(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係るラベルの分離方法は、インクカートリッジを構成するプラスチック製のインクカートリッジ容器の面のうち、ラベルが貼られている面を切削手段により切削する方法である。尚、ラベルが貼られている面は、インクカートリッジ容器の蓋ケースの面と同じである。
インクカートリッジは、インクジェットプリンターで使用されるカートリッジであって、カートリッジ容器の内部には、所定の色のインクが収容されている。インクジェットプリンターとは、サーマル式、ピエゾ式等のインクジェットプリンティング技術を利用して液滴状のインクを所定の領域に選択的に放出して、紙等の媒体に所望の画像を形成するプリンティング技術を実施するための装置である。
ところで、インクカートリッジには、インクカートリッジに収容されているインクの色や型番を表示する目的で、カートリッジケースの所定の面にラベルが貼られている。またこのラベルには、インク等の印字用物質が含まれている。ここでラベルを構成するフィルムがカートリッジケース等の諸部材の構成材料と同一の材料であったとしても、ラベルにはフィルムと共に印字用物質を含んでいる。このため、このラベルを付けた状態でリサイクル(再利用)を行うと、材料自体の純度が低くなる。尚、ラベルに含まれる印字用物質は、例えば、樹脂の再沈澱等を行うことにより除去が可能であるが、有機溶媒等の本来リサイクルを行う際に使用する必要がない物質の使用を余儀なくされることになる。
上述の特許文献1のインクカートリッジにもラベルとしての表示機能を有する通気口フィルムを有している。特許文献1には、この通気口フィルムが、本体ケースや蓋ケースと同一の材料(樹脂材料)であるものの、この通気口フィルムには印字用物質も含まれているため、上述した印字用物質に関する課題が存在すると考えられる。
また特許文献1において、蓋ケース下面の間隙をソーイングカッターで水平に切断する際に、本体ケースから切断された蓋ケースには通気口フィルムは、ミシン目等に沿って引きはがされずに残ったフィルムとして貼り付いたままとなっている。このように通気口フィルムが貼り付いている蓋ケースをそのまま廃棄するのは、資源の再利用という観点でいえば適切とはいえない。かといって通気口フィルムが貼り付いている蓋ケースを資源として再利用する場合は、蓋ケースが肉厚であればその分だけリサイクル資源である樹脂材料がより多く得られる。しかし通気口フィルムに、表示のために使用される印字用物質が含まれている場合では、リサイクル資源である樹脂材料の純度が低いものとなる。
一方、カートリッジケースに貼られているラベルは小さく、かつカートリッジケースに溶着されているため、手による剥がし等の機械的な剥離が困難であった。
本発明の第一の実施形態は、インクカートリッジから得られるリサイクル資源を高純度かつ高回収率で得るためのラベルの分離方法を提供する。
以下、図面を適宜参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のラベルの分離方法における第一の実施形態を示す模式図である。図1に示されるように、本実施形態におけるラベルの分離方法は、具体的には、以下に説明する(1a)乃至(1c)の工程を含んでいる。
(1a)インクカートリッジを固定する工程(図1(a))
(1b)(インクカートリッジを固定した状態で、)切削手段を用いてインクカートリッジからラベルを分離する工程(図1(b))
(1c)切削手段からインクカートリッジを離す工程(図1(c))
以下、各工程について説明する。
(1a)インクカートリッジを固定する工程(図1(a))
本発明のラベルの分離方法は、例えば、図1(a)に示される、ラベル12が貼付されているインクカートリッジ10に対して実施される。ここで図1(a)に示されるインクカートリッジ10は、インクを収容するインク収容容器、金属部分、インク収容容器以外のプラスチック部分等から構成される。尚、図1においては、説明の都合上、インクカートリッジ10を構成する部材のうち、インク収容容器以外の部材は図示されていない。
図1(a)に示されるインクカートリッジ10の特定の面に貼付されているラベル12は、次の工程(分離工程)でインクカートリッジ10から分離される。このときラベル12を貼付しているインクカートリッジ10の面の表層(の少なくとも一部)は切削される。
インクカートリッジ10を固定する固定手段21として、ピン等のインクカートリッジ10を押圧して固定する部材が挙げられる。尚、固定手段21は、次の工程(分離工程)において、インクカートリッジが固定位置からずれるのを防止する目的で用いられる。
(1b)分離工程(図1(b))
次に、インクカートリッジ10を固定した状態で、切削手段22を用いてインクカートリッジ10からラベル12を分離する(図1(b))。
本工程において用いられる切削手段22は、例えば、図1(b’)に示されるエンドミルである。尚、本発明においては、エンドミルの代わりに、鉋(Plane)、フライス等の切削機械を用いてもよい。図1(b’)のエンドミル22は、回転する軸部22aを有し、この軸部22aの外周に複数の刃部22bを有する。切削手段22は、図1(b)に示されるように回転させながら、刃部22bを有する軸部22aをラベル12に接触させる。そして切削手段22の刃部22bがラベル12に接触したときに、ラベル12と、このラベル12が貼りつけられているインクカートリッジ10の面の表層(の少なくとも一部)を切削する。尚、刃部22dを有する軸部22aがラベル12に接触した後、インクカートリッジ10又は切削手段22又はその両方を移動させる移動手段(不図示)によってインクカートリッジ10と切削手段22とを相対的に移動させてもよい。こうすることで、面全面をおよそ2秒で切削することができる。また、図1では切削手段22をラベル12が貼付されている面の長手方向に沿って移動させたが、短手方向に沿って移動させて切削時間を短くすることもできる。また切削手段22には、本工程で生じた切削片を回収するための回収手段23が設けられており、本工程(特に、切削時)にて生じた切削片がこの回収手段23によって回収される。回収手段23として、例えば、吸引装置を使用することができる。
