JP6561157B2 - 自動車用樹脂部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
が提供される。
本発明の自動車用樹脂部品は、部分的にメッキ膜の形成された樹脂部品である。本発明の実施形態として、まず、図1に示す、後述する実施例において作製した評価用試料の樹脂部品100について説明する。樹脂部品100は、表面にメッキ膜103が形成されている第1の部位101と、表面にメッキ膜が形成されていない第2の部位102とを有する。
エア・コンディショナー用レジスタ(以下、適宜、「エアコン用レジスタ」と記載する)とは、空気調和用又は、換気用に自動車内に設けられた吹き出し口を構成する部品であり、エアコン用レジスタを介して、自動車に搭載されているエア・コンディショナーから車内に暖気や寒気が送り込まれる。図3(a)〜(c)に示すように、エアコン用レジスタ300は、例えば、吹き出し口の周囲を形成するレジスタ・ベゼル310、吹き出し口に複数枚設けられ、吹き出し口から供給される空気の向きを調整する板状のレジスタ・ブレート320、レジスタ・ブレードに設けられたスライド・ノブ330、レジスタ・ベゼルに設けられたダイヤル・ノブ340等から主に構成される。
図3(b)に示すように、本実施形態のレジスタ・ブレート320は、一方向(以下「延在方向」と記載する)に延在する板状本体と、板状本体の延在方向の両端部にそれぞれ突設された軸323から主に構成される。レジスタ・ブレート320は、レジスタ・ベゼル310に軸323によって回転可能に取り付けられる。板状本体が軸323を中心軸として回転してレジスタ・ベゼル310に対する角度を変え、これによりエアコン用レジスタ300から出ていく空気の向きを調整する。
図3(a)に示すように、本実施形態のスライド・ノブ330は、複数枚設けられたレジスタ・ブレート320のうちの一枚の延在方向におけるほぼ中央に設けられる。自動車のドライバー又は同乗者は、スライド・ノブ330を摘まんで動かすことで、レジスタ・ベゼル310に対するレジスタ・ブレート320の角度を変え、これによりエアコン用レジスタ300から出ていく空気の向きを調整する。
図3(a)に示すように、ダイヤル・ノブ340はレジスタ・ベゼル310に設けられ、自動車のドライバー又は同乗者は、ダイヤル・ノブ340に操作を加えることにより、エアコン用レジスタ300から出ていく空気の量を調整する。
図3(a)に示すように、レジスタ・ベゼル310は、エアコンからの送られる空気の吹き出し口の周囲を形成する部品である。図3(a)に示すレジスタ・ベゼル310にはメッキ膜が形成されていないが、レジスタ・ベゼルには部分的にメッキ膜を設ける加飾のニーズがある。例えば、図7(a)に示すレジスタ・ベゼル410、レジスタ・ベゼル410とは形状の異なる図7(b)に示すレジスタ・ベゼル510は、部分的にメッキ膜を有する。図7(a)及び(b)に示すように、本実施形態のレジスタ・ベゼル410、510は、吹き出し口の周辺部にメッキ膜を有する第1の部位411、511を有し、第1の部位411、511以外の部分は、表面にメッキ膜有さない第2の部位412、512である。
シフトノブは、シフトレバーの先端にある取っ手であり、シフトレバーとは、ドライバーが運転席でエンジンのトランスミッションのギアを自由に選択できる操作レバーである。シフトノブには剛性が要求され、特にシフトノブにおいて大きな体積を占め、シフトノブの芯材となる樹脂には、より高い剛性が求められる。図8に示す本実施形態のシフトノブ600は、メッキ膜を有する第1の部位601が、シフトノブにおいて大きな体積を占め、シフトノブの芯材となる部位である。第1の部位601の表面に、メッキ膜有さない3つの表域を形成する第2の部位602a、602b、603cが、第1の部位601と一体に形成されている。
アシストグリップとは、自動車への乗降時や、車体が揺れた時にドライバーや同乗者がつかまる取っ手の事で、自動車の車内に固定されている取っ手である。アシストグリップには、部分的にメッキ膜を設ける加飾のニーズがあると共に、ドライバー又は同乗者がつかまる取っ手であるため剛性が要求され、特にアシストグリップにおいて大きな体積を占める樹脂には、より高い剛性が求められる。図9(a)に示すアシストグリップ700、及びアシストグリップ700とは形状の異なる図9(b)に示すアシストグリップ710において、メッキ膜を有する第1の部位701、711が、アシストグリップ700、710の大部分の体積を占め、芯材となる部位である。第1の部位701、711の表面を覆うように、表面にメッキ膜有さない第2の部位702、712が、第1の部位701、711と一体に形成されている。
次に、図1に示す樹脂部品100の製造方法について、図10に示すフローチャートに従って説明する。
