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JP6654957B2 - 窒化物半導体デバイス - Google Patents
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JP6654957B2 - 窒化物半導体デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物半導体デバイスに関する。
たとえば、特許文献1は、HEMTを開示している。このHEMTは、基板上に、GaNからなる低温バッファ層と、GaNからなるバッファ層と、GaNからなる電子走行層と、AlGaNからなる電子供給層とをこの順に積層して形成されたヘテロ接合構造を有している。また、HEMTは、電子供給層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を備えている。
当該HEMTでは、電子供給層は電子走行層に比べてバンドギャップエネルギーが大きく、この2つの層のヘテロ接合界面下に二次元電子ガス層が形成される。二次元電子ガス層が、キャリアとして利用される。すなわち、ソース電極とドレイン電極とを作動させた場合、電子走行層に供給された電子が二次元電子ガス層中を高速走行してドレイン電極まで移動する。このとき、ゲート電極に加える電圧を制御してゲート電極下の空乏層の厚さを変化させることで、ソース電極からドレイン電極へ移動する電子、すなわちドレイン電流を制御することができる。
特許第5064824号公報
上記のようなHEMTでは、スイッチング速度の向上が常に要求されている。ゲート長を短くすることがスイッチングの高速化に寄与するが、反面、ゲート下でリーク電流が流れやすくなるので耐圧が低下するという課題が生じる。そこで、電界の集中を抑制するために窒化物半導体層上にフィールドプレートを設けてもよいが、適切な条件で設置しないと十分な耐圧を得ることが困難である。
本発明の一実施形態は、スイッチング速度の向上と耐圧の向上との両立を図ることができる窒化物半導体デバイスを提供する。
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの絶縁破壊電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(2)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
<q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε・・・(2)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(3)および(4)を満たしていてもよい。
q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(4)
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの絶縁破壊電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(6)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
<q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε・・・(6)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(7)および(8)を満たしていてもよい。
q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(8)
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの最大定格電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(2)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
<q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε・・・(2)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(3)および(4)を満たしていてもよい。
q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(4)
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの最大定格電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(6)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
<q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε・・・(6)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(7)および(8)を満たしていてもよい。
q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(8)
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、二次元電子ガスのシートキャリア密度をN(/cm)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(9)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
/(N+NDA−N−NDD)<(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp・・・(9)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(7)および(10)を満たしていてもよい。
q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA−N−NDD)・・・(10)
本発明の一実施形態は、ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、Cossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、二次元電子ガスのシートキャリア密度をN(/cm)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(11)を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
<q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
/(N+NDA)<(N+NDA)・(L+Lfp・・・(11)
この場合、前記窒化物半導体デバイスは、下記式(3)および(12)を満たしていてもよい。
q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
(N+NDA)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA)・・・(12)
本発明の一実施形態では、前記ゲート長Lが0.5μm以下であり、前記フィールドプレート長Lfpが0.5μm以下であり、デバイスの最大定格電圧が50V以上であってもよい。
本発明の一実施形態では、前記窒化物半導体層には、C、Be、Cd、Ca、Cu、Ag、Au、Sr、Ba、Li、Na、K、Sc、Zr、Fe、Co、Ni、Mg、ArおよびHeからなる群から選択される少なくとも一種の不純物がドープされることによって深いアクセプタ準位が形成されていてもよい。
