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JP6139111B2 - 無効電力補償装置 - Google Patents
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Description

本発明は、系統に無効電力を注入することで、系統電圧を安定させる無効電力補償装置に関する。
太陽光発電や風力発電、燃料電池といった分散電源が系統に連系される事例が増えてきており、それに伴い系統電圧の変動が懸念されている。特に住宅用太陽光発電は今後も更なる増加が見込まれており、発電量が多く負荷が小さい場合には大きな逆潮流が起こり配電網の電圧が上昇し、系統電圧規程値を逸脱してしまう。
従来ではこのような場合には発電電力を絞る事で電圧上昇を抑えている。しかしこの方法では本来発電できるはずの電力が絞られておりエネルギーに無駄が生じてしまう。系統に無効電力を注入する無効電力補償装置を用いれば、エネルギーに無駄を生じる事なく系統電圧を下げて、太陽光などの分散電源も本来の発電が可能となる。しかし、従来の無効電力補償装置は重量・体積が大きく、変電所などの送電端側に設置される事が多かった。住宅用太陽光発電などの分散電源による配電網の系統電圧上昇に対応するには、狭い住宅街にも設置できる小型な無効電力補償装置が求められる。
無効電力補償装置を小型化する手段として、半導体電力変換器(インバータ)部分の出力する電圧波形をより正弦波に近く高調波の少ない波形とする事で、連系フィルタリアクトルを小型化するという方法がある。高調波の少ない電圧波形を出力するには従来では、パルス幅変調した電圧波形を出力するPWMインバータを直列に多段接続して細かい電圧幅で連系電圧波形を作り出す方法がある。細かい電圧のパルス出力を重ね合わせる事で、出力電圧の高調波を低減し、連系フィルタリアクトルを小型できる。また、直列接続するPWMインバータの多段接続数を多くして耐圧を十分とる事で、系統連系にトランスを用いず小型化する事ができる。
「6.6kVトランスレス・カスケードPWM STATCOM−三相200V10kVAミニモデルによる動作検証−」(電気学会産業応用部門論文誌2007年127巻8号p.781−788)
パルス幅変調で駆動するPWMインバータの多段接続で6.6kV系統にトランスレスで連系する場合、図11のようにPWMインバータ2の接続段数が多くなるという課題がある。例えば1.7kV IGBTを使用すると各相6段必要になる。インバータの多段数が多くなると、インバータは元よりゲート回路もそれだけ必要となり、その分体積も大きくなり、回路も複雑化する。またPWMはスイッチング回数が多いため、各段で発生するスイッチング損失の合計は大きくなる。インバータに耐圧の高い半導体素子を使えば段数は減るが、スイッチング損失が増加するため発熱が増えてしまう。スイッチング周波数を減らせばスイッチング損失は減るが、出力する電圧の高調波が増えるためフィルタリアクトルは大きくなる。
実施形態は、少ない多段接続数のインバータで電圧高調波を十分低減した上で、トランス無しで系統連系を可能とし、小型な無効電力補償装置を提供する事を目的とする。
実施形態に係る無効電力補償装置は、三相各相にそれぞれ構成される多段インバータ回路と、系統連系端と各多段インバータ回路の出力端の間に接続され、高調波を低減するためのフィルタ回路と、前記各多段インバータ回路を制御して所定の三相交流電圧を出力させる制御部とを具備する。前記各多段インバータ回路は、直流電圧を、電圧指令値の基本波1周期あたり正負それぞれ1回のワンパルス電圧に変換する、単相フルブリッジ構成のワンパルスインバータを2以上直列接続して構成され、前記各多段インバータ回路の系統の反対側端は、中性点として全相接続されている。前記制御部は、前記ワンパルスインバータの電圧指令値と閾値の比較に基づいて、前記ワンパルスインバータがワンパルスを出力するワンパルス位相を決定するものである。
