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JP6665732B2 - 静電気抑制装置、静電気抑制方法 - Google Patents
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JP6665732B2 - 静電気抑制装置、静電気抑制方法 - Google Patents

静電気抑制装置、静電気抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に搭載されて、運転者の身体に発生した静電気を抑制する技術に関する。
従来、一般的な車両では、運転者の身体とシートとの擦れや、ステアリングとの擦れなどによって、運転者の身体に静電気が発生(帯電)することがある。このように身体に静電気が発生した状態で運転者が車両から降りてしまうと、ドアハンドルや他者の指先などの導電体に触れる際に、これらと運転者の指先との間で放電が行われることがある。このような放電が行われると、運転者は指先に衝撃を受けることとなり、運転者に不快感を与えてしまう。
近年では、運転者の身体に発生した静電気を抑制するために、静電気除去用のキーホルダーやアクセサリーなどの携帯型の静電気除去器が提案されている。もっとも、これらはアースされておらず、導電膜などを通して徐々に空気中に放電を行うだけであるため、静電気除去の効果は小さい。
そこで、特許文献1には、静電霧化装置を車両に設ける技術が開示されている。この技術は、静電霧化装置から帯電した微粒子を車室内に放出することによって、この微粒子を運転者に付着させ、その結果、運転者の身体に発生した静電気を中和することを目的としている。
特開2010−6177号公報
しかし、上述の静電霧化装置を利用する技術では、運転者の身体に発生した静電気を一時的には抑制することはできるものの、運転者が降車するタイミングでは適切に抑制することができないという問題があった。すなわち、上述の静電霧化装置は、運転者の手動によって静電霧化装置の起動および停止が行われることから、半ば運転者の気分による無作為な期間に微粒子が放出されることとなる。このため、運転者が降車するタイミングで静電気を抑制するための適切な態様では、微粒子が放出されないという問題があった。
この発明は、従来技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、運転者の身体に発生した静電気を降車するタイミングで適切に抑制する技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の静電気抑制装置は、車両の運転者の身体に発生した静電気を除去する静電気抑制部と、運転者が車両から降りる降車タイミングを推定する降車タイミング推定部と、静電気抑制部が静電気を除去するために要する除去時間を予め記憶する除去時間記憶部とを備え、静電気抑制部は、降車タイミング推定部が推定した降車タイミングまでの時間が除去時間となると静電気の除去を開始する。
車両の運転者の身体に静電気が発生すると、運転者が降車した後に、ドアハンドルや他者の指先などの導電体と運転者の指先との間で放電が行われることとなり、運転者に不快感を与えてしまう。この点、本発明の静電気抑制装置は、運転者の降車タイミングを推定し、この降車タイミングまでの時間が予め記憶された除去時間となると静電気の除去を開始するので、運転者の身体に発生する静電気を運転者が降車するタイミングで除去することができる。この結果、上述の不快感を与えてしまうことを抑えることが可能となる。
本実施例の静電気抑制装置100の大まかな内部構成を示す説明図である。 本実施例の帯電量センサー101の設置位置を示す説明図である。 本実施例の帯電微粒子水発生器110の大まかな内部構成を示す説明図である。 本実施例の静電気抑制装置100が実行する除去開始タイミング決定処理のフローチャートである。 本実施例の降車タイミング推定テーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の静電気抑制装置100が実行する静電気除去処理のフローチャートである。 変形例1の静電気抑制装置300の大まかな内部構成を示す説明図である。 変形例1の静電気抑制装置300が実行する静電気抑制処理のフローチャートである。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の「静電気抑制装置100」の大まかな構成が示されている。静電気抑制装置100は、車両1に設けられており、後述する帯電微粒子水発生器110を駆動することによって、車両1の運転者の身体に発生した静電気を除去(抑制)する装置である。
