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JP6804907B2 - 銀ロウペースト組成物 - Google Patents
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JP6804907B2 - 銀ロウペースト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、部品の接合に適用できる銀ロウペーストに関する。
金属、セラミックス、黒鉛等を接合する方法として、ロウ付け方法が知られている。ロウ付け方法は、ロウ付けする対象物である母材よりも融点が低く、かつ450℃以上の融点を有するロウ材を用いて、ロウ接する方法である。
このようなロウ付けは電子部品やそのパッケージの製造においても用いられており、銅、コバール、金、銀、ニッケルなどの金属同士を接合する場合、従来、この種の接合には、リボン状、棒状、部品形状に合わせて打ち抜いたシート状の形態の銀ロウが多く使用されている(特許文献1,2参照)。
ところで、部品形状に合わせたシート状の銀ロウシートは、部品ごとに金型を作成し、打ち抜いて作る必要がある。このため部品点数・金型点数が多くなり、管理工数・コストも非常に大きくなっている。
また、近時、電子部品の分野においては、生産性を高めるため、銀ロウによる接合工程を自動化しようとする要求がある。しかし、上記のようなリボン状、棒状、部品形状に合わせたシート等の形態の銀ロウは、自動化には不向きで、大部分人手に頼って作っているのが現状であり、銀ロウでの組み立て工程での自動化が望まれている。このため自動化・部品点数削減が可能な、銀ロウのペースト化が期待されている。
一方、電子部品分野以外の用途では、例えば、アクセサリーの接着に、銀ロウ粉末とフラックスを混合してペースト状にしたものも使用されている。しかし、このペースト状の銀ロウは、本来、手塗りを前提に開発されたものであり、印刷性、ディスペンス性に乏しいため、自動化には適していなかった。加えて、この銀ロウ粉末とフラックスを混合してペースト状にしたものは、融着後、表面に浮いた残渣を磨いて落とす必要があり、電子部品のような精密性を要求される用途に適用することは困難であった。
特開2003−275895号公報 特開2006−49595号公報
ところで、有機バインダ、分散剤、チクソ剤、銀ロウ粉末などを混ぜることによりペースト化した銀ロウペーストでは、高温で焼成することにより、有機バインダ、分散剤、チクソ剤などの有機物を焼成工程中で熱分解し、脱離除去する。その際、例えば、上下に挟まれた形で使われる構造の部品の接着剤として使う場合は、有機物の分解物が脱離しきれず、接合面に焼成残渣として残ってしまうため、有機物を大幅に減らすことが必要であった。
しかしながら、バインダ等の有機物を大幅に減らすと塗膜の強度・銀ロウ粉の保持力が弱くなり、また、部品への組み付けやハンドリング時に銀ロウ粉が脱落するおそれがあった。銀ロウ粉が脱落すると、焼成時に脱落個所で溶融するため、少量でも脱落すると製品不良になるおそれがあった。
さらに、有機物を揮発除去させるために乾燥温度を高くすると銅の酸化により、融着後の表面状態および融着面の信頼性が劣る可能性があった。
そこで、本発明の目的は、これらの問題を解決し、高精度で塗付の自動化が可能であり、組み立て、ハンドリング工程で、銀ロウ粉の脱落のない銀ロウペーストを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、銀微粒子を配合することにより、塗膜の溶剤乾燥温度を、銅が酸化しない150℃程度に加熱しても銀と銀ロウの部分焼結が起こり、バインダ等の有機物成分を減らしても、ペースト乾燥後の銀ロウの脱落が起きないことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の銀ロウペーストは、(A)平均粒径が6〜18μmの銀ロウ粉末と、(B)平均粒径が0.2〜0.6μmの銀微粒子と、(C)20℃における粘度が1000〜10000mPa・sの高粘度有機溶剤と、を含有することを特徴とするものである。なお、この銀ロウペーストにおいては、(A)銀ロウ粉末を銀ロウペースト中に85〜93質量%、(B)銀微粒子を銀ロウペースト中に2〜10質量%含むことが好ましい。