まず、ブロック共重合体に金属微粒子が分散した樹脂ペレットを用意する(ステップS1)。本明細書において、「樹脂ペレット」とは、樹脂を加工し易いように小さな塊(ペレット)としたものを意味し、サイズ及び形状はペレットの用途により様々であるが、例えば、3〜5mm程度の粒子状、円柱状の樹脂の小片である。また、本実施形態の製造方法において、ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットは、マスターバッチに相当し、第1の熱可塑性樹脂は、マスターバッチが配合されるベース樹脂に相当する。マスターバッチとは、染料、顔料、その他の添加剤等の機能性材料を高濃度に含有した樹脂ペレットであり、機能性材料を含有しないベース樹脂に混合され、ベース樹脂と共に成形される。マスターバッチを用いると、機能性材料である金属微粒子を直接ベース樹脂に添加して成形することと比較して、材料の取り扱い性が容易で秤量精度も向上する。また、マスターバッチを用いると、汎用の成形機を用いて、金属微粒子を含有する成形体を製造できるという利点も有する。
本実施形態では、図11(a)に示す汎用の二色成形機200を用いて二色成形方法により、第1の部位101及び第2の部位102を有する樹脂部材を成形する。ここで、樹脂部材とは、図1に示す樹脂部品100からメッキ膜103を除いた部材を意味する。
以上の成形方法により得られた樹脂部材を無電解メッキ液に浸漬する。これにより、第1の部材101の表面にメッキ膜103が形成され、図1に示す樹脂部品100が得られる(図10のステップS5)。
<樹脂部材の製造>
(1)マスターバッチの製造
ブロック共重合体に金属微粒子が分散した樹脂ペレット(マスターバッチ)を高圧容器を用いたバッチ処理により製造した。まず、40℃に温調した高圧容器の内部に、ペレット状のブロック共重合体(原料ペレット)として三洋化成工業製、ペレスタット(登録商標)PL1251と、金属錯体としてヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)錯体を収容した。ブロック共重合体(原料ペレット)に対する、金属錯体の割合は、2000重量ppmとした。ブロック共重合体(原料ペレット)に対する、金属錯体中のパラジウムの割合は、約400重量ppmであった。
日本製鋼所製の二色成形機、J180AD−2Mを用いて、先に説明した図11(a)〜(e)に示すコアバック法の二色成形方法により、第1の部位101及び第2の部位102を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図1に示す樹脂部品100からメッキ膜103を除いた部材を意味する。第1の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維45重量%含有のガラス繊維強化ナイロン6(東レ製、アミランCM1011G45)、第2の熱可塑性樹脂としてガラス繊維60重量%含有のガラス繊維強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイドTY791G60)、樹脂ペレット(マスターバッチ)として、上で製造した樹脂ペレットを用いた。
成形した樹脂部材を常温の2.5N塩酸水溶液に1分間浸漬した後、80℃の1,3−ブタンジオール水溶液(75体積%)に5分間浸漬させ、その後、85℃の無電解ニッケルメッキ液(奥野製薬工業製、ニコロンDK)に10分間浸漬した。これにより、第1の部位にのみ、ニッケルリンメッキ膜が1μm形成された。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は5分であった。次に、ニッケルリンメッキ膜上に、汎用の方法により、電解銅メッキ膜10μm、電解ニッケルメッキ膜10μm、電解三価クロムメッキを0.2μm、この順に積層し、図1に示す樹脂部品100を得た。
(1)第1及び第2の部位の吸水率
第1の部位101と同組成の第1の評価用成形体、第2の部位102と同組成の第2の評価用成形体を成形した。第1及び第2の評価用成形体の大きさは、10cm×20cm×0.3cmであった。次に、第1及び第2の評価用成形体を23℃の水中に24時間浸漬して、浸漬後の重量増加率を求め、これらをそれぞれ、23℃の水に24時間浸漬させたときの第1及び第2の部位の吸水率とした。第1の部位101の前記吸水率は1.1重量%であり、第2の部位102の前記吸水率は0.7重量%であった。第1の部位と第2の部位の差は、0.4重量%である。
第1の部位101と同組成の第3の評価用成形体、第2の部位102と同組成の第4の評価用成形体を成形した。第3及び第4の評価用成形体は、試験法 ISO178に準拠したダンベル試験片形状の成形体である。次に、同試験法に準拠した方法にて、第3及び第4の評価用成形体の常温における曲げ弾性率を測定し、これらの曲げ弾性率をそれぞれ、第1及び第2の部位の曲げ弾性率とした。本実施例の第1の部位の曲げ弾性率は13.0GPa、第2の部位の曲げ弾性率は、16.0GPaであった。第1の部位及び第2の部位とも、10GPaを超える高い弾性率を有していることがわかった。
製造した樹脂部品100を40℃の水に200時間浸漬させた。浸漬後の樹脂部品100を目視で観察し、以下の評価基準に基づき評価した。
温水試験評価基準:
○:第1の部位101と第2の部位102の間で剥離なし。
×:第1の部位101と第2の部位102の間で剥離あり。
温水試験後、本実施例の樹脂部品100では、第1の部位101と第2の部位102の間で剥離は無く、温水試験評価は「○」であった。
製造した樹脂部品100を−40℃の雰囲気と120℃の雰囲気に交互に曝すヒートショック試験を50サイクル実施した。熱衝撃試験の後の樹脂部品100を目視で観察し、以下の評価基準に基づき評価した。
熱衝撃試験評価基準:
