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JP6710043B2 - 薬剤容器 - Google Patents
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本発明は、芳香剤や消臭剤、防虫剤などの薬剤を収容する薬剤容器に関する。
芳香剤や消臭剤、防虫剤(以下、薬剤と称する)は、部屋の空気を消臭したり香を付与したり、害虫を防虫したりする目的で使用される。このため、薬剤を収容した容器は、部屋の見えるところに設置されることが多い。よって、容器のデザインや色など美観を考慮する必要がある。
一方、薬剤を容器から吸い上げて空気中に拡散させるため、容器内に吸液芯を配置したものが知られている。このような吸液芯は、透明な容器の外から見えると見栄えが悪い。このため、吸液芯を見難くするため、容器の周壁に複数本の縞状模様を設けたものが知られている。
特開2006−282238号公報
この種の薬剤容器として、容器のデザイン性を向上させるため、断面楕円形(正確に楕円形でないものも含む)の容器が使用されつつある。しかし、断面楕円形の容器は、楕円形の長軸と交差する比較的曲率の大きい周壁と比べて、楕円形の短軸と交差する比較的曲率の小さい周壁の凹みに対する強度が低い。このため、容器の内部が陰圧になった場合、短軸と交差する比較的曲率の小さい周壁が凹み、容器の美観が損なわれてしまう。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、内部が陰圧になった場合であっても凹み難い断面が略楕円形の薬剤容器を提供することを目的とする。
本発明の薬剤容器の一態様は、薬剤を収容するものであって、断面が略楕円形の筒状の周壁を有し、この周壁が、その断面における楕円形の長軸方向に対向する曲率の大きい一対の第1曲壁部分と楕円形の短軸方向に対向する曲率の小さい一対の第2曲壁部分と、周方向に連続したものであり一対の第2曲壁部分だけに複数本の補強リブを設けた
本発明の薬剤容器の一態様によれば、断面が略楕円形の筒状の周壁のうち、比較的曲率の小さい一対の第2曲壁部分に複数本の補強リブを設けることで、比較的曲率が大きく凹み強度の比較的高い一対の第1曲壁部分と同等の凹み強度を一対の第2曲壁部分に与えることができ、内部が陰圧になったときに容器全体として凹み難くすることができる。
図1は、実施形態に係る薬剤容器に放散器を取り付けた薬剤放散装置を示す外観図である。 図2は、図1の薬剤容器の容器本体を示す正面外観図である。 図3は、図2の容器本体の底面図である。 図4は、図2の容器本体の側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る薬剤容器10に放散器100を取り付けた薬剤放散装置200を示す外観図である。図1では、装置構成を分かり易くするため、装置の一部を破断して示す。薬剤放散装置200は、揮発性を有する芳香剤や消臭剤、防虫剤などの薬剤を気化させて空気中に放散する。図2は、薬剤容器10の容器本体2の正面外観図であり、図3は、容器本体2の底面図であり、図4は、容器本体2の側面図である。
図1に示すように、薬剤容器10は、円形の開口部2aに向けて縮径したボトル状の容器本体2、開口部2aに装着された中栓4、中栓4に取り付けられた吸液芯6、および図示しないキャップを有する。薬剤容器10は、薬剤を収容して図示しないキャップで開口部2aを閉じた状態で出荷され、ユーザーがキャップを外して図1のように放散器100を取り付ける。
図2乃至図4に示すように、容器本体2は、上述した開口部2aを上端に有するとともに外周にネジ2bを設けた円筒形の首部2c、断面が略楕円形の筒状の胴部2e(周壁)、この胴部2eの上端に向けて首部2cの下端から拡開した肩部2d、および胴部2eの下端を閉塞した底部2fを一体に有する。胴部2eの断面形状は、正確に楕円形でなくてもよく、円を偏平につぶした形状なども含む。
首部2cのネジ2bは、図示しないキャップを螺合するために設けられている。ネジ2bの下側には、後述する放散器100を取り付けるための環状凸部2iが設けられている。底部2fは、その中央部で交差する十字路を間に挟んで4つの隆起部2gを有する。各隆起部2gは、容器の内側に向けて底部2fを隆起させたものである。このように、4つの隆起部2gを設けることで、底部2fの中央に吸液芯6の下端6aを位置決めする凹部2hが形成される。
