JP6259751B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
[1](A)極限粘度[η]が4.0dl/g以下のエチレン・プロピレン共重合体からなるn−デカン可溶成分を、3〜25重量%の割合で含むポリプロピレン系樹脂基材:50〜90重量部と、
(B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜15g/10分であるエチレン・α−オレフィン共重合体:5〜40重量部と、
(C)無機充填剤:5〜30重量部と
からなる組成物100重量部に対して、
(D)数平均分子量が40000以下であるオレフィン系(共)重合体を、0.5〜3重量部含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
[2]前記(C)無機充填剤がタルクであることを特徴とする前記[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[3]前記(B)エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンが、炭素数3以上10以下のα−オレフィンであることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[4]前記(B)エチレン・α−オレフィン共重合体の、α−オレフィンの含有量が、15〜65重量%であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を、射出成形してなることを特徴とする成形体。
<ポリプロピレン系樹脂組成物>
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂基材、(B)エチレン・α−オレフィン共重合体、(C)無機充填剤、および(D)オレフィン系(共)重合体を必須成分として含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の基材成分を構成する(A)ポリプロピレン系樹脂基材は、極限粘度[η]が4.0dl/g以下のエチレン・プロピレン共重合体からなるn−デカン可溶成分を3〜25重量%の割合で含む。すなわち本発明に係る(A)ポリプロピレン系樹脂基材は、n−デカン不溶成分(a)と、極限粘度[η]が4.0以下のエチレン・プロピレン共重合体からなるn−デカン可溶成分(b)とからなり、(b)成分を3〜25重量%、(a)成分を75〜97重量%の割合で含む。
(b)成分は、n−デカンに可溶な成分であり、極限粘度[η]が4.0dl/g以下、好ましくは1.5〜3.5dl/gのエチレン・プロピレン共重合体からなる。ここで極限粘度[η]とは、135℃、デカリン溶液中で測定した極限粘度を意味する。
以下、本発明に係る(A)ポリプロピレン系樹脂基材の調製に好適に用いられるオレフィン重合用触媒の触媒成分及び重合方法について記載する。
[固体状チタン触媒成分(I)]
オレフィン重合用触媒を構成する固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び必要に応じて電子供与体を含むことを特徴としている。この固体状チタン触媒成分(I)は公知の固体状チタン触媒成分を制限無く用いることができる。固体状チタン触媒成分(I)の製造方法の例を以下に示す。
マグネシウム化合物としては、具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウム等のアルコキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム等のアリーロキシマグネシウム;ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等の公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
Ti(OR)gX4-g
(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
上記のマグネシウム化合物及びチタン化合物としては、例えば、特開昭57−63310号公報、特開平5−170843号公報等に詳細に記載されている化合物も挙げることができる。
(P−1) マグネシウム化合物及びアルコール等の電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、後述する電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法。
(P−2) マグネシウム化合物及び電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、複数回に分けて接触させる方法。
(P−3) マグネシウム化合物及び電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させ、且つ複数回に分けて接触させる方法。
(P−4) マグネシウム化合物及び電子供与体成分(a)からなる液状状態のマグネシウム化合物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体成分(b)とを接触させる方法。
また、上記の固体状チタン触媒成分の製造には、必要に応じて公知の媒体の存在下に行うこともできる。上記の媒体としては、やや極性を有するトルエン等の芳香族炭化水素やヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の公知の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素化合物が挙げられるが、これらの中では脂肪族炭化水素が好ましい例として挙げられる。
上記の電子供与体成分(a)としては、上記のアルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノール等が好ましい。
本発明で用いられる固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)(すなわち、ハロゲン原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜90であることが望ましく、電子供与体成分(a)や電子供与体成分(b)は、電子供与体成分(a)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましく、電子供与体成分(b)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましい。
