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JP6933093B2 - 金属化合物粉末中の油分の分析方法 - Google Patents
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Description

本発明は、金属化合物粉末中の油分の分析方法に係る。
エレクトロニクス分野を初めとする多くの産業分野において、多種の金属化合物粉末が化学商品として用いられている。これら金属化合物粉末の多くが、原料から最終製品に至るまでに焼成工程、分級工程、洗浄工程あるいは乾燥工程等、複数の製造工程を経て製造されている。
ところが当該金属化合物粉末の製造中に、当該金属化合物粉末中へ油分が混入し、化学商品としての製品仕様を満足しなくなる場合がある。このような場合は、当該油分の発生元を特定して、当該金属化合物粉末への混入経路を断ち、当該混入経路が断たれた状態を担保することが求められる。
例えば、特許文献1には、熱分解ガスクロマトグラフ装置を用い、金線に付着した有機物を不活性ガス雰囲気で所定の温度で熱分解し、生成したメタンとエチレンとから全炭素量を定量する方法が開示されている。また、特許文献2の(0044)〜(0050)段落には、有機樹脂のC−H基に由来する赤外吸光度を用いて検量線を作成し、金属板上に施された有機被膜の付着量を算出することが開示されている。
特開2002−122581号公報 特開2008−89486号公報
本発明者らの検討によると、前記金属化合物粉末への混入物が、製造設備に係る機械の欠損部品等であったときは、当該欠損部品等が概ね無機物質から構成されていることから、金属化合物粉末中に混入した微量の無機物質の成分を分析すること等により、当該混入物の有無を迅速に確認し、これを同定することが可能である。
これに対し、金属化合物粉末に混入した物質が油分であった場合は、当該混入した油分の有無を迅速に分析し同定することが困難な場合があった。
本発明は、上述した状況の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、製造工程において金属化合物粉末へ油分が混入した場合に、当該混入した油分の有無を迅速に分析し同定することが困難な場合に、当該混入物の有無を迅速に分析し同定することができる方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決する為、本発明者らは研究を行った。
そして当該研究の結果、金属化合物粉末の製造工程において様々な油分が使用されており、これらの油分は、概ね不飽和結合を有しているという、第1の知見を得た。
本発明者らは、第1の知見に基づき、金属化合物粉末に混入した物質が油分であって、当該混入物の有無を迅速に分析することが困難である事例を研究した。その結果、微粒子状の重金属や重金属化合物を含む金属化合物粉末と、新品の油剤分(本発明において「元の油分」と記載する場合がある。)とが接触することにより、当該元の油分が化学変化して化学構造が変化した油剤分(本発明において「変性油分」と記載する場合がある。)となる可能性が極めて高いとの、第2の知見を得た。
即ち、金属化合物粉末は、比表面積が大きく、高い表面活性を有する場合がある。このような場合、金属化合物粉末中へ混入した元の油分が当該高い表面活性の為に化学変化(例えば分解、重合)し、変性油分となる。この結果、元の油分の成分に依って金属化合物粉末中への混入物である当該変性油分の有無を分析し、同定しようとしても、迅速且つ容易に分析することが困難であることに想到したものである。
以上より本発明者らは、金属化合物粉末への混入物が油分であり、当該油分が変性油分となっている場合において、当該混入物の有無を迅速に分析する為には、当該変性油分を迅速且つ容易に分析出来る分析方法を検討することが求められことに想到した。
上述の第1、2の知見を得た本発明者らはさらに研究を行い、紫外・可視分光光度計を用いて変性油分を分析する構成に想到した結果、上述の課題を解決した。
即ち、上述の課題を解決する為の第1の発明は、
金属化合物粉末中に混入し当該金属化合物粉末と接触することで生成した変性油分を、溶剤で固液抽出し抽出液を得る工程と、
紫外・可視分光光度計を用いて前記抽出液の所定波長における吸光度を測定し、前記変性した油分を同定する工程とを、有することを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法である。
第2の発明は、
前記所定波長が、波長250nm以上300nm以下であることを特徴とする。
第3の発明は、
前記所定波長が、波長287.5nmであることを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法である。
第4の発明は、
金属化合物粉末中に混入し当該金属化合物粉末と接触することで生成した変性油分を、溶剤で固液抽出し抽出液を得る工程と、
紫外・可視分光光度計を用いて前記抽出液の吸光度を測定し、前記吸光度における最大吸光ピークの波長から前記変性油分の骨格構成成分を特定し、前記骨格構成成分に基づき、変性前の油分の骨格構造を推定することを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法である。
第5の発明は、
前記最大吸収ピークの波長が250nm以上300nm以下であれば、前記変性前の油分は芳香族系油分であると同定することを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法である。
第6の発明は、