(1c)切削手段からインクカートリッジを離す工程(図1(c))
以上説明した分離工程(図1(b))を行った後、切削手段22から離れたインクカートリッジ10については、固定手段21を解放して移動させることができる状態にしてから、インクカートリッジ10を他の装置系に搬送させる(図1(c))。尚、インクカートリッジ10が次に搬送される具体的な装置系については、後述する。
以上説明したプロセスによってインクカートリッジ10の所定の面の表層を切削することで、この所定の面に貼付されているラベル12をインクカートリッジ10から分離することができる。このため、丸のこぎり等でインクカートリッジ10を切断してラベル12を分離する場合と比べて削り屑の量を格段に減らすことができる。
次に、図1のプロセスで使用されるインクカートリッジについて説明する。図2は、図1のプロセスにてラベルが分離されるインクカートリッジの例を示す斜視模式図である。図2(a)に示されるインクカートリッジ10は、胴体部に相当する本体ケース11と、この本体ケース11の上面部13に貼付されているラベル12と、底面部15に設けられるインク供給口15aとを有する。尚、インクカートリッジ10の胴体部(本体ケース11)は、上面部13と、側面部14と、底面部15と、からなるが、この胴体部に設けられているラベル12及びインク供給口15aの配置位置は、図2(a)にて図示される態様に限定されるものではない。
以下、図2(a)のインクカートリッジ10の構成部材について説明する。
インクカートリッジ10の胴体部となるインクカートリッジ容器11は、例えば、ポリプロピレン等のプラスチック製の容器であって、インク(不図示)を収容する容器である。インクカートリッジ容器11に収納されているインクは、インクカートリッジ10がインクジェットプリンター(不図示)に配置された場合にインク供給口15aからインクジェットプリンターのインクヘッドへ供給される。尚、インクカートリッジ容器11に収納されているインクの収容態様としては、液状のインクのみがインクカートリッジ容器11に収容されている態様であってもよい。またスポンジ等のインク吸収体に吸収させた状態でインクカートリッジ容器11に収容されている態様であってもよい。
ラベル12には、インクカートリッジ10が収容するインクの色やインクカートリッジの型番や対応するインクジェットプリンターの型番等の情報が表示されている。ただし、本発明において、ラベル12に表示されている情報は、インクカートリッジが収容するインクの色やインクカートリッジの型番や対応するインクジェットプリンターの型番等に限られない。例えば、ユーザーへの使用時の注意事項等であってもよい。これら情報は印字用物質を用いてラベル12に印字されている。ラベル12の印字に使用される印字用物質としては、染料、顔料等の通常の色材が用いられる。ただし、これら色材は、インクカートリッジ容器11の材料である透明なポリプロピレンとは別の材物であるため、インクカートリッジ容器11のリサイクルを行う際は、これら色材が含まれているラベル12をインクカートリッジ容器11から分離させる必要がある。
しかしラベル12は、本体ケース11に溶着されているので、手等を用いた物理的な方法で本体ケース11から分離(剥離)させるのは難しい。このため、本発明では、例えば、図1にて示されるプロセスにて本体ケース11からラベル12を分離する。
ところで図2(a)にて図示されるインクカートリッジ10を構成する本体ケース11の上面部13には、図2(b)に示されるように、空気溝13aと、大気連通口13bと、が設けられている。即ち、ラベル12は、図2(a)に示されるように、空気溝13aの一部と、大気連通口13bと、を被覆する部材でもある。大気連通口13bは、インク収容空間(不図示)と本体ケース11外との気圧を揃えるために設けられる穴である。また空気溝13aは、一方の端が大気連通口9と連結している溝である。空気溝13aの深さは、好ましくは約0.9mm以上である。
尚、ラベル12は、大気連通口13bを完全に覆う一方で、空気溝13aの全てを覆っているわけではない。このため、大気連通口13bは、一部開放されている空気溝13aを介して開放されている。図1のプロセスにおいて用いられる切削手段(22)は、例えば、図2にて示される本体ケース11を構成する上面部13(蓋ケース面)の全面を切削する。上記切削手段による切削の際に生じる切削片の厚みは、好ましくは、0.3mm以上0.5mm以下である。尚、切削片の厚みは、ラベル12の厚みと本体ケース11の一部の厚みを足した厚みである。ここで、切削片の厚みが、0.3mm以上0.5mm以下であると、上面部13に設けられる大気連通項13b及び空気溝13aのいずれかは本体ケース11から完全に切削されることなく残存する。
図3は、図1に示されるラベルの分離プロセスを実施するためのインクカートリッジのラベル分離装置を示す平面模式図である。
図3のラベル分離装置は、インクカートリッジ10を載置するための載置台20と、2種類の突き当て手段、即ち、固定突き当て手段31と可動突き当て手段32と、位置固定手段(図3において不図示)を備えている。尚、図3のラベル分離装置に適用可能なインクカートリッジ10は、図3(a)に示される幅広のものから図3(b)に示される幅狭なものまで様々である。ここで、幅広のインクカートリッジとは、インク供給口15aが設けられている面からラベル12が設けられている面までの幅が広いカートリッジである。尚、インクカートリッジ10に貼付されているラベル12は、図3(a)中のdの領域にて貼付されている。
ここで、図3のラベル分離装置を用いた具体的なラベルの分離方法について説明する。図3のラベル分離装置を用いたラベル分離方法は、ラベルをインクカートリッジから分離する工程(分離工程)を含むプロセスである。より具体的には、当該分離工程が、下記(i)及び(ii)の工程を有する。
(i)載置台の載置面にインクカートリッジを載置する載置工程
(ii)載置台の所定の位置にインクカートリッジを固定する位置固定工程
