JP6778484B2 - 合成スラブ用のフラッシング、合成スラブと梁材との接合構造、及び合成スラブ - Google Patents
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この円弧状結合部201bにより、フラッシング201をデッキプレート202の片側縁のメス型連結部203と他側縁のオス型連結部204のいずれとも結合させることが可能となり、フラッシング201をデッキプレート202に結合させるための溶接作業が不要となる。
通常の床スラブの場合は、コンクリートと一体化していないデッキプレートを単に梁材に固定しても、床に作用する水平力(コンクリートに作用する力)は梁材に伝達されないので、デッキプレートと梁材との接合にスタッド(頭付きスタッド)を用い、コンクリートと一体化するスタッドを介して力を梁材に伝達させる。
すなわち、図9(イ)に示したスタッド接合の場合は、床に作用する水平力(コンクリートに作用する力)は、コンクリート12と一体化したスタッド14を介して梁材11に伝達され、図9(ロ)に示した焼抜き栓溶接接合の場合は、コンクリート12と一体挙動する合成デッキ10からその焼抜き栓溶接部13を介して梁材11に伝達される。
焼抜き栓溶接はスタッドよりも安価であり、かつ能率的で工期も短縮できるため、床に作用する水平力の小さい小中規模の建物に広く使用されている。
しかし、隙間を埋めるための部分(平板部)が単なる平板である従来のフラッシング201では、フラッシングとコンクリートが一体挙動しないため、下記(a)、(b)の場合に、フラッシング201を梁材2に焼抜き栓溶接しても、床に作用する力(コンクリートに作用する力)はフラッシング201を介して梁材11に伝達されず、焼抜き栓溶接は使用不可である。なお、フラッシング201とデッキプレートとのオス・メス結合による連結部201bは力を伝達する作用をしない。
(a)梁材の両側にフラッシング201を用いた場合(図10(イ)の場合:以下、両側フラッシングと呼ぶ)。
(b)外周部の梁材(建物外周部の梁材)11(11’)にフラッシング201を用いた場合(図10(ロ)の場合:以下、外周部フラッシングと呼ぶ)。
したがって、上記(a)、(b)の場合には、合成デッキと梁材の接合にスタッドを用いるか、建物の形状・寸法に合せて合成デッキを割り付けることで、両側フラッシング、外周部フラッシングとならないよう割り付けるしかない。
なお、図10(ハ)に示すように梁材11の片側がフラッシング201で他側が合成デッキ10(10’)の場合は、他側の合成デッキ10(10’)を焼抜き栓溶接すれば、他側の合成デッキ10(10’)を介して床に作用する力(コンクリートに作用する力)がその梁材11に伝達されるので、力の伝達作用を要求されない片側のフラッシング201について焼抜き栓溶接しても問題はない。
なお、図10(イ)、(ロ)で説明した問題は、フラッシングを梁材に焼抜き栓溶接する場合に限らず、フラッシングと梁材とをビス、発射打ち込み鋲等によって接合する場合にも同じ問題があるが、安価かつ能率的な焼抜き栓溶接を採用できないことの方が不利益は大きい。
請求項3は、請求項2の合成スラブ用のフラッシングにおいて、前記突起部の高さは、2mm以上であることを特徴とする。
請求項4は、請求項2又は3のフラッシングにおいて、前記突起部は、デッキプレート長手方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする。
フラッシングの前記平板部を梁材に焼抜き栓溶接又は発射打ち込み鋲により接合したことを特徴とする。
したがって、床と梁材との接合手段として、床に作用する水平力を梁材に直接伝達するスタッド接合によらずに、フラッシングと梁材とを例えば焼抜き栓溶接によって床に作用する水平力を梁材に伝達することが可能となり、片側フラッシングの場合だけに限らず、両側フラッシングの場合も外周部フラッシングの場合も例えば焼抜き栓溶接接合を採用することが可能となる。すなわち、フラッシングすべてについて焼抜き栓溶接接合を採用することが可能となる。
また、両側フラッシングや外周部フラッシングとならないように建物の形状・寸法に合せてデッキプレートを割り付けるという必要もなくなる。
したがって、合成スラブをさらに安価に施工することができ、かつ工期もさらに短縮可能となる。
