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JP6630198B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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JP6630198B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関するものである。
例えば三相モータ等の多相負荷に供給する多相電圧を出力するために、電力変換装置が様々なシステムで使用されている。従来の電力変換装置として、絶縁回路を構成するトランスの高効率化等を狙い、共振回路を利用して単相高周波電流を発生させ、これを電流源として電力変換を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この高周波絶縁電流源を用いれば、その単相交流出力を整流器で直流に変換した後、三相PWM変換器で三相交流出力に変換することにより、変換効率の良い電力変換装置を実現することが可能となる。
特開2013−226002号公報
しかし、上述した電力変換装置は、整流器、及び三相PWM変換器を要することから、部品点数が多くなり、装置全体が大型化することが懸念される。
かかる観点に鑑みてなされた本発明の目的は、部品点数を削減でき、小型化を実現できる電力変換装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係る電力変換装置は、電流源から出力された単相高周波電流をN相交流電圧(Nは2以上の整数)に変換する電力変換装置であって、一端が、前記電流源の一端と接続されるN個のスイッチと、一端が、前記電流源の他端と接続されるN個のコンデンサと、前記単相高周波電流の極性を判別する極性判別部と、前記極性判別部が判別した前記極性および電流指令ベクトルに基づいて、前記N個のスイッチのうちの1つを選択的にオンにする制御部と、を備え、前記N個のスイッチの他端が前記N個のコンデンサの他端のそれぞれと接続される点をN個の接続点として、前記N個の接続点における前記N相交流電圧がN相負荷に印加されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記制御部は、前記N個のスイッチの他端にN相低周波交流電流を出力させるスイッチ切り替え制御を実行し、前記N相低周波交流電流は、前記N個のコンデンサによって前記N相交流電圧に変換される。
また、好ましくは、前記制御部は、前記スイッチ切り替え制御において、前記電流指令ベクトルに基づいて、出力可能な2×N個の電流ベクトルのうちの2つの電流ベクトルおよびゼロ電流ベクトルの出力時間を算出する。
また、好ましくは、前記制御部は、前記スイッチ切り替え制御において、前記出力時間に基づいて、前記単相高周波電流の周期の所定倍の時間に、前記周期毎に前記2つの電流ベクトルおよび前記ゼロ電流ベクトルのいずれか1つを出力させる。
また、好ましくは、前記制御部は、前記スイッチ切り替え制御において、前記単相高周波電流の1周期で同じスイッチをオンにし続けることによってゼロ電流ベクトルを出力する。なお、本明細書においては、電流ベクトルで指定される電流を出力することを、電流ベクトルを出力する、のように記載する。
本発明によれば、部品点数を削減でき、小型化を実現できる電力変換装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す図である。 電流ベクトルを示す図である。 電流ベクトルと流れる電流の関係を示す図である。 電流指令ベクトルに基づく電流ベクトルの選択について説明する図である。 電流ベクトルの出力時間の算出を説明する図である。 出力電流の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
(電力変換装置の構成)
図1は、本実施形態に係る電力変換装置1の概略構成を示す図である。電力変換装置1は、制御部10と、極性判別部20と、スイッチ部30と、コンデンサ部40と、を備える。
