図1ないし図9を参照して本発明における使い捨ておむつを具体化した一実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、パンツ型使い捨ておむつ10(以下、単に「おむつ10」という。)は、人体の腹部形状に追従する形状を有する前身頃10Fと、人体の背部形状に追従する形状を有する後身頃10Rと、前身頃10Fおよび後身頃10Rを繋ぐ股下部10Cとを備える。
前身頃10Fにおいて股下部10Cと反対側の部分は、人体の胴周りの部分を取り囲む胴周り部10Wを構成し、上端に、胴周り開口部10Aを備えている。また、前身頃10Fにおける左右両端部、後身頃10Rにおける左右両端部、および、股下部10Cにおける左右両端部は、人体の太股部分を取り囲む形状を有した左右一対の脚周り開口部10Lを構成している。また、前身頃10Fと後身頃10Rの胴周り方向の左右両端部は、接合部11となっている。
図2(a)は、パンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)の2B−2B線に沿った断面図である。なお、図2(b)において、右側がおむつ装着者の肌側、すなわち装着者の肌に近い側となる。
前身頃10Fにおける胴周り部10Wは、腹側の第1外装体としての腹側外装体12Fで構成され、後身頃10Rにおける胴周り部10Wは、背側の第2外装体としての背側外装体12Rで構成されている。
腹側外装体12Fおよび背側外装体12Rは、胴周り方向である左右方向Xを長手方向とした矩形形状を有している。外装体を構成するシートは、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布であり、また、透液性シート、不透液性シートの何れであってもよい。そして、腹側外装体12Fは、腹側外装体12Fを構成するシート間に腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDが挟まれて構成されている。背側外装体12Rもまた、背側外装体12Rを構成するシート間に背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDが挟まれて構成されている。これらの弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンなどから選ばれる1つ以上の材料により形成された弾性体であり、糸状または紐状に形成されている。弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、複数本が互いに平行に、左右方向Xに沿って配置されている。
腹側外装体12Fと背側外装体12Rとは、股下部10Cを構成する吸収性本体16で連結される。吸収性本体16は、前後方向Yを長手方向とした矩形形状を有している。図2(b)に示すように、吸収性本体16は、液不透過性を有したバックシート17と、吸収体18と、液透過性を有したトップシート19と、バックシート17に対して外側に重ねられるカバーシート20とを備えている。おむつ10において、トップシート19は、着用者の肌と接する内側に配置され、バックシート17は、吸収体18に対して外側に配置され、カバーシート20は、バックシート17を覆うように、最外に配置される。そして、吸収性本体16において、外側から、カバーシート20、バックシート17、吸収体18、トップシート19の順に重なっている。
バックシート17を形成する材料は、例えば、液不透過性を有したポリエチレン樹脂製のフィルムである。バックシート17は、通気性を確保するため、微細孔が多数形成されたものを用いることが好ましい。トップシート19およびカバーシート20を形成する材料は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルムなどから選ばれる1以上の材料である。また、トップシート19は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維であって親水化処理が施された繊維から構成される液透過性を有した不織布などが用いられる。カバーシート20は、最外のシートであり、使用者に触れるシートであるため、手触り感を向上させる不織布などで構成されている。
吸収体18は、前身頃10F、股下部10C、および、後身頃10Rに跨るように細長い帯形状を有している。吸収体18は、吸収性材料の成形体と、成形体を包むコアラップとで構成されている。吸収体18を形成する吸収性材料の成形体は、例えば、フラッフパルプ、高吸収性ポリマー、親水性シートなどの吸収性材料を成形したものである。また、コアラップは、ティシュや不織布などで構成されている。そして、吸収体18は、バックシート17とトップシート19との間に配置され接合される。吸収体18は、腹側外装体12Fと背側外装体12Rとの間に延在され、腹側端部18Fと背側端部18Rとを備えている。腹側端部18Fは、腹側上部領域12FUまで延在しており、背側端部18Rは、背側下部領域12RDまで延在している。なお、背側端部18Rは、背側上部領域12RUまで延在していてもよい。また、吸収体18において、コアラップは省略されていてもよい。