また、円形の突起部は加工を行い易いので、突起部の高さを高くすることも容易であり、合成効果を向上させることが容易である。
また、×の字形なので、フラッシングと梁材とを焼抜き栓溶接接合する場合であれば、その交差部の近傍まで焼抜き栓溶接領域とすることができ、突起部間の焼抜き栓溶接を行える領域を増やすことができる。
また、千鳥状配置であるから、デッキプレート長手方向のピッチを短くすることができ、二方向でコンクリートと噛み合う突起部の面積が大となるので、高い合成効果が得られる。
また、大小2種の円形が千鳥状配置であることで、焼抜き栓溶接を行える領域を増やすことができる。
また、大小2種の円形の突起部の大きさを変えることで、焼抜き栓溶接を行える領域をさらに増やすことができる。
また、円形の突起部は加工を行い易いので、突起部の高さを高くすることも容易であり、合成効果を向上させることが容易である。
また、デッキプレート長手方向のリブ(リブ状突起部)は、フラッシングをロール成形する際に同時に成形できるので、別途プレス加工等する場合と比べて、突起部の加工が容易である。
図6(イ)は合成床版用デッキプレート(場合により合成デッキ、又は単にデッキプレートと呼ぶ)10及び前記フラッシング1Aを用いて施工した合成スラブ30の梁部近傍の断面図である。図6(イ)において、11はH形鋼による梁材、12は打設したコンクリート、15はコンクリート亀裂防止用の溶接金網である。デッキプレート10の幅方向の一方の端部の連結部10aと他方の端部の連結部10bは、敷き並べる際に互いに連結可能な断面形状である。
図6(ロ)は実施例の合成床版用デッキプレート10の全体を示したもので、2つの山部10cとその間の谷部10dとを有し、山部10cの両側の傾斜部10eにコンクリートと結合可能な鍵部10fを有し、谷部10dにもコンクリートと結合可能なリブ10gを有し、両端に前記連結部10a、10bを持つ断面形状である。
この実施例の突起部7Aはその上面から見た外形が例えば直径30mm程度の円形であり、高さは例えば厚さ5mm程度である。
2点鎖線の○印13’は焼抜き栓溶接をする位置を示している。図示例では、焼抜き栓溶接位置13’を、デッキプレート長手方向に間隔をあけて設けた隣接突起部7A間の中間位置に設定している。
なお、実施例のフラッシング1Aの前記結合部5は、デッキプレート10の幅方向片側の連結部10a、及び他側の連結部10bのいずれとも結合可能な断面形状としている。
実施例のフラッシング1Aの板厚は、デッキプレートの板厚(例えば、1.0mm、1.2mm、1.6mm等)と同等以上とする。実施例の結合部5の幅方向寸法W1は例えば57mmである。幅寸法W2は梁材との隙間に対応させる幅寸法、Wは全幅寸法である。以下の図2〜図5の各実施例のフラッシングも概ね同サイズを想定している。
また、円形の突起部7Aは加工を行い易いので、突起部の高さを高くすることも容易であり、合成効果を向上させることが容易である。
この実施例のように、突起部7Aが平板部6における梁材11上に載る位置に設けられたフラッシングの場合、撓みの影響の少ない梁材上にあることと、梁材に固定される焼抜き栓溶接部の近傍に位置することとで、コンクリートとの合成効果が有効に得られると言える。
このように、従来のフラッシング201では、図10(イ)で説明したように、両側フラッシングの場合は、フラッシング201を梁材11に焼抜き栓溶接することはできなかったが、このフラッシング1Aにより、両側フラッシングの場合にも、梁材11との接合に焼抜き栓溶接を採用することが可能となる。
フラッシング1Aは、突起部7Aによりコンクリート12と一体化し、フラッシング1Aが合成床版用デッキプレート10と同様にコンクリートと一体挙動する。
従来のフラッシング201では、図10(ロ)で説明したように、外周部フラッシングの場合にフラッシング201を梁材11に焼抜き栓溶接することはできなかったが、このフラッシング1Aにより、外周部フラッシングの場合にも梁材11との接合に焼抜き栓溶接を採用することが可能となる。
この場合は、図10(ハ)で説明したように、梁材11の片側に従来のフラッシング201を用いても、他側のデッキプレート10(10’)がコンクリート11と一体化していることで焼抜き栓溶接を用いても、問題はないのであるが、本発明では、フラッシング1Aにおいてもコンクリートと一体化しているので、フラッシング1Aも含めたデッキプレート10側とコンクリートとの一体化が一層強固になる。