本発明の一実施形態は、電子走行層、および前記電子走行層に接し、前記電子走行層とは異なる組成を有する電子供給層を含む窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層上のゲート、ソースおよびドレインと、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、前記電子走行層の少なくとも一部に炭素が含有されており、当該炭素の濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3である、窒化物半導体デバイスを提供する。
本発明の一実施形態では、前記電子走行層は、前記電子走行層と前記電子供給層との界面を形成する第1領域と、前記界面から50nm以上離れた部分に形成された第2領域とを含み、前記第2領域の炭素濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3であり、前記第1領域の炭素濃度が1×1017cm−3以下であってもよい。
本発明の一実施形態では、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)としたとき、前記電子走行層の前記第2領域のN+NDA−N−NDDが、4×1016cm−3〜8×1016cm−3であってもよい。
本発明の一実施形態は、電子走行層、および前記電子走行層に接し、前記電子走行層とは異なる組成を有する電子供給層を含む窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層上のゲート、ソースおよびドレインと、前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続され、絶縁膜を介して前記窒化物半導体層上に配置されたフィールドプレートとを含み、ゲート長Lが0.6μm以下であり、前記電子走行層の少なくとも一部に炭素が含有されており、当該炭素の濃度が1×1018cm−3以上であり、前記フィールドプレート下の前記絶縁膜の厚さをd、当該絶縁膜の比誘電率をεとしたとき、d/ε≦14を満たす、窒化物半導体デバイスを提供する。
本発明の一実施形態によれば、ゲートのオフ時にソース−ドレイン間に電圧が印加されている場合において、上記式(1)および(5)に示すように、ゲート下の窒化物半導体層の領域がパンチスルーするときの電圧(各式の右辺)が、二次元電子ガスが消失する電圧V(各式の左辺)よりも大きい。これにより、ゲート下でのパンチスルーを防止できるので、オフ時のリーク電流の発生を抑制することができる。
また、上記式(2)、(6)、(9)および(11)に示すように、フィールドプレート下の窒化物半導体層の領域がパンチスルーするときの電圧(各式の右辺)が、デバイスの絶縁破壊電圧Vまたは最大定格電圧Vよりも大きいので、信頼性の高いデバイスを実現することができる。
そして、上記のような耐圧および信頼性の向上の効果は、各式から明らかなように、たとえゲート長Lを短くしても、各式におけるゲート長L以外の項の値(浅いアクセプタ濃度N、深いアクセプタ濃度NDA等)を調節することによって実現することができる。したがって、ゲート長Lを所望の長さに設計することによって、耐圧を維持しながら、デバイスのスイッチング速度を向上させることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスを備える半導体パッケージの外観図である。 図2は、前記窒化物半導体デバイスの模式的な断面図である。 図3Aは、N+NDA−N−NDDの値の測定方法を説明するための図である。 図3Bは、N+NDA−N−NDDの値の測定方法を説明するための図である。 図3Cは、N+NDA−N−NDDの値の測定方法を説明するための図である。 図4Aは、半絶縁GaN層のN+NDA−N−NDDの値の測定方法を説明するための図である。 図4Bは、半絶縁GaN層のN+NDA−N−NDDの値の測定方法を説明するための図である。 図5は、図4Aおよび図4BのI−V特性を示す図である。 図6は、ドレイン電圧Vと出力容量Cossとの関係を示すグラフである。 図7は、フィールドプレート下の二次元電子ガスの空乏化電圧の求め方を説明するための図である。 図8は、フィールドプレート端からドレインまでの間の領域の二次元電子ガスの空乏化電圧の求め方を説明するための図である。 図9は、電流のトラップ濃度依存性を説明するための図である。 図10A〜図10Cは、電流が流れ出すまでの電子の動きを経時的に示すエネルギーバンド図である。 図11は、参考例に係る窒化物半導体デバイスの電位分布を示すシミュレーション結果である。 図12は、参考例に係る窒化物半導体デバイスの電流密度を示すシミュレーション結果である。 図13は、参考例に係る窒化物半導体デバイスのトラップ占有率を示すシミュレーション結果である。 図14は、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスの電位分布を示すシミュレーション結果である。 図15は、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスの電流密度を示すシミュレーション結果である。 図16は、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスのトラップ占有率を示すシミュレーション結果である。 図17は、本実施形態と参考例のリーク電流を比較したグラフである。 図18は、炭素濃度とN+NDA−N−NDDとの関係を示す図である。 図19Aは、シミュレーション用に設定した参考構造1を示す図である。 図19Bは、シミュレーション用に設定した参考構造2を示す図である。 図20Aは、炭素濃度と二次元電子ガスのシート抵抗との関係を示す図である。 図20Bは、炭素濃度と二次元電子ガスの移動度との関係を示す図である。 図20Cは、炭素濃度と二次元電子ガスのシートキャリア密度との関係を示す図である。 図21は、シートキャリア密度Nと二次元電子ガスの移動度(2DEG mobility)との関係を示す図である。 図22Aは、ゲート−ドレイン間におけるAlGaN/GaNの構造を示す図である。 図22Bは、ゲート部におけるAlGaN/GaNの構造を示す図である。 図23は、ゲート長とゲート耐圧との関係を示す図である。 図24は、N+NDA−N−NDDとフィールドプレート下の空乏化電圧との関係を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイス3を備える半導体パッケージ1の外観図である。
半導体パッケージ1は、端子フレーム2と、窒化物半導体デバイス3(チップ)と、樹脂パッケージ4とを含む。
端子フレーム2は、金属製の板状である。端子フレーム2は、窒化物半導体デバイス3を支持するベース部5(アイランド)と、ドレイン端子6と、ソース端子7と、ゲート端子8とを含む。ドレイン端子6は、ベース部5と一体的に形成されている。ドレイン端子6、ソース端子7およびゲート端子8は、それぞれ、ボンディングワイヤ9〜11によって、窒化物半導体デバイス3のドレイン、ソースおよびゲートに電気的に接続されている。ソース端子7およびゲート端子8は、中央のドレイン端子6を挟むように配置されている。
樹脂パッケージ4は、たとえば、エポキシ樹脂など公知のモールド樹脂からなり、窒化物半導体デバイス3を封止している。樹脂パッケージ4は、窒化物半導体デバイス3と共に端子フレーム2のベース部5およびボンディングワイヤ9〜11を覆っている。3本の端子6〜8の一部は、樹脂パッケージ4から露出している。
図2は、窒化物半導体デバイス3の模式的な断面図である。なお、図2は、図1の特定の位置での切断面を示しているものではなく、本実施形態の説明に必要と考えられる要素の集合体を一つの断面を示している。