第1実施形態に係る無効電力補償装置の構成を示す図である。 ワンパルスインバータ1の動作を示す波形図である。 第2実施形態に係る無効電力補償装置の構成を示す図である。 ワンパルスインバータ1とPWMインバータ2の動作を示す波形図である。 ワンパルスインバータ1の直流コンデンサ充放電を示す波形図である。 ワンパルス電圧位相のシフトによる直流コンデンサ電圧制御の原理を示す図である。 電圧指令値とワンパルス電圧のタイミングを決定する閾値との比較を示す図である。 ゲインKpを求めるための制御ブロックを示す図である。 ゲインKpを求めるための制御ブロックを示す図である。 無効電力補償装置の連系フィルタをリアクトルとコンデンサで構成する場合の構成図である。 従来のPWMインバータを多段接続した無効電力補償装置の構成図である。
以下、実施形態に係る無効電力補償装置について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る無効電力補償装置の構成を示す図である。
この無効電力補償装置は、高耐圧半導体素子11と直流コンデンサ12により構成された単相フルブリッジ構成のワンパルスインバータ1と、連系フィルタ3として系統連系端8に接続されるリアクトル31とを3相の各相に備え、系統の反対側端は中性点4として全相が互いに接続されている。無効電力補償装置は系統電源6から電力供給される配電系統7に連系される。制御装置10は、系統電圧Vs、ワンパルスインバータ出力電流Ioに基づいて、無効電流指令値、出力電圧指令値等を演算し、図1に示す3相インバータを全体的に制御する。
図1では1つのワンパルスインバータ1用の制御部5を代表的に示している。制御部5は各ワンパルスインバータ1についてそれぞれ設けられる。制御部5は、制御装置10からの出力電圧指令値、所定閾値及びコンデンサ電圧Vc等に基づいて、ワンパルスインバータ1のワンパルス指令値、すなわちオンオフするタイミング(位相)を演算し、ワンパルスインバータ1を構成する半導体素子11のオンオフを制御するゲートパルスを生成する(詳細は後述される)。
次に、ワンパルスインバータ1の動作を図2を用いて説明する。
ワンパルスインバータ1の出力する電圧V1は、電圧指令値Vrefの基本波1周期中に電圧指令値Vrefの正電圧方向に1回、負電圧方向に1回電圧パルスが出力される形になる。図1のようにワンパルスインバータが3つ直列接続される場合、ワンパルスインバータ1はV1、V2、V3のようにワンパルスのタイミングを分担し電圧を出力する。V1、V2、V3の合計電圧(Vo)は階段状になり、高調波は低減される。この出力波形Voを制御する事で無効電流を制御し、無効電力補償動作を行う。
ワンパルスインバータ1は高耐圧半導体素子を用いて構成されるため、直列接続において更に耐圧を高くすることが出来る他、パルス幅変調のPWMインバータと比べて半導体素子のスイッチング回数が圧倒的に少ないので、スイッチング損失が大きい高耐圧の半導体素子を適用しても各段のスイッチング損失は殆ど発生せず、直列接続数を増やしてもスイッチング損失はあまり問題にならない。このように高耐圧半導体素子によるワンパルスインバータを各相で直列接続する事で、無効電力補償装置をトランス無しに配電系統に連系する事が可能となり、小型な無効電力補償装置が実現できる。
図1では各相あたりワンパルスインバータ1を3段直列接続しているが、5段や6段などとしても良い。また図1では各インバータを構成する直流電圧源にコンデンサを用いているが、これは蓄電池やスイッチング電源のような電源としても良い。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係る無効電力補償装置の構成を示す図である。なお、以下においては、図1に示す無効電力補償装置の構成要素と同一または相当する構成要素には、図1で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
この無効電力補償装置は、高耐圧半導体素子11と直流コンデンサ12により構成された単相フルブリッジ構成のワンパルスインバータ1と、高耐圧半導体素子11より耐圧が低い半導体素子21と直流コンデンサ22により構成された単相フルブリッジ構成のPWMインバータ2と、連系フィルタ3としてリアクトル31とを各相に備え、系統の反対側端は中性点4で全相が互いに接続されている。ワンパルスインバータ1の直流電圧は、PWMインバータ2の直流電圧よりも大きい。無効電力補償装置は系統電源6から電力供給される配電線7に連系される。また実施例1と同様の制御部5を備える。