したがって、合成スラブをさらに安価に施工することができ、かつ能率的で工期もさらに短縮可能となる。
このフラッシング1Bの突起部7Bは、その上面から見た外形が、2つの互いに交差する長円形突起部からなる×の字形である。
焼抜き栓溶接位置13’は、隣接する×の字形の突起部7Bの交差部間の中間位置に設定している。
このフラッシング1Bを用いて行う合成スラブの施工は、実施例1の場合と概ね同様である。
このフラッシング1Bによれば、×の字形をなしているので、円形の場合と同じく二方向の水平力に対してコンクリートとの合成効果が得られるが、×の字形であることで、コンクリートとの結合作用がさらに緊密であると言える。
また、×の字形なので、その交差部の近傍まで焼抜き栓溶接領域とすることができ、突起部間の焼抜き栓溶接を行える領域を増やすことができる。
このフラッシング1Cにおける突起部は、デッキプレート長手方向に対して例えば45°で傾斜した長円形突起部7C1と、前記長円形突起部7C1と対称的に対向傾斜した長円形突起部7C2との2種であり、両者7C1、7C2がハの字形又は逆ハの字形をなすようにデッキプレート長手方向に交互に配置されている。傾斜角度は45°に限らないが、30〜60°の範囲が適切である。
焼抜き栓溶接位置13’は、ハの字形又は逆ハの字形をなして隣接して対向する2つの突起部7C1、7C2の中間位置に設定している。
このフラッシング1Cを用いて行う合成スラブの施工は、実施例1、2の場合と概ね同様である。
互いに逆向き傾斜の2種の長円形突起部7C1、7C2はそれぞれ、円形やXの字形の場合と同じく二方向の水平力に対してコンクリートとの合成効果が得られるが、隣接する長円形突起部7C1、7C2どうしが互いに逆向き傾斜でハ字形又は逆ハの字形をなしていることで、円形の場合と比べ、突起部間の焼抜き栓溶接を行える領域を増やすことができる。
なお、図示例では、傾斜角度が交互に異なる長円形突起部が等間隔で配置されるようにしているが、ハの字形をなす1対の長円形突起部が間隔をあけて配置される態様としてもよい。また、同じ傾斜角度の複数の長円形突起部と、逆傾斜角度のが複数の長円形突起部とが交互に配置される態様でもよい。
このフラッシング1Dにおける突起部は、その上面から見た外形がフラッシングの平板部端縁側に位置する大きな円形7D1と結合部側に位置する小さな円形7D2との2種であり、両者7D1、7D2がデッキプレート長手方向に交互に配置(千鳥状に配置)されている。
このフラッシング1Dを用いて行う合成スラブの施工は、実施例1、2、3の場合と概ね同様である。
この実施例の千鳥状配置の大小2種の突起部7D1、7D2は、いずれも円形であるから、二方向の水平力に対してコンクリートとの合成効果が得られる。
また、千鳥状配置であるから、デッキプレート長手方向のピッチを短くすることができ、二方向でコンクリートと噛み合う突起部の面積が大となるので、高い合成効果が得られる。
また、大小2種の円形が千鳥状配置であることで、焼抜き栓溶接を行える領域を増やすことができる。
また、大小2種の円形の突起部の大きさを変えることで、焼抜き栓溶接を行える領域をさらに増やすことができる。
また、円形の突起部は加工を行い易いので、突起部の高さを高くすることも容易であり、合成効果を向上させることが容易である。
このフラッシング1Eにおける突起部7Eは、デッキプレート長手方向に連続する図示例では下向きコ字形断面のリブ状突起部である。図示例では、リブ状の突起部7Eを結合部5に近い位置に設けている。
このリブ状の突起部7Eは厳格にデッキプレート長手方向の水平力に対してはコンクリートとの合成効果は得られないと言えるが、実際に床に作用する水平力は厳格にデッキプレート長手方向のみであることは少ないので、実際上の合成効果は得られると考えられる。
デッキプレート長手方向のリブ(リブ状突起部)は、フラッシングをロール成形する際に同時に成形できるので、別途プレス加工等する場合と比べて、突起部の加工が容易である。
なお、厳格にデッキプレート長手方向の水平力を考慮する必要がある場合には、例えば、ロール成形時に成形機から送り出される際にリブの複数個所を潰す等により、実際に発生したとしてもあまり大きくないと想定される厳格にデッキプレート長手方向の水平力に対する合成効果を得ることも考えられる。
