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JP6543006B2 - 茶の病害虫防除方法 - Google Patents
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JP6543006B2 - 茶の病害虫防除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶樹における病害虫を駆除又は防除するための茶の病害虫防除方法に関する。
茶園等の圃場においては種々の病害虫が発生するため、茶樹を健全に栽培するためには病害虫の防除は必要不可欠であり、従来から、茶生産家においては適宜時期に適宜種類、適宜量の薬剤散布を行うことで対応してきた。
このような薬剤散布による茶の防除方法に関しては、例えば特許文献1(特開平7−31350号公報)において、茶樹における枝等に付着する貝殻虫等の駆除又は防除作業において、茶樹中に薬剤を満遍なく且つ能率よく短時間で散布するための装置として、把部を備えた略円弧状基板の下面に多数のノズルを突設し、各ノズルに薬剤を供給するようにしてなる、茶樹に対する薬剤の散布装置が開示されている。
また、特許文献2(特開平7−289057号公報)には、茶畝に沿って移動され茶葉を摘み採る摘採機構と茶樹に対し薬剤を付着させる薬剤付着手段とを一体に構成し、摘採機構が茶葉を摘み採った直後に、薬剤付着手段が茶樹の摘採切口に薬剤を付着させるようにした茶葉摘採装置による茶樹の病害虫防除方法が開示されている。
ところで、化学肥料や農薬などの薬剤を用いた防除方法は、人体の健康への悪影響や環境汚染が懸念されることから、近年では、化学肥料や農薬を全くまたは殆ど使わずに、病虫害を防除する方法が提案されている。特にお茶に関しては、日本では茶に対して現在約100種の農薬成分が設定されている一方、諸外国においては、農薬成分が認可されていなかったり、残留農薬基準が著しく低く設定されていたりすることが多いため、茶の輸出を考えると、農薬を使わない防除方法を検討することが急務であった。
そのため、例えば特許文献3(特開2016−152794号公報)には、特別な整備を施した圃場に温水を散布すると共に、害虫の卵や幼虫、成虫が農作物の葉に付着している場合に有機農法用溶液を葉面に散布することによって、病虫害を防除する温水防除方法が開示されている。
特許文献4(特開2016−158522号公報)には、圃場における嫌湿性病害虫の寄生環境の至近位置に、濡れ程度センサを設け、この濡れ程度センサの検出値に応じ、圃場に散水を行い、嫌湿性病害虫の忌避状況および/または生存しにくい状況を現出させるようにしたことを特徴とする嫌湿性病害虫の防除方法が開示されている。
また、農薬を使わない防除方法として、例えば特許文献5(特開2011−212012号公報)には、植物苗を囲む処理空間内に、所要温度に調整した飽和水蒸気流を、前記植物苗の上側を水平に流動するように生成させ、当該飽和水蒸気流中に前記植物苗を、熱傷害を受けない範囲内の時間だけ曝しておくことを特徴とする、植物苗の病害虫防除方法が開示されている。
非特許文献1には、いちごなどの植物を、数十秒から数分間、40〜50℃の高温にすると、植物はさまざまな反応を起こし、病害に対する抵抗性が誘導され、例えばうどんこ病などの病気に掛りにくくなる現象があることが開示されている。
特開平7−31350号公報 特開平7−289057号公報 特開2016−152794号公報 特開2016−158522号公報 特開2011−212012号公報
佐藤達雄「熱ショック処理を使った植物の病害防除について」野菜情報.2013年2月号
永年作物の中でも、お茶は特殊な作物であり、茶葉を年に複数回収穫するという特徴を有している。摘採時期は、地方によっても異なり、例えば静岡県でいえば、4月中旬から5月中旬の間に一番茶の摘採を行った後、一番茶摘採後45〜50日間ほど経過し次の芽が伸びてくるのを待ってから二番茶を摘採し、その後に秋まで約3ヶ月待ってから秋冬番茶を摘採するのが通常である。
このように1年の間に複数回収穫する茶樹に関しては、摘採する時期ごとに複数回の防除を行う必要があるため、三番茶や四番茶、秋冬番茶など後半の摘採時期になると前茶期に散布した農薬が残留し、茶葉に含まれる農薬の種類及び濃度が高くなる場合があった。また、農薬の使用回数が多くなることから、一般的な作物と比較して費用が掛ってしまう場合があった。そのため、農薬を使わず、効果的な新たな病害虫防除方法が求められていた。