胴部2eは、楕円形の長軸と交差する比較的曲率の大きい2つの第1曲壁部分21、23と、楕円形の短軸と交差する比較的曲率の小さい2つの第2曲壁部分22、24と、を周方向に連続したものであり、比較的凹み強度の低い2つの第2曲壁部分22、24に複数本の補強リブ25a、25b、25c(以下、総称して補強リブ25とする場合もある)を備えている。第1曲壁部分21、23と第2曲壁部分22、24との間の境界は特に限定しないが、補強リブ25によって補強する胴部2eの部分を第2曲壁部分22、24とし、補強の必要が無い部分を第1曲壁部分21、23とする。補強リブ25については後に詳述する。
中栓4は、首部2cの開口部2aの縁を覆う円環状の上壁部4a、上壁部4aの下面から垂設されて首部2cの内周面に嵌入される円筒状の筒部4b、吸液芯6を挿通して保持する管部4c、および管部4cの上端に向けて上壁部4aの内周縁から収束したロート状の中間部4dを有する。中間部4dには、通気孔4eが設けられている。図1に示すように吸液芯6を保持した中栓4を容器本体2に取り付けた状態で、管部4cによって保持された吸液芯6の上端6bは、中栓4の上壁部4aより上方に突出する。
放散器100は、容器本体2の胴部2eと略同じ断面が略楕円形の筒状のカバー部101、吸液芯6で吸い上げた薬剤を含浸させて揮散させる吸液揮散材102、および容器本体2の首部2cに設けた環状凸部2iに嵌合する円筒形の嵌合筒部103を有する。嵌合筒部103の上端103aは、吸液揮散材102をカバー部101の内側で支持する支持部として機能する。
カバー部101は、容器本体2に取り付けられる筒状の下カバー101bに対して有底の上カバー101aを上下動可能に取り付けた構造を有する。上カバー101aの開閉構造については説明を省略する。上カバー101aの筒状部分および上端底部、および下カバー101bの全体に、複数個の通気孔が設けられている。上カバー101aを下カバー101bに対して開くと、吸液揮散材102が露出され、上カバー101aを閉じた状態と比較して、薬剤の揮散量が増す。
吸液揮散材102は、放散器100を容器本体2に取り付ける前の状態(図示せず)で嵌合筒部103の上端103a上に支持されている。そして、図1に示すように、キャップを取り外して放散器100を取り付けた際に、吸液芯6の上端6bに接触して押し上げられ、嵌合筒部103の上端103aから上方へ持ち上げられる。なお、吸液揮散材102は、吸液芯6とともに、薬剤に接触することで吸引可能な材料、例えば、パルプ、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテフタレート(PET)などの1種または2種以上を混合したものにより形成されている。
嵌合筒部103は、複数枚(本実施形態では6枚)の放射状に設けた支持梁部104を介して外側の下カバー101bに固定されている。嵌合筒部103は、カバー部101を容器本体2に取り付けたときに、嵌合筒部103の下端103bがちょうど首部2cの環状凸部2iに嵌合する高さ位置に設けられている。
以下、容器本体2に設けた複数本の補強リブ25の構造および機能について詳細に説明する。
容器本体2は、首部2c、肩部2d、胴部2e、および底部2fを樹脂により一体成形したものである。本実施形態では、容器本体2をポリエチレンテフタレート(PET)により形成した。容器本体2の製造工程は、樹脂の射出成形によるプリフォームの製造工程と、プリフォームをブロー成形して容器本体2を製造する工程と、を含む。複数本の補強リブ25は、ブロー成形時に形成されるものであり、成形型の内面形状に沿った形状で容器本体2の胴部2eに形成される。
本実施形態のように断面が略楕円形の胴部2eを有する容器本体2は、円筒形の容器と比べて、外圧に対する凹みに耐える機械強度(以下、凹み強度と称する)が低い部分を有する。つまり、本実施形態において、楕円形の長軸と交差する比較的曲率の大きい第1曲壁部分21、23に対し、楕円形の短軸と交差する比較的曲率の小さい第2曲壁部分22、24は、凹み強度が低い。このため、容器本体2内部が陰圧になった場合、凹み強度の低い第2曲壁部分22、24が第1曲壁部分21、23と比べて凹み易い。