ここで、工程(i)にて載置台の載置面に載置されたインクカートリッジ容器は、工程(ii)を行う所定の場所、具体的には、載置台の端部の近辺に搬送される。つまりラベルは、載置台の端部において、上述したエンドミル等の切削機械によって切削される。そして、載置台20の上の所定の場所に搬送・載置されたインクカートリッジ10は、工程(ii)(位置固定工程)により、載置台20の上(の所定の場所)に固定される。ここで工程(ii)(位置固定工程)は、インクカートリッジが載置台の端部から載置台の面内方向に移動することを防ぐための工程である。
以下、位置固定工程について説明する。位置固定工程は、少なくとも下記(iia)の工程を有し、好ましくは、下記(iib)の工程をさらに有する。
(iia)載置台の端部と、ラベルが貼付されている面と、が一致するようにインクカートリッジを移動させる工程
(iib)載置台に載置されたインクカートリッジを載置台端部から突き当て手段に向けてずらした後、突き当て手段と位置固定手段とによってインクカートリッジの位置を固定する工程
以下、工程(iia)及び(iib)について順次説明する。
まずインクカートリッジ10を、載置台20の端部と、ラベル12が貼付されている面と、が一致するように移動させる(工程(iia))。本発明の分離方法を用いてラベルを分離するインクカートリッジ10は、ラベル12が貼付されている面が、インクカートリッジ10が有する複数の側面の一つになるように載置台20に配置される。このため、上述した「載置台20の端部と、ラベル12が貼付されている面と、が一致するように」というのは、側面がラベル12が貼付されている面となっているインクカートリッジ10の側部を載置台20の端部に一致させることを意味する。
またインクカートリッジ10は、固定突き当て手段31又は可動突き当て手段32によって固定される。このため、インクカートリッジ10を固定突き当て手段31又は可動突き当て手段32に当接させるべく、搬送アーム(不図示)を用いて、載置台20の端部から固定突き当て手段31又は可動突き当て手段32に向けてインクカートリッジ10を移動させる。即ち、インクカートリッジ10を、符号12から31の方向へ移動させる。固定突き当て手段31又は可動突き当て手段32に当接されたインクカートリッジ10は、ラベル12が貼りつけられている面が載置台20の端部より若干引っ込んだ位置、即ち、インクカートリッジの切削面20aと面一になるように配置される。
図3のラベル分離装置において、固定突き当て手段31は、インクカートリッジ10が切削手段22との当接によって位置ずれが起こらないように、インクカートリッジ10に突き当てることでインクカートリッジ10を固定する手段である。また固定突き当て手段31は、インクカートリッジ10のインク供給口15aが設けられている面と当接する。ここでインク供給口15aが設けられている面とは、ラベル12が貼付されている面(蓋ケースの面)と対向する面である。
図3のラベル分離装置において、切削手段22は、図3に示されるように、回転運動と並進移動とを併用することで、インクカートリッジ10の蓋ケース表面に貼付されているラベル12を削り取ってインクカートリッジ10から分離する。尚、この切削手段22を用いてラベル12を分離させると、ラベル12だけでなくラベル12が貼付されている面の表層の少なくとも一部が切削される。
図3のラベル分離装置において、可動突き当て手段32は、固定突き当て手段31と同様にインクカートリッジ10に当接してインクカートリッジ10を固定する手段である。ただし可動突き当て手段32は、図3(b)に示されるように、幅狭なインクカートリッジ10を固定する場合に限り使用される。一方、幅広なインクカートリッジ10を固定する場合は、図3(a)に示されるように、固定突き当て手段31を用いてインクカートリッジ10を固定する。図3のラベル分離装置において、可動突き当て手段32は、具体的には、ピン等の柱の如き形状の部材である。ここで図3(a)に示されるように、幅広なインクカートリッジ10を切削する場合には、可動突き当て手段32は、インクカートリッジ10によって押さえられて載置台20の載置面内に格納されるため、突出している様子を見ることができない。
以上説明した2種類のインクカートリッジ10の突き当て手段(固定突き当て手段31、可動突き当て手段32)を備える図3のラベル分離装置は、幅広なカートリッジから幅狭なカートリッジまで対象物を手広くすることが可能である。そしてインクカートリッジ容器の表層を無駄なく切削することができる。
尚、図3のラベル分離装置には図示していないが、以上説明した突き当て手段の他に、インクカートリッジを載置台面の鉛直方向から押圧しながらインクカートリッジ(を構成するインクカートリッジ容器)を固定する位置固定手段を備える。この位置固定手段として、例えば、図1(a)に示される固定手段21が用いられる。
以上の説明では、大気連通口13bや空気溝13aが配置されている面にラベル12が貼付されている場合について説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大気連通口13bや空気溝13aが配置されている面以外の面に貼付されている場合、大気連通口13bや空気溝13aが配置されている面を含む複数の面に渡って貼付されている場合であっても適用可能である。ここでラベル12が複数の面に渡って貼付されている場合、切削手段22として、例えば、インクカートリッジ10の面であってラベル12が貼付されている複数の面のそれぞれに沿って相対移動しながら面の切削を行う切削機械が用いられる。
本発明の第一の実施形態に係るラベルの分離方法は、切削機械による切削により、インクカートリッジ容器からラベルのみを選択的に分離することができる。このため、ラベルと共にインクカートリッジ容器本体から分離されるインクカートリッジ容器由来の樹脂片の量を大幅に減らすことができる。このため、インクカートリッジに使用されるリサイクル資源を高純度かつ高回収率で得るための分離方法を提供することができる。
(第二の実施形態)
本発明においては、インクカートリッジからラベルを分離する際に、上述した(iib)の工程、即ち、載置台に載置されたインクカートリッジを所定の方向にずらす工程を行う。ここで、インクカートリッジをずらす方法としては、第一の実施形態で説明したように、インクカートリッジの切削面から突き当て手段(固定突き当て手段、可動突き当て手段)の方向へ向ってずらす方法があるが、これに限定されない。第一の実施形態とは逆の方向、即ち、突き当て手段(固定突き当て手段、可動突き当て手段)からインクカートリッジの切削面の方向へ向ってずらす方法を採用してもよい。インクカートリッジの切削面の方向へ向ってずらすことにより、インクカートリッジ10は、ラベル12が貼りつけられている面が載置台20の端部より若干出っ張った位置に配置される。尚、この位置は、インクカートリッジの切削面20aと面一になる位置でもある。
