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JP6182848B2 - ボールペン用ボール - Google Patents
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Description

本発明は、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールペン用ボールの製造方法に関するものである。
WC−Co系超硬ボールは、結合成分としてCoを含有するWCの焼結体であり、優れた機械的性質により、ボールペン用ボールとして広く用いられている。このWC−Co系超硬ボールは酸性および中性溶液中ではCoの結合成分が優先的に溶出するという性質があることから、インキや長期経時によりpHが低下したインキと接触することによって、ボール中の結合成分であるCoが溶出する所謂腐食が発生する。ボール中の結合成分であるCoが溶出すると、主成分であるWCの結晶粒子が脱落し、ボール表面が凹凸となり、書き味の滑らかさが失われる場合があった。
これを防止するために、インキ中に一般的な金属防錆剤であるカルボキシベンゾトリアゾールを添加する例(特許文献1)、ボール表面に物理的蒸着にて層状に酸化アルミニウム等を被覆する例(特許文献2)が知られている。
特開平8−199107号公報 特開2001−80262号公報
特許文献1に記載の発明では、インキ中に一般的な金属防錆剤であるカルボキシベンゾトリアゾールを添加する方法が記載されているが、インキ中に添加することで、長期経時においてインキ中の他成分と反応してし、インキpHが低下してしまうため、十分な腐食防止効果を得ることができなかった。
特許文献2に記載の発明では、ボール表面に物理的蒸着にて層状に酸化アルミニウム等を被覆する方法が記載されているが、ボールペンのボールのような小径の球状物質への均一な物理蒸着は困難であり、その結果被覆されていない場所が多数存在してしまうため、十分な腐食防止効果を得ることができなかった。
また、WC−Co系超硬は、Coの相内に不純物としてFe原子が含有されており、(Co,Fe)23や(Co,Fe)Cの炭化物が多く生じ易く、これら炭化物とCoとの電位の差から電流が流れて、ボールの結合成分であるCoが溶出する所謂腐食が発生することで主成分であるWCが脱落し、ボール表面が凹凸となり、書き味の滑らかさが失われてしまう問題がある。
本発明は、WC−Co系超硬ボールにおいて、焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1100℃以上で加熱した後に徐冷して、ボール最表面から1μmの深さの範囲におけるCo原子に対するFe原子の割合0.5重量%以下としたボールペン用ボールの製造方法を要旨とする。
WC−Co系超硬ボールにおいて、Coに対するFeの割合を0.5重量%以下にし、(Co,Fe)23C6または(Co,Fe)Cの炭化物を生じにくくすることで、ボール中の結合成分であるCoが溶出する所謂腐食、さらにはそこから生ずるWCの脱落を抑えることができ、良好な書き味を長期継続できるようになる。
本発明のボールペン用ボールは、WCを主成分とし、Coをバインダー成分として焼結させた所謂WC−Co系超硬合金であり、WC粉体の形状は、焼結できるものであれば特に限定されない。また、粉体の平均粒子径も特に限定されないが、小球状の表面を研磨し、ナノスケールレベルの平滑性を要求されるボールペン用ボールにおいては、平均粒子径が10μm以下であることが望ましい。
バインダー成分として使用されるCo粉末は不純物としてのFeの量が0.5重量%以下のものであればそのまま使用できるが、0.5重量%を超えるものであっても、焼結後ボールペン用ボールが得られた後に、焼結合金の表面を研磨した後、1100℃以上で加熱した後に徐冷させることで、表面Co内のFe濃度を現象させることが可能である。また、前記Co粉体は超硬ボール全体に対して5重量%以上15重量%以下が好ましい。
また、さらに耐食性を向上させる目的として、Crを添加することもできる。平均粒子径は特に限定されないが、超硬ボール全体に対して1重量%以上8重量%以下であることが好ましい。
超硬ボールを焼結させる方法としては、WC粉体とCo粉体、さらに必要であればCrを混合させた後、熱プラズマ焼結法やマイクロ波焼結法やミリ波焼結法などの無加圧焼結法、ホットプレス焼結法や放電プラズマ焼結法や超高電圧焼結や熱間等方加圧焼結法や高圧ガス反応焼結法などの加圧焼結法が用いることができる。焼結合金における欠陥を極力なくすためには加圧焼結法がよく、特に放電プラズマ焼結法は、粉体が自己発熱し表面の金属皮膜への熱の伝わりがよいことから好適に使用できる。
本発明に係るボールを使用したボールペンとしては、このボールをステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダーに、ボールの一部を突出した状態で抱持させてボールペンチップとし、このボールペンチップにインキ収容管を接続したものに好適に使用することができる。ボールホルダーの形態としては、棒材を削りだして作られるものの他に、パイプ材を加工して得られるパイプ式ボールペンチップを使用することもできる。更に、コイルスプリングなどを配置して、ボールをボールホルダーの開口部内縁に押し付ける構造のものとすることもできる。
筆跡・塗布跡を形成するインキとしては、水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。
溶剤としては、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
着色剤としては、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的でインキ逆流防止体組成物を使用することもできる。基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体、ゲル化剤としては、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物が挙げられる。その他、アルコール系溶剤やグリコール系溶剤、界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加してインキ逆流防止体に必要な機能(ゲル化、着色防止、逆流防止)を向上させることもできる。
実施例1
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89重量%とコバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8重量%と二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例2
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例3
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)90重量%とコバルト粉体(コバルト(高純度);三津和化学薬品(株)製)10重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例4
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)90重量%とコバルト粉体(コバルト(高純度);三津和化学薬品(株)製)10重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)88重量%とコバルト粉体(高純度コバルト;日本重化学工業(株)製)12重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例5
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1200℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例6
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1300℃で1時間熱処理をし、その後75℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例7
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1120℃で1時間熱処理をし、その後25℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例1
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%と二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例2
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例3
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92重量%とコバルト粉体(関東化学(株)製)8重量%をステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48時間の混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1000℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
インキ1
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
水 41.5重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部に攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このもののインキpHは8.5であった。
ボールペン1
実施例1のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン2
実施例2のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン3
実施例3のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン4
実施例4のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン5
実施例5のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン6
実施例6のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン7
実施例7のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン8(比較例)
比較例1のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン9(比較例)
比較例2のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボールペン10(比較例)
比較例3のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
ボール表面のCoに対するFeの割合の測定
実施例1〜7および比較例1〜3のボールペン用ボールのボール最表面から1μmの深さの中のCoに対するFeの割合を、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置(LA/ICP−MS)(レーザー部;LSX−100、CEATAC Technologies社製)(ICP−MS部;HP−4500、横河アナリティカルシステムズ製)を用いて測定した。具体的にはレーザー1回照射あたりのスパッタ深さを0.02μmに設定し、ボールの任意位置50×50μmの領域を100回測定することで、各元素の割合を測定し、得られたCo量に対するFe量を算出した。
ボール表面粗さ測定
実施例1〜7および比較例1〜3のボールペン用ボールの、ボール表面の粗さ(算術平均粗さ)の変化を原子間力顕微鏡にて測定した。具体的には走査型プローブ顕微鏡SPI−400((株)セイコーインスツルーメント製)を用いて、初期状態のボールと、経時後のボール(ボールペン1〜10のボールペンサンプルを50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置したボールペンのボール)の任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。
書き味の軽さ、滑らかさ
ボールペン1〜10のボールペンサンプルを、初期と経時後(ボールペンサンプルを50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置したボールペン)のボールペンサンプルを、自動筆記機を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定し、筆記抵抗値を測定した。
Figure 0006182848
実施例1〜4のボールペン用ボールは、バインダー成分として使用されるCo粉体内のFeの量が0.5重量%以下であることから、腐食発生の原因である(Co,Fe)23または(Co,Fe)Cの炭化物を生じにくくなるため、Coの溶出が発生しなくなり、良好な書き味を長期継続できた。
実施例5〜7のボールペン用ボールは、バインダー成分として使用されるCo粉体内のFeの量が0.5重量%を越えているが、焼結後ボールペン用ボールが得られた後に、1100℃以上で1時間加熱した後に徐冷させることで、表面Co内のFe濃度を減少させたため、腐食発生の原因である(Co,Fe)23または(Co,Fe)Cの炭化物を生じにくくなり、Coの溶出が発生しなくなることから、良好な書き味を長期継続できた。
これに対して比較例1〜3のボールペン用ボールは、バインダー成分として使用されるCo粉体内のFeの量が0.5重量%を越えているため、腐食発生の原因である(Co,Fe)23または(Co,Fe)Cの炭化物が多く生じ、前記炭化物とCoとの炭化物の電位の差から電流が流れて腐食が発生しやすくなるめ、Coの溶出が発生し、WCの脱落が発生し、ボール表面が凸凹になってしまうので、長期経時により書き味の滑らかさが失われてしまう。

Claims (1)

  1. WC−Co系超硬ボールにおいて、焼結合金の表面を鏡面研磨した後、1100℃以上で加熱した後に徐冷して、ボール最表面から1μmの深さの範囲におけるCo原子に対するFe原子の割合0.5重量%以下としたボールペン用ボールの製造方法。
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