ワンパルスインバータ1とPWMインバータ2の動作について、図4を用いて説明する。ワンパルスインバータ1は実施例1と同様、電圧指令値Vrefの基本波1周期中に電圧指令値の正電圧方向に1回、負電圧方向に1回電圧パルスが出力される。ワンパルスインバータ1が図4のV1とV2のようなワンパルス電圧を出力する場合、PWMインバータ2は電圧指令値Vrefからワンパルス電圧(V1+V2)を引いた電圧波形V3(=Vref−(V1+V2))を出力する。実際には、PWMインバータ2はV3の電圧波形をパルス幅変調したPWM波形で出力する。PWMインバータ2は電圧指令値Vrefに対するワンパルス出力電圧を補償するような波形を出力するので、PWMインバータ2の直流電圧は、ワンパルスインバータ1の直流電圧の半分程度の大きさで良い。実際には50%〜100%の大きさを取り得る。これらワンパルスとPWMの電圧を各相で合計すると、電圧指令値波形に順ずる波形が出力される。この出力波形を制御する事で無効電流を制御し、無効電力補償動作を行う。
PWM波形を出力するPWMインバータ2をワンパルスインバータ1に組み合わせる事で少ない段数でも高調波を低減できるほか、ワンパルスインバータ1は高耐圧半導体素子を用いて構成されるため、直列接続において耐圧を更に高くすることが出来る。このように高耐圧半導体素子によるワンパルスインバータとPWMインバータを組み合わせて各相で直列接続する事で、高調波をより低減しフィルタ回路を小型化し、少ないインバータ段数で無効電力補償装置をトランス無しに配電系統に連系する事が可能となり、小型な無効電力補償装置が実現できる。
図3では各相あたりワンパルスインバータ1を2段、PWMインバータ2を1段、直列接続しているが、PWMインバータ2の耐圧が十分でなければPWMインバータ2を2段または3段などとしても良いし、ワンパルスインバータ1を3段、4段などとしても良い。PWMインバータの段数を複数にした場合、その直流電圧の各相あたりの合計電圧がワンパルスインバータ1段あたりの直流電圧の50〜100%の大きさを取りうる。また、耐圧が十分であればワンパルスインバータ1を1段としても良い。これらワンパルスインバータ1とPWMインバータ2の段数組み合わせは、耐圧が確保されればあらゆる組み合わせを取り得る。
また図3では各インバータを構成する直流電圧源にコンデンサを用いているが、これは蓄電池やスイッチング電源のような電源としても良い。
[第3実施形態]
図5、図6は、本発明の実施例1または実施例2に係るワンパルスインバータ1の直流コンデンサ12の電圧を制御する方法の原理を示す図である。
無効電力補償装置を構成する各段のインバータは、それぞれに直流コンデンサを備え、それが各段インバータの電圧源となる。ワンパルスインバータ1は系統基本波1周期中に2回しかパルスを出さないため、直流コンデンサ12の電圧を所定の電圧に制御するのが難しいという問題がある。この電圧を所定の電圧に制御しなければ、電流に歪みが発生したり、運転が継続できなくなる可能性がある。
図5には図1または図3の実施形態における無効電力補償装置が、進み無効電流を出力する場合のワンパルスインバータ1の出力する電圧V1と直流コンデンサ12に流れる電流Ic1が図示してある。電流の方向は、コンデンサから放電する方向を正としている。出力電圧Voの1周期に、電流Ic1は正方向と負方向にそれぞれ2度流れる。正方向に流れる時は直流コンデンサ12は放電され、負方向に流れる時は充電される。出力電流が無効電流のみの場合、ワンパルスの幅方向中心が出力電圧波形のピークに一致していれば、放電量と充電量は一致しており直流コンデンサ12の電圧は平均的に変化はない。これを、図6のようにワンパルスがオンまたはオフする位相を、本来オン・オフする位相θb1、θb2からそれぞれ同じ量Δθsだけ同一方向にずらす(位相をシフトさせる)と放電量と充電量を制御できる。図6(a)の場合、ワンパルス位相をΔθsだけ遅らせる事で放電期間より充電期間の方が長くなるため、直流コンデンサ12の電圧は上昇する。また図6(b)の場合、ワンパルス位相を進める事で充電期間より放電期間の方が長くなるため、直流コンデンサ12の電圧は低下する。
このようにワンパルスインバータ1の出力するワンパルス電圧の位相を制御する事で、ワンパルスインバータ1の直流コンデンサ12の電圧を制御する事ができる。
図5、図6は進みの無効電流が流れている場合の図だが、遅れ無効電流の場合はワンパルス位相の移動方向は、コンデンサ12の充電及び放電に対して、進み無効電流の場合とは逆方向となる。