前記溶剤が、エタノール、ジエチルエーテル、メタノール、アセトン、プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、ミネラルスピリット、および、クロロホルムから選択される1種以上であることを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法である。
本発明によれば、金属化合物粉末への混入物が油分であって、当該油分が変性油分となっていた場合であっても、当該混入物の有無を迅速且つ容易に分析し、同定することが出来た。
上述したように、エレクトロニクス分野を初めとする多くの産業分野において、多種の金属化合物粉末が用いられており、これら金属化合物粉末の多くは、原料から最終製品に至るまでに焼成工程、分級工程、洗浄工程あるいは乾燥工程等、複数の製造工程を経て製造されている。
ところが、当該金属化合物粉末の各製造においては各種の油剤(元の油分)が使用されており、当該元の油分が金属化合物粉末中へ混入し、当該金属化合物粉末が、化学商品としての製品仕様を満足しなくなる場合がある。
当該事態が発生した場合は、当該元の油分の金属化合物粉末への混入経路を特定して当該混入経路を断ち、当該混入経路が断たれた状態を担保することが求められる。
しかしながら当該場合において、混入した元の油分は不飽和結合を持っていることから、金属化合物粉末に含まれる重金属や重金属化合物を含む微粉と反応し、化学変化して変性油分となっていることが多い。この結果、金属化合物粉末の製品中に含まれる変性油分を、元の油分として分析したとしても、当該混入した変性油分を検知できない事態となる場合がある。
このような事態を回避する為、金属化合物粉末に変性油分が含まれる場合、これを迅速且つ容易な方法で分析し、当該金属化合物粉末への元の油分の混入原因を特定して、その混入経路を断ち、当該混入経路が断たれた状態を担保し、管理することが重要となっている。
金属化合物粉末に油分が混入しているか否かを分析するには、当該油分が混入したかもしれない金属化合物粉末に対し、全炭素分析によって、含有する炭素量を定量する方法が考えられる。しかし、この方法で被測定対象である金属化合物粉末から所定濃度の炭素が検出されたとしても、その炭素源が工程で使用されているいずれかの元の油分に由来するのか、金属化合物粉末自体に含有される炭素成分に由来するのか、または、工程で使用されているいずれかの有機系部材等に由来するのかを、切り分けして判断することは困難である。
本発明者らの検討によると、金属化合物粉末の製造工程において種々の元の油分が、汎用的に使用されている。そして、これらの元の油分が、製造工程で設備に何らかの異常が生じた場合、設備側から金属化合物粉末へ混入する事態が発生する場合があることを知見した。そして、これらの元の油分は、概ね不飽和結合を有しているとの知見を得た。
さらに本発明者らの検討の結果、まず、元の油分の構造が熱を受けて切断されて分子鎖が生成する。そして、表面活性の高い金属化合物の存在下において、当該切断箇所が開始点となり、生成した分子鎖の重合が進んで重合体となり、変性油分が生成することに想到した。
そして本発明者らは、当該変性油分が、エタノール、ジエチルエーテル、メタノール、アセトン、プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル(本発明において「DME」と記載する場合がある。)、ミネラルスピリット、クロロホルム、等の有機溶剤により溶解出来ることを知見した。
即ち、金属化合物粉末へ元の油分が混入し、接触した際に生成した元の油分から生成した変性油分をエタノール等の有機溶剤によって固液抽出し、赤外分光分析等の分光分析や、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析および分子量分布測定等の機器分析によって化学分析することで、当該変性油分の生成原因となった元の油分の化学構造を推定することが出来ることに想到した。
そして、得られた元の油分の化学構造の推定データと、製造工程からの各種情報(例えば、各種の元の油分の消費状況、等)とを照らし合わせることで、元の油分の金属化合物粉末への混入経路を特定することが可能となった。
元の油分の金属化合物粉末への混入経路を特定することが出来たら、当該混入経路を遮断する方策を実施することで、元の油分の金属化合物粉末への混入を遮断することが出来る。しかし、当該混入経路を遮断する方策が不十分であったり、一旦、遮断された混入経路が復活してしまう場合がある。このような場合、製造された金属化合物粉末中に再び変性油分が存在し、化学商品としての製品仕様を満足しなくなる場合がある。
当該事態を回避する為には、製造工程において、製造された金属化合物粉末中に変性油分が存在しないことを、迅速且つ容易に分析できることが好ましい。
ここで本発明者らは、金属化合物粉末中に混入した変性油分を固液抽出により抽出し、その抽出液を紫外・可視分光光度計で測定し、同定する方法に想到した。しかし、この方法で混入した油分を同定しようとしても、上述したように、同定された変性油分は、元の油分とは極大吸収波長が大きく異なっている場合が多い。
一方、本発明者らは、元の油分が骨格構成成分中にベンゼン環等の芳香族化合物の基を有する場合、当該ベンゼン環等の基は、前記変性油分においても保存されていることに想到した。
本発明者らはさらに検討を進め、検出された変性油分が元の油分の切断された分子鎖の重合体であると考えられる場合でも、当該変性油分の骨格構成成分中にベンゼン環等の芳香族化合物の基を有すると考えられ、紫外・可視分光光度において波長250nm以上300nm以下、さらには波長287.5nm付近に吸収を持つことに想到した。