図1に示すように、静電気抑制装置100は、帯電量センサー101と、湿度センサー102と、GNSS受信部103と、除去時間決定部106と、降車タイミング推定部107と、除去開始タイミング決定部108と、除去制御部109と、帯電微粒子水発生器110とを備えている。尚、これらのうち、図中太枠で囲まれた4つの「部」(除去時間決定部106、降車タイミング推定部107、除去開始タイミング決定部108、除去制御部109)は、静電気抑制装置100の一部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、物理的に4つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組み合わせることによって実現することもできる。
GNSS受信部103は、衛星航法用の人工衛星(航法衛星)から送信される電波信号を受信する。降車タイミング推定部107は、GNSS受信部103が受信した電波信号に基づいて車両1の位置(自車位置)を検出し、検出した自車位置に基づいて、運転者が車両1から降車するタイミング(降車タイミング)を推定する。
帯電量センサー101は、運転者の身体に発生した静電気の量、すなわち、「帯電量」を検出するためのセンサーである。帯電量センサー101(少なくとも、帯電量を検出する際に運転手に接触させるプローブ部分)は、図2にハッチングで示すように、ステアリングSのステアリングホイールSH、すなわち、車両1を運転中に運転者の手(指先)が接触する部分に設けられている。また、湿度センサー102は、車両1の車室内の湿度を検出するためのセンサーである。湿度センサー102としては、抵抗変化型や容量変化型などの種々のセンサーを採用することができる。除去時間決定部106は、帯電量センサー101が検出した帯電量と、湿度センサー102が検出した車室内の湿度とに基づいて、帯電微粒子水発生器110を駆動する時間である「除去時間」を決定する。尚、この「除去時間」は、運転者が車両1から降車するに際して、運転者から静電気を除去するために必要な時間であると捉えることもできる。
除去開始タイミング決定部108は、「降車タイミング」から「除去時間」だけ遡ったタイミングを帯電微粒子水発生器110の駆動を開始する「除去開始タイミング」として決定する。尚、この「除去開始タイミング」は、静電気の除去を開始するタイミングであると捉えることもできる。
除去制御部109は、「除去開始タイミング」が到来すると帯電微粒子水発生器110の駆動を開始することで静電気の除去を開始する。また、除去制御部109は、帯電微粒子水発生器110の駆動中は、帯電量センサー101が検出する帯電量を監視しており、この帯電量が所定値A未満になると、帯電微粒子水発生器110の駆動を停止することで静電気の除去を終了する。
図3には、本実施例の帯電微粒子水発生器110の構成が示されている。本実施例の帯電微粒子水発生器110は、放電極201と、該放電極201の先端に形成された放電部201aと対向する対向電極202(図中クロスハッチング部分)と、放電部201aに水を供給するペルチェユニット203とを備えており、放電部201a(放電極201)と対向電極202との間に高電圧を印加してコロナ放電を起こすことで、ペルチェユニット203により放電部201aに供給された水を静電霧化して帯電微粒子水を発生させるものである。
ペルチェユニット203においては、一対のペルチェ回路板204が互いの回路側を対向するように設けられている。そして、隣同士を電気的に接続された多数の熱電素子205を、一対のペルチェ回路板204間に挟持させている。一方(冷却側)のペルチェ回路板204の外側には高熱伝導性及び高耐電性の高い冷却用絶縁板206を接続してあり、他方(放熱側)のペルチェ回路板204の外側には高熱伝導性の放熱板207を接続している。このため、熱電素子205への通電が行われると、一方(冷却側)のペルチェ回路板204側から他方(放熱側)のペルチェ回路板204側に向けて熱が移動する。
