JP6268585B2 - ポーラスコンクリート用混和材、セメント組成物及びポーラスコンクリートの製造方法。 - Google Patents
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Description
また、他に例えば、コンクリートによる舗装を施工した後、表層側のモルタルを削り出し、骨材を露出させることによって、遮水層上に透水層が配された舗装を施工する技術も提案されている(特許文献2参照)。しかし、かかる技術では、モルタルを削り出す必要があるため、施工にかかる労力やコストが大きくなる。また、空隙が形成される部分が表層近傍に限られてしまい、雨水を排水するのに十分な透水性と十分な騒音低減性を得ることが困難となる。
減水成分と、再乳化形樹脂とを含有する。
これにより、上記混練物の流動性が、環境温度に依存して変動することが抑制されるため、上記混練物を敷き均し、振動を与えたとき、環境温度に依存して上記混練物の下方に移動する程度が変動することが抑制される。
このように、環境温度によらず上記混練物を十分に下方に移動させることができるため、ポーラスコンクリートの表面側に十分な空隙を形成して十分な透水性を付与し、下方側に十分な遮水性を付与することができる。
また、透水性の高い部分と低い部分とを別々に作製しなくても済むため、作業性を向上させ得る。
前記再乳化形樹脂が、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル共重合、及び、酢酸ビニル/エチレン共重合の少なくとも1つを有することが好ましい。
前記再乳化形樹脂が、再乳化形粉体樹脂であり、
前記再乳化形粉体樹脂と前記減水成分との質量比が、80:20〜90:10であることが好ましい。
前記減水成分が、(メタ)アクリル酸系ポリマー、及び、マレイン酸系ポリマーの少なくとも1つを含有していることが好ましい。
このように、環境温度によらず上記混練物を十分に下方に移動させることができるため、ポーラスコンクリートの表面側に十分な空隙を形成して十分な透水性を付与し、下方側に十分な遮水性を付与することができる。
また、透水性の高い部分と低い部分とを別々に作製しなくても済むため、作業性を向上させ得る。
従って、十分な透水性と遮水性とを有するポーラスコンクリートを環境温度によらず作業性良く製造可能なものとなる。
前記ポーラスコンクリート用混和材と、セメントと、粗骨材と、細骨材と、水とを混練し、混練物を敷き均し、その表面に振動を与えることによってポーラスコンクリートを作製する。
このように、環境温度によらず上記混練物を十分に下方に移動させることができるため、ポーラスコンクリートの表面側に十分な空隙を形成して十分な透水性を付与し、下方側に十分な遮水性を付与することができる。
また、透水性の高い部分と低い部分とを別々に作製しなくても済むため、作業性が向上する。
従って、十分な透水性と遮水性とを有するポーラスコンクリートを環境温度によらず作業性良く製造することが可能となる。
かかる減水成分は、粉体状であることが好ましい。減水成分が粉体状であることによって、ポーラスコンクリートに含有される他の粉体材料と同じ経路でミキサに投入し得るため、液体状の場合よりも作業性に優れる。
かかる(メタ)アクリル酸系ポリマー(A)としては、粉体セメンントへの分散性能に優れることから、(a)下記一般式(I)で表される単量体と、(b)メタクリル酸又はその塩と、(c)下記一般式(II)で表される単量体とを共重合してなる重量平均分子量5,000〜100,000の範囲である共重合体のアルカリ土類金属及び多価金属から選ばれる一種又は、二種以上の塩からなる(メタ)アクリル酸系ポリマーが好ましい。
CH2=C(R1)COO(R2O)nR3 ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(CH2CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。また、nは、オキシアルキレン基の付加モル数を示し、この付加モル数(n)は5〜40の整数であり、好ましくは7〜35、より好ましくは9〜30である。また、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
当該(a)単量体の使用量は、上記(a)、(b)及び(c)の合計量に対して、好ましくは3〜25%モルであり、より好ましくは4〜20モル%、さらに好ましくは5〜17モル%である。
