JP6888976B2 - 軸シール装置、及び回転機械 - Google Patents
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Description
つまり、回転機械の運転の開始時において、高圧側の作動流体がシール部材本体の背面に回り込んだ際、大きな背面圧力が印加されることが好ましい。
このように、相対的にシール部材本体が受ける背面圧力を大きくすることで、可動シール部材の作動性(特に、回転機械の運転の開始時における可動シール部材の作動性)を高めることができる。
しかしながら、上述したように、シール部材本体が受ける背面圧力を大きくすることで、上記摩擦力の影響を小さくすることが可能となるので、可動シール部材の作動性(特に、回転機械の運転の開始時における可動シール部材の作動性)を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転機械の主要部をロータの中心軸方向から見た図である。図1では、ロータのみを断面で図示する。図1において、Dcはロータ102の周方向(以下、「周方向Dc」という)、Psは可動シール部材20の周方向の端部の端面21sが受ける端面圧力Ps、Phは可動シール部材20に印加され、端面圧力Psとは反対側に働く背面圧力(以下、「背面圧力Ph」という)、Mはシール部材本体21の移動方向(以下、「M方向」という)、S1は低圧流体(低圧作動流体)が存在する領域(以下、「低圧側領域S1」という)、S2は低圧流体よりも圧力の高い高圧流体(高圧作動流体)が存在する領域(以下、「高圧側領域S2」という)をそれぞれ示している。図1では、図2に示す複数のシールフィン26の図示を省略する。
また、図1では、軸シール装置1の一例として、軸シール装置1を2つの固定シール部材10及び2つの可動シール部材20で構成した場合を例に挙げて説明する。
図3は、図2に示す可動シール部材に背面圧力が印加された初期状態を模式的に示す断面図である。図3において、Fは弾性部材30による弾性力(以下、「弾性力F」という)、fは、接続部24の第1の面24fが突出部108の当接面108aに当接されることで発生する摩擦力(以下、「摩擦力f」という)である。弾性力F及び摩擦力fは、ロータ102の半径方向Drに働く力である。図3において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図5は、図1に示す可動シールの端部の概略構成を示す斜視図である。図5において、図1〜図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図6は、可動シール部材の端面とロータとの関係を説明するための図である。図6では、ロータを断面で図示する。また、図6において、図1〜図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
なお、第1の実施形態では、シール構造の一例として、アブレイダブルシール構造を例に挙げて説明する。
低圧側領域S1は、低圧流体(低圧の作動流体)が流れる領域である。高圧側領域S2は、低圧側領域S1を流れる低圧流体よりも圧力の高い高圧流体(高圧の作動流体)が流れる領域である。
ロータ102の周方向における可動シール部材20の長さは、ロータ102の周方向Dcにおける固定シール部材10の長さよりも長くなるように構成されている。
固定シール部材10の両端とロータ102の中心軸とを結ぶ2本の直線が成す角度は、例えば、60°とすることが可能である。この場合、可動シール部材20の両端とロータ102の中心軸とを結ぶ2本の直線が成す角度は、例えば、120°とすることが可能である。
ハウジング104は、ハウジング104の内周面104f側に位置する溝105の端部の開口幅を狭くする一対の突出部108を有する。
突出部108は、ロータ102の中心軸方向Daに対して直交する当接面108aを有する。当接面108aは、シール部材本体21の接続部24が当接される面である。当接面108aに接続部24の一部が当接されると、摩擦力が発生する。
上記構成とされた受圧部22は、溝105内においてロータ102の中心軸方向Da及び径方向Drに変位可能な構成とされている。
ロータ102の中心軸方向Daにおける接続部24の幅は、一対の突出部108間の溝幅よりも狭くなるように構成されている。接続部24は、突出部108の当接面108aと対向している。
回転機械100の定格運転時において、シール部材本体21は、M方向に移動する。これにより、可動シール部材20とロータ102との間の隙間が狭くなる。
回転機械100の起動時及び停止時において、シール部材本体21は、弾性部材30による弾性力Fによってロータ102の径方向Drの外側に引き込まれる。これにより、シール体25とロータ102との間に形成された隙間は、広がる。
これにより、受圧部22の受圧面22fは、ロータ102の径方向Drの内側に押圧される。すると、受圧部22の受圧面22fに、ロータ102の径方向Drの内側に向かう背面圧力Phが印加され、シール部材本体21がロータ102の径方向Drの内側に変位させられる。そして、シール体25の溝にシールフィン26が突き当たることで、可動シール部材20は、高圧側領域S2と低圧側領域S1とを仕切ってシール機能を発現する。
シール部材本体21の端部20Aは、固定シール部材10に突き当たる端面21sと、キャビティ27と、連通部28と、を有する。