ペルチェユニット203には、筒状の支持枠208の一端側が連結されており、支持枠208の他端には、対向電極202が設けられている。これによって、放電極201と対向電極202とを所定間隔を隔てて互いに対向させている。支持枠208の内周面からはその内部空間を放電空間S1と封止空間S2とに隔てる隔壁209が延設されており、この隔壁209の中央には放電空間S1と封止空間S2とを連通する連通孔210が穿設されている。放電極201は、連通孔210に挿入されており、その放電部201a側は放電空間S1内に位置し、反対側は封止空間S2内に位置している。
このように構成された帯電微粒子水発生器110において、熱電素子205に対して通電を行うと、各熱電素子205内において同一方向への熱の移動が生じ、冷却用絶縁板206を介して放電極201が冷却され、放電空間S1内において放電極201の周囲の空気が冷却される。これによって、空気中の水分が液化されて放電極201表面に水が生成される。そして、放電極201の放電部201aに水が保持された状態で、放電極201と対向電極202との間に高電圧を印加すると、放電部201aに保持される水がレイリー分裂を起こし、ナノメータサイズ(例えば10〜30ナノメータ)の帯電微粒子水が発生する。この帯電微粒子水は、放電極201と対向して位置する対向電極202に向けて移動し、対向電極202の中央穴211を通過して帯電微粒子水発生器110の外部(車室内)へと放出される。尚、マイナスに帯電した帯電微粒子水を発生させる場合は、放電電極12にDC−5kVを印加し、プラスに帯電した帯電微粒子水を発生させる場合は、DC+5kVを印加する。
図1を用いて前述した除去制御部109は、放電部201aおよび対向電極202間への電圧の印加と、ペルチェユニット203の熱電素子205への通電とを行うことによって、帯電微粒子水発生器110を駆動させる(帯電微粒子を放出させる)。また、除去制御部109は、放電部201aおよび対向電極202間への電圧の印加と、ペルチェユニット203の熱電素子205への通電とを停止することによって、帯電微粒子水発生器110の駆動を停止させる(帯電微粒子の放出を停止させる)。
尚、本実施例の帯電微粒子水発生器110は本発明における「静電気抑制部」に相当し、除去時間決定部106は本発明における「除去時間記憶部」および「除去時間決定部」に相当し、帯電量センサー101は本発明における「帯電量検出部」に相当する。
B.除去開始タイミング決定処理 :
以下では、本実施例の静電気抑制装置100によって実行される除去開始タイミング決定処理について説明する。図4には、静電気抑制装置100によって実行される除去開始タイミング決定処理のフローチャートが示されている。この処理は、帯電微粒子水発生器110の駆動を開始する「除去開始タイミング」を決定する処理であり、タイマ割り込み処理として(例えば、1秒毎に)実行される。
静電気抑制装置100は、除去開始タイミング決定処理を開始すると、(図1に示す降車タイミング推定部107が)運転者が車両1から降車する「降車タイミング」を推定する処理を行う(S101〜S103)。すなわち、先ず、GNSS受信部103が受信した電波信号に基づいて、車両1の位置(自車位置)を検出する(S101)。続いて、検出した自車位置が「降車タイミング推定テーブル」に登録された位置であるか否かを判断する(S102)。「降車タイミング推定テーブル」とは、過去に運転者が車両1から降車したタイミング(過去の「降車タイミング」)に基づいて、今回の「降車タイミング」を推定するためのテーブルである。「降車タイミング推定テーブル」は、例えば、書き換え可能な不揮発性の記憶部に記憶されている。以下では、この「降車タイミング推定テーブル」について更に詳しく説明する。
図5には、本実施例の「降車タイミング推定テーブル」が概念的に示されている。このテーブルには、過去に車両1が所定位置に存在した際、その後、どのくらいの時間を経て運転者が車両1から降車したかが記憶されている。例えば、図5に示すように、車両1が位置P1に存在した場合は5分後に車両1から降車したことが記憶されており、車両1が位置P2に存在した場合は3分後に車両1から降車したこと、車両1が位置P3に存在した場合は7分後に車両1から降車したこと、車両1が位置P4に存在した場合は3分後に車両1から降車したことが記憶されている。