A:メッキ膜103に、膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じていない。
C:メッキ膜103に、膨れ、割れ、剥離等がいずれか生じている。
本実施例の樹脂部品100は、メッキ膜103に膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じておらず、評価結果は「A」であった。
第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維50重量%含有の芳香族系のガラス繊維強化6Tナイロン(東洋紡製、グラマイド TY791G)を用いた以外、実施例1と同様の材料を用いて同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。尚、ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は3分であった。また、本実施例の第1の部位101中のパラジウムの割合は、実施例1と同様に、190×0.05=9.5重量ppmと計算できる。本実施例で得られた樹脂部材の第1の部位101中のパラジウムの割合をICP−MSにて測定したところ、上記計算値の誤差10%以内であることが確認できた。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表1に示す。
第1の熱可塑性樹脂として、非強化ナイロン6(東洋紡製、T−802)、第2の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維50重量%含有のガラス繊維強化MXDナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチック製、レニー 1025)を用い、第1の部位101の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合を10重量%とした以外は、実施例1と同様の材料を用いて同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。尚、ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は1.5分であった。また、本実施例の第1の部位101中のパラジウムの割合は、190×0.10=19重量ppmと計算できる。本実施例で得られた樹脂部材の第1の部位101中のパラジウムの割合をICP−MSにて測定したところ、上記計算値の誤差10%以内であることが確認できた。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表1に示す。
第1の熱可塑性樹脂として、実施例2と同様のミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ナイロン6・66共重合体(東レ製、アミランCM6041‐XF)を用いた以外は、実施例1と同様の材料を用いて同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。尚、ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は3分であった。また、本実施例の第1の部位101中のパラジウムの割合は、実施例1と同様に、190×0.05=9.5重量ppmと計算できる。本実施例で得られた樹脂部材の第1の部位101中のパラジウムの割合をICP−MSにて測定したところ、上記計算値の誤差10%以内であることが確認できた。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表1に示す。
第1の熱可塑性樹脂として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)(東レ製、トヨラック 125X82)、第2の熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート(PC)(帝人製、パンライト L−1225Y)を用い、樹脂ペレット(マスターバッチ)を用いずに、実施例1と同様の二色成形方法により、第1の部位101及び第2の部位102を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図1に示す樹脂部品100からメッキ膜103を除いた部材を意味する。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率及び(3)温水試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様の方法により熱衝撃試験を行い、実施例1と同様の評価基準により評価を行った。本比較例の樹脂部品100は、メッキ膜103に剥離が生じた。
熱衝撃試験評価基準:
B:メッキ膜103に、膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じていない。
D:メッキ膜103に、膨れ、割れ、剥離等がいずれか生じている。
本比較例の樹脂部品100は、メッキ膜103に膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じておらず、評価結果は「B」であった。