電力変換装置1は、単相高周波電流Irを出力する電流源2と端子T0およびT1で接続される。電力変換装置1が受け取る単相高周波電流Irの周波数は例えば85〜100kHzであるが、特に周波数が限定されるものではない。また、電流源2は、例えば上記の特許文献1の共振回路を備える構成であってもよいし、例えば磁界共振結合を用いたワイヤレス電力伝送の二次側のコイルを備える構成であってもよく、特に限定されるものではない。
電力変換装置1は三相のモータMと端子Tu,TvおよびTwで接続される。モータMはN相負荷(Nは2以上の整数)の一例であって、より具体的には三相負荷(Nは3)の一例である。電力変換装置1は、電流源2からの単相高周波電流Irを三相交流電圧に変換してモータMに印加する。また、モータMは交流モータであれば、特に種類(例えば誘導モーター等)が限定されるものではない。なお、以下において、電力変換装置1における電気的接続で、端子T0およびT1に近い方を入力側、端子Tu,TvおよびTwに近い方を出力側と呼ぶ。
極性判別部20は、電流源2から受け取る単相高周波電流Irの極性を判別して、制御部10に極性の情報を出力する。本実施形態では、図1の単相高周波電流Irの矢印の向き(端子T0からスイッチSu,Sv,Swへの向き)の極性を正とし、逆方向に流れる単相高周波電流Irの極性を負とする。なお、本実施形態では、極性判別部20は制御部10に対して単相高周波電流Irがゼロ電流となるタイミングの情報も出力する。
スイッチ部30は、双方向スイッチであるスイッチSu,Sv,Swを備える。スイッチ部30は、電力変換装置1が負荷に印加する交流電圧がN相である場合にN個のスイッチを備える。本実施形態では、電力変換装置1が単相高周波電流Irを三相交流電圧に変換するので、スイッチ部30は3個の双方向スイッチを備える。スイッチ部30が備える複数のスイッチのうち、一度にオンされるのは1つのスイッチだけであり、複数のスイッチが同時にオンされることはない。つまり、1つのスイッチだけが選択的にオンになる。また、スイッチ部30が備える複数のスイッチのうちの何れか1つはオンされており、常に電流源2との電流経路が確保されている。なお、スイッチSu,Sv,Swとしては、例えばIGBTを互いに逆向きにして並列接続したモジュール等を用いることができるが、特に限定されるものではない。
コンデンサ部40は、極性のないフィルタコンデンサであるコンデンサCu,Cv,Cwを備える。コンデンサCu,Cv,Cwによって電流が電圧に変換される。コンデンサ部40は、電力変換装置1が負荷に印加する交流電圧がN相である場合にN個のコンデンサを備える。本実施形態では、電力変換装置1が単相高周波電流Irを三相交流電圧に変換するので、コンデンサ部40は3個のコンデンサを備える。なお、コンデンサCu,Cv,Cwとしては、例えば極性のないフィルムコンデンサ等を用いることができるが、特に限定されるものではない。
制御部10は、極性判別部20が判別した単相高周波電流Irの極性および電流指令ベクトルに基づいて、スイッチ部30が備えるスイッチSu,Sv,Swそれぞれのオン、オフを制御する。なお、オンとはスイッチSu,Sv,Swを電気信号が流れる電気的な接続状態のことをいい、オフとはスイッチSu,Sv,Swを電気信号が流れない電気的な切断状態のことをいう。制御部10は、スイッチSu,Sv,Swの出力側の端子(本発明のN個のスイッチの他端に対応)に三相低周波交流電流を出力させるようにスイッチ切り替え制御を行う。このとき、制御部10は、電力損失を低減させるために、極性判別部20から受け取ったゼロ電流となるタイミングでスイッチSu,Sv,Swのオン、オフを切り替える。
制御部10は、スイッチ切り替え制御において、モータMに所望の三相交流電圧を印加するための電流指令ベクトルを算出する。電流指令ベクトルは公知の手法で算出可能である。本実施形態では、例えばモータMの回転角速度等の指令値と、スイッチSu,Sv,Swの三相の出力電流およびモータMの回転角速度等の実際の検出値とに基づいて算出される。電流指令ベクトルに基づいてスイッチSu,Sv,Swそれぞれについてオンにするタイミング、およびオフにするタイミングが決定される。スイッチ切り替え制御の詳細については後述する。また、上記の通り、制御部10はモータMの回転角速度等の指令値、検出値、スイッチSu,Sv,Swの三相の出力電流等を受け取るが、図1では表示を省略している。