このような「降車タイミング推定テーブル」の構築は、次のように行われる。例えば、自車位置を定期的に記憶しておき、運転者が車両1から降車したことを検出したら、所定時間T(例えば、3分〜10分)だけ過去に遡った自車位置を読み出し、この「所定時間Tだけ前に遡った自車位置」と「所定時間T」とを対応付けて記憶する。これによって、「所定時間Tだけ前に遡った自車位置」に車両1が存在した場合は所定時間T経過後に運転者が車両1から降車したことが記憶されることとなる。尚、運転者が車両1から降車したことの検出は、例えば、車両1のエンジンが停止した場合や、車両1のイグニッションスイッチがOFFになった場合、運転者の携帯機器(例えば、無線通信方式の鍵)との通信が成立しなくなった場合などに行われる。
図4に示すS102の処理では、上述のような「降車タイミング推定テーブル」に今回検出した自車位置が記憶(登録)されているか否かを判断する。その結果、今回検出した自車位置が記憶(登録)されている場合は(S102:yes)、この自車位置に対応付けて記憶された時間を「降車タイミング」として取得する(S103)。例えば、今回検出した自車位置が位置P1であれば、「5分後」を「降車タイミング」として取得する。こうすることによって、今回の自車位置に対応する「降車タイミング」が推定されることとなる。
こうして「降車タイミング」を推定したら(S103)、続いて、帯電量センサー101から現在の運転者の帯電量(運転者の身体に発生した静電気量)を取得する(S104)。加えて、湿度センサー102から現在の車室内の湿度を取得する(S106)。本実施例の静電気抑制装置100は、運転者の身体に発生した静電気を除去することを目的としているが、静電気の除去に要する時間は、湿度によっても変化する。そこで、S106の処理では、現在の車室内の湿度を取得する。
こうして、「運転者の帯電量」を取得すると共に(S104)、「車室内の湿度」を取得したら(S106)、これらに基づいて、「除去時間」、すなわち、車両1から降車する運転者から静電気を除去すべく帯電微粒子水発生器110を駆動させる時間を決定する(S108)。例えば、複数種類の「運転者の帯電量」および「車室内の湿度」のそれぞれに対応付けて、「除去時間」を予め記憶しておき、今回の「運転者の帯電量」および「車室内の湿度」に対応する「除去時間」を今回の「除去時間」として決定する。あるいは、今回の「運転者の帯電量」および「車室内の湿度」、帯電微粒子水発生器110の仕様(例えば、単位時間あたりの帯電微粒子水の放出量)に基づいて、「除去時間」を演算することによって求めてもよい。
こうして「除去時間」を決定したら(S108)、S103で推定した「降車タイミング」から「除去時間」だけ遡ったタイミングを帯電微粒子水発生器110の駆動を開始する「除去開始タイミング」として決定する(S109)。
以上のように本実施例の静電気抑制装置100では、「運転者の帯電量」および「車室内の湿度」を取得し、これらに基づいて「除去時間」を決定する。また、「降車タイミング」を推定して、「降車タイミング」で静電気が適切に除去できるように(理想的には降車タイミングで帯電量が0になるように)、「降車タイミング」から「除去時間」だけ遡ったタイミングを「除去開始タイミング」とする。
C.静電気除去処理 :
次に、本実施例の静電気抑制装置100によって実行される静電気除去処理について説明する。図6には、静電気抑制装置100によって実行される静電気除去処理のフローチャートが示されている。この処理は、運転者の身体に発生した静電気を除去すべく、帯電微粒子水発生器110の駆動を制御する処理であり、タイマ割り込み処理として(例えば、図4を用いて前述した除去開始タイミング決定処理の後から静電気の除去を終了するまで定期的に)実行される。
静電気抑制装置100は、静電気除去処理を開始すると、帯電微粒子水発生器110の駆動が停止中であるか否かを判断する(S201)。その結果、帯電微粒子水発生器110の駆動が停止中である場合は(S201:yes)、「除去開始タイミング」が到来したか否かを判断する(S202)。すなわち、図4の除去開始タイミング決定処理で決定した「除去開始タイミング」が到来したか否かを判断する(S202)。その結果、除去開始タイミングが到来した場合は(S202:yes)、帯電微粒子水発生器110の駆動を開始することで、静電気の除去を開始する(S203)。
一方、S201の判断処理で、帯電微粒子水発生器110が既に駆動中であると判断した場合は(S201:no)、帯電量センサー101から帯電量(運転者の身体に発生した静電気量)を取得する(S204)。そして、取得した帯電量が所定値A未満になったか否かを判断する(S205)。その結果、帯電量が所定値A未満になった場合は(S205:yes)、帯電微粒子水発生器110の駆動を停止する。すなわち、帯電微粒子水発生器110の駆動中は、帯電量を監視しており、この帯電量が所定値A未満になると、帯電微粒子水発生器110の駆動を停止することで静電気の除去を終了する。
