以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において用いる粘結剤コーテッド耐火物1は、耐火骨材の粒子の表面を、粘結剤を含有する固形のコーティング層で被覆することによって形成されるものである。
耐火骨材としては、特に限定されるものではないが、珪砂、山砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、その他、人工砂などを例示することができるものであり、これらを1種を単独で用いる他、複数種を混合するなどして併用することもできる。尚、人工砂としては、カルシア、マグネシア、アルミナなどを含む人工的に作られた砂を例示することができ、また石や岩を粉砕して人工的に作られた砂を例示することができるものであり、つまり人工砂は、一般的に使用される人工的に作られた砂であればよい。
また糖類としては、単糖類、少糖類、多糖類を用いることができ、各種の単糖類、少糖類、多糖類のなかから、1種を選んで単独で用いる他、複数種を選んで併用することもできる。
本発明において使用される単糖類としては、特に限定されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどを挙げることができる。
また少糖類としては、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、セロビオースなどの二糖類を挙げることができる。
さらに多糖類としては、でんぷん糖、デキストリン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、セルロース、でんぷんなどかあり、これらから一種を選択して使用する他、複数種を併用することもできる。ここで、でんぷんとしては、末加工でんぷん及び加工でんぷんを挙げることができる。具体的には馬鈴薯でんぷん、コーンスターチ、ハイアミロース、甘藷でんぷん、タピオカでんぷん、サゴでんぷん、米でんぷん、アマランサスでんぷんなどの未加工でんぷん、及びこれらの加工でんぷん(焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷん、ジアルデヒド化でんぷん、エーテル化でんぷん(カルボキシメチルでんぷん、ヒドロキシアルキルでんぷん、カチオンでんぷん、メチロール化でんぷんなど)、エステル化でんぷん(酢酸でんぷん、リン酸でんぷん、コハク酸でんぷん、オクテニルコハク酸でんぷん、マレイン酸でんぷん、高級脂肪酸エステル化でんぷんなど)、架橋でんぷん、クラフト化でんぷん、及び湿熱処理でんぷんなどを挙げることができる。これらのなかでも、焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷんのように低分子化されたもの、及び架橋でんぷんなどの粘度の低いでんぷんが好ましい。
さらに、糖類を含有する穀物の種子の粉末も、粘結剤として使用することができる。糖類を含有する穀物の種子の粉末としては、例えば、小麦粉、米粉、とうもろこし粉などを挙げることができる。
粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層には、糖類、特に多糖類を重合反応させるカルボン酸を含有するようにしてもよい。カルボン酸としては、一価のカルボン酸や、二価以上の多価カルボン酸を用いることができる。例えば、一価のカルボン酸として、安息香酸、サリチル酸、アントラニル酸などを挙げることができ、また多価のカルボン酸として、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、イソフタル酸、イタコン酸、ブタンテトラジカルボン酸、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。一価のカルボン酸は主として反応促進剤(硬化促進剤、硬化触媒)として作用して、多価カルボン酸は主として架橋剤(硬化剤)として作用して、糖類を重合反応させることができるものである。糖類をカルボン酸の作用で重合させることによって高分子化することができ、場合によっては硬化させることができるものである。これらのカルボン酸は、一種を単独で用いる他、複数種を混合して用いることもできる。
カルボン酸の配合量は、糖類の種類などによって異なるものであり、特に限定されるものではないが、糖類100質量部に対して、カルボン酸1〜40質量部となる範囲に設定するのが好ましく、1〜30質量部の範囲が特に好ましい。カルボン酸の配合量が少な過ぎると、糖類を十分な分子量に高分子化反応させるのが難しい。またカルボン酸をこれより多く配合しても、糖類を高分子化させる効果は向上しないので、経済的に不利になるおそれがある。尚、カルボン酸は予め水に溶解させた状態で糖類と混合するのが、硬化剤としての効果を高く発揮させるうえで好ましい。