かかる(b)単量体としては、例えば、メタクリル酸又はそのナトリウムなどの1価金属塩、カルシウムなどの2価金属塩、アンモニウム、有機アミンなどの部分中和塩が挙げられる。また、これらの単独又は2種以上の組み合わせであってもよい。
当該(b)単量体の使用量は、上記(a)、(b)及び(c)の合計量に対して、55〜75モル%であり、好ましくは60〜75モル%である。
また、上記単量体(a)と単量体(b)のモル比(a)/(b)は、混和初期のセメント分散性能に優れることを考慮して、好ましくは0.05〜0.4、より好ましくは0.05〜0.3とすることが望ましい。
CH2=C(R4)COOR5 ・・・(II)
ここで、上記式(II)中、R4は水素原子又はメチル基であり、R5は炭素数1〜5の水酸基により置換されていてもよいアルキル基である。
当該(c)単量体の使用量は、上記(a)、(b)及び(c)の合計量に対して、好ましくは5〜35モル%であり、より好ましくは5〜25モル%である。
上記した共重合体の塩を調製するのに用いられるアルカリ土類金属、多価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が挙げられるが、製造の容易さ及び価格の点からカルシウムが好ましい。なお、ナトリウム等の一価金属塩は粉体ではあるが、アルカリ土類金属塩や多価金属塩と比較して若干経時安定性が悪く、比較的好適には用いられ難い。
かかるマレイン酸系ポリマー(B)としては、セメントへの分散性能に優れる点から、(d)下記一般式(III)で示される単量体と、(e)無水マレイン酸又はその加水分解物、及び/又は、(f)下記一般式(IV)で示されるポリアルキレングリコール系化合物の無水マレイン酸エステルとを共重合してなる重量平均分子量3,000〜100,000の範囲である共重体の、アルカリ土類金属及び多価金属から選ばれる一種又は二種以上の塩からなるマレイン酸系ポリマーが挙げられる。
CH2=C(R6)−(CH2)xO−(R7O)y−R8 ・・・(III)
ここで、上記式(III)中R6は、水素原子又はメチル基を示し、R7Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(CH2CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。また、xは0又は1を示し、yは1〜100の整数、好ましくは1〜80、より好ましくは10〜50を表す。またR8は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
当該(d)単量体の使用量は、上記(d)、(e)及び(f)の合計量に対して、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%である。
当該(e)単量体の使用量は、上記(d)、(e)及び(f)の合計量に対して、好ましくは40〜70モル%であり、より好ましくは45〜70モル%である。
R9―(R10O)z−W ・・・(IV)
ここで、上記式(IV)中、R9は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。また、R10Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(CH2CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられ、zは1〜100の整数を表し、好ましくは1〜70、更に好ましくは1〜50を表す。更に、Wは、水素原子又はR11NH2(R11はアルキレン基を示す)を表す。
当該(f)単量体の使用量は、上記(d)、(e)及び(f)の合計量に対して、好ましくは0〜70モル%、より好ましくは40〜70モル%である。
上記した共重合体の塩を調製するにはアルカリ金属を用いることができるが、好ましくは、アルカリ土類金属、多価金属である。例えば、アルカリ土類金属、多価金属としては、例えば、上記メタクリル酸系ポリマー(A)の場合と同様、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が挙げられ、製造の容易さ、価格の点からカルシウムが好ましい。また、粉体化の方法としては、前述の〔(メタ)アクリル酸系ポリマー(A)〕の粉体化で記載した従来公知の粉体化方法により製造できる。
かかる合計配合量が0.01質量%以上であることによって、作業性に悪影響を及ぼすことを抑制し、一方2.0質量%以下であることによって、所望する空隙率を有するポーラスコンクリートを製造し易くなり、経済的にも有利となる。