またインクカートリッジを構成するインクカートリッジ容器から不要なもの(ラベル)を確実に除去し、かつ切削される容器の量をできるだけ減らすためには、インクカートリッジのずらす方向を、突き当て手段から切削面の方向とするのが好ましい。
(第三の実施形態)
ところで、インクカートリッジには、インクカートリッジ容器に収容され、インクを吸収しているスポンジ等のインク吸収体が含まれていることがある。このインク吸収体は、インクカートリッジを構成するインクカートリッジ容器のリサイクルの際に支障となるものであるので、ラベルを分離した後で取り除いておく必要がある。
図4は、インクカートリッジの解体装置の一例を示す模式図である。図4の解体装置1は、インクカートリッジ仕分ユニット2と、ラベル分離ユニット3と、インクカートリッジ解体ユニット4と、を備える装置である。図4の解体装置1において、インクカートリッジ解体ユニット4は、例えば、インクカートリッジ10を搬送するトラック41と、トラック41を用いて搬送されたインクカートリッジ10を切断するためのギロチンユニット42と、を有するユニットである。つまり、図4の解体装置1は、本発明の第一あるいは第二の実施形態にて説明した方法によってラベルが分離されたインクカートリッジ10をギロチン切断ユニット4にて解体する解体装置である。
以下、図4の解体装置1及びこの解体装置を用いたインクカートリッジの解体方法について詳細に説明する。
図5は、図4の解体装置を用いたインクカートリッジの解体プロセスを示す模式図である。図5に示されるように、図4の解体装置を用いたインクカートリッジの解体プロセスは、下記(a)乃至(c)の工程からなる。
(a)ラベル切削工程(図5(a))
(b)ギロチン切断工程(図5(b))
(c)インク吸収体除去工程(図5(c))
ラベル切削工程では、切削手段22を用いてインクカートリッジ10に貼付されているラベル12を、ラベルが貼りつけられている面の表層ごとまとめて切削する工程である(図5(a))。この工程によって生じた切削片12aは、インクカートリッジを構成するインクカートリッジ容器とは別に回収される。
次に行われるギロチン切断工程では、ギロチンカッター42aを上下運動させてインクカートリッジ10を切断する。この切断によって生じた切断片11aは、インクカートリッジ10を構成するインクカートリッジ容器と共に回収された後、リサイクルされる。尚、この工程で生じた切断片は、インクカートリッジ10を構成するインクカートリッジ容器の蓋部分である。
次に行われるインク吸収体除去工程では、押出ピン54をインク供給口15aから挿入して、インクカートリッジ10の切断によって露出しているインク吸収体10aを押し出す。これにより、インクカートリッジ10内にあるインク吸収体10aがインクカートリッジ10の切断面から押し出される。
以上の工程により、インクカートリッジ10は、少なくともラベル、インクカートリッジ容器及びインク吸収体に解体される。尚、本発明は、インク吸収体を有さないインクカートリッジにおいても適用することができる。この場合、図5(c)に示されるインク吸収体除去工程を省略することができる。
ここで、図4の解体装置1を構成する各ユニットについて説明する。
図4の解体装置1に導入されたインクカートリッジ10は、まずインクカートリッジ仕分ユニット2内に搬送される。そしてインクカートリッジ仕分ユニット2内にて、このユニット内に入ってくる複数種のインクカートリッジを、搬送ベルト(不図示)に並べた上で、ラベル分離ユニット3へ移動させるインクカートリッジと移動させないインクカートリッジとを仕分けする。尚、インクカートリッジ仕分ユニット2内に導入される複数種のインクカートリッジは、使用済みという理由で回収されたインクカートリッジである。
またインクカートリッジ仕分ユニット2からラベル分離ユニット3へ移動させないインクカートリッジとは、ラベル分離ユニット3及びギロチン切断ユニット4のいずれかにおいて、分離あるいは切断又はその両方ができないインクカートリッジである。ラベル分離ユニット3へ移動させないインクカートリッジには、リサイクルするパーツと混合させたくない部材、例えば、本体であるプラスチックケースとは材質が異なる部材が含まれている。尚、ここでいう材質が異なるとは、大きさや硬さがリサイクルするパーツと異なることをいう。またインクカートリッジを仕分ける際には、例えば、デジタルカメラ等の撮像装置が用いられる。
インクカートリッジ仕分ユニット2に残っているインクカートリッジは、可動チャック等の機械式アーム(搬送アーム)により保持されラベル分離ユニット3へ搬送される。ラベル分離ユニット3では、切削手段22を用いて、インクカートリッジ10に貼付されているラベル(図4において、不図示)を切削・分離する。図4の解体装置1に組み込まれるラベル分離ユニット3として、例えば、第一又は第二の実施形態にて説明したラベル分離装置を用いることができる。図4の解体装置1において、切削手段22は、複数(例えば、2基)有するのが、作業効率の観点から、好ましい。そして、ラベルを分離したインクカートリッジ10は、ギロチン切断ユニット4へ搬送される。一方、切削手段22を用いて分離されたラベルや切削片は、このラベル分離ユニット3に備える回収装置(不図示)にて回収される。