本発明では、粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層に含有される粘結剤として糖類を用いるようにしているが、粘結剤として糖類の他に熱硬化性樹脂を併用して、コーティング層に含有させるようにしてもよい。粘結剤として熱硬化性樹脂を併用することによって、粘結剤による耐火骨材の結合強度を高めることができ、粘結剤として糖類を単独で用いる場合よりも鋳型の強度や耐熱性を向上することができるものである。特に鋳型の耐熱性を向上する効果が高いので、高温の溶湯を用いて鋳造をする場合に適している。
コーティング層中の熱硬化性樹脂の含有量は、糖類と熱硬化性樹脂の合計量に対して80質量%以下に設定するのが好ましく、50質量%以下がより好ましい。熱硬化性樹脂の含有量がこれより多いと、粘結剤として糖類を用いることによる効果が不十分になる。
粘結剤として糖類と併用するこの熱硬化性樹脂は、特に限定されるものではないが、レゾール型やノボラック型のフェノール樹脂を用いることができる。レゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂は、一方を単独で用いる他、両者を併用してもよい。また、糖類とフェノール類とを予め反応させておいたものを使用することもできる。熱硬化性樹脂を粘結剤として耐火骨材にコーティングする前の状態は、液体であっても固体であってもいずれでもよい。
粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層には、粘結剤コーテッド耐火物の流動性を良くするために、コーティング層に滑剤を含有させるようにしてもよい。滑剤としては、パラフィンワックスやカルナバワックス等の脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪族系アルコール、エチレンビスステアリン酸アマイドやステアリン酸アマイド等の脂肪族アマイド系滑剤、金属石けん系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、複合滑剤などを用いることができるが、なかでも金属石けん系滑剤が好ましい。金属石けん系滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどや、これらを複数種組み合わせたものを用いることができる。
そして、耐火骨材の粒子に糖類や、必要に応じてカルボン酸、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、糖類とフェノール類との反応物、滑剤などを配合して混合することによって、耐火骨材の表面に糖類を主成分とする粘結剤を含有するコーティング層を被覆して、本発明で使用する粘結剤コーテッド耐火物1を得ることができるものである。
耐火骨材に被覆するコーティング層の量は、成分や用途などに応じて異なり一概に規定できないが、耐火骨材100質量部に対して粘結剤が0.5〜5.0質量部、滑剤が固形分で0.02〜0.15質量部の範囲になるように設定するのが一般的に好ましい。耐火骨材100質量部に対して粘結剤が5.0質量部を超える場合、耐火骨材と粘結剤との混練が困難となる。また耐火骨材100質量部に対して粘結剤が0.5質量部未満であると、鋳型の強度を保つことが難しくなる。
耐火骨材の表面にコーティング層を被覆して粘結剤コーテッド耐火物1を調製する方法としては、ホットコート法、コールドコート法、セミホットコート法、粉末溶剤法などがある。
ホットコート法は、110〜180℃に加熱した耐火骨材に固形の粘結剤を添加して混合し、耐火骨材による加熱で固形の粘結剤を溶融させることによって、溶融した粘結剤で耐火骨材の表面を濡らして被覆させ、この後、この混合を保持したまま冷却することによって、粒状でさらさらした粘結剤コーテッド耐火物を得る方法である。あるいは、110〜180℃に加熱した耐火骨材に、水などの溶剤に溶解又は分散させた粘結剤を混合して被覆し、溶剤を揮散させることによって、粘結剤コーテッド耐火物を得る方法である。
コールドコート法は、粘結剤を水やメタノールなどの溶剤に分散乃至溶解して液状になし、これを耐火骨材の粒子に添加して混合し、溶剤を揮発させることによって、粘結剤コーテッド耐火物を得る方法である。
セミホットコート法は、上記の溶剤に分散乃至溶解した粘結剤を、50〜90°Cに加熱した耐火骨材の粒子に添加して混合し、溶剤を揮発させることによって粘結剤コーテッド耐火物を得る方法である。
粉末溶剤法は、固形の粘結剤を粉砕し、この粉砕粘結剤を耐火骨材の粒子に添加してさらに水やメタノールなどの溶剤を添加し、これを混合して溶剤を揮発させることによって、粘結剤コーテッド耐火物を得る方法である。
以上のいずれの方法においても、耐火骨材の表面を常温(30℃)で固形のコーティグ層を被覆して、粒状でさらさらして流動性のある粘結剤コーテッド耐火物を得ることができるが、作業性などの点においてホットコート法が好ましい。また上記のように耐火骨材に粘結剤を混合する際に、必要に応じて硬化剤や、耐火骨材と粘結剤とを親和させるためのシランカップリング剤など各種のカップリング剤や、また黒鉛等の炭素質材料などを配合することもできる。