検出された変性油分が、波長250nm以上300nm以下、さらには波長287.5nm付近に吸収を持つことに想到した結果、重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に油分が混入した場合には、当該油分に対する紫外・可視分光光度測定によって、迅速且つ容易に分析することが可能になった。この結果、重金属および重金属を含む金属化合物粉末の製造工程で異常が起きたかどうかを、迅速且つ容易に分析することが可能になった。
以下、本発明に係る実施の形態について、
1.重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に混入して変性した油分を有機溶剤で固液抽出する工程
2.紫外・可視分光光度計を用いて油分混入の有無を確認する工程
3.紫外・可視分光光度計を用いて変性油分の構造を推定する工程
4.本発明に係る実施の形態による効果、の順序で説明を行う。
1.重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に混入して変性した油分を有機溶剤で固液抽出する工程
金属化合物粉末の製造工程において、当該金属化合物粉末中に元の分が混入した場合、当該油分は、当該金属化合物粉末中に含まれる重金属や重金属化合物と接触する。そして、当該油分は重金属や重金属化合物と接触したまま加熱工程や乾燥工程を経ることにより、元の油分から変性(例えば分解、重合)し、変性油分となると考えられる。
この為、重金属および重金属を含む金属化合物粉末に混入した油分を有機溶剤で抽出し、抽出された変性油分を、当該油分が新油(元の油分)である状態において公知である紫外・可視スペクトルが与える極大吸収波長で測定しても、検出することは出来なかった。
本発明者らは、赤外分光分析、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析および分子量分布測定等の研究の結果、元の油分が、重金属や重金属化合物と接触したまま加熱工程や乾燥工程を経ることにより、元の油分の構造が熱を受けて切断されて分子鎖が生成する。そして、表面活性の高い金属化合物の存在下において、当該切断箇所が開始点となり、生成した分子鎖の重合が進んで重合体となり、変性油分が生成することを知見した。
次に本発明者らは、当該変性油分を溶解し、金属化合物粉末から抽出出来る溶剤の研究を行った。この結果、エタノール、ジエチルエーテル、メタノール、アセトン、プロパノール、DME、ミネラルスピリット、等の有機溶剤を用いれば、変性油分を溶解し、金属化合物粉末からこれを抽出出来ることを知見した。
2.紫外・可視分光光度計を用いて油分混入の有無を確認する工程
本発明者らは、重金属および重金属を含む金属化合物粉末であって油分を含まない試料と、変性油分を含む試料とを準備し、上述した溶剤の内から、例えばエタノールを選択し、油分を含まない試料と、変性油分を含む試料とに油分の抽出操作を実施した。
そして、上述した抽出された変性油分の紫外・可視分光光度における吸光度スペクトルにおける最大吸光ピークの波長から、前記変性油分の骨格構成成分を特定し、前記骨格構成成分に基づき、変性前の油分の骨格構造を推定出来ることに想到した。
これは、重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に混入した元の油分は、重金属および重金属を含む金属化合物粉末と接触することにより変性油分を生成している一方、当該元の油分が骨格構成成分中にベンゼン環等の芳香族化合物の基を有する場合、当該ベンゼン環等の基は、前記変性油分においても保存されていることに想到したことによる。
さらに、当該最大吸収ピークの波長の位置が波長250nm以上300nm以下であれば、変性前の油分は芳香族系油分であると同定することが出来ることに想到したものである。
3.紫外・可視分光光度計を用いて変性油分の構造を推定する工程
そこで、重金属および重金属を含む金属化合物粉末であって油分を含まない試料と、変性油分を含む試料とを再び準備し、溶剤としてエタノールを選択し、油分を含まない試料と、変性油分を含む試料とに油分の抽出操作を実施した。そして、当該抽出後の2種の溶剤に対し、波長250nm以上300nm以下で吸光度を測定し、最大吸収ピークの波長の位置が波長250nm以上300nm以下であれば、変性前の油分は芳香族系油分であると同定することが出来る。さらには波長287.5nmに吸光度ピークを有する場合は、変性油分であると考えられる。
尚、本発明において、芳香族系油分とは、当該油分を構成する骨格構成成分中にベンゼン環等の芳香族化合物が存在するものを言う。
上述した変性油分の化学構造をさらに精密に測定したい場合は、採取された変性油分をGCMS等の分析機器を用いて分析することで同定される。
4.本発明に係る実施の形態による効果
本発明を採用することにより、重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に油分が混入した場合には、生成した変性油分が示す紫外・可視光における極大吸収波長を用い、分光光度測定を用いて、迅速且つ容易に分析することができる。この結果、重金属および重金属を含む金属化合物粉末の製造工程において、異常が起きたか否かを迅速且つ容易に確認することが可能になった。
以上説明したように、変性油分の骨格構成成分を特定し、当該特定結果から変性前の油分の構造を同定することは、金属化合物粉末へ混入した油分の発生元を特定して、当該金属化合物粉末への混入経路を断ち、当該混入経路が断たれた状態を担保する観点から極めて有用である。
