JP6460513B2 - フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質 - Google Patents
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Description
以下の(a)〜(d)のいずれかのタンパク質。
(b) 配列番号1に記載のアミノ酸配列からシグナルペプチドを除いたアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c) 上記(a)または(b)のタンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(d) 上記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有し、かつ、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質。
Aspergillus brunneo−uniseriatus(A.brunneo−uniseriatus)、Aspergillus malignus(A.malignus)、またはAspergillus carneus(A.carneus)由来である、〔1〕に記載のタンパク質。
糖鎖が付加された、〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質。
前記フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性のKm値が2mM以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子。
以下の(A)〜(D)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(B) 配列番号4〜6のいずれかに記載の塩基配列からシグナルペプチドをコードする塩基配列を除いた塩基配列からなるDNA、
(C) 上記(A)または(B)のDNAの塩基配列と、イントロンとを含むDNA、および、
(D) 上記(A)〜(C)のいずれかのDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
〔5〕または〔6〕に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
〔5〕または〔6〕に記載の遺伝子を含む形質転換体。
〔5〕または〔6〕に記載の遺伝子を用いたフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素の製造方法。
〔8〕に記載の形質転換体を用いたフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素の製造方法。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を含むグルコース濃度測定試薬。
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のタンパク質を用いたグルコースセンサ。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を用いたグルコース濃度測定方法。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を含む2−デオキシ−D−グルコース濃度測定試薬。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を用いた2−デオキシ−D−グルコースセンサ。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を用いた2−デオキシ−D−グルコース濃度測定方法。
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタンパク質を用いたバイオ燃料電池。
本実施形態の発明は、以下の(a)〜(d)のいずれかのタンパク質である。
(a) 配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b) 配列番号1に記載のアミノ酸配列からシグナルペプチドを除いたアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c) 上記(a)または(b)のタンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(d) 上記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質のアミノ酸配列と70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)の相同性を有し、かつ、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質。
(a2) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b2) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からシグナルペプチドを除いたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(c2) 上記(a2)または(b2)のタンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
が挙げられる。
(a3) 配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b3) 配列番号3に記載のアミノ酸配列からシグナルペプチドを除いたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(c3) 上記(a3)または(b3)のタンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、付加または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