バックシート17、トップシート19、および、カバーシート20は、吸収体18に対して一周り大きな矩形形状を有したシートであり、吸収性本体16は、吸収体18が配置される中央領域と、吸収体18が配置されておらず周辺部18Bとを含む。吸収性本体16における前後方向Yに延びる両側縁部は、吸収体18が配置されていないシート側縁部18Aである。シート側縁部18Aは、一例として、バックシート17、トップシート19、および、カバーシート20が重なって構成されている。また、シート側縁部18Aは、一例として、カバーシート20の前後方向Yに延びる両側縁部を左右方向Xにおける中心線Pの方向となる内側に折り返して構成されている。また、吸収性本体16の前後方向Yにおける外装体12F,12Rと重なる領域の内面と外面は、外装体を構成するシートが接着される端部領域16Aとなる。
腹側外装体12Fは、腹側上部領域12FUと腹側下部領域12FDとを備えている。背側外装体12Rも、背側上部領域12RUと背側下部領域12RDとを備えている。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUおよび背側上部領域12RUでは、腹側上部弾性部材15FUおよび背側上部弾性部材15RUが吸収性本体16に対して内側、すなわちトップシート19側に配置されており、胴周り開口部10Aや胴周り部10Wの一部を構成している。腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDでは、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDが吸収性本体16に対して外側、すなわちバックシート17やカバーシート20側に配置されており、胴周り部10Wの一部を構成している。
腹側上部領域12FUには、複数本の腹側上部弾性部材15FUが胴周り方向を長手方向としたシート間(腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部25Fの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って伸長された状態で配置されている。背側上部領域12RUには、複数本の背側上部弾性部材15RUが左右方向Xを長手方向としたシート間(背側外部シート部26Rと背側内部シート部25Rとの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って伸長された状態で配置されている。
また、腹側下部領域12FDには、複数本の腹側下部弾性部材15FDが左右方向Xを長手方向としたシート間(腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部25Fの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って配置されている。背側下部領域12RDには、複数本の背側下部弾性部材15RDが左右方向Xを長手方向としたシート間(背側外部シート部26Rと背側内部シート部25Rとの間)において、左右方向Xにおける左右両端部に亘って配置されている。これら弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDは、胴周り部10Wにおいて、ウェストギャザーやタミーギャザーを構成し、腹漏れや背漏れの発生を抑制する。
図2(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDは、吸収性本体16における端部領域16Aのカバーシート20に直接接着されている。図2(a)に示すように、腹側下部弾性部材15FDは、端部領域16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。また、大半の背側下部弾性部材15RDは、端部領域16A上において、伸長していない状態、例えば切断された状態で配置されている。これにより、吸収性本体16は、腹側下部弾性部材15FDおよび背側下部弾性部材15RDの収縮に合わせて吸収性本体16が収縮し、吸収性本体16にひだが形成されることを抑制することができる。そして、吸収性本体16と肌との間に隙間が生じることを抑制でき、腹漏れや背漏れを抑制することができる。
