(以下、代表して有機薄膜太陽電池もしくは太陽電池と称す)としての一例を模式的に示した側面図である。本実施形態の太陽電池10は、前記式(A)で表される構造単位を含む化合物を含む光電変換層(バルクへテロ結合層)3を具備する。有機薄膜太陽電池は、一般に、p−n二層接合あるいはp−i−n三層接合型有機薄膜太陽電池とバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池に分類され、本発明においてはそのいずれでも構わない。高い発電効率が容易に得られることから、図1に示したようなバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池に特に好ましく適用される。
本発明においては、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層21を設けるのが好ましく、また第二の電極と光電変換層の間に電子輸送層22を設けることが好ましい。これらのホール輸送層や電子輸送層を設けることにより、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となる。なお、本実施形態の太陽電池においてその上下の区別は特に重要ではないが、便宜的に必要により、第1電極11側を「上」もしくは「天」側と位置づけ、第2電極12側を「下」もしくは「底」側と位置づける。
(n型有機半導体)
n型有機半導体(n型有機半導体化合物)としては、特に限定されないが、一般的に、その最低空軌道(LUMO)準位が−3.5〜−4.5eVであるようなπ電子共役系化合物であり、例えば、フラーレンもしくはその誘導体、オクタアザポルフィリン等、p型有機半導体化合物の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
フラーレンやその誘導体としては、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C84フラーレン、C240フラーレン、C540フラーレン、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
本発明では、前記式(A)で表される構造単位を含む化合物を使用するが、他のp型半導体化合物(例えば、縮合多環芳香族低分子化合物、オリゴマーまたはポリマー)を含有してもよい。
本発明において有機半導体材料用組成物は、光電変換層(特にバルクへテロ層)の塗工用組成物として好ましく使用される。電子供与材料であるp型有機半導体化合物と電子受容材料であるn型半導体化合物の混合比は光電変換効率が高くなるように調整されることが好ましいが、通常は、質量比で、10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20の範囲から選ばれる。このような混合層の形成方法は、例えば、共蒸着法が用いられる。あるいは、両方の有機材料に共通する溶媒を用いて溶剤塗布することによって作製することも可能である。正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有するためには、塗布法が好ましい。
なお、本発明においては、複数の光電変換層を有しても構わないが、光電変換層は1層が好ましい。
本発明に関わる有機光電変換素子においては、少なくとも第一の電極と第二の電極を有する。第一の電極と第二の電極は、いずれか一方が正極で、残りが負極となる。また、タンデム構成をとる場合には中間電極を用いることでタンデム構成を達成することができる。なお、本発明においては主に正孔(ホール)が流れる電極を正極と称し、主に電子が流れる電極を負極と称す。また透光性があるかどうかといった機能面から、透光性のある電極を透明電極と称し、透光性のない電極を対電極または金属電極と称す。本発明の順構成においては、正極が透光性のある透明電極であり、負極は透光性のない対電極または金属電極である。逆構成では、負極が透光性のある透明電極であり、正極が透光性のない対電極または金属電極である。第一の電極と第二の電極の両方を透明電極とすることもできる。
第一の電極は、正極である。順構成の太陽電池の場合、好ましくは可視光から近赤外光(380〜800nm)の光を透過する透明電極である。材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム等の透明導電性金属酸化物、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ストロンチウム、銀、インジウム、錫、バリウム、ビスマス等の金属および金属合金の超薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。銀等の金属をメッシュ状にして、光の透過性を確保したメッシュ電極を用いることもできる。またポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性ポリマー等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて正極とすることもできる。順構成で透明電極とする場合は、正極の透過率は、太陽電池に使用する厚さ(例えば、0.2μmの厚さ)で、波長380nm〜800nm領域における平均光透過率が75%以上であることが好ましく85%以上であることがより好ましい。なお、逆構成で光透過性が要求されない場合は、クロム、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、パラジウム、銀、タンタル、タングステン、白金、金などの金属やこれらの合金、透明導電性酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性ポリマーなどによって正極を形成することができる。好適な導電性ポリマー層は、特開2012−43835号公報に詳細が開示されており、ポリチオフェン誘導体が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)がより好ましい。これらの金属、透明導電性酸化物、導電性ポリマーは、1種のみで使用しても、2種以上を混合または積層してもよい。
本発明において第二の電極は負極である。負極は導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。負極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。負極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、金属電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の負極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記正極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性負極とすることができる。