が挙げられる。
本実施形態の発明は、上記実施形態1のタンパク質をコードする遺伝子である。具体的には、以下の(A)〜(D)のいずれかのDNAからなる遺伝子が挙げられる。
(B) 配列番号4〜6のいずれかに記載の塩基配列からシグナルペプチドをコードする塩基配列を除いた塩基配列からなるDNA、
(C) 上記(A)または(B)のDNAの塩基配列と、イントロンとを含むDNA、および、
(D) 上記(A)〜(C)のいずれかのDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
本実施形態の発明は、実施形態2の遺伝子を含む組換えベクターである。実施形態3の遺伝子は、例えば、プラスミドベクターと連結された状態にて宿主微生物に導入され、該宿主はFADGDHを生産する形質転換体となる。
本実施形態の発明は、実施形態2の遺伝子を含む形質転換体である。形質転換体の宿主としては、酵母、糸状菌、大腸菌、動物細胞、昆虫細胞など目的に応じて様々な宿主を用いることができるが、糖鎖が付加されたタンパク質を生産するためには、宿主として酵母、糸状菌等の微生物由来の真核生物を用いることが好ましい。真核生物の中でも酵母は産業上多くの利用実績があり、例えば、Pichia pastoris(P.pastoris)、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombeが使用できる。
本実施形態の発明は、実施形態2の遺伝子を用いたFADGDHの製造方法である。本実施形態では、例えば、実施形態4の形質転換体を用いることにより、FADGDHを製造することができる。具体的には、例えば、以下に示すような手順で製造することが可能である。
本実施形態の発明は、実施形態1のタンパク質を含むグルコース濃度測定試薬を用いたグルコースセンサである。
本実施形態の発明は、実施形態1のタンパク質を用いたグルコース濃度測定方法である。グルコース濃度の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
本実施形態の発明は、実施形態1のタンパク質(FADGDH)を用いたバイオ燃料電池である。実施形態1のFADGDHは、グルコースだけでなく2−デオキシ−D−グルコース、D−ガラクトース、D−キシロース、D−マンノース、D−ラフィノース、スクロースなどの脱水素反応を触媒し、この反応により生じた電子が電力として供給される。このため、本実施形態によれば、糖類の混合物であることが多いバイオ燃料から効率よく電力を回収することが可能となる。
独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物資源部門(NBRC)より購入した表1に示す糸状菌3種を対象として、糸状菌からのFADGDH遺伝子のスクリーニングを行った。
プライマーA(5’−TAYGAYTAYATCGTTYTYGGAGGCGG−3’:配列番号7)、
プライマーB(5’−CAAGTKCTNCGTGCRGGRAAGGCCCTTGG−3’:配列番号8)、または、
プライマーC(5’−ACSCGCGCMGAGGATGTCCAGAT−3’:配列番号9)
を用いた。
プライマーD(5’−CATCATGGCAGCMGTKCCGACGGGRTGGAAGTT−3’:配列番号10)、または、
プライマーE(5’−GTGCTMACCAARTGGCCGCARACCTGGAA−3’:配列番号11)
を用いた。
本実施例では、A.brunneo−uniseriatus由来FADGDHをPichia pastoris(P.pastoris)酵母を用いて製造した。以下、詳細について説明する。
クローニングに先立ち、A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH遺伝子部分断片をプローブとするゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション解析を行なった。A.brunneo−uniseriatusゲノムDNAを各種制限酵素(New England BioLabs)で切断し、アガロースゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルに含まれているDNA断片を20×SSC(3M NaCl、0.3M クエン酸三ナトリウム、pH7.0)を用いたキャピラリー法によりナイロンメンブレン(Hybond−N+; GE Healthcare)に転写した。転写後のナイロンメンブレンとジゴキシゲニン標識プローブDNA(DIG DNA Labeling and Detection Kit; Roche)を混合し、65℃でハイブリダーゼーションを行なった。プローブとハイブリダイズしたDNA断片はアルカリホスファターゼ標識抗DIG抗体(DIG DNA Labeling and detection Kit; Roche)を用いて検出した。
A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列はプライマーウォーキング法により決定した。A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列を図2に示す。
A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH遺伝子のコーディング領域をOverlap extension PCRにより合成した。
