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JP6665838B2 - インダクタ部品 - Google Patents
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Description

本発明は、インダクタ部品に関する。
従来、インダクタ部品としては、特開2013−98356号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このインダクタ部品は、素体と、素体内に設けられたコイルと、素体に埋め込まれコイルに電気的に接続された外部電極とを有する。外部電極は、素体の端面と底面に渡って設けられている。
特開2013−98356号公報
ところで、本願発明者は、前記従来のようなインダクタ部品を製造して使用しようとすると、素体に割れや欠けが発生するおそれがあることを見出した。この現象について鋭意検討した結果、素体の割れや欠けは、素体に埋め込まれる外部電極の量に起因することがわかった。具体的に述べると、外部電極の埋め込み量が多いと、外部電極と素体の膨張率や弾性率の差により生じる素体の内部応力が増加する。このため、製造時や使用時に熱的応力が加わり、また、実装時に機械的応力が加わると、素体に割れや欠けが発生するおそれがある。
そこで、本開示の課題は、素体の割れや欠けの発生を抑制したインダクタ部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるインダクタ部品は、
互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面の間に接続された底面と、を含む素体と、
前記素体内に設けられ、前記第1端面、前記第2端面および前記底面に対する垂直面上において平面状に巻回されたコイル導体層を含むコイルと、
少なくとも前記底面から露出するように前記素体に埋め込まれ、前記コイルに電気的に接続された第1外部電極および第2外部電極と
を備え、
前記第1外部電極は、前記垂直面の直交方向に延伸する端縁を有し、前記端縁は、凹凸状に形成されている。
この明細書において、底面とは、第1外部電極、第2外部電極の両方が露出する面であり、インダクタ部品を実装基板に実装する際の実装面である。
本開示のインダクタ部品によれば、第1外部電極は、素体の底面に埋め込まれ、凹凸状の端縁を有するので、端縁が直線である場合に比べて、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、第1外部電極と素体の膨張率や弾性率の差により生じる素体の内部応力が低減される。したがって、製造時や使用時に熱的応力が加わり、また、実装時に機械的応力が加わっても、素体の割れや欠けの発生が抑制される。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記第1外部電極は、前記第1端面から前記底面にかけて露出している。
前記実施形態によれば、第1外部電極は、第1端面から底面にかけて露出しているので、端面でのはんだフィレット形成により、インダクタ部品の固着力が向上する。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記端縁は、少なくとも前記底面において露出する第1端縁および前記第1端面において露出する第2端縁のうちのいずれかである。
前記実施形態によれば、端縁は、第1端縁および第2端縁のうちのいずれかであるので、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、素体の内部応力が低減され、素体の割れや欠けの発生が抑制される。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記端縁は、前記第1端縁および前記第2端縁の両方である。
前記実施形態によれば、端縁は、第1端縁および第2端縁の両方であるので、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が一層低減される。これにより、素体の内部応力が一層低減され、素体の割れや欠けの発生が一層抑制される。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記第1外部電極は、前記底面に沿って延伸する第1部分と、前記端面に沿って延伸する第2部分とを有する。
前記実施形態によれば、第1外部電極は、底面に沿って延伸する第1部分と、端面に沿って延伸する第2部分とを有するので、コイル導体層を形成する領域を拡大でき、また、コイル導体層と第1外部電極間の寄生容量を低減してQ値を向上できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記第1部分の厚みは、前記第2部分の厚みよりも、薄い。