そこで本発明は、農薬を使わずに、加熱した水を利用した茶の病害虫防除方法に関して、茶の病害虫をより効果的に防除することができる新たな茶の病害虫防除方法を提供せんとするものである。
本発明は、茶葉の表面温度が45℃〜55℃になるように、加熱された霧状の水を茶葉に接触させる処理を行うことを特徴とする茶の病害虫防除方法を提案する。
本発明が提案する茶の病害虫防除方法によれば、農薬を使わずに、加熱した水を利用して効果的に茶の病害虫を防除することができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本防除方法>
本発明の実施形態の一例に係る茶の病害虫防除方法(「本防除方法」と称する)は、茶葉の表面温度が45℃〜55℃になるように、加熱された霧状の水(「加熱ミスト」と称する)を茶葉に接触させる処理を行うことを特徴とする茶の防除方法である。
(対象とする茶)
本防除方法が対象とする茶としては、摘採した茶葉もしくは茶葉の加工物を液体に抽出し、その液体を飲用することを目的として栽培する茶であればよい。摘採した茶葉を食用することを目的として栽培する茶であってもよい。
具体的には、例えば煎茶、碾茶、玉露、烏龍茶、紅茶、その他飲料用の茶を栽培する茶を挙げることができる。
(対象とする病害、虫害)
本防除方法が対象とし得る病害としては、例えば炭そ病、輪斑病、赤葉枯病、網もち病、白星病などを挙げることができる。虫害の虫種としては、例えばチャノミドリヒメヨコバイ(以下、ウンカと示す)、カンザワハダニ、クワシロカイガラムシ、チャノキイロアザミウマ、チャノコカクモンハマキ、チャノホソガなどを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
(加熱ミスト)
加熱ミストの水は、水道水、井戸水などの水であればよい。
必要に応じて、薬剤を添加することもできる。
加熱ミストの温度は45℃〜55℃に調整するのが好ましい。45℃以上であれば、病気及び害虫の防除に有効である一方、55℃以下であれば熱傷害の発生を防止することができる。
かかる観点から、茶葉に接触させる霧状の水の温度は45℃〜55℃に調整するのが好ましく、中でも47℃以上或いは54℃以下、その中でも50℃以上或いは53℃以下であるのが特に好ましい。
水を霧状すなわちミスト状にする方法は、加熱した水を霧状にしてもよいし、また、霧状にした水を加熱してもよい。具体的には、例えばボイラーで得た水蒸気を冷却する方法や、熱風中に細かな水滴を散布する方法などを挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
(茶葉乃至茶樹に加熱ミストを接触させる方法)
加熱ミストは、少なくとも茶樹及び茶葉のうち、葉層表面部分の茶葉に接触させるのが好ましく、さらには摘採対象となる芽部分の茶葉に接触させるのも好ましい。
葉層表面部分の茶葉に接触させることで、芽の周囲に存在しその成長や品質に影響を与える病気の分生子や害虫を防除することができる。また、摘採対象となる芽部分の茶葉に接触させることで、直接的に芽の防除を行うことができる。
中でも、茎の切断面にも接触させるのが好ましく、毛茸が存在する若い葉にも接触させるのが好ましい。また、一般的に「親葉」と称される摘採面より下にある硬化が進んだ葉にも接触させるのが好ましく、さらに枝に接触させるのが好ましく、さらには幹にも接触させるのが好ましい。
加熱ミストを茎の切断面に接触させることで輪斑病の防除を効果的に行うことができ、毛茸が存在する若い葉にも接触させることで炭そ病の防除を効果的に行うことができる。また、加熱ミストを親葉や枝、幹にも接触させることで、それらに付着している分生子や害虫を防除することができる。
加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させ、茶葉の表面温度が45℃〜55℃になるようにするのが好ましい。
茶葉の表面温度が45℃以上であれば、病気及び害虫の防除に有効である一方、55℃以下であれば熱傷害の発生を防止することができる。
かかる観点から、加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させた際の茶葉の表面温度が45℃〜55℃になるようにするのが好ましく、中でも46℃以上或いは53℃以下、その中でも50℃以上或いは52℃以下となるようにするのが特に好ましい。