複数本の背側下部弾性部材15RDのうちで背側上部領域12RUの近くにおいて背側上部領域12RUの下端部に沿って位置する複数本の背側下部弾性部材15RD1は、吸収体18の背側端部18R上において、伸長した状態、すなわち切断されていない状態で配置されている。したがって、背側下部弾性部材15RD1が配置された領域では、背側端部18Rにひだ16Bを形成することができる。ひだ16Bが形成された背側端部18Rでは、ひだ16Bが形成されていない領域よりも吸収体18の厚さが厚くなり、後述の背側ポケット30Rの開口端が臀部に押されて塞がりにくくなる。また、ひだ16Bを、背側ポケット30Rに導くガイドとして機能させることができる。
図2(b)に示すように、腹側上部領域12FUは、腹側上部弾性部材15FUをシート(腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部25F)で挟み込んで腹側内側弾性部27Fを構成している。また、腹側下部領域12FDも、腹側下部弾性部材15FDをシート(腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部25F)で挟み込んで腹側外側弾性部28Fを構成している。腹側上部領域12FUおよび腹側下部領域12FDは、腹側外部シート部26Fと腹側内部シート部25Fとによって、一連に繋がっている。
背側上部領域12RUは、背側上部弾性部材15RUをシート(背側外部シート部26Rと背側内部シート部25R)で挟み込んで背側内側弾性部27Rを構成している。また、背側下部領域12RDも、背側下部弾性部材15RDをシート(背側外部シート部26Rと背側内部シート部25R)で挟み込んで背側外側弾性部28Rを構成している。背側上部領域12RUおよび背側下部領域12RDは、背側外部シート部26Rと背側内部シート部25Rとによって、一連に繋がっている。
腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rは、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴周り開口部10Aの部分で内側に折り曲げられて最も肌側に位置するシートである。腹側内部シート部25Fおよび背側内部シート部25Rは、腹側外部シート部26Fおよび背側外部シート部26Rに対向するシートである。
腹側内側弾性部27Fを構成している腹側外部シート部26Fおよび腹側内部シート部25Fは、腹側上部弾性部材15FUおよび腹側下部弾性部材15FDを挟み込み、第1接着剤24で接着されている。腹側外部シート部26Fおよび腹側内部シート部25Fの折り返し部分は、胴周り開口部10Aを構成し、胴周り開口部10Aをシートの2枚重ねで構成することによって、強度を高めている(図2(b)中A部参照)。
背側内側弾性部27Rを構成している背側外部シート部26Rおよび背側内部シート部25Rは、背側上部弾性部材15RUおよび背側下部弾性部材15RDを挟み込み、第1接着剤24で互いに接着されている。背側外部シート部26Rおよび背側内部シート部25Rの折り返し部分は、胴周り開口部10Aを構成し、胴周り開口部10Aをシート2枚重ねで構成することによって、強度を高めている(図2(b)中A部参照)。
腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおいて、腹側内部シート部25Fおよび背側内部シート部25Rは、端部領域16Aのトップシート19に対して接着されない非接着とされる。また、腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおいて、端部領域16Aの周囲の領域では、胴周り開口部10Aで折り返された腹側内部シート部25F同士が第2接着剤25によって接着される。また、端部領域16Aのカバーシート20も腹側内部シート部25Fに対して第2接着剤25によって接着される。
ここで、図3(a)は、上部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図、図3(b)は、下部領域の接着領域を図2(a)に対応して示す平面図である。図2(b)および図3(a)に示すように、腹側上部領域12FUにおいて、端部領域16Aのカバーシート20が腹側内部シート部25Fに対して第2接着剤25によって接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。また、背側上部領域12RUにおいて、端部領域16Aのカバーシート20が背側内部シート部25Rに対して第2接着剤25によって接着される領域が、第1接着領域22Aとなる。