本発明の銀ロウペーストによれば、150℃以下の銅の酸化が起きない温度であっても、銀微粒子と銀ロウの部分焼結が起きるため、銀ロウペーストを塗布した後の乾燥工程で銀微粒子と銀ロウが部分焼結する。そのため、銀ロウ粉の脱落が無く、作業性が良好で、乾燥塗膜の強度が向上し、融着後の表面状態および融着面の信頼性が良好な硬化物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銀ロウペーストは、(A)銀ロウ粉末と、(B)銀微粒子、(C)高粘度有機溶剤と、を必須成分として含むものである。
ここで用いられる(A)銀ロウ粉末は、銀、銅、亜鉛等を主成分とし、次に説明する平均粒径を満たせば、従来公知の銀ロウ粉末を使用でき、特に限定されるものではない。
この(A)銀ロウ粉末の平均粒径は、ペーストとしての作業性、表面酸化層の削減の点から、6μm以上18μm以下である。この平均粒径が6μm未満であると、酸素含有量が大きくなり、加熱時の溶融が不安定になってしまうため、シール性や接着強度が低下するおそれがある。また、平均粒径が18μmを超える場合は、ペーストの作業性が悪化し、また沈降しやすくなるため好ましくない。
すなわち、(A)銀ロウ粉末を上記した平均粒径の範囲とすることで、ペーストとしたときに、有機バインダの使用量を低減しても銀ロウ粉末の沈降を抑制して均一に分散した状態を保つことができ、また、銀ロウ粉末の表面における表面酸化層を削減することができる。その結果、印刷性やディスペンス性が良好で、金属面同士を融着する際に上下に挟まれていても有機物の分解物が残りにくい銀ロウペーストが得られる。
なお、本明細書において、平均粒径とは、測定対象の粒子について、レーザー回折・散乱法を用いて得られる個数基準による粒度分布の50%積算値(D50値)を意味する。
また、(A)銀ロウ粉末の形状は、特に限定されるものではなく、球状、不定形などの任意の形状であってよいが、銀ロウ粉末を高含有率とするためには、球状であることが好ましい。
電子部品接着の用途においては、銀ロウ粉末の酸素含有量は、銀ロウ粉末中に0.15質量%以下であることが好ましい。銀ロウ粉末の酸素含有量が0.15質量%を超える場合、ロウ付け時に生じる残渣等の量も増加し、精密な電子部品や該電子部品を用いた製品の性能を低下させてしまうおそれがある。銀ロウ粉末の酸素含有量を抑えることで、フラックス等による酸化物の除去の必要性が低い銀ロウペーストが得られる。
なお、ここで用いる銀ロウ粉末は上記のように公知の銀ロウ粉末を用いることができ、その組成としては、銀−銅合金、銀−銅−亜鉛合金、銀−銅−錫合金、銀−銅−インジウム合金等が挙げられる。これらの合金には、さらにその他の微量の金属が含まれていてもよい。また、これらの合金の組成比も特に限定されない。
この(A)銀ロウ粉末の含有量は、銀ロウペースト組成物中に85〜93質量%であることが好ましく、88〜92質量%であることがより好ましい。この含有量を85質量%未満とすると、ペーストとしての粘度が低すぎペーストの作業性が悪化する。一方、93質量%を超えると、粘度が高くなりすぎペーストの塗布作業性が悪化してしまう。
ここで用いられる(B)銀微粒子は、平均粒径が0.2〜0.6μmである、形状は特に限定されず球状粒子でも扁平状粒子でも使用可能である。この銀微粒子は150℃以上の温度で自己焼結可能である。このため、銀ロウ粉と共存させることにより、銅の酸化が起きない温度で部分的に銀ロウ粉末と銀微粒子の焼結が始まる。銀ロウと銀微粒子の焼結により、有機バインダが無い、或いは少なくても、乾燥膜強度が上がり、銀ロウ粉の脱落が防止される。