この際、茶葉の表面温度は、加熱ミストの温度と接触時間によって調整することができる。
茶葉に接触させる加熱ミストの接触時間(単に「接触時間」と称する)は、当該水の温度との関係で調整するのが好ましい。
目安としては、加熱ミストの温度(A)と接触時間(h)との積(A×h)が45℃×6S〜55℃×15Sとなるように、茶葉に接触させる水の温度及び茶葉に接触させる水の接触時間を調整するのが好ましい。
例えば、45℃の加熱ミストを6秒以内の接触時間で茶葉に接触させるように処理することで、優れた防除効果を得つつ、熱傷害を防ぐことができる。その一方で、接触15秒以内であれば、従来の防除方法と同等の処理時間とすることができる。
かかる観点から、加熱ミストの温度(A)と接触時間(h)との積(A×h)が45℃×6S〜55℃×15Sとするのが好ましく、中でも46℃×6S以上或いは53℃×12S以下、中でも50℃×3S以上或いは52℃×10S以下となるように調整するのが特に好ましい。
さらに、{加熱ミストの温度A(℃)−30℃}^2×{茶葉に加熱ミストを接触させる時間h(秒)}÷100が50以下、中でも10以上或いは40以下、その中でも12以上或いは30以下となるように、茶葉に接触させる水の温度A(℃)及び茶葉に加熱ミストを接触させる時間h(秒)を調整することにより、より短時間で防除効果を得ることができる。
(防除処理時期)
炭そ病や輪斑病などを効果的に防除する観点から、上記処理すなわち加熱された霧状の水を茶葉に接触させる処理は、茶葉の摘採若しくは整枝を行った時から2週間以内、中でも1週間以内、その中でも1日以内に実施するのが好ましい。
なお、上記茶葉の摘採とは、茶葉を収穫するための摘採であれば特に限定するものではない。中でも、一番茶又は二番茶を収穫するための摘採であるのが好ましい。
また、上記茶葉の整枝とは、茶葉を摘採した後に行う摘採面の刈込作業を意味する。中でも一番茶摘採後の整枝又は二番茶摘採後の整枝であるのが好ましい。
以上の中でも、1番茶の摘採後、2番茶の摘採前に適用するのが好ましい。但し、1番茶の摘採前に行ってもよいし、また、2番茶の摘採後に行ってもよい。
その中でも、1番茶の摘採当日〜14日の間に実施するのが好ましく、その中でも摘採当日〜7日の間、その中でも摘採当日〜3日以下の間に実施するのがより一層好ましい。
摘採することによって茶樹には傷がつくため、その傷口から輪斑病の分生子などが入り込むことがある。そのため、茶摘採後すぐに防除するのが好ましく、萌芽前の炭そ病の分生子の低減、ウンカの低減も行うことができる。
さらに、炭そ病やウンカなどを発生防止する観点からすると、これらに最も効果的な二番茶芽が萌芽する一番茶摘採日から10日〜25日の間、中でも摘採日から15日〜20日の間に実施するのが特に好ましい。
他方、輪斑病などを予防する観点からすると、輪斑病の感染源となりやすい摘採機の刃による付傷部が感染部になるため、上記処理すなわち加熱された霧状の水を茶葉に接触させる処理を、茶葉の摘採若しくは整枝を行った時から24時間以内、中でも18時間以内、その中でも12時間以内に実施するのが好ましい。
<茶の生産方法>
本防除方法を適用しながら茶樹を育成し、一番茶(3〜5月)、二番茶(6〜7月)、三番茶(7〜8月)、秋冬番茶(秋)のうちの2〜4期間、間隔をおいて摘採を行えばよい。
例えば鹿児島県であれば、一番茶の摘採時期は、4月中旬から5月下旬であり、一番茶摘採後45〜50日間ほど経過し次の芽が伸びてくるのを待ってから二番茶を摘採し、二番茶摘採後40〜45日間で三番茶を摘採し、三番茶摘採後50〜60日間で四番茶を摘採するのが通常である。
摘採した茶葉は、荒茶工場において、蒸気で蒸して茶生葉に含まれる酸化酵素を不活性化(殺青)させた後、粗揉、揉捻、中揉及び精揉等によって揉込み、乾燥させる一連の工程を経て荒茶に加工した後、用途に合わせてさらに加工すればよい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。
<試験1>
最も外部環境に弱い1番茶の萌芽期に、温度の異なる霧状の水(加熱ミスト)を茶樹に対して散布し、熱傷害を生じない条件を検証した。
静岡県内の圃場で、茶品種「やぶきた」に対して、40〜65℃の加熱ミストを作製し、これを茶防除に用いられる市販のノズル(20頭口)を使用して、3秒〜10秒間、茶樹及び茶葉に対して噴射し、茶葉の表面温度(葉面温度)を測定すると共に熱傷害の有無を観察した。