また、腹側上部領域12FUにおける腹側内側弾性部27Fにおいて、第1接着領域22Aの周囲であって、胴周り開口部10Aで折り返された腹側内部シート部25F同士が第2接着剤25によって接着される領域が、第2接着領域22Bとなる。また、背側上部領域12RUにおける背側内側弾性部27Rにおいて、胴周り開口部10Aで折り返された背側内部シート部25R同士が第2接着剤25によって接着される領域が、第2接着領域22Bとなる。腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rにおける第2接着領域22Bは、端部領域16Aの周囲に位置することで、股下部10Cを向いた凹部形状を有する。この凹部形状の内側部分において、腹側内側弾性部27Fおよび背側内側弾性部27Rは、端部領域16Aのトップシート19に対して接着されない非接着部となる。これにより、腹側内側弾性部27Fの腹側内部シート部25Fと端部領域16Aのトップシート19との間には、腹側ポケット30Fが構成される。また、背側内側弾性部27Rの背側内部シート部25Rと端部領域16Aのトップシート19との間には、背側ポケット30Rが構成される。
これらポケット30F,30Rは、股下部10C側に開口端を有し、腹や背の方向に移動する尿や便などの排泄物を収容できるように構成されている。ポケット30F,30Rの開口端は、外部シート部26F,26Rの端部および内部シート部25F,25Rの端部とによって構成されており、これら2つの端部は、その端がホットメルト接着剤や熱溶着などの接着手段により一体的に接着され固定部58aとなっている(図2(b)参照)。ポケット30F,30Rの開口端は、2つの端部(腹側は腹側内部シート部25Fおよび腹側外部シート部26Fの端部、背側は背側内部シート部25Rおよび背側外部シート部26Rの端部)が接着手段によって一体化されている。これにより、ポケット30F,30Rの開口端は、シートが1枚のときよりも強度が高まり、シートがポケット30F,30Rを塞ぐ方向に撓み、ポケット30F,30Rへ向かう排泄物の流れの妨げとならないようにしている。なお、2つの端部は、固定部58aを備えていれば、ポケット30F,30Rへ向かう排泄物の流れの妨げとならない程度であれば、若干ずれていてもよい。
また、腹側外部シート部26Fの端部および腹側内部シート部25Fの端部、ならびに、背側外部シート部26Rの端部および背側内部シート部25Rの端部は、おむつ10の製造過程において、一度に切断された切断端であり、その端が揃っている。また、ポケット30F,30Rの開口端は、2つの端部の端が揃った状態で接着手段により一体化され強度が高められている。2つの端部の端が不揃いの場合には、2つの端部が接着手段で一体化されているといっても、長い方の端部が撓みやすくなる。この点、ポケット30F,30Rの開口端では、2つの端部の端が揃っていることで、長い方の端部が開口端を塞ぐ方向に撓んでしまうことを抑えることができる。
また、第2接着領域22Bは、胴周り開口部10Aと端部領域16Aの前後方向Yの先端部との間に所定の幅を有する余白部34を備え、ポケット30F,30Rに収容された排泄物が胴周り開口部10Aの方へ漏れることを抑制している。
また、図3(b)に示すように、腹側下部領域12FDおよび背側下部領域12RDにおいて、腹側外側弾性部28Fおよび背側外側弾性部28Rの腹側内部シート部25Fおよび背側内部シート部25Rが端部領域16Aのバックシート17に対して接着される領域が、第3接着領域22Cとなる。
ここで、腹側ポケット30Fおよび背側ポケット30Rの大きさについて説明する。腹側ポケット30Fは、背側ポケット30Rに対して大きく深いものとし、尿などの排泄物を収容するための容積を十分確保し、腹漏れの発生を抑えるようにしている。また、腹側ポケット30Fは、おむつ10を廃棄する際に、腹側ポケット30F以外の部分が丸められた状態で収容することもできるようになっている。また、背側ポケット30Rは、腹側ポケット30Fに対して小さく浅いものとなっているので、臀部によって、背側ポケット30Rの開口端が塞がれにくくなっている。
また、図3(a)に示すように、吸収性本体16の内面、すなわちトップシート19上には、前後方向Yに沿う両端部に立体ギャザー21が配置されている。各立体ギャザー21は、吸収性本体16の前後方向Yに延在する弾性部材21Eと、弾性部材21Eを挟み込むサイドシート21Sとを備えている。弾性部材21Eは、複数本が互いに平行な状態で、かつ、ホットメルト接着剤が塗布され伸長された状態でサイドシート21Sに対して配置され、サイドシート21Sが二つ折りされることで、サイドシート21Sによって挟み込まれる。弾性部材21Eは、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDと同様な材料で構成されている。サイドシート21Sも、トップシート19やカバーシート20と同様なシートで構成され、例えば、液透過性または液不透過性を有した不織布などを含んだ前後方向Yに延びる長尺のシート体で構成されている。立体ギャザー21を構成するサイドシート21Sの前端部や後端部は、熱溶着やホットメルト接着剤によってシール部21Cで接着されている。