第2の熱可塑性樹脂として、非強化ナイロン6(東洋紡製 グラマイド T−802)を用いた以外、実施例1と同様の材料を用いて同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は1.5分であった。得られた樹脂部品100は、第1の部位101と、第2の部位102の間で、一部の剥離が発生していた。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表1に示す。尚、本比較例の樹脂部品100は、温水試験を実施する前から、第1の部位101と、第2の部位102の間で一部の剥離が発生していたが、温水試験により更に剥離が進行し、評価は「×」であった。
第1の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維50重量%含有のガラス繊維強化MXDナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチック製、レニー 1025)を用いた以外、実施例1と同様材料を用い、同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。得られた樹脂部品100は、ニッケルリンメッキ膜に抜けが生じており、メッキ膜103が第1の部位の表面全てを覆っていなかった。このため、本比較例では、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は測定できなかった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表1に示す。
第1の熱可塑性樹脂として、非強化ナイロン6(東洋紡製、T−802)を用い、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合を15重量%とした以外は、実施例1と同様の材料を用いて同様の製造方法により、図1に示す樹脂部品100を製造した。尚、ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は1.2分であった。本比較例の樹脂部品100は、メッキ膜103の一部に割れが確認された。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃性試験を行った。結果を表1に示す。尚、本比較例の樹脂部品100は、熱衝撃試験の前からメッキ膜103の一部に割れが確認されていたが、熱衝撃試験により、メッキ膜の割れが進行した。評価結果は、「C」であった。
本実施例では、先に説明した図3(b)、図4(a)及び(b)に示すレジスタ・ブレート320を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維60重量%含有のガラス繊維強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド TY791‐G60)の黒色グレード、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位321及び第2の部位322を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図4に示すレジスタ・ブレート320からメッキ膜を除いた部材を意味する。第1の部位321の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。また、本実施例では、第1の部位321に対応する面に鏡面加工、第2の部位322に対応する面にシボ加工を施した金型を用いて成形を行った。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位321にメッキ膜を形成し、図4に示すレジスタ・ブレート320を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は5分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。結果を表2及び表3に示す。
本実施例のレジスタ・ブレート320を140℃〜150℃の環境下に48時間放置した。試験後のレジスタ・ブレート320を目視で観察し、以下の評価基準に基づき評価した。
高温保存試験評価基準:
○:塑性変形が認められず、メッキ膜に膨れ、割れ、剥離がいずれも生じていなかった。
×:塑性変形が認められ、メッキ膜に膨れ、割れ、剥離のいずれかが生じていた。
本実施例のレジスタ・ブレート320は、塑性変形が認められず、メッキ膜に膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じておらず、評価は「○」であった。
レジスタ・ブレート320の長さ(L)は150mm、平均厚み(D)は3mmとした。これらの比(L/D)は、50であった。レジスタ・ブレート320の長さ(L)方向(延在方向)の両端部を支持して中心部を50Nで加圧した。前記中心部のたわみ量は、1mmであった。
