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JP6765816B2 - フレキシブル金属積層板、及びフレキシブル金属積層板の製造方法 - Google Patents
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フレキシブル金属積層板、及びフレキシブル金属積層板の製造方法 Download PDF

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本発明は、絶縁層と金属層とを備えるフレキシブル金属積層板、及びフレキシブル金属積層板の製造方法に関する。
絶縁層と金属層とが接着されたフレキシブル金属積層板は、例えば、フレキシブルプリント配線基板を製造するための材料として用いられている。
ところで、フレキシブル金属積層板の絶縁層にピンホールが存在すると、その部分において絶縁層の耐電圧が著しく低下して、内部短絡が発生しやすくなる。こうした絶縁層におけるピンホールの発生を抑制する技術として、例えば、特許文献1に開示される技術が知られている。
特許文献1に開示される技術は、フレキシブル金属積層板の製造段階において工夫をすることにより、ピンホールの発生を抑制するものである。具体的には、樹脂材料を付着させて絶縁層を積層する工程と、金属薄膜を積層する工程とを一単位とし、これを周回する支持体上で繰り返すことによってフレキシブル金属積層板を製造する製造方法において、支持体上に絶縁層を積層するに先立って、支持体上に帯状物を走行させる。この方法によれば、支持体上に存在する異物が帯状物に付着して除去されて、絶縁層を形成時において、支持体上の異物を原因として絶縁層にピンホールが生じることが抑制される。その結果、ピンホールに起因する内部短絡を抑制することができる。
特開平11−251181号公報
この発明の目的は、特許文献1とは異なる技術によって、フレキシブル金属積層板における、絶縁層内のピンホールに起因する内部短絡を抑制することにある。
上記の目的を達成するためのフレキシブル金属積層板は、厚みが25〜50μmである絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、前記絶縁層は、複数枚の熱可塑性樹脂フィルムが厚み方向に重なる構造を有する。
上記フレキシブル金属積層板において、前記絶縁層を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルムにおける融点の差が150℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、フレキシブル金属積層板における、絶縁層内のピンホールに起因する内部短絡を抑制することができる。
フレキシブル金属積層板の側面図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、フレキシブル金属積層板は、絶縁層10と、絶縁層10の片面又は両面に接着された金属層20とを備えている。なお、図1においては、絶縁層10の片面のみに金属層20を備えるフレキシブル金属積層板を図示している。
絶縁層10は、複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11が厚み方向に重なる構造を有する積層体であり、隣接する熱可塑性樹脂フィルム11同士は互いに接着されている。積層体を構成する熱可塑性樹脂フィルム11の枚数は特に限定されるものではないが、例えば、2〜5枚とすることが好ましい。本実施形態においては、第1の熱可塑性樹脂フィルム11a及び第2の熱可塑性樹脂フィルム11bの2枚の熱可塑性樹脂フィルム11の積層体によって絶縁層10が構成されている。なお、詳細は後述するが、本実施形態のフレキシブル金属積層板では、絶縁層10を熱可塑性樹脂フィルム11の積層体とすることによって、絶縁層10内のピンホールに起因する内部短絡を抑制している。
熱可塑性樹脂フィルム11の種類としては、フレキシブル金属積層板において絶縁層に用いられる公知の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。また、熱可塑性樹脂フィルム11は、単層構造の熱可塑性樹脂フィルムであってもよいし、多層の熱可塑性樹脂フィルムであってもよい。また、熱可塑性樹脂フィルム11は、金属層20に対して、及び重なり合う熱可塑性樹脂フィルム11に対して熱圧着可能なものが好ましく、更に熱圧着に際して寸法安定性が良好なものがより好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム11の具体例としては、多層芳香族ポリイミドフィルム、単層のポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム(液晶フィルムを含む)、ポリアミドフィルム(アラミドフィルムを含む)、ビニルエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。多層芳香族ポリイミドフィルムは、非圧着性の芳香族ポリイミドフィルムの両面に、熱圧着性を有するポリイミド層が形成されたものであり、例えば宇部興産株式会社製のユーピレックス(商品名)VT等の市販品を用いることができる。こうした多層芳香族ポリイミドフィルムについては、例えば、特許文献(特開2001−270033号公報)に記載されている。