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態に係る無効電力補償装置の電圧指令値に対しワンパルス電圧のタイミングを決定する閾値の比較を示す図である。本図では正弦波の正の半周期について示している。
ワンパルスインバータ1がワンパルス電圧を出力するタイミングは、その相が出力すべき電圧指令値Vrefと、ワンパルス電圧のオン・オフのタイミングを判定する基準閾値Vthとの比較に基づいて決定される。電圧指令値Vrefが閾値Vthを越えるとワンパルスはオンし、電圧指令値Vrefが閾値Vthを下回るとワンパルスはオフする。ワンパルスの位相を制御するために、閾値Vthに対して閾値制御量ΔVthを加算又は減算する。ワンパルスがオンする閾値をVth+ΔVthとする事で、ワンパルスがオンする位相はθb1からΔθsだけ遅れる。また、ワンパルスがオフする閾値をVth−ΔVthとする事で、ワンパルスがオフする位相はθb2からΔθsだけ遅れる。このようにして、ワンパルスがオンまたはオフする位相を、本来オン・オフする位相θb1、θb2からそれぞれ同じ量Δθsだけ同一方向にずらすことができる。ワンパルス位相を進めたい場合は、制御量ΔVthの加算と減算を逆にすれば良い。
ΔVthとΔθsの関係は、図7中の斜線で示した微小部分を図示するように直角三角形とし、電圧指令値VrefのピークVpeakと本来のオン・オフ位相θbを用いて以下のように表すことができる。ここでは、θb=θb1=π−θb2とする。
Figure 0006139111
この関係式より、閾値Vthを制御する事でワンパルス位相を制御し、直流コンデンサ電圧12の電圧を制御する事ができる。
制御部5(図1又は図3)ではコンデンサ電圧Vcとコンデンサ電圧指令値(所定電圧)Vc*との差分ΔVcにゲインKpを乗算して制御量ΔVthを演算する。閾値判定部52は、ワンパルスの立ち上がり基準位相θb1に対応する閾値Vthに制御量ΔVthを加算した値と出力電圧指令値Vrefとを比較し、ワンパルスの立ち上がり位相を決定する。ワンパルスの立ち下がり位相を決定する場合は、閾値Vthから制御量ΔVthを減算した値と出力電圧指令値Vrefとを比較する。閾値判定部52は、このようにしてワンパルスの立ち上がり位相及び立下り位相を決定し、これら位相をゲートパルス生成器53に出力する。ゲートパルス生成器53は、ワンパルスの立ち上がり位相及び立下り位相に基づいて、ワンパルスインバータ1を構成する半導体素子11に対するゲートパルスを生成する。
図8は、ゲインKpを求めるための制御ブロックを示す図である。それぞれのワンパルスインバータ1の備える直流コンデンサ12に対して個別に図8のような制御が行なわれる。
無効電力補償装置がリアクトル動作をしている時、直流コンデンサ12に流れる電流Iを有効電流と無効電流の和として表すと、有効電流のピーク値をId、無効電流のピーク値をIqとすると、
Figure 0006139111
となり、ワンパルスインバータ1がオンしている期間θb+Δθs〜π−θb+Δθsの平均電流Icは
Figure 0006139111
となる。これを積分すると直流コンデンサ12の電圧Vcになる。これを制御ブロックで表すと図8のようになる。直流コンデンサ12の電圧Vcと、その指令値Vc*の差分ΔVcにゲインKpを乗算し、ワンパルスオン・オフのタイミングを決める電圧閾値Vthの制御量ΔVthを得る。ΔVthとΔθsの関係式(1)より、K1は
Figure 0006139111
である。またK2(Δθs)とK3(Δθs)は式(4)から
Figure 0006139111
である。この制御ブロックから伝達関数を求めても良いが、Δθsは微小であるので、
Figure 0006139111
とおき、またIq>>IdであるためIdの項を省略すると制御ブロックは図9のように表すことができる。ここでK4は
Figure 0006139111
である。
K1とK3のcosθbは打ち消しあっている。図4のV1とV2のように、ワンパルスインバータの段数によりそれぞれのワンパルスインバータのオン・オフする位相θbは異なるが、ゲインKpの値を決定するのにθbは無関係である。即ち、ワンパルスインバータ1の電圧制御ゲインKpを設定するにあたり、ゲインKpを全て同じ値に設定すれば、全てのワンパルスインバータで同じ制御特性が得られる。そして図9の制御ブロックと式(9)より、
Figure 0006139111
従ってゲインKpは次式(11)のように表せる。