窒化物半導体デバイス3は、基板12と、基板12の表面に形成されたバッファ層13と、バッファ層13上にエピタキシャル成長された電子走行層14と、電子走行層14上にエピタキシャル成長された電子供給層15とを含む。さらに、窒化物半導体デバイス3は、電子供給層15の表面を覆うゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16に形成されたコンタクト孔17a,18aを貫通して電子供給層15にオーミック接触しているオーミック電極としてのソース電極17およびドレイン電極18とを含む。ソース電極17およびドレイン電極18は、間隔を開けて配置されており、それらの間に、ゲート電極19が配置されている。ゲート電極19は、ゲート絶縁膜16を介して電子供給層15に対向している。
基板12は、たとえば、導電性のシリコン基板であってもよい。導電性シリコン基板は、たとえば、1×1017cm−3〜1×1020cm−3(より具体的には1×1018cm−3程度)の不純物濃度を有していてもよい。
バッファ層13は、第1バッファ層131と、第2バッファ層132とを積層した多層バッファ層であってもよい。第1バッファ層131は基板12の表面に接しており、この第1バッファ層131の表面(基板12とは反対側の表面)に第2バッファ層132が積層されている。第1バッファ層131は、本実施形態ではAlN膜で構成されており、その膜厚は、たとえば0.2μm程度であってもよい。第2バッファ層132は、本実施形態では、AlGaN膜で構成されており、その膜厚は、たとえば0.2μm程度であってもよい。
ゲート絶縁膜16は、第1絶縁層161と、第2絶縁層162とを積層した多層ゲート絶縁膜であってもよい。第1絶縁層161は電子供給層15の表面に接しており、この第1絶縁層161の表面(電子供給層15とは反対側の表面)に第2絶縁層162が積層されている。第1絶縁層161は、本実施形態ではSiN膜で構成されており、その膜厚は、たとえば500Å程度であってもよい。このような第1絶縁層161は、プラズマCVD(化学的気相成長)法、熱CVD法、スパッタリングなどで形成することができる。第1絶縁層161には、第2絶縁層162を入り込ませて電子供給層15に接触させるための開口161aが形成されている。第2絶縁層162は、本実施形態では、アルミナ(Al)で構成されており、その膜厚は、たとえば300Å程度であってもよい。第2絶縁層162は、第1絶縁層161の開口161aに入り込んだ部分に凹部162aを有している。このような第2絶縁層162は、たとえば、たとえばALD法等によって精密に膜厚を制御して形成できる。
ALD法でアルミナ膜を成膜しようとするとき、一般に、AlとOとの組成比a:bにはばらつきが生じ、必ずしも全部がAlとなるわけではない。これは、ALD法が比較的低温のプロセスだからである。しかし、AlおよびOからなる絶縁体は、その組成を厳密に制御しなくても、バンドギャップが大きく、耐圧が大きい絶縁体層を形成できる。この明細書では、AlとOとの組成比a:bが2:3以外の場合も含めて「アルミナ」と呼ぶことにする。
電子走行層14と電子供給層15とは、Al組成の異なるIII族窒化物半導体(以下単に「窒化物半導体」と呼ぶ。)からなっている。たとえば、電子走行層14は、GaN層からなっていてもよく、その厚さは、0.5μm程度であってもよい。電子供給層15は、本実施形態では、AlxGa1-xN層(0<x<1)からなっており、その厚さは、たとえば5nm〜30nm(より具体的には20nm程度)である。
このように、電子走行層14と電子供給層15とは、Al組成の異なる窒化物半導体からなっていて、ヘテロ接合を形成していると共に、それらの間には格子不整合が生じている。そして、ヘテロ接合および格子不整合に起因する分極のために、電子走行層14と電子供給層15との界面に近い位置(たとえば界面から数Å程度の距離の位置)には、二次元電子ガス20が広がっている。
電子走行層14には、そのエネルギーバンド構造に関して、浅いドナー準位E、深いドナー準位EDD、浅いアクセプタ準位E、深いアクセプタ準位EDAが形成されていてもよい。
浅いドナー準位Eは、たとえば、電子走行層14の伝導帯の下端(底)のエネルギ準位Eから0.025eV以下の離れた位置でのエネルギ準位であり、深いドナー準位EDDと区別できるのであれば、単に「ドナー準位E」と呼んでもよい。通常、この位置にドーピングされたドナーの電子は、室温(熱エネルギkT=0.025eV程度)でも伝導帯に励起されて自由電子となっている。浅いドナー準位Eを形成するためにGaN電子走行層14にドーピングする不純物としては、たとえば、Si、Oからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。一方、深いドナー準位EDDは、たとえば、電子走行層14の伝導帯の下端(底)のエネルギ準位Eから0.025eV以上の離れた位置でのエネルギ準位である。つまり、深いドナー準位EDDは、励起に必要なイオン化エネルギが室温の熱エネルギよりも大きいドナーのドーピングによって形成されるものである。したがって、通常、この位置にドーピングされたドナーの電子は、室温において伝導帯に励起されず、ドナーに捉えられた状態となっている。
浅いアクセプタ準位Eは、たとえば、電子走行層14の価電子の上端(頂上)のエネルギ準位Eから0.025eV以下の離れた位置でのエネルギ準位であり、深いアクセプタ準位EDAと区別できるのであれば、単に「アクセプタ準位E」と呼んでもよい。通常、この位置にドーピングされたアクセプタの正孔は、室温(熱エネルギkT=0.025eV程度)でも価電子帯に励起されて自由正孔となっている。一方、深いアクセプタ準位EDAは、たとえば、電子走行層14の価電子の上端(頂上)のエネルギ準位Eから0.025eV以上の離れた位置でのエネルギ準位である。つまり、深いアクセプタ準位EDAは、励起に必要なイオン化エネルギが室温の熱エネルギよりも大きいアクセプタのドーピングによって形成されるものである。したがって、通常、この位置にドーピングされたアクセプタの正孔は、室温において価電子帯に励起されず、アクセプタに捉えられた状態となっている。室温において、正孔を発生する不純物としてはMgが知られているが、その活性化率(ドープした量に対して発生した正孔の割合)は1/10以下であり、Mgは浅いアクセプタとも深いアクセプタとも解釈できるが、本発明ではN+NDAが重要な値となるため、どちらで解釈しても差し支えない。深いアクセプタ準位EDAを形成するためにGaNからなる電子走行層14にドーピングする不純物としては、たとえば、C、Be、Cd、Ca、Cu、Ag、Au、Sr、Ba、Li、Na、K、Sc、Zr、Fe、Co、Ni、Mg、ArおよびHeからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。
そして、本実施形態では、上記説明した浅いドナー準位E、深いドナー準位EDD、浅いアクセプタ準位Eおよび深いアクセプタ準位EDAを形成する不純物(ドーパント)の濃度を、それぞれ、浅いドナー濃度N、深いドナー濃度NDD、浅いアクセプタ濃度N、深いアクセプタ濃度NDAと呼ぶことにする。
電子走行層14の全体としての不純物濃度は、N+NDA−N−NDD>0であることが好ましい。この不等式は、電子を放出し得るドナー原子の不純物濃度の総和(N+NDDであり、以下、この総和をドナー濃度Nと呼ぶことがある。)よりも、当該放出された電子を捕獲し得るアクセプタ原子の不純物濃度の総和(N+NDAであり、以下、この総和をトラップ濃度Nと呼ぶことがある。)が大きいことを意味している。つまり、電子走行層14においては、浅いドナー原子および深いドナー原子から放出された電子のほぼ全部が伝導帯に励起されずに浅いアクセプタ原子もしくは深いアクセプタ原子で捕獲されるため、電子走行層14が半絶縁のi型GaNになっている。