A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH遺伝子分泌発現型プラスミドをP.pastoris GS115株(Life Technologies)に導入した。分泌発現型プラスミドを導入したGS115株をBMG培地(100mMリン酸カリウム緩衝液:pH6.0、1.34%酵母ニトロゲンベース、4×10−5%ビオチン、1%グリセロール)で2日間培養した(前培養)。前培養により取得した菌体をBMM培地(100mMリン酸カリウム緩衝液:pH6.0、1.34%酵母ニトロゲンベース、4×10−5%ビオチン、0.5%メタノール)に植菌し、5日間ほど30℃で好気的に培養した。
本実施例では、A.malignus由来FADGDHをP.pastoris酵母を用いて製造した。以下、詳細について説明する。
クローニングに先立ち、A.malignus由来FADGDH遺伝子部分断片をプローブとするゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション解析を行なった。A.malignusゲノムDNAを各種制限酵素(New England BioLabs)で切断し、アガロースゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルに含まれているDNA断片を20×SSC(3M NaCl、0.3M クエン酸三ナトリウム、pH7.0)を用いたキャピラリー法によりナイロンメンブレン(Hybond−N+; GE Healthcare)に転写した。転写後のナイロンメンブレンとジゴキシゲニン標識プローブDNA(DIG DNA Labeling and Detection Kit; Roche)を混合し、65℃でハイブリダーゼーションを行なった。プローブとハイブリダイズしたDNA断片はアルカリホスファターゼ標識抗DIG抗体(DIG DNA Labeling and detection Kit; Roche)を用いて検出した。
A.malignus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列はプライマーウォーキング法により決定した。A.malignus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列を図5に示す。
A.malignus由来FADGDH遺伝子のコーディング領域をOverlap extension PCRにより合成した。
上記のようにして得られたA.malignus由来FADGDH遺伝子分泌発現型プラスミドを用いた以外は、実施例2と同様にして、P.pastorisでの発現を行い、A.malignus由来FADGDH精製標品を得た。
本実施例では、A.carneus由来FADGDHをP.pastoris酵母を用いて製造した。以下、詳細について説明する。
クローニングに先立ち、A.carneus由来FADGDH遺伝子部分断片をプローブとするゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション解析を行なった。A.carneusゲノムDNAを各種制限酵素(New England BioLabs)で切断し、アガロースゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルに含まれているDNA断片を20×SSC(3M NaCl、0.3M クエン酸三ナトリウム、pH7.0)を用いたキャピラリー法によりナイロンメンブレン(Hybond−N+; GE Healthcare)に転写した。転写後のナイロンメンブレンとジゴキシゲニン標識プローブDNA(DIG DNA Labeling and Detection Kit; Roche)を混合し、65℃でハイブリダーゼーションを行なった。プローブとハイブリダイズしたDNA断片はアルカリホスファターゼ標識抗DIG抗体(DIG DNA Labeling and detection Kit; Roche)を用いて検出した。
A.carneus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列はプライマーウォーキング法により決定した。A.carneus由来FADGDH遺伝子全領域を含むDNA断片の塩基配列を図8に示す。
A.carneus由来FADGDH遺伝子のコーディング領域をOverlap extension PCRにより合成した。
上記のようにして得られたA.carneus由来FADGDH遺伝子分泌発現型プラスミドを用いた以外は、実施例2と同様にして、P.pastorisでの発現を行い、A.carneus由来FADGDH精製標品を得た。
<SDS−PAGE>
実施例2〜4で得られた3種のFADGDH精製標品(P.pastorisで発現し、精製されたA.brunneo−uniseriatus由来FADGDH、A.malignus由来FADGDHまたはA.carneus由来FADGDHを含む溶液)中のタンパク質濃度を測定した。タンパク質濃度は、市販のタンパク質定量キット(Pierce BCA Protein Assay Reagent; サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を用いたBCA法により測定した。なお、該キットでは、標準タンパク質としては牛血清アルブミンを使用している。得られた濃度測定値に基づいて、FADGDH5μgを含む精製標品を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供した。
<吸収スペクトル計測>
実施例2〜4で得られた3種のFADGDH精製標品(P.pastorisで発現し、精製されたA.brunneo−uniseriatus由来FADGDH、A.malignus由来FADGDHまたはA.carneus由来FADGDHを含む溶液)を実施例5での濃度測定値に基づいて希釈し、2mg/mLの酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。該FADGDH溶液の吸収スペクトルを、UV/可視分光光度計DU−800(Beckman Coulter)用いて計測した。また、上記FADGDH溶液にグルコースを終濃度150mMとなるように添加した溶液についても同様に吸収スペクトルを計測した。得られた吸収スペクトルを図12(A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH)、図13(A.malignus由来FADGDH)および図14(A.carneus由来FADGDH)に示す。