以上のように、本実施例の静電気抑制装置100は、「降車タイミング」を推定し、この「降車タイミング」に基づいて静電気の除去を開始する。詳しくは、「降車タイミング」で静電気が適切に除去できるように(理想的には降車タイミングで帯電量が0になるように)、「降車タイミング」から「除去時間」だけ遡ったタイミングを「除去開始タイミング」とする。従って、運転者の身体に発生した静電気を運転者が降車するタイミングで適切に除去することができる。この結果、ドアハンドルや他者の指先などの導電体と運転者の指先との間で放電が行われることを防止することができ、運転者に不快感を与えてしまうことを防止することができる。また、帯電微粒子水発生器110の駆動は「降車タイミング」前の「除去時間」に亘って行われるだけなので、消費電力を抑えることができる。
また、本実施例の静電気抑制装置100では、帯電微粒子水発生器110の駆動中は、帯電量を監視しており、この帯電量が所定値A未満になると、帯電微粒子水発生器110の駆動を停止することで静電気の除去を終了する。これによって、運転者に帯電微粒子水が過剰に付着することを防止することができ、ひいては、帯電微粒子水が過剰に付着することによって帯電してしまうことを防止することができる。
ここで、静電気の帯電量は、同一人物の身体であっても、一様には帯電しないことが多く、例えば、指先と足先とでは帯電量が異なることが多い。この点、本実施例の静電気抑制装置100では、帯電量センサー101(少なくとも、帯電量を検出する際に運転手に接触させるプローブ部分)は、図2にハッチングで示すように、ステアリングSのステアリングホイールSH、すなわち、車両1を運転中に運転者の手(指先)が接触する部分に設けられている。つまり、運転者の手(指先)の帯電量に対応させて「除去時間」が決定されるので、運転者の手(指先)の帯電量が0に近付くように静電気を除去することができる。この結果、上述の不快感を運転者に与えてしまうことを更に適切に防止することができる。
D.変形例 :
次に、本発明の変形例について説明する。
D−1.変形例1 :
上述した実施例では、本発明における「静電気抑制部」として、帯電微粒子水発生器110を採用したが、運転手の身体に発生した静電気を除去(抑制)できるものであれば、これに限らない。例えば、本発明における「静電気抑制部」として、カーエアコンユニットなどの車室内の温度を調節する構成を採用することとしてもよい。つまり、静電気は、車室内の湿度が低い場合よりも高い場合の方が発生し難い。そして、車室内の湿度を高くするには、車室内の温度を低くすればよい。そこで、変形例1では、「降車タイミング」が近付いた場合に、車室内の温度を低くすることで湿度を高くし、これによって、静電気の発生を抑制する。尚、このとき、車室内の温度が低くなり過ぎると、それによって、運転者に不快感を与えてしまうので、車室内の温度が所定温度未満にならないようにする。
図7には、本実施例の「静電気抑制装置300」の大まかな構成が示されている。図7に示すように、静電気抑制装置300は、温度センサー301と、湿度センサー302と、GNSS受信部303と、温度変更判定部304と、降車タイミング推定部305と、抑制開始タイミング決定部306と、抑制制御部307と、カーエアコンユニット308とを備えている。尚、これらのうち、図中太枠で囲まれた4つの「部」(温度変更判定部304、降車タイミング推定部305、抑制開始タイミング決定部306、抑制制御部307)は、静電気抑制装置300の一部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、物理的に4つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組み合わせることによって実現することもできる。
GNSS受信部303は、衛星航法用の人工衛星(航法衛星)から送信される電波信号を受信する。降車タイミング推定部305は、GNSS受信部303が受信した電波信号に基づいて車両1の位置(自車位置)を検出し、検出した自車位置に基づいて、運転者が車両1から降車するタイミング(降車タイミング)を推定する。