本実施例では、先に説明した図3(c)に示すスライド・ノブ330を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ガラス繊維30重量%含有のガラス繊維強化ナイロン66(東レ製、CM3006G−30)の黒色グレード、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位331及び第2の部位332を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図3(c)に示すスライド・ノブ330からメッキ膜を除いた部材を意味する。第1の部位331の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。また、本実施例では、第1の部位331に対応する面に鏡面加工、第2の部位332に対応する面にシボ加工を施した金型を用いて成形を行った。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位331にメッキ膜を形成し、図3(c)に示すスライド・ノブ330を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は4分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行い、実施例5と同様の方法により、(5)高温保存試験を行った。結果を表2及び表3に示す。
本実施例では、先に説明した図6に示すダイヤル・ノブ340を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、オレフィン系エラストマー(TPO)(プライムポリマー製、プライムTPO E−2910)の黒色グレード、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位341及び第2の部位342を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図6に示すダイヤル・ノブ340からメッキ膜を除いた部材を意味する。第1の部位341の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位341にメッキ膜を形成し、図6に示すダイヤル・ノブ340を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は4分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率及び(3)温水試験を行った。また、ダイヤル・ノブは、上述した実施例5のレジスタ・ブレードや実施例6のスライド・ノブ程の耐熱性は要求されない。そのため、(4)熱衝撃試験は、以下に説明する実施例1で行った試験よりも穏やかな条件で行い、実施例5で行った(5)高温保存試験は行わなかった。結果を表2及び表3に示す。
製造したダイヤル・ノブ340を−40℃の雰囲気と90℃の雰囲気に交互に曝すヒートショック試験を50サイクル実施した。熱衝撃試験の後のダイヤル・ノブ340を目視で観察し、以下の評価基準に基づき評価した。
熱衝撃試験評価基準:
B:メッキ膜に、膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じていない。
D:メッキ膜に、膨れ、割れ、剥離等がいずれか生じている。
本実施例のダイヤル・ノブ340は、メッキ膜341に膨れ、割れ、剥離等がいずれも生じておらず、評価結果は「B」であった。
本実施例では、先に説明した図8に示すシフトノブ600を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ポリ塩化ビニル(信越ポリマー製、JD476)、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位601及び第2の部位602a、602b、602cを有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図8に示すシフトノブ600からメッキ膜を除いた部材を意味する。第1の部位601の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位601にメッキ膜を形成し、図8に示すシフトノブ600を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は4分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験を行った。また、シフトノブは、上述した実施例5のレジスタ・ブレードや実施例6のスライド・ノブ程の耐熱性は要求されない。そのため、(4)熱衝撃試験は、実施例7と同様の方法で行い、実施例5で行った(5)高温保存試験は行わなかった。結果を表2及び表3に示す。