前記実施形態によれば、第1部分の厚みは、第2部分の厚みよりも、薄いので、第1部分の厚みが、第2部分の厚みと同じである場合に比べて、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、素体の内部応力が低減され、素体の割れや欠けの発生が抑制される。特に、第1外部電極の底面の第1部分の厚みが薄いので、実装時に素体の底面に加わる応力が低減される。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記第1端縁の凹部の深さは、20μm以上である。
前記実施形態によれば、第1端縁の凹部の深さは、20μm以上であるので、外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、素体の内部応力が低減され、素体の割れや欠けの発生が抑制される。また、凹部の底と素体の外面とを外部電極を避けて最短で結ぶ直線の距離が大きくなって、この直線に沿った素体の割れを低減できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、前記端縁の凹部の深さは、前記第1外部電極の前記端縁の延伸方向に直交する方向の大きさの半分以上である。
前記実施形態によれば、端縁の凹部の深さは、第1外部電極の端縁の延伸方向に直交する方向の大きさの半分以上であるので、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、素体の内部応力が低減され、素体の割れや欠けの発生が抑制される。また、凹部の底と素体の外面とを第1外部電極を避けて最短で結ぶ直線の距離が大きくなって、この直線に沿った素体の割れを防止できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1外部電極は、前記垂直面および前記垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層と、前記複数の外部電極導体層の隣接する2つを接続する層間外部電極導体層と、を含み、
前記層間外部電極導体層が、前記外部電極導体層よりも小さいことにより、前記端縁の凹凸状が形成されている。
前記実施形態によれば、第1外部電極は、複数の外部電極導体層と、複数の外部電極導体層の隣接する2つを接続する層間外部電極導体層と、を含むので、第1外部電極の接続信頼性を向上できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1外部電極は、前記垂直面および前記垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層を含み、
前記複数の外部電極導体層の隣接する2つが分離溝によって分離されることにより、前記端縁の凹凸状が形成されている。
前記実施形態によれば、複数の外部電極導体層の隣接する2つが分離溝によって分離されることにより、端縁の凹凸状が形成されているので、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、素体の内部応力が低減され、素体の割れや欠けの発生が抑制される。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面の間に接続された底面と、を含む素体と、
前記素体内に設けられ、前記第1端面、前記第2端面及び前記底面に対する垂直面上において平面状に巻回されたコイル導体層を含むコイルと、
少なくとも前記底面から露出するように前記素体に埋め込まれ、前記コイルに電気的に接続された第1外部電極および第2外部電極と
を備え、
前記第1外部電極は、前記底面に沿って延伸する第1部分と、前記端面に沿って延伸する第2部分とを有し、前記第1部分の厚みは、前記第2部分の厚みよりも、薄い。
前記実施形態によれば、第1部分の厚みは、第2部分の厚みよりも、薄いので、第1部分の厚みが、第2部分の厚みと同じである場合に比べて、第1外部電極の素体に埋め込まれる量が低減される。これにより、第1外部電極と素体の膨張率や弾性率の差により生じる素体の内部応力が低減される。したがって、製造時や使用時に熱的応力が加わり、また、実装時に機械的応力が加わっても、素体の割れや欠けの発生が抑制される。
本開示の一態様であるインダクタ部品によれば、素体の割れや欠けの発生を抑制できる。
インダクタ部品の第1実施形態を示す透視斜視図である。 インダクタ部品の分解平面図である。 インダクタ部品の底面図である。 インダクタ部品の端面図である。 インダクタ部品の第2実施形態を示す断面図である。 インダクタ部品の第3実施形態を示す底面図である。 インダクタ部品の第4実施形態を示す底面図である。 インダクタ部品の第4実施形態を示す端面図である。 インダクタ部品の第4実施形態を示す断面図である。 第1外部電極の第1部分の厚みと素体の内部応力との関係を示すグラフである。 外部電極の他の形態を示す断面図である。