Figure 0006139111
ここでTiは時定数である。上記式(11)よりゲインKpを設定し、直流コンデンサ12の電圧Vcとその指令値Vc*の差分ΔVcに乗算し、ワンパルスオン・オフのタイミングを決める電圧閾値Vthの制御量ΔVthを得て、ワンパルスの位相をΔθsだけシフトさせる事で、直流コンデンサ12の電圧Vcを制御する事ができる。
また、第3実施形態(図5、6)で示したように、ワンパルス位相を進めるか遅らせるか、どちらが直流コンデンサ12を充電させるか放電させるかは、無効電流Idが進みか遅れかによって異なる。これは、制御装置10力補償装置の出力する無効電流が進みであるか遅れであるかを、制御装置10からの無効電流指令値から判別し、Kpに+1か−1を乗算してΔVthの正負を調整すればよい。例えば無効電流指令値が進みであれば、ΔVcが正の時は放電方向に向かわせる必要があるので、ワンパルスの位相は早める、つまりKpに−1を乗算し、ΔVthを負の値にする。ΔVcが負の時にはその逆なので、Kpはそのままの符号でよい。
[第5実施形態]
第5実施形態に関わる無効電力補償装置は、各相において複数のワンパルスインバータ1を備え、各相の複数あるワンパルスインバータ1の中で、ワンパルス電圧のパルスパターンを一定周期で入れ替える。
例えば各相2段のワンパルスインバータ1を備える場合、図4のV1、V2のようにパルス幅の異なるワンパルス電圧がそれぞれ出力される。するとそれぞれのワンパルスインバータ1において電流の通流時間が異なるので、発熱量に差が生じ、半導体素子の特性、寿命にも差が出る。
本実施例では、この発熱量の差を解決するため、各相の中で、V1のパルスパターンを出力するワンパルスインバータと、V2のパルスパターンを出力するワンパルスインバータを一定周期で入れ替える。具体的には、それぞれのワンパルスのオン・オフを判定する閾値を入れ替えればよい。
各相のワンパルスインバータ1が2段の場合は上記のように一定周期で入れ替えればよく、3段以上の場合は3つの中でパターンを順次入れ替えて、3回に1度同じパターンがまわってくるようにすれば、発熱量は平均化される。また4段以上の場合においても同様である。
[第6実施形態]
図10は、第6実施形態に係る連系フィルタをリアクトルとコンデンサで構成した無効電力補償装置を示す図である。
ワンパルスインバータ1にPWMインバータ2を組み合わせても、出力される合計電圧は矩形波の組み合わせなので、電流高調波の低減には限界がある。連系フィルタ3はインバータだけでは限界のある電流高調波を十分に低減する役目を持つ。図1では連系フィルタ3はリアクトル31のみで構成していたが、図10のようにコンデンサも用いてLCL構成とする事で、より効果的に高調波を低減できる。
図10ではワンパルスインバータ1とPWMインバータ2を各相それぞれ1段ずつで示しているが、第1実施形態と同様、ワンパルスインバータ1もPWMインバータ2も複数段であっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…単相ワンパルスインバータ、2…単相PWMインバータ、3…連系フィルタ、5…制御装置、6…系統電源、7…配電線、11…高耐圧半導体素子、12…直流コンデンサ、21…半導体素子、22…直流コンデンサ、31…リアクトル、32…コンデンサ、51…ゲイン乗算器、52…閾値判定部、53…ゲートパルス生成器。

Claims (13)

  1. 三相各相にそれぞれ構成される多段インバータ回路と、
    系統連系端と各多段インバータ回路の出力端の間に接続され、高調波を低減するためのフィルタ回路と、
    前記各多段インバータ回路を制御して所定の三相交流電圧を出力させる制御部と、を具備し、
    前記各多段インバータ回路は、直流電圧を、電圧指令値の基本波1周期あたり正負それぞれ1回のワンパルス電圧に変換する、単相フルブリッジ構成のワンパルスインバータを2以上直列接続して構成され、
    前記制御部は、前記ワンパルスインバータの電圧指令値と閾値の比較に基づいて、前記ワンパルスインバータがワンパルスを出力するワンパルス位相を決定するものであり、
    前記各多段インバータ回路の系統の反対側端は、中性点として全相接続されていることを特徴とする無効電力補償装置。