固体状チタン触媒成分(I)のより詳細な調製条件として、電子供与体成分(b)を使用する以外は、例えば、EP585869A1(欧州特許出願公開第0585869号明細書)や特開平5−170843号公報等に記載の条件を好ましく用いることができる。
次に、周期表の第1族、第2族及び第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)について説明する。
有機金属化合物触媒成分(II)としては、第13族金属を含む化合物、たとえば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物等を用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
このような電子供与体成分(c)として好ましくは、有機ケイ素化合物が挙げられる。この有機ケイ素化合物としては、たとえば下記式で表される化合物を例示できる。
RnSi(OR')4-n
(式中、R及びR'は炭化水素基であり、nは0<n<4の整数である。)
Si(ORa)3(NRbRc)
式中、Raは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Raとしては、炭素数1〜6の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基が挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
RNSi(ORa)3
式中、RNは、環状アミノ基であり、この環状アミノ基として、例えば、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基等が挙げられる。
上記式で表される化合物として具体的には、(パーヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、(1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、オクタメチレンイミノトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明に係る(A)ポリプロピレン系樹脂基材として好適に用いられるブロック共重合体((a)成分を構成するポリプロピレン部と、(b)成分を構成するエチレン・プロピレン共重合体部とを有するブロック共重合体)は、上述したオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンを重合し、次いで、プロピレンとエチレンを共重合させるか、又は予備重合させて得られる予備重合触媒の存在下で、プロピレンを重合し、次いで、プロピレンとエチレンの共重合を行うこと等の方法で製造できる。
予備重合における固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。
予備重合の際の温度は、通常−20〜+100℃であり、好ましくは−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲である。
本重合は、(a)成分であるプロピレン重合体成分を製造する工程及び(b)成分であるプロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程に分けられる。
予備重合及び本重合は、バルク重合法、溶解重合、懸濁重合等の液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。プロピレン重合体成分を製造する工程として好ましいのは、バルク重合や懸濁重合等の液相重合あるいは気相重合法である。また、プロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程として好ましいのは、バルク重合や懸濁重合等の液相重合あるいは気相重合法であり、より好ましいのは、気相重合法である。
エチレン/(エチレン+プロピレン)ガス比は、5〜80モル%、好ましくは、10〜70モル%、より好ましくは15〜60モル%の範囲で制御することが望ましい。
本発明者らの知見に拠れば、プロピレン・エチレンブロック共重合体を構成する室温でn−デカンに不溶な部分(Dinsol)は、主としてプロピレン重合体成分から構成される。
従って、以下の二つの重合工程(重合工程1及び重合工程2)を連続的に実施することによって、上述した各要件を満たし、本発明の(A)成分として好適なプロピレン・エチレンブロック共重合体を得ることができる。
固体状チタン触媒成分の存在下でプロピレンを重合し、プロピレン重合体成分を製造する工程((a)成分のプロピレン重合体製造工程)。
固体状チタン触媒成分の存在下でプロピレン及びエチレンを共重合してプロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程((b)成分のエチレン・プロピレン共重合体製造工程)。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を構成する(B)エチレン・α−オレフィン共重合体は、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、通常0.1〜15g/10分であり、好ましくは0.5〜12g/10分、より好ましくは0.5〜10g/10分である。
(B)エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体が好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(C)無機充填剤を必須成分として含有する。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物が(C)無機充填剤を含有することにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体は、塗装性および剛性などの特性に優れたものとなり、たとえば塗装が必要な自動車用部材などとして好適に用いることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に含まれる(D)オレフィン系(共)重合体は、数平均分子量(Mn)が40000以下、好ましくは35000〜1000、より好ましくは32000〜2000であるオレフィンの重合体あるいは共重合体であり、ポリオレフィンワックス等とも称される。(D)オレフィン系(共)重合体としては、軟化点が100℃以上のものが好適に用いられる。ここで、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法または蒸気浸透圧法によって測定した値である。