図1のように、スイッチSu,Sv,Swの入力側の端子(本発明のN個のスイッチの一端に対応)は、端子T0を介して、電流源2の一方の端子と電気的に接続される。また、コンデンサCu,Cv,Cwの入力側の端子(本発明のN個のコンデンサの一端に対応)は、端子T1を介して、電流源2の他方の端子と電気的に接続される。そして、スイッチSu,Sv,Swの出力側の端子(本発明のN個のスイッチの他端に対応)のそれぞれは、コンデンサCu,Cv,Cwの出力側の端子(本発明のN個のコンデンサの他端に対応)のそれぞれと、重複せずに接続点Pu,Pv,Pw(本発明のN個の接続点に対応)で電気的に接続される。この接続点Pu,Pv,Pwは端子Tu,Tv,Twと電気的に接続されており、接続点Pu,Pv,Pwに生じる三相交流電圧がモータMに印加される。
電力変換装置1の上記構成は、従来の電力変換装置における整流器、平滑コンデンサおよび三相PWM変換器を、スイッチSu,Sv,SwとコンデンサCu,Cv,Cwとに置き換えるものであり、部品点数を削減でき、全体を小型化することが可能になる。
(単相高周波電流の1周期で出力可能な電流ベクトル)
図2は、電力変換装置1の電流ベクトル(実線のs0,s1,s2,s3,s−1,s−2,s−3)を示す図であって、スイッチ部30が出力する三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwの静止座標におけるベクトル図である。スイッチ部30が受け取る単相高周波電流Irの1周期を平均して考えると、三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwがとり得る電流の組合せは7通りとなる。つまり、単相高周波電流Irの極性が正である半周期と負である半周期とで異なるスイッチをオンにした場合には6通りの組合せができ、同じスイッチをオンにした場合の1通りと合わせて7通りの組み合わせができる。例えば、単相高周波電流Irの極性が正である半周期にスイッチSuをオンにすると三相低周波交流電流Iuが正の向きに流れて、単相高周波電流Irの極性が負である半周期にスイッチSvをオンにすると三相低周波交流電流Ivが負の向きに流れる。これらを、単相高周波電流Irの1周期で平均すると、図2の電流ベクトルs1が出力されることになる。この7通りの組み合わせをテーブルにまとめたものが図3になる。なお、三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwの極性は、図1の矢印の向き(スイッチSu,Sv,Swから端子Tu,Tv,Twへの向き)を正とし、図1の矢印の反対の向きを負とする。
図3では、「Ir」は極性が正の単相高周波電流Irを示し、「−Ir」は極性が負の単相高周波電流Irを示す。また、「0」は電流が流れない、すなわち、スイッチSu、スイッチSv、またはスイッチSwがオフであることを示す。電流ベクトルは、単相高周波電流Irの1周期で出力可能な、基本となる7通りの電流ベクトルs0,s1,s2,s3,s−1,s−2,s−3である(図2の実線を参照)。
例えば制御部10が単相高周波電流Irのある1周期において電流ベクトルs3を出力する場合を考える。図3を参照すると、単相高周波電流Irの極性が正の場合にIv=Irと示されており、単相高周波電流Irの極性が負の場合にIw=−Irと示されている。制御部10は、図3のテーブルに従って、極性判別部20が単相高周波電流Irの極性が正であると判別した半周期にスイッチSvだけをオンにして、三相低周波交流電流Ivとして単相高周波電流Irを正の向きに流す。また、制御部10は、その半周期の前後の半周期(極性判別部20が単相高周波電流Irの極性が負であると判別した対となる半周期)にスイッチSwだけをオンにして、三相低周波交流電流Iwとして単相高周波電流Irを負の向きに流す。このとき、制御部10は、単相高周波電流Irの1周期で、図2の電流ベクトルs3をスイッチ部30から出力させることができる。なお、図3のテーブルは、例えば制御部が備えていてもよいし、アクセス可能な記憶部(具体例ではメモリやハードディスク等)に記憶されていてもよい。制御部10は電流ベクトルs0,s1,s2,s3,s−1,s−2,s−3の何れかを出力する制御を行う際に当該テーブルの情報を取得してもよい。