本実施例では、実施例2〜4で得られた3種のFADGDH精製標品(酵母で発現し、精製されたA.brunneo−uniseriatus由来FADGDH、A.malignus由来FADGDHまたはA.carneus由来FADGDHを含む溶液)について、FADGDHの酵素活性に関する以下の各種特性(温度安定性、温度依存性、活性(反応速度)とグルコース濃度との関係、基質特異性、pH安定性およびpH依存性)に関する評価試験を行った。なお、本実施例における酵素活性測定原理、酵素活性の定義、活性測定方法は次のとおりである。
D−グルコース + 1−methoxyPMS + FADGDH
→ D−グルコノ−1,5−ラクトン + 1−methoxyPMS(還元型)
+ FADGDH(酸化型)
1−methoxyPMS(還元型) + DCPIP
→ 1−methoxyPMS + DCPIP(還元型)
還元型1−メトキシフェナジンメトサルフェート(1−methoxyPMS)による2,6−ジクロロフェノリンドフェノール(DCPIP)の還元により生じた還元型DCPIP量は、分光光度計を用いて600nmの吸光度を測定することにより計測した。また、基質特異性の検討においては、D−グルコースを他の糖類に変更し、それぞれの糖類(基質)に対する酵素活性を測定した。
酵素の活性(FADGDH活性)は、37℃、pH7.0の条件下において還元型DCPIPを1分あたりに1マイクロモル形成させるFADGDH量を1ユニットとして定義する。
FADGDH活性(U/mL)
=[(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.1]/(16.3×0.1×希釈率)
なお、式中の各定数は、
3.1 : FADGDH溶液混和後の反応液の容量(mL)
16.3 : DCPIPのミリモル分子吸光係数(mM−1・cm−1)
0.1 : FADGDH溶液の容量(mL)
である。
(1) キュベット内で以下の組成で反応液を混合する。
0.1M リン酸カリウムバッファー(pH7.0) 1.5mL
1M グルコース溶液 0.9mL
1.75mM 2,6-Dichlorophenolindophenol(DCPIP) 0.12mL
20mM 1-Methoxy-5-methylphenazium methylsulfate(1-mPMS) 0.021mL
10% TritonX−100 0.06mL
H2O 0.399mL
(2) 37℃で10分間プレインキュベートする。
(3) FADGDH溶液を0.1mL加えて転倒混和し、37℃で反応させる。この間、吸光光度計を用いて600nmでの吸光度を記録し、1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を算出する。
(4) 対照として、酵素液(上述の反応液にFADGDH溶液を加えた液)の代わりに等量の酵素希釈用液(50mMのリン酸バッファー(pH7.0)に0.01%のTritonX−100を添加した液)について、(3)と同様に吸光度変化を記録し、1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を算出する。
ここでは、酵素活性の温度安定性の評価を行った。まず、終濃度50mMクエン酸バッファーを含有し、pH5.0であり、1×10−3重量%TritonX−100を含有し、酵素活性が10U/mLとなるように、酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。これらのFADGDH溶液をマイクロチューブに分注し、PCRマシーンを用いて5℃〜80℃の範囲内の数種の温度で15分間加熱した。加熱前後の酵素活性を測定し、加熱前の酵素活性に対する加熱後の酵素活性の比率(残活性率)を求めた。結果を図15(A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH)、図16(A.malignus由来FADGDH)および図17(A.carneus由来FADGDH)に示す。
ここでは、酵素活性の温度依存性の評価を行った。まず、上記pH安定性の評価試験と同様にして、酵素活性が0.05〜0.2U/mLとなるように酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。これらのFADGDH溶液について、4℃〜60℃(または70℃)の範囲で酵素活性を測定し、37℃での活性を100(%)としたときの相対活性を求めた。結果を図18(A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH)、図19(A.malignus由来FADGDH)および図20(A.carneus由来FADGDH)に示す。
ここでは、活性(反応速度)とグルコース濃度との関係について検討した。具体的には、実施例2〜4で得られた3種のFADGDH精製標品について、上記活性測定方法のグルコース溶液の濃度を0、0.3、1.0、2.9、9.7、29.0および96.8mMに変化させた以外は、同様にして酵素活性[V(unit/FAD1μmol)]を測定した。なお、酵素活性を比較するために、濃縮、希釈によって値が変動する体積当たりの活性値(unit/mL)ではなく、酵素自身が含有しているFADの濃度を450nmの吸光スペクトルにより測定し、FAD当たりの活性値として酵素活性[V(unit/FAD1μmol)]を算出した。酵素活性とグルコース濃度との関係を図21(A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH)、図22(A.malignus由来FADGDH)および図23(A.carneus由来FADGDH)に示す。