絶縁層10は、全てが同じ種類の熱可塑性樹脂フィルム11から構成される積層体であってもよいし、異なる種類の熱可塑性樹脂フィルム11を含む積層体であってもよい。同じ種類の熱可塑性樹脂フィルム11を含む積層体である場合において、単層構造の熱可塑性樹脂フィルムである場合を含め、同じ種類の熱可塑性樹脂フィルム11が連続して重なっていてもよい。また、異なる種類の熱可塑性樹脂フィルム11を含む積層体である場合には、各熱可塑性樹脂フィルム11間における融点の差が150℃以下となる熱可塑性樹脂フィルム11の組み合わせとすることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム11の積層体として構成される絶縁層10の厚みは、25〜50μmである。絶縁層10の厚みを25μm以上に設定することにより、絶縁層10の耐電圧を好適に確保することができる。絶縁層10の厚みを50μm以下に設定することにより、フレキシブル金属積層板の柔軟性を好適に確保することができる。
絶縁層10を構成する各熱可塑性樹脂フィルム11の厚みは、例えば、9〜25μmであって、絶縁層10の厚みの1/2以下であることが好ましい。つまり、絶縁層10における1枚の熱可塑性樹脂フィルム11が占める厚みの割合を1/2以下とすることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム11の厚みを上記範囲に設定することにより、絶縁層10内のピンホールに起因する内部短絡を抑制する効果を好適に発現させることができる。
金属層20は、金属箔等の金属材料からなり、フレキシブル金属積層板における導電性部分(導電層)を構成する部位である。金属層20を構成する金属は特に限定されるものではないが、当該金属としては、例えば、銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金を含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。また、これらの金属表面に防錆層や耐熱層(例えば、クロム、亜鉛等のメッキ処理)、シランカップリング剤等を形成したものも利用できる。
金属層20の厚みは、例えば、1μm〜1mmである。なお、フレキシブル金属積層板の柔軟性の観点においては、金属層20の厚みを薄く設定することが好ましい。また、金属層20における絶縁層10と接する側の表面粗さは、例えば、十点平均粗さ(Rz)が5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
また、絶縁層10の両面に金属層20を備える場合において、各金属層20を構成する金属の種類や各金属層20の厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態のフレキシブル金属積層板は、例えば、金属層20を構成する金属箔、絶縁層10を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11を積層した状態として、金属箔と熱可塑性樹脂フィルム11とを熱圧着させるとともに、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させることによって製造することができる。図1に示す例においては、金属層20を構成する金属箔と、第1の熱可塑性樹脂フィルム11aと、第2の熱可塑性樹脂フィルム11bとを積層した状態として熱圧着させることによって製造することができる。
なお、金属箔と熱可塑性樹脂フィルム11との熱圧着と、熱可塑性樹脂フィルム11同士の熱圧着は同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。例えば、絶縁層10を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11のみを積層した状態として、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させて絶縁層10としての積層体を製造した後に、この積層体と金属箔を積層した状態として、積層体と金属箔とを熱圧着させてもよい。