さらに、変性油分の骨格構成成分の特定に加えて、赤外分光分析等の分光分析や、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析および分子量分布測定等の機器分析によって、変性油分の化学分析を実施することで、当該変性油分の化学構造を精密に分析することも好ましい構成である。
以上、詳細に説明したように本発明を実施することで、製造工程において使用される油分が金属化合物粉末中に混入し、当該金属化合物粉末が製品仕様を満足しなくなるという事態を回避することが出来た。
以下、実施例を参照しながら本発明を具体的に説明する。
尚、本発明の技術的範囲は、当該実施例に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含むものである。
[測定例1]
重金属および重金属を含む金属化合物粉末であって、油分が混入していない試料(本実施例において「正常品」と記載する場合がある。)と、油分が混入した試料(本実施例において「混入品」と記載する場合がある。)とを準備した。
正常品および混入品をそれぞれ5gずつ秤取り、ここへ抽出液としてエタノール10mlを添加した後、3分間振とうして固液抽出を実施した。そして、抽出液を遠心分離して液中の微粉を沈降させた。このようにして得られた抽出液の上澄み液を採取して、紫外・可視分光光度計用の10mmセルに移入後、変性油分の極大吸収波長である波長287.5nmにて吸光度を測定した。
尚、紫外・可視分光光度計として日本分光株式会社製のV−770iRM型を用い、積算回数は1回とした。
当該測定結果を表1に記載した。
[測定例2]
抽出液としてジエチルエーテルを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例3]
抽出液としてメタノールを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例4]
抽出液としてアセトンを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例5]
抽出液としてプロパノールを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例6]
抽出液としてDMEを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例7]
抽出液としてミネラルスピリットを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例8]
抽出液としてクロロホルムを添加した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
[測定例9]
紫外・可視分光光度計により、波長254nmにて吸光度を測定した以外は、測定例1と同様にして、正常品および混入品からの抽出液の吸光度を測定し、当該測定結果を表1に記載した。
Figure 0006933093
[結果]
表1に示す吸光度の測定結果より、測定例1〜8において、混入品からの抽出液は、正常品からの抽出液より著しく高い吸光度を示した。一方、測定例9において、混入品からの抽出液は、正常品からの抽出液より若干高い吸光度を示した。
この結果、金属化合物粉末に油分が混入し、当該油分から変性油分が生成したと考えられる。
以上より、混入した油分から生成したと考えられる変性油分を迅速且つ容易に分析することができた。この結果、重金属および重金属を含む金属化合物粉末の製造工程において、異常が起きたか否かを迅速且つ容易に分析し、混入した変性油分を同定することが可能になった。

Claims (6)

  1. 重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に混入し当該金属化合物粉末と接触することで生成した変性油分を、溶剤で固液抽出し抽出液を得る工程と、
    紫外・可視分光光度計を用いて前記抽出液の所定波長における吸光度を測定し、前記変性した油分を同定する工程とを、有することを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法。
  2. 前記所定波長が、波長250nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属化合物粉末中の油分の分析方法。
  3. 前記所定波長が、波長287.5nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化合物粉末中の油分の分析方法。
  4. 重金属および重金属を含む金属化合物粉末中に混入し当該金属化合物粉末と接触することで生成した変性油分を、溶剤で固液抽出し抽出液を得る工程と、
    紫外・可視分光光度計を用いて前記抽出液の吸光度を測定し、前記吸光度における最大吸光ピークの波長から前記変性油分の骨格構成成分を特定し、前記骨格構成成分に基づき、変性前の油分の骨格構造を推定することを特徴とする金属化合物粉末中の油分の分析方法。
  5. 前記最大吸収ピークの波長が250nm以上300nm以下であれば、前記変性前の油分は芳香族系油分であると同定することを特徴とする請求項4に記載の金属化合物粉末中の油分の分析方法。
  6. 前記溶剤が、エタノール、ジエチルエーテル、メタノール、アセトン、プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、ミネラルスピリット、および、クロロホルムから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の金属化合物粉末中の油分の分析方法。

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