なかでも、プレート型銀粉を用いることがより好ましい。このプレート型銀粉は、粒子厚みが0.05μm以下で、平均粒径が0.2〜0.6μmの銀粉であることがより好ましい。平均粒径が0.2μmより小さいとペーストの粘度が上がり、溶剤を多く加える必要があり、ペースト中の銀ロウの密度が低下する。平均粒径が0.6μmより大きいと、銅の酸化が起きにくい温度領域では焼結速度が遅くなるため、長時間の加熱が必要となり、量産性のある時間では十分な焼結が進まないおそれがある。
このプレート型銀微粒子は150℃以上で自己焼結可能である。このため、銀ロウ粉と共存させることにより、銅の酸化が起きない150℃程度の空気雰囲気でも部分的に焼結が始まる。銀ロウと銀微粒子の焼結により、有機バインダが無い、或いは少なくても、乾燥膜強度が上がり、銀ロウ粉の脱落が防止される。
このようなプレート型銀微粒子は、球状のナノ粒子とは異なり、一つの金属結晶面を大きく成長させたプレート状の薄片状粒子であり、三角形板状、六角形板状、切頂三角形板状などの形状を有している。また、その上面が[111]面で広く覆われていることが好ましい。
この(B)銀微粒子の含有量は、銀ロウペースト組成物中に2〜10質量%であることが好ましく、4〜7質量%であることがより好ましい。この含有量を2質量%未満とすると、ペースト乾燥後の焼結部分の量が不足し、乾燥塗膜の強度が低下する。一方、10質量%を超えると、全体の銀比率が高くなることから銀ロウとしての融点が高くなり、また高価な微粒子銀の含有量が増えるためコスト上昇を招いてしまう。
ここで用いられる(C)高粘度有機溶剤は、20℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、(A)銀ロウ粉末及び(B)銀微粒子と混合することによりペースト状に調製できる有機溶剤であればよく、水酸基(OH)を2個有する脂肪族化合物であることが好ましく、さらに、脂肪族ジオールであることが特に好ましい。脂肪族ジオールとしては、鎖状脂肪族ジオール、環状脂肪族ジオールが、銀ロウペーストの焼成による残渣の生成が少なく、銀ロウペーストの良好な流動性とチクソ性が得られるため、特に好ましく用いられる。
鎖状脂肪族ジオールとしては、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
環状脂肪族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロアルカンジアルカノール等が挙げられる。シクロアルカンジアルカノールとしては、炭素数5〜6のシクロアルカンに炭素数1〜2のアルカノールが結合した化合物が例示でき、具体的には、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
これら脂肪族ジオールは、分子量が小さい割に融点や粘度が高いため、ペースト状組成物の調製が容易で、作業性の良好なペーストを得やすく、かつ、高温焼成時の有機物の分解・脱離性に優れている。そのため、特に、ロウ付けのように、部品によって上下を挟まれている状態で金属面同士を融着する方法の場合に有効である。
さらに、(C)高粘度有機溶剤は、分子量が200以下の化合物を用いることが好ましい。このような粘度及び分子量を満足する鎖状脂肪族ジオールとしては、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、環状脂肪族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
脂肪族ジオールとして、上記化合物を用いることにより、銀ロウペースト製造時において、比重の大きい銀ロウ粉を撹拌・混合する際に、沈降するのを抑制すると同時に、流動性とチクソ性のバランスが電子部品等の接合操作にも良好な銀ロウペースト組成物が得られる。そのため、本発明の銀ロウペーストを用いることで、印刷性などの作業性が良好なものとなる。
なお、(C)高粘度有機溶剤の含有量は、銀ロウペースト組成物全体の5〜12質量%が好ましい。5質量%未満では、粘度が下がらず、作業性の良いペースト状にならない。また、12質量%を超えると、粘度が低下し、ペーストの作業性の悪化、粒子の沈降性が悪くなるおそれがある。