以下、本開示の一態様を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、インダクタ部品の一実施形態を示す透視斜視図である。図2は、インダクタ部品の分解平面図である。図1と図2に示すように、インダクタ部品1は、素体10と、素体10の内部に設けられた螺旋状のコイル20と、素体10に設けられコイル20に電気的に接続された第1外部電極30および第2外部電極40とを有する。図1では、素体10は、構造を容易に理解できるよう、透明に描かれているが、半透明や不透明であってもよい。
インダクタ部品1は、第1、第2外部電極30,40を介して、図示しない回路基板の配線に電気的に接続される。インダクタ部品1は、例えば、高周波回路のインピーダンス整合用コイル(マッチングコイル)として用いられ、パソコン、DVDプレーヤー、デジカメ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクス、医療用・産業用機械などの電子機器に用いられる。ただし、インダクタ部品1の用途はこれに限られず、例えば、同調回路、フィルタ回路や整流平滑回路などにも用いることもできる。
素体10は、複数の絶縁層11を有する。複数の絶縁層11は、積層方向Aに沿って積層される。絶縁層11は、例えば、硼珪酸ガラスを主成分とする材料や、フェライト、樹脂などの材料からなる。なお、素体10は、焼成などによって、複数の絶縁層11同士の界面が明確となっていない場合がある。
素体10は、略直方体状に形成されている。素体10の表面は、第1端面15と、第1端面15に対向する第2端面16と、第1端面15と第2端面16の間に接続された第1側面13、第2側面14、底面17および天面18とを有する。第1側面13と第2側面14は対向し、底面17と天面18は対向する。第1側面13と第2側面14は、積層方向Aに対向する。底面17は、インダクタ部品1を実装基板に実装する実装面となる。
コイル20は、例えば、Ag、Cu、Auやこれらを主成分とする合金などの導電性材料から構成される。コイル20は、絶縁層11の積層方向Aに沿って、螺旋状に巻き回されている。コイル20の軸は、素体10の底面17に平行となる。コイル20の軸とは、コイル20の螺旋状の中心軸を意味する。
コイル20は、絶縁層11上に平面状に巻回された複数のコイル導体層21を含む。なお、絶縁層11の主面は、第1端面15、第2端面16および底面17に対する垂直面となっている。このように、コイル20が微細加工可能なコイル導体層21で構成されることによりインダクタ部品1の小型化、低背化を図れる。積層方向Aに隣り合うコイル導体層21は、絶縁層11を厚み方向に貫通するビア導体層26を介して、電気的に直列に接続される。このように、複数のコイル導体層21は、互いに電気的に直列に接続されながら、螺旋を構成している。具体的には、コイル20は、互いに電気的に直列に接続され、巻回数が1周未満の複数のコイル導体層21が積層された構成を有し、コイル20はヘリカル形状である。このとき、コイル導体層21内で発生する寄生容量やコイル導体層21間で発生する寄生容量を低減でき、インダクタ部品1のQ値を向上させることができる。
コイル20の一端は、第1外部電極30に接続し、コイル20の他端は、第2外部電極40に接続している。なお、本実施形態では、コイル20と第1、第2外部電極30,40とは一体化されており、明確な境界は存在しないが、これに限られず、コイルと外部電極とが異種材料や異種工法で形成されることにより、境界が存在していても良い。
第1外部電極30および第2外部電極40は、例えば、Ag、Cu、Auやこれらを主成分とする合金などの導電性材料から構成される。第1外部電極30は、第1端面15と底面17に渡って設けられたL字形状である。第2外部電極40は、第2端面16と底面17に渡って設けられたL字形状である。第1外部電極30および第2外部電極40は、その表面が露出するように、素体10に埋め込まれている。
第1外部電極30は、素体10の底面17に沿って延在する第1部分31と、素体10の第1端面15に沿って延在する第2部分32とを有する。第1部分31は、底面17から露出するように素体10に埋め込まれている。第1部分31の露出面は、底面17と同一面に位置する。第2部分32は、第1端面15から露出するように素体10に埋め込まれている。第2部分32の露出面は、第1端面15と同一面に位置する。