かかる樹脂の構成成分としては、例えば、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル共重合、酢酸ビニル/エチレン共重合、及び、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合等が挙げられる。
また、前記再乳化形樹脂は、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル共重合、及び、酢酸ビニル/エチレン共重合の少なくとも1つを有することが、好ましい。
前記再乳化形樹脂が、これら共重合の少なくとも1つを有することによって、環境温度によって上記混練物の流動性が変動することを、より確実に抑制し得る。
このような粉体状の再乳化形樹脂としては、例えば、JIS A 6203に記載の再乳化形粉体樹脂が挙げられる。
かかる再乳化形粉体樹脂と減水成分との質量比が上記範囲であることによって、環境温度によって上記混練物の流動性が変動することを、より確実に抑制し得る。
該混練物がチキソトロピー性を有することにより、上記混練物の静止状態から、該混合物に振動を与えると、その流動性が増加し、一方、振動の付与を停止すると、該混練物の流動性が低下することになる。これにより、前記混和材を含有する混練物が敷き均された状態では、混練物の流動性は比較的低いが、振動を与えることにより、粗骨材同士の間の空隙に存在する混練物の流動性が増加して、重力によって下方に移動することになる。
これにより、上記混練物の流動性が、環境温度に依存して変動することが抑制されるため、上記混練物を敷き均し、振動を与えたとき、環境温度に依存して上記混練物が下方に移動する程度が変動することが抑制される。
このように、環境温度によらず上記混練物を十分に下方に移動させることができるため、ポーラスコンクリートの表面側に十分な空隙を形成して十分な透水性を付与し、下方側に十分な遮水性を付与することができる。
また、透水性の高い部分と低い部分とを別々に作製しなくても済むため、作業性を向上させ得る。
さらに、環境温度が変化しても、流動性が大きく変化しないことも必要である。
これらを考慮して、前記セメント組成物と水との混練物を調製した後、静止している状態での混練物の粘度(降伏値)と、振動を与えたときの混練物の粘度との差、すなわち、静止している状態での混練物の粘度から、振動を与えたときの混練物の粘度を引いた差が、環境温度によらず、10dPa・s以上であることが好ましい。
かかる粘度の差が10dPa・s以上であることによって、上記振動を与えたときの混練物の流動性の低下が、十分なものとなる。
なお、振動を与えているときの粘度としては、粘度の測定開始から15秒経過後(降伏直後)の粘度の値を採用することができる。
かかる粘度が30dPa以上であることによって、上記振動を行っていないときの混練物の流動性を、構造体を形成するのに十分に高いものとすることができる。また、160dPa以下であることによって、振動前の粘度が高すぎて、振動を与えても混練物の流動性が十分に低下しないことを抑制し得る。
一方、混練物が打設された施工領域の下層では、粗骨材同士間の隙間に混練物が密に充填され、透水性が極めて低い遮水層が形成される。
そして、振動を与えた後、所定の期間、適宜養生を行う。
例えば、上記実施形態において、セメント組成物には、上記で挙げられた成分以外の成分が含有されていてもよい。
使用材料を表1に示し、配合表を表2に示す。
表1において、混和材(ポーラスコンクリート用混和材)は実施例に相当し、混和剤は、比較例に相当する。
表1の混和材(実施例に相当)については、(メタ)アクリル酸系ポリマー(A)、マレイン酸系ポリマー(B)および再乳化形粉体樹脂(C)の配合比(混合比)を、表2に示すように変更した。
(メタ)アクリル酸系ポリマー(A)、マレイン酸系ポリマー(B)および再乳化形粉体樹脂(C)としては、それぞれ粉体状のものを用いた。
また、表2の配合No.34は混和剤(比較例に相当)である、サイビノール(商品名:サイビノールX−209−074E−16、サイデン化学社製)とレオビルドSP8SVとを使用したものである。該サイビノールは、液体状であり、前述したように、チキソトロピー性を有する添加剤に相当する。該レオビルドは、液状であり、また、減水剤(高性能AE減水剤)に相当する。