次に、例えば制御部10が単相高周波電流Irのある1周期において電流ベクトルs0を出力する場合を考える。電流ベクトルs0はゼロ電流ベクトルであり、図2に示される通り、単相高周波電流Irの1周期で平均すると出力電流がゼロになる電流ベクトルである。図3を参照すると、単相高周波電流Irの極性が正の場合にIu=Irと示されており、単相高周波電流Irの極性が負の場合にIu=−Irと示されている。制御部10は、図3のテーブルに従って、単相高周波電流Irの1周期で同じスイッチSuをオンにし続ける。このとき、制御部10は、ある半周期で、三相低周波交流電流Iuとして単相高周波電流Irを正の向きに流す。また、制御部10は、先の半周期の前後の半周期に同じスイッチSuをオンにして、三相低周波交流電流Iuとして単相高周波電流Irを負の向きに流す。制御部10は、単相高周波電流Irの1周期において相殺される電流ベクトルをスイッチ部30から出力させることができ、ゼロ電流ベクトルの出力を実現できる。なお、図3のテーブルでは、ゼロ電流ベクトル(電流ベクトルs0)を出力する場合に、単相高周波電流Irの1周期で同じスイッチSuをオンにし続けるとしているが、スイッチSuに代えてスイッチSvまたはスイッチSwが用いられてもよい。
ここで、本実施形態に係る電力変換装置1は、コンデンサ部40をバイパスするためのスイッチを含まない。そのため、半周期毎に極性だけが異なる電流ベクトルを出力させることによって、単相高周波電流Irの1周期で出力される電流ベクトルを相殺してゼロ電流ベクトルを実現する。例えば、電力変換装置1にコンデンサ部40をバイパスするためのスイッチを追加すれば、単相高周波電流Irの周期とは無関係にゼロ電流ベクトルを出力することができる。つまり、コンデンサ部40をバイパスするスイッチをオンにすれば、電流源2から出力される単相高周波電流Irは、コンデンサ部40をバイパスして電流源2に戻り、コンデンサ部40に電流が流れることはない。しかし、コンデンサ部40をバイパスするためのスイッチを追加することにより、電力変換装置1を構成する部品の点数が増えてしまう。換言すると、本実施形態に係る電力変換装置1は、図1のように、バイパスされないコンデンサ部40を備える構成であることにより、部品点数を削減する効果を高めて一層の小型化を実現することができる。
(電流指令ベクトル)
上記のように、本実施形態に係る電力変換装置1の制御部10は、単相高周波電流Irの1周期において、図2の実線のs0,s1,s2,s3,s−1,s−2,s−3で示される7つの電流ベクトルのいずれかを出力させることができる。ここで、電力変換装置1の制御部10は、これら7つの電流ベクトルを適宜選択して合成することで、任意の電流ベクトルを出力させることが可能である。本実施形態に係る電力変換装置1の制御部10は、単相高周波電流の周期の所定倍の時間に、ゼロ電流ベクトルと他の2つの電流ベクトルを適切な時間で出力させることによって、所望の電流指令ベクトルを出力させる。以下に、所望の電流指令ベクトルを生成するために制御部10が行う制御(スイッチ切り替え制御)について説明する。
制御部10は、スイッチ切り替え制御として、まずモータMを適切に動作させるための電流指令ベクトルを算出する。本実施形態では、制御部10は、モータMの回転角速度等の指令値と、スイッチSu,Sv,Swの三相の出力電流(三相低周波交流電流Iu,Iv,Iw)、およびモータMのエンコーダ等から取得した回転角速度等の検出値に基づいて算出する。ここで、静止座標において、モータMに三相交流電圧を出力するために必要な電流指令ベクトルkが図4のように示されたとする。
制御部10は、ゼロ電流ベクトル(電流ベクトルs0)を除く、単相高周波電流Irの1周期において出力可能な6通りの電流ベクトルs1,s2,s3,s−1,s−2,s−3(本発明の2×N個の電流ベクトルに対応)から、電流指令ベクトルkに近い2つの電流ベクトルs1,s2を選択する。つまり、制御部10は、図4において電流指令ベクトルkを挟む位置にある、隣り合った2つの電流ベクトルs1,s2を選択する。そして、制御部10は、選択した電流ベクトルs1,s2およびゼロ電流ベクトルを適切な時間で出力させることによって電流指令ベクトルkを出力する。なお、制御部10は、電流指令ベクトルkが電流ベクトルs1,s2,s3,s−1,s−2,s−3と重なった場合には、その重なった電流ベクトルと隣接する一方の電流ベクトルとを選択すればよい。例えば、電流指令ベクトルkが電流ベクトルs−3と重なった場合には、制御部10は、電流ベクトルs−3と電流ベクトルs−2(または電流ベクトルs1)とを選択する。