(D−1)エチレン95〜100重量%、好ましくは98〜100重量%と、炭素原子数3〜8のα−オレフィン0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%とからなるエチレン系(共)重合体、および/または、
(D−2)プロピレン95〜99.9重量%、好ましくは97.5〜99.5重量%と、エチレンおよび炭素原子数4〜8のα−オレフィンから選ばれるオレフィン0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%とからなるプロピレン系共重合体
であることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上述した(A)ポリプロピレン系樹脂基材、(B)エチレン・α−オレフィン共重合体および(C)無機充填剤からなる基材成分、ならびに(D)オレフィン系(共)重合体を必須成分として含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外のその他の成分を必要に応じて含有してもよい。
無機系核剤にはタルク;シリカなどが、ソルビトール系核剤には、1,3,2,4−ジベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(2',4'−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチル−ベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−プロピルベンジリデン)ソルビトールなどが、カルボン酸金属塩系核剤には、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート;安息香酸ナトリウム;モンタン酸カルシウムなどが、有機リン酸塩系核剤には、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,2'−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート;リチウム−2,2'−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどがそれぞれ挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の各成分、並びに必要に応じて核剤やその他の添加剤などの任意成分を、配合することにより製造することができる。これらの各成分は、任意の順序で配合することができ、同時に混合してもよく、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような他段階の混合方法を採用してもよい。具体的には、たとえば、(A)成分と(B)成分とを配合して基材成分を調製した後、それ以外の成分を添加して配合することにより調製することができる。
以下の実施例等において、各物性の測定および評価は、以下の方法により行った。
〔メルトフローレート(g/10分)〕
ASTM D1238E準拠し、試験荷重2.16kg、試験温度230℃の条件で測定した。以下、単に「MFR」ともいう。
〔比重測定(g/cm3)〕
ASTM D792に準拠し、水中置換法で測定した。
〔IZOD衝撃試験(MPa)〕
ASTM D256に準拠し、測定温度23℃、及び−30℃の条件で測定した。
〔曲げ強度および曲げ弾性率(MPa)〕
ASTM D790に準拠し、スパン間100mm、曲げ速度30mm/minの条件で測定した。
成形温度200℃、金型温度40℃にて成形された100mm × 350mm × 3mmの角板に、プライマーを10μm程度の厚みで塗布し、次にベース塗料を約15μmの厚さで塗布。最後にクリアー塗料を約30μmの厚さで塗布し。常温で10分間静置した後、オーブン内で試料温度が80℃に達してから 20分間の焼き付けを行った。
その後、十分に乾燥された塗装試料にたいし、塗装面にカッターナイフで直交する縦横11本ずつの間隔2mmの平行線を引いて、100個のマス目が出来るように碁盤目状の切り傷を付けた。室温で接着テープ(例えば、ニチバンセロテープ)をこの部分に密着させ、テープの一方の端を持ち、上方に急激に引きテープを剥がすことで碁盤目剥離試験をおこなった。剥離しなかったものの数をXとして、X/100で表し、分子の数値であるXを実施例の碁盤目剥離試験の結果として記載した。
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mlおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。
上記の様に調製された固体状チタン触媒成分はヘキサンスラリーとして保存されるが、このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分は、チタンを2重量%、塩素を57重量%、マグネシウムを21重量%およびDIBPを20重量%の量で含有していた。
固体触媒成分87.5g、トリエチルアルミニウム99.8mL、ジエチルアミノトリエトキシシラン28.4ml、ヘプタン12.5Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちプロピレンを875g挿入し、100分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で0.7g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。
内容量58Lの攪拌機付きベッセル重合器に、プロピレンを30kg/時間、水素を167NL/時間、前記(2)で製造した触媒スラリーを遷移金属触媒成分として0.34g/時間、トリエチルアルミニウム2.2mL/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン1.3mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は69℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
極限粘度[η]=2.5dl/g