上記熱圧着の具体的方法は特に限定されるものではなく、フレキシブル金属積層板の製造に用いられる公知の方法、例えば、ロール式ラミネート装置を用いた方法、及びダブルベルトプレス装置を用いた方法を用いることができる。
本実施形態のフレキシブル金属積層板は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)に用いられ、TAB(Tape Automated Bonding)方式、COF(Chip on Film)方式等の実装方式に用いられるテープにも用いることができる。特に、本実施形態のフレキシブル金属積層板は、耐電圧に優れたものであることから、パワーモジュール等の高電圧が印加される用途に適している。なお、フレキシブル金属積層体の装備された製品としては、例えば、カメラ、パソコン、液晶ディスプレイ、プリンタ、携帯機器等の電子機器が挙げられる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)フレキシブル金属積層板は、厚みが25〜50μmである絶縁層10と、絶縁層10の片面又は両面に接着された金属層20とを備える。絶縁層10は、複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11が厚み方向に重なる構造を有する。すなわち、熱可塑性樹脂フィルム11の積層体によって絶縁層10が構成されている。
図1に示すように、上記構成によれば、絶縁層10を構成する熱可塑性樹脂フィルム11にピンホール12が存在していたとしても、絶縁層10を構成する全ての熱可塑性樹脂フィルム11のピンホール12が重ならない限りは、絶縁層10に貫通孔が形成されることはない。つまり、一枚の熱可塑性樹脂フィルム11に存在するピンホール12は、絶縁層10における当該部分の厚みを減少させる要素となるのみで、そのまま絶縁層10の貫通孔になることはない。したがって、絶縁層10を構成する一方の熱可塑性樹脂フィルム11にピンホール12が存在していたとしても、他方の熱可塑性樹脂フィルム11における、ピンホール12に重なる部分によって、少なくとも一枚の熱可塑性樹脂フィルム11の厚み分に相当する耐電圧は確保される。これにより、絶縁層10内のピンホール12に起因する内部短絡を抑制することができる。
(2)絶縁層10を構成する各熱可塑性樹脂フィルム11の厚みは、絶縁層10の厚みの1/2以下であることが好ましい。
この場合には、一枚の熱可塑性樹脂フィルム11に存在するピンホール12が、絶縁層10の耐電圧に与える影響を小さくすることができる。
(3)絶縁層10を構成する複数枚の樹脂フィルムとして、熱可塑性樹脂フィルム11を用いている。
上記構成によれば、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、熱可塑性樹脂フィルム11が軟化して流動性を得る。そのため、熱可塑性樹脂フィルム11にピンホール12が存在する場合、流動性を得た樹脂がピンホール12内に流れ込む。ここで、熱可塑性樹脂フィルム11の積層体によって絶縁層10が構成されていることにより、ピンホール12が存在する熱可塑性樹脂フィルム11に重なる他の熱可塑性樹脂フィルム11の樹脂もピンホール12内に流れ込む。このようにピンホール12内に多量の樹脂が流れ込む結果、流れ込んだ樹脂によりピンホール12が埋められて、ピンホール12が消失する又はピンホール12の大きさが小さくなる。
ピンホール12が消失した場合には、絶縁層10内のピンホール12に起因する内部短絡をより確実に抑制しつつ厚み分の絶縁耐力を保持することができる。また、ピンホール12が完全に消失せずとも、ピンホール12の大きさが小さくなることにより、全ての熱可塑性樹脂フィルム11のピンホール12が重なる可能性が低減される。なお、ピンホール12が消失するか否かは、ピンホール12の大きさ(直径)によって変化する。例えば、ピンホール12の大きさが、ピンホール12が存在する熱可塑性樹脂フィルム11の厚み以下である場合、ピンホール12が消失しやすい。
(4)絶縁層10を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルム11における融点の差が150℃以下であることが好ましい。
融点の近い熱可塑性樹脂フィルム11を採用することにより、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、一方の熱可塑性樹脂フィルム11は流動性を得ているものの、他方の熱可塑性樹脂フィルム11は流動性を得ていない、という状況が生じ難くなる。これにより、熱可塑性樹脂フィルム11同士を熱圧着させる際に、ピンホール12が存在する熱可塑性樹脂フィルム11に重なる他の熱可塑性樹脂フィルム11からピンホール12内に樹脂が流れ込む現象を好適に発現させることができる。