本実施例では、先に説明した図9(a)に示すアシストグリップ700を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、オレフィン系エラストマー(TPO)(プライムポリマー製、プライムTPO E−2910)及び無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PP−MAH)(三洋化成工業製、ユーメックス1001)の混合物、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位701及び第2の部位702を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図9(a)に示すアシストグリップ700からメッキ膜を除いた部材を意味する。無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、第1の部位と第2の部位との接着性を高めるための相溶化材料であり、第2の熱可塑性樹脂中に5重量%混合した。第1の部位701の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位701にメッキ膜を形成し、図9(a)に示すアシストグリップ700を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は5分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験を行った。また、アシストグリップは、上述した実施例5のレジスタ・ブレードや実施例6のスライド・ノブ程の耐熱性は要求されない。そのため、(4)熱衝撃試験は、実施例7と同様の方法で行い、実施例5で行った(5)高温保存試験は行わなかった。結果を表2及び表3に示す。
本実施例では、先に説明した図7(a)に示す本実施形態のレジスタ・ベゼル410を製造した。第1の熱可塑性樹脂として、ミネラル約40重量%含有のミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、グラマイド T777−02)、第2の熱可塑性樹脂として、ポリアミドとABS樹脂のアロイ樹脂(ダイセルポリマー製、ノバロイA1300)、樹脂ペレットとして実施例1で製造した樹脂ペレット(マスターバッチ)を用い、汎用の二色成形方法により、第1の部位411及び第2の部位412を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図7(a)に示すレジスタ・ベゼル410からメッキ膜を除いた部材を意味する。第1の部位411の成形において、樹脂ペレット(マスターバッチ)と第1の熱可組成樹脂との総量に対する、樹脂ペレット(マスターバッチ)の割合は5重量%とした。次に、得られた樹脂部材に実施例1と同様の方法により、第1の部位411にメッキ膜を形成し、図7(a)に示す本実施形態のレジスタ・ベゼル410を得た。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は5分であった。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率及び(3)温水試験を行い、実施例5と同様の方法により、(5)高温保存試験を行った。また、レジスタ・ベゼルは、上述した実施例5のレジスタ・ブレードや実施例6のスライド・ノブ程の耐熱性は要求されない。そのため、(4)熱衝撃試験は、実施例7と同様の方法で行った。結果を表2及び表3に示す。
本比較例では、先に説明した図3(b)、図4(a)及び(b)に示すレジスタ・ブレート320と同一形状のレジスタ・ブレートを製造した。第1の熱可塑性樹脂として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)(東レ製、トヨラック 125X82)、第2の熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート(PC)(帝人製、パンライト L−1225Y)を用い、樹脂ペレット(マスターバッチ)を用いずに、実施例5と同様の金型を用いて、実施例5と同様の二色成形方法により、第1の部位321及び第2の部位322を有する樹脂部材を成形した。ここで、樹脂部材とは、図4(a)に示すレジスタ・ブレート320からメッキ膜を除いた部材を意味する。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行い、実施例5と同様の方法により、(5)高温保存試験を行った。結果を表2及び表3に示す。
本比較例のレジスタ・ブレートは、実施例5と同様に、長さ(L)は150mm、平均厚み(D)は3mmとした。これらの比(L/D)は、50であった。実施例5と同様に、レジスタ・ブレートの長さ(L)方向(延在方向)の両端部を支持して中心部を50Nで加圧した。前記中心部のたわみ量は、10mmであった。
本比較例では、先に説明した図3(b)、図4(a)及び(b)に示すレジスタ・ブレード320と同一形状のレジスタ・ブレードを製造した。第2の熱可塑性樹脂として、非強化ナイロン66(東レ製 CM3001−N)を用いた以外は、実施例5と同様の材料を用いて同様の製造方法により、実施例5と同様のレジスタ・ブレードを製造した。ニッケルリンメッキ膜により、第1の部位の全表面が覆われるまでに要した時間(メッキ時間)は3分であった。得られたレジスタ・ブレードは、第1の部位と、第2の部位の間で、一部の剥離が発生していた。