しかしながら、C、Be、Cd、Ca、Cu、Ag、Au、Sr、Ba、Li、Na、K、Sc、Zr、Fe、Co、Ni、Mg、ArおよびHeからなる群から選択される少なくとも一種の不純物をドーピングしたとしても、その不純物全てが深いアクセプタとして機能するわけではなく、たとえばC(炭素)の場合、III族窒化物半導体結晶中のN(窒素)サイトに置き換わることで深いアクセプタとして機能するが、III族元素サイトに置き換わることで浅いドナーとして機能する。それぞれのサイトに置き換わる割合はドーピングした炭素濃度に依存する。また、不純物をドーピングすることで結晶欠陥が発生し、その結晶欠陥が、浅いドナー、深いドナー、浅いアクセプタ、あるいは深いアクセプタのうち、どれとして機能するかは不明である。そのため、SIMs(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)による不純物濃度測定でN+NDA−N−NDDの値を知ることはできない。
+NDA−N−NDDの値の測定は、図3Aのような半絶縁層の縦方向のリーク電流の測定によって行うことが可能であることが分かった。前述の通り、電子走行層は浅いドナー及び深いドナーから放出された電子を浅いアクセプタと深いアクセプタで捕獲された半絶縁層である。図10Aに示すように、これらの層は無バイアス化では、電子を捕獲していない深いアクセプタ準位が存在し、深いアクセプタに空席が存在する状態である。このとき、GaN層は電気的に中性である。図10Bに示すように、ある一定以下の外部電圧下では、無バイアス化では電子を捕獲していなかった深いアクセプタに電子が捕獲され、正バイアス側が負帯電し電界を打ち消すため、流れる電流は極めて微小である。このとき、半絶縁層の正バイアス側の一部領域が負に帯電し、その電荷密度はN+NDA−N−NDDである。ある一定以上の電圧を印加すると、全ての深いアクセプタ準位に電子が捕獲され、それ以上の電界を打ち消すことができず、電流が増加し始める。このとき、半絶縁層は全ての領域で負に帯電し、その電荷密度はN+NDA−N−NDDである。よって、半絶縁層中のN+NDA−N−NDD分布が一様であるとき、素電荷量をq半絶縁層の膜厚をd、電流が増加し始める電圧をVTHとすると、ポアソン方程式を用いて、
+NDA−N−NDD=2εεTH/qd
で求めることができる。
なお、この測定には半絶縁層には、図3Bおよび図3Cのように導電層、導電型基板を介して、電極が形成されていても良い。
GaNを異種基板上に成長させる場合、GaNと基板の間にバッファ層を導入する必要がある。たとえば、Si基板上の半絶縁GaNの場合、導電型基板と測定対象である半絶縁GaN層の間にAlNとAlGaNの積層からなる半絶縁バッファ層が含まれる。これらのバッファ層は半絶縁GaN層とは異なるN+NDA−N−NDDを有することが予想されるため、半絶縁GaN層のN+NDA−N−NDDを測定するには、図4Aおよび図4Bのように、バッファ層まで成長したサンプルと半絶縁GaN層まで成長したサンプルを用意し、基板側電極に正バイアスを印加する。それぞれのサンプルのVTHの差をΔVTH、半絶縁GaN層膜厚dGaN、バッファ層膜厚をdbufferとすると、半絶縁GaN層のN+NDA−N−NDDは、
+NDA−N−NDD=2εεΔVTH/q(dGaN +2dGaNbuffer
で求めることができる。
たとえば、ある条件下で成長された半絶縁GaN層膜厚が1.5μm、バッファ層膜厚が0.2μmのとき、図5に示すI−V特性が得られ、この半絶縁GaN層のN+NDA−N−NDDは3.2×1016/cmと求めることができる。
電子供給層15は、電子走行層14との界面に、数原子厚程度(5nm以下。好ましくは1nm〜5nm、より好ましくは1nm〜3nm)の厚さのAlN層を有していてもよい。このようなAlN層は、電子の散乱を抑制して、電子移動度の向上に寄与する。
ゲート電極19は、ゲート絶縁膜16に接する下層と、この下層上に積層される上層とを有する積層電極膜からなっていてもよい。下層はNi、Pt、Mo、WまたはTiNからなっていてもよく、上層はAuまたはAlからなっていてもよい。ゲート電極19は、ソース電極17寄りに偏って配置され、これにより、ゲート−ソース間距離よりもゲート−ドレイン間距離の方を長くした非対称構造となっている。この非対称構造は、ゲート−ドレイン間に生じる高電界を緩和して耐圧向上に寄与する。
ゲート電極19は、ソース電極17とドレイン電極18との間において第2絶縁層162に形成された凹部162aに入り込んだゲート本体部191と、ゲート本体部191に連なり、開口161a外においてゲート絶縁膜16上をドレイン電極18に向かって延びたフィールドプレート部192とを有している。ゲート本体部191と第2絶縁層162との界面におけるドレイン電極18側の端部であるドレイン端191aからフィールドプレート部192のドレイン電極18側の端部までの距離Lfpは、フィールドプレート長と呼ばれる。一方、ゲート本体部191と第2絶縁層162との界面におけるドレイン端191aからソース電極17側の端部であるソース端191bまでの距離Lは、ゲート長と呼ばれる。つまり、ゲート電極19と第2絶縁層162の凹部162aの底面との接触域である有効ゲート域(凹部162a内の領域)Gaの幅が、ゲート長と呼ばれる。さらに、この明細書では、ゲート本体部191とドレイン電極18との間の距離をLgdと表す。
フィールドプレート長Lfpは、ゲート−ドレイン間距離Lgdの1/10以上1/2以下であることが好ましい。具体的には、0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。一方、ゲート長Lは、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。具体的には、0.2μm以上0.5μm以下であってもよい。
ソース電極17およびドレイン電極18は、たとえば、TiおよびAlを含むオーミック電極であり、電子供給層15を介して二次元電子ガス20に電気的に接続されている。
ドレイン電極18、ソース電極17およびゲート電極19に、それぞれ、図1で示したボンディングワイヤ9〜11が接続されている。基板12の裏面には、裏面電極21が形成されており、この裏面電極21を介して、基板12がベース部5に接続されている。したがって、本実施形態では、基板12は、ボンディングワイヤ9を介してドレイン電極18と電気的に接続されてドレイン電位となる。
窒化物半導体デバイス3では、電子走行層14上にAl組成の異なる電子供給層15が形成されてヘテロ接合が形成されている。これにより、電子走行層14と電子供給層15との界面付近の電子走行層14内に二次元電子ガス20が形成され、この二次元電子ガス20をチャネルとして利用したHEMTが形成されている。ゲート電極19は、ゲート絶縁膜16を挟んで電子供給層15に対向している。ゲート電極19に適切な負値の電圧を印加すると、二次元電子ガス20で形成されたチャネルを遮断できる。したがって、ゲート電極19に制御電圧を印加することによって、ソース−ドレイン間をオン/オフできる。
使用に際しては、たとえば、ソース電極17とドレイン電極18との間に、ドレイン電極18側が正となる所定の電圧(たとえば200V〜600V)が印加される。その状態で、ゲート電極19に対して、ソース電極17を基準電位(0V)として、オフ電圧(たとえば−5V)またはオン電圧(たとえば0V)が印加される。
このように動作する窒化物半導体デバイス3において、耐圧の向上を図るため、窒化物半導体デバイス3は、下記式(1)または(5)を満たしている。
<q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
<q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