粘結剤として糖類と熱硬化性樹脂を併用する場合、糖類と熱硬化性樹脂を同時に耐火骨材に被覆することによって、糖類と熱硬化性樹脂が混在したコーティング層を形成する方法、耐火骨材の表面に熱硬化性樹脂を被覆した後、糖類を被覆することによって、2層構成のコーティング層を形成する方法などがあり、いずれの方法であってもよい。
次に、上記のように調製した粘結剤コーテッド耐火物1を用いて鋳型を製造する方法を説明する。まず、成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填し、この成形型2内に水蒸気を吹き込んで、水蒸気の凝縮潜熱と顕熱で粘結剤コーテッド耐火物1を加熱することによって、粘結剤で耐火骨材が結合された成形物3を成形型2内で成形する。
すなわち、粘結剤コーテッド耐火物1を充填した成形型2内に水蒸気を吹き込むと、まず水蒸気が粘結剤コーテッド耐火物1に接触することで熱を奪われて凝縮水が生成される。そして粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層の粘結剤に凝縮水が作用することによって、粘結剤中の固形状態の糖類がこの凝縮水を吸収して膨潤して糊化し、粘結剤は湿潤状態になって粘着性が生じ、粘結剤コーテッド耐火物1の耐火骨材は糖類のこの粘着性で結合される。成形型2に水蒸気を吹き込み続けると、引き続いて成形型2に吹き込まれる水蒸気の凝縮潜熱と顕熱で粘結剤コーテッド耐火物1が加熱され、粘結剤に作用した水分を蒸発させて乾燥することができるものであり、粘結剤の糖類を固化乃至硬化させることができる。このようにして、粘結剤コーテッド耐火物1の耐火骨材を固化乃至硬化した固形の粘結剤で結合した成形物3を成形型2内で成形することができる。
このように粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層の粘結剤を水蒸気で加熱して成形するにあたって、粘結剤として含有されている糖類は、加熱されて固化乃至硬化するときに有毒なガスを多量に発生するようなことはないものであり、環境を汚染するようなことなく成形を行なうことができるものである。
ここで、このようにして得られた成形物3をそのまま鋳型として使用することは可能であるが、この成形物3は糖類を粘結剤として成形されたものであるため、鋳型として使用するには強度や耐熱性が不足することが多い。そこで本発明は、この成形物3を成形型2から取り出して、成形物3を加熱処理し、加熱処理した後の成形物3を鋳型として使用するものである。
加熱処理の温度は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。熱処理の温度がこれよりも低いと、成形物3を熱処理することによる効果を十分に得ることができない。逆に熱処理の温度が高すぎると、糖類が熱分解するおそれがあるので、350℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましく、特に240℃以下であることが好ましい。また熱処理の時間は、鋳型として成形する成形物3の大きさによって異なるが、10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。熱処理の時間がこれよりも短いと、成形物3を熱処理することによる効果を十分に得ることができない。逆に熱処理の時間が長すぎると、特に熱処理温度が高い場合に糖類が劣化するおそれがあるので、加熱処理の時間は200分以下であることが好ましく、80分以下がより好ましい。
そしてこのように成形物を3を加熱処理すると、粘結剤の糖類の分子構造が熱の作用で変化する。例えば砂糖を加熱すると、103〜105℃でシロップに、107〜115℃でフォンダンに、115〜121℃でキャラメルに、140℃でタフィーに、145℃でドロップに、165℃でべっこうあめに、165〜180℃でカラメルソースに、190℃でカラメルに変化するように、糖類の分子中から水が生成して脱水され、糖類の分子が縮合反応すると考えられる。このように考えられる理由により、糖類の分子量が大きくなって、糖類を粘結剤として耐火骨材を結合する力が強くなると共に糖類の耐熱性が向上し、成形物3を熱処理して得られる鋳型の強度や耐熱性を高めることができるものである。
そして上記のようにして製造した鋳型に高温の溶湯を注湯して鋳物を鋳込むことによって、鋳造を行なうことができる。このとき、鋳型の耐火骨材を結合している粘結剤は溶湯の高温の作用で分解されるが、粘結剤を構成する糖類は分解されても水や炭酸ガスが生成される程度であり、有害なガスが発生することはなく、鋳造の現場の環境を悪化させるようなことはないものである。また鋳型の耐火骨材を結合している粘結剤の糖類は比較的低温で熱分解するので、溶湯の熱で容易に熱分解する。従って、鋳型を容易に崩壊させることができるものであり、鋳物を鋳型から取り出すために、鋳型に衝撃を加えたり、高温で長時間加熱して粘結剤を分解させたりするような必要がなくなり、鋳造物を鋳型から脱型する作業を容易に行なうことができるものである。