図6は、図4の解体装置1にて解体されるインクカートリッジ10の例を示す断面模式図である。図6のインクカートリッジ10は、インクカートリッジ容器11と、このインクカートリッジ容器11の上面部13に貼付されているラベル12と、このインクカートリッジ容器11内に格納されているインク吸収体10aと、を有する。ここでインクカートリッジ容器11は、側面部(14a、14b)と上面部(蓋部)13と底面部(不図示)とからなるインクカートリッジ容器である。またインクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13には空気溝13aが設けられている。またインクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13の裏面には突起17が設けられている。この突起17は、インク吸収体10aをインクカートリッジ容器11の内部で固定する支持部材として用いられる。またこの突起17を設けることにより、インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13とインク吸収体10aとの間に空間が設けられている。この空間には、空気が入っており、この空間に入っている空気は、インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13に設けられる大気連通口(不図示)を介して外気とインクカートリッジ容器11内部との圧力をそろえる役割を担う。
インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13に貼付されているラベル12の厚みは、好ましくは、0.1mm以下である。また上面部13の厚みは、好ましくは、1.5mm以上2mm以下である。さらに上面部13に設けられる空気溝13aの深さは、好ましくは、約0.9mm以上である。そして上面部13の裏面に設けられる突起17の長さは、好ましくは、4mm以上5mm以下である。
次に、図6を参照しながら、ラベルの分離について説明する。インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13にラベル12を貼付すると、ラベル12の表面は、図6中の0−0’の位置にある。ここでラベル分離ユニット3に設けられる切削手段22を用いてラベル12を分離する場合、インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13は、図6中のa−a’の位置まで切削されていてよい。つまり、ラベル12を分離する場合、インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13は、空気溝13aが残るように部分的に切削される。
図6において、0−0’とa−a’との間の距離、即ち、ラベル12の厚さとインクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13の切削厚みとの和は、好ましくは、0.3mm以上0.5mm以下である。このように上面部(蓋部)13の切削厚みを調整することにより、手で剥がす場合と比べて短時間でラベルを確実に取り除くことができるだけでなく、丸のこぎりを用いる場合と比べて上面部(蓋部)の損失量や飛散する屑の発生を格段に減らすことができる。
尚、ラベル12を分離させたインクカートリッジ10は、次の工程(ギロチン切断工程)で、インクカートリッジ容器11の上面部(蓋部)13がインクカートリッジ容器11の本体から切断される。このときギロチンカッターによる切断位置は、b−b’(上面部裏面)でもなく、d−d’(インク吸収体上面)でもなく、c−c’(上面部裏面とインク吸収体上面との中間)である。
後述するギロチン切断工程にて切断されるインクカートリッジの切断位置であるc−c’は、好ましくは、0−0’を基準として2.1mm以上5.6mm以下である。
図7(a)は、ラベルを分離する切削部材であるエンドミルの第一の例を示す図であり、図7(b)は、図7(a)のエンドミルによってインクカートリッジ容器の上面部(蓋部)に現れる切削模様を示す平面図である。図7(a)のエンドミルは、標準的なエンドミルであり、軸部及び軸部側面にそれぞれ刃を有している。また図7(a)のエンドミルは、軸部が回転し、軸と交差する方向に軸部あるいは被切削体の少なくともいずれか一方が移動することで被切削体を切削する。ここで図7(a)のエンドミルを用いると、図7(b)に示される、幅d1を1周期とした周期的な切削ピッチが現れる。
図8(a)は、ラベルを分離する切削部材であるエンドミルの第二の例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のエンドミルによってインクカートリッジ容器の上面部(蓋部)に現れる切削模様を示す平面図である。尚、図8(a)のエンドミルは、いわゆるラフィングエンドミルである。図8(a)のエンドミルを用いると、図8(b)に示される周期的な切削ピッチが現れる。具体的には、面の長手方向に交差する切削の跡と、その跡と交差する方向の跡と、が現れる。
図7(a)又は図8(a)のエンドミルを用いてラベル12をインクカートリッジ容器の上面部(蓋部)13から分離しようとすると、分離の際に生じた切削跡が僅かに残るが、この切削跡が生じていたとしてもインクカートリッジ10の面はほぼ平坦であり、大気連通口13bや空気溝13aはいずれも残存している。図7(a)又は図8(a)のエンドミルは、解体するインクカートリッジ(使用済みインクカートリッジ)に貼付されているラベルを当該インクカートリッジから分離することを目的として用いられるものであるが、使用態様はこれに限定されない。例えば、インクカートリッジに貼付されているシールを貼り替える場合等に用いてもよい。
ラベルを分離させたインクカートリッジ10は、可動チャックにより保持されギロチン切断ユニット4へ搬送される。本発明において、ギロチン切断とは、1つの刃が対象物を押しながら垂直水平に移動することで、切り屑を生じることなく対象物を切断する切断方法をいう。
ギロチン切断ユニット4は、トラック41及びギロチンユニット42をそれぞれ複数有する。各トラック41には、ラベル分離ユニット3から搬送された複数(例えば、2つ)のインクカートリッジ10が並べて配置されている。各トラック41に配置されているインクカートリッジ10は、搬送手段(不図示)によって搬送され、ギロチンユニット42によって順に切断される。1つのギロチンユニット42が1つのインクカートリッジを切断するのは約1秒である。尚、トラック41の数は、ギロチンユニット42の数と同じであり、1つのトラック41が1つのギロチンユニット42に対応する。
ギロチン切断ユニット4において、インクカートリッジを、ギロチンユニット42を用いて切断をするのは、丸のこぎりで切断する場合と比べて削り屑の発生を格段に減らすことができるからである。