MFR(2.16kg荷重、230℃)=63g/10分
23℃ n−デカン可溶分(Dsol)の割合=23重量%
23℃ n−デカン可溶分(Dsol)のエチレン量=41mol%
前重合および重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行い、プロピレン単独重合体(a−1)を製造した。
(2)前重合触媒の製造
固体触媒成分86.0g、トリエチルアルミニウム39.2mL、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン11.0ml、ヘプタン4.6Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温10〜15℃に保ちプロピレンを860g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1.0g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を128NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として0.79g/時間、トリエチルアルミニウム2.7ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン1.6ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は70℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
得られたプロピレン単独重合体(a−1)の性状は、極限粘度[η]=0.84dl/g、MFR(2.16kg荷重、230℃)=65g/10分であった。
製造例2において、本重合の方法を以下の通り変えたこと以外は、製造例2と同様の方法で行い、プロピレン単独重合体(a−2)を製造した。
(3)本重合
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を52NL/時間、製造例2の(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として0.82g/時間、トリエチルアルミニウム2.8ml/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は70℃であり、圧力は3.4MPa/Gであった。
得られたプロピレン単独重合体(a−2)の性状は、極限粘度[η]=0.84dl/g、MFR(2.16kg荷重、230℃)=23g/10分であった。
以下の実施例および比較例において用いた成分である、ポリプロピレン系樹脂基材(A)を構成するブロック共重合体(a+b)、プロピレン単独重合体(a−1)および(a−2)としては、それぞれ、上記製造例1〜3で製造したものを用いた。
(B−1)エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン・ブテンランダム共重合体(三井化学株式会社製、製品名:A0550、MFR(2.16kg荷重、230℃)=0.9g/10分)、密度861kg/m3
(B−2)エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン・ブテンランダム共重合体(三井化学株式会社製、製品名:A1050、MFR(2.16kg荷重、230℃)=2.2g/10分)、密度862kg/m3
(C)無機充填剤
タルク(浅田製粉株式会社製、製品名JM−209)平均粒径5μm
(D)オレフィン系(共)重合体
(d−1)エチレン系熱分解型ワックス(三井化学株式会社製、製品名:NL100)
数平均分子量Mn=2600、結晶化度=54、軟化点=110℃、密度=920kg/m3、エチレン含量:100重量%
(d−2)プロピレン系ワックス(三井化学株式会社製、製品名:NP055)
数平均分子量Mn=7300、結晶化度=60、軟化点=150℃、密度=900kg/m3、プロピレン含量:98.3重量%/エチレン含量:1.7重量%
(d−3)プロピレン系熱分解型ワックス(三井化学株式会社製、製品名:NP805)
数平均分子量Mn=30000、結晶化度=60、軟化点=158℃、密度=900kg/m3、プロピレン含量:98.3重量%/エチレン含量:1.7重量%
(A)ポリプロピレン系樹脂基材、(B)エチレン・α−オレフィン共重合体、(C)無機充填剤、(D)オレフィン系(共)重合体の各配合成分を、表2に示す配合量で用いて、ヘンシェルミキサーでドライブレンドし、二軸押出機((株)日本製鋼所製 TEX30α)により、バレル温度200℃、スクリュー回転750rpm、押出し量60kg/hの条件で押出し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
Claims (5)
- (A)135℃、デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が3.5dl/g以下のエチレン・プロピレン共重合体からなるn−デカン可溶成分を、3〜25重量%の割合で含むポリプロピレン系樹脂基材:50〜90重量部と、
(B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜15g/10分であるエチレン・α−オレフィン共重合体:5〜40重量部と、
(C)無機充填剤:5〜30重量部と
からなる組成物100重量部に対して、
(D)数平均分子量が40000以下であるオレフィン系(共)重合体を、0.5〜3重量部含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。 - 前記(C)無機充填剤がタルクであることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 前記(B)エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンが、炭素数3以上10以下のα−オレフィンであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 前記(B)エチレン・α−オレフィン共重合体の、α−オレフィンの含有量が、15〜65重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を、射出成形してなることを特徴とする成形体。
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