しかも鋳型の耐火骨材を結合している粘結剤は糖類からなるが、加熱処理することによって糖類による耐火骨材の結合力が強くなると共に糖類の耐熱性が向上しており、鋳型の強度や耐熱性は向上している。従って、例えば多量の溶湯を鋳型に流し込む際においても鋳型が壊れるようなことはなくなり、鋳型に流し込む際に鋳型が壊れるというような事故が発生することを未然に防ぐことができるものである。
ここで、上記のように粘結剤として糖類の他にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を併用すると、耐熱性の高い熱硬化性樹脂によって耐火骨材の結合力を高めることができるものであり、鋳型の強度や耐熱性をより向上することができるものである。
このように、粘結剤としてフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を併用することによって、強度や耐熱性の高い鋳型を得ることができるが、熱硬化性樹脂を用いると鋳型の製造時や溶湯を注湯する際に有害ガスが発生するおそれがあり、また鋳型の崩壊性も低下することになる。このため、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を併用する場合、既述のように粘結剤の全量に対して80質量%以下の量に設定されるものであり、50質量%以下であることがより好ましい。また熱硬化性樹脂を粘結剤として併用することによる効果を得るためには、粘結剤の全量に対して熱硬化性樹脂が10質量%以上であることが好ましく、併用による高い効果を得るためには、粘結剤の全量に対して熱硬化性樹脂が25質量%以上であることがさらに好ましい。
次に、鋳型の製造の具体例を図1及び図2を参照して説明する。図1は水蒸気を用いて成形物3を成形する装置の一例を示すものである。図1(a)に示すように、内部にキャビティ6を設けて形成した成形型2の上面に注入口7が設けてあり、成形型2の下面には金網等の網8で塞いだ排出口9が設けてある。この成形型2は縦割りあるいは横割に割ることができるようになっている。また粘結剤コーテッド耐火物1はホッパー10内に貯蔵してあり、ホッパー10にはコック11付きの空気供給管12が接続してある。そしてホッパー10の下端のノズルロ13を成形型2の注入口7に合致させた後、コック11を閉から開に切り代えることによって、ホッパー10内に空気を吹き込んで加圧し、ホッパー10内の粘結剤コーテッド耐火物1を成形型2内に吹き込んで、成形型2のキャビテイ6内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填する。排出口9は網8で塞いであるので、粘結剤コーテッド耐火物1が排出口9から洩れ出すことはない。注入口7や排出口9を図1の実施の形態のように成形型2に複数設ける場合、複数の注入口7のうち一箇所あるいは複数箇所から粘結剤コーテッド耐火物1を入れるようにすればよい。
ここで、耐火骨材に被覆された粘結剤コーテッド耐火物1のコーティング層は固形の粘結剤からなるものであるので、粘結剤コーテッド耐火物1は表面に粘着性を有することがなく、流動性が良好である。従って上記のように成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填するにあたって、成形型2のキャビティ6内へスムーズに粘結剤コーテッド耐火物1を流し込むことができ、充填性良く成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填することができるものであり、充填不良が発生することを防ぐことができるものである。
このように成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填した後、成形型2の注入口7からホッパー10を外すと共に、図1(b)のように各注入口7に給気パイプ14を接続する。給気パイプ14には水蒸気と、加熱気体とを選択的に供給することができるようにしてあり、給気パイプ14のコック15を開いて、まず水蒸気を成形型2のキャビテイ6内に吹き込む。
そしてこのように成形型2内に水蒸気を吹き込むと、水蒸気を吹き込む初期の工程では、粘結剤コーテッド耐火物1の表面に水蒸気が接触することによって、水蒸気から潜熱が粘結剤コーテッド耐火物1に奪われて水蒸気が凝縮し、粘結剤コーテッド耐火物1の表面で凝縮水が生成されることになる。粘結剤コーテッド耐火物1の表面のコーティング層の粘結剤は固形であるので、固形のままでは粘結剤コーテッド耐火物1同士を結合させることはできないが、このように粘結剤コーテッド耐火物1の表面に凝縮水が供給されると、粘結剤中の固形状態の糖類はこの凝縮水を吸収して膨潤して糊状化し、粘結剤は湿潤状態になって粘着性が生じる。この結果、粘結剤コーテッド耐火物1を表面のコーティング層の粘結剤の粘着性で結合させることができるものである。