また、吸収性本体16のシート側縁部18Aは、カバーシート20の前後方向Yに沿う両側縁部を、中央側に折り返して構成されている。折り返されたシート側縁部18Aは、レグギャザー23を備えている。レグギャザー23は、シート側縁部18Aで吸収性本体16の前後方向Yに延在する弾性部材23Eを挟み込んで構成されている。そして、折り返されて中央側に位置するカバーシート20の各縁部は、腹側上部領域12FUから背側上部領域12RUに跨る範囲において、接着剤によって接着されている。レグギャザー23は、腹側ポケット30Fと背側ポケット30Rの前後方向Yに延びる内側縁部に位置している。
次に、おむつ10の製造方法について説明する。図4に示すように、おむつ10の組立ラインにおいては、腹側外装体12Fおよび背側外装体12Rを形成するための長尺の第1シート材51と第2シート材52が供給される。第1シート材51は、外部シート部26F,26Rを構成するためのシート材であり、第2シート材52は、内部シート部25F,25Rを構成するためのシート材である。搬送ラインでは、第1シート材51と第2シート材52とが順次同方向に走行される(矢印F方向)。
第1シート材51および第2シート材52は、走行方向Fと直交する幅方向Wにおける中央であって走行方向に延びる境界となる。ここでは、この境界を境界線53で示す。そして、境界線53を境に一方の領域が腹側外装体12Fとなる第1領域54となり、他方の領域が背側外装体12Rとなる第2領域55となる。第1シート材51および第2シート材52の各々は、さらに2つの領域を備え、境界線53に近い側が第3領域56となり、境界線53から離れた側が第4領域57となる。第3領域56は、上部領域12FU,12RUとなる領域であり、第4領域57は、折り返された第3領域56が重なる第5領域57aと、下部領域12FD,12RDとなる第6領域57bとで構成されている。
走行する第1シート材51において、第1領域54および第2領域55の第3領域56には、第1弾性部材としての伸長されている上部弾性部材15FU,15RUが配置される。また、走行する第1シート材51において、第1領域54および第2領域55の第6領域57bには、第2弾性部材としての伸長されている下部弾性部材15FD,15RDが配置される。一例として、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDには、ホットメルト接着剤などの接着剤が塗布された状態で各領域に配置される。勿論、各領域に接着剤を塗布し、そこに接着剤が未塗布の弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDが配置されるようにしてもよい。また、第1シート材51の境界線53上には、接着剤が走行方向Fに沿って直線状に塗布され接着部58が構成される。第1シート材51の境界線53上に塗布される接着剤としては、ホットメルト接着剤が適用可能である。また、ホットメルト接着剤に代えて、熱溶着装置を用いて熱溶着によって接着部58を構成するようにしてもよい。
弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDが第1シート材51の各領域に配置されると、第2シート材52が重ね合わされる。この際に、第2シート材52は、第1シート材51に対して、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDに塗布されている接着剤や境界線53上の接着部58で接着され一体化される。第1シート材51と第2シート材52とは、幅方向Wにずれていないことが好ましいが、若干ずれていてもよい。幅方向Wにおける両側縁部は、おむつ10となったとき、下部領域12FD,12RDの下端部となり、吸収性能にさほど影響ない箇所だからである。そして、第3領域56の部分には、内側弾性部27F,27Rが構成され、第6領域57bの部分には、外側弾性部28F,28Rが構成される。
図5(a)に示すように、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDを挟んだ状態で第1シート材51と第2シート材52とが一体化されると、外装シート体61となる。図5(b)に示すように、外装シート体61は、カッタなどの切断機構によって、境界線53に沿って切断され、第1外装シート体62と第2外装シート体63となる。境界線53は、直線状の接着部58における幅方向Wの中央を通る線であり、接着部58は、境界線53に沿って切断されることで、二分され、第1外装シート体62および第2外装シート体63において、第1シート材51および第2シート材52の切断端が分離しないようにする固定部58aとなる。
図5(c)に示すように、第1外装シート体62および第2外装シート体63は、幅方向Wにおいて位置が入れ替えられる。これにより、第1外装シート体62および第2外装シート体63は、第4領域57に対して互いに固定部58a(第3領域56)が近い状態から第4領域57に対して互いに離れた状態となる。