ここでは、FADGDHがグルコースおよびグルコース以外の糖類を基質とするかどうかを確認した。まず、グルコース濃度が40mMの場合に十分な酵素活性が得られる酵素濃度に、それぞれの酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。これらのFADGDH溶液について、上記活性測定方法を上記反応液中の糖類の濃度が40mMとなるように変更し、酵素活性を測定した。測定は、図31に示す15種類の糖類について行った。なお、酵素が含まれない場合を対照とし、それぞれの糖に対して対照をとった。グルコースについて酵素活性の測定値を100(%)としたときの他の各糖類の相対活性を算出し、図31にまとめた。なお、DCPIP吸光度の変化量が対照と比較して有意差がないものに関しては活性がないと判断し、0.0と表記した。
ここでは、酵素活性のpH安定性の評価を行った。まず、実施例2〜4で得られた3種のFADGDH精製標品(酵母で発現し、精製されたA.brunneo−uniseriatus由来FADGDH、A.malignus由来FADGDHまたはA.carneus由来FADGDHを含む溶液)について、上記活性測定方法により酵素活性を測定した。それらの測定値に基づいて各精製標品を水で希釈することで、酵素活性が14U/mLとなるような酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。
ここでは、酵素活性のpH依存性の評価を行った。上記pH安定性の評価試験と同様にして、酵素活性が0.2U/mLとなるような酵素溶液(FADGDH溶液)を調製した。pHを4.0〜9.0の範囲で変化させた複数の酵素活性測定溶液を調製し、それぞれのpH条件における酵素活性を測定した。最も活性が高かったpH条件における酵素活性を100(%)とし、他の各pH条件における酵素活性の比率を相対活性として求めた。結果を図35(A.brunneo−uniseriatus由来FADGDH)、図36(A.malignus由来FADGDH)および図37(A.carneus由来FADGDH)に示す。
Claims (17)
- 以下の(a)〜(c)のいずれかのタンパク質。
(a) 配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b) 配列番号1に記載のアミノ酸配列からシグナルペプチドを除いたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(c) 上記(a)または(b)のタンパク質のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつ、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質。 - Aspergillus brunneo−uniseriatus由来である、請求項1に記載のタンパク質。
- 糖鎖が付加された、請求項1または2に記載のタンパク質。
- 前記フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性のKm値が2mM以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする遺伝子。
- 以下の(A)〜(D)のいずれかのDNAからなる遺伝子。
(A) 配列番号4に記載の塩基配列からなるDNA、
(B) 配列番号4に記載の塩基配列からシグナルペプチドをコードする塩基配列を除いた塩基配列からなるDNA、
(C) 上記(A)または(B)のDNAの塩基配列と、
配列番号4に記載の塩基配列の920番目と921番目の間に挿入されたGTAAGTCTCCCGATGGAGAATCCTAAAATGACAGATAGGTAATGATGCTATCACAGの塩基配列からなるイントロン、および、配列番号4に記載の塩基配列の1540番目と1541番目の間に挿入されたGTAAGCCCACTGACAAATTATATGAAATTATGTACTAATAAGATACTTAGの塩基配列からなるイントロンの少なくとも1つと
を含むDNA、および、
(D) 上記(A)〜(C)のいずれかのDNAと90%以上の同一性を有し、かつフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 請求項5または6に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
- 請求項5または6に記載の遺伝子を含む形質転換体。
- 請求項5または6に記載の遺伝子を用いたフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素の製造方法。
- 請求項8に記載の形質転換体を用いたフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を含むグルコース濃度測定試薬。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を用いたグルコースセンサ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を用いたグルコース濃度測定方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を含む2−デオキシ−D−グルコース濃度測定試薬。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を用いた2−デオキシ−D−グルコースセンサ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を用いた2−デオキシ−D−グルコース濃度測定方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンパク質を用いたバイオ燃料電池。
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