そして、制御部10は電流指令ベクトルkを、選択した2つの電流ベクトルを単位ベクトルとして分解して、2つの電流ベクトルのそれぞれの出力時間を計算する。このとき、制御部10は公知の手法(例えば電流指令ベクトルkおよび選択した2つの電流ベクトルの座標に基づく演算)でも出力時間を計算可能であるが、本実施形態では図5に示される手法を用いる。
図5で時間Tは単相高周波電流Irの周期の10倍の時間(本発明の所定倍の時間に対応)である。制御部10は、電流指令ベクトルkの出力に相当するように、時間Tを所定の比率で分割して電流ベクトルs1,s2およびゼロ電流ベクトルのそれぞれを出力する。まず、制御部10は鋸波Wを生成して、調整可能な2つの指令値a,bを用意する。指令値a,bは、電流ベクトルs1、s2およびゼロ電流ベクトルのそれぞれの出力時間を定めるものである。制御部10は、鋸波Wが指令値aに到達するまでの時間t1で、選択した一方の電流ベクトル(例えば、図4の例では電流ベクトルs1)を出力する。制御部10は、鋸波Wが指令値aに到達してから指令値bに到達するまでの時間t2で、選択した他方の電流ベクトル(例えば、図4の例では電流ベクトルs2)を出力する。そして、制御部10は、鋸波Wが指令値bに到達してから時間Tが終わるまでの時間t3で、ゼロ電流ベクトルを出力する。制御部10は、指令値aを0から鋸波Wに合わせて段階的に大きくなるように変化させて、指令値bも指令値aから鋸波Wに合わせて段階的に大きくなるように変化させる。例えば、指令値aが3である場合(時間t1が単相高周波電流Irの3周期である場合)、指令値bを3,4,5,6…と変化させることで時間t2を増やしていく。そして、次に指令値aを4に変更して、指令値bを4,5,6,7…と変化させる。制御部10は、このようにして得られた時間t1と時間t2との組み合わせのうち、最も電流指令ベクトルkに近い出力となるものを選択して、電流ベクトルs1、s2およびゼロ電流ベクトルのそれぞれの出力時間を決定する。なお、時間t1と時間t2とを足しても時間Tに満たない場合には、制御部10は、残りの時間でゼロ電流ベクトルを出力して調整する(残りの時間を時間t3とする)。
ここで、図5で時間Tは単相高周波電流Irの周期の10倍であるが、これに限られるものではない。時間Tが長ければ、時間t1と時間t2との組み合わせが増加するため、より高い精度で(より少ない誤差で)電流指令ベクトルkを出力できる。しかし、時間Tが長ければ、1つの電流指令ベクトルkを出力するために長い時間がかかることになる。そのため、モータMを適切に動作させるために必要な電流指令ベクトルkの更新タイミングに基づいて時間Tが選択されることが好ましい。なお、時間Tは固定される必要はなく、モータMの動作状況に応じて可変であってもよい。
本実施形態に係る電力変換装置1は、上記のような制御部10のスイッチ切り替え制御を実行して、単相高周波電流Irから三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwを生成することができる。そして、コンデンサCu,Cv,Cwによって三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwは三相交流電圧に変換されて、モータMに印加される。ここで、図6は、電力変換装置1の三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwのシミュレーション波形である。図6に示されるように、制御部10のスイッチ切り替え制御によって、三相低周波交流電流Iu,Iv,Iwが良好な三相正弦波となっていることが確認できる。
以上のように、電力変換装置1は、従来の電力変換装置における整流器および三相PWM変換器を用いずに、単相高周波電流Irから三相交流電圧を出力するものであり、部品点数を削減でき、全体を小型化することが可能になる。特に、本実施形態に係る電力変換装置1は、コンデンサ部40をバイパスするためのスイッチも不要であるため、部品点数を削減する効果を高めて一層の小型化を実現することができる。