  2. 前記ワンパルスインバータがそれぞれ備える直流電圧源のいずれか、または全てがコンデンサであることを特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置。
  3. 前記制御部は、ワンパルスオンのタイミングを決定する閾値と、ワンパルスオフのタイミングを決定する閾値に、それぞれ同一量の閾値制御量を加算または減算することにより、前記ワンパルスインバータが出力するワンパルスのオンとオフの位相を、それぞれ同一量かつ同一方向にずらすことで、前記ワンパルスインバータがそれぞれ備える直流電圧源の電圧を個別に制御することを特徴とする請求項1又は2記載の無効電力補償装置。
  4. 前記制御部は、
    前記ワンパルスインバータの直流側コンデンサのコンデンサ電圧と、コンデンサ電圧指令値の差分にゲインを乗算して得られる閾値制御量に基づいて、前記ワンパルス位相をずらし前記コンデンサ電圧を制御することを特徴とする請求項3記載の無効電力補償装置。
  5. 前記制御部は、出力する電流が進み電流か遅れ電流かを、無効電流の指令値から判別し、該判別結果に応じて、前記ワンパルス位相をずらす方向を決定することを特徴とする請求項4記載の無効電力補償装置。
  6. 前記ゲインは、全ての前記ワンパルスインバータにおける前記コンデンサ電圧の制御において同一の値で、円周率と電圧最大値とコンデンサ容量の積から、定数2、無効電流実効値、及び時定数を除した値により決定されることを特徴とする請求項4又は5記載の無効電力補償装置。
  7. 前記制御部は、一定周期ごとに、各相の前記ワンパルスインバータの間で、出力するワ
    ンパルス電圧のパルスを入れ替えることを特徴とする請求項1乃至6のうち1項記載の無
    効電力補償装置。
  8. 三相各相にそれぞれ構成される多段インバータ回路と、
    系統連系端と各多段インバータ回路の出力端の間に接続され、高調波を低減するためのフィルタ回路と、
    前記各多段インバータ回路を制御して所定の三相交流電圧を出力させる制御部と、を具備し、
    各多段インバータ回路は、
    直流電圧を、電圧指令値の基本波1周期あたり正負それぞれ1回のワンパルス電圧に変換する、単相フルブリッジ構成のワンパルスインバータを1以上直列接続した第1インバータ回路と、
    前記第1インバータ回路に直列に接続され、直流電圧を、電圧指令値に対する前記第1インバータ回路の出力を補償するようパルス幅変調する、単相フルブリッジ構成のPWMインバータを1以上直列接続した第2インバータ回路と、を具備し、
    各相の系統の反対側端は中性点として全相接続され、
    前記制御部は、前記ワンパルスインバータの電圧指令値と閾値の比較に基づいて、前記ワンパルスインバータがワンパルスを出力するワンパルス位相を決定するものであり、
    前記ワンパルスインバータの直流電圧は、前記PWMインバータの直流電圧よりも大きく、
    前記ワンパルスインバータを構成する半導体素子の耐圧は、前記PWMインバータを構成する半導体素子の耐圧よりも高いことを特徴とする無効電力補償装置。
  9. 前記PWMインバータの直流電圧の各相あたりの合計値は、前記ワンパルスインバータの1段あたりの直流電圧の50%〜100%であることを特徴とする請求項8記載の無効電力補償装置。
  10. 前記制御部は、前記ワンパルスインバータが出力するワンパルスのオンとオフの位相を、それぞれ同一量かつ同一方向にずらすことにより、前記ワンパルスインバータがそれぞれ備える直流電圧源の電圧を個別に制御することを特徴とする請求項8又は9記載の無効電力補償装置。
  11. 前記制御部は、
    前記ワンパルスインバータの直流側コンデンサのコンデンサ電圧と、コンデンサ電圧指令値の差分に、円周率と電圧最大値とコンデンサ容量の積から、定数2、無効電流実効値、及び時定数を除した値により決定されるゲインを乗算して得られる閾値制御量に基づいて、前記ワンパルス位相をずらし、前記コンデンサ電圧を制御することを特徴とする請求項8乃至10のうち1項記載の無効電力補償装置。
  12. 前記フィルタ回路が、リアクトルのみで構成されることを特徴とする請求項1乃至11のうち1項記載の無効電力補償装置。
  13. 前記フィルタ回路が、リアクトルとコンデンサで構成されることを特徴とする請求項1乃至11のうち1項記載の無効電力補償装置。
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