この際、40〜65℃の霧状の水は、市販のボイラーSB−110(丸文製作所製)を用いて生成した水蒸気と大気を混合器で混合し、ノズルから放出される蒸気大気の混合気体の温度を計測し、その計測された温度を基に混合器で取り込む大気量を調整して目的の温度の霧状の水すなわち加熱ミストを得た。
また、茶葉の葉面温度は赤外線放射温度計(SK−8700II、佐藤計量器製作所製)を用い、葉層表面に位置している親葉の表面温度を測定した。
熱傷害の有無の判定は、葉が溶けるように落ちたり、又は葉が赤黒く変色し落ちたりするなど、葉の成長が進まずに落葉してしまった状態が観察された場合、熱傷害「有り」と判定し、一部のみにそのような状態が観察された場合、熱傷害「一部有り」と判定し、そのような状態がどこにも観察されなかった場合、熱傷害「無し」と判定した。
<結果>
加熱ミスト温度が40〜50℃では、長時間(10秒)当てても熱傷害を発生しなかったのに対し、55℃では10秒で一部熱傷害が発生した。60℃を超えると、より短時間で熱傷害が発生した。
防除の処理時間は、作業効率の観点から6秒よりも短くしたいが、60℃の加熱ミストを3秒間接触させると熱傷害が発生するため、実質的には55℃で6秒が限度と考えられる。
<試験2>
加熱された霧状の水(加熱ミスト)を茶葉と接触させる防除処理を実施する好適な時期について検証した。
静岡県内の圃場で、茶品種「やぶきた」に対して、試験1同様に作製した50℃の加熱ミストを、試験1と同様に茶樹及び茶葉に対して6秒間噴射して葉面温度を50℃にする防除処理を、一番茶摘採(4月23日)後に摘採面を均す目的で整枝を行ってから24時間以内(5月7日)、一葉期(5月21日)、三葉期(6月13日)にそれぞれ実施した。
そして、二番茶の摘採日(6月26日)において、やぶきたでは二番茶に発生しやすい「炭そ病」、やぶきたに感受性が高い「輪斑病」及び「害虫」の発生の有無を観察し、それぞれ発生しなかった場合「〇」と判定し、発生が確認された場合「×」と判定した。
<結果>
試験区12〜18は、慣行防除と同等の防除効果を得ることができ、どの時期に蒸気防除を行っても有効であることが確認できた。
これに対し、無処理区である試験区19は、二番茶となる1芯4〜5葉はウンカの被害が顕著で9割が被害を受けた。そのため、直接的に炭そ病、輪斑病の発生を確認できなかったが、周囲の畑では慣行防除が不十分であった畝の端などで炭そ病、輪斑病の発生が見られた。炭そ病は雨滴による分生子の飛散、輪斑病は降雨による分生子の分散や摘採機への分生子の付着により拡がることを考えると、加熱ミストを茶葉に接触させる防除処理は有効であることが分かった。
次に、各病害の発病までの流れと、蒸気防除が最も好ましい時期について検討する。
炭そ病は、若い芽にある毛茸から感染する病害であり、毛茸への付着後14〜20日(最短で8〜15日)の潜伏期間後に発病する。
このような炭そ病の防除方法は、毛茸がある芽の開葉期(一番茶摘採又は整枝から二週間以内)に行うことが最も有効であることが分かった。
他方、輪斑病は、主に摘採時の付傷面から感染する病害である。分生子は付着後2〜3時間で発芽し、5〜10日の潜伏期間後発病する。従来の慣行防除では、摘採後1日以内に防除(薬剤散布)を行う必要があり、期間が開くほど効果が減ると言われてきた。
輪斑病の防除については、摘採又は整枝から1日以内に行うのが最も有効であると考えることができる。
ウンカは、若い芽のみ吸汁を行うため、芽の開葉期(一番茶摘採から二週間以内)に行うことが最も有効である。
加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させる防除処理は、上記の期間外(試験区13,14など)に行っても効果が出ており、これらについては次のように考えることができる。
農薬は大きく分けると「予防剤」「治療剤」を散布することになる。上記の摘採から1日以内、一番茶から2週間以内などはいずれも「予防」を目指すものであり、発病を予防することが良い品質の茶葉を得ることに繋がるとの考え方による。しかし、防除を行っても発病することがあるため慣行防除では治療剤を使うが、農薬は使用時期が明確に決まっており、予防剤は一般的には二番茶摘採の30日前まで、治療剤は一般的には二番茶摘採の14日前までしか使えない。そのため、これまで摘採の一定期間前には農薬を散布できず病害が拡がってしまっていた。しかし、加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させる防除処理によれば、農薬を用いないため、必要な時期に処理することができる。