第1外部電極30は、複数のL字形状の外部電極導体層33aおよび層間外部電極導体層33bを有する。複数の外部電極導体層33aおよび層間外部電極導体層33bは、素体10(絶縁層11)に埋め込まれている。層間外部電極導体層33bは、コイル導体層21と同一層の外部電極導体層33aよりも小さい。つまり、層間外部電極導体層33bは、第1、第2端面15,16に直交する方向の大きさ、および、底面17に直交する方向の大きさにおいて、外部電極導体層33aよりも小さい。
層間外部電極導体層33bと外部電極導体層33aは、積層方向Aに交互に積層される。つまり、素体10への埋め込み量の少ない層間外部電極導体層33bと素体10への埋め込み量の多い外部電極導体層33aとが、交互に配置される。
第2外部電極40は、第1外部電極30と同様に、底面17に埋め込まれる第1部分41と、第2端面16に埋め込まれる第2部分42とを有する。第2外部電極40は、第1外部電極30と同様に、外部電極導体層43aと層間外部電極導体層43bを有する。
このように、素体10内に第1、第2外部電極30,40を埋め込むことができるため、素体10に外部電極を外付けする構成に比べて、インダクタ部品1の小型化を図ることができる。また、コイル20と第1、第2外部電極30,40を同一工程で形成することができ、コイル20と第1、第2外部電極30,40との間の位置関係のばらつきを低減することで、インダクタ部品1の電気的特性のばらつきを低減することができる。
L字電極の第1、第2外部電極30,40は、コイル20の外周に対向して、コイル20の軸に重ならないので、コイル20の磁束は、第1、第2外部電極30,40により遮られる割合を低減でき、第1、第2外部電極30,40により発生する渦電流損が低減するため、コイル20のQ値の低下を抑えることができる。
図3Aは、インダクタ部品1の底面図を示す。図3Aに示すように、底面17において、第1外部電極30は、第1端面15に直交する方向の素体10の内側に位置し第1端面15に沿った第1端縁310を有する。つまり、第1部分31は、第1端面15と反対側に第1端縁310を有する。第1端縁310は、凹凸状に形成されている。複数の凹部310aが、第1端面15に沿って並列されている。つまり、第1端縁310の形状は、櫛形状である。図2に示すように、層間外部電極導体層33bが、外部電極導体層33aよりも小さいことにより、第1端縁310の凹凸状が形成されている。
したがって、第1外部電極30は、素体10の底面17に露出するように埋め込まれ、第1外部電極30は、凹凸状の第1端縁310を有するので、第1端縁310が直線である場合に比べて、第1外部電極30の素体10に埋め込まれる量が低減される。これにより、第1外部電極30と素体10の膨張率や弾性率の差により生じる素体10の内部応力が低減される。したがって、製造時(焼成など)や使用時(周囲環境など)に熱的応力が加わり、また、実装時(ハンダ実装など)に機械的応力が加わっても、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。
好ましくは、図3Aに示す第1端縁310の凹部310aの深さdは、20μm以上である。これによれば、第1外部電極30の素体10に埋め込まれる量が低減される。したがって、素体10の内部応力が低減され、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。
また、凹部310aの底と素体10の外面とを第1外部電極30を避けて最短で結ぶ直線Lの距離が大きくなって、この直線Lに沿った素体10の割れを防止できる。つまり、凹部310aの底付近に応力が集中しやすく、この部分が起点となって、直線L沿った素体10の割れが発生する可能性があるが、深さdが20μm以上となることで、直線Lの距離が大きくなるため、素体10の割れが素体10の外面にまで到達することを低減できる。
好ましくは、第1端縁310の凹部310aの深さdは、第1外部電極30の第1端縁310の延伸方向に直交する方向の大きさWの半分以上である。これによれば、第1外部電極30の素体10に埋め込まれる量が低減される。したがって、素体10の内部応力が低減され、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。また、素体10の割れが発生した場合であっても、割れが素体10の外面にまで到達することを低減できる。
図3Aに示すように、底面17において、第2外部電極40は、第2端面16に直交する方向の素体10の内側に位置し第2端面16に沿った第1端縁410を有する。第1端縁410は、凹凸状に形成されている。第2外部電極40の第1端縁410の構成は、第1外部電極30の第1端縁310と同様の構成である。したがって、第2外部電極40の素体10に埋め込まれる量が低減され、素体10の内部応力が低減される。好ましくは、第2外部電極40の第1端縁410の凹部410aの深さは、第1外部電極30の第1端縁310の凹部310aの深さdと同じである。