次いで、成形型2に吹き込まれる水蒸気の凝縮潜熱と顕熱で粘結剤コーテッド耐火物1が加熱される。水蒸気は高い潜熱と顕熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱で粘結剤コーテッド耐火物1の温度は100℃付近にまで急速に上昇する。このように水蒸気の潜熱の伝熱によって粘結剤コーテッド耐火物1が100℃付近にまで加熱される時間は、水蒸気の温度や成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッド耐火物1の充填量などで変動するが、通常、3〜30秒程度の短時間である。成形型2内に注入口4から吹き込まれた水蒸気は、成形型2内の粘結剤コーテッド耐火物1を加熱した後、排出口9から排気される。このとき、粘結剤コーテッド耐火物1の表面の粘結剤に作用した水分を蒸発させて乾燥することができるものであり、粘結剤の糖類を固化乃至硬化させることができるものである。このようにして、粘結剤コーテッド耐火物1の耐火骨材が固化乃至硬化した粘結剤で結合された成形物3を成形型2内で成形することができるものである。
また、粘結剤コーテッド耐火物1の温度が100℃付近にまで上昇した後、給気パイプ14への供給を加熱気体に切り換え、加熱気体を成形型2内に吹き込むようにしてもよい。加熱気体は水分含有率が上記の水蒸気より低いものであればよく、加熱した空気を用いることができる。例えば、大気中の空気を加熱して給気パイプ14に加熱気体として供給すればよい。また上記の水蒸気に加熱空気を混合して含有水分量を低くすることによって、この混合気体を加熱気体として用いることもできる。この加熱気体の温度は特に限定されるものではなく、100℃以上であり、且つ粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤が固化乃至硬化する温度以上のものであればよい。温度の上限は、粘結剤を分解させる温度以下であればよく、特に設定されない。
上記のように成形型2内に水蒸気を吹き込むと、水蒸気が凝縮する際に伝熱される潜熱で粘結剤コーテッド耐火物1の温度を100℃付近にまで急速に上昇させることができるが、さらに100℃以上の温度に上昇させるには、粘結剤コーテッド耐火物1の表面の凝縮水を蒸発させる必要がある。そしてこの凝縮水はその後に吹き込まれる水蒸気による加熱で蒸発されるが、既述のように、水蒸気は水分を多く含むので、凝縮水を蒸発させる効率が低い。そこで上記のように加熱気体を成形型2内に吹き込むようにしたものであり、加熱気体は水蒸気よりも含有される水分量が少なく、湿度の低い乾燥気体であるので、成形2内で生成された凝縮水を短時間で蒸発させて乾燥することができるものである。ここで、水蒸気及び加熱空気の気流で水の蒸発実験を行なった場合、温度が170℃付近以下では、水蒸気中への水の蒸発速度より、加熱空気中への水の蒸発が大きくなることが報告されている(T.Yosida,Hyodo,T.,Ind.Eng.Chem.Process Des.Dev.,9(2),207-214(1970))。この報告にもみられるように、加熱気体を成形型2内に吹き込むことによって、水蒸気を吹き込み続ける場合よりも、短時間で凝縮水を蒸発させて乾燥することができるものである。
従って、加熱気体を成形型2内に吹き込み始めてから短時間で、100℃以上に粘結剤コーテッド耐火物1の温度を上昇させることができるものであり、粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤が固化乃至硬化する温度以上にまで成形型2内の温度を上昇させる速度を速めることができるものである。そしてこの結果、短い加熱時間で成形物3を成形することが可能になるものである。
加熱気体を成形型2内に吹き込む時間は、加熱気体の温度や成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッド耐火物1の充填量、成形型2内の凝縮水の量などで変動するが、通常、5〜60秒程度の短時間である。従って、水蒸気を成形型2内に吹き込み始めてから加熱気体を吹き込み終えるまで、約10秒〜1分程度の短時間で成形物3の成形を行なうことが可能である。