よって、本実施形態では、この凹み易い第2曲壁部分22、24に複数本の補強リブ25を設けた。また、一方で、比較的凹み強度の高い第1曲壁部分21、23には補強リブ25を設けていない。このように、第2曲壁部分22、24だけに補強リブ25を設けることで、容器全体として、凹み強度を均一化でき、内部が陰圧になった場合に凹み易い部分を無くすことができ、容器全体としての凹みの発生を抑制することができる。また、補強リブ25を設けない第1曲壁部分21、23には、ブロー成形時に金型を分離する境界を割り当てることで、補強リブ25に境界部分が位置することがなく見栄えを良くすることができる。
また、本実施形態では、全ての補強リブ25を容器本体2の中心軸Cに対して傾斜させることで、凹みに対する強度をより向上させている。また、本実施形態では、全ての補強リブ25を中心軸Cに対して略同じ傾斜角度で傾斜させた。補強リブ25の中心軸Cに対する傾斜角度は、補強リブ25を設けた場合の胴部2eの強度に関係し、好ましくは5°〜25°、より好ましくは10°〜20°である。補強リブ25の傾斜角度をこの範囲内に設計することで、容器本体2の凹みに対する強度を向上させることができることに加え、放散器100のカバー部101を容器本体2に取り付ける際に容器本体2に作用する荷重に対する座屈強度を向上させることができる。このため、本実施形態では、中心軸Cに対する補強リブ25の傾斜角度を約10°に設計した。
また、本実施形態では、容器本体2の第2曲壁部分22、24に設けた全ての補強リブ25を周方向に沿って同じ方向に傾斜させた。このため、製品出荷時に容器の向きを揃えて箱詰めする必要がなく、その分、作業性を高めることができ、製造コストを低減できる。また、本実施形態のように全ての補強リブ25の向きを同じ向きに揃えると、図1の方向から容器本体2を見た場合、背面側の第2曲壁部分24に設けた5本の補強リブ25が正面側の第2曲壁部分22に設けた5本の補強リブ25と交差することになる。このように、正面の補強リブ25と背面の補強リブ25が交差することで、容器本体2の中心に配置した吸液芯6を見え難くすることができ、容器の美観を向上させることができる。
特に、本実施形態では、各第2曲壁部分22、24に5本ずつ補強リブ25を設けたため、容器本体2を正面(或いは裏面)から見た場合、中央の補強リブ25aが吸液芯6に必ず重なることになり、吸液芯6を見え難くする効果を期待できる。つまり、補強リブ25は、各第2曲壁部分22、24それぞれに奇数本ずつ設けることが望ましい。この場合、補強リブ25の本数を多くすれば凹み強度を増すことができるが、容器本体2の胴部2eの肉厚やサイズ、或いはデザイン性などを考慮して適切な本数の補強リブ25を設けることが望ましい。
さらに、本実施形態では、胴部2eの第2曲壁部分22、24の凹み強度を高めるため、隣接する2本の補強リブ25の間にある複数の周壁26の下端26aを容器の内側に湾曲させ、周壁26自体に強度を持たせた。反面、容器本体2の内容量を確保するため、各周壁26の上端26bは内側に凹ませることなく直線状とした。このように、各周壁26の上端26bを直線状にすることで、図示しない外装フィルムを胴部2eに巻き付けた状態の薬剤容器10に放散器100を取り付ける際に、外装フィルムを破損することを防止することもできる。つまり、隣接する2本の補強リブ25の間の周壁26は、下端26aから上端26bに向けて徐々に平らになる形状を有する。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、芳香剤や消臭剤、防虫剤などを収容する樹脂容器に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、樹脂以外の材料で形成した容器に本発明を適用することもできる。
また、上述した実施形態では、液状の芳香剤や消臭剤、防虫剤などを収容した容器に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、ジェル状、ゲル状、或いは固形の被放散剤を収容した場合に本発明を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、断面が略楕円形の容器に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、断面長円形など他の断面形状の容器にも本発明を適用できる。いずれにしても、容器の強度が低い部分に補強リブ25を設ければ良く、容器の形状やサイズに応じて、補強リブ25の傾斜角度や本数などを調整すればよい。