また、キャビティ27の深さdが浅すぎると、キャビティ27内に高圧流体が流れ込んだ際に、キャビティ27内の圧力状態を低圧に維持することが困難となる可能性がある。これにより、端面21sに印加される端面圧力Psはあまり減少せず、背面圧力Phが相対的に小さくなる恐れがある。
したがって、キャビティ27の深さdを、背面圧力Phを相対的に大きくすることが可能な深さで、かつ10mm以下の範囲内にすることで、可動シール部材20のサイズの大型化を抑制した上で、背面圧力Phを相対的に大きくすることができる。
これにより、キャビティ27及び連通部28を有していない従来の可動シール部材20と比較して、2つの端部20Aの端面21sに加わる端面圧力Psは低下する。
このようにして、端面21sに加わる圧力Psが小さくなることで、受圧部22の受圧面22fに作用する背面圧力Phは、相対的に大きくなる。
{(背面圧力Ph)×(受圧部22の受圧面積A)}>(弾性部材30の弾性力F+摩擦力f) ・・・(1)
ここでの摩擦力fは、接続部24の第1の面24fと溝105の突出部108の当接面108aとの摺動部分における摩擦係数μにスラスト力F0を乗じたものである。
このように、シール部材本体21が受ける背面圧力Phを大きくすることで、可動シール部材20の作動性(特に、回転機械100の運転の開始時における可動シール部材20の作動性)を高めることができる。
これに対し、上述したように、キャビティ27内に低圧流体を導入して可動シール部材20の端部20Aが受ける背面圧力Psを低減して背面圧力Phを相対的に高めることで、第1の面24fと当接面108aとの間に生じる摩擦力fに抗して、可動シール部材20を効率良く変位させることができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る回転機械の主要部を模式的に示す図である。図7では、図1〜図6に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図7では、可動シール部材のみを断面で図示する。
可動シール部材20のキャビティ27の底面27aと、底面27aと対向する固定シール部材10の端面10aとの間に、底面27aと端面10aとを互いに離間する方向の付勢力を有した補助付勢部材50を設けてもよい。
補助付勢部材50としては、例えば、コイルスプリングを用いることが可能である。補助付勢部材50としては、例えば、補助付勢部材50の周囲に存在する流体力の値に対して、十分に小さいバネ力を有したものを用いるとよい。
10A…上側部材、10B…下側部材、20…可動シール部材、20A…端部、21…シール部材本体、22…受圧部、22f…受圧面、23…ベース部、23a…内周面、24…接続部、24f…第1の面、24g…第2の面、25…シール体、26…シールフィン、27…キャビティ、27a…底面、28…連通部、30…弾性部材、50…補助付勢部材、100…回転機械、102…ロータ、102a…外周面、103…ステータ、103a,104f…内周面、104…ハウジング、105…溝、106…隙間、108…突出部、Da…中心軸方向、Dc…周方向、Dr…径方向、F…付勢力、F0…スラスト力、M…方向、Ph…背面圧力、Ps…端面圧力、S1…低圧側領域、S2…高圧側領域、f…摩擦力
Claims (4)
- ロータと該ロータを囲うステータとの間に設けられ、前記ロータと前記ステータとの間の空間を前記ロータの中心軸方向において、高圧流体が流れる高圧側領域と低圧流体が流れる低圧側領域とに分けるとともに、可動シール部材を含む軸シール装置であって、
前記可動シール部材は、前記ステータの内周側に配置され、該ステータに固定されたハウジングと、
隙間を介在させた状態で、前記ハウジング内に一部が収容され、かつ隙間を介在させた状態で前記ロータの外周面と対向するシール部材本体と、
前記シール部材本体を前記ロータの径方向の外側に付勢する弾性部材と、
を備え、
前記可動シール部材は、前記シール部材本体のうち、前記ロータの周方向に配置された端部の端面側に形成され、かつ該ロータの周方向の内側に向かって窪んだキャビティと、
前記キャビティと前記低圧側領域とを連通させる連通部と、
を備え、
前記キャビティの周方向における深さは、前記ハウジングと前記シール部材本体との間に流れ込んだ前記高圧流体が前記シール部材本体に及ぼす背面圧力を相対的に大きくすることが可能な深さで、かつ10mm以下の範囲内にある軸シール装置。 - 固定シール部材を含んでおり、
前記キャビティの底面と該底面と対向する前記固定シール部材の端面との間に、前記可動シール部材の端面と前記固定シール部材の端面とを互いに離間させる方向に付勢する補助付勢部材を有する請求項1記載の軸シール装置。 - 前記シール部材本体は、前記隙間を介在させて前記ハウジング内に配置された受圧部と、前記ハウジングの外側に配置されたベース部と、前記受圧部と前記ベース部とを接続する接続部と、を含み、
前記ハウジングは、前記隙間に前記高圧流体が導入されて前記シール部材本体が前記ステータの中心軸方向に移動した際に、前記接続部の一部が当接される当接面を有する請求項1または2記載の軸シール装置。 - 請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の軸シール装置を含む回転機械。
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