JP6765816B2 - フレキシブル金属積層板、及びフレキシブル金属積層板の製造方法 - Google Patents
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ところで、フレキシブル金属積層板の絶縁層にピンホールが存在すると、その部分において絶縁層の耐電圧が著しく低下して、内部短絡が発生しやすくなる。こうした絶縁層におけるピンホールの発生を抑制する技術として、例えば、特許文献1に開示される技術が知られている。
図1に示すように、フレキシブル金属積層板は、絶縁層10と、絶縁層10の片面又は両面に接着された金属層20とを備えている。なお、図1においては、絶縁層10の片面のみに金属層20を備えるフレキシブル金属積層板を図示している。
本実施形態のフレキシブル金属積層板は、例えば、金属層20を構成する金属箔、絶縁層10を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11を積層した状態として、金属箔と熱可塑性樹脂フィルム11とを熱圧着させるとともに、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させることによって製造することができる。図1に示す例においては、金属層20を構成する金属箔と、第1の熱可塑性樹脂フィルム11aと、第2の熱可塑性樹脂フィルム11bとを積層した状態として熱圧着させることによって製造することができる。
(1)フレキシブル金属積層板は、厚みが25〜50μmである絶縁層10と、絶縁層10の片面又は両面に接着された金属層20とを備える。絶縁層10は、複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11が厚み方向に重なる構造を有する。すなわち、熱可塑性樹脂フィルム11の積層体によって絶縁層10が構成されている。
この場合には、一枚の熱可塑性樹脂フィルム11に存在するピンホール12が、絶縁層10の耐電圧に与える影響を小さくすることができる。
上記構成によれば、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、熱可塑性樹脂フィルム11が軟化して流動性を得る。そのため、熱可塑性樹脂フィルム11にピンホール12が存在する場合、流動性を得た樹脂がピンホール12内に流れ込む。ここで、熱可塑性樹脂フィルム11の積層体によって絶縁層10が構成されていることにより、ピンホール12が存在する熱可塑性樹脂フィルム11に重なる他の熱可塑性樹脂フィルム11の樹脂もピンホール12内に流れ込む。このようにピンホール12内に多量の樹脂が流れ込む結果、流れ込んだ樹脂によりピンホール12が埋められて、ピンホール12が消失する又はピンホール12の大きさが小さくなる。
融点の近い熱可塑性樹脂フィルム11を採用することにより、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、一方の熱可塑性樹脂フィルム11は流動性を得ているものの、他方の熱可塑性樹脂フィルム11は流動性を得ていない、という状況が生じ難くなる。これにより、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、ピンホール12が存在する熱可塑性樹脂フィルム11に重なる他の熱可塑性樹脂フィルム11からピンホール12内に樹脂が流れ込む現象を好適に発現させることができる。
(イ)厚みが25〜50μmである絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、前記絶縁層は、厚み方向に重なる複数枚の熱可塑性樹脂フィルムが互いに接着してなることを特徴とするフレキシブル金属積層板。
<フレキシブル金属積層板の作製>
(試験例1〜2)
表1に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、一枚の熱可塑性樹脂フィルムからなる絶縁層と、絶縁層の片面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、試験例2においては、熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
表1及び表2に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、二枚の熱可塑性樹脂フィルムからなり、両フィルムが厚み方向に重なる構造を有する絶縁層と、絶縁層の片面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、試験例4〜8,10においては、一方又は両方の熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
表2に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、二枚の熱可塑性樹脂フィルムからなり、両フィルムが厚み方向に重なる構造を有する絶縁層と、絶縁層の両面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、両方の熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
圧延銅箔:GHY5−93F−HA−V2(JX金属株式会社製)
電解銅箔:TQ−M4−VSP(三井金属鉱業株式会社製)
SUS箔:SUS304−H−TA(日新製鋼株式会社製)
PI:ユーピレックスVT(宇部興産株式会社製)
LCP:ベクスターCTZ−25K(株式会社クラレ製)
PFA:ネオフロンAF−0025(ダイキン工業株式会社製)
(耐電圧の評価)
各試験例のフレキシブル金属積層板の金属層に所定の回路加工を施して、測定用サンプルを作製した。これらの測定用サンプルの絶縁抵抗値(耐電圧)を、JIS C2110−1(交流、50Hz)に準拠した測定方法を用いて測定した。その結果を表1及び表2の「絶縁抵抗値」欄に示す。なお、表1及び表2に示す絶縁抵抗値は5回の測定の平均値である。試験例2については、昇圧開始直後に絶縁破壊を起こしてしまったため、測定不能とした。また、本測定の測定条件は以下のとおりである。
昇圧速度:0.5kV/s
測定温度:23℃
周囲媒質:シリコーン油
電極 :φ25円柱/φ25円柱
測定環境:23±2℃、50±5%RH
(ピンホールの観察)
熱可塑性樹脂フィルムとして、ピンホールを設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた試験例2,4〜8,10のフレキシブル金属積層板について、ピンホールの状態を観察した。具体的には、フレキシブル金属積層板から25mm角の試験片を切り出し、この試験片の金属層をエッチングにより除去した。その後、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−1000)を用いて、絶縁層を構成する各熱可塑性樹脂フィルムに設けられていたピンホールを観察した。その結果を表1及び表2の「ピンホールの状態」欄に示す。ここでは、ピンホールが確認されなかった場合を「消失」、ピンホールが確認された場合を「有」としている。
Claims (3)
- 厚みが25〜50μmである絶縁層と、
前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、
前記絶縁層は、厚み方向に重なる複数枚の熱可塑性樹脂フィルム(ただし、複数枚の全てが熱可塑性液晶ポリマーフィルムである場合を除く。)が互いに接着してなる構造を有し、
前記絶縁層を構成する各熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、前記絶縁層の厚みの1/2以下であることを特徴とするフレキシブル金属積層板。 - 前記絶縁層を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルムにおける融点の差が150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル金属積層板。
- 請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル金属積層板の製造方法であって、
前記複数枚の熱可塑性樹脂フィルムを積層した状態として、前記複数枚の熱可塑性樹脂フィルム同士を熱圧着させる工程を有することを特徴とするフレキシブル金属積層板の製造方法。
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