ここで、成形型2に吹き込む水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、過熱水蒸気を用いることもできる。過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱して、沸点以上の温度とした完全気体状態の水蒸気であり、100℃以上の乾き蒸気である。飽和水蒸気を加熱して得られる過熱水蒸気は、圧力を上げないで定圧膨張させたものであってもよく、あるいは膨張させないで圧力を上げた加圧水蒸気であってもよい。型1内に吹き込む過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、過熱水蒸気は900℃程度にまで温度を高めることができるので、100〜900℃の間で必要に応じた温度に設定すればよい。過熱水蒸気はこのように高温の乾き蒸気であるので、上記のような加熱気体を用いることを不要にすることもできるものである。
上記のように、成形型2に水蒸気を吹き込む工程の初期で、粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤を水分で湿潤状態にする必要がある。このとき、水蒸気として過熱水蒸気を用いる場合にあっても、水蒸気を吹き込む前の粘結剤コーテッド耐火物1は温度が過熱水蒸気よりも低いので、成形型2に過熱水蒸気を吹き込むと、過熱水蒸気の潜熱が粘結剤コーテッド耐火物1に奪われて、過熱水蒸気から凝縮水が生じ、この凝縮水で粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤を湿潤状態にすることができる。しかし水蒸気として過熱水蒸気を用いる場合には、凝縮水の生成が不足して、成形型2に水蒸気を吹き込む工程の初期で粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤を均一に湿潤状態にできないことがある。
このような場合には、成形型2に水蒸気を吹き込む工程の初期で、粘結剤コーテッド耐火物1の表面に水分を供給するのが好ましい。例えば、成形型2に水蒸気を吹き込む工程の初期では、給気パイプ14に飽和水蒸気を供給して、給気パイプ14から飽和水蒸気を成形型2に吹き込む。飽和水蒸気からは凝縮水が容易に生成されるので、成形型2内で飽和水蒸気から生成されるこの凝縮水を粘結剤コーテッド耐火物1に水分として供給することができるものであり、粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤を均一に湿潤状態にすることができる。そしてこの後に、給気パイプ14への供給を飽和水蒸気から過熱水蒸気に切り替え、給気パイプ14から過熱水蒸気を成形型2に吹き込むようにするものである。このとき、飽和水蒸気を吹き込む時間と過熱水蒸気を吹き込む時間の割合は、1:9〜5:5程度の範囲に設定するのが望ましい。
上記の実施の形態では、成形型2に吹き込む水蒸気の凝縮水を粘結剤コーテッド耐火物1の表面に供給して、凝縮水の水分で粘結剤が湿潤状態になるようにしたが、成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填した後、成形型2内に水を注入して、粘結剤コーテッド耐火物1に水分を供給するようにしてもよい。例えば、成形型2内に粘結剤コーテッド耐火物1を充填した後、注入口7から水を成形型2内に注入し、粘結剤コーテッド耐火物1の粘結剤をこの水で湿潤状態にした後、注入口7から水蒸気を吹き込むようにする方法があり、水蒸気の吹き込みによって、成形型2内に注入された余分な水は排出口9から排出される。このように粘結剤コーテッド耐火物1を充填した成形型2内に水分を供給して粘結剤を湿らせるようにすれば、成形型2内に水蒸気を吹き込む工程の最初から、水蒸気として過熱水蒸気を用いることができるものである。
また、図1(a)から(b)へのように、成形型2のキャビティ6に粘結剤コーテッド耐火物1を充填するにあたって、粘結剤コーテッド耐火物1を予め加熱しておき、この予備加熱した粘結剤コーテッド耐火物1を成形型2に供給してキャビティ6に充填するようにしてもよい。このように粘結剤コーテッド耐火物1を予備加熱しておくことによって、成形型2内に吹き込む水蒸気の温度低下を抑制することができ、コーティング層の粘結剤が乾燥して固化する温度以上にまで型内の温度を上昇させる速度を速めることができるものであって、成形物3を成形する時間を短縮することができるものである。
粘結剤コーテッド耐火物1の予備加熱は、例えば、粘結剤コーテッド耐火物1を貯蔵するホッパー10内で行なうことができる。粘結剤コーテッド耐火物1を予備加熱する温度は、特に限定されるものではないが、30〜100℃程度の範囲が好ましい。
以上のようにして、粘結剤コーテッド耐火物1を充填した成形型2に水蒸気を吹き込むことによって、成形型2内で成形物3を成形することができる。そして成形型2を型開きして成形物3を取り出し、成形物3を熱処理容器4に入れて熱処理する。
図2(a)は熱処理容器4の一例を示すものであり、容器本体17に発熱手段18を設けて形成されるものであり、容器本体17の前面に扉19付きの開口部20が形成してあり、発熱手段18は容器本体17の側壁などに設けられるものである。発熱手段18としては、燃焼や電気抵抗などで自己発熱して熱処理容器4内を加熱することができるものであれば何でもよいが、例えばガスバーナー、電気ヒーターなどを用いることができるものであり、例えば熱風循環式乾燥器によって熱処理容器4を形成することができる。