上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)厚みが25〜50μmである絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、前記絶縁層は、厚み方向に重なる複数枚の熱可塑性樹脂フィルムが互いに接着してなることを特徴とするフレキシブル金属積層板。
(ロ)厚みが25〜50μmである絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、前記絶縁層は、少なくとも、第1の熱可塑性樹脂フィルムからなる第1層と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムに接着された前記第2の熱可塑性樹脂フィルムからなる第2層とを有することを特徴とするフレキシブル金属積層板。
(ハ)前記絶縁層を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルムのうち、厚み方向に重なる少なくとも二枚の熱可塑性樹脂フィルムは、同種又は異種の熱可塑性樹脂フィルムである前記フレキシブル金属積層板。
(ニ)厚みが25〜50μmである絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、前記絶縁層は、第1の熱可塑性樹脂フィルムからなる第1層と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムに接着された前記第2の熱可塑性樹脂フィルムからなる第2層とを有するフレキシブル金属積層板の製造方法であって、金属箔と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムと、前記第2の熱可塑性樹脂フィルムとを積層して熱圧着させることを特徴とするフレキシブル金属積層板の製造方法。
次に、試験例を挙げて実施形態をさらに具体的に説明する。
<フレキシブル金属積層板の作製>
(試験例1〜2)
表1に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、一枚の熱可塑性樹脂フィルムからなる絶縁層と、絶縁層の片面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、試験例2においては、熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
(試験例3〜11)
表1及び表2に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、二枚の熱可塑性樹脂フィルムからなり、両フィルムが厚み方向に重なる構造を有する絶縁層と、絶縁層の片面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、試験例4〜8,10においては、一方又は両方の熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
(試験例12)
表2に示す金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムを用いて、二枚の熱可塑性樹脂フィルムからなり、両フィルムが厚み方向に重なる構造を有する絶縁層と、絶縁層の両面に接着された金属箔からなる金属層とを備えるフレキシブル金属積層板をダブルベルトプレス装置により作製した。なお、両方の熱可塑性樹脂フィルムとして、意図的にピンホール(貫通孔)を設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた。
なお、フレキシブル金属積層板の作製に用いた金属箔及び熱可塑性樹脂フィルムは以下のとおりである。
圧延銅箔:GHY5−93F−HA−V2(JX金属株式会社製)
電解銅箔:TQ−M4−VSP(三井金属鉱業株式会社製)
SUS箔:SUS304−H−TA(日新製鋼株式会社製)
PI:ユーピレックスVT(宇部興産株式会社製)
LCP:ベクスターCTZ−25K(株式会社クラレ製)
PFA:ネオフロンAF−0025(ダイキン工業株式会社製)
(耐電圧の評価)
各試験例のフレキシブル金属積層板の金属層に所定の回路加工を施して、測定用サンプルを作製した。これらの測定用サンプルの絶縁抵抗値(耐電圧)を、JIS C2110−1(交流、50Hz)に準拠した測定方法を用いて測定した。その結果を表1及び表2の「絶縁抵抗値」欄に示す。なお、表1及び表2に示す絶縁抵抗値は5回の測定の平均値である。試験例2については、昇圧開始直後に絶縁破壊を起こしてしまったため、測定不能とした。また、本測定の測定条件は以下のとおりである。