本発明において、(C)高粘度有機溶剤に加えて、さらに他の有機溶剤を少量含んでもよい。
他の有機溶剤を少量併用する場合は、印刷性、乾燥性から沸点が175℃以上280℃以下の有機溶剤が好ましい。沸点が280℃を超える場合、塗膜の乾燥工程で溶剤が気化しきれず塗膜内に残存し、焼成時にボイド等の原因になるため好ましくない。この他の有機溶剤としては、具体的には、ジヒドロターピネオール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、等が使用される。
(C)高粘度有機溶剤とその他の有機溶剤の含有量の合計は、銀ロウペースト中に7〜12質量%であることが好ましい。
本発明において、上記成分に加えて、さらに(D)有機バインダを含んでもよい。
すなわち、(D)有機バインダは任意成分である。この(D)有機バインダは、接合材料との密着性やペーストの作業性を向上させる成分であり、ロウ付けに用いられる公知の有機バインダを適用できる。
(D)有機バインダを併用する場合、接合時の焼成炉内の雰囲気の温度が低い状態で熱分解し残渣が発生しにくい材料が好ましく、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース類、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、スチレン樹脂、ロジンエステル、(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体等のアクリル樹脂が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、イソ−ブチル(メタ)アクリレートが、熱分解性が良好で、残留カーボンが少なく、電気的特性を低下させないことから好ましい。
この(D)有機バインダは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、銀ロウペースト中の含有量は、シールリング・プレート接着用途では、焼成時のカーボン系残渣の残留を減らすために、銀ロウペースト全体の0.2質量%以下とすることが好ましい。
本発明の銀ロウペースト組成物には、以上の各成分の他、塗布した際の塗布形状等を調整する目的で、レベリング剤、チクソトロピック付与剤、消泡剤、分散剤、その他の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明の銀ロウペーストは、上述したような銀ロウ粉末と、銀微粒子と、高粘度有機溶剤と、必要に応じて配合される各種成分とを十分に混合し、ペースト状にすることにより得られる。本発明の銀ロウペーストの粘度は、印刷性やディスペンス性を考慮した場合、10〜150Pa・sの範囲であることが好ましい。なお、本明細書において粘度は、E型粘度計、3°コーンを用い、2.5rpm、25°Cの条件で測定した値である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1〜8、比較例1〜8>
表1及び2に示す組成となるように、各例の銀ロウペーストをそれぞれ調製した。
調製は、まず、(D)有機バインダを用いる場合は、(D)有機バインダを(C)高粘度有機溶剤及び任意成分の有機溶剤に加熱溶解した後、この溶液に(A)成分の銀ロウ粉末、(B)銀微粒子及び任意成分である分散剤を加え、自公転ミキサーで撹拌し、分散及び混練して、銀ロウペーストを得た。
このとき、銀ロウペースト中の銀ロウ粉末の含有量(質量%)を算出し、銀ロウペーストの粘度を測定し、併せて表中に示した。
なお、(D)有機バインダの溶解は120℃、分散及び混練は室温で行った。また、(D)有機バインダを用いない場合は、上記の操作から(D)有機バインダを添加する操作を行わなかっただけで、その他は同一の操作により銀ロウペーストを調製した。