図3Bは、インダクタ部品1の端面図を示す。図3Bに示すように、第1端面15において、第1外部電極30は、底面17に直交する方向の素体10の内側に位置し底面17に沿った第2端縁320を有する。第2端縁320は、凹凸状に形成されている。第2端縁320の構成は、第1端縁310と同様の構成である。したがって、第2端縁320が直線である場合に比べて、第2外部電極40の素体10に埋め込まれる量が低減され、素体10の内部応力が低減される。好ましくは、第2端縁320の凹部320aの深さは、第1端縁310の凹部310aの深さdと同じである。また、第1外部電極30は、第1端面15から露出しているので、第1端面15でのはんだフィレット形成により、インダクタ部品1の固着力が向上する。
図1に示すように、第2端面16において、第2外部電極40は、底面17に直交する方向の素体10の内側に位置し底面17に沿った第2端縁420を有する。第2端縁420は、凹凸状に形成されている。第2外部電極40の第2端縁420の構成は、第1外部電極30の第1端縁310と同様の構成である。したがって、第2外部電極40の素体10に埋め込まれる量が低減され、素体10の内部応力が低減される。好ましくは、第2外部電極40の第2端縁420の凹部の深さは、第1外部電極30の第1端縁310の凹部310aの深さdと同じである。
なお、前記実施形態では、第1外部電極30の第1、第2端縁310,320と第2外部電極40の第1、第2端縁410,420の全てが、凹凸状に形成されているが、少なくとも第1外部電極30の第1端縁310が、凹凸状に形成されていてもよい。これにより、外部電極の素体10に埋め込まれる量が低減され、素体10の内部応力が低減される。
(第2実施形態)
図4は、インダクタ部品の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、外部電極の厚みが相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、第1外部電極30Aの第1部分31の厚みt31は、第1外部電極30Aの第2部分32の厚みt32よりも、薄い。これにより、第1部分31の厚みが、第2部分32の厚みと同じである場合に比べて、第1外部電極30Aの素体10に埋め込まれる量が低減される。したがって、素体10の内部応力が低減され、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。特に、第1部分31の厚みt31が薄いので、実装時に素体10の底面17に加わる応力が低減される。なお、第2外部電極が、第1外部電極30Aと同様の構成であってもよく、第2外部電極の素体10に埋め込まれる量が低減される。
(第3実施形態)
図5は、インダクタ部品の第3実施形態を示す底面図である。第3実施形態は、第1実施形態とは、外部電極の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、第1外部電極30Bは、前記垂直面および垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層33aを含む。複数の外部電極導体層33aの隣接する2つが分離溝310bによって分離されることにより、第1端縁310の凹凸状が形成されている。
具体的に述べると、底面17において、第1外部電極30Bは、第1端面15に交差する方向に延在する複数の分離溝310bを有する。複数の分離溝310bは、第1端面15に沿って配列されて、第1端縁310の凹部を構成する。分離溝310bは、第1部分31の第1端縁310と第1端面15を貫通する。つまり、第1部分31は、第1端面15に沿って複数の短冊状に分割されている。これにより、第1外部電極30Bの素体10に埋め込まれる量が低減される。したがって、素体10の内部応力が低減され、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。分離溝310bは、第1端面15に直交する方向に延在しているが、第1端面15に傾斜する方向に延在してもよい。
同様に、第2外部電極40Bは、前記垂直面および垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層43aを含む。複数の外部電極導体層43aの隣接する2つが分離溝410bによって分離されることにより、第1端縁410の凹凸状が形成されている。これにより、第2外部電極40Bの素体10に埋め込まれる量が低減される。
なお、第1外部電極30Bの第2部分と第2外部電極40Bの第2部分が、第1外部電極30Bの第1部分31と同様の構成であってもよく、または、少なくとも第1外部電極30Bの第1部分31が、分離溝310bを有していればよい。