本発明においては、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層を設けるのが好ましい。ホール輸送層を形成する導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数有するポリマー等が挙げられる。
これらのなかではポリチオフェンおよびその誘導体が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエノチオフェンが特に好ましい。これらのポリチオフェンは導電性を得るために、通常、部分酸化されている。導電性ポリマーの電気伝導率は部分酸化の程度(ドープ量)で調節することができ、ドープ量が多いほど電気伝導率が高くなる。部分酸化によりポリチオフェンはカチオン性となるので、電荷を中和するための対アニオンを要する。そのようなポリチオフェンの例としては、ポリスチレンスルホン酸を対イオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)やp−トルエンスルホン酸を対アニオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−TsO)が挙げられる。
本発明においては、第二の電極と光電変換層の間に電子輸送層を設けることが好ましく、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層を設け、かつ光電変換層と第二の電極の間に電子輸送層を設けるのが特に好ましい。
電子輸送層に用いることのできる電子輸送材料としては、前記の光電変換層で挙げた電子受容材料であるn型半導体化合物および、ケミカルレビュー,第107巻,953〜1010頁(2007年)にElectron−Transporting and Hole−Blocking Materialsとして記載されているものが挙げられる。本発明においては、無機塩や無機酸化物を使用することが好ましい。無機塩としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等が好ましい。各種金属酸化物は安定性が高い電子輸送層の材料として好ましく利用され、例えば、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化バリウムが挙げられる。これらのうち比較的に安定な酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましい。電子輸送層の膜厚は0.1〜500nmであり、好ましくは0.5〜300nmである。電子輸送層は、塗布などによる湿式製膜法、蒸着やスパッタ等のPVD法による乾式製膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。
本発明において光電池を構成する支持体は、その上に少なくとも第一の電極(正極)、光電変換層、第二の電極(金属負極)、より好ましい態様では、第一の電極(正極)、ホール輸送層、光電変換層、電子輸送層、第二の電極(金属負極)を形成して保持することができるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチックフィルムなど、目的に応じて適宜選択しうる。
〔ポリマーP1を用いた有機光電変換素子の作成〕
(1)ポリマーP1の合成
以下のようにしてポリマーP1を合成した。
・モノマー(1−5)の合成
下記反応スキームで、モノマー(1−5)を合成した。
ガラス製反応容器中で、化合物(1−1)5.00g(17.0mmol)を濃硫酸40mLに溶解させた。硝酸ナトリウム2.17g(25.5mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を氷水200mLに加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を減圧乾燥することにより、化合物(1−2)を5.46g(16.1mmol、収率94.7%)得た。
MS(EI)m/z 336(M+)、338(M++2)、340(M++4)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 8.28(1H,s)
化合物(1−2)3.00g(8.85mmol)、酢酸100mL、鉄粉5.93gをガラス製反応容器に加え、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間反応させた。反応溶液を水300mLに加え、析出した固体を濾取した。固体を減圧乾燥後、アセトンに溶解させセライト濾過した。濾液を減圧下濃縮することにより、化合物(1−3)を2.50g(8.09mmol、収率91.4%)得た。
MS(EI)m/z 307(M+)、309(M++2)、311(M++4)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 4.64(2H,s)7.46(1H,s)
化合物(1−3)4.25g(13.8mmol)、ベンゼン276mL、ヨウ素35.0g(138mmol)、亜硝酸イソアミル4.86g(41.3mmol)をガラス製反応容器に加え、アルゴン雰囲気下80℃で3時間反応させた。放冷後、10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン=3:1)で精製し、化合物(1−4)を2.22g(5.30mmol、収率38.4%)得た。
MS(EI)m/z 417(M+)、419(M++2)、421(M++4)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 8.24(1H,s)
化合物(1−4)0.856g(2.04mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルムアダクト106mg(0.102mmol)、トリフェニルホスフィン107mg(0.408mmol)、トリエチル(1−エトキシビニル)スズ0.81g(2.24mmol)をガラス製反応容器に加え、容器内をアルゴン置換した。トルエン(脱水)15mLを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で3時間反応させた。放冷後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を濃縮し、濃縮物をテトラヒドロフラン25mLに溶解させ、1N塩酸15mLを加え、室温で5時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびリサイクルGPCで精製し、化合物(1−5)を302mg(0.899mmol、収率44.1%)得た。
MS(EI)m/z 334(M+)、336(M++2)、338(M++4)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 2.79(3H、s)、7.90(1H,s)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 0.79(18H,m)、0.82−1.46(20H,br)、1.80−2.20(4H)、2.36(3H,s),7.18(1H,br),7.94(1H,Br)、8.06(1H,br)