上記式(1)および(5)において、εは真空誘電率であり、εは電子走行層14(GaN)の比誘電率である。式(1)および(5)の各左辺のVは、フィールドプレート部192下の電子走行層14が空乏化して、当該領域で二次元電子ガス20が空乏化するときの電圧を示している。一方、式(1)および(5)の各右辺は、ゲートの下でパンチスルーが生じてリーク電流が流れ始めるときの電圧を示している。つまり、式(1)および(5)で示された不等式は、電子走行層14が、フィールドプレート部192下で空乏化するまでにゲート下でパンチスルーせず、これにより、ゲート下のリーク電流を減少できることを表している。次に、式(1)および(5)の左辺および右辺の求め方について説明する。
まず、式(1)および(5)の左辺について、VはCossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値を示しており、ドレイン電圧Vとデバイスの出力容量Cossとの関係をグラフで示したときに、図6に示すドレイン電圧Vである。この電圧Vを、フィールドプレート部192下の電子走行層14が空乏化して、当該領域で二次元電子ガス20が消失するときの電圧として定義する。
たとえば、図7の右図に示すように、ゲート電極に適切な負値の電圧を印加していくと、ゲート電極に接続されたフィールドプレート(FP)下において、二次元電子ガスが空乏化してGaN負帯電層(本実施形態の電子走行層14の一部)とその上のAlGaN層(本実施形態の電子供給層15)との間に分極が生じる。このとき、AlGaN層からフィールドプレートFPへ向かう上方向に電束が生じる。電束密度Dは、ガウスの定理(divD=ρ)に基づき、AlGaN層に対向する閉空間であるGaN負帯電層内の電荷の総和に等しい。GaN負帯電層の厚さをWとし、GaN負帯電層における二次元電子ガスのシートキャリア密度をNとすると、D=q{N−W(N−N)}が導かれる。そして、D=εE(εはGaNの比誘電率)およびV=∫Edz(zはGaN負帯電層の厚さ方向)が成り立つから、結果として、V=∫q{N−W(N−N)}/εdzが得られる。このV=∫q{N−W(N−N)}/εdzにデバイスごとに設計された値を代入して計算することによって、フィールドプレートFP下における二次元電子ガスの空乏化電圧Vを求めることができる。この空乏化電圧Vは、より小さい方が空乏化し易いので好ましく、そのためには、たとえば、フィールドプレート下の絶縁膜(本実施形態では、ゲート絶縁膜16)を薄くしたり、当該絶縁膜を誘電率の高い材料で構成したりすればよい。なお、図7の左図は、それぞれ、二次元電子ガスが空乏化しているときの電位Φの分布および電束密度Dの分布を示している。
また、参考として、フィールドプレート部192のドレイン電極18側の端部からドレイン電極18までの二次元電子ガスの空乏化電圧Vの求め方を、図8を参照して説明する。図7の場合と同様に考えることができ、たとえば、GAN負帯電層が空乏化した状態では、閉空間であるGaN負帯電層内にq{N−W(N−N)}の電荷が存在するが、当該領域ではGaN負帯電層の上方にフィールドプレートFPが設けられていないので、AlGaN層から上方向への電束が生じない。したがって、D=q{N−W(N−N)}=0となり、この式からW=N/(N−N)が導かれる。そして、当該領域での空乏化電圧Vは、ポアソン方程式から導かれ、V=q(N−N)W/2εとなる。W=N/(N−N)であるから、空乏化電圧Vは、GaN負帯電層の厚さWによらず、トラップ濃度Nおよびドナー濃度Nで規定することができる。
次に、式(1)および(5)の右辺について、図9および図10A〜図10Cを参照して説明する。図9に示すように、シミュレーションのためのサンプル構成として、厚さW=5μm、浅いドナー濃度N=0.5×1016cm−3、深いアクセプタ準位EDA=0.7eVのGaN層を設定する。そして、GaN層の表裏面の両電極間の電圧(バイアス)を増加させていったときに、電流の立ち上がりが深いアクセプタ濃度NDAによってどのように変化するかを検証した。そうすると、図9のグラフから明らかなように、立ち上がり電圧は異なるものの、ほぼ同じ波形のグラフが得られた。つまり、図9から、GaNにおいて電流が流れ始めるときの電圧は、トラップ濃度(このシミュレーションでは、深いアクセプタ濃度NDA)に依存することが分かった。
より具体的に図示すると、まず、図10Aに示すように、両電極間に電圧が印加されていないとき(無バイアス時)には、アクセプタおよび深いアクセプタが、ドナーおよび深いドナーが放出する電子を捕獲する。このとき、電子を放出したドナーおよび深いドナーによる正電荷と、電子を捕獲したアクセプタおよび深いアクセプタによる負電荷の数が等しいため、GaN層全体としては電気的に中性となる。次に、図10Bに示すように電圧を印加していくと、正バイアス側で価電子帯(E)から深いアクセプタへ電子捕獲が起こり、負に帯電する。電圧の印加によって発生した電束は、この負帯電領域によって打ち消されるため、流れる電流は極めて微小である。そして、図10Cに示すように、ある一定以上の電圧を印加すると全ての領域の深いアクセプタで電子捕獲が起きる。これ以上の電圧が印加されても電子捕獲が起こらず、電束を打ち消しきれないため、電流が流れ出す。このときの電圧Vを含む式が、ポアソン方程式からN+NDA−N−NDD=2Vεε/qWと導かれ、結果として、V=q(N+NDA−N−NDD)・W/2εεが得られる。これを本実施形態に当てはめると、ゲート下でリーク電流が流れるときにはゲート下の領域でドレイン側からソース側へと横方向にパンチスルーが生じるので、GaN層の厚さWに代えて、ゲート長Lを用いればよい。これにより、式(5)の右辺であるq(N+NDA−N−NDD)・L /2εεが導かれる。一方、式(1)の右辺は、式(5)の(N+NDA−N−NDD)が(N+NDA)になっている点で式(5)と異なっているが、N+NDAは電束を打ち消すために最低限必要な量であり、式(1)の右辺を満たせば十分であるが、GaN中に残留ドナーが存在していることを考慮して、式(5)のN+NDA−N−NDDを満たすとさらによい
また、窒化物半導体デバイス3は、耐圧に関する信頼性をさらに向上するため、下記式(2)または(6)を満たしている。
<q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε・・・(2)
<q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε・・・(6)
上記式(2)および(6)において、Vはデバイスの絶縁破壊電圧または最大定格電圧であり、εは真空誘電率であり、εは電子走行層14(GaN)の比誘電率である。式(2)および(6)の各左辺のVは、デバイスの絶縁破壊電圧または最大定格電圧であるから、個々のデバイスに応じて定められる値である。一方、式(2)および(6)の各右辺は、フィールドプレートおよびゲートの下でパンチスルーが生じてリーク電流が流れ始めるときの電圧を示している。つまり、式(2)および(6)で示された不等式は、フィールドプレートおよびゲートの下でパンチスルーしてリーク電流が流れ始めるときの印加電圧よりも窒化物半導体デバイス3の絶縁破壊電圧または最大定格電圧が上回っており、これにより、個々のデバイスに定められた絶縁破壊電圧および最大定格電圧の信頼性が高いことを示している。
なお、絶縁破壊電圧は、素子そのものが破壊され使用できなくなる、あるいはオフリーク電流が急激に増加する電圧である。一方、最大定格電圧は、素子の信頼性を保持するために超えてはならない電圧である。
式(2)および(6)の右辺の求め方は、前述の式(1)および(5)の右辺と同様に考えることができる。フィールドプレートおよびゲートの下でリーク電流が流れるときにはフィールドプレートおよびゲートの下の領域でドレイン側からソース側へと横方向にパンチスルーが生じるので、前述のV=q(N+NDA−N−NDD)・W/2εεGaN層の厚さWに代えて、ゲート長およびフィールドプレート長の総和(L+Lfp)を用いればよい。これにより、式(2)および(6)の右辺であるq(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εεが導かれる。