また、図6(a)および(b)に示すように、第1外装シート体62および第2外装シート体63を、第4領域57に対して互いに固定部58a(第3領域56)が近い状態から第4領域57に対して互いに離れた状態に変更する方法としては、第1外装シート体62および第2外装シート体63の各々を上下に反転させるようにしてもよい。なお、以下の説明では、図5の例に連続する工程を説明する。
図7に示すように、第1外装シート体62および第2外装シート体63は、互いに固定部58a(第3領域56)が近い状態から互いに離れた状態で、平行かつ離間した状態で走行方向Fに走行される。第1外装シート体62と第2外装シート体63との間隔は、股下部10Cを構成するのに必要な間隔である。そして、第5領域57aおよび第6領域57bの中で吸収性本体16の端部領域16Aと重なる領域に第2接着剤25が塗布される(ハッチングで示す領域)。
吸収性本体16は、別の製造ラインで製造されている。吸収性本体16は、その長手方向が走行方向Fに対して直交する状態で、第1外装シート体62と第2外装シート体63との間に供給される。そして、吸収性本体16の一方の端部領域16A(カバーシート20側の面)は、第1外装シート体62に接着され、他方の端部領域16A(カバーシート20側の面)は、第2外装シート体63に接着される。
次いで、図8に示すように、第1外装シート体62および第2外装シート体63の第3領域56は、第4領域57との境界線で谷折りされて、第5領域57aと重ねられ接着される。第3領域56は、端部領域16A上では非接着であり、端部領域16Aの周囲において、第5領域57aと接着される。これにより、内側弾性部27F,27Rが端部領域16Aを覆うように位置し、端部領域16A上には、開口端を股下部10C側に向けたポケット30F,30Rが構成される。そして、ポケット30F,30Rの開口端が固定部58aとなる。なお、第3領域56は、固定部58aが第6領域57bと重なるように折り曲げてもよい。この後、吸収性本体16を走行方向Fに沿って谷折りするようにして第1外装シート体62と第2外装シート体63とを重ね合せ、その状態において走行方向Fに隣り合う吸収性本体16の間の部分(後述の切断線64に対応する部分)にて、第1外装シート体62と第2外装シート体63とを接合する。その後、第1外装シート体62および第2外装シート体63は、個片化すべく、カッタなどの切断機構によって、走行方向Fに隣り合う吸収性本体16の間の接合部分において切断線64で切断されて、おむつ10が完成される。
このように製造されたおむつ10では、ポケット30F,30Rの開口端が外装シート体61を境界線53で切断した際の切断端となり(図5参照)、2つの端部の端が設計通りに揃っており、シートの端部がポケット30F,30Rの開口端を塞ぐように撓みにくくなる。加えて、ポケット30F,30Rの開口端を構成する2つの端部は、固定部58aで一体化されていることから、2つの端部が分離することもなく、強度も高められる。この点からも、ポケット30F,30Rの開口端は、当該開口端を塞ぐように撓みにくくなる。
図9(a)および(b)は、図5および図6に対応する参考例となるおむつの製造方法を示す。図9では、第1外装シート体62および第2外装シート体63の状態を変更する工程を行っていない。この場合、外装シート体61を境界線53で切断したとき、分離された第1外装シート体62および第2外装シート体63の切断端58b(第4領域57)は、互いに近い状態にあるため、おむつが完成したときには、外装体12F,12R(下部領域12FD,12RD)の下端部を構成することになる。そして、ポケット30F,30Rの開口端は、切断端58bと反対側の端部58cとなる。端部58cは、第1シート材51と第2シート材52とで弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDを挟み込む際に、第1シート材51と第2シート材52の位置がずれてしまい、不揃いとなってしまうことがある。端部58cは、その端が不揃いであっても、最後の製造工程まで端が揃えられることなく、そのままポケット30F,30Rの開口端となってしまう。2つの端部の端が不揃いの場合には、長い方の端部がポケット30F,30Rの開口端を塞ぐように撓んでしまうおそれもある。このような場合には、排泄物がポケット30F,30Rに流入する際の妨げとなってしまう。この点、図5や図6の場合のように、2つの端部の端が揃っている場合には、このような問題が発生しづらくなり、ポケット30F,30Rへの排泄物の流入の妨げになりにくくなる。
以上、上記実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)ポケット30F,30Rの開口端は、外部シート部26F,26R(第1シート材51)の端部と内部シート部25F,25R(第2シート材52)の端部の2つの端部で構成されているところ、2つの端部は、固定部58aとなっているので分離することがなくなる。したがって、2つの端部は、ポケット30F,30Rの開口端を塞ぐように撓みにくくなり、その結果、ポケット30F,30Rへの排泄物の流入の妨げになりにくくなる。