図4の解体装置1において、ギロチン切断ユニット4では、インクカートリッジ10の本体ケースから蓋部(蓋ケース部)を切断し、当該蓋部とケース残部とに分ける。ここで蓋部は、インクカートリッジ本体ケースのうちラベルが貼られていた部分であるが、ギロチン切断ユニット4による切断の時点でラベルは分離されているので、ケース残部と一緒に、リサイクルすることができる。
一方、ケース残部には、内部にインク吸収体が残っているので、後述するインク吸収体取出し手段(例えば、プッシャー等)を用いてケースから分離させる。
以上説明したように、図4の解体装置1を用いると、インクカートリッジを、ラベル部分、蓋部、ケース残部及びインク吸収体という各部材に解体することができる。
次に、ギロチン切断ユニット4についてより詳細に説明する。図9は、図4の解体装置1に備えるギロチン切断ユニット4が有するギロチンユニット42の具体的構造を示す模式図であり、(a)は、正面図、(b)は、ガイドレール側側面を示す側面図である。
図9のギロチンユニット42は、平板状形状の刃であるギロチンカッター42aと、このギロチンカッター42aを挟持しながら固定する反り防止部材42bと、を有する。またギロチンユニット42は、スライドレール42cと、ホルダー部42eと、ホルダー部42eに取り付けられる軸42dと、をも有する。
図9のギロチンユニット42において、反り防止部材42bの左右側面はそれぞれガイドレール42cに摺接されている。また図9のギロチンユニット42において、反り防止部材42bの上部にはホルダー部42eが取り付けられている。図9のギロチンユニット42において、軸42dは、付勢手段(不図示)により、図9(a)中の矢印で示す様に上下に移動することにより、ギロチンカッター42aは、反り防止部材42bと共に上下に移動する。
図9のギロチンユニット42において、反り防止部材42bは、ギロチンカッター42aがインクカートリッジを切断する際の力によって反るのを防止する目的で設けられている。また反り防止部材42bの下部には、ギロチンカッター42aの刃を露出させるための開口部が設けられている。この開口部から露出しているギロチンカッター42aによりインクカートリッジが切断される。
図9のギロチンユニット42において、反り防止部材42bは、図9(b)に示されるように、正面側の部材b1と背面側の部材b2とからなり、ギロチンカッター42aは、これら部材に挟持されている。反り防止部材42bにおいて、正面側の部材b1及び背面側の部材b2には、下部にギロチンカッター42aの刃を露出させるための開口部が設けられている。
図10は、図4の解体装置内のギロチンユニットで行われるギロチン切断工程及びインク吸収体分離工程を示す模式図である。以下、図10を参照しながら、ギロチン切断工程及びインク吸収体除去工程について説明する。
まず位置決めピン52を用いて、載置台20に載置されたインクカートリッジ10を押し付けながらインクカートリッジ10を切断位置まで移動させる。次に、切断位置まで移動させたインクカートリッジ10を、位置固定手段51と、押し付けピン53と、を用いて固定する(図10(a))。このとき、位置固定手段51は、インクカートリッジ10を構成するインクカートリッジ容器の胴部(図2(a)の符号11の部分)を押圧してインクカートリッジ10を固定する。また押し付けピン53は、インクカートリッジ10を構成するインク供給口15aを有する面に当接してインクカートリッジ10を固定する。
以上のプロセスによって固定されたインクカートリッジ10は、ギロチンカッター42aを用いて、インクカートリッジ10を構成するインクカートリッジ容器の蓋部分11aを容器本体から切り離す(図10(b))。この工程は、具体的には、図10(a)の点線位置にギロチンカッター42aの刃を入れる工程である。尚、図10(b)において、ギロチンカッター42aの位置は、載置台20の端部より内側であるが、本発明においてはこの態様に限定されるものではない。また、ギロチンカッター42aを用いてインクカートリッジ10を構成するインクカートリッジ容器を切断する際には、図10(b)に示されるように、インクカートリッジ容器の蓋部分11aを切り離す前に位置決めピン52をインクカートリッジ10から離しておく。
インクカートリッジ10内にインクを吸収するインク吸収体が設けられている場合、インク供給口(図10には不図示)から、押出ピン54を用いて、インク吸収体10aを押し出す(図10(c))。尚、インク吸収体10aを押し出す際には、図6(c)に示すように、前もってギロチンカッター42aを上方へ引き上げておく。
図4の解体装置1では、1つのインクカートリッジを解体するのに用いられるギロチンカッターは1つであり、載置台と挟んでインクカートリッジを押しながら切断するものである。ただし本発明はこれに限定されず、1つのインクカートリッジを解体する際に用いられるギロチンカッターとして、刃が対向しあう2枚のギロチンカッターを用いてその間に配置されたインクカートリッジを切断する態様であってもよい。
本発明のインクカートリッジの解体装置は、ギロチンカッターを用いてインクカートリッジを解体する装置である。具体的には、インクカートリッジが有する面のうち切断したい面の長手方向に沿って刃をインクカートリッジに当接し、この面の短手方向にそって移動することで切断が可能である。ただし、切断したい面の短手方向に沿って刃を当接し、長手方向にそって移動してインクカートリッジを切断してもよい。
(第四の実施形態)
図11は、インクカートリッジの解体装置の他の例を示す模式図である。図11の解体装置は、インクカートリッジを搬送する複数の回転台(以下「インデックステーブル」と称する場合がある)を有する。そして、一の回転台において、一の面を含むインクカートリッジの少なくとも一部を除去する第一の解体処理が行われる。次いで、第一の解体処理によって一部が除去されたインクカートリッジが他の回転台に移載された後、他の回転台において、一の面とは異なる面を含むインクカートリッジの少なくとも一部を除去する第二の解体処理が行われる。