窒化物半導体デバイス3は、上記式(1)、(2)、(5)および(6)を満たすが、より好ましくは、下記式(3)、(4)、(7)または(8)を満たす。
q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(4)
q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(8)
式(3)、(4)、(7)または(8)を満たすことによって、耐圧、信頼性を保持しつつ、寄生容量を極めて小さくでき、高速スイッチング動作が可能となる。
次に、上記式(1)、(2)、(5)および(6)を満たすデバイスと満たさないデバイスについて、電位分布、電流密度およびトラップ占有率をシミュレーションしたところ、図11〜図17に示す結果を得た。
図11〜図13が参考例(上記式(1)、(2)、(5)および(6)を満たさない)に係る窒化物半導体デバイスのシミュレーション結果であり、図11が電位分布、図12が電流密度、図13がトラップ占有率を示している。一方、図14〜図16が本実施形態(上記式(1)、(2)、(5)および(6)を満たす)に係る窒化物半導体デバイスのシミュレーション結果であり、図14が電位分布、図15が電流密度、図16がトラップ占有率を示している。
まず、図11〜図13を参照して参考例に係るデバイスを検証する。検証は、ドレイン電圧=20V、GaNのドナー濃度N=1×1016cm−3、GaNの深いアクセプタ濃度NDA=0.5×1016cm−3、フィールドプレート下の絶縁膜:SiO(厚さ100nm)の条件で行った。検証の結果、参考例では、図11に示すように、フィールドプレート下で電圧降下が見られず、ゲートの端部で電圧降下が発生していた。その結果、図12に示すように、ゲートを挟んでドレイン側からソース側にリーク電流が発生している。図13を見ると、ゲート下のトラップ(深いアクセプタ)が全て電子で満ちており、これから、ゲート下でパンチスルーが生じていることが分かる。
これに対し、フィールドプレート下の絶縁膜の厚さを10nmにして空乏化電圧Vを低くしたこと以外は、参考例と同じ条件で検証した本実施形態のデバイスでは、図14に示すようにフィールドプレートの端部で電圧降下が起きており、これにより、図15に示すようにゲート下でリーク電流がほとんど流れていなかった。また、図16でトラップ占有率を確認したところ、ゲート下でのトラップには電子を捕獲する余裕がまだ残っていることが分かった。
図17に、本実施形態のデバイスと参考例のデバイスとのリーク電流の比較を示す。図17に示すように、上記式(1)、(2)、(5)および(6)を満たすデバイスでは、ゲートのオフ時にリーク電流がほとんど流れず、当該式を満たさないデバイスに比べて耐圧を向上できることが分かった。そして、上記のような耐圧および信頼性の向上の効果は、各式から明らかなように、たとえゲート長Lを短くしても、各式におけるゲート長L以外の項の値(浅いアクセプタ濃度N、深いアクセプタ濃度NDA等)を調節することによって実現することができる。したがって、ゲート長Lを所望の長さに設計することによって、耐圧を維持しながら、デバイスのスイッチング速度を向上させることもできる。
次に、電子走行層14に不純物としてC(炭素)がドーピングされている場合の、当該炭素の不純物濃度とN+NDA−N−NDDとの関係について説明する。
図18は、炭素濃度とN+NDA−N−NDDとの関係を示す図である。まず、前述の不等式(5)を参照する。
<q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
この式(5)は、電子走行層14が、フィールドプレート部192下で空乏化するまでにゲート下でパンチスルーせず、これにより、ゲート下のリーク電流を減少できることを表している。したがって、式(5)を満たしつつ、窒化物半導体デバイス3の動作時のオン抵抗を下げるには、ゲート長Lを短くしてゲート抵抗成分を小さくし、かつ、N+NDA−N−NDDの値をできる限り大きくすることが好ましい。
この点、図18を参照すると、不純物として炭素を多量にドーピングしても、炭素濃度が1×1019cm−3程度で、N+NDA−N−NDDの値が飽和している。一方で、炭素を1×1019cm−3の濃度でドーピングすると、電子走行層14の結晶品質が低下するので好ましくはない。つまり、炭素濃度としては、図18から、1×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲が好ましいことが分かる。この範囲であれば、ゲート長Lを短くしてゲート抵抗成分を小さくしても、結晶品質の低下等の影響がない範囲でN+NDA−N−NDDの値を大きくできるので、窒化物半導体デバイス3のオン抵抗を下げながら、式(5)を満たすことができる。
また、1×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲の炭素濃度は、電子走行層14の全体に適用されていてもよいが、好ましくは、電子供給層15との界面から離れた領域に適用され、電子供給層15との界面部には、上記の範囲を下回る炭素濃度が適用されていることが好ましい。これは、図19A、図19B、図20A、図20Bおよび図20Cによって証明される。
図19Aおよび図19Bは、それぞれ、シミュレーション用に設定した参考構造1および参考構造2を示す図である。なお、図19Aおよび図19Bでは、図2に示した参照符号のうち、以下の説明で必要な符号のみを記載し、それ以外の対応箇所については省略している。
図19Aおよび図19Bを参照して、参考構造1と参考構造2との違いは、参考構造1の電子走行層14が、電子走行層14と電子供給層15との界面を形成する第1領域141と、当該界面から離れた部分(この実施形態では、0.3μm=300nm)に形成された第2領域142とを有している点である。両方の構造に共通して、電子走行層14の「GaN」の左側に併記された圧力単位は、GaNを成長させるときの成長圧力を示している。MOCVDを用いてGaNを成長させるとき、GaNを成長させるときの成長圧力や成長温度を下げることで、Ga(ガリウム)源であるTMGに含まれる炭素のGaN結晶中への取り込み量を増やすことができる。したがって、図19Aの参考構造1では、第2領域142の炭素濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3である一方、第1領域141の炭素濃度は1×1017cm−3以下となっている。また、図19Bの参考構造2では、電子走行層14の全体の炭素濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3となっている。
そして、各構造について、炭素濃度と二次元電子ガスのシート抵抗との関係を示すのが図20Aであり、炭素濃度と二次元電子ガスの移動度との関係を示すのが図20Bであり、炭素濃度と二次元電子ガスのシートキャリア密度との関係を示すのが図20Cである。
図20A〜図20Cに示すように、参考構造2では、電子走行層14の炭素濃度を一様に増加させた結果、二次元電子ガスのシート抵抗が増加すると共に、二次元電子ガスの移動度およびシートキャリア密度が低下していた。これに対し、参考構造1では、電子供給層15との界面部の炭素濃度を1×1017cm−3以下と低く抑えていたおかげで、二次元電子ガスのシート抵抗、移動度およびシートキャリア密度にほとんど変化は見られなかった。
一方、図21に示すように、AlGaN/GaNの接合において、二次元電子ガスの移動度は、シートキャリア密度Nに依存しており、概ねN=8×1012cm−2〜1×1013cm−2の範囲で最大値をとることが分かっている。そこで以下では、N=8×1012cm−2〜1×1013cm−2であるという前提に、好ましいゲート長Lを算出し、当該ゲート長Lとゲート絶縁膜16の厚さとの関係を求めた。