図2(b)は熱処理容器4の他の一例を示すものであり、水蒸気が容器本体17内に吹き込まれる導入口21が下部に、容器本体17内の水蒸気が排出される排気口22が上部に設けてある。容器本体17の前面の開口部20を扉19で閉じることによって、熱処理容器4内は導入口21と排気口22以外は密閉される構造になっている。そして導入口21に蒸気生成装置23が接続してある。蒸気生成装置23はボイラーと過熱器を備えて形成されるものであり、水をボイラー内で加熱して水蒸気(飽和水蒸気)を生成すると共に水蒸気を過熱器でさらに加熱して過熱水蒸気として熱処理容器4に供給するようにしてある。
そして、上記のよう成形型2で成形した成形物3を熱処理容器4に入れて、熱処理容器4内で成形物3を所定の温度で、所定時間加熱して加熱処理することによって、鋳型を得ることができるものである。ここで、図2(a)の熱処理容器4では、発熱手段18で熱処理容器4内を予め所定の温度に設定しておくことによって、正確な温度で成形物3を熱処理することができる。また図2(b)の熱処理容器4では、過熱水蒸気で熱効率高く成形物3を熱処理することができ、熱処理の時間を短縮することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(粘結剤コーテッド耐火物の製造例)
140℃に加熱したフラタリー珪砂10kgをワールミキサーに入れ、これに表1に示す糖類を水450gに溶解乃至分散させた水溶液を加え、約90秒間混練した。このとき、表1のように必要に応じて、糖類の硬化剤や、フェノール樹脂をさらに加えてこの混錬を行なった。崩壊した後、滑剤としてステアリン酸カルシウム30gを添加して15秒間混練し、さらにエアーレーションを行なうことによって、糖類からなるコーティング層で被覆した粘結剤コーテッド耐火物(1)〜(10)を得た。この粘結剤コーテッド耐火物(1)〜(10)にあって、コーティング層の質量比率は2.5質量%であった。
ここで表1に示すように、糖類として、デキストリン(リグナイト(株)製「NDP−4C」「NDP−13」)、酵素変性デキストリン(リグナイト(株)製「NDP−3」「NDP−6」)、上白糖(スクロース98.2質量%、還元糖0.7質量%含有)を用いた。尚、デキストリンを分子量の大きいものから並べると「NDP−4C」「NDP−13」の順であり、酵素変性デキストリンを分子量の大きいものから並べると「NDP−6」「NDP−4C」の順である。また硬化剤としてクエン酸を用い、水に溶解させて使用した。またフェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂(リグナイト(株)製「#4800」;軟化点91℃)、レゾール型フェノール樹脂(リグナイト(株)製「LT−9」;軟化点90℃、ゲル化時間120秒(at150℃))を用いた。
(実施例1〜10)
上記のようにして調製した粘結剤コーテッド耐火物(1)〜(10)を用いて、鋳型を製作した。すなわち、キャビティの大きさが20mm×10mm×80mmに形成された成形型を120℃に予熱して用い、この成形型内に粘結剤コーテッド耐火物をゲージ圧力0.1MPaの空気圧で吹き込んで充填した。次に、成形型に給気パイプを接続し、ボイラーで発生させたゲージ圧力0.4MPa、温度143℃の飽和水蒸気を、過熱蒸気発生装置(野村技工(株)製「GE−100」)で加熱して得た、350℃、ゲージ圧力0.45MPaの過熱水蒸気を60kg/hの流量で供給し、成形型内に20秒間吹き込んだ。
このようにして成形型内で20mm×10mm×80mmの寸法の成形物を成形し、成形物を成形型から脱型して取り出した。このとき成形型を型開きする際に臭気を鼻で嗅いで測定し、また成形型から取り出した直後の成形物について、曲げ強さをJIS K 6910に準拠して測定した。結果を表2に示す。
表2にみられるように、粘結剤として糖類のみを含有する粘結剤コーテッド耐火物を用いた実施例1〜7,10は、臭気は殆ど感じられないものであり、またフェノール樹脂を併用した実施例8,9においてもフェノール樹脂の含有量は少量であるので、臭気は弱いものであった。成形物の曲げ強さについては、粘結剤として糖類のみを含有する粘結剤コーテッド耐火物を用いた実施例1〜6は低い値を示すものであり、硬化剤としてクエン酸を配合した実施例7,10や、フェノール樹脂を併用した実施例8.9ではやや高いものであった。
次に、上記のように成形型内から取り出した成形物を、予め80℃、120℃、180℃、220℃、250℃に庫内温度を設定した熱風循環式乾燥器に入れ、60分間加熱処理(アフターキュアー)した。このように加熱処理して得た鋳型について、曲げ強さをJIS K 6910に準拠して測定した。結果を表3に示す。