GPC(o−ジクロロベンゼン)Mw=28×103、Mn=12×103
洗浄およびUV−オゾン処理したガラス−ITO基板上に、ホール輸送層として使用するPEDOT−PSS(ナガセケムテック社 PT−100)をスピンコート(5000rpm)し、200℃で10分間加熱した。10mgのポリマーP1と10mgのPC71BMの混合物を、3質量%の1.8−ジヨードオクタン含有のクロロベンゼン1mLに溶解させた。溶液を、PEDOT−PSS層上にスピンコート(1000rpm、40秒)で塗布して、乾燥させ光電変換層を作成した。光電変換層上にチタン(IV)テトライソプロポキシドのエタノール溶液(濃度 4.3μL/mL)を4000rpmで塗布後、アルミニウムを蒸着させて上部電極を形成させ、素子を得た。
〔ポリマーP2の合成〕
(1)ポリマーP2の合成
以下のようにしてポリマーP2を合成した。
・モノマー(2−1)の合成
下記反応スキームで、モノマー(2−1)を合成した。
化合物(1−4)336g(0.800mmol)、プロピオール酸エチル94.2mg(0.960mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム11.2mg(16μmol)、ヨウ化銅6.10mg(32μmol)、炭酸カリウム221mg(1.60mmol)をガラス製反応容器に加え、アルゴン置換した。テトラヒドロフラン(脱水)2mLを加え、70℃で12時間反応させた。反応溶液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーとリサイクルGPCで精製し、化合物(2−1)を131mg(0.336mmol、収率42.0%)得た。
MS(EI)m/z(M+)388(M+)、390(M++2)、392(M++4)
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 1.39(3H、t、J=6.9Hz),4.36(2H,q,J=6.9Hz),7.96(1H,s)
GPC(o−ジクロロベンゼン)Mw=87×103、Mn=50×103
〔ポリマーP3の合成〕
以下のようにして、ポリマーP3を合成した。
〔ポリマーP4を用いた有機光電変換素子の作成〕
(1)ポリマーP4の合成
以下のようにしてポリマーP4を合成した。
・モノマー(4−4)の合成
化合物(4−1)2.5g(35.7mmol)、化合物(4−2)8.68g(39.3mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド14mLをガラス製反応容器にとり、炭酸水素ナトリウム6.00g(71.4mmol)を加え、アルゴン雰囲気下80℃で6時間、100℃で16時間反応させた。放冷却後、水50mLを加え、ヘキサンで二回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、溶媒を減圧下留去した。濃縮物を減圧蒸留することにより、化合物(4−3)を2.00g(9.51mmol、収率26.6%)得た。
bp 82℃/0.75Torr
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 0.85−0.92(9H、m)、1.10−1.34(6H、m)、1.42−1.59(3H、m)、1.66−1.75(1H,m)、2.88(1H、s)、4.17−4.30(2H、m)。
1H−NMR(CDCl3)δ[ppm]= 0.67(12H,m)、0.88(9H,m)、0.90−2.20(32H,m),4.41(2H,br)、8.05(1H,br)、8.10(1H,br)、8.61(1H,br)
GPC(o−ジクロロベンゼン)Mw=88×103、Mn=12×103
7.5mgのポリマーP4と10mgのPC71BMを、3質量%の1.8−ジヨードオクタン含有のo−ジクロロベンゼン1mLに溶解させたこと以外は実施例1と同様に行い素子を得た。
ポリマーのクロロベンゼンあるいはo−ジクロロベンゼン溶液を1000rpmでスピンコートして単膜を作成し、大気中光電子分光装置(理研計器社製 AC−3)によりHOMO準位を測定した。また、単膜の吸収端からバンドギャップを求め、HOMO+バンドギャップ(BG)からLUMO準位を算出し、表1にデータを記載した。
IPCE特性
前記の各有機光電変換素子を窒素雰囲気下で、分光感度測定装置(分光計器社製CEP−2000)を用いて、素子特性を評価した(100mW/cm2のAM1.5G)。上記装置にて、出力されたIPCEスペクトルから光電変換波長の長波長端を算出した。
また、有機光電変換素子のロット間差を調べるため、各有機光電変換素子を同条件で繰返し作成した10個の有機光電変換素子について、IPCEスペクトルから短絡電流密度(mA/cm2)を算出しバラつきを評価した。
A:標準偏差0.3未満
B:標準偏差0.3以上〜0.6未満
C:標準偏差0.6以上
10 光電変換素子(バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池)
11 透明電極(第1電極)
12 対極(第2電極)
21 ホール輸送層
22 電子輸送層
3 光電変換層
31 p型半導体相
32 n型半導体相
L 光
P 電動モータ(旋風機)
Claims (6)
- 第一の電極と、第二の電極と、その間に配置された光電変換層とを具備する有機光電変換素子であって、前記光電変換層に下記式(AB)で表されるポリマーを含有する有機光電変換素子。
式(AB)中、Xは硫黄原子を表す。
Y1 およびY 2 は水素原子、−C≡CRy1 または−C(=O)Ry2 を表す。
ただし、Y 1 とY 2 が同時に水素原子となることはない。
Ry1 はアルコキシカルボニル基またはアシル基を表す。
Ry2 はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
Arは下記式(2)で表される基を表す。
nは2〜2000の整数を表す。
式(2)中、Z a は−C(R 1Z )(R 2Z )−を表す。ここで、R 1Z およびR 2Z は各々独立に、アルキル基を表す。 - 前記Arで表される構成単位の最高占有軌道(HOMO)のエネルギー準位の計算値が、−5.3eV以上である請求項1に記載の有機光電変換素子。
- 前記ポリマーの質量平均分子量が、1万〜100万である請求項1または2に記載の有機光電変換素子
- 前記光電変換層が、さらに、n型半導体を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
- 前記光電変換層が、前記ポリマーと前記n型半導体との混合層を有する請求項4に記載の有機光電変換素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子を含有する有機薄膜太陽電池。
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