なお、フラッシングの素材として、アルミやステンレスを用いることも可能であり、また、溶接によらない場合は、プラスチックを用いることもできる。
5 結合部
6 平板部
7A、7B、7C1、7C2、7D1、7D2、7E 突起部(合成機構)
10 合成床版用デッキプレート(合成デッキ、又は単にデッキプレート)
11 梁材
12 コンクリート
13 焼抜き栓溶接部
13’ 焼抜き栓溶接位置
14 スタッド
30 合成スラブ
Claims (12)
- 敷設したデッキプレートの幅方向の端部の連結部と結合する結合部と、前記結合部に直接連続して、デッキプレート長手方向と平行する梁材との間の間隔を埋める平板部とを備え、前記平板部に、コンクリートと一体結合可能であり、かつ、床に作用する水平力をフラッシング自体を介して梁材に伝達可能な合成機構を設けたことを特徴とする合成スラブ用のフラッシング。
- 前記合成機構は、前記平板部に設けた突起部であることを特徴とする請求項1記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部の高さは、2mm以上であることを特徴とする請求項2の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、デッキプレート長手方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、その上面から見た外形が円形であることを特徴とする請求項4記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、その上面から見た外形が、2つの互いに交差する長円形突起部からなる×の字形であることを特徴とする請求項4記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、デッキプレート長手方向に対して30°〜60°の範囲内で傾斜した長円形突起部と、前記長円形突起部と対称的に対向傾斜した長円形突起部との2種であり、両者がハの字形又は逆ハの字形をなすようにデッキプレート長手方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項4記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、その上面から見た外形がフラッシングの平板部端縁側に位置する大きな円形と結合部側に位置する小さな円形との2種であり、両者がデッキプレート長手方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項4記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記突起部は、デッキプレート長手方向に連続するリブ状突起部であることを特徴とする請求項2又は3記載の合成スラブ用のフラッシング。
- 前記合成機構が前記平板部における梁材上に載る位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のフラッシング。
- コンクリート打設時に型枠として用いたデッキプレートがコンクリート硬化後はコンクリートと一体化して合成効果を生じる合成スラブを、請求項1〜10のいずれか1項のフラッシングを用いて施工する場合おけるフラッシングと梁材との接合構造であって、
フラッシングの前記平板部を梁材に焼抜き栓溶接又は発射打ち込み鋲により接合したことを特徴とする合成スラブにおけるフラッシングと梁材との接合構造。 - コンクリート打設時に型枠として用いたデッキプレートがコンクリート硬化後はコンクリートと一体化して合成効果を生じる合成スラブを施工する際に、敷設したデッキプレートの幅方向の端部とデッキプレート幅方向の梁材との間の隙間に請求項1〜10のいずれかの合成スラブ用のフラッシングを配置するとともに、前記フラッシングの平板部を梁材に焼抜き栓溶接又は発射打ち込み鋲により接合し、コンクリートを打設して構築したことを特徴とする合成スラブ。
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