(第4実施形態)
図6Aは、インダクタ部品の第4実施形態を示す底面図である。図6Bは、インダクタ部品の第4実施形態を示す端面図である。図6Cは、インダクタ部品の第4実施形態を示す断面図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、外部電極の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図6Aと図6Bに示すように、第1外部電極30Cの第1端縁310および第2端縁320と、第2外部電極40Cの第1端縁410および第2端縁とは、直線である。なお、これらの第1、第2端縁が、第1実施形態の第1、第2端縁と同様に凹凸状に形成されていてもよい。
図6Cに示すように、第1外部電極30Cの第1部分31の厚みt31は、第1外部電極30Cの第2部分32の厚みt32よりも、薄い。これにより、第1部分31の厚みが、第2部分32の厚みと同じである場合に比べて、第1外部電極30Cの素体10に埋め込まれる量が低減される。したがって、第1外部電極30Cと素体10の膨張率や弾性率の差により生じる素体10の内部応力が低減され、製造時や使用時に熱的応力が加わり、また、実装時に機械的応力が加わっても、素体10の割れや欠けの発生が抑制される。特に、第1外部電極30Cの第1部分31の厚みt31が薄いので、実装時に素体10の底面17に加わる応力が低減される。
なお、第2外部電極40Cが、第1外部電極30Cと同様の構成であってもよく、第2外部電極40Cの素体10に埋め込まれる量が低減される。
次に、第1外部電極30Cの第1部分31の厚みt31と素体10の内部応力との関係について、説明する。
図6Aに示すように、第1部分31の厚みt31を変えながら、第1測定箇所P1と第2測定箇所P2における素体10の内部応力をシミュレーションにて測定した。第1測定箇所P1は、第1端縁310の第1側面13側の端部付近を示し、第2測定箇所P2は、第1端縁310の第1測定箇所P1よりも第2側面14側に5μm離れた付近を示す。
図7は、第1外部電極30Cの第1部分31の厚みt31と素体10の内部応力との関係を示す。図7に示すように、第1測定箇所P1での測定結果は、第1グラフG1であり、第2測定箇所P2での測定結果は、第2グラフG2である。第1グラフG1と第2グラフG2から分かるように、第1部分31の厚みt31が薄いほど、素体10の内部応力が低減している。なお、第1測定箇所P1では第2測定箇所P2よりも内部応力が大きい。
さらに、第1外部電極30Cに図5に示すような分離溝310bを設けて、第1測定箇所P1と第2測定箇所P2における素体10の内部応力を測定した。第1測定箇所P1での測定結果は、第3グラフG3であり、第2測定箇所P2での測定結果は、第4グラフG4である。第3グラフG3と第4グラフG4から分かるように、第1部分31の厚みt31が薄いほど、素体10の内部応力が低減している。なお、第1測定箇所P1では第2測定箇所P2よりも内部応力が大きい。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第4実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
前記第1から前記第3実施形態では、素体の底面において、外部電極は、凹凸状の第1端縁を有している。つまり、外部電極の底面からの露出面において、外部電極は、凹凸状の第1端縁を有している。なお、図8に示すように、素体10の底面17に平行な断面D1において、第1外部電極30Dは、凹凸状の第1端縁310を有していてもよい。つまり、外部電極の底面に覆われた部分において、外部電極は、凹凸状の第1端縁を有していてもよい。
同様に、前記第1から前記第3実施形態では、素体の端面において、外部電極は、凹凸状の第2端縁を有しているが、図8に示すように、素体10の第1端面15に平行な断面D2において、第1外部電極30Dは、凹凸状の第2端縁320を有していてもよい。
前記第1から前記第4実施形態では、外部電極はL字電極であるが、素体の底面のみに設けた底面電極であってもよい。凹凸状に形成された端縁は、第1端縁、第2端縁の両方である必要はなく、第1端面のみ、第2端面のみがそれぞれ凹凸状となっていてもよい。また、凹凸状に形成された端縁は、第1外部電極、第2外部電極の両方が有していてもよいし、片方だけが有していてもよい。
(実施例)
以下、インダクタ部品1の製造方法の実施例を説明する。
まず、硼珪酸ガラスを主成分とする絶縁ペーストをスクリーン印刷によりキャリアフィルム等の基材上に塗布することを繰り返して、絶縁層を形成する。この絶縁層は、コイル導体層よりも外側に位置する外層用絶縁層となる。なお、基材は任意の工程にて絶縁層から剥がされ、インダクタ部品の状態では残らない。