なお、本実施形態に係る電力変換装置1は、単相高周波電流Irから三相交流電圧を生成するものであるが、スイッチ部30およびコンデンサ部40の部品数を調整することによって、三相に限らず多相の交流電圧を出力することができる。具体的には、N相交流電圧(Nは2以上の整数)を出力するために、スイッチ部30、コンデンサ部40がそれぞれN個のスイッチ、N個のコンデンサを備えるように電力変換装置1の構成を変更すればよい。例えば、二相交流電圧を出力する場合には、図1のスイッチ部30、コンデンサ部40からそれぞれスイッチSw、コンデンサCwを省略した構成の電力変換装置1を用いればよい。このとき、図2の6つの電流ベクトルは、互いに90度の位相差を有する4つの電流ベクトルに置き換わる。そして、制御部10は、スイッチ切り替え制御において、4つの電流ベクトルから電流指令ベクトルkに近い2つの電流ベクトルを選択し、これらとゼロ電流ベクトルの出力時間を計算する。Nが4以上である場合にも、同様の変更によって電力変換装置1は単相高周波電流IrからN相交流電圧を生成することができる。
また、電力変換装置1は入出力端子の一部または全てを備えない構成であってもよい。本実施形態に係る電力変換装置1は端子T0およびT1を介して電流源2と接続されていたが、例えば、電力変換装置1は端子T0およびT1を備えずに、電流源2を含む構成であってもよい。
1 電力変換装置
2 電流源
10 制御部
20 極性判別部
30 スイッチ部
40 コンデンサ部
Cu,Cv,Cw コンデンサ
Ir 単相高周波電流
Iu,Iv,Iw 三相低周波交流電流
M モータ
Pu,Pv,Pw 接続点
Su,Sv,Sw スイッチ
T 時間
T0,T1,Tu,Tv,Tw 端子
W 鋸波
a,b 指令値
k 電流指令ベクトル
s0 電流ベクトル(ゼロ電流ベクトル)
s1,s2,s3,s−1,s−2,s−3 電流ベクトル

Claims (5)

  1. 電流源から出力された単相高周波電流をN相交流電圧(Nは2以上の整数)に変換する電力変換装置であって、
    一端が、前記電流源の一端と接続されるN個のスイッチと、
    一端が、前記電流源の他端と接続されるN個のコンデンサと、
    前記単相高周波電流の極性を判別する極性判別部と、
    前記極性判別部が判別した前記極性および電流指令ベクトルに基づいて、前記N個のスイッチのうちの1つを選択的にオンにする制御部と、を備え、
    前記N個のスイッチの他端が前記N個のコンデンサの他端のそれぞれと接続される点をN個の接続点として、前記N個の接続点における前記N相交流電圧がN相負荷に印加されることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、
    前記N個のスイッチの他端にN相低周波交流電流を出力させるスイッチ切り替え制御を実行し、
    前記N相低周波交流電流は、前記N個のコンデンサによって前記N相交流電圧に変換される、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、
    前記スイッチ切り替え制御において、前記電流指令ベクトルに基づいて、出力可能な2×N個の電流ベクトルのうちの2つの電流ベクトルおよびゼロ電流ベクトルの出力時間を算出する、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、
    前記スイッチ切り替え制御において、前記出力時間に基づいて、前記単相高周波電流の周期の所定倍の時間に、前記周期毎に前記2つの電流ベクトルおよび前記ゼロ電流ベクトルのいずれか1つを出力させる、請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、
    前記スイッチ切り替え制御において、前記単相高周波電流の1周期で同じスイッチをオンにし続けることによってゼロ電流ベクトルを出力する、請求項2から4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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