まず、ゲート−ドレイン間について、図22Aに示すように、AlGaN/GaN界面には、これらのヘテロ接合および格子不整合に起因する分極によって二次元電子ガス(2DEG)が広がっている。ここで、前提条件であるN=8×1012cm−2〜1×1013cm−2に基づいて二次元電子ガスの移動度を求めると、移動度μ=約1500cm/Vsとなる。これらからAlGaN/GaN界面部のシート抵抗を求めると、シート抵抗Rs=400Ω〜500Ω/sqとなる。
一方、ゲート部については、図22Bに示すように、ゲート絶縁膜がSiOの単層構造(膜厚=40nm)であり、ゲート電圧を5V印加する場合を考える。このゲート電圧の印加時に発生する二次元電子ガスのシートキャリア密度Nは、6×1012cm−2程度となり、これから求められる移動度μおよびシート抵抗Rsは、それぞれ、μ=100〜200cm/VsおよびRs=5000Ω〜10000Ω/sqである。
ここで、ゲート−ドレイン耐圧が200Vのデバイスでは、ゲート−ドレイン間には少なくとも6μm程度の距離が必要である。この場合、前述のようにゲート部のシート抵抗Rsがゲート−ドレイン間のシート抵抗Rsの約10倍であることを考慮すると、ゲート長Lは、ゲート−ドレイン間の距離(6μm)の約1/10としておかないと、抵抗を均等化できず、オン抵抗のほとんどがゲート部の抵抗となってしまう。したがって、ゲート長Lは、0.6μm以下にしておくことが好ましい。
図23は、N+NDA−N−NDDが、図18の好ましい炭素濃度の範囲(1×1018cm−3〜1×1019cm−3)における下限値(約4×1016cm−3)であるときのゲート長Lとゲート耐圧との関係を示すものである。
図23に示すように、ゲート長Lが0.6μmの場合、ゲート耐圧が15V程度である。つまり、ゲートに15Vの電圧を印加すると、図12に示すように、ゲート下でパンチスルーによるリーク電流が発生することとなる。したがって、このようなリーク電流を発生させないために、ゲート耐圧の電圧値よりも低い電圧で、フィールドプレート部192下を空乏化させる必要がある。
図24は、N+NDA−N−NDDとフィールドプレート下の空乏化電圧との関係を示す図である。図24では、ゲート絶縁膜(SiN)の厚さが、厚さd=100nm、d=200nmおよびd=300nmのときの関係を示している。
図24に示すように、N+NDA−N−NDD=4×1016cm−3のときの空乏化電圧は、それぞれ、d=100nmのときが14V、d=200nmのときが26V、d=300nmのときが34Vとなっており、d=100nmの場合のみが、空乏化電圧<ゲート耐圧(15V)を満たすことが分かった。つまり、SiNの比誘電率ε=7とすると、d/εが14以下のときに、ゲート下でパンチスルーが発生する前に、フィールドプレート部192下を空乏化させ、リーク電流を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。
たとえば、フィールドプレート部192は、ゲート本体部191と一体的に形成されている必要はなく、ゲート本体部191から分離されたフィールドプレートとして形成されていてもよい。この場合、当該フィールドプレートは、ソース電極17と電気的に接続されていてもよい。
また、窒化物半導体デバイス3では、下記式(9)または(11)、さらに好ましくは、下記式(10)または(12)を満たしても、耐圧の向上を図ることができる。
/(N+NDA−N−NDD)<(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp・・・(9)
/(N+NDA)<(N+NDA)・(L+Lfp・・・(11)
(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA−N−NDD)・・・(10)
(N+NDA)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA)・・・(12)
式(9)の左辺のN /(N+NDA−N−NDD)は、図2において、フィールドプレート部192のドレイン電極18側の端部からドレイン電極18までの二次元電子ガスが空乏化する電圧V(図8で説明)を示している。一方、式(9)の右辺の(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfpは、ゲート電極19(ゲート本体部191+フィールドプレート部192)で保持できる耐圧を示している。
フィールドプレート部192のドレイン電極18側の端部からドレイン電極18までの二次元電子ガスが空乏化するまでは、ゲート本体部191およびフィールドプレート部192に電圧降下が起きるが、当該フィールドプレート部192の端部からドレイン電極18までの間が空乏化すると、ゲート本体部191からドレイン電極18にかけて電圧降下が起こるようになる。すなわち、低ドレイン電圧では図2の区間Aで耐圧を保持するが、高ドレイン電圧では区間Bで耐圧を保持することになる。したがって、式(9)および(11)は、フィールドプレート部192のドレイン電極18側の端部からドレイン電極18までの二次元電子ガスが空乏化するまでは、少なくともゲート電極19(ゲート本体部191+フィールドプレート部192)で耐圧を保持することを意味している。
また、前述の実施形態では、電子走行層14がGaN層からなり、電子供給層15がAlGaNからなる例について説明したが、電子走行層14と電子供給層15とはAl組成が異なっていればよく、他の組み合わせも可能である。電子供給層/電子走行層の組み合わせは、AlGaN層/GaN層、AlGaN層/AlGaN層(ただしAl組成が異なるもの)、AlInN層/AlGaN層、AlInN層/GaN層、AlN層/GaN層、AlN層/AlGaN層のうちのいずれかであってもよい。より一般化すれば、電子供給層は、組成中にAlおよびNを含む。電子走行層は、組成中にGaおよびNを含み、Al組成が電子供給層とは異なる。電子供給層と電子走行層とでAl組成が異なることにより、それらの間の格子不整合が生じ、それによって、分極に起因するキャリアが二次元電子ガスの形成に寄与する。
また、前述の実施形態では、基板12の材料例としてシリコンを例示したが、ほかにも、サファイア基板やGaN基板などの任意の基板材料を適用できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 窒化物半導体デバイス
12 基板
13 バッファ層
131 第1バッファ層
132 第2バッファ層
14 電子走行層
141 第1領域
142 第2領域
15 電子供給層
16 ゲート絶縁膜
161 第1絶縁層
162 第2絶縁層
17 ソース電極
18 ドレイン電極
19 ゲート電極
191 ゲート本体部
191a ゲート電極のドレイン端
191b ゲート電極のソース端
192 フィールドプレート部
20 二次元電子ガス
ゲート長
fp フィールドプレート長
gd ゲート−ドレイン間距離

Claims (16)

  1. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの絶縁破壊電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(2)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
    <q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε・・・(2)
  2. 下記式(3)および(4)を満たす、請求項1に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
    q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(4)