その後、絶縁層上に感光性導電ペースト層を塗布形成し、フォトリソグラフィ工程により、コイル導体層及び外部電極導体層を形成する。具体的には、絶縁層上にAgを金属主成分とする感光性導電ペーストをスクリーン印刷により塗布して、感光性導電ペースト層を形成する。さらに、感光性導電ペースト層にフォトマスクを介して紫外線等を照射し、アルカリ溶液等で現像する。これによりコイル導体層および外部電極導体層が絶縁層上に形成される。この時、フォトマスクによりコイル導体層および外部電極導体層は所望のパターンに描くことができる。
そして、絶縁層上に感光性絶縁ペースト層を塗布形成し、フォトリソグラフィ工程により、開口及びビアホールが設けられた絶縁層を形成する。具体的には、絶縁層上に感光性絶縁ペーストをスクリーン印刷により塗布して感光性絶縁ペースト層を形成する。さらに、感光性絶縁ペースト層にフォトマスクを介して紫外線等を照射し、アルカリ溶液等で現像する。この時、フォトマスクにより外部電極導体層の上方に開口を、コイル導体層の端部にビアホールを、それぞれ設けるよう、感光性絶縁ペースト層をパターニングする。
その後、開口及びビアホールが設けられた絶縁層上に感光性導電ペースト層を塗布形成し、フォトリソグラフィ工程により、コイル導体層及び外部電極導体層を形成する。具体的には、開口及びビアホールを埋めるように絶縁層上にAgを金属主成分とする感光性導電ペーストをスクリーン印刷により塗布して、感光性導電ペースト層を形成する。さらに、感光性導電ペースト層にフォトマスクを介して紫外線等を照射し、アルカリ溶液等で現像する。これにより、開口を介して下層側の外部電極導体層に接続された外部電極導体層と、ビアホールを介して下層側のコイル導体層と接続されたコイル導体層とが絶縁層上に形成される。
上記のような絶縁層とコイル導体層及び外部電極導体層を形成する工程を繰り返すことにより、複数の絶縁層上に形成されたコイル導体層からなるコイル及び複数の絶縁層上に形成された外部電極導体層からなる外部電極が形成される。さらに、コイル及び外部電極が形成された絶縁層上に、絶縁ペーストをスクリーン印刷により塗布することを繰り返して、絶縁層を形成する。この絶縁層は、コイル導体層よりも外側に位置する外層用絶縁層となる。なお、以上の工程において絶縁層上にコイル及び外部電極の組を行列状に形成すれば、マザー積層体を得ることができる。
その後、ダイシング等によりマザー積層体を複数の未焼成の積層体にカットする。マザー積層体のカット工程では、カットにより形成されるカット面において外部電極をマザー積層体から露出させる。
そして、未焼成の積層体を所定条件で焼成しコイルおよび外部電極を含む素体を得る。この素体に対してバレル加工を施して適切な外形サイズに研磨するとともに、外部電極が積層体から露出している部分に、2μm〜10μmの厚さを有するNiめっき及び2μm〜10μmの厚さを有するSnめっきを施す。以上の工程を経て、0.4mm×0.2mm×0.2mmのインダクタ部品が完成する。
なお、インダクタ部品の形成工法は上記に限定されるものではなく、例えば、コイル導体層及び外部電極導体層の形成方法は、導体パターン形状に開口したスクリーン版による導体ペーストの印刷積層工法でも良いし、スパッタ法や蒸着法、箔の圧着等により形成した導体膜をエッチングまたはメタルマスクによりパターン形成する方法であっても良いし、セミアディティブ法のようにネガパターンを形成してめっき膜により導体パターンを形成した後、不要部を除去する方法であっても良い。また、インダクタ部品の素体となる絶縁層とは別の基板上にパターン形成した導体を、絶縁層上に転写する方法を用いても良い。
また、絶縁層ならびに開口、ビアホールの形成方法は上記に限定されるものではなく、絶縁材料シートの圧着やスピンコート、スプレー塗布後、レーザーやドリル加工によって開口される方法でも良い。また、外部電極の端部を素体の側面から露出させる場合、外層用絶縁層に外部電極導体層を形成してもよい。
また、絶縁層の絶縁材料は上記のようなガラス、フェライトなどのセラミックス材料に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリマー樹脂のような有機材料でも良いし、ガラスエポキシ樹脂のような複合材料でも良いが、インダクタ部品を高周波でのマッチングコイル用途で使用する際は誘電率、誘電損失の小さいものが望ましい。