成形型内から取り出した成形物を加熱処理してアフターキュアーすることによって、曲げ強さが表2の数値から表3の数値へと大幅に増加しており、強度が大きく向上することが確認される。尚、加熱温度が80℃では、強度の向上の効果が十分にみられないので、加熱温度は100℃以上であることが好ましく、また150℃以上の加熱温度であることがより好ましいことが確認される。また250℃の加熱温度ではかえって曲げ強さが低下しているので、240℃以下の加熱温度に設定するのが好ましいといえる。
また、上記のように成形型内から取り出した成形物を220℃の熱風循環式乾燥機で加熱処理するにあたって、加熱時間を5分、15分、30分、90分に設定して行なった。このようにして加熱処理して得た鋳型について、曲げ強さをJIS K 6910に準拠して測定した。結果を表4に示す。
表4の結果にみられるように、加熱処理の時間が5分では、強度の向上の効果が十分にみられないので、加熱処理の時間は10分以上であることが好ましく、30分以上の加熱時間であることがより好ましいことが確認される。また加熱時間が90分になると、表3の220℃×60分の曲げ強さよりも低下しており、加熱時間は80分よりも短く設定するのが好ましいといえる。
次に、実施例2,3,9,10において、加熱処理をする前の成形物と、180℃、220℃、250℃で加熱処理をした後の鋳型からそれぞれ2.5gの試料を切り出し、この試料についてガス発生量を測定した。測定は、橋本理化(株)製「鋳物砂ガス発生量試験機(型式:手動読み取り式)」を用い、700℃の雰囲気下の条件で、10秒毎にガス量を読み取ることによって行なった。30秒毎の結果を表5に示す。
表5にみられるように、加熱処理をすることによって、ガスの発生量をより低減できるものであり、鋳造の際のガス発生量を低減できることが確認される。
(実施例11、実施例12)
直径109mm、高さ74mm、重さ約735gの形状・質量の中子として鋳型を造型する成形型を120℃に予熱して用い、粘結剤コーテッド耐火物(3)あるいは粘結剤コーテッド耐火物(10)をゲージ圧力0.1MPaの空気圧で吹き込んで充填した。次に、成形型に給気パイプを接続し、ボイラーで発生させたゲージ圧力0.4MPa、温度143℃の飽和水蒸気を、過熱蒸気発生装置(野村技工(株)製「GE−100」)で加熱して得た、350℃、ゲージ圧力0.45MPaの過熱水蒸気を100kg/hの流量で供給し、成形型内に60秒間吹き込んだ。
このようにして成形型内で成形物を成形し、成形物を成形型から脱型して取り出した。そしてこの成形物を250℃に庫内温度を設定した熱風循環式乾燥器に入れ、30分間加熱処理(アフターキュアー)することによって、中子として鋳型を得た。
上記のように加熱処理をして得た鋳型を生型の中に中子としてセットし、ここに鋳込み温度が1250〜1300℃のFC200相当の鋳鉄溶湯を鋳込む試験を行なった。また比較のために、加熱処理をする前の成形物を中子として用いて同様に鋳鉄溶湯を鋳込む試験を行なった。そしてこの鋳込み時の臭気や煙の発生状態を観察し、また中子への焼き付きの状態を観察し、さらに鋳物を取り出す時の中子の崩壊性を観察した。結果を表6に示す。
表6にみられるように、加熱処理前の成形物を鋳型として用いる場合、焼き付きが発生して耐熱性に問題があるが、これを加熱処理して鋳型として用いる場合は焼き付きの発生がなく、耐熱性を向上できることが確認される。またこのように耐熱性が向上するが、鋳型の崩壊性は良好であって問題はない。
(糖類の耐熱性試験)
糖類として酵素変性デキストリン「NDP−3」を用い、耐熱性を測定する試験を行なった。試験の対象試料は、加熱処理をしていない「NDP−3」、250℃の乾燥器で60分間加熱処理をした「NDP−3」、「NDP−3」225gとクエン酸25gに水を加えて良く混合し、シャーレに入れて105℃の温度で乾燥した後、250℃の乾燥器で60分間加熱処理をしたもの、の三種類である。
そして各試料について、(株)島津製作所製示差熱・熱重量同時測定装置「DTG−60H」を用い、窒素雰囲気下、毎分10℃の昇温速度で熱分析を行ない、図3のような温度−残存質量のグラフを得た。このグラフから、400℃と600℃のときの残存質量を求め、表7に示す。
図3のグラフ及び表7にみられるように、「NDP−3」を加熱処理をすることによって、残存質量が増加しており、つまり加熱による質量減少が小さくなっており、加熱処理することによって「NDP−3」の耐熱性が向上している。特に「NDP−3」にクエン酸を加えることによって質量減少がさらに小さくなっている。このことは、加熱処理をすることによって糖類は重合して分子量が大きくなっていることを示唆するものであり、表3や表4のように鋳型の強度が向上し、また表6のように鋳型の耐熱性が向上するのは、糖類が加熱処理によって重合し、糖類自体の強度や耐熱性が高くなっていることに起因するものと考えられる。