低温環境での混和材の影響を検討するため、標準温度として室温(20℃)環境と低温(5℃)環境とでペースト試験を実施した。具体的には、室温環境と低温環境とにおいて、それぞれ水、セメント、混和材とを練り上げ、練り上がったペースト(試料)の粘度を、粘度計(ビスコテスタVT−04F:RION社製)を用いて測定した。
粘度の測定条件は、ロータの回転数62.5rpmとした。また、測定粘度が3〜150dPa・sの範囲では、1号ロータ(φ24×53×166mm)を用い、かつ、JIS R 3503の300mLビーカを容器として用い、測定粘度が150dPa・sを超える範囲では、2号ロータ(φ15×1×113mm)を用い、かつ、JIS R 3503の300mLビーカを容器として使用した。そして、練り上げた試料約350mLを300mLのビーカに入れ、試料を安定させるため、ビーカに投入後、20秒間静置した後に、試験開始(攪拌開始、0秒)から15秒経過毎に、90秒経過した時点まで測定した。なお、JIS R 3503の300mLビーカは、容量の目盛の最大値が300mLと規定されているが、当該目盛を超えて350mL以上の容量を収容可能なものである。
また、室温環境、低温環境の双方について、練り上がり時の試料と、練り上げた後、各環境下で60分間が経過するまで静置した試料(練り上がり60分後の試料)とをそれぞれ用いて、上記のようにして粘度を測定した。室温環境での全ての試料の測定結果を表3に示し、低温環境での全ての試料の測定結果を表5に示す。
表4、表6に示すように、練り上がり時の試料の粘度の降伏値(最大値、測定開始時の値)が30〜160dPa・sであり、且つ、粘度の降伏値(測定開始時の粘度)と、降伏直後(測定開始から15秒間経過後の粘度)との差が、10dPa・s以上である場合を、良好と評価して「○」で表し、降伏値及び降伏値の差のいずれかがこれら範囲を外れるものを、不良と評価して「×」と表した。
また、練り上がり60分後の試料の粘度の降伏値(最大値、測定開始時の値)が30〜200dPa・sであり、且つ、粘度の降伏値(測定開始時の粘度)と、降伏直後(測定開始から15秒間経過後の粘度)との差が、10dPa・s以上である場合を、良好と評価して「○」で表し、降伏値及び降伏値の差のいずれかがこれら範囲を外れるものを、不良と評価して「×」と表した。
その結果を、粘度の測定結果と共に表4、表6に示す。
比較対象として、配合No.19(混和材、実施例に相当)と配合No.34(混和剤、比較例に相当)の結果を図4に示す。室温(20℃)環境では、No.19とNo.
34とでほぼ同程度の粘度推移が見られた。一方、低温(5℃)環境では、No.34は粘度が極端に増加していたが、No.19は、室温とほぼ変わらない粘度推移が確認された。
表4及び表6の結果、粘度推移は、(メタ)アクリル酸系ポリマー(A)とマレイン酸系ポリマー(B)との質量比によって大きな影響を受けないが、(A)及び(B)の合計((A)+(B))と再乳化形樹脂(C)との質量比によって大きな影響を受けることが示された。また、(A)と(B)との質量比は、5〜95:95〜5の場合に、良好な結果が得られ、(C)と((A)+(B))との質量比は、80〜90:10〜20の場合に、良好な結果が得られた。
Claims (5)
- 減水成分と、再乳化形樹脂とを含有しており、
前記減水成分が、(メタ)アクリル酸系ポリマー、及び、マレイン酸系ポリマーを含有し、
前記再乳化形樹脂が、再乳化形粉体樹脂であり、
前記再乳化形粉体樹脂と前記減水成分との質量比が、80:20〜90:10であるポーラスコンクリート用混和材。 - 前記再乳化形樹脂が、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル共重合、及び、酢酸ビニル/エチレン共重合の少なくとも1つを有する請求項1に記載のポーラスコンクリート用混和材。
- 請求項1または2に記載のポーラスコンクリート用混和材を含有しているセメント組成物。
- 請求項1または2に記載のポーラスコンクリート用混和材と、セメントと、粗骨材と、細骨材と、水とを混練し、得られた混練物を敷き均し、振動を与えることによってポーラスコンクリートを作製するポーラスコンクリートの製造方法。
- 前記混練物を敷き均し、振動を与えることによって、前記セメントと前記細骨材と前記水とによって形成されたモルタルを下方に移動させ、上層側に透水性、下層側に遮水性を有するポーラスコンクリートを作製する、請求項4に記載のポーラスコンクリートの製造方法。
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