抑制開始タイミング決定部306は、「降車タイミング」よりも所定時間(例えば、1〜10分)前のタイミングをカーエアコンユニット308の設定温度を引き下げるタイミング(抑制開始タイミング)として決定する。
温度センサー301は、車両1の車室内の温度を検出するためのセンサーであり、湿度センサー302は、車両1の車室内の湿度を検出するためのセンサーである。温度変更判定部304は、上述の「抑制開始タイミング」が到来すると、温度センサー301から取得した車室内の温度と、湿度センサー302から取得した車室内の湿度に基づいて、カーエアコンユニット308の設定温度を引き下げるか否かを判定する。
抑制制御部307は、「抑制開始タイミング」が到来した際に温度変更判定部304がカーエアコンユニット308の設定温度を引き下げると判定すると、カーエアコンユニット308の設定温度を引き下げる。当然ながら、カーエアコンユニット308(詳しくはエアコンECU)は、設定温度が引き下げられると、コンプレッサやブロワなどを作動させて、車室内の温度を低下させる。
尚、カーエアコンユニット308は周知の構成であるので、その詳しい説明については省略する。また、温度変更判定部304、降車タイミング推定部305、抑制開始タイミング決定部306、抑制制御部307の一部または全部の機能をカーエアコンユニット308のエアコンECUが担う構成としてもよい。また、変形例2のカーエアコンユニット308は本発明における「静電気抑制部」に相当する。
図8には、静電気抑制装置300によって実行される静電気抑制処理のフローチャートが示されている。この処理は、カーエアコンユニット308の設定温度を引き下げることによって静電気を抑制する処理であり、タイマ割り込み処理として(例えば、1秒毎に)実行される。
静電気抑制装置300は、静電気抑制処理を開始すると、図4を用いて前述したS101〜S103の処理と同様に、(図7に示す降車タイミング推定部107が)運転者が車両1から降車する「降車タイミング」を推定する処理を行う(S301〜S303)。そして、降車タイミングを推定したら、降車タイミングより所定時間(例えば1〜10分)前のタイミングを「抑制開始タイミング」として決定する(S304)。
また、静電気抑制処理では、S304で決定された「抑制開始タイミング」が到来したか否かの判断も行う(S305)。そして、「抑制開始タイミング」が到来した場合は(S305:yes)、温度センサー301から車室内の温度を取得すると共に(S306)、湿度センサー302から車室内の湿度を取得する(S307)。そして、取得した車室内の温度および湿度に基づいて、カーエアコンユニット308の設定温度を引き下げるか否かを判定する(S308)。すなわち、車室内の温度を引き下げることによって湿度が高くなり、静電気を抑制することができるものの、車室内の温度が所定値B(例えば、25℃)未満である場合に更に温度を引き下げると、運転者の体感温度が低くなり過ぎて運転者に不快感を与えてしまう虞がある。同様に、車室内の湿度が所定値C(例えば、80%)以上である場合に更に湿度が高くなると、運転者の体感湿度が高くなり過ぎて運転者に不快感を与えてしまう虞がある。また、車室内の湿度が所定値C以上である場合はそもそも静電気の発生量が少ない可能性が高い。そこで、S308の処理では、車室内の温度が所定値B以上であり、車室内の湿度が所定値C未満である場合に、設定温度を引き下げると判断することとしている。そして、設定温度を引き下げると判断した場合は(S308:yes)、カーエアコンユニット308の設定温度の引き下げる(S309)。
以上のように、変形例1の静電気抑制装置300では、「降車タイミング」を推定し、この「降車タイミング」に基づいて静電気の抑制を開始する。従って、運転者の身体に発生する静電気を運転者が降車するタイミングで抑制することができる。この結果、ドアハンドルや他者の指先などの導電体と運転者の指先との間で放電が行われることを抑制することができ、運転者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。帯電微粒子水発生器などの特別な装置を設けることなく、車室内の温度を低下させるだけで、静電気を抑制することができるので、生産性やメンテナンス性に優れる。
D−2.変形例2 :