得られた各銀ロウペーストを、25mm×15mm、幅2mm、厚み1mmのコバール製のリング上に厚み80μmで塗布し、150℃で30分乾燥した。乾燥後、銀ロウペーストの印刷面を下にして、26mm×16mm、厚み1mmのコバール板上の中央部に上記リングを重ねて、電気炉で焼成した。焼成は、窒素95%、水素5%の混合ガスの還元雰囲気下で、20分間で25℃から800℃まで昇温させ、1分間保持した後、20分間で80℃以下に冷却させて行った。
実施例及び比較例において使用した各成分は以下の通りである。
(A)銀ロウ粉末:銀72%−銅28%の銀ロウ(JIS規格:BAg8)の合金を用い、水アトマイズ法により、平均粒径(D50)が4μm,6μm,15μm,18μm,20μmの各粉末を作成した。粉末の酸化のコントロールは、アトマイズ条件及び粉末化後の表面還元処理により行った。得られた銀ロウ粉末は、酸素含有量が0.01%〜0.05%であった。
(B)銀微粒子:N300(トクセン工業株式会社製、商品名)を分級して、平均粒径(D50)が0.1μm,0.2μm,0.4μm,0.6μm,0.7μmの各微粒子を作成し、使用した。なお、これら粒子の粒子厚みは50nm以下である。
(C1)鎖状脂肪族ジオール:2,4−ジエチル−1,5ペンタンジオール(日本香料薬品社製;粘度1600mPa・s(20℃)、分子量160)
(C2)環状脂肪族ジオール:シクロアルカンジアルカノール(日本香料薬品社製;粘度9000mPa・s(20℃)、分子量196)
(D)有機バインダ:イソブチルメタクリレート(根上工業株式会社製)
(E)分散剤:HIPLAAD ED−351(楠本化成社製、商品名;ポリエーテル酸系分散剤)
(F1)有機溶剤:ジヒドロターピネオール(日本香料薬品社製)
(F2)有機溶剤:ブチルカルビトールアセテート(和光純薬社製)
<試験例>
上記各実施例及び各比較例で得られたペースト及び該ペーストを焼成して得られた接合物に対し、下記項目について評価し、その結果を表1及び2に示した。
(1)ペースト塗付性
25mm×16mm、厚み1mmのコバール板上に、各例で得られた銀ロウペーストをメッシュサイズ 150メッシュのスクリーンで転写印刷を行った。厚みは80μmで印刷し、形状及び形状安定性を次に示す基準により3段階で評価した。評価基準の、3と2を合格とした。
3 : 形状を保ち流れ出しがない(良好)
2 : 角部はやや変形するが、変形量が1mm未満(実用上問題なし)
1 : 形状が変形し、変形量が1mm以上
(2)乾燥後の塗膜強度
20mm×15mm、幅2mm、厚さ1mmのコバールリング上に、銀ロウペーストをメッシュサイズ150メッシュのスクリーンで転写印刷を行った。厚みは80μmで印刷し、塗付乾燥後、指で乾燥面に触れて、銀ロウ粉の脱落の有無を調べた。結果は次に示す基準により3段階で評価した。評価基準の3と2を合格とした。
3 : 強くこすっても銀ロウ粉の脱落が無い(良好)
2 : 軽くこすった程度では銀ロウ粉の脱落が無い(実用上問題なし)
1 : 軽くこすった程度でも銀ロウ粉が脱落する
(3)銀ロウ粉末の沈降性
得られたペースト100gを、直径40mmのプラツボ容器に入れて、25℃で24時間放置し、放置後の沈降性を、次の基準により3段階で評価し、評価基準の3と2を合格とした。
3 : 銀ロウ粉の沈降がほぼ無く手撹拌で簡単に均一化できる(良好)
2 : 銀ロウ粉が、少し沈降しているが、手撹拌で均一化可能(実用上問題なし)
1 : 銀ロウ粉が沈降しハードケーキとなり再分散が大変なレベル
(4)焼成後外観(黒色残渣)
25mm×15mm、幅2mm、厚さ1mmのコバール製のリング上に、銀ロウペーストをメッシュサイズ 150メッシュのスクリーンで転写印刷を行った。厚みは80μmで印刷し、印刷後150℃で30分乾燥を行った。乾燥後、26mm×16mm、厚み1mmのコバール板の中央部に印刷面を下にして重ね、電気炉で焼成した。焼成雰囲気は、窒素95%、水素5%の混合ガスの還元雰囲気とし、焼成は20分間で25℃から800℃まで昇温し、1分間保持後、20分間で80℃以下に冷却して行った。焼成試験後、表面観察の結果は次の基準により3段階で評価し、評価基準の3と2を合格とした。