<試験3>
加熱された霧状の水(加熱ミスト)を茶葉と接触させた際の葉面温度と、防除効果との関係を検証した。
静岡県内の圃場で、茶品種「やぶきた」に対して、試験1同様に作製した表3の温度の加熱ミストを、試験1と同様に茶樹及び茶葉に対して、表3に示した処理時間だけ噴射して葉面温度を表3に示した温度とする防除処理を、3番茶摘採後24時間以内(8月1日)に実施した。
そして、4番茶摘採日(10月2日)において、「炭そ病」、「輪斑病」及び「害虫」の発生の有無を観察し、それぞれ発生しなかった場合「〇」と判定し、発生が確認された場合「×」と判定した。
<結果>
上記実施例及びこれまで本発明が行ってきた試験結果から、茶葉の表面温度が45℃以上になるように、加熱ミストを茶樹及び茶葉に接触させると、茶の病害虫を防除することができることが分かった。
また、試験区32では熱傷害が発生したため、蒸気温度が50〜55℃のとき、{加熱ミストの温度A(℃)−30℃}^2×{茶葉に加熱ミストを接触させる時間h(秒)}÷100が50以下であれば、より短時間の処理時間で防除効果を得ることができ、しかも、熱傷害を発生しないことも分かった。
<試験4>
加熱された霧状の水(加熱ミスト)を茶葉と接触させた際の葉面温度及び処理頻度と、害虫防除効果との関係を検証した。
静岡県内の圃場で、茶品種「やぶきた」に対して、試験1同様に作製した表5の温度の加熱ミストを、試験1と同様に茶樹及び茶葉に対して、表4に示した処理時間だけ噴射して葉面温度を表4に示した温度とする処理を、二番茶摘採後から、10日おきに計11回実施した(6月13日〜10月13日)。
処理期間中の8月22日に、各試験区に害虫トラップ(Bug−Scan、Biobest社製、10cm×13cm)を3箇所ずつ設置し、10月13日に回収した。その後トラップに付着した害虫の数をカウントし、茶樹乃至茶葉への害虫防除効果を検証した結果を表4に示す。
なお、害虫については、茶葉乃至茶樹において代表的な害虫であるチャノミドリヒメヨコバイを選択し、各試験区に設置した3箇所の害虫トラップに付着したチャノミドリヒメヨコバイの平均個体数から害虫防除効果の有無を判断した。
<結果>
加熱ミストを茶樹及び茶葉に接触させた試験区33〜36すべての試験区で慣行防除を行った試験区よりもチャノミドリヒメヨコバイの平均個体数が減少していることから、加熱ミストを茶樹及び茶葉に接触させることで防虫効果が得られることが確認された。

Claims (8)

  1. 茶葉の表面温度が45℃〜55℃になるように、水蒸気と大気とを混合した、加熱された霧状の水を、茶葉乃至茶樹に接触させる処理を行うことを特徴とする茶の病害虫防除方法。
  2. ボイラーを用いて生成した水蒸気と、大気とを混合した、45℃〜55℃に調整した霧状の水を、茶葉に接触させることを特徴とする請求項1に記載の茶の病害虫防除方法。
  3. {茶葉に接触させる霧状の水の温度(℃)−30℃}^2×{茶葉に接触させる霧状の水の接触時間(秒)}÷100が50以下となるように、茶葉に接触させる霧状の水の温度(℃)及び茶葉に接触させる霧状の水の接触時間(秒)を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の茶の病害虫防除方法。
  4. 茶葉の摘採若しくは整枝を行った時から2週間以内に、加熱された霧状の水を茶葉に接触させる上記処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の茶の病害虫防除方法。
  5. 茶葉の摘採若しくは整枝を行った時から24時間以内に、加熱された霧状の水を茶葉に接触させる上記処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の茶の病害虫防除方法。
  6. 上記茶葉の摘採とは、一番茶又は二番茶を収穫するための摘採であることを特徴とする請求項4又は5に記載の茶の病害虫防除方法。
  7. 上記整枝とは、一番茶摘採後の整枝又は二番茶摘採後の整枝であることを特徴とする請求項4又は5に記載の茶の病害虫防除方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の茶の病害虫防除方法を利用した茶の生産方法。
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