上述した実施例および変形例1では、自車位置に基づいて「降車タイミング」を推定することとしたが、これに限らず種々の推定方法を採用することができる。例えば、イグニッションスイッチがOFFになった場合は「降車タイミング」の直前のタイミングである可能性が高い。そこで、イグニッションスイッチがOFFになった直後(例えば、5秒〜1分後)を「降車タイミング」と推定し、イグニッションスイッチがOFFになったことを契機として、上述した静電気の除去や抑制を開始することとしてもよい。
そして、変形例2において、車室内の温度を引き下げることによって(湿度を高くすることによって)静電気を抑制する場合は、次の様な構成としてもよい。すなわち、車室内の湿度が所定値C以上である場合は更に湿度が高くなると、運転者の体感湿度が高くなり過ぎて運転者に不快感を与えてしまう虞がある。また、車室内の湿度が所定値C以上である場合はそもそも静電気の発生量が少ない可能性が高い。そこで、車室内の湿度が所定値C以上である場合は、車室内の温度の引き下げ(湿度を高くすること)は行わないこととしてもよい。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
例えば、上述した実施例または変形例において、静電気抑制装置100または静電気抑制装置300の一部または全部は、カーエアコンユニットの一部として提供されるものであってもよい。
また、上述した実施例においては、「降車タイミング決定テーブル」の記憶内容は、運転者によって登録されるものであってもよい。例えば、運転者がナビゲーション装置の操作部を操作することによって、自宅周辺の位置(降車位置の周辺の位置)と、その位置から自宅までの所要時間とが対応付けて記憶されるものであってもよい。
また、上述した実施例においては、運転者がプラスまたはマイナスの何れに帯電しているかを判断し、プラスに帯電している場合はマイナスに帯電した帯電微粒子を発生させ、マイナスに帯電している場合はプラスに帯電した帯電微粒子を発生させることとしてもよい。こうすると、更に適切に静電気を除去することが可能となる。
1…車両、 100…静電気抑制装置、 101…帯電量センサー、
106除去時間決定部、 107…降車タイミング推定部、
108…除去開始タイミング決定部、 109…除去制御部、
110…帯電微粒子水発生器、 300…静電気抑制装置、
301…温度センサー、 302…湿度センサー、
304…温度変動判定部、 305…降車タイミング推定部、
306…抑制開始タイミング決定部、 307…抑制制御部、
308…カーエアコンユニット。

Claims (4)

  1. 車両(1)に設けられ、前記車両の運転者の身体に発生した静電気を抑制する静電気抑制装置(100、300)であって、
    前記静電気を除去する静電気抑制部(110、308)と、
    前記運転者が前記車両から降りる降車タイミングを推定する降車タイミング推定部(107、305)と、
    前記静電気抑制部が前記静電気を除去するために要する除去時間を予め記憶する除去時間記憶部(106)と
    を備え、
    前記静電気抑制部は、前記降車タイミング推定部が推定した前記降車タイミングまでの時間が前記除去時間となると、前記静電気の除去を開始する
    ことを特徴とする静電気抑制装置。
  2. 車両(1)に設けられ、前記車両の運転者の身体に発生した静電気を抑制する静電気抑制装置(100、300)であって、
    前記静電気を除去する静電気抑制部(110、308)と、
    前記運転者が前記車両から降りる降車タイミングを推定する降車タイミング推定部(107、305)と、
    前記静電気抑制部が前記静電気を除去するために要する除去時間を決定する除去時間決定部(106)と
    を備え、
    前記静電気抑制部は、前記降車タイミング推定部が推定した前記降車タイミングまでの時間が前記除去時間となると、前記静電気の除去を開始する
    ことを特徴とする静電気抑制装置。
  3. 請求項2に記載の静電気抑制装置であって、
    前記静電気の量を検出する帯電量検出部(101)を備え、
    前記除去時間決定部は、前記帯電量検出部が検出した前記静電気の量に基づいて、前記除去時間を決定する
    ことを特徴とする静電気抑制装置。
  4. 請求項3に記載の静電気抑制装置であって、
    前記帯電量検出部は、前記車両のステアリング(S)に設けられている
    ことを特徴とする静電気抑制装置
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