3 : 黒色残渣がほとんど見られない(良好)
2 : 黒色残渣が部分的に見られるが、1つの残渣のサイズは0.2mm未満(実用上問題なし)
1 : 黒色残渣が目立ち、1つの残渣のサイズが0.2mm以上のものが多数ある
(5)焼成後フィレット形状
(4)焼成後外観の試験で得た試験片のコバール製のリング接続の外周面、内周面の銀ロウ接合部のフィレットの形状外観を観察・評価した。結果は次の基準により3段階で評価し、評価基準の3と2を合格とした。
3 : 全周できれいなフィレットを形成しており、黒色残渣がほとんど見られない(良好)
2 : ごくわずか、フィレット形状が悪い、又は直径0.5mm以下の小さなボイドが2か所以下見られる。(実用上問題なし)
1 : フィレット形状が悪い部分が目立ち、0.5mm以下のボイドが3か所以上、又は0.5mm以上のボイドが1個以上見られる
(6)ヘリウムリーク試験
ヘリウムリークディテクタを用い、(4)焼成後外観の試験で得た試験片の銀ロウ接着部のリークの有無を調べ、以下の基準により評価した。
1×10−9Pa・m/sec未満をリークなし、1×10−9Pa・m/sec以上をリークありとした。
○:リークなし
×:リークあり
Figure 0006804907
Figure 0006804907
表1から明らかなように、実施例1〜8で得られた銀ロウペーストの接合状態は、いずれも良好で、塗布後の形状も良く、乾燥塗膜強度、ペースト塗付性、沈降性等の作業性も合格レベルとなっている。また、接続形状等の品位も実用レベルを保持している。
これに対し、表2の比較例1〜8に示すように、有機バインダが0.1%以下で、銀微粒子が無しか、平均粒径0.7μm以上の場合は、乾燥塗膜強度が不十分である。また有機バインダが0.2%以下で、高粘度のジオール系溶剤を使用しないものでは、沈降性が大きく、バインダが多いものでは、焼成後の外観・フィレット形成に問題がある。
また銀ロウ粉末の粒径が4μm以下では焼成後の外観に問題があり、20μm以上では沈降性に問題がある。また銀微粒子が0.7μm以上の場合塗膜強度アップの効果が得られない。
以上より、本発明の銀ロウペーストは、銀ロウ粉の脱落が無く作業性が良好で、乾燥塗膜の強度が向上し、融着後の表面状態および融着面の信頼性、接合状態も良好であり、優れた銀ロウペーストが得られる。この銀ロウペーストは、特に、電子部品等の精密な部品の接合にも適用できる。

Claims (7)

  1. (A)平均粒径が6〜18μmの銀ロウ粉末と、
    (B)平均粒径が0.2〜0.6μmの銀微粒子と、
    (C)20℃における粘度が1000〜10000mPa・sの高粘度有機溶剤と、
    を含有することを特徴とする銀ロウペースト。
  2. 前記(A)銀ロウ粉末を、前記銀ロウペースト中に85〜93質量%含むことを特徴とする請求項1記載の銀ロウペースト。
  3. 前記(B)銀微粒子を、前記銀ロウペースト中に2〜10質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の銀ロウペースト。
  4. 前記(C)高粘度有機溶剤が、分子量200以下の脂肪族ジオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の銀ロウペースト。
  5. 前記(A)銀ロウ粉末の酸素含有量が、(A)銀ロウ粉末中に0.15質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の銀ロウペースト。
  6. フラックスを含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の銀ロウペースト。
  7. 25℃における粘度が10〜150Pa・sであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の銀ロウペースト。
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