また、インダクタ部品のサイズは、上記に限定されるものではない。また、外部電極の形成方法について、カットにより露出させた外部電極にめっき加工を施す方法に限定されるものではなく、カットにより露出させた外部電極にさらに導体ペーストのディップやスパッタ法等によって被膜を形成してもよいし、さらにその上にめっき加工を施す方法でもよい。なお、上記被膜やめっきが形成される場合のように、外部電極はインダクタ部品の外部へ露出している必要はない。このように、外部電極の素体からの露出とは、外部電極が素体に覆われていない部分を有することを意味し、当該部分はインダクタ部品の外部へ露出していてもよいし、他の部材へ露出していてもよい。なお、外部電極に上記被膜やめっきが形成される場合は、外部電極の第1端縁や第2端縁における凹凸状が、当該被膜やめっきの端縁形状に反映されていてもよいし、反映されていなくてもよい。
1,1B,1C インダクタ部品
10 素体
11 絶縁層
13 第1側面
14 第2側面
15 第1端面
16 第2端面
17 底面
18 天面
20 コイル
21 コイル導体層
30,30A〜30D 第1外部電極
31 第1部分
310 第1端縁
310a 凹部
310b 分離溝
32 第2部分
320 第2端縁
320a 凹部
33a 外部電極導体層
33b 層間外部電極導体層
40,40B,40C 第2外部電極
41 第1部分
410 第1端縁
410a 凹部
410b 分離溝
42 第2部分
420 第2端縁
43a 外部電極導体層
43b 層間外部電極導体層
31,t32 厚み
d 深さ
W 大きさ

Claims (8)

  1. 互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面の間に接続された底面と、を含む素体と、
    前記素体内に設けられ、前記第1端面、前記第2端面および前記底面に対する垂直面上において平面状に巻回されたコイル導体層を含むコイルと、
    少なくとも前記底面から露出するように前記素体に埋め込まれ、前記コイルに電気的に接続された第1外部電極および第2外部電極と
    を備え、
    前記第1外部電極は、前記第1端面から前記底面にかけて露出し、前記垂直面の直交方向に延伸する端縁を有し、
    前記端縁は、凹凸状に形成されており、複数の凹部を有し、前記端縁の両端部において凸部を有し、
    前記端縁は、前記底面において露出する第1端縁および前記第1端面において露出する第2端縁の両方である、インダクタ部品。
  2. 前記第1外部電極は、前記底面に沿って延伸する第1部分と、前記第1端面に沿って延伸する第2部分とを有する、請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記第1部分の厚みは、前記第2部分の厚みよりも、薄い、請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記端縁の凹部の深さは、20μm以上である、請求項1から3の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  5. 前記端縁の凹部の深さは、前記第1外部電極の前記端縁の延伸方向に直交する方向の大きさの半分以上である、請求項1から4の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  6. 前記第1外部電極は、前記垂直面および前記垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層と、前記複数の外部電極導体層の隣接する2つを接続する層間外部電極導体層と、を含み、
    前記層間外部電極導体層が、前記外部電極導体層よりも小さいことにより、前記端縁の凹凸状が形成されている、請求項1から5の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  7. 前記第1外部電極は、前記垂直面および前記垂直面に平行な複数の面のそれぞれにおいて形成された複数の外部電極導体層を含み、
    前記複数の外部電極導体層の隣接する2つが分離溝によって分離されることにより、前記端縁の凹凸状が形成されている、請求項1から5の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  8. 互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面の間に接続された底面と、を含む素体と、
    前記素体内に設けられ、前記第1端面、前記第2端面及び前記底面に対する垂直面上において平面状に巻回されたコイル導体層を含むコイルと、
    少なくとも前記底面から露出するように前記素体に埋め込まれ、前記コイルに電気的に接続された第1外部電極および第2外部電極と
    を備え、
    前記第1外部電極は、前記底面に沿って延伸する第1部分と、前記第1端面に沿って延伸する第2部分とを有し、前記第1部分の厚みは、前記第2部分の厚みよりも、薄い、インダクタ部品。
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