実施例1と同様の方法により、(1)第1及び第2の部位の吸水率、(2)曲げ弾性率、(3)温水試験及び(4)熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行い、実施例5と同様の方法により、(5)高温保存試験を行った。(4)熱衝撃試験において、本比較例のレジスタ・ブレードは、メッキ膜に剥離が生じたため、より穏やかな条件の実施例7と同様の熱衝撃試験を行った。結果を表2及び表3に示す。尚、本比較例のレジスタ・ブレードは、温水試験を実施する前から第1の部位と、第2の部位の間で、一部の剥離が発生していたが、温水試験により更に剥離が進行した。
本比較例のレジスタ・ブレートは、実施例5及び比較例5と同様に、長さ(L)は150mm、平均厚み(D)は3mmとした。これらの比(L/D)は、50であった。実施例5と同様に、レジスタ・ブレートの長さ(L)方向(延在方向)の両端部を支持して中心部を50Nで加圧した。前記中心部のたわみ量は、10mmであった。
101 第1の部位
102 第2の部位
103 メッキ膜
104 第1の熱可塑性樹脂
105 親水性セグメントを有するブロック共重合体
106 金属微粒子
107 金属粒子
300 エア・コンディショナー用レジスタ
310 エア・コンディショナー用レジスタのレジスタ・ベゼル
320 エア・コンディショナー用レジスタのレジスタ・ブレート
330 エア・コンディショナー用レジスタのスライド・ノブ
340 エア・コンディショナー用レジスタのダイヤル・ノブ
600 シフトノブ
700 アシストグリップ
Claims (13)
- 自動車用樹脂部品であって、
表面にメッキ膜が形成されている第1の部位と、
表面にメッキ膜が形成されていない第2の部位を有し、
第1の部位は、ポリアミドを含む第1の熱可塑性樹脂と、金属微粒子とを含み、前記金属微粒子は第1の部位の表面近傍に偏析し、
第2の部位は、第2の熱可塑性樹脂を含み、
23℃の水に24時間浸漬させたときの第1の部位の吸水率が、0.5重量%〜3.0重量%であり、第2の部位の前記吸水率が、2.0重量%以下であり、
第1の部位と第2の部位の前記吸水率の差が2.9重量%以下であり、
第1の部位と第2の部位は異材質であり、一体に成形されている一体成形品であり、
前記自動車用樹脂部品が、エア・コンディショナー用レジスタ、エア・コンディショナー用レジスタを構成する部品、シフトノブ及びアシストグリップのいずれかであることを特徴とする自動車用樹脂部品。 - 前記ポリアミドは、ミネラル強化ポリアミド及びガラス繊維強化ポリアミドの少なくとも一方を含む請求項1に記載の自動車用樹脂部品。
- 前記エア・コンディショナー用レジスタを構成する部品が、レジスタ・ベゼル、レジスタ・ブレート、スライド・ノブ及びダイヤル・ノブのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用樹脂部品。
- 第1の部位及び第2の部位のうち、前記自動車用樹脂部品における占有体積が多い方の部位の常温での曲げ弾性率が、5GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。
- 第2の熱可塑性樹脂が、ポリアミドを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。
- 第2の熱可塑性樹脂が、ポリアミド、オレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル及びポリアミドとABS樹脂とのアロイ樹脂からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。
- 第2の部位が、金属微粒子を含まないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。
- 前記金属微粒子が、パラジウムであることを特徴とする請求項7に記載の自動車用樹脂部品。
- 前記メッキ膜が、ニッケルリン又はニッケルボロンを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。
- 前記自動車用樹脂部品が、エア・コンディショナー用レジスタのレジスタ・ブレードであり、
前記レジスタ・ブレードの長さ(L)と、平均厚み(D)との比(L/D)が、(L/D)=40/1以上であり、
前記エア・コンディショナー用ブレードの長さ方向の両端部を支持して中心部を50Nで加圧したときの前記中心部のたわみ量が5mm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の自動車用樹脂部品の製造方法であって、
第1の熱可塑性樹脂を可塑化溶融して第1の溶融樹脂とすることと、
第2の熱可塑性樹脂を可塑化溶融して第2の溶融樹脂とすることと、
第1の溶融樹脂と、第2の溶融樹脂を用いて、第1の溶融樹脂からなる第1の部位と、第2の溶融樹脂からなる第2の部位とを有する樹脂部材を成形することと、
前記樹脂部材の第1の部位の表面に前記メッキ膜を形成することを含むことを特徴とする自動車用樹脂部品の製造方法。 - 前記樹脂部材を二色成形により成形することを特徴とする請求項11に記載の自動車用樹脂部品の製造方法。
- 前記樹脂部材全体を無電解メッキ液に浸漬して、第1の部位の表面のみに前記メッキ膜を形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の自動車用樹脂部品の製造方法。
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