図11の解体装置には、インクカートリッジ仕分ユニットを通過したインクカートリッジが搬入される。インクカートリッジ仕分ユニットは図4の解体装置と同様であるので、説明を省略する。尚、図11に示すインクカートリッジ10は、記録装置に係脱可能な係止部材18を有し、上面部13にラベル12が貼付されている。
図11の解体装置では、第一のインデックステーブル61と第二のインデックステーブル62が並置されている。即ち、第一のインデックステーブル61と第二のインデックステーブル62は同一平面内に存在し、かつ水平方向に存在する。そして、図11の解体装置は、第一のインデックステーブル61にインクカートリッジを搬入する第一の搬入機構64aと第二の搬入機構64bを有し、第一の搬入機構64aと第二の搬入機構64bは、第一のインデックステーブル61の互いに異なる位置にインクカートリッジを搬入するように構成されている。第一のインデックステーブル61、第二のインデックステーブル62は、把持部材63を複数有しており、複数のインクカートリッジ10を把持してインクカートリッジ10を搬送する。図11に示す把持部材63は、円周方向に並んで二つのインクカートリッジ10を把持することが可能あり、第一のインデックステーブル61の把持部材63は、第一の搬入機構64aから搬入されたインクカートリッジと、第二の搬入機構64bから搬入されたインクカートリッジを、同時に把持することが可能である。
第一のインデックステーブル61の回転の向きと第二のインデックステーブル62の回転の向きとが異なる。そして、第一のインデックステーブル61、第二のインデックステーブル62の周囲には、切削手段22、ギロチンユニット42等の、インクカートリッジの解体処理に必要な手段が適宜の位置に配置されている。第一のインデックステーブル61による搬送中は、底面部15を含むインクカートリッジ10の少なくとも一部を除去する第一の解体処理等、インクカートリッジ10の底面部15に対して必要な解体処理工程が行われる。インクカートリッジ10が第二のインデックステーブル62に移載された後、第二のインデックステーブル62による搬送中は、上面部13を含むインクカートリッジ10の少なくとも一部を除去する第二の解体処理等、インクカートリッジ10の上面部13に対して必要な工程が行われる。
図11の解体装置では、まず、搬入されてきたインクカートリッジの機種を判別する。判別には、例えばデジタルカメラ等の撮像装置が用いられる。第一のインデックステーブル61の把持部材63は、判別された機種に応じた適宜の位置で、底面部15が外側となる様にインクカートリッジ10を把持する。第一のインデックステーブル61が回転することによりインクカートリッジ10は次工程に搬送される。第一のインデックステーブル61による搬送中は、インクカートリッジ10の底面部15側に対して必要な工程が行われる。底面部15側に対して必要な工程としては、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)除去工程等が挙げられる。
インクカートリッジ10の底面部15側に対して必要な工程が完了した後、インクカートリッジ10は、例えば可動チャック等の機械式アーム(搬送アーム)により、第二のインデックステーブル62に移載される。この際、第二のインデックステーブル62の把持部材63は、判別された機種に応じた適宜の位置で、上面部13が外側となる様にインクカートリッジ10を把持する。そのため、インクカートリッジ10の向きを反転させることなく、処理面を変更することができる。尚、インクカートリッジ10を移載した後の、第一のインデックステーブル61の把持部材63は、再度インクカートリッジ10を把持する前に、クリーニング工程を経て洗浄される。
第二のインデックステーブル62が、第一のインデックステーブル61とは逆方向に回転することによりインクカートリッジ10は次工程に搬送される。第二のインデックステーブル62による搬送中は、インクカートリッジ10の上面部13側に対して必要な工程が行われる。上面部13側に対して必要な工程としては、例えば、図5に示す下記(a)乃至(c)の工程が挙げられる。
(a)ラベル切削工程(図5(a))
(b)ギロチン切断工程(図5(b))
(c)インク吸収体除去工程(図5(c))
各工程の詳細は、第三の実施形態で説明した通りである。但し、インクカートリッジ10が把持部材63に把持されているため、ギロチン切断工程において、位置固定手段51、位置決めピン52、押し付けピン53等によって位置を固定することは必ずしも必要ではない。例えば、把持部材63が、第二のインデックステーブル62の周囲に配置されたギロチンユニット42に向かって所定の位置まで突出し、或いはギロチンユニット42が把持部材63に向かって所定の位置まで突出し、切断後に元の位置に戻ることにより、ギロチン切断工程を行うことができる。もちろん、ギロチンユニット42と把持部材63が相対的に近接し、切断後に元の位置に戻ってもよい。
インクカートリッジが、例えば導光部材を有する場合には、例えば、ラベル切削工程とギロチン切断工程の間に、導光部材除去工程を施してもよい。導光部材は、例えば、押出ピンを挿入することにより押し出すことができる。尚、インクカートリッジ10を搬出した後の、第二のインデックステーブル62の把持部材63は、再度インクカートリッジ10を把持する前に、クリーニング工程を経て洗浄される。
図11の解体装置は、第二のインデックステーブル62から解体処理後のインクカートリッジを搬出する搬出機構66a〜66cを有し、例えば、搬出機構66aから蓋体、搬出機構66bからインク吸収体、搬出機構66cから本体ケース残部を搬出する。搬入機構64a,64bと、搬出機構66a〜66cが、第一のインデックステーブル61の中心と第二のインデックステーブル62の中心とを結ぶ直線65からみて互いに逆側に存在する。
図11の解体装置は、インデックステーブルでインクカートリッジを搬送するため、ライン方式の装置に比べて設置スペースが少なくてすむ。また、二つのインデックステーブルを並置しているため、インデックステーブル間でインクカートリッジを移載する際に、インクカートリッジの反転作業を伴わずに、処理面を変更することができる。また、二つのインデックステーブルを互いに逆方向に回転させているため、インクカートリッジを把持していない把持部材の数を極力減らしつつ、搬入口とは異なる位置に搬出口を設定することができる。尚、図11の例では、二つのインデックステーブルを用いたが、図12に示す様に、三以上のインデックステーブルを用いても同様である。