昇圧方法:短時間法
昇圧速度:0.5kV/s
測定温度:23℃
周囲媒質:シリコーン油
電極 :φ25円柱/φ25円柱
測定環境:23±2℃、50±5%RH
(ピンホールの観察)
熱可塑性樹脂フィルムとして、ピンホールを設けた熱可塑性樹脂フィルムを用いた試験例2,4〜8,10のフレキシブル金属積層板について、ピンホールの状態を観察した。具体的には、フレキシブル金属積層板から25mm角の試験片を切り出し、この試験片の金属層をエッチングにより除去した。その後、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−1000)を用いて、絶縁層を構成する各熱可塑性樹脂フィルムに設けられていたピンホールを観察した。その結果を表1及び表2の「ピンホールの状態」欄に示す。ここでは、ピンホールが確認されなかった場合を「消失」、ピンホールが確認された場合を「有」としている。
試験例1及び試験例2の評価結果に示されるように、一枚の熱可塑性樹脂フィルムからなる絶縁層を採用する構成においては、用いた熱可塑性樹脂フィルムにピンホールが存在する場合、フレキシブル金属積層板の絶縁抵抗値が略零にまで大きく低下した。一方、試験例3〜6の耐電圧の評価結果に示されるように、二枚の熱可塑性樹脂フィルムからなる絶縁層を採用する構成においては、用いた熱可塑性樹脂フィルムの一方又は両方にピンホールが存在する場合であっても、試験例2と比較して、絶縁抵抗値が大きくは低下しなかった。これらの結果から、フレキシブル金属積層板の絶縁層を複数枚の熱可塑性樹脂フィルムから構成することによって、絶縁層内のピンホールに起因する絶縁層の内部短絡を抑制できることが分かる。
また、小さいピンホールが設けられた熱可塑性樹脂フィルムを用いた試験例4及び試験例5の絶縁抵抗値は、ピンホールのない試験例3と同等であるのに対して、大きいピンホールが設けられた熱可塑性樹脂フィルムを用いた試験例6の絶縁抵抗値は、ピンホールのない試験例3の半分程度であった。そして、試験例4及び試験例5のフレキシブル金属積層板においては、ピンホールが確認されなかったのに対して、試験例6のフレキシブル金属積層板においては、ピンホールが確認された。
これらの結果から、試験例4及び試験例5の場合には、フレキシブル金属積層板の製造段階において、熱可塑性樹脂フィルムの樹脂がピンホール内に流れ込み、ピンホールが埋められたことによって、ピンホールのない試験例3と同等の絶縁抵抗値を示したものと考えられる。試験例6の場合には、ピンホールが十分に埋められなかったことにより、ピンホールのない試験例3の半分程度の絶縁抵抗値、即ちピンホールのない熱可塑性樹脂フィルム一層分の絶縁抵抗値を示したものと考えられる。
また、試験例2においては、熱可塑性樹脂フィルムに設けられたピンホールの大きさは試験例4及び試験例5と同じであるが、ピンホールが確認された。この結果から、フレキシブル金属積層板の製造段階において、熱可塑性樹脂フィルムの樹脂がピンホール内に流れ込み、ピンホールが埋められるという現象は、フレキシブル金属積層板の絶縁層を複数枚の熱可塑性樹脂フィルムから構成した場合に特有の現象であると考えられる。
また、試験例7〜12の結果から、金属層を構成する金属の種類や、絶縁層を構成する熱可塑性樹脂フィルムの種類を変更した場合にも、同様の効果が得られることが分かる。
10…絶縁層、11…熱可塑性樹脂フィルム、11a…第1の熱可塑性樹脂フィルム、11b…第2の熱可塑性樹脂フィルム、12…ピンホール、20…金属層。

Claims (3)

  1. 厚みが25〜50μmである絶縁層と、
    前記絶縁層の片面又は両面に接着された金属層とを備え、
    前記絶縁層は、厚み方向に重なる複数枚の熱可塑性樹脂フィルム(ただし、複数枚の全てが熱可塑性液晶ポリマーフィルムである場合を除く。)が互いに接着してなる構造を有し、
    前記絶縁層を構成する各熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、前記絶縁層の厚みの1/2以下であることを特徴とするフレキシブル金属積層板。
  2. 前記絶縁層を構成する複数枚の熱可塑性樹脂フィルムにおける融点の差が150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル金属積層板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル金属積層板の製造方法であって、
    前記複数枚の熱可塑性樹脂フィルムを積層した状態として、前記複数枚の熱可塑性樹脂フィルム同士を熱圧着させる工程を有することを特徴とするフレキシブル金属積層板の製造方法。
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