また、上述した実施形態では、複数本の補強リブ25の傾斜角度を略同じにした場合について説明したが、これに限らず、複数本の補強リブ25の傾斜角度を配置位置によって異ならせてもよい。例えば、第1曲壁部分21、23から離間した第2曲壁部分22、24の中央に設けた補強リブ25aの中心軸Cに対する傾斜角度を最も大きくし、次に、この補強リブ25aの外側に隣接して配置した2本の補強リブ25bの傾斜角度を大きくし、第1曲壁部分21、23に最も近い(補強をあまり必要としない)2本の補強リブ25cの傾斜角度を最も小さくすることができる。このように、補強リブ25の配置位置に応じて傾斜角度に差を持たせることで、容器全体の凹み強度をより均一化でき、凹みに強い容器を提供することができる。
さらに、上述した実施形態では、2つの第2曲壁部分22、24にだけ複数本の補強リブ25を設けた場合について説明したが、これに限らず、第2曲壁部分22、24より少ない割合で(リブ同士の間隔を広くして)、例えば1本の補強リブ25を第1曲壁部分21、23の少なくとも一方に設けてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
芳香剤や消臭剤、防虫剤などの薬剤を収容する断面が略楕円形の筒状の周壁を有する薬剤容器であって、
上記周壁が、楕円形の長軸と交差する比較的曲率の大きい2つの第1曲壁部分と、楕円形の短軸と交差する比較的曲率の小さい2つの第2曲壁部分と、を含み、
上記2つの第2曲壁部分に複数本の補強リブをそれぞれ設けた、
薬剤容器。
[2]
上記2つの第2曲壁部分に設けた上記全ての補強リブが当該薬剤容器の中心軸に対して上記周壁の周方向に沿って同じ方向に傾斜している、
[1]の薬剤容器。
[3]
上記複数本の補強リブのうちそれぞれ隣接する2本の補強リブの間にある周壁の一端が内側に湾曲して凹んでおり、当該周壁の他端が直線状である、
[1]の薬剤容器。
[4]
上記各第2曲壁部分に設けた上記複数本の補強リブはそれぞれ奇数本である、
[1]の薬剤容器。
[5]
上記2つの第2曲壁部分に設けた上記全ての補強リブが当該薬剤容器の中心軸に対し傾斜しており、上記第1曲壁部分から離間した上記各第2曲壁部分の周方向の中央に設けた補強リブの上記中心軸に対する傾斜角度が他の補強リブの傾斜角度より大きい、
[1]または[2]の薬剤容器。
2…容器本体、 2e…胴部、 4…中栓、 6…吸液芯、 6a…下端、 6b…上端、 10…薬剤容器、 21、23…第1曲壁部分、 22、24…第2曲壁部分、 25、25a、25b、25c…補強リブ、 26…周壁、 26a…下端、 26b…上端、 100…放散器、 102…吸液揮散材、 200…薬剤放散装置。

Claims (5)

  1. 薬剤を収容する断面が略楕円形の筒状の周壁を有する薬剤容器であって、
    上記周壁が、その断面における楕円形の長軸方向に対向する曲率の大きい一対の第1曲壁部分と楕円形の短軸方向に対向する曲率の小さい一対の第2曲壁部分と、周方向に連続したものであり
    上記一対の第2曲壁部分だけに複数本の補強リブを設けた
    薬剤容器。
  2. 上記一対の第2曲壁部分に設けた上記全ての補強リブが当該薬剤容器の中心軸に対して上記周壁の周方向に沿って同じ方向に傾斜している、
    請求項1の薬剤容器。
  3. 上記複数本の補強リブの間にある複数の周壁部分の一端が当該薬剤容器の内側に湾曲して凹んでおり、上記複数の周壁部分の他端が直線状である、
    請求項1の薬剤容器。
  4. 上記一対の第2曲壁部分に設けた上記複数本の補強リブはそれぞれ奇数本である、
    請求項1の薬剤容器。
  5. 上記一対の第2曲壁部分に設けた上記全ての補強リブが当該薬剤容器の中心軸に対し傾斜しており、上記一対の第2曲壁部分それぞれの周方向の中央に設けた補強リブの上記中心軸に対する傾斜角度が他の補強リブの傾斜角度より大きい、
    請求項1または請求項2の薬剤容器。
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