(第五の実施形態)
以上説明したインクカートリッジの解体装置及びインクカートリッジの解体方法によって解体されたインクカートリッジのうち、インクカートリッジ容器については、以下に説明する方法によってリサイクル(再生)される。
図13は、回収した使用済みインクカートリッジ容器から再生インクカートリッジを作製するプロセスの例を示すフローチャートである。以下、図13のフローチャートに沿って各プロセスを説明する。
まず回収した使用済みインクカートリッジの所定の面に貼付されたラベルやインクカートリッジ容器の内部に収容されているインクを吸収しているインク吸収体を容器から分離させる(分離工程)。この工程を行う際には、本発明のラベルの分離方法や上述したインクカートリッジの解体方法を利用することができる。ここで本発明のラベルの分離方法を用いてインクカートリッジから分離されたラベルは再利用しない。ラベルにはインクカートリッジの表層部が残っているものの、その量は非常に少ないためである。一方、インクカートリッジ容器から取り出されたインク吸収体は、他の再利用手段により再利用してもよい。
次に、上記分離工程によって、回収したインクカートリッジ容器の本体及び蓋部断片をそれぞれ洗浄して容器の内壁面に付着し得る塗料、顔料を洗い落とす(洗浄工程)。再生容器を得る際に、インクカートリッジ容器の蓋部(ギロチンカッターによって切断された切断片)とインクカートリッジ容器の残部は同一の材料であるため容易にリサイクルできる。次に、インクカートリッジ容器の本体及び蓋部断片を共に破砕した(破砕工程)後、破砕のときに生じた破砕片(プラスチック片)を溶融成形してペレットを得る(ペレット化工程)。そしてこのペレットを溶融成形して、インクカートリッジの成型品を成形する(成形工程)。以上の工程を経て再生されたインクカートリッジ容器が得られる。尚、再生されたインクカートリッジ容器の形状は、回収時のインクカートリッジ容器の形状と同一であってもよいし、異なっていてもよい。また再生されたインクカートリッジ容器を作製する際に、用いられる材料としては、回収したインクカートリッジ容器から得られたペレットがあるが、このペレットと未使用の材料(バージン材)とを混合して再生されたインクカートリッジを作製してもよい。
以上説明したプロセスは、回収した使用済みインクカートリッジ容器から再生インクカートリッジ容器を製造するプロセスであるが、本発明においてはこれに限定されることはない。例えば、以上説明したプロセスを、インクを収容する収容容器の外側に取り付けられる遮光部を製造するプロセスとして利用することができる。遮光部は、光透過するペレット材(ポリプロピレン)と遮光用の着色顔料とを有し、インクと直接触れることがない部材である。また回収した使用済みインクカートリッジ容器からのリサイクル品として遮光部を作製する際には、樹脂中に多少のインク成分が混合されていてもよい。
(第六の実施形態)
(例1)
以下に説明する方法により、蓋部にラベルが貼付され、内部にインク吸収体が収容されているインクカートリッジを解体した。尚、使用したインクカートリッジ容器の重さは15gであり、そのうちラベルの重さは0.1gである。
(1)ラベルの分離工程
標準エンドミルを、インクカートリッジ容器のラベルが貼付されている蓋部の面に当接することで、ラベルをインクカートリッジ容器から分離させると共にラベルが貼付された面の表層の一部を切削した。このとき切削の深さを、ラベル表面から0.3mm乃至0.5mmの範囲とした。
(2)解体工程
次に、インクカートリッジ容器を、ギロチンカッターを用いて切断し、容器蓋部をインクカートリッジ容器本体から切断した。このときギロチンカッターの切断位置を、インクカートリッジ容器の切削面を基準として深さ1.8mm乃至5.1mmの位置とした。尚、この位置範囲には、容器蓋部の内面に設けられている突起があるため、本工程は、具体的には、容器蓋部の内面に設けられている突起をギロチンカッターで切断する工程である。
ギロチンカッターによる切断を行った後、インクカートリッジ容器に収容されているインク吸収体をインクカートリッジ容器から取り出した。
以上により、インクカートリッジを、容器本体(インクカートリッジ容器)と、容器蓋部と、ラベルと、インク吸収体と、に解体した。
ここで、解体前のインクカートリッジ容器の重量を基準とした、容器本体、容器蓋部、分離されたラベルに付着した切削片及びインクカートリッジ容器の切断で生じた切断くずの重量分率を評価した。評価結果を下記表1に示す。尚、ここでいう切断くずとは、インクカートリッジ容器の切削くずとして容器本体と共に回収できなかったものをいう。
(例2)
例1において、ラベルの分離工程を省略し、解体工程においてギロチンカッターの代わりに、丸のこぎりで蓋部を切断したことを除いては、例1と同様の方法によりインクカートリッジを解体した。
また例1と同様の方法により、容器本体、容器蓋部、樹脂片及び切断くずの重量分率を評価した。評価結果を下記表1に示す。
(例3)
例1において、ラベルの分離工程を省略して解体工程を行ったことを除いては、例1と同様の方法によりインクカートリッジを解体した。
また例1と同様の方法により、容器本体、ラベルが貼付されている容器蓋部及び切断くずの重量分率を評価した。評価結果を下記表1に示す。
例1及び例3より、ギロチンカッターを用いてインクカートリッジを切断すると、丸のこぎりを用いてインクカートリッジを切断した際に生じた切断くずが生じなかった。このため、本発明の解体方法は、容器(インクカートリッジ容器)のリサイクル、具体的には、リサイクル資源の回収という観点で優れているといえる。また例1では、インクカートリッジを切断する前に、分離工程において容器蓋部からラベルを分離したことにより、リサイクルの支障となるラベルを分離することができた。このため、容器蓋部も容器本体と共にリサイクルに回すことができるため、リサイクル率が向上した。この結果、例1では、ラベルの分離工程でわずかに材料のロスが生じたものの、回収された使用済みインクカートリッジ(の容器)から再生資源である容器を、ほぼ100%のリサイクル率で回収できた。