  3. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの絶縁破壊電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(6)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
    <q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε・・・(6)
  4. 下記式(7)および(8)を満たす、請求項3に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
    q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(8)
  5. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの最大定格電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(2)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
    <q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε・・・(2)
  6. 下記式(3)および(4)を満たす、請求項5に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
    q(N+NDA)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(4)
  7. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、デバイスの最大定格電圧をV(V)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(6)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
    <q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε・・・(6)
  8. 下記式(7)および(8)を満たす、請求項7に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
    q(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp/2εε<1.2V・・・(8)
  9. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、二次元電子ガスのシートキャリア密度をN(/cm)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いドナー濃度をN(/cm)、深いドナー濃度をNDD(/cm浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(5)および(9)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε・・・(5)
    /(N+NDA−N−NDD)<(N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp・・・(9)
  10. 下記式(7)および(10)を満たす、請求項9に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA−N−NDD)・L /2εε<1.2V・・・(7)
    (N+NDA−N−NDD)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA−N−NDD)・・・(10)
  11. ゲート、ソースおよびドレインを有する窒化物半導体層と、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    ossの値がドレイン電圧0Vのときの値の1/2にまで減少するドレイン電圧値をV(V)、二次元電子ガスのシートキャリア密度をN(/cm)、ゲート長をL(cm)、フィールドプレート長をLfp(cm)、浅いアクセプタ濃度をN(/cm)、深いアクセプタ濃度をNDA(/cm)、真空誘電率をε、前記窒化物半導体層の比誘電率をεとしたとき、下記式(1)および(11)を満たす、窒化物半導体デバイス。
    <q(N+NDA)・L /2εε・・・(1)
    /(N+NDA)<(N+NDA)・(L+Lfp・・・(11)
  12. 下記式(3)および(12)を満たす、請求項11に記載の窒化物半導体デバイス。
    q(N+NDA)・L /2εε<1.2V・・・(3)
    (N+NDA)・(L+Lfp<1.2N /(N+NDA)・・・(12)
  13. 前記ゲート長Lが0.5μm以下であり、前記フィールドプレート長Lfpが0.5μm以下であり、デバイスの最大定格電圧が50V以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の窒化物半導体デバイス。
  14. 前記窒化物半導体層には、C、Be、Cd、Ca、Cu、Ag、Au、Sr、Ba、Li、Na、K、Sc、Zr、Fe、Co、Ni、Mg、ArおよびHeからなる群から選択される少なくとも一種の不純物がドープされることによって深いアクセプタ準位が形成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の窒化物半導体デバイス。
  15. 電子走行層、および前記電子走行層に接し、前記電子走行層とは異なる組成を有する電子供給層を含む窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層上のゲート、ソースおよびドレインと、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続された前記窒化物半導体層上のフィールドプレートとを含み、
    前記電子走行層の少なくとも一部に炭素が含有されており、当該炭素の濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3であり、
    前記電子走行層は、前記電子走行層と前記電子供給層との界面を形成する第1領域と、前記界面から50nm以上離れた部分に形成された第2領域とを含み、
    前記第2領域の炭素濃度が1×10 18 cm −3 〜1×10 19 cm −3 であり、前記第1領域の炭素濃度が1×10 17 cm −3 以下であり、
    浅いドナー濃度をN (/cm )、深いドナー濃度をN DD (/cm 浅いアクセプタ濃度をN (/cm )、深いアクセプタ濃度をN DA (/cm )としたとき、
    前記電子走行層の前記第2領域のN +N DA −N −N DD が、4×10 16 cm −3 〜8×10 16 cm −3 である、窒化物半導体デバイス。
  16. 電子走行層、および前記電子走行層に接し、前記電子走行層とは異なる組成を有する電子供給層を含む窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層上のゲート、ソースおよびドレインと、
    前記ゲートまたは前記ソースに電気的に接続され、絶縁膜を介して前記窒化物半導体層上に配置されたフィールドプレートとを含み、
    ゲート長Lが0.6μm以下であり、
    前記電子走行層の少なくとも一部に炭素が含有されており、当該炭素の濃度が1×1018cm−3以上であり、
    前記フィールドプレート下の前記絶縁膜の厚さをd(nm)、当該絶縁膜の比誘電率をεとしたとき、d/ε≦14を満たす、窒化物半導体デバイス。
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