(2)外部シート部26F,26R(第1シート材51)の端部と内部シート部25F,25R(第2シート材52)の端部は、その端が揃って一体化されていることで、排泄物の流入の妨げる方向に撓みにくくなる。
(3)おむつ10の製造工程において、弾性部材15FU,15FD,15RU,15RDを第1シート材51と第2シート材52で挟み込んだ外装シート体61を第1外装シート体62および第2外装シート体63とに分離する。その後、第1外装シート体62および第2外装シート体63の位置を、第4領域57に対して互いに固定部58a(第3領域56)が近い状態から第4領域57に対して互いに離れた状態に変更する(図5および図6参照)。これにより、ポケット30F,30Rの開口端の端を揃えることができる。
(4)外装シート体61を第1外装シート体62と第2外装シート体63とに分離する位置は、接着部58が設けられている。したがって、外装シート体61が第1外装シート体62と第2外装シート体63とに分離したとき、その切断端には、接着部58が二分された固定部58aを備えることになる。これにより、ポケット30F,30Rの開口端を構成する2つの端部が分離することを防ぐことができる。
(5)おむつ10は、下部領域12FD,12RDに外側弾性部28F,28Rを備えることで、外側弾性部28F,28Rの弾性力により、吸収性本体16が着用者にフィットし、着用者へのフィット性を向上させることができる。そして、外側弾性部28F,28Rは、内側弾性部27F,27Rを構成する上部弾性部材15FU,15RUを第1シート材51に配置するときに、あわせて、下部弾性部材15FD,15RDも第1シート材51に配置することができる。
(6)第1シート材51と第2シート材52とは、幅方向Wに若干ずれていてもよい。ずれていても、ポケット30F,30Rの開口端を構成する外部シート部26F,26Rの端部および内部シート部25F,25Rの端部は、切断端であり、その端が揃うからである。したがって、図4に示す第1シート材51と第2シート材52とを重ね合わせる工程における重ね合わせ精度を緩めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・おむつ10の製造工程において、第1シート材51の境界線53上に接着剤や熱溶着によって接着部58を設けたが、第1シート材51の境界線53上に接着部58を設けず、第1シート材51および第2シート材52をカッタなどの切断機構によって境界線53で切断する際に(図5(a)、(b)参照)、カッタなどの切断機構による熱や圧力により第1シート材51および第2シート材52の切断端を接合一体化して固定部58aを構成するようにしてもよい。
・おむつ10において、ポケット30F,30Rの開口端にある固定部58aは省略してもよい。この場合、ポケット30F,30Rの開口端を構成する外部シート部26F,26R(第1シート材51)の端部と内部シート部25F,25R(第2シート材52)の端部で構成された2つの端部は、分離した状態となる。しかし、2つの端部は、切断端であり、設計通りにその端を揃えることができ、したがって、撓んだとしても、排泄物の流入の妨げることはない。このようなおむつ10の製造方法は、第1シート材51と第2シート材52とを重ねるときに、境界線53に沿う接着部58を省略するようにすればよい。
・ポケット30F,30Rの開口端は、直線状に限定されるものではなく、例えば波線状であってもよい。また、左右方向Xにおける一端から他端にかけて斜線状であってもよい。
・ポケット30F,30Rの形状は、排泄物の流入を妨げ収容できれば特に限定されるものではない。例えば、ポケット30F,30Rは、例えばポケット30F,30Rの開口端の幅が狭まった全体がΩ形状を有していてもよい。これにより、ポケット30F,30Rに入った排泄物が逆戻りすることを抑制することができる。また、ポケット30F,30Rの開口端の幅が胴周り開口部10A側の辺よりも広くてもよい。
・腹側外装体12F、背側外装体12Rの何れか一方の外装体が上部領域12FU,12RUと下部領域12FD,12RDを備える構成であってもよいし、何れの外装体も上部領域12FU,12RUと下部領域12FD,12RDとに区画されていない構成であってもよい。すなわち、外側弾性部28F,28Rを省略する構成としてもよい。
・パンツ型おむつとしては、吸収性本体と、腹側と背側が股下部で繋がった外装体の2ピース構造にも適用することができる。また、パンツ型のおむつに限らず、テープ型のおむつであってもよい。また、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつであってもよい。