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JP6185751B2 - 真空吸引方法及び真空処理装置ならびにサブリメーションポンプ - Google Patents
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真空吸引方法及び真空処理装置ならびにサブリメーションポンプ Download PDF

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Description

本発明は、基板等のワークの表面に処理を施す場合等において、真空処理室内を真空にするための真空吸引方法及び真空処理装置ならびにサブリメーションポンプに関する。
従来、スパッタリング装置、プラズマCVD装置、イオン注入装置等、処理室内を真空にして作業を行う装置が多数存在する。これらの装置では、スパッタリング装置を一例とすると、基板の表面にターゲットからスパッタリングを施す前、あるいは施しながら、真空処理室内を真空吸引する。また、それらの装置では、スパッタリングにより発生した成分が処理室内に付着し、その付着した膜から放出されるガス、及び、プラズマ放電やスパッタリングの加熱作用により発生するガスにより本来必要となる真空雰囲気が劣化する場合がある。そのため、スパッタリング装置等では、処理室内を真空吸引して所定の真空度に到達するまでに、時間がかかってしまうことが知られている。
また、真空状態になるまでの時間を短縮する装置として、例えば、半導体素子製造用チャンバ装置が提案されている(特許文献1参照)。この半導体素子製造用チャンバ装置は、チャンバ内部の底面の中央部分に載置台が設置されるとともに、この載置台の上方を覆うドーム型のシールドが前記チャンバ内の上部に設けられた構成を備え、前記シールドの外側面とチャンバの壁の間に設けられた加熱源と、前記加熱源を制御する温度制御手段とを具備するものである。そして、半導体素子製造用チャンバ装置は、前記シールド及びチャンバの壁を加熱源により加熱して、前記加熱源によって加熱されるチャンバの壁及びシールドが常に所定の温度で一定に維持されるように温度制御手段で制御するように構成されている。
さらに、真空処理室内の真空排気を行うサブリメーションポンプが知られている(非特許文献1参照)。このポンプは、チタン蒸発用フィラメントを融点以下まで加熱し真空中に昇華させることによって、ポンプ内の壁面に気相となったチタンの膜を作り、チタンのゲッター作用を利用することによって、気体の吸着を行い、排気作用を促進している。また、サブリメーションポンプは、ポンプ内の壁面の吸着面がガス分子で飽和しても、その表面にチタンの膜を重ねて作ることで吸着面を確保することができるものである。
特開平09−190977号公報
株式会社アルバックホームページ、平成24年11月20日現在(http://www.shinku−pump.com/vacuumpump/sublimation/)
しかし、前記した装置では、チャンバ内の温度が一定に維持できても、チャンバ内の基板に例えば膜を形成する処理に使用される原料や、ターゲットの成分によっては、チャンバ内を真空吸引するのに時間がかかっていた。また、従来のサブリメーションポンプでは、真空に吸引するときに使用されているフィラメントの主成分にチタンを使用していることから、チタンの資源的な希少価値や価格が問題となり入手が困難(クラーク数0.46(国外産))になるといった不安定要因が付きまとう問題があるため改善が望まれていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、処理される原料等にかかわらず真空処理室内を短時間で真空にすることができ、また、真空にするために簡単に入手できる素材を使用することができる真空吸引方法及び真空吸引装置ならびにサブリメーションポンプを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために真空吸引方法は、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を真空処理室内又は前記真空処理室に隣接して連通する予備室内に設置し、前記真空処理室内、又は、前記予備室内で、前記Si系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とし、前記真空処理室内又は予備室内の少なくとも一部にSi系堆積膜を堆積させて、前記真空処理室内、又は、前記真空処理室及び前記予備室内を真空にすることとした。そして、前記Si系材料は、線材状のSi系フィラメントであり、前記予備室が前記Si系フィラメントを収納するフィラメント収納室であり、前記Si系フィラメントの融点以下において加熱して昇華させることで気相状態とし、前記フィラメント収納室内の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することとしても構わない。
係る手順によれば、真空吸引方法では、Si系フィラメントを加熱して昇華させSi系フィラメントに対向する位置にSi系堆積膜を堆積させることにより、真空ポンプによる真空処理室内の真空吸引に加え、Si系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用が働き、真空に不必要なガスが急速に除かれる。
また、真空吸引方法は、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を真空処理室内又は前記真空処理室に隣接して連通する予備室内に設置し、前記真空処理室内、又は、前記予備室内で、前記Si系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とし、前記真空処理室内又は予備室内の少なくとも一部にSi系堆積膜を堆積させて、前記真空処理室内、又は、前記真空処理室及び前記予備室内を真空にし、前記Si系材料は、粉体、粒体、シート又はペレットのいずれかであるSi系被加熱材料であり、前記Si系被加熱材料をボート又はルツボである収納容器に入れて前記真空処理室又は前記予備室の一方に設置し、前記真空処理室内又は前記予備室内に設けた加熱手段により前記収納容器内のSi系被加熱材料を融点以上に加熱して溶融させて蒸発させ、前記真空処理室内の少なくとも一部又は前記予備室の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することとしてもよい。
係る手順によれば、真空吸引方法では、真空処理室内で基板等のワークの表面を処理する場合に、Si系材料を例えば電子銃やルツボ又はボートで加熱し、電圧をかけることでスパッタリングさせる等により固相状態から気相状態として真空処理室内又は予備室内の少なくとも一部にSi系堆積膜を堆積させながら、あるいは堆積させた後に、真空ポンプにより真空にする。これにより、この真空吸引方法では、Si系堆積膜のダングリングボンドによる吸着作用で真空処理室内の雰囲気中に混在する真空に不必要となる成分分子が、当該Si系堆積膜に吸着され、真空状態を従来と比較して早く実現することができる。そして、係る手順によれば、真空吸引方法では、真空処理室内で処理されるワークに溶融して蒸発したSi系材料が堆積することのないよう、ワーク直近にシャッタを、あるいはボートやルツボ等蒸発源近傍に遮蔽板を設置して、Si系被加熱材料を溶融させて蒸発させSi系堆積膜を真空処理室内又は予備室内の少なくとも一方に形成する。真空ポンプによる真空処理室内の真空吸引に加え、Si系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用が働き真空に不必要なガスが急速に除かれる。
また、前記した真空処理方法において、前記真空処理室内、又は、前記真空処理室内及び予備室内が、不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中において前記Si系積膜を堆積させるようにしても構わない。
係る手順によれば、真空処理室内の雰囲気についてSi系堆積膜を堆積しながら真空ポンプにより真空にするときに、真空状態であれば設定された真空状態に迅速に到達でき、ガス雰囲気中であっても、ガス導入を停止しガスを排気した後に、設定された真空状態に迅速に到達することができる。
また、前記課題を解決するために真空処理装置は、不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中においてワーク処理する真空処理室と、この真空処理室に隣接して連通する予備室と、前記真空処理室に接続され当該真空処理室内を真空にする真空ポンプとを備える真空処理装置であって、前記真空処理室内又は前記予備室内に、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を設置させる設置部と、前記設置部に設置されたSi系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とする気相手段と、を備え、前記気相手段により真空処理室内又は前記予備室内の少なくとも一部に、前記真空雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させながら、又は、前記ガス雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させた後に、前記真空ポンプを作動させ、前記Si系材料は、線材状のSi系フィラメントであり、前記予備室が前記Si系フィラメントを収納するフィラメント収納室であり、前記Si系フィラメントの融点以下において加熱して昇華させることで気相状態とし、前記フィラメント収納室内の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成するように構成した。
係る構成によれば、真空処理装置は、設置部に設置したSi系材料を気相手段により固相状態から気相状態にして真空処理室又は予備室の少なくとも一部にSi系堆積膜を形成する。そして、真空処理装置は、真空ポンプに加え、Si系堆積膜によって真空に不必要なガスを急速に除去することができる。また、真空処理装置は、Si系フィラメントを加熱して昇華させSi系フィラメントに対向する位置にSi系堆積膜を堆積させることにより、真空ポンプによる真空処理室内の真空吸引に加え、Si系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用が働き、真空に不必要なガスが急速に除かれる。
また、真空処理装置は、不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中においてワーク処理する真空処理室と、この真空処理室に隣接して連通する予備室と、前記真空処理室に接続され当該真空処理室内を真空にする真空ポンプとを備える真空処理装置であって、前記真空処理室内又は前記予備室内に、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を設置させる設置部と、前記設置部に設置されたSi系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とする気相手段と、を備え、前記気相手段により真空処理室内又は前記予備室内の少なくとも一部に、前記真空雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させながら、又は、前記ガス雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させた後に、前記真空ポンプを作動させ、前記Si系材料は、粉体、粒体、シート又はペレットのいずれかであるSi系被加熱材料であり、前記Si系被加熱材料をボート又はルツボである収納容器に入れて前記真空処理室又は前記予備室の一方に設置し、前記真空処理室内又は前記予備室内に設けた加熱手段により前記収納容器内のSi系被加熱材料を融点以上に加熱して溶融させて蒸発させ、前記真空処理室内の少なくとも一部又は前記予備室の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成するように構成した。
係る構成によれば、真空処理装置は、設置部に設置したSi系材料を気相手段により固相状態から気相状態にして真空処理室又は予備室の少なくとも一部にSi系堆積膜を形成する。そして、真空処理装置は、真空ポンプに加え、Si系堆積膜によって真空に不必要なガスを急速に除去することができる。また、真空処理装置は真空処理室内で処理されるワークに溶融して蒸発したSi系材料が堆積することのないよう、ワーク直近にシャッタを、あるいはボートやルツボ等蒸発源近傍に遮蔽板を設置して、Si系被加熱材料を溶融させて蒸発させSi系堆積膜を真空処理室内又は予備室内の少なくとも一方に形成する。真空ポンプによる真空処理室内の真空吸引に加え、Si系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用が働き真空に不必要なガスが急速に除かれる。
さらに、前記課題を解決するために、真空処理室の真空吸引を行うサブリメーションポンプであって、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料から形成したSi系フィラメントと、このSi系フィラメントの両端を支持する支持体と、この支持体を介してフィラメントを融点以下において加熱して昇華させる電源と、前記Si系フィラメントの周囲に内周面が対面するように設置される筒状体と、を備え、前記電源を介して前記Si系フィラメントを昇華させて前記筒状体の内周面にSi系堆積膜を形成して真空吸引する構成とした。
係る構成によれば、サブリメーションポンプは、Si系フィラメントを電源により加熱して昇華させ、筒状体の内周面にSi系堆積膜を形成して真空に不必要なガスをSiダングリングボンドによる吸着作用で除去する。
本発明によれば、以下に示すような優れた効果を奏する。
真空吸引方法では、真空処理室内または予備室内の少なくとも一部に、Si系材料を気相状態としてSi系堆積膜を形成し、合わせて真空ポンプにより真空に吸引することで、堆積させたSi系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用により、真空処理室内に浮遊している真空を阻害するガスを吸着して除去し、排気効率を向上させることができる。
真空処理装置は、設置部に設置したSi系材料を気相手段により固相状態から気相状態にしてSi系堆積膜を形成させながら、あるいは堆積させた後に真空ポンプにより真空吸引を行うため、簡単な構成によりSi系堆積膜のSiダングリングボンドによる吸着作用で真空を阻害するガスを除去し排気効率を向上して短時間で真空状態を確保することができる。
サブリメーションポンプは、Si系フィラメントを使用しているので、原料の調達が容易で、かつ、Si堆積膜によるSiダングリングボンドの吸着作用により真空を阻害するガスを除去し、真空処理室を迅速に真空にすることが可能となる。
本発明に係る真空処理装置を模式的に示す模式図である。 本発明に係る真空処理室装置に使用されるサブリメーションポンプを模式的に示す模式図である。 本発明に係る真空処理方法についての流れを模式的に示すフローチャートである。 (a)は本発明に係る真空吸引方法におけるSi系材料の堆積膜の構造を模式的に示す模式図、(b)は本発明に係る真空吸引方法におけるSi系材料の堆積膜にダングリングボンドによる吸着作用の状態を模式的に示す模式図である。 本発明に係る真空処理装置及び真空吸引方法の第2実施形態を示す模式図である。 本発明に係る図5の真空処理装置において真空吸引方法の流れを模式的に示すフローチャートである。 本発明に係る真空処理装置及び真空吸引方法の第3実施形態を示す模式図である。
本発明に係る真空吸引方法、真空処理装置及びサブリメーションポンプについて、それぞれ図面を参照して説明する。なお、初めにサブリメーションポンプを使用する真空処理装置の構成及び真空吸引方法について説明する。
図1に示すように、真空処理装置1は、内部を真空にしてワークWを処理することができる処理室である筐体2と、この筐体2内で処理されるワークWを保持する保持機構3と、この保持機構3に保持されたワークWに蒸着させる蒸着材料Gzを収納する収納容器4と、この収納容器4の蒸着材料Gzを加熱する気相手段である電子銃5と、この電子銃5により加熱した収納容器4内の蒸着材料GzをワークWに蒸着、不蒸着とするように制御するシャッタ機構6と、筐体2内の真空状態を作りだす補助ポンプとしてのサブリメーションポンプ10とを備えている。
筐体2は、内部を真空にして蒸着等の処理ができるものであり、真空処理室2aと、この真空処理室2aの上部に設けた開閉蓋2bと、真空処理室2aの外壁を貫通して形成される主真空ポンプPsとの接続部2cと、真空処理室2aの外壁を貫通して形成される雰囲気ガスの導入部2dとを備えている。また、筐体2は、ここでは、真空処理室2a内に設置される電子銃5及びサブリメーションポンプ10がそれぞれの電源に接続できるように構成されている。筐体2は、接続部2cを介して接続される主真空ポンプPs、及び、サブリメーションポンプ10により吸引されて、内部を真空になるようにされた状態として使用される。また、筐体2は、ここでは、内部に導入部2dを介して接続される雰囲気ガス容器Fgから供給される雰囲気ガスにより所定のガス雰囲気とした状態で処理作業が行われる。
保持機構3は、筐体2内で処理されるワークWを保持するものである。この保持機構3は、ワークWの処理されるワーク面を露出するように保持することができる構成を備えていればよく、さらに、ワーク面を水平面に平行な方向で回転させることができる構成を備えているものであれば、その構成は限定されない。
収納容器4は、ここでは、ルツボやボート(直方体の一面から凹溝が形成された容器)等の耐熱容器が用いられ、収納して加熱する蒸着材料Gzが溶融しても耐えられる素材から形成されている。この収納容器4は、電子ビームにより蒸着材料Gzを溶融させて蒸発する作業を行っても耐性を備える一般的な構成のものであれば特に限定されるものではない。
電子銃5は、収納容器4に収納されている蒸着材料Gzを溶融させるものである。この電子銃5は、ここでは電子ビームの照射経路を偏向して蒸着材料Gzを溶融させている。電子銃5は、蒸着材料Gzを溶融して蒸着作業ができる状態にすることができる構成であれば、電子ビームを偏向させる構成のものであっても、電子ビームを偏向させずに直接照射させる構成のものであっても構わない。
シャッタ機構6は、収納容器4に収納した蒸着材料Gzからの蒸発による蒸着を制御するものである。このシャッタ機構6は、ここでは、遮蔽板が収納容器4とワークWとの蒸着経路の間に設置されており、その遮蔽板が蒸着経路の全部または一部を遮蔽するか、退避位置に移動して蒸着経路を遮蔽しないか、により蒸着材料Gzからの蒸着作業を制御している。シャッタ機構6は、蒸着及びその遮断ができる構成であれば、材質、構造、駆動機構など、特に限定されるものではない。
蒸着材料Gzは、ワークWの表面処理等に使用される材料であり、ワークWの処理の性質により様々な成分組成のものが用いられる。この蒸着材料Gzは、収納容器4内には粉体、粒体、ペレットあるいはシートの形態で収納されている。
載置台7は、収納容器4を載置する台である。この載置台7は、電子銃5の電子ビームが到達する位置に収納容器4が載置されるように設置されている。この載置台7は、収納容器4を複数載置して各収納容器4を電子ビームの到達する照射位置に移動させる構成としても構わない。載置台7は、収納容器4が複数載置されて移動する場合には、予め設定されたプログラムの手順に沿って移動するか、あるいは、外部からの操作により移動するように構成されている。
図1及び図2に示すように、サブリメーションポンプ10は、筐体2内を真空にするために使用されるポンプである。サブリメーションポンプ10は、真空処理室2aの真空を形成するために単独であるいは他の真空ポンプと共に使用されるポンプである。このサブリメーションポンプ10は、ここでは筐体2の側壁に取り付けられている。サブリメーションポンプ10は、真空処理室2a内に設置される場合や、真空処理室2aに隣接する予備室内に設置される場合や、真空処理室2aに配管などを介して接続される場合等の態様で使用される。
図2に示すように、サブリメーションポンプ10は、Si系材料で形成されたフィラメント12と、このフィラメント12の端部を支持する支持体13と、この支持体13に支持したフィラメント12をその融点以下に加熱して昇華させる電源(気相手段)15と、この電源15を介してフィラメント12から昇華したSi系材料を堆積させるためにフィラメント12に対面して配置された堆積板(筒状体)16と、真空処理室2a内の気体を吸引するための吸気口17aを形成したシールド板17と、堆積板16の外側に設けた冷却手段19と、を備えている。このサブリメーションポンプ10は、Si系材料のフィラメント12が昇華して堆積板16に堆積することでSi系材料の堆積膜18を形成し、形成したSi系材料の堆積膜18のSiダングリングボンドの作用により真空処理室2a内の真空状態を迅速に実現するものである。
フィラメント12は、Si系材料で形成されており、電源15からの通電により融点以下に加熱されて昇華する。このフィラメント12は、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物(Si酸化物、Si窒化物、Si酸化物+α、Si窒化物+αを含む)のいずれかの材料により線条体に形成されている。そして、フィラメント12は、線条体をねじった状態で支持体13により支持されている。なお、フィラメント12は、特にSi合金として使用されることが好ましい。つまり、フィラメント12は、線条体に加工するときにSiが金属との合金あるは混合物となることで、延ばす、細くするなどの加工が容易となる。Si合金あるいはSi混合物としては、例えば、Si(ケイ素)と、以下の金属である。すなわち、合金あるいは混合物として、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mg(マグネシウム)のうちの少なくとも一種類から成り、(10mol%≦Si≦ 90 mol%)の割合の範囲となるものである。
または、Si(ケイ素)と、
Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Sn(錫)、Sb(アンチモン)、Te(テルル)、Re(レニウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)、C(炭素)、Ge(ゲルマニウム)のうちの少なくとも一種類から成る混合物(10mol%≦Si≦90mol%)である。
支持体13は、フィラメント12を支持すると共に電源15からの通電をフィラメント12に導通させることができるものである。この支持体13は、サブリメーションポンプで使用されている構成であれば既存のものでよい。支持体13は、ここでは、支持板14に設置されてフィラメント12の一端を支持する取付固定部13aと、この取付固定部13aに固定されたフィラメント12の他端を支持する固定板13bと、この固定板13bを支持板14に支持する支持柱13cとを備えている。この支持体13は、フィラメント12を固定してフィラメント12の昇華作業を行うことができるものであれば、その素材、構成等、特に限定されるものではない。
電源15は、支持体13に支持されたフィラメント12を加熱するためのものである。この電源15は、フィラメント12を昇華させる温度(融点以下)まで加熱することができる電力を供給することができる既存のものであればよい。
堆積板16は、支持体13に支持されたフィラメント12の周囲に設置される筒状体であり、フィラメント12の昇華により堆積膜18を形成するためのものである。この堆積板16は、ここでは筐体2(真空処理室2a)の側壁に設置されている。堆積板16は、既存のサブリメーションポンプ10に使用されるものであれば特に限定されるものではない。
シールド板17は、真空処理室2a内に連通して真空処理室2a内からの気体を吸気する吸気口17aが形成され、吸気口17aと冷却手段19により、フィラメント12からの昇華物が真空処理室2aへ飛散することを防ぐことが可能である。このシールド板17は、既存のサブリメーションポンプ10に使用されるものであれば特に限定されるものではない。
冷却手段19は、フィラメント12が加熱することにより発生する熱の影響を抑制し、フィラメント12が昇華してできた気相状態のSi系材料を、真空処理室に湧出させずに、冷却された堆積板16の内側の面に吸着させて、Si系材料の堆積膜を形成するためのものである。この冷却手段19は、ここでは、堆積板16の外壁に水や液体窒素等の冷却液が中を流れる配管を設けることで堆積板16を冷却するように構成されている。なお、冷却手段19の冷却液の供給手段(図示せず)は筐体2の外側に設置される。
つぎに、真空処理室の真空吸引方法について図3を主に図1及び図2を参照して説明する。なお、サブリメーションポンプ10のフィラメントにSi系材料を用いる場合として説明する。そして、ここでは、真空処理室2a内を真空にしてワークWの表面に蒸着処理を行う場合として説明する。
はじめに、ワークWは、筐体2の開閉蓋2bを開けた状態で、保持機構3に保持されて真空処理室2aの収納容器4に対面する位置に設置される。Si系材料のフィラメント12を備えるサブリメーションポンプ10は、真空処理室2a内に連通するように設置されている(ステップS1)。
真空処理装置1では、ワークWが設置されると主真空ポンプPsにより筐体2内が真空に引かれる(ステップS2)。
真空処理装置1では、真空吸引するサブリメーションポンプ10を作動させると、サブリメーションポンプ10のSi系材料で形成されたフィラメント12が電源15により加熱されて昇華して発生した気相状態のSi系材料を、Si系材料の堆積膜18として形成しながら真空吸引を行うことになる(S3)。したがって、真空処理装置1では、サブリメーションポンプ10が作動してSi系材料の堆積膜18が形成されることでSiのダングリングボンドの吸着作用により筐体2内に存在する真空に不必要な成分分子が堆積膜18に吸着されることで除去される。
そして、真空処理装置1では、その後、電子銃5により収納容器4内の蒸着材料Gzが電子銃5からの電子ビームにより加熱されて蒸発してシャッタ機構6の開放によりワークの表面に蒸着材料Gzが蒸着処理される(ステップS4)。なお、ワークWは、真空吸引を行いながら蒸着処理が行われている(ステップS4)。
次に、一回目の蒸着処理が終了すると、ワークWに対して予め設定された設定条件の処理が終了したか否かが判定され(ステップS5)、処理が終了した場合には終了する(ステップS5のYes)。また、処理が終了していないと判定された場合には(ステップS5のNo)、次の処理が行われる。
次の処理を行う場合には、設定条件により再度真空吸引作業が行われ、初めに設定された真空度になるように調整される場合がある。再度の真空処理が行われる場合には、筐体2内の現状の真空状態を維持した状態で(ベントせずに)サブリメーションポンプ10を作動させずに主真空ポンプPsのみにより真空吸引する場合と、主真空ポンプPs及びサブリメーションポンプ10の両者により真空吸引を再度行う場合とにより行われる。そして、サブリメーションポンプ10が作動することで、Si系材料の堆積膜18が形成されて、Siダングリングボンドの吸着作用により筐体2内に存在する真空に不必要な成分分子が除去される。そして、設定された条件に真空状態が到達すると、再び、ワークWの表面に処理を行うワーク処理及び真空吸引(ステップS4)が行われ、その設定処理の終了か否かが判定され、設定処理が終了するまでステップS4、S5が繰り返されることになる。
前記した真空吸引方法において、サブリメーションポンプを使用する場合、図4(a)、(b)に示すように、Si系材料の堆積膜18での吸着作用が起こっている。つまり、堆積膜18では、結晶表面及び結晶内部においてSiのすべての結合状態が成立してはおらず、結合の欠陥が生じていることが一般的である。したがって、サブリメーションポンプ10は、その動作によりSi系材料の堆積膜18において、Siダングリングボンドの吸着作用が発生し、真空に不必要な成分分子を結合の相手がいない欠陥個所に吸着して真空状態になるように進めることができる。なお、堆積膜18は、Si系材料の堆積膜18の表面のSiの原子では、結晶の外側には結合すべき相手がいないので、堆積膜18の表面にはSiダングリングボンドができ易い。
また、堆積膜18は、Si系材料が単結晶であっても内部に結合の相手がいない欠陥があればその欠陥にSiダングリングボンドができ、多結晶であれば結晶粒界にSiダングリングボンドができる。共有結合のSi結晶では、結合しようとする2個の原子がそれぞれ1個ずつ電子を出し合い、原子対の結合軌道を2個の電子が占めることで強く安定な結合状態になる。そのため、結合相手を失った結合手すなわちSiダングリングボンドは反応性に富み、つまり化学的活性が高く、再結合やトラップの原因となる。すなわち、堆積膜18では、Siダングリングボンドの高い化学的活性が、Si系材料の吸着効果の駆動力(Motive Force)となり真空に不必要な原子を除去することができる。
また、真空吸引方法において、サブリメーションポンプ10を主真空ポンプPsと同時に使用する場合においても、Si系堆積膜が形成されていることでSiダングリングボンドの吸着作用により迅速に真空に不必要な成分分子が除去される。Si系堆積膜が形成されることによりTiと同じように真空に対する処理を早く行うことができる。真空度が設定した条件に到達したら、前記したと同様な手順によりワークWの表面処理作業が行われることになる。
つぎに、図5を参照して本発明に係る真空処理装置100としてのスパッタリング装置及び真空吸引方法について説明する。
真空処理装置100は、筐体102と、筐体102内にワークWを保持する保持手段103と、ターゲットTgの載置台104と、ワークWとターゲットTgに電圧をかける作動手段(気相手段)105と、Si系材料を堆積する予備室101とを備えている。また、真空処理装置100は、筐体2内において、ここでは、内部に導入部2dを介して接続される雰囲気ガス容器Fgから供給される雰囲気ガスにより所定のガス雰囲気とした状態で処理作業が行われる。
予備室101は、Si系堆積膜101dを形成するための室内堆積壁面101aと、この室内堆積壁面101aにSi系堆積膜101dを形成するためのSi系ターゲット101cと、このSi系ターゲット101cをスパッタリングしてSi系堆積膜101dを形成するための第2作動手段(気相手段)101eを有している。
室内堆積壁面101aは、筐体102内に設置され筐体102内に連通する連通口101hを形成したハウジングであり、ここでは、筐体102の内壁と同じ素材で形成されている。この室内堆積壁面101aは、その壁面の少なくとも一部にSi系堆積膜101dを形成するためのものである。室内堆積壁面101aは、筐体102内においてワークWの処理の影響がない位置に設置されている。なお、図5では、予備室101が主真空ポンプPsの吸引経路とは反対側に配置されているが、ワークWと主真空ポンプPsとの間に配置される構成であっても構わない。
室内堆積壁面101aには、真空処理室102a内に連通して真空処理室102a内からの気体を吸気する吸気口である連通口101hが形成され、連通口101hと冷却手段101bにより、Si系ターゲット101cから発生するSi系材料の気相が真空処理室102aに飛散することを防ぐことが可能である。
冷却手段101bは、プラズマ放電やSi系ターゲット101cのスパッタリングによって発生する熱の影響を抑制し、Si系ターゲット101cがスパッタリングされることによって発生した気相状態のSi系材料を、真空処理室102aに湧出させずに、冷却された室内堆積壁面101aの内側に吸着させて、Si系材料のSi系堆積膜101dを形成するためのものである。この冷却手段101bは、室内堆積壁面101aの外壁に、水や液体窒素等の冷却液が中を流れる配管を設けることで室内堆積壁面101aを冷却するように構成されている。
Si系ターゲット101cは、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかの材料により形成され、すでにサブリメーションポンプ10で説明したSi系材料と同じ材料により構成され、スパッタリングのターゲットとし使用できるように形成されている。このSi系ターゲット101cは、室内堆積壁面101aとの間で第2作動手段101eにより電圧をかけられることでスパッタリングして室内堆積壁面101a内にSi系堆積膜101dを形成するためのものである。
第2作動手段101eは、電気的に接続されているSi系ターゲット101cと室内堆積壁面101aとに電圧をかけてSi系ターゲット101cをスパッタリングさせるためのものである。この第2作動手段101eは、一般的なスパッタリング装置で使用されるものと同等の構成を備えている。
筐体102は、真空処理室102aと、開閉蓋102bと、主真空ポンプPsの接続部102cと、を備えている。この筐体102は、スパッタリング装置として使用できる構成であれば限定されるものではない。
保持手段103は、ワークWをスパッタリングできる位置に保持するものである。この保持手段103は、スパッタリングできるようにワークWと電気的に接続できるように一般的な構成を有している。
載置台104は、ターゲットTgを載置するものである。この載置台104は、ターゲットTgを保持する保持手段103との間において電気的に接続された状態でワークWとターゲットTg間に電圧をかけることができるように構成されている。また、載置台104は、複数のターゲットTgを載置して、それぞれのターゲットTgと作動手段105(気相手段)との電機的接続を切り替えて、それぞれのターゲットTgとワークWを電気的に接続できるように構成してもよい。
作動手段105は、ターゲットTgからワークWに向かってスパッタリングさせるためのものである。この作動手段105は例えば電気的に接続してワークWとターゲットTgの間に電圧をかけて、ターゲットTgからスパッタリングさせワークWの表面を処理させるためのものである。作動手段105は、例えば直流スパッタ方式、高周波スパッタ方式、高周波マグネトロンスパッタ方式であればターゲットTgとワークWとを電気的に接続して電圧をかけることができる構成を備えている。なお、作動手段105は、イオン銃を用いてターゲットTgをスパッタさせる構成であっても構わない。
真空処理装置100を動作させる場合について図6を主に参照して(図5も参照)して説明する。
初めに、真空処理装置100では、筐体102の開閉蓋102bを開放してワークWを保持手段103に保持させ、また、予備室101内にSi系ターゲット101cを設置し(ステップS11)、開閉蓋102bを閉じる。
そして、主真空ポンプPsにより真空吸引して筐体2内及び予備室101内を真空にした(ステップS12)後に、予備室101内のSi系ターゲット101cをスパッタリングして室内堆積壁面101aにSi系堆積膜101dを形成する(ステップ13)。
この真空処理装置100では、予備室101の第2作動手段101eを作動させSi系ターゲット101cをスパッタリングして室内堆積壁面101a内の少なくとも一部にSi系堆積膜101dを形成している。なお、Si系堆積膜101dを形成するタイミングは、主真空ポンプPs作動中である。主真空ポンプPsを動作させるときに、Si系堆積膜101dが形成されていることで、Siダングリングボンドの吸着作用が発生し、真空に不必要な成分分子をSi系堆積膜101dの結合の相手がいない欠陥個所に吸着して真空吸引をより迅速に進めることができる。
真空処理装置100では、真空状態が予め設定された条件に到達すると(ステップ14)、予備室101の第2作動手段101eを同時に作動している場合には停止させ、Si系ターゲット101cからのスパッタリング処理も中止する。そして、真空処理装置100では、作動手段105を介してターゲットTgからワークWに向かってスパッタリングさせてワークWの表面処理作業を行う(ステップ15)。ワークWの表面をスパッタリングにより処理する場合は、雰囲気ガス容器Fgから導入部2dを介して雰囲気ガスを導入しながら行っている。
真空処理装置100は、ワークWの表面に一回目の処理が施された後に、ワークWに対して予め設定された設定条件の処理が終了したか否かが判定され(ステップS16)、処理が終了した場合には終了する(ステップS16のYes)。また、処理が終了していないと判定された場合には(ステップS16のNo)、再びステップS14,S15の処理が行われる。
なお、真空処理装置100では、再度処理を施す前に、真空状態を再度計測して、真空条件を満足していなければ、はじめの真空状態にする作業が行われる。このときに、予備室101の室内堆積壁面101aに既にSi系堆積膜101dが形成されて、Siダングリングボンドが残存していれば、Siダングリングボンドの吸着作用が持続して真空に不必要な成分分子を除去することができる。
また、予備室101のSi系ターゲット101cを第2作動手段102dによりスパッタリングさせて予備室101の室内堆積壁面101aにSi系堆積膜101dを形成しながら主真空ポンプPsを作動するようにしてもよい。このようにすれば、Si系堆積膜の中の欠陥(Siダングリングボンド)のほとんどが吸着ガスで埋まっていたとしても、予備室101の室内堆積壁面に、大量の欠陥(Siダングリングボンド)含んだSi系堆積膜が新たに形成され、その吸着力を利用し、真空処理室102a内を、設定された条件の真空状態へ速やかに真空排気できる。
なお、真空処理装置100では、主真空ポンプPsにより筐体102内を真空に吸引する際、複数のターゲットTgのひとつをSi系材料にしておき、このTgを使って、真空処理室102a内のワークW表面以外にSi系堆積膜を形成し、Siダングリングボンドの吸着作用を働かせてもよい。真空処理装置100では、ワークW表面に、ワークW直近に設置したシャッタ(シャッタ機構)6により、Si系堆積膜を形成しないようにすることができる(図5を参照)。
その結果、真空処理装置100では、従来の真空吸引を行った状態と比較して、同じ真空状態にする場合、1/2の時間で達成することができる(表3参照)。また、真空処理装置100ででは、同じ真空吸引時間、例えば、1分30秒後の真空状態では、最大、一桁違う真空度(Pa)の差として改善することができる(表2参照)。
真空処理装置100では、筐体102の開閉蓋102bを開放して新たなワークWを保持手段103に設置し、再度前記した工程を繰り返すことで真空状態を確保してワークWの表面処理を行うことができる。なお、載置台104がターゲットTgを複数載置している場合には、作動手段105に接続するターゲットTgを切り替え、次のターゲットTgで、真空状態を解除することなく、ワークWに対する作業をつづけることができる。
つぎに図7を参照して真空処理装置200を説明する。
図6に示すように、真空処理装置200は、筐体202内に設置される予備エリアに設置されたSi系堆積膜201dを形成するSi系堆積膜形成部201と、筐体202にワークWを保持して設置する保持機構203と、保持機構203に保持されたワークWの表面処理を制御するシャッタ機構206と、ワークWの表面処理を行うためのターゲットTgあるいは蒸着材料Gzを収納するルツボ等の収納容器204aを載置する載置台204と、この載置台204のターゲットTgと保持機構203のワークWとの間に電圧をかける作動手段205あるいは、収納容器204a内の蒸着材料を溶融するための電子銃または収納容器204aに通電加熱する作動手段(図示せず)と、を備えている。
Si系堆積膜形成部201は、Si系堆積膜201dを堆積するための堆積板201aと、この堆積板201aに対面する位置に設置されるSi系材料201cを収納する収納容器201bと、この収納容器201bを載置して加熱する第2作動手段201eとを備えている。
堆積板201aは、ワークWの表面処理作業に影響のない位置に設置され、ここでは、一端側を所定角度で折り曲げて、蒸着するSi系材料がワークW側に飛散しないように構成されている。この堆積板201aは、Si系堆積膜201dを形成する面側がここでは筐体2の内壁と同じ素材で形成されている。この堆積板201aでは、蒸着されるSi系堆積膜201dをすべて受ける必要はなく、シャッタ機構206が閉じられていれば、ワークWの表面処理に影響がないように、蒸着するSi系材料から遮蔽されるので、筐体202(真空処理室202a)の内壁面の一部にSi系堆積膜201dが形成される状態となっても構わない。なお、真空処理室202aの内壁面にSi系堆積膜201dが形成された方が、Si系堆積膜の面積が広がり、Siダングリングボンドの吸着力が強くなるので、真空処理室202aの真空排気には有利である。
収納容器201bは、Si系材料を収納するものであり、Si系材料を加熱して溶融可能なルツボやボート等である。収納容器201bに収納されるSi系材料の形状は、粉体、粒体、シートまたはペレットのいずれか、あるいは、それらの組み合わせである。このSi系材料は、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物(Si酸化物、Si窒化物、Si酸化物+α、Si窒化物+αを含む)のいずれかの材料により形成されている。そして、Si系材料は、Si合金あるいはSi混合物としては、例えば、Si(ケイ素)と、以下の金属である。すなわち、合金あるいは混合物として、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mg(マグネシウム)のうちの少なくとも一種類から成り、(10mol%≦Si≦ 90 mol%)の割合の範囲となるものである。
または、合金あるいは混合物として、Si(ケイ素)と、
Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Sn(錫)、Sb(アンチモン)、Te(テルル)、Re(レニウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)、C(炭素)、Ge(ゲルマニウム)のうちの少なくとも一種類から成る混合物(10mol%≦Si≦90mol%)である。
第2作動手段(Si系材料を気相状態にする手段)201eは、収納容器201b内のSi系材料を溶融して蒸着させるように加熱するものである。この第2作動手段201eは、収納容器201b内のSi系材料を加熱して堆積板201aに、Si系材料を蒸着させることができるものであれば、限定されることはない。
筐体202は、内部を真空にして蒸着等の処理ができるものであり、真空処理室202aと、この真空処理室202aの上部に設けた開閉蓋202bと、真空処理室202aの外壁を貫通して形成される主真空ポンプPsとの接続部202cとを備えている。
保持機構203は、筐体202内で処理されるワークWを保持するものである。この保持機構203は、ワークWの処理されるワーク面を露出するように保持することができる構成を備えていればよく、さらに、ワーク面を水平面に平行な方向で回転させることができ、ワーク面を冷却または加熱できる構成を備えているものであれば、その構成は限定されない。
載置台204は、ターゲットTgあるいは収納容器(ルツボまたはボート等)204aの一方を設置するものであり、図面では両者をまとめて示している。この載置台204は、複数のターゲットTgあるいは複数のルツボまたはボート等を載置して、それぞれのターゲットTgあるいはルツボボート等の直上に、独立して開閉駆動できるシャッタを配置した構成としても構わない。載置台204は、ターゲットTgあるいは収納容器204aが複数載置される場合には、予め設定されたプログラムの手順に沿って、あるいは、外部からの遠隔操作により、作動手段205との電気的接続が切り替えられるように構成されている。
作動手段205は、載置台204上にターゲットTgがある場合には、ワークWとの間で電圧をかける手段であり、載置台204上に収納容器204aがある場合には、第2作動手段201eと同様の構成となる加熱する手段である。
シャッタ機構206は、ターゲットTgからのスパッタあるいは収納容器204aに収納した蒸着材料Gzからの蒸発による蒸着および、堆積板201aが受け切れなかった(遮蔽できなかった)収納容器201bに収納されたSi系材料からの蒸着を、制御するものである。これらの目的を達成するためのシャッタ機構206は、ここでは、シャッタがターゲットTgあるいは収納容器204aとワークWと対面する処理経路の間に設置されており、シャッタが処理経路の全部または一部に移動して位置することで遮蔽するか、あるいは、シャッタが処理経路から退避位置に移動して遮蔽しないようにして、蒸着作業あるいはスパッタリング作業を制御している。シャッタ機構206は、蒸着作業あるいはスパッタリング作業及びその遮断ができる構成であれば特に限定されるものではない。
ターゲットTgあるいは蒸着材料Gzは、ワークWの表面処理等に使用される材料であり、ワークWの成分や処理の性質により様々な成分組成のものが用いられ、複数のターゲットTgあるいは複数の蒸着材料Gzのうち、少なくとも一つをSi系材料とし、シャッタ機構206でワークWに対する蒸着作業あるいはスパッタリング作業を遮断したうえで、Siダングリングボンドに起因した吸着作用を示す、Si系堆積膜を、真空処理室202a内壁およびシャッタ機構206下面に形成してもよい。このターゲットTgはバルク状に形成され、蒸着材料Gzは、収納容器204a内には粉体、粒体、ペレットあるいはシートまたは、これらの組み合わせの形態で収納されている。
真空処理装置200を動作させる場合には、以下のようになる。
初めに、真空処理装置200では、筐体202の開閉蓋202bを開放してワークWを保持機構203に保持させ、開閉蓋202bを閉じて主真空ポンプPsにより筐体202内を真空に吸引する。
真空処理装置200では、主真空ポンプPsを作動させるときに、Si系堆積膜形成部201の第2作動手段201eを作動させ、Si系材料201cを加熱して蒸着させてSi系堆積膜201dを堆積板201aに形成する。このように、主真空ポンプPsを動作させながら、Si系堆積膜201dを堆積板201aあるいは真空処理室202aの一部に形成することで、ダングリングボンドの吸着作用が発生し、真空に不必要な成分分子をSi系堆積膜201dのSi原子の結合の相手がいない欠陥個所に吸着して真空吸引をより迅速に進めることができる。
真空処理装置200では、真空状態が予め設定された条件すなわち、真空度(到達真空度)に到達すると、Si系堆積膜形成部201の第2作動手段201eを停止することでSi系材料201cからの蒸着処理を一旦中止する。主真空ポンプPsは、ワークWの表面処理の方法が、蒸着あるいはスパッタリングいずれの場合でも、表面処理によって発生したガスを、表面処理終了後に迅速に排気するため停止させない。そして、真空処理装置200では、作動手段205を介してターゲットTgあるいは蒸着材料GzからワークWに向かってスパッタリングあるいは蒸着させてワークWの表面処理作業を行う。
スパッタリングの場合は、メインバルブを調整して(ほとんど閉じて)、スパッタリングのために導入するガス量と排気ガス量のバランスで真空処理室202aのガス圧(スパッタリングガス圧)を設定条件に保ち、ワークWの表面処理を行う。到達真空度が10−5〜10−6Pa台であるのに対し、スパッタリングによる表面処理中のガス圧は10〜10−1Pa台である。蒸着の場合は、メインバルブを全開にし、ルツボやボートなどの加熱にともない発生するガスを主真空ポンプPsで排気しながら、ワークWの表面処理を行う。蒸着の場合は、表面処理中の真空処理室202aの真空度は、表面処理前の真空度すなわち、到達真空度よりできるだけ劣化しないことが望ましい。このため、メインバルブを全開にする。
真空処理装置200は、光ディスクのような多層構成の膜を作製するために、相接する層の材料が異なるように、ワークWの表面処理を繰り返す場合、ワークWの表面に次の処理を施す前に、真空状態を再度計測して、真空条件を満足していなければ、最初の表面処理を始める前の真空状態にする作業が行われる。このときに、筐体202内の内壁面あるいは堆積板201aに既にSi系堆積膜201dが形成されているので、この中に、吸着ガスで埋まっていない欠陥すなわち、Siダングリングボンドが残っていれば、Siダングリングボンドの吸着作用が持続して真空に不必要な成分分子を除去することができる。なお、真空処理装置200では、最初の表面処理を始める前の真空状態にする作業のときに、Si系堆積膜形成部201のSi系材料201cを第2作動手段201eにより加熱して蒸着させる動作を再度行いながら、主真空ポンプPsを作動するようにしてもよい。これは、最初の表面処理を始める前の真空状態にする作業のときに、筐体202内の内壁面あるいは堆積板201aに形成されているSi系堆積膜201dに残っている、吸着ガスで埋まっていないSiダングリングボンドが少なく、充分なSiダングリングボンドの吸着作用が期待できないとき、それを補うための方法である。
その結果、真空処理装置200では、従来の真空吸引を行った状態と比較して、同じ真空状態にする場合、1/2の時間で達成することができる(表3参照)。また、真空処理装置200ででは、同じ真空吸引時間、例えば、1分30秒後の真空状態では、最大、一桁違う真空度(Pa)の差として改善することができる(表2参照)。
つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る実施例では、高速、大容量光記録の記録実験用の光ディスク及びギャップサーボ実験のための光ディスクの媒体構成について行った。また、6元マグネトロンスパッタリング装置を用いて実験を行った。この6元マグネトロンスパッタリング装置は、主な構成要素として、真空室、クライオポンプ(CP、主ポンプ)、ドライポンプ(DRP、粗引きポンプ)、6元カソード(6元ターゲット))、高周波電源二基、制御ラック(液晶タッチパネル付き)を備えている。
記録実験用の光ディスクは、以下の層構成の多層膜を基板(PC(Polycarbonate) Subst.)に堆積させた。
Si−N/ZnS−SiO/Ge−Bi−B−O/ZnS−SiO/Si−N/Ag−a。
また、ギャップサーボ実験の光ディスクは、以下の層構成の二層膜を基板(PC Subst)に堆積させた。
Si−N/Ag−a。
なお、Ag−aは、Biを含有するAg合金である。また、Ge−Bi−B−Oは、対物レンズで絞り込んだレーザ光を照射して一度書き込むと、消すことができなく、再び書くことができない、いわゆる追記型(Write once)の記録材料である。
前記した光ディスク媒体をマグネトロンスパッタリング法により作製するときのスパッタリング時間以外の製膜条件について、表1に示す。
Figure 0006185751
上記構成に基づき、ターゲット(材料)を切り替えて多層構造の光ディスクを作製する。最初の層を製膜するための放電を始める前の到達真空度は、6×10−5Pa〜3×10−5Pa程度である。Si-N(窒化シリコン)以外の層は、それぞれ組成が調整されたターゲットで作製したが、Si-N(窒化シリコン)層は、BがドープされたSiターゲットとAr(アルゴン)・N(窒素)混合ガスを使用して、反応性スパッタリング法で製膜したが、Si-Nターゲットを用いてもよい。
放電を行っているときは、不純物ガスの大量放出やターゲットの破損を防ぐため、真空室、銅製バッキングプレートで裏打ちしているターゲットを装着しているカソード、PC(Polycarbonate)基板をマウントしているターンテーブルに通水して冷却する。
その上で、酸素など、各層への不純物の混入を極力抑えるため、つぎの層を製膜するための放電を開始する前に、真空度を最初の放電前の到達真空度6×10−5Pa〜3×10−5Pa程度に近づけるべく、長めに真空排気を行う。上記媒体を作製する過程で、Si−N(窒化シリコン)層を製膜し、放電とスパッタリングのためのAr(アルゴン)・N(窒素)ガスの導入を停止した後の排気速度は、他の三つの材料、すなわち、Ag合金、ZnS-SiO、Ge-Bi-B−Oを製膜した後の排気速度より速い。このことは、真空室内壁などの吸着面に堆積した膜がSi-Nであるにも関わらず、膜表面のSi原子がすべてNで終端されているわけではなく、膜表面に多数のSiダングリングボンドが存在し、また膜内部にも、欠陥や結晶粒界が原因でSiダングリングボンドが存在し、吸着作用が働いていることを示す。
また、このことから、Si膜でなく、Si−Oや、Siを含む合金や混合物を製膜した場合でも、Siダングリングボンドが膜表面にできていれば、吸着作用が働くことが考えられる。
本発明による方法であるSiダングリングボンドの吸着作用について説明する。
サブリメーションポンプ10は、フィラメント12の成分を次のようにした。
Si、または、Siと、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Mgのうちの少なくとも1種からなる合金もしくは混合物(10mol%≦Si≦90mol%)、あるいは、Siと、Al、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Re、Ir、Pt、Au、C、Geのうちの少なくとも1種類からなる混合物(10mol%≦Si≦90mol%)とした(Si系材料)で作製したフィラメント12としている。
Si系材料によるフィラメント12に電源15から通電し、フィラメント12をSiの融点である1412℃以下、またはSi系材料の融点以下に加熱して昇華させる。Si系堆積膜が筐体2(図1参照)内に存在することで、Si系堆積膜による吸着面にできたSiダングリングボンドの吸着作用で真空状態となる排気を行うことができる。
マグネトロンスパッタリング装置で、Bを添加したSiターゲットを使い、Si−N膜を製膜し、放電を停止した後のSiダングリングボンドの吸着作用を利用した真空排気動作の実施例(実施例1)を示す。
Figure 0006185751
表2に、Si−N/Ag−a二層膜(Si−N(15nm)/Ag−a(50nm)/PCsubst.)を作製したときの各層放電終了後の排気速度の比較を示す。
Ag−a膜製膜条件は、Ar流量=60sccm、スパッタリングガス圧=0.7Pa、スパッタリングパワ=70W、スパッタリング時間=6分23秒。
Si−N膜製膜条件は、Ar/N流量比=60/10、スパッタリングガス圧0.7Pa、スパッタリングパワ=70W、スパッタリング時間=12分15秒。
Si−N膜を製膜したにもかかわらず、吸着面にはSiダングリングボンドが多数存在しており、そのため、Si−N膜製膜のための放電を停止した後の排気速度は、Ag−a膜の製膜のための放電を停止した後より排気速度が速く、放電停止後1分30秒時点で、5.46×10−5Paに達している。一方、吸着作用がほとんど見られないAg−a膜製膜の場合、放電停止後1分30秒時点での真空度は、1.45×10−4Paにとどまっている。
実施例1は、吸着面にSiダングリングボンドが存在するときの排気速度の改善効果を、放電停止後比較的短時間(1分30秒後)での到達真空度を比較することで示している。
次に、実施例2として、実施例1と同じマグネトロンスパッタリング装置で、ガラス基板上に、Bi−B−O単層膜あるいはSi−N単層膜を製膜し、真空を破らず長時間排気したときの到達真空度の違いを示す。Bi−B−O膜の製膜条件は、Ar流量=60sccm、スパッタリングガス圧=0.35Pa、スパッタリングパワ=70W、製膜時間=5分である。
Si−N膜の製膜条件は、Ar/N流量比=60/5、スパッタリングガス圧=0.7Pa、スパッタリングパワ=70W、スパッタリング時間=1時間7分45秒である。
表3に到達真空度の比較を示す。
Figure 0006185751
Siダングリングボンドによる吸着作用があるSi−N膜を製膜した場合、放電停止後にベントせずに22時間20分15秒排気したときの到達真空度は、3.55×10−5Paとなり、吸着効果のないBi−B−O膜を製膜し、放電停止後に倍以上の45時間2分排気したときの到達真空度より高真空になっている。したがって、長時間排気する中でも、吸着面のSi−N膜中にできたSiダングリングボンドの吸着効果は維持され(吸着されたガスが離脱することなく)、到達真空度の改善につながっていることがわかる。
なお、実施例1,2では、Si−N膜の製膜を(吸着面の作製を)1回行っただけであるが、排気されるガスを吸着しSiダングリングボンドが形成した膜の中から消滅すれば、吸着面は排気動作を行わなくなる。したがって、真空処理装置では、他の方式のポンプによる排気を間に挟み、Si−N膜の製膜を繰り返して、Siダングリングボンドの吸着作用を有する清浄な吸着面を再生してもよい。
<実施例の実験についての説明>
スパッタリング製膜中のガス圧は、0.7Paである。この圧力は、外部から真空室に導入されたガスに、プラズマ放電やターゲットのスパッタリングによって発生するガスが加わって発生したガス圧が、一定になるように、ガス導入量とガス排気量のバランスによって決まる圧力である。したがって、スパッタリングパワが高く、またスパッタリング時間が長いほど、真空室内でのガス発生量は多いが、スパッタリングパワやスパッタリング時間にかかわらず、スパッタリング終了時の真空室ガス圧(真空度)は、常に0.7Paである(この圧力値は設定値であり、変更することは可能。実施例に於いては0.7Pa)。各ターゲットを使用して製膜された膜の真空排気能力を比較するために、主ポンプCPの真空排気能力は常に一定であると考え、ガス導入バルブを閉め、MVを全開にした後1分30秒後の真空度を確認し、比較した。
<Siの成分構成(組成比)についての考え方>
ターゲットにわずかでもSiが混ざっていれば、Si系薄膜内のSiダングリングボンドに起因した、真空排気効果はあると、考える。Siの具体的%(mol%)についていえば、次のようになる。
本発明の実施例で使用したZnS−SiOターゲットの、ZnSとSiOの組成比(モル比(mol%))は80:20である。SiO中における、Siの組成比(mol%)は、1/3すなわち、33%。ZnS−SiO全体中の、Siの組成比(mol%)は、したがって6.6%(=33×0.2)となる。
ZnS−SiOターゲットから製膜したときに、明らかに真空排気効果が確認されるので、ターゲットには5%以上のSiが含まれればよいと、考える。合金や化合物でSiの割合が多いほど、Si系薄膜の真空排気性能は高いことが分かる。
以上説明したように、本発明に係る実施形態あるいは実施例において、Si系材料の堆積膜を形成して真空吸引することで、Si系材料の堆積膜のダングリングボンドによる吸着作用により真空状態を迅速に形成することが可能となる。また、本発明では、Si系材料の堆積膜として説明したが、単結晶、多結晶、非結晶であることや、また、堆積層を積層する構成であってもよく、Siダングリングボンドの吸着作用を発生させる状態であればその結晶、非結晶状態、形成位置(表面、結晶内部)、膜厚さ、層厚さ、広さ、形態は限定されるものではない。
なお、前記した各実施形態において、以下に示すような組み合わせにより真空状態を形成するようにしても構わない。
すなわち、Si系材料と気相手段の設置場所、気相方法、Si系堆積膜の形成タイミング、真空吸引作用として何を利用したか、及び、雰囲気との組み合わせは以下の場合であっても構わない。
Si系材料と加熱手段の設置場所(A:真空処理室、B:予備室)とし、加熱方法(2:スパッタ、3:昇華、4:蒸着)とした。さらに、これらの要因の組み合わせによって、Si系堆積膜の形成のタイミング(あ:形成中、い:形成後)において、真空吸引作用として何を利用するかを(a:膜の吸引作用、真空処理室の真空吸引)(b:真空処理装置に備えられた真空ポンプ)とし、その雰囲気(x:真空、y:ガス)としたときに以下の場合であってもよい。
設置場所が真空処理室である場合
A−2 形成方法がスパッタリングのとき、
A−2−い−a.堆積膜形成後に膜の吸引作用を利用可。
A−2−い−b.堆積膜形成後に真空ポンプを使用可。
A−4 形成方法が蒸着によるとき、
A−4x−あ−a.真空雰囲気(x)で堆積膜形成中に膜の吸引作用を利用可。
A−4x−あ−b.真空雰囲気(x)で堆積膜形成中に真空ポンプを使用可。
A−4y−い−a.ガス雰囲気(y)で堆積膜形成後に膜の吸引作用を利用可。
A−4y−い−b.ガス雰囲気(y)で堆積膜形成後に真空ポンプを使用可。
B 設置場所が真空処理室と連通する予備室である場合
B−2 形成方法がスパッタのとき、
B−2−い−a.堆積膜形成後に膜の吸引作用を利用可。
B−2−い−b.堆積膜形成後に真空ポンプを使用可。
B−3 形成方法が昇華による場合、
B−3−あ−a.堆積膜形成中に膜の吸引作用を利用可。
B−3−あ−b.堆積膜形成中に真空ポンプを使用可。
B−4 形成方法が蒸着による場合
B−4x−あ−a.真空雰囲気(x)で堆積膜形成中に膜の吸引作用を利用可。
B−4x−あ−b.真空雰囲気(x)で堆積膜形成中に真空ポンプを使用可。
B−4y−い−a.ガス雰囲気(y)で堆積膜形成後に膜の吸引作用を利用可。
B−4y−い−b.ガス雰囲気(y)で堆積膜形成後に真空ポンプを使用可。
1 真空処理装置
2 筐体
2a 真空処理室
2b 開閉蓋
2c 接続部
2d 導入部
3 保持機構
4 収納容器
5 電子銃
6 シャッタ機構
7 載置台
10 サブリメーションポンプ
12 フィラメント
13 支持体
13a 取付固定部
13b 固定板
13c 支持柱
14 支持板
15 電源
16 堆積板
17 シールド板
17a 吸気口
18 堆積膜
19 冷却手段
100 真空処理装置
101 予備室
101a 室内堆積壁面
101c Si系ターゲット
101d Si系堆積膜
101e 第2作動手段
101h 連通口
102 筐体
102a 真空処理室
102b 開閉蓋
102c 接続部
102e 第2作動手段
103 保持手段
104 載置台
105 作動手段

Claims (6)

  1. Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を真空処理室内又は前記真空処理室に隣接して連通する予備室内に設置し、前記真空処理室内、又は、前記予備室内で、前記Si系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とし、前記真空処理室内又は予備室内の少なくとも一部にSi系堆積膜を堆積させて、前記真空処理室内、又は、前記真空処理室及び前記予備室内を真空にし、
    前記Si系材料は、線材状のSi系フィラメントであり、前記予備室が前記Si系フィラメントを収納するフィラメント収納室であり、前記Si系フィラメントの融点以下において加熱して昇華させることで気相状態とし、前記フィラメント収納室内の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することを特徴とする真空吸引方法。
  2. Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を真空処理室内又は前記真空処理室に隣接して連通する予備室内に設置し、前記真空処理室内、又は、前記予備室内で、前記Si系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とし、前記真空処理室内又は予備室内の少なくとも一部にSi系堆積膜を堆積させて、前記真空処理室内、又は、前記真空処理室及び前記予備室内を真空にし、
    前記Si系材料は、粉体、粒体、シート又はペレットのいずれかであるSi系被加熱材料であり、前記Si系被加熱材料をボート又はルツボである収納容器に入れて前記真空処理室又は前記予備室の一方に設置し、前記真空処理室内又は前記予備室内に設けた加熱手段により前記収納容器内のSi系被加熱材料を融点以上に加熱して溶融させて蒸発させ、前記真空処理室内の少なくとも一部又は前記予備室の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することを特徴とする真空吸引方法。
  3. 前記真空処理室内、又は、前記真空処理室内及び予備室内が、不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中において、前記Si系堆積膜を堆積させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空吸引方法。
  4. 不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中においてワーク処理する真空処理室と、この真空処理室に隣接して連通する予備室と、前記真空処理室に接続され当該真空処理室内を真空にする真空ポンプとを備える真空処理装置であって、
    前記真空処理室内又は前記予備室内に、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を設置させる設置部と、
    前記設置部に設置されたSi系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とする気相手段と、を備え、
    前記気相手段により真空処理室内又は前記予備室内の少なくとも一部に、前記真空雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させながら、又は、前記ガス雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させた後に、前記真空ポンプを作動させ、
    前記Si系材料は、線材状のSi系フィラメントであり、前記予備室が前記Si系フィラメントを収納するフィラメント収納室であり、前記Si系フィラメントの融点以下において加熱して昇華させることで気相状態とし、前記フィラメント収納室内の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することを特徴とする真空処理装置。
  5. 不活性ガス、又は、不活性ガスと反応ガスとの混合ガス、又は、反応性ガスとなるガス雰囲気中、あるいは、真空雰囲気中においてワーク処理する真空処理室と、この真空処理室に隣接して連通する予備室と、前記真空処理室に接続され当該真空処理室内を真空にする真空ポンプとを備える真空処理装置であって、
    前記真空処理室内又は前記予備室内に、Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料を設置させる設置部と、
    前記設置部に設置されたSi系材料を固相状態から直接的又は間接的に気相状態とする気相手段と、を備え、
    前記気相手段により真空処理室内又は前記予備室内の少なくとも一部に、前記真空雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させながら、又は、前記ガス雰囲気中では前記Si系堆積膜を堆積させた後に、前記真空ポンプを作動させ、
    前記Si系材料は、粉体、粒体、シート又はペレットのいずれかであるSi系被加熱材料であり、前記Si系被加熱材料をボート又はルツボである収納容器に入れて前記真空処理室又は前記予備室の一方に設置し、前記真空処理室内又は前記予備室内に設けた加熱手段により前記収納容器内のSi系被加熱材料を融点以上に加熱して溶融させて蒸発させ、前記真空処理室内の少なくとも一部又は前記予備室の少なくとも一部に前記Si系堆積膜を堆積させて形成することを特徴とする真空処理装置。
  6. 真空処理室の真空吸引を行うサブリメーションポンプであって、
    Si、Si合金、Si化合物、Si混合物のいずれかである固相状態のSi系材料から形成したSi系フィラメントと、このSi系フィラメントの両端を支持する支持体と、この支持体を介してフィラメントを融点以下において加熱して昇華させる電源と、前記Si系フィラメントの周囲に内周面が対面するように設置される筒状体と、を備え、
    前記電源を介して前記Si系フィラメントを昇華させて前記筒状体の内周面にSi系堆積膜を形成して真空吸引